JP2006214315A - 車両用排熱回収システム - Google Patents

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暁亮 王
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
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隆宏 諸井
Hirokazu Mesaki
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Abstract

【課題】排熱回収効率が低下せずに、コンパクトでコストを低減した車両用排熱回収システムを提供する。
【解決手段】ポンプ11及びコンプレッサ21を駆動するモータ24が、ポンプ11の回転軸及びコンプレッサ21の回転軸に連結するように設けられている。コンプレッサ21とモータ24とは、モータ24からポンプ11への動力の伝達を断接する第1のクラッチ25を介して連結されている。また、ポンプ11とモータ24とは、モータ24からポンプ11への動力の伝達を断接する第2のクラッチ26を介して連結されている。モータ24は、インバータ5を介して、バッテリー4の正極端子4aに電気的に接続されている。また、発電機15は、インバータ6を介して、バッテリー4の正極端子4aに電気的に接続されている。バッテリー4の負極端子4bは車両に接地されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両用排熱回収システムに関する。
排熱を利用して、蒸気圧縮式冷凍サイクルの空調機の圧縮機を駆動するようにした排熱回収システムが、特許文献1に記載されている。
図5は、このような従来の排熱回収システムを車両に適用したものの構成図である。
ランキンサイクル70を起動するために、エンジン61の動力によって、ベルト76を介してポンプ71が駆動される。ポンプ71から吐出されたフロン等の作動流体は、熱交換器72において、冷却水循環経路62を循環するエンジン冷却水と熱交換されて作動流体ガスとなり、膨張機73へと送られて膨張される。膨張機73で膨張された作動流体ガスはコンデンサ74で冷却凝縮され、再びポンプ71に吸入される。膨張機73の出力によって発電機75が駆動されて発電が行われ、車両の駆動等に使用される。
一方、冷凍サイクル80を起動するために、モータ85によってコンプレッサ83が駆動される。コンプレッサ83から吐出された作動流体ガスは、ランキンサイクル70の膨張機73によって膨張された作動流体ガスと合流した後、コンデンサ74で冷却凝縮される。その後、一部がランキンサイクル70に分配され、残りの作動流体は、膨張弁81で減圧される。減圧された作動流体は、蒸発器84において車内へ向かう空気と熱交換されることによって加熱されて作動流体ガスとなる。熱交換された空気は冷気として車内へ供給される。蒸発器84で加熱された作動流体ガスは、再びコンプレッサ83に吸入される。
このような車両用排熱回収システム60では、エンジン61の動力のかわりにモータを使用してポンプ71を駆動してもよい。
特開2002−115931号公報(図7)
しかしながら、ポンプ71の駆動を、ベルト76を介してエンジン61の動力で行う場合には、ポンプ71の回転数がエンジン61の回転数と同調するので、排熱量や外気温等に基づくランキンサイクル70の作動状況に応じた作動流体の流量制御が困難であるといった問題点があった。
また、ポンプ71をモータによって駆動する場合には、軸封装置による消費動力の増加を抑制するため、ポンプ71は密閉式のものが好ましい。しかしながら、密閉式の場合には、ポンプ71はモータ及びモータ制御用インバータを備えることになるので、サイズが大きくなり、コストも増加するといった問題点があった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、排熱回収効率が低下せずに、コンパクトでコストを低減した車両用排熱回収システムを提供することを目的とする。
この発明に係る車両用排熱回収システムは、車両における排熱を用いて作動流体を加熱する熱交換器、熱交換器で加熱された作動流体を膨張させる膨張機、膨張機で膨張された作動流体を冷却するコンデンサ、及びコンデンサで冷却された作動流体を循環するポンプを有するランキンサイクルと、作動流体を圧縮するコンプレッサ、コンプレッサで圧縮された作動流体とランキンサイクルの膨張機で膨張された作動流体とが混合した作動流体を冷却するコンデンサ、コンデンサで冷却された作動流体の少なくとも一部をランキンサイクルのポンプに流入させ、その残りの作動流体を減圧する減圧装置、及び減圧装置で減圧された作動流体を加熱する蒸発器を有する冷凍サイクルと、コンプレッサ及びポンプの両方を駆動する単一のモータとを備えることを特徴とする。ポンプ及びコンプレッサを駆動させるためのモータ及びインバータが1つで済むので、車両用排熱回収システムがコンパクトになり、コストが低下する。
モータからコンプレッサへの動力の伝達を断接する第1のクラッチと、モータからポンプへの動力の伝達を断接する第2のクラッチとを備えてもよい。
コンプレッサ及びポンプの少なくとも一方の吐出量を変更できることが好ましい。モータから伝達される動力によらずコンプレッサ及びポンプの吐出量を調整できるので、ポンプ及びコンプレッサの吐出量が、ランキンサイクル及び冷凍サイクルそれぞれの稼動状況に適合するように調整される。
また、この発明に係る車両用排熱回収システムは、車両における排熱を用いて作動流体を加熱する熱交換器、熱交換器で加熱された作動流体を膨張させる膨張機、膨張機で膨張された作動流体を冷却するコンデンサ、及びコンデンサで冷却された作動流体を循環するポンプを有するランキンサイクルと、作動流体を圧縮するコンプレッサ、コンプレッサで圧縮された作動流体とランキンサイクルの膨張機で膨張された作動流体とが混合した作動流体を冷却するコンデンサ、コンデンサで冷却された作動流体の少なくとも一部をランキンサイクルのポンプに流入させ、その残りの作動流体を減圧する減圧装置、及び減圧装置で減圧された作動流体を加熱する蒸発器を有する冷凍サイクルと、モータとしてコンプレッサ及びポンプの両方を駆動すると共に、発電機として膨張機の動力を利用して発電を行う負荷機とを備えることを特徴とする。ポンプ及びコンプレッサを駆動するモータと、膨張機の動力を利用した発電機とが、1つの負荷機で済むので、車両用排熱回収システムがコンパクトになり、コストが低下する。
負荷機からコンプレッサへの動力の伝達、及びコンプレッサから負荷機への動力の伝達を断接する第1のクラッチと、負荷機からポンプへの動力の伝達、及びポンプから負荷機への動力の伝達を断接する第2のクラッチとを備えてもよい。
負荷機の回転数に対するコンプレッサの回転数を変更する変速機と、負荷機から変速機への動力の伝達を断接する第1のクラッチと、負荷機からポンプへの動力の伝達、及びポンプから負荷機への動力の伝達を断接する第2のクラッチとを備えてもよい。変速機によって、負荷機の回転数に対するコンプレッサの回転数を調整することにより、ポンプに必要な回転数とコンプレッサに必要な回転数とが異なる場合、ポンプ及びコンプレッサのそれぞれが、最適な回転数で駆動される。
負荷機の回転数に対するポンプの回転数を変更する変速機と、負荷機から変速機への動力の伝達を断接する第1のクラッチと、負荷機からコンプレッサへの動力の伝達、及びコンプレッサから負荷機への動力の伝達を断接する第2のクラッチとを備えてもよい。変速機によって、負荷機の回転数に対するポンプの回転数を調整することにより、ポンプに必要な回転数とコンプレッサに必要な回転数とが異なる場合、ポンプ及びコンプレッサのそれぞれが、最適な回転数で駆動される。
この発明によれば、コンプレッサ及びポンプが単一のモータにより駆動されるので、排熱回収効率が低下せずに、コンパクトでコストを低減した車両用排熱回収システムを提供することができる。また、コンプレッサ及びポンプが、モータとしてコンプレッサ及びポンプの両方を駆動すると共に発電機として膨張機の動力を利用して発電を行う負荷機に連結されているので、排熱回収効率が低下せずに、コンパクトでコストを低減した車両用排熱回収システムを提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に示されるように、この実施の形態に係る車両用排熱回収システム1は、エンジン2、エンジン2を冷却するための冷却水が循環する冷却水循環経路3、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20を備えている。
ランキンサイクル10には、ポンプ11、熱交換器12、膨張機13、及びコンデンサ14が設けられ、作動流体であるフロンR134aが循環されている。膨張機13は、コンプレッサの吐出側と吸入側とを実質的に逆に接続した構造であり、吸入される作動流体によって駆動される。膨張機13の図示しない回転軸には発電機15が連結されている。
一方、冷凍サイクル20には、コンプレッサ21、コンデンサ14、減圧装置である膨張弁22及び蒸発器23が設けられている。ここで、コンプレッサ21は、吐出量を変更できる斜板式圧縮機である。
ランキンサイクル10と冷凍サイクル20とは、コンデンサ14の前後で経路を共有しており、コンデンサ14には、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20のそれぞれを循環する作動流体の混合したものが流入するようになっている。
ポンプ11及びコンプレッサ21を駆動するモータ24が、ポンプ11の図示しない回転軸及びコンプレッサ21の図示しない回転軸に連結するように設けられている。コンプレッサ21とモータ24とは、モータ24からコンプレッサ21への動力の伝達を断接する第1のクラッチ25を介して連結されている。また、ポンプ11とモータ24とは、モータ24からポンプ11への動力の伝達を断接する第2のクラッチ26を介して連結されている。
モータ24は、インバータ5を介して、バッテリー4の正極端子4aに電気的に接続されている。また、発電機15は、インバータ6を介して、バッテリー4の正極端子4aに電気的に接続されている。バッテリー4の負極端子4bは車両に接地されている。
次に、この実施の形態1に係る車両用排熱回収システムの動作について説明する。
図1に示されるように、エンジン2が始動すると、冷却水が冷却水循環経路3を循環する。冷却水は、エンジン2が暖機されると、温められて温度が上昇する。エンジン2の始動後、第1のクラッチ25及び第2のクラッチ26それぞれがつながれた状態で、バッテリー4からの電力がインバータ5を介してモータ24を始動させ、ポンプ11及びコンプレッサ21が起動して、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20が稼動する。なお、図示しないエアコンスイッチがオフとされている場合は第1のクラッチ25を非接続として起動してもよい。
ポンプ11が起動すると、ポンプ11から吐出されたフロンR134aは、熱交換器12においてエンジン2の冷却水と熱交換されることによって加熱されてフロンR134aガスとなる。このフロンR134aガスは、膨張機13に吸入されて膨張機13を駆動させ、これにより膨張される。膨張されたフロンR134aガスは、後述するように、冷凍サイクル20のコンプレッサ21から吐出されたフロンR134aガスと合流し、コンデンサ14に流入して冷却凝縮される。コンデンサ14で凝縮されたフロンR134aは、一部が冷凍サイクル20の循環に分岐した後、ポンプ11に吸入される。このようにして、フロンR134aがランキンサイクル10を循環することにより、ランキンサイクル10が稼動する。ランキンサイクル10が稼動すると、膨張機13の動力によって発電機15が駆動されて発電が行われる。発電機15によって発電された電力は、インバータ6を介してバッテリー4に蓄電され、車両に備えられた各種電気機器の駆動に用いられる。なお、発電機15から車両に備えられた各種電機機器に直接電力を供給するようにしてもよい。
一方、コンプレッサ21が起動すると、コンプレッサ21から吐出されたフロンR134aガスは、前述したように、ランキンサイクル10の膨張機13によって膨張されたフロンR134aガスと合流し、コンデンサ14に流入して冷却凝縮される。コンデンサ14で凝縮されたフロンR134aは、一部がランキンサイクル10の循環に分岐した後、膨張弁22によって減圧され、続いて蒸発器23によって加熱されてフロンR134aガスとなり、コンプレッサ21に吸入される。このようにして、フロンR134aが冷凍サイクル20を循環することにより、冷凍サイクル20が稼動する。冷凍サイクル20が稼動すると、蒸発器23において、車内へ向かう空気がフロンR134aと熱交換されて冷気となり、車内へ供給される。
モータ24によってポンプ11及びコンプレッサ21の両方を駆動させると、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20それぞれにおける作動状況により、ポンプ11に必要な回転数とコンプレッサ21に必要な回転数とが異なる場合がある。この場合には、ポンプ11及びコンプレッサ21のそれぞれを最適な回転数で駆動させることができなくなるおそれがある。しかしながら、コンプレッサ21は斜板式圧縮機であるので、冷凍サイクル20の稼動状況に適合するように、斜板の角度を変えることによって吐出量が調整される。
また、例えば第2のクラッチ26をつなげて、第1のクラッチ25を切ると、モータ24の動力はポンプ11には伝達されるが、コンプレッサ21には伝達されなくなる。すなわち、ポンプ11のみが駆動されてコンプレッサ21は駆動されないので、冷凍サイクル20は稼動せず、ランキンサイクル10のみが稼動するようになる。また、この逆に、第1のクラッチ25をつなげて、第2のクラッチ26を切ると、ランキンサイクル10は稼動せず、冷凍サイクル20のみが稼動するようになる。
このように、ポンプ11とコンプレッサ21とを、単一のモータ24により駆動することにより、ポンプ11及びコンプレッサ21を駆動させるためのモータ及びインバータが1つで済むので、車両用排熱回収システム1をコンパクトにし、コストを低下することができる。
また、コンプレッサ21を可変容量型の斜板式圧縮機にすることにより、モータ24から伝達される回転数とは無関係にコンプレッサ21の吐出量を調整できるので、ポンプ11及びコンプレッサ21の吐出量を、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20それぞれの稼動状況に適合するように調整することができる。
さらに、第1のクラッチ25及び第2のクラッチ26を設けることにより、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20のどちらか一方のみを稼動することができる。ランキンサイクル10のみを稼動する場合には、冷凍サイクル20を稼動する動力に相当する電力をバッテリー4へ蓄電できるので、発電効率を向上できる。一方、冷凍サイクル20のみを稼動する場合には、例えば、冷房負荷が高いときにコンプレッサ21のみを駆動するようにしてモータ24の負荷を軽減することもできる。
尚、コンプレッサ21として、吐出量を変更できる斜板式圧縮機を用いたが、これに限定するものではない。吐出量を変更できるコンプレッサであればどのような形式のコンプレッサであってもよい。また、ポンプ11の吐出量を変更できるようにしてもよく、ポンプ11及びコンプレッサ21それぞれの吐出量を変更できるようにしてもよい。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る車両用排熱回収システムについて説明する。尚、以下の実施の形態において、図1の参照符号と同一の符号は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
この発明の実施の形態2に係る車両用排熱回収システムは、実施の形態1に対して、モータ24を負荷機にして、モータとしてポンプ11及びコンプレッサ21を駆動すると共に発電機としてポンプ11及びコンプレッサ21の動力によって発電を行うようにし、ポンプ11と膨張機13とを連結するようにしたものである。
図2に示されるように、車両用排熱回収システム30において、コンプレッサ21(C)と負荷機であるモータ/発電機31(M/G)とが第1のクラッチ32を介して連結され、モータ/発電機31とポンプ11(P)とが第2のクラッチ33を介して連結され、ポンプ11と膨張機13(E)とが連結されている。また、モータ/発電機31は、バッテリー4の正極端子4aと、インバータ6を介して電気的に接続されている。尚、バッテリー4の負極端子4bは車両に接地されている。これにより、モータ/発電機31は、モータとしてバッテリー4の電力によって駆動されてポンプ11及びコンプレッサ21を駆動させると共に、発電機として、ポンプ11を介し、膨張機13の動力を利用して発電を行うようになっている。その他の構成は、実施の形態1と同じである。尚、第1のクラッチ32は、モータ/発電機31からコンプレッサ21への動力の伝達を断接する。第2のクラッチ33は、モータ/発電機31からポンプ11への動力の伝達、及びポンプ11を介した膨張機13からモータ/発電機31への動力の伝達を断接する。ここで、図中、バッテリー4からモータ/発電機31へ供給される電力の流れを破線Aで表し、モータ/発電機31によって発電された電力をバッテリー4へ供給する流れを一点鎖線Bで表す。
次に、この実施の形態2に係る車両用排熱回収システムの動作について説明する。
実施の形態1と同様に、エンジン2の始動後、第1のクラッチ32及び第2のクラッチ33がつながれた状態で、バッテリー4の電力がモータ/発電機31を始動させることにより(破線A)、ポンプ11及びコンプレッサ21が始動されて、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20が稼動する。
ランキンサイクル10が起動した後、フロンR134aがランキンサイクル10を循環するようになり通常運転となると、モータ/発電機31は、モータとしてポンプ11及びコンプレッサ21を駆動する動作から、発電機として発電を行う動作に切り替わる。モータ/発電機31が発電機として動作する場合は、ポンプ11を介して膨張機13の動力を利用することにより発電を行う。すなわち、モータ/発電機31は、膨張機13の動力回収を行う。この実施の形態2では、モータ/発電機31の動作が切り替わるタイミングを、ランキンサイクル10の起動後、所定時間が経過したときとする。
モータ/発電機31が、モータとしてポンプ11及びコンプレッサ21を駆動する動作(破線A)から、発電機として膨張機13の動力を利用して発電を行う動作(一点鎖線B)に切り替わると、ポンプ11は、膨張機13の動力により駆動されるようになる。一般に、ランキンサイクル10において、膨張機13の最適回転数はポンプ11の回転数とほぼ比例しているので、ポンプ11は最適回転数で運転するようになる。また、ポンプ11を介してモータ/発電機31に伝達された膨張機13の動力により、コンプレッサ21が駆動されるようになる。
膨張機13の動力のうち、ポンプ11及びコンプレッサ21を駆動させるために消費される以外の動力は、モータ/発電機31が発電機として動作するための動力として使用される。モータ/発電機31によって発電された電力は、インバータ6を介してバッテリー4に蓄電される(一点鎖線B)。
ここで、ランキンサイクル10の作動状況により、膨張機13の動力が小さくなると、ポンプ11及びコンプレッサ21を駆動するのに十分な動力が得られなくなり、ポンプ11及びコンプレッサ21の回転数が低下する。これらの回転数が所定値以下となったら、モータ/発電機31がモータとしてポンプ11及びコンプレッサ21とを駆動するようにする。その後、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20の起動時と同様にして、所定時間経過後、モータ/発電機31が発電機として発電を行うように切り替わる。
また、実施の形態1と同様に、第1のクラッチ32を切り、第2のクラッチ33をつなげると、冷凍サイクル20は稼動せず、ランキンサイクル10のみが稼動する。逆に、第2のクラッチ33を切り、第1のクラッチ32をつなげると、ランキンサイクル10は稼動せず、冷凍サイクル20のみが稼動する。冷凍サイクル20のみが稼動する場合には、モータ/発電機31は、モータとしてコンプレッサ21を駆動する動作のみを行う。
このように、コンプレッサ21及びポンプ11を、モータ/発電機31を介して連結し、ポンプ11に膨張機13を連結することにより、ポンプ11及びコンプレッサ21を駆動するモータと膨張機13の動力を利用した発電機とが、1つのモータ/発電機31で済むので、実施の形態1に比べて、車両用排熱回収システム30をさらにコンパクトにし、さらにコストを低下することができる。
また、第1のクラッチ32及び第2のクラッチ33を設けたので、実施の形態1と同様に、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20のいずれか一方のみを稼動することによる効果を得ることができる。
尚、モータ/発電機31が、発電機としての動作からモータとしての動作に切り替わるタイミングとして、ポンプ11及びコンプレッサ21の回転数が所定値以下になった場合としたが、これに限定するものではない。作動流体の流量や膨張機13の回転数、モータ/発電機31に供給される電流等が所定値に達したときに、モータ/発電機31の動作を切り替えるようにしてもよい。
実施の形態3.
次に、この実施の形態3に係る車両用排熱回収システムの動作について説明する。
この発明の実施の形態3に係る車両用排熱回収システムは、実施の形態2に対して、コンプレッサ21とモータ/発電機31との間に変速機を設けたものである。
図3に示されるように、車両用排熱回収システム40において、コンプレッサ21(C)と無段変速機である変速機41(TM)とが連結され、変速機41とモータ/発電機31(M/G)とが第1のクラッチ32を介して連結されている。また、モータ/発電機31とポンプ11(P)とが第2のクラッチ33を介して連結され、ポンプ11と膨張機13(E)とが連結されている。その他の構成については、実施の形態2と同じである。
実施の形態2と同様に、エンジン2の始動後、第1のクラッチ32及び第2のクラッチ33をつなげた状態で、モータ/発電機31が始動すると、モータ/発電機31の動力によってポンプ11が駆動する。また、モータ/発電機31の動力は変速機41にも伝達される。変速機41は、モータ/発電機31の図示しない回転軸の回転数を、コンプレッサ21を駆動させるのに最適な回転数に変換して、コンプレッサ21を駆動させる。これにより、ポンプ11に必要な回転数とコンプレッサ21に必要な回転数とが異なる場合、ポンプ11及びコンプレッサ21のそれぞれが、最適な回転数で駆動される。
モータ/発電機31がモータとしてコンプレッサ21を駆動させる際に、変速機41によって回転数を調整してコンプレッサ21を駆動させる以外の動作については、実施の形態2で説明した動作と同じである。
このように、モータ/発電機31の回転数に対するコンプレッサ21の回転数を変更する変速機41を設けたので、ポンプ11に必要な回転数とコンプレッサ21に必要な回転数とが異なる場合、ポンプ11及びコンプレッサ21のそれぞれを、最適な回転数で駆動させることができる。
実施の形態4.
次に、この実施の形態4に係る車両用排熱回収システムの動作について説明する。
この発明の実施の形態4に係る車両用排熱回収システムは、実施の形態2に対して、ポンプ11とモータ/発電機31との間に変速機を設けたものである。
図4に示されるように、車両用排熱回収システム50において、コンプレッサ21(C)とモータ/発電機31(M/G)とが第1のクラッチ32を介して連結され、モータ/発電機31と無段変速機である変速機41(TM)とが第2のクラッチ33を介して連結されている。また、変速機41とポンプ11(P)とが第2のクラッチ33を介して連結され、ポンプ11と膨張機13(E)とが連結されている。その他の構成については、実施の形態2と同じである。
実施の形態2と同様に、エンジン2の始動後、第1のクラッチ32及び第2のクラッチ33をつなげた状態で、モータ/発電機31が始動すると、モータ/発電機31の動力によってコンプレッサ21が駆動する。また、モータ/発電機31の動力は変速機41にも伝達される。変速機41は、モータ/発電機31の図示しない回転軸の回転数を、ポンプ11を駆動させるのに最適な回転数に変換して、ポンプ11を駆動させる。これにより、ポンプ11に必要な回転数とコンプレッサ21に必要な回転数とが異なる場合、ポンプ11及びコンプレッサ21のそれぞれが、最適な回転数で駆動される。
モータ/発電機31がモータとしてポンプ11を駆動させる際に、変速機41によって回転数を調整してポンプ11を駆動させる以外の動作については、実施の形態2で説明した動作と同じである。
このように、モータ/発電機31の回転数に対するポンプ11の回転数を変更する変速機41を設けたので、ポンプ11に必要な回転数とコンプレッサ21に必要な回転数とが異なる場合、ポンプ11及びコンプレッサ21のそれぞれを、最適な回転数で駆動させることができる。
実施の形態3及び4では、変速機41として無段変速機を使用したが、これに限定するものではない。変速比を段階的に変化させる有段変速機を使用してもよい。
実施の形態2〜4では、モータ/発電機31が、モータとしての動作から発電機としての動作に切り替わるタイミングを、ランキンサイクル10の起動後、所定時間が経過したときとしたが、これに限定するものではない。センサによって、作動流体の温度や流量、膨張機の回転数、モータ/発電機31に供給される電流等が所定値に達したのを検出したときに、モータ/発電機31の動作を切り替えるようにしてもよい。
また、モータ/発電機31の配設位置はコンプレッサ21とポンプ11の間に介在するものに限定されず、例えば、モータ/発電機31とコンプレッサ21とが連結されると共に、クラッチ及び/又は変速機を介してコンプレッサ21とポンプ11及び膨張機13とを連結するようにしても良い。
さらに、モータ/発電機31と膨張機14とを連結すると共に、膨張機13とポンプ11とを連結しても良い。
実施の形態1〜4では、作動流体としてフロンR134aを使用したが、プロパンやイソブタン等の炭化水素を使用することができる。また、これらのほかに、混合冷媒も使用できる。混合冷媒としては、例えば、混合冷媒407Cを使用してもよい。
実施の形態1〜4では、エンジン2を冷却した冷却水とランキンサイクル10の作動流体とを熱交換器12において熱交換しているが、冷却水以外の排熱、すなわちエキゾーストパイプ等の車両における排熱と熱交換するようにしてもよく、複数の排熱と熱交換するようにしてもよい。また、ランキンサイクル10や冷凍サイクル20には、それぞれ公知の他の構成要素を適宜追加したり、公知の手法を用いて変更したりすることができる。
この発明の実施の形態1に係る車両用排熱回収システムの構成図である。 実施の形態2に係る車両用排熱回収システムの構成図である。 実施の形態3に係る車両用排熱回収システムの構成図である。 実施の形態4に係る車両用排熱回収システムの構成図である。 従来の車両用排熱回収システムの構成図である。
符号の説明
1,30,40,50 車両用排熱回収システム、10 ランキンサイクル、11 ポンプ、12 熱交換器、13 膨張機、14 コンデンサ、15 発電機、20 冷凍サイクル、21 コンプレッサ、22 膨張弁(減圧装置)、23 蒸発器、24 モータ、25,32 第1のクラッチ、26,33 第2のクラッチ、31 モータ/発電機(負荷機)、41 変速機。

Claims (7)

  1. 車両における排熱を用いて作動流体を加熱する熱交換器、前記熱交換器で加熱された作動流体を膨張させる膨張機、前記膨張機で膨張された作動流体を冷却するコンデンサ、及び前記コンデンサで冷却された作動流体を循環するポンプを有するランキンサイクルと、
    作動流体を圧縮するコンプレッサ、前記コンプレッサで圧縮された作動流体と前記ランキンサイクルの前記膨張機で膨張された作動流体とが混合した作動流体を冷却する前記コンデンサ、前記コンデンサで冷却された作動流体の少なくとも一部を前記ランキンサイクルの前記ポンプに流入させ、その残りの作動流体を減圧する減圧装置、及び前記減圧装置で減圧された作動流体を加熱する蒸発器を有する冷凍サイクルと、
    前記コンプレッサ及び前記ポンプの両方を駆動する単一のモータと
    を備えることを特徴とする車両用排熱回収システム。
  2. 前記モータから前記コンプレッサへの動力の伝達を断接する第1のクラッチと、
    前記モータから前記ポンプへの動力の伝達を断接する第2のクラッチと
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用排熱回収システム。
  3. 前記コンプレッサ及び前記ポンプの少なくとも一方の吐出量を変更できることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用排熱回収システム。
  4. 車両における排熱を用いて作動流体を加熱する熱交換器、前記熱交換器で加熱された作動流体を膨張させる膨張機、前記膨張機で膨張された作動流体を冷却するコンデンサ、及び前記コンデンサで冷却された作動流体を循環するポンプを有するランキンサイクルと、
    作動流体を圧縮するコンプレッサ、前記コンプレッサで圧縮された作動流体と前記ランキンサイクルの前記膨張機で膨張された作動流体とが混合した作動流体を冷却する前記コンデンサ、前記コンデンサで冷却された作動流体の少なくとも一部を前記ランキンサイクルの前記ポンプに流入させ、その残りの作動流体を減圧する減圧装置、及び前記減圧装置で減圧された作動流体を加熱する蒸発器を有する冷凍サイクルと、
    モータとして前記コンプレッサ及び前記ポンプの両方を駆動すると共に、発電機として前記膨張機の動力を利用して発電を行う負荷機と
    を備えることを特徴とする車両用排熱回収システム。
  5. 前記負荷機から前記コンプレッサへの動力の伝達、及び前記コンプレッサから前記負荷機への動力の伝達を断接する第1のクラッチと、
    前記負荷機から前記ポンプへの動力の伝達、及び前記ポンプから前記負荷機への動力の伝達を断接する第2のクラッチと
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の車両用排熱回収システム。
  6. 前記負荷機の回転数に対する前記コンプレッサの回転数を変更する変速機と、
    前記負荷機から前記変速機への動力の伝達を断接する第1のクラッチと、
    前記負荷機から前記ポンプへの動力の伝達、及び前記ポンプから前記負荷機への動力の伝達を断接する第2のクラッチと
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の車両用排熱回収システム。
  7. 前記負荷機の回転数に対する前記ポンプの回転数を変更する変速機と、
    前記負荷機から前記変速機への動力の伝達を断接する第1のクラッチと、
    前記負荷機から前記コンプレッサへの動力の伝達、及び前記コンプレッサから前記負荷機への動力の伝達を断接する第2のクラッチと
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の車両用排熱回収システム。
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