JP2006214440A - 流体の流量を制御するバイパスバルブ、該バイパスバルブを含んで構成される流体フィルタ、該流体フィルタに用いられる媒体パック、及び、流体の濾過方法、並びに、流体のフィルタシステム - Google Patents

Abstract

【課題】コンパクト化が可能で、費用効果に優れた、バイパスバルブを有する動力車のサンプフィルタを提供する。
【解決手段】フィルタは、熱可塑性フレームに囲まれたバイパスバルブ及びプリーツ媒体を含み、インレット及びアウトレットを有するハウジングと、該ハウジング内に設けられた媒体と、該媒体に隣接してハウジング内に設けられるバイパスバルブと、を含んで構成され、前記バイパスバルブが、バルブフレームと、該バルブフレームと連結するように構成されたバルブ蓋と、前記バルブフレームと連結するように構成されたバルブパンと、前記バルブ蓋と前記バルブフレームとの間に配置され、開位置と閉位置との間を移動可能なシールドアと、を含んで構成されることを特徴とする。
【選択図】図６

Description

本発明は、一般に動力車のサンプフィルタに関し、特に、バイパスバルブを有するトランスミッション流体フィルタ又はエンジン流体フィルタに関する。

関連出願の相互参照

本出願は、２００５年２月２日に仮特許出願された出願番号６０１６４８，７０２号、発明の名称「バイパスバルブを有するフィルタシステムの流量制御装置及びその流量制御方法（FILTRATION SYSTEM WITH BYPASS VALVE FLOW CONTROL APPARATUS AND METHOD）」の優先権を主張するものであり、その開示内容を完全に本願明細書に引用する。

トランスミッションを備える動力車において、トランスミッションのサンプ内流体がトランスミッションポンプに入る前に、当該流体を濾過して細片（例えば、固体微粒子、不純物等）を除去するために、当該流体にフィルタをかけること（濾過すること）が望ましい。従来技術のフィルタは、流体を濾過するために、サンプとポンプとの間に配置される。フィルタには、多孔性のフィルタ媒体（多孔性の濾材）が利用される。しかしながら、このような従来技術のフィルタは、例えば、低温状態、始動時状態などの条件下において、流体を、フィルタ媒体に適切に吸引できず、充分にポンプへ供給できない場合がある。

幾つかの従来技術によるフィルタは、低温状態などの条件下にあると、バイパスバルブを用いて、流体をバイパス（迂回）させる。しかし、このようなフィルタと協働する従来技術のバイパスバルブは、構造的に高価であり、信頼できない部分を包含するものもあり、さらには、バイパスしている間に充分な量の流体をポンプへ供給できないものもある。また、バイパスバルブは、バルブの大きさ及び配置に関して制約もある。

産業上の要求に応答して、トランスミッション及びエンジン製造業者は、トランスミッション及びエンジンのサイズを最適化し続けている。このため、トランスミッション及びエンジン製造業者は、トランスミッション等の各種パーツ（構成要素）を供給する供給業者に対し、より小さな構成要素を要求する。特に、フィルタ（濾過）機能が要求される構成要素の領域では、設置時の空間的な制約からよりコンパクト化（小さく）することが要求される。この点に関し、供給業者は、トランスミッション及びエンジンの構成要素に対して、様々な技術で挑戦を試みている。

多くの場合、空間的な制約は、パワートレーンにおけるフィルタに対して、設置面積の減少をもたらす。さらに、この減少したフィルタ設置面積によって、フィルタ内のフィルタ媒体の大きさ（表面領域）が減少させられる。従来のフィルタ及びフィルタ設計によってフィルタ媒体の表面領域が減少すると、装置を低温状態で始動させる場合や、高温作動させている間、フィルタ全体に低圧力差（low pressure differential）を維持させることができるが、同時に問題も生じる。フィルタ全体の圧力差が低い状態であると、低温始動時の間、流体ポンプに瞬時のプライミング（priming）が促進され、高温作動の間には、ポンプキャビテーション（pump cavitation）が防止される。

限られた実装空間でフィルタ全体に低圧力差を提供する一つのアプローチは、濾過効率の悪いフィルタ媒体を使用することである。濾過効率の悪いフィルタ媒体は制限的ではないため、流体は、自由に媒体を通過することができ、結果として低圧力差を生じる。しかしながら、このアプローチは、濾過効率の悪いフィルタ媒体を使用するため、多数の混入物や不純物がフィルタを通過してしまうといった問題がある。多数の混入物等がフィルタ媒体を通過することは望ましくない。これは、潤滑システムにおいて、多数の混入物の存在が、トランスミッションのシフトクオリティを劣化させ、早期故障の原因となるからである。また、このアプローチは、フィルタを小さくするにつれて、フィルタ媒体も小さくせざるを得ないため、流体が媒体を通過する速度が増加し、濾過効率がさらに低下するといった問題もある。

従って、フィルタをコンパクト化し、費用効果に優れ、バイパスバルブを用いて、流体を完全に濾過する能力及びバイパス流れを提供する能力を組み合わせた流量制御装置及びその流量制御方法（流体の流量を制御するバイパスバルブ、該バイパスバルブを含んで構成される流体フィルタ、該流体フィルタに用いられる媒体パック、及び、その流体の濾過方法、並びに、流体のフィルタシステム）が要求される。

このような課題を解決するために、本発明では、フィルタをコンパクト化し、費用効果に優れ、バイパスバルブを用いて、流体を完全に濾過する能力及びバイパス流れを提供する能力を組み合わせた装置を提供する。特に、この場合、フィルタ媒体及びバイパスバルブは、その周囲部分が単一構造のフレームで囲まれる。また、バイパスバルブは、バイパスバルブシールドアの開閉においてミスアライメントを生じさせないガイドを含んで構成される。

本発明に従うバイパスバルブは、フレームと、該フレームと連結するように構成された蓋と、前記フレームと連結するように構成されたパンと、及び、前記蓋と前記フレームとの間に配置され、開位置と閉位置との間を移動可能なシールドアと、を含んで構成されることを特徴とする。

また、本発明に従う流体フィルタは、インレット及びアウトレットを有するハウジングと、該ハウジング内に設けられた媒体と、該媒体に隣接してハウジング内に設けられるバイパスバルブと、を含んで構成され、前記バイパスバルブが、バルブフレームと、該バルブフレームと連結するように構成されたバルブ蓋と、前記バルブフレームと連結するように構成されたバルブパンと、前記バルブ蓋と前記バルブフレームとの間に配置され、開位置と閉位置との間を移動可能なシールドアと、を含んで構成されることを特徴とする。

さらに、本発明に従う媒体パックは、繊維シートと、該繊維シートを囲むフレームと、を含んで構成されることを特徴とする。

さらにまた、本発明に従う流体の濾過方法は、バイパスバルブシールドアを有するバイパスバルブを提供すること、前記バイパスバルブに配置されたガイドに沿って前記バイパスバルブシールドアを上昇させて開き、流体を通過させること、前記バイパスバルブに配置されたガイドに沿って前記バイパスバルブシールドアを閉じ、前記バイパスバルブを通過する流体の流れを止めること、を含むことを特徴とする。

さらにまた、本発明に従う流体のフィルタシステムは、フィルタ手段と、該フィルタ手段を囲むフィルタ支持手段と、前記フィルタ手段及び前記フィルタ支持手段を囲むハウジング手段と、バイパス流量制御手段と、を含んで構成され、該バイパス流量制御手段が、バイパス支持手段と、該バイパス支持手段に隣接して配置された第１バイパスハウジング手段と、前記バイパス支持手段に隣接して配置された第２バイパスハウジング手段と、前記第１バイパスハウジング手段と前記第２バイパスハウジング手段との間に配置され、開位置と閉位置との間を移動可能なシール手段と、該シール手段をガイドするガイド手段と、を含んで構成されることを特徴とする。

以上の本発明の詳細な説明は、本発明をより適切に理解することを目的としており、また、技術に対する現在の貢献が評価されることをも目的とする。なお、後述の説明は、本願の追加の発明を説明し及び追加の請求項の主題を形成する。

これらの点に関し、以上で説明した本発明は、以下で説明する各実施形態の記載において、その構造、構成要素の配置、これに対応する図面に限定されないことを理解すべきである。また、本発明は、以上の記載のほか、修正や変更を以下に詳述する各実施形態に加えることが可能であり、これは当業者であれば実施可能であり、かつ、様々な方法で実行可能である。さらに、本願明細書や要約書で使用されている言い回し、用語は、本発明を説明するためのものであり、これらに限定されないことを理解すべきである。

当業者は、本発明の幾つかの目的を実行するために、本発明を基礎として、その他の構造や方法を用いたり、及びシステムを設計することが、本願明細書に開示の概念を容易に利用することを理解すべきである。従って、重要な点は、特許請求の範囲には、本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない限り、均等物及び均等な構造が含まれる。

以下、本発明を、添付図面に基づき説明する。全体を通じて同一パーツ（構成要素）には可能な限り同一の参照符合を付す。本発明の一実施形態では、フィルタハウジング内にバイパスバルブ及びプリーツ媒体を封入したフィルタ組立体（フィルタ）を説明する。バイパスバルブフレーム及びプリーツ媒体フレームは、単一構造体として形成するようにしてもよい。バイパスバルブは、バイパスバルブシールドアを開閉し、この開閉の際に、嵌め合いの不具合（ミスアライメント）を生じさせないガイドを含む。

本発明に従う他の実施形態は、あらゆる種類の流体ハウジングに適用可能なプリーツ媒体−バイパスバルブを含む。流体ハウジングのカバーは、双方又は一方が金属製及び／又はプラスチックで形成されてもよい。また、本発明に従う他の実施形態は、このようなカバーで形成されたプラスチックフィルタ及び合成フィルタを含む。このように、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、流体フィルタとして広範囲な用途を有しており、フィルタ機能が要求されるエンジン、トランスミッション及びその他の装置に用いることができる。

さらに、本発明に従う他の実施形態では、媒体に対して外部構造を提供するため、プリーツ媒体上に、プラスチック又は熱可塑性物質（例えば、熱可塑性樹脂）を成形（molded）することを含む。プリーツ媒体は、流体をフィルタ可能なあらゆる物質で形成することができる。媒体の回りをプラスチックで成形することで、追加の構造媒体、例えば、バイパスバルブを取り付ける構造が容易になる。また、フィルタ組立体は、熱可塑性樹脂から媒体に隣接して形成され、媒体とフィルタハウジングとの間にスペース（間隔）を提供する支持体又はピンチポイントを含んで構成される。このようなスペーサを設けることで、流体の流れを容易にする。支持体は、媒体の両側に設けられ、フィルタハウジングの上部カバー及び下部カバーの双方に向かって延びるように形成される。

さらにまた、媒体を把持する構造体を樹脂で形成することで、追加の有利な構造及び機能、例えば、バイパスバルブなどをフィルタ組立体に設ける際に、小型化が可能になり、及び費用効果の面でも有利になる。媒体にピンチポイント支持体及びバイパスバルブを形成するさらなる有利な手段によれば、フィルタ組立体製造におけるサイクルタイムを減らし、優れたフィルタ組立体を安価に製造することができるようになる。

図１は、本発明の一実施形態に従うフィルタ組立体（フィルタ）１０の斜視図である。フィルタ組立体１０は、カバー（ハウジング）１２、パン１４を含んで構成されている。カバー１２とパン１４とは、エッジ１６でシールされている。また、カバー１２とパン１４とは、複数のファスナ１８でシールされている。当該シールは、ファスナ１８の他、様々な手法を代用することができる。また、フィルタ組立体１０は、カバー１２に対して略垂直方向に延びたアウトレット２０を有する。

図２は、本発明の一実施形態に従うフィルタ組立体１０の側面縦断面図である。バイパスバルブ組立体２２は、アウトレット２０から離れた位置（遠位端）に設けられている。プリーツパック２４又は媒体（濾過物質）パック２４は、バイパスバルブ組立体２２に隣接して、アウトレット２０の基部まで延びた形態で設けられている。媒体パック２４は、フレーム（媒体フレーム）２６及び媒体（濾過物質）２８を含んで構成される。フレーム２６は、あらゆる適切な材質で形成できるが、好ましくは熱可塑性樹脂で形成するとよい。また、媒体２８は、あらゆる適切な材質で形成できるが、好ましくは繊維性材料（例えば、繊維シート）で形成するとよい。さらに、フィルタ組立体１０は、スペーサ３０を含んで構成される。スペーサ３０は、パン１４上に設けられ、このパン１４と、フィルタ組立体１０が設置される流体容器との間に空間を提供する。流体容器は、例えば、トランスミッションパン、エンジンパン又はその他の機械装置や、流体の濾過が要求される流体アプリケーションである。インレット３２は、アウトレット２０から離れた位置に設けられ、パン１４に形成される。

図２〜図５に、フィルタハウジングカバー１２の完全性を提供するために、フレーム２６上に形成される様々なピンチポイント３４又は支持体３６を記載してある。各図からピンチポイント３４が、流体流れに対して隙間を形成する要素であることを確認できる。加えて、各図から、バルブケージに形成され、シャフト又はシリンダに隣接するガイド４４を含んで構成されたバイパスバルブ２２を確認することができる。

図３は、本発明の一実施形態に従うフィルタ組立体１０の正面縦断面図である。媒体パック２４は、フレーム２６、媒体２８及び、フレーム２６に設けた複数のピンチポイント３４を含んで構成される。また、図３は、媒体２８のプリーツ特性及びピンチポイント３４を形作る成形構造を示している。ピンチポイント３４は、フィルタハウジング壁を支える大きな力を提供し、流体流れの空間を作り出すように機能する。樹脂は、媒体パック２４の全体にわたって、媒体２８に接して成形されている。

図４は、プリーツ媒体２８とピンチポイント３４とを含むフィルタインサート、及び、媒体２８とバイパスバルブ２２を取り付ける成形樹脂の外部構造を示している。媒体２８は、長手方向に延びた形態であり、フレーム２６によって支持されている。また、図から媒体２８の全体が、複数の領域に別けられていることを確認できる。本実施形態では、４つの支持体３６を用いた構造を図示したが、４つ以上又は４つ以下であってもよい。ピンチポイント３４は、支持体３６上に配置されている。

本一実施形態では、プリーツ媒体２８を、フィルタハウジングに対して長手方向に延ばした形態としている。プリーツの数は、図面に限定されるものではなく、これよりも少なく又は多くしたり、図示したものよりも、更に延ばした形態であってもよい。このような構造にすることで、濾過に要求される総面積を増加させることができるようになる。このプリーツ方向は、流体が途切れない適切な流れを作り出す。加えて、長手方向にプリーツを設けることは、プリーツ媒体の梱包に充分な効率性を与える。すなわち、通常の梱包において媒体を積み重ねるよりも、プリーツ部分を合わせることで総容積を小さくできるので、船積みや運送の際に要求される包装資材や、その費用を抑えることができるようになる。

支持体３６は、幾つかの機能を提供する。例えば、ハウジングを堅固に維持するといった、ハウジングを支持する機能を提供する。また、ピンチポイント３４もハウジングの強度を増加させる。さらに、支持体３６及びピンチポイント３４は、カバー１２やパン１４に負荷がかかった場合に、その変形を抑えることができ、薄いハウジング壁を有する大きなフィルタ構造を可能にするので、フィルタ組立体全体の製造費用を減少させることができる。さらにまた、支持体３６及びピンチポイント３４は、媒体２８とカバー１２との間に、又は、媒体２８とパン１４との間に、流体が自由に流れる空間を作り出す。さらにまた、支持体３６やピンチポイント３４を含んで構成することで、流体は、バイパスの濾過において、特に、流体の粘性度が高いコールドスタート（低温始動）状態下において、その支持体等によって作られた媒体とハウジングカバーとの間の空間（スペーサ）を自由に流れることができるようになる。

図５は、図４に示したバイパスバルブ２２の斜視図である。図示したように、バイパスバルブ２２は、バルブ蓋３８及びバルブパン４０を含んで構成されている。バルブ蓋３８及びバルブパン４０は、双方が類似の構造でもよく、同一（鏡像）の構造でもよい。また、バルブ蓋３８及びバルブパン４０は、流体が容易に流れるように、開いたケージのようなラチス（格子）構造を有する。バルブパン４０は、媒体２８からバイパスする流体に対して濾過を提供するメッシュスクリーン（図示略）を含んで構成されている。この場合、メッシュスクリーンは、流体に対して粗い濾過機能を提供し、大きな粒子が、トランスミッション、エンジン又はその他の機械装置に損傷を与えることを防止する。フィルタ組立体１０は、トランスミッション、エンジン又はその他の機械装置に配置されて、このような濾過機能を提供する。

また、バイパスバルブ２２は、フレーム２６に形成されるバルブフレーム４２を有する。バルブフレーム４２も、開いたラチス構造を有し、ガイド４４を支持する。ここでは、２つのガイド４４を図示しているが、これは１つでもよく又は２以上であってもよい。ガイド４４は、バルブフレーム４２と単一構造で形成されており、垂直上方へ延びている。ガイド４４は、例えば、シリンダ形状や窪んだ形状など、どのような形状でもよい。ここではガイド４４を、バルブフレーム４２上に形成した一実施形態を図示しているが、ガイド４４を、バルブパン４０に形成するように構成してもよい。なお、ガイド４４をバルブパン４０に形成した場合、その構造上、バルブフレーム４２を設ける必要はなくなる。

バルブ蓋３８及びバルブパン４０は、あらゆる公知技術によってバルブフレーム４２に取り付けられる。これらは、熱可塑性物質、金属又はあらゆる適切な物質を適用して形成することができる。また、その形状は、要求されるあらゆる形状にすることができる。一般的に、バイパスバルブは、ミスアライメント（不整列）を防止するために環状である。ミスアライメントは、不要なバイパス流れを生じさせる。これは、バルブドアが繰り返し上下動した場合に生じる。つまり、バイパス流れを止めるためにバルブドアを戻す際に、ミスアライメントが生じる。このようなミスアライメントがあると、流体がバイパスバルブを連続して流れ続けることになるので、要求しないバイパス流れによって、フィルタが濾過をし続けることになる。従って、フィルタは、常に濾過をしている状態になるので、流体の濾過機能が低下することになる。また、このような流れは、意図しない不純物を含む結果となる。つまり、バイパス流れが、媒体を経た流体流れとして完全に濾過されないからである。そこで、本発明の一実施形態では、ガイド４４を、ミスアライメント防止のために用いる。これにより、バイパスバルブは、どのような形状であっても採用することができるようになる。バルブ蓋３８及びバルブパン４０は、開いたラチス構造を有するケージのように形成され、粘性流体がバイパスバルブ２２を経て自由に流れることを許容する。バイパスバルブ２２は、ミスアライメント防止機能を有する複数のシャフト又はシリンダを含むように構成される。

バルブを常に適切な位置に戻すこと（整列配置）が可能なこの能力は、様々な形状、大きさを可能にし、流体流れに対する能力所要量の制限を取り除くことができる。この環状ではないバイパスバルブ２２の設計によって生じる能力は、バイパス流体の流れを最大にすることができる。また、その設計において、プリーツ媒体２８及びバイパスバルブ２２を含むフィルタ組立体１０の様々な構成を可能にする。

図６は、フィルタ組立体１０全体の分解斜視図である。図６では、フィルタアウトレット２０に取り付けられるフィルタリップシール４６を示している。フィルタアウトレット２０は、カバー１２上に形成される。媒体パック２４は、プリーツ媒体２８、及び、フレーム２６に形成されたピンチポイント３４を含む。バイパスバルブ２２は、フレーム２６に載置されるバルブ蓋３８、バルブパン４０を含んで構成される。

バルブ蓋３８の下には、シールドア４８が配置される。シールドア４８は、ガイド４４を収容し及び受け入れるリセッション（recession）（又は、ガイドが挿入される座部）５０を含んで構成される。リセッション５０は、ガイド４４を受け入れ及びガイド４４の頭部で停止するように形成されている。シールドア４８は、流体をバイパスバルブ２２へ流すために上昇する。この場合、リセッション５０がガイド４４に沿うことで、シールドア４８がガイドされる。つまり、シールドア４８は、リセッション５０とガイド４４のガイドによって、上方に移動する。一方、バイパス流れが不要となった場合、シールドア４８は、バイパスバルブ２２を閉じるために下方に移動して、閉位置に戻る。シールドア４８が、バルブフレーム４２方向に戻ると、リセッション５０は、ガイド４４との接触を維持しつつ、ガイド４４に沿って下方向に移動する。ガイド４４とリセッション５０との関係は、シールドア４８が繰り返し上下動した場合でも、そこにミスアライメントが生じることを防止する。

バルブパン４０は、ガイド４４の下に配置される。バルブパン４０は、バイパス流れに対して粗くフィルタをかけるメッシュスクリーン（図示略）を含んで構成されている。また、フィルタ組立体１０は、流体インレット３２を備えたフィルタパン１４を含んで構成される。

図７は、本発明の他の実施形態に従うフィルタ組立体、媒体パック２４及びバイパスバルブ２２の分解側面図である。本実施形態では、リセッション５０がガイドに挿入されるのではなく、シールドア４８がガイド５２を含んで構成されている。これに対応して、バルブフレーム４２が、ガイド５２を収容し及び受け入れるリセッション（図示略）を含んで構成されている。

以上の実施形態では、トランスミッションフィルタにおけるバイパスバルブと媒体パックとを含んで構成されたフィルタ組立体を説明したが、バイパスバルブと一体のプリーツ形状の他のタイプを用いることが可能であることは言うまでもなく、プリーツの他の構成、プリーツのない媒体を用いて成形したフィルタ組立体を使用することもできる。また、バイパスバルブの様々な構成に対応した種々のフィルタを形成することも可能である。さらにまた、装置は、自動車産業において有効であり、エンジンやエンジンフィルタなど流体の濾過を要求するあらゆるタイプのシステムにも適用することが可能である。

本発明の多くの特徴と有利な効果は、本明細書から明らかである。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の趣旨と範囲に該当する全ての特徴や有利な効果を包含することを意図している。また、本発明の様々な修正及び変形は、当業者であれば容易に可能であり、さらに、本発明は、以上に詳述及び図示した構成や機能に制限されるものではない。従って、本発明の範囲内には、適切な修正及び均等物が含まれる。

本発明の一実施例に従うフィルタ組立体の斜視図。 本発明の一実施例に従うフィルタ組立体の側面縦断面図。 本発明の一実施例に従うフィルタ組立体の正面縦断面図。 本発明の一実施例に従う媒体パックの斜視図である。 本発明の一実施例に従うバイパスバルブの斜視図である。 本発明の一実施例に従う、媒体パック及びバイパスバルブを有する図１〜図３に示したフィルタ装置の分解斜視図。 本発明の他の実施例に従う媒体パック及びバイパスバルブを有するフィルタ装置の分解側面図である。

符合の説明

１０ フィルタ組立体（フィルタ）
１２ カバー
１４ パン
１６ エッジ
１８ ファスナ
２０ インレット
２２ バイパスバルブ
２４ 媒体パック
２６ フレーム
２８ プリーツ媒体
３０ スペーサ
３２ アウトレット
３４ ピンチポイント
３６ 支持体
３８ バルブ蓋
４０ バルブパン
４２ バルブフレーム
４４ ガイド
４８ シールドア
５０ リセッション

Claims (36)

1. フレームと、
   該フレームと連結するように構成された蓋と、
   前記フレームと連結するように構成されたパンと、及び、
   前記蓋と前記フレームとの間に配置され、開位置と閉位置との間を移動可能なシールドアと、
   を含んで構成されることを特徴とするバイパスバルブ。
2. 前記蓋が、ラチス構造を含んで構成されたことを特徴とする請求項１に記載のバイパスバルブ。
3. 前記パンが、ラチス構造を含んで構成されたことを特徴とする請求項１に記載のバイパスバルブ。
4. 前記パンが、流体を濾過するメッシュスクリーンを含んで構成されたことを特徴とする請求項１に記載のバイパスバルブ。
5. 前記フレームが、ラチス構造を含んで構成されたことを特徴とする請求項１に記載のバイパスバルブ。
6. 前記フレームが、ガイドを含んで構成されたことを特徴とする請求項１に記載のバイパスバルブ。
7. 前記ガイドが、突出部を含んで構成されたことを特徴とする請求項６に記載のバイパスバルブ。
8. 前記シールドアが、前記ガイドを収容する座部を含んで構成されたことを特徴とする請求項６に記載のバイパスバルブ。
9. 前記パンが、ガイドを含んで構成されたことを特徴とする請求項１に記載のバイパスバルブ。
10. 前記シールドアが、前記ガイドを収容するように構成された座部を含んで構成されたことを特徴とする請求項９に記載のバイパスバルブ。
11. インレット及びアウトレットを有するハウジングと、
    該ハウジング内に設けられた媒体と、
    該媒体に隣接してハウジング内に設けられるバイパスバルブと、を含んで構成され、
    前記バイパスバルブが、
    バルブフレームと、
    該バルブフレームと連結するように構成されたバルブ蓋と、
    前記バルブフレームと連結するように構成されたバルブパンと、
    前記バルブ蓋と前記バルブフレームとの間に配置され、開位置と閉位置との間を移動可能なシールドアと、
    を含んで構成されることを特徴とする流体フィルタ。
12. 前記媒体が、媒体フレームによって囲まれていることを特徴とする請求項１１に記載の流体フィルタ。
13. 前記媒体フレームと前記バルブフレームとが、単一構造であることを特徴とする請求項１２に記載の流体フィルタ。
14. 前記媒体フレームが、前記ハウジング方向に延びる複数のピンを含んで構成されたことを特徴とする請求項１２に記載の流体フィルタ。
15. 前記媒体フレームと前記媒体とが、単一構造であることを特徴とする請求項１４に記載の流体フィルタ。
16. 前記媒体フレームが、熱可塑性物質を含んで構成されたことを特徴とする請求項１４に記載の流体フィルタ。
17. 前記バルブフレームが、ガイドを含んで構成されたことを特徴とする請求項１１に記載の流体フィルタ。
18. 前記シールドアが、ガイドを収容する座部を含んで構成されたことを特徴とする請求項１１に記載の流体フィルタ。
19. 前記媒体が、プリーツ状であることを特徴とする請求項１１に記載の流体フィルタ。
20. 繊維シートと、
    該繊維シートを囲むフレームと、
    を含んで構成されることを特徴とする媒体パック。
21. 前記繊維シートが、プリーツ状であることを特徴とする請求項２０に記載の媒体パック。
22. 前記フレームと前記繊維シートとが、単一構造であることを特徴とする請求項２０に記載の媒体パック。
23. 前記フレームが、該フレームを囲むハウジングを支持するスペーサを含んで構成されたことを特徴とする請求項２０に記載の媒体パック。
24. 前記フレームが、熱可塑性物質を含んで構成されたことを特徴とする請求項２０に記載の媒体パック。
25. 前記フレームが、繊維シート上に成形されていることを特徴とする請求項２０に記載の媒体パック。
26. バイパスバルブシールドアを有するバイパスバルブを提供すること、
    前記バイパスバルブに配置されたガイドに沿って前記バイパスバルブシールドアを上昇させて開き、流体を通過させること、
    前記バイパスバルブに配置されたガイドに沿って前記バイパスバルブシールドアを閉じ、前記バイパスバルブを通過する流体を止めること、
    を含むことを特徴とする流体の濾過方法。
27. 前記バイパスバルブが、バイパスバルブパンと、バイパスバルブ蓋と、を含んで構成されたことを特徴とする請求項２６に記載の流体の濾過方法。
28. 前記バイパスバルブパン及び前記バイパスバルブ蓋が、ラチス構造を含んで構成されたことを特徴とする請求項２７に記載の流体の濾過方法。
29. 前記バイパスバルブが、前記ガイドが配置されるバイパスバルブフレームを含んで構成されたことを特徴とする請求項２６に記載の流体の濾過方法。
30. 前記バイパスバルブシールドアが、ガイドを収容するリセッションを含んで構成されたことを特徴とする請求項２６に記載の流体の濾過方法。
31. フィルタ手段と、
    該フィルタ手段を囲むフィルタ支持手段と、
    前記フィルタ手段及び前記フィルタ支持手段を囲むハウジング手段と、
    バイパス流量制御手段と、を含んで構成され、
    該バイパス流量制御手段が、
    バイパス支持手段と、
    該バイパス支持手段に隣接して配置された第１バイパスハウジング手段と、
    前記バイパス支持手段に隣接して配置された第２バイパスハウジング手段と、
    前記第１バイパスハウジング手段と前記第２バイパスハウジング手段との間に配置され、開位置と閉位置との間を移動可能なシール手段と、
    該シール手段をガイドするガイド手段と、
    を含んで構成されることを特徴とする流体のフィルタシステム。
32. 前記フィルタ支持手段が、フレームを含んで構成されたことを特徴とする請求項３１に記載のフィルタシステム。
33. 前記フレームが、熱可塑性樹脂を含んで構成されたことを特徴とする請求項３２に記載のフィルタシステム。
34. 前記フィルタ手段が、フィルタ媒体であることを特徴とする請求項３１に記載のフィルタシステム。
35. 前記フィルタ媒体が、プリーツ状であることを特徴とする請求項３４に記載のフィルタシステム。
36. 前記フィルタ支持手段と前記バイパス支持手段とが、単一構造体として形成されていることを特徴とする請求項３１に記載のフィルタシステム。