JP2005024192A - 排熱回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排熱回収効率を高めることができる排熱回収装置を提供する。
【解決手段】蒸気噴射式サイクル回路Eでは、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、エジェクタ21、クーラ24を通過し、クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29、圧縮機11を経由して圧縮機11へ向かう。ランキンサイクル回路では、冷媒は、ボイラ39、圧縮機11、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路Eとランキンサイクル回路とは、方向切り換え弁33,34,35,46における通過可能な方向を変更することによって切り換えられる。
【選択図】 図1
【解決手段】蒸気噴射式サイクル回路Eでは、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、エジェクタ21、クーラ24を通過し、クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29、圧縮機11を経由して圧縮機11へ向かう。ランキンサイクル回路では、冷媒は、ボイラ39、圧縮機11、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路Eとランキンサイクル回路とは、方向切り換え弁33,34,35,46における通過可能な方向を変更することによって切り換えられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排熱源からの排熱によって作動流体を加熱するボイラを備えた排熱回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の排熱回収装置が非特許文献1、特許文献1及び特許文献2に開示されている。非特許文献1では蒸気噴射式冷凍サイクルを備えた冷凍サイクル装置が開示されている。図13は、蒸気噴射式冷凍サイクルを備えた冷凍サイクル装置を示す概略構成図である。
【0003】
図13の冷凍サイクル装置の作用を説明すると、エジェクタ1から吐出された高圧冷媒ガスは、クーラ2における外気との熱交換で冷却され凝縮される。クーラ2で凝縮されて液化された冷媒は、減圧装置としての膨張弁3で減圧された後、蒸発器4において車室に向かう空気との熱交換により加熱されて気化される。
【0004】
クーラ2と膨張弁3との間の冷媒流路からは、液冷媒の一部がポンプ5によって取り出されてボイラ6に圧送される。ボイラ6に送られた液冷媒は、図示しない排熱源の排熱を回収して高温となった冷却水により加熱され、高温高圧の冷媒ガスとなってエジェクタ1を駆動するとともに、この駆動によって蒸発器4からエジェクタ1に吸引された低圧冷媒ガスと混合されてクーラ2へと吐出される。
【0005】
車両エンジン(内燃機関)を排熱源とした場合、車両エンジンの排熱がエジェクタ1の駆動に有効利用されるので、冷凍サイクル装置の運転に起因した車両の燃費悪化を抑制することができる。
【0006】
特許文献1では、空調用冷凍サイクル回路を付設された内燃機関の排熱を熱源とする高温蒸発器及び加圧ポンプを空調用冷凍サイクル回路の蒸発器と並列に設け、冷凍サイクル回路の圧縮機を膨張機兼用に構成している。そして、高温蒸発器及び加圧ポンプを選択的に冷凍サイクル回路に接続して、冷凍サイクル回路の冷媒を作動流体とするランキンサイクル回路を形成している。
【0007】
特許文献2では、循環ポンプ、加熱源を有する第1熱交換器、発電機を兼ねる駆動用モータを有する膨張装置兼圧縮装置(スクロール型圧縮機)及び第2熱交換器を順次環状に接続した循環回路を形成し、循環ポンプに対して減圧装置(膨張弁)を並列に接続している。スクロール型圧縮機は、ガス圧縮を行うときには空調装置の構成部品として機能し、ガス膨張を行うときには発電装置の構成部品として機能する。冷媒は、ランキンサイクル回路の場合には第1熱交換器で加熱される。冷媒は、冷凍サイクルの場合には第1熱交換器で放熱する。
【0008】
【非特許文献1】
Int.J.Refrig.1990 Vol 13 November(352頁、図1)
【特許文献1】
特開昭63−96449号公報
【特許文献2】
特開平6−159013号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、非特許文献1における冷凍サイクル装置では、冷凍サイクル装置が作動しているときにのみ排熱回収が行われ、冷凍サイクル装置が作動していないときには排熱回収を行うことができない。
【0010】
特許文献1における排熱回収装置では、冷凍サイクル回路が作動していないときにランキンサイクル回路を形成して排熱回収を行うが、冷凍サイクル回路が作動しているときには排熱回収を行うことができない。
【0011】
特許文献2における排熱回収装置では、空調装置が作動していないときに前記循環回路がランキンサイクル回路となって排熱回収が行われるが、空調装置が作動しているときには、排熱回収を行うことができない。
【0012】
本発明は、排熱回収効率を高めることができる排熱回収装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、排熱源からの排熱によって作動流体を加熱するボイラを備えた排熱回収装置を対象とし、請求項1の発明では、前記ボイラ及びエジェクタを用いて形成される蒸気噴射式サイクル回路と、前記ボイラ及び前記ボイラで加熱された作動流体の熱を動力として取り出すための回生機を用いて形成されるランキンサイクル回路との一方から他方へ切り替え形成可能とした。
【0014】
ランキンサイクル回路では、作動流体がボイラにおいて高温高圧となり、この高温高圧の作動流体が回生機を経由する。回生機は、ボイラで加熱された作動流体の熱を動力として取り出す。つまり、ランキンサイクル回路においては、排熱源からの排熱の回収が行われる。
【0015】
蒸気噴射式サイクル回路では、作動流体がボイラにおいて高温高圧となり、この高温高圧の作動流体がエジェクタを駆動する。つまり、蒸気噴射式サイクル回路においても、排熱源からの排熱の回収が行われる。
【0016】
請求項2の発明では、請求項1において、前記ボイラ、エジェクタ、クーラ、前記クーラを通過した作動流体を前記ボイラへ送るためのポンプ、及び前記クーラを通過した作動流体を前記ポンプを経由しないで前記エジェクタへ導くための流路上に介在された蒸発器を用いて形成される蒸気噴射式サイクル回路と、前記クーラ、前記ポンプ、前記ボイラ、及び前記ボイラで加熱された作動流体の熱を動力として取り出すための回生機を用いて形成されるランキンサイクル回路との一方から他方へ切り替え形成可能とした。
【0017】
ランキンサイクル回路では、作動流体がボイラにおいて高温高圧となり、この高温高圧の作動流体がエジェクタを経由することなく回生機を経由する。回生機は、ボイラで加熱された作動流体の熱を動力として取り出す。つまり、ランキンサイクル回路においては、排熱源からの排熱の回収が行われる。
【0018】
蒸気噴射式サイクル回路では、作動流体がボイラにおいて高温高圧となり、この高温高圧の作動流体がエジェクタを駆動する。つまり、蒸気噴射式サイクル回路においても、排熱源からの排熱の回収が行われる。
【0019】
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記回生機は、蒸気噴射式サイクル回路の形成状態では作動流体を圧縮し、ランキンサイクル回路の形成状態では作動流体が逆流する圧縮機とした。
【0020】
このような圧縮機は、回生機として好適である。
請求項4の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記回生機によって取り出された動力により発電を行う発電機を設けた。
【0021】
排熱を利用して発電するのは、排熱の利用に関して最も使い勝手がよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1に示す圧縮機11は、車両に搭載された電動式のスクロール型圧縮機である。図3は、圧縮機11の内部構造を示す。圧縮機11の回転軸12は、ステータ13のコイル131への通電によってマグネット製のロータ14と一体的に回転する。ステータ13及びロータ14は、モータ・ジェネレータMを構成する。
【0023】
回転軸12の回転は、回転軸12に設けられた偏心軸121、偏心軸121に取り付けられたブッシュ15を介して可動スクロール16へ伝えられ、可動スクロール16が回転軸12の回転方向(矢印Qで示す正転方向)へ旋回する。可動スクロール16が旋回すると、作動流体としての冷媒(ガス状冷媒)が入口17から圧縮機11へ入ると共に、可動スクロール16と固定スクロール18との間の密閉空間へ導かれる。密閉空間は、可動スクロール16の旋回に伴って容積減少しつつ両スクロール16,18の中心部に向けて収束して行く。密閉空間の容積減少によって圧縮された冷媒は、吐出ポート181から吐出室19へ吐出される。吐出室19の冷媒(ガス状冷媒)は、出口20から圧縮機11の外部へ出てゆく。
【0024】
図1に示すように、圧縮機11にはエジェクタ21の吸入側が配管22、方向切り換え弁33、配管23を介して接続されており、エジェクタ21の吐出側にはクーラ24が配管25、方向切り換え弁34、配管26を介して接続されている。配管22は、圧縮機11の出口20に接続されている。クーラ24には膨張弁27が配管28を介して接続されており、膨張弁27には蒸発器29が配管30を介して接続されている。蒸発器29には圧縮機11が配管31、方向切り換え弁35、配管32を介して接続されている。配管32は、圧縮機11の入口17に接続されている。
【0025】
方向切り換え弁33,34,35は、いずれも電磁式の方向切り換え弁である。方向切り換え弁34と方向切り換え弁35とは、配管36を介して接続されている。
【0026】
クーラ24には電動式のポンプ37が配管28及び配管28の途中から分岐する配管38を介して接続されている。ポンプ37にはボイラ39の吸熱器391が配管40を介して接続されており、ボイラ39の吸熱器391にはエジェクタ21の駆動側が配管41、方向切り換え弁46、配管42を介して接続されている。方向切り換え弁46と方向切り換え弁33とは、配管47を介して接続されている。ボイラ39は、吸熱器391と放熱器392とからなり、放熱器392には配水管44,45が接続されている。車両のエンジン43を冷却するための冷却水は、配水管44、放熱器392、配水管45及びエンジン43内の冷却水路(図示略)を循環する。
【0027】
方向切り換え弁33,34,35,46は、駆動回路50を介してコンピュータ内蔵の制御ユニット(以下、ECUという)48の制御を受ける。ポンプ37は、駆動回路51を介してECU48の制御を受ける。圧縮機11のモータ・ジェネレータMは、駆動回路52を介してECU48の制御を受ける。駆動回路50,51,52は、バッテリ53に電気接続されている。駆動回路50は、バッテリ53を電源として方向切り換え弁33,34,35,46の切り換えを行う。駆動回路51は、バッテリ53を電源としてポンプ37を作動する。
【0028】
駆動回路52は、ECU48から通電指令を受けると、バッテリ53からモータ・ジェネレータMのコイル131へ給電し、モータ・ジェネレータMが発動機として機能する。又、駆動回路52は、ECU48から充電指令を受けると、回転軸12の回転によってモータ・ジェネレータMに生じる電力をバッテリ53に蓄電させる。つまり、駆動回路52は、ECU48の通電指令によって給電回路を構成し、ECU48の充電指令によって充電回路を構成する。
【0029】
ECU48には情報検知手段49が信号接続されている。情報検知手段49は、エアコンスイッチ491(切り換え制御手段)、車室内の温度を検出する温度センサ(図示略)、車室内の温度を設定するための室温設定器(図示略)、エンジン43の作動を検出するセンサ(本実施形態では、エンジン回転数センサ492とする)等を含む。情報検知手段49において得られた検知情報は、ECU48へ送られる。
【0030】
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
排熱源としてのエンジン43が作動していないときには、方向切り換え弁33,34,35,46は、図2に示す第1の通過許容状態にあり、駆動回路52は、充電回路を構成している。図2に示す方向切り換え弁33における第1の通過許容状態とは、配管47と配管22との間の冷媒通過のみを許容する状態のことであり、方向切り換え弁34における第1の通過許容状態とは、配管36と配管22との間の冷媒通過のみを許容する状態のことである。図2に示す方向切り換え弁35における第1の通過許容状態とは、配管32と配管36との間の冷媒通過のみを許容する状態のことであり、方向切り換え弁46における第1の通過許容状態とは、配管41と配管47との間の冷媒通過のみを許容する状態のことである。
【0031】
なお、図2では、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
エンジン43が始動してエンジン回転数センサ492が予め設定された回転数以上のエンジン回転数を検出すると、ECU48は、この検知情報(エンジン作動検知情報)に基づいて駆動回路51に作動指令を出す。駆動回路51は、この指令に基づいてポンプ37を作動させる。ポンプ37が作動すると、冷媒がボイラ39の吸熱器391、圧縮機11、クーラ24及びポンプ37の順に循環し、冷媒がエジェクタ21を通過することはない。図2は、この循環通過状態を示す。つまり、図2では、クーラ24、ポンプ37、ボイラ39、回生機としての圧縮機11を用いたランキンサイクル回路Rが形成されている。
【0032】
ポンプ37から送り出された冷媒(液冷媒)は、ボイラ39の吸熱器391で加熱されて高温高圧の冷媒(ガス状冷媒)となる。この高温高圧の冷媒は、圧縮機11の出口20から吐出室19及び吐出ポート181を経由して前記密閉空間へ流入する。密閉空間に流入した冷媒は断熱膨張し、可動スクロール16が図3の矢印Qの方向とは逆方向(逆転方向)に旋回する。これにより回転軸12及びロータ14が矢印Qの方向とは逆方向(逆転方向)に一体的に回転し、モータ・ジェネレータMが電気を発生する。つまり、モータ・ジェネレータMは、発電機として機能する。駆動回路52は、充電回路を構成しているので、モータ・ジェネレータMで発生した電気がバッテリ53に蓄電される。つまり、冷媒の膨張によって逆転する圧縮機11は、冷媒の熱を動力として取り出すための回生機となる。
【0033】
エンジン43が作動している状態においてエアコンスイッチ491がONされると、ECU48は、このONによる信号の入力に基づいて、駆動回路50に蒸気噴射式サイクルモード指令を送ると共に、駆動回路52に給電指令を送る。駆動回路50は、蒸気噴射式サイクルモード指令に基づいて、方向切り換え弁33,34,35,46を図2の第1の通過許容状態から図1の第2の通過許容状態へと切り換える。
【0034】
図1に示す方向切り換え弁33における第2の通過許容状態とは、配管22と配管23との間の冷媒通過のみを許容する状態のことであり、方向切り換え弁34における第2の通過許容状態とは、配管25と配管26との間の冷媒通過のみを許容する状態のことである。図1に示す方向切り換え弁35における第2の通過許容状態とは、配管31と配管32との間の冷媒通過のみを許容する状態のことであり、方向切り換え弁46における第2の通過許容状態とは、配管41と配管42との間の冷媒通過のみを許容する状態のことである。
【0035】
駆動回路52は、給電指令に基づいて給電回路を構成し、バッテリ53の電気が圧縮機11のモータ・ジェネレータMのコイル131へ送られる。これによりモータ・ジェネレータMが発動機として機能し、圧縮機11の回転軸12が図3の矢印Qの方向に回転する。つまり、圧縮機11は、配管32内の冷媒(ガス状冷媒)を吸入して圧縮しながら配管22側へ送り出す。
【0036】
ポンプ37から送り出された冷媒は、ボイラ39の吸熱器391で加熱されて高温高圧の冷媒となる。この高温高圧の冷媒は、エジェクタ21から噴出してクーラ24へ流入する。圧縮機11から送り出された冷媒(ガス状冷媒)は、エジェクタ21からの冷媒の前記噴出によってエジェクタ21に吸引される。エジェクタ21に吸引された冷媒は、エジェクタ21においてボイラ39から送られてきた冷媒と合流してクーラ24を通過する。クーラ24を流れる冷媒は、熱を奪われる。クーラ24を通過した冷媒(液冷媒)の一部は、ポンプ37を通過し、残りは、膨張弁27及び蒸発器29を通過して圧縮機11へ流入する。膨張弁27を通過する冷媒は減圧され、蒸発器29を通過する冷媒は、熱交換によって加熱されてガス化する。図1は、この通過状態を示す。つまり、図1では、ボイラ39、エジェクタ21、クーラ24、ポンプ37、及びクーラ24を通過した冷媒をポンプ37を経由しないでエジェクタ21へ導くための流路(配管28,30〜32,22,23)上に介在された蒸発器29を用いた蒸気噴射式サイクル回路Eが形成されている。エジェクタ21における吸引率〔(蒸発器29側からの冷媒流量)÷(ボイラ39側からの冷媒流量)〕が大きいほど、冷凍能力が高くなる。蒸発器29とエジェクタ21との間に介在された圧縮機11は、エジェクタ21の吸引率を高める。
【0037】
エアコンスイッチ491がOFFされると、ECU48は、このOFFによる信号の入力に基づいて、駆動回路50にランキンサイクルモード指令を送ると共に、駆動回路52に充電指令を送る。又、駆動回路50は、ランキンサイクルモード指令に基づいて、方向切り換え弁33,34,35,46を図1の第2の通過許容状態から図2の第1の通過許容状態へと切り換える。つまり、図1の蒸気噴射式サイクル回路Eから図2のランキンサイクル回路Rへの切り換えが行われる。
【0038】
エンジン43の作動が停止されると、エンジン回転数センサ492は、エンジン回転数が予め設定された回転数に満たないことを検出する。ECU48は、この検知情報(エンジン作動停止情報)に基づいて、駆動回路50にランキンサイクルモード指令を送る。蒸気噴射式サイクル回路Eが形成されていた場合、この蒸気噴射式サイクル回路Eからランキンサイクル回路Rへの切り換えが行われる。又、ECU48は、この検知情報(エンジン作動停止情報)に基づいて、駆動回路51に作動停止指令を出す。駆動回路51は、この作動停止指令に基づいてポンプ37の作動を停止させる。
【0039】
ECU48は、複数の方向切り換え弁33,34,35,46の通過許容状態を変更するための制御手段である。ECU48は、手動操作される切り換え指令手段としてのエアコンスイッチ491の切り換え操作(ON−OFFの切り換え操作)に応じて、複数の方向切り換え弁33,34,35,46の通過許容状態を変更する。エアコンスイッチ491は、空調装置をON−OFFするためのスイッチである。
【0040】
第1の実施形態では以下のような効果が得られる。
(1−1)エンジン43が作動している状態では、エアコンスイッチ491がONされると蒸気噴射式サイクル回路Eが形成される。蒸気噴射式サイクル回路Eでは、エンジン43の排熱によって高温高圧となった冷媒がエジェクタ21へ送られてエジェクタ21を駆動(つまり、冷媒がエジェクタ21を通過してエジェクタ21から噴射すること)し、エンジン43からの排熱の回収が行われる。
【0041】
エンジン43が作動している状態では、エアコンスイッチ491がOFFされるとランキンサイクル回路Rが形成される。ランキンサイクル回路Rでは、エンジン43の排熱によって高温高圧となった冷媒がエジェクタ21を経由することなく圧縮機11を逆流し、圧縮機11が逆転する。この逆転によりモータ・ジェネレータMが電気を発生し、この発生電気がバッテリ53に蓄電される。つまり、ランキンサイクル回路Rにおいては、エンジン43からの排熱の一部が電気に変換されて回収される。
【0042】
従って、本実施形態では、エンジン43が作動している状態では常にエンジン43からの排熱の回収が行われ、排熱回収効率が従来よりも向上する。
本実施形態では、ポンプ37及びボイラ39をランキンサイクル回路Rと蒸気噴射式サイクル回路Eとの両方で兼用することができる。
【0043】
(1−2)スクロール型の圧縮機11は、正転して冷媒を圧縮し、冷媒の膨張によって逆転でき、逆転する圧縮機11は、ボイラ39で加熱された冷媒の熱を動力として取り出すための回生機となる。スクロール型の圧縮機11は、エジェクタ21における吸引率を向上し、かつボイラ39で加熱された冷媒の熱を動力として取り出すための回生機として好適である。
【0044】
(1−3)圧縮機11が逆転するときには、モータ・ジェネレータMは、発電機として機能し、モータ・ジェネレータMで発生した電気がバッテリ53に蓄電される。バッテリ53に蓄電された電気は、ポンプ37の駆動、方向切り換え弁33,34,35,46の駆動、圧縮機11の正転駆動、車両に搭載された種々の電気製品(図示略)の作動のために利用される。ランキンサイクル回路Rにおいて排熱を利用して発電するのは、排熱の利用に関して最も使い勝手がよい。
【0045】
(1−4)蒸気噴射式サイクル回路E及びランキンサイクル回路Rのいずれにおいても、冷媒は、クーラ24を通過して熱を奪われる。又、ランキンサイクル回路Rでは、回生機を兼ねる圧縮機11において冷媒の熱の一部が電気に変換される。つまり、エンジン43が作動している状態では、エンジン43で生じる排熱の回収が行われるので、エンジン43を冷却した冷却水から熱を奪うためのラジエータを無くせる可能性がある。あるいは、従来よりも能力の小さいラジエータを用いることができる。
【0046】
(1−5)蒸気噴射式サイクル回路Eを形成しているとき以外、つまり空調が行われているとき以外のエンジン43の作動の状態では、エンジン43からの排熱の一部が電気エネルギーとして回収される。従って、ランキンサイクル回路の形成時にのみ排熱回収を行う従来装置や、蒸気噴射式サイクル回路の形成時にのみ排熱回収を行う従来装置に比べ、燃費は良くなる。
【0047】
次に、図4(a),(b)の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
エジェクタ21吸入側は、配管54を介して蒸発器29に接続されており、圧縮機11の入口17は、配管55、方向切り換え弁56及び配管57を介してエジェクタ21に接続されている。クーラ24は、配管58、方向切り換え弁59、配管60、方向切り換え弁34及び配管26を介して圧縮機11の出口20に接続されている。方向切り換え弁46と方向切り換え弁59とは、配管61を介して接続されている。方向切り換え弁56と方向切り換え弁34とは、配管62を介して接続されている。その他の装置構成は、第1の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。方向切り換え弁56,59は、方向切り換え弁34,46と共にECU48の制御を受ける。
【0048】
図4(a)では、ボイラ39、エジェクタ21、クーラ24、ポンプ37、及びクーラ24を通過した冷媒をポンプ37を経由しないでエジェクタ21へ導くための流路(配管28,30,54)上に介在された蒸発器29を用いた蒸気噴射式サイクル回路Eが形成されている。ポンプ37から送り出された冷媒は、ボイラ39、配管41、方向切り換え弁46、配管42を経由してエジェクタ21へ流入する。エジェクタ21へ流入した冷媒は、エジェクタ21から圧縮機11に向けて噴出する。エジェクタ21から圧縮機11に向けて噴出した冷媒は、配管55、方向切り換え弁56、配管57を経由して圧縮機11に流入する。圧縮機11から送り出された冷媒は、配管58、方向切り換え弁59、配管60、方向切り換え弁34、配管26を経由してクーラ24に流入する。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37へ向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29及び配管54を経由してエジェクタ21へ向かう。蒸発器29からエジェクタ21へ向かう冷媒は、エジェクタ21からの冷媒の前記噴出によってエジェクタ21に吸引される。エジェクタ21に吸引された冷媒は、エジェクタ21においてボイラ39から送られてきた冷媒と合流してクーラ24を通過する。蒸気噴射式サイクル回路Eにおいて、蒸発器29とクーラ24との間で冷媒流路に関してエジェクタ21と直列関係にある圧縮機11の存在は、エンジン43が冷えていてエジェクタ21を駆動し得ない状況下でも冷凍サイクルをもたらす。
【0049】
図4(b)では、クーラ24、ポンプ37、ボイラ39、回生機としての圧縮機11を用いたランキンサイクル回路Rが形成されている。冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管61、方向切り換え弁59、配管58、圧縮機11、配管57、方向切り換え弁56、配管62、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環し、冷媒がエジェクタ21を通過することはない。
【0050】
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
次に、図5(a),(b)の第3の実施形態を説明する。図4(a),(b)の第2の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
【0051】
エジェクタ21は、配管54を介して蒸発器29に接続されており、圧縮機11の入口17は、配管63、方向切り換え弁64及び配管65を介して配管54の途中に接続されている。クーラ24は、配管66、方向切り換え弁59、配管60、方向切り換え弁34及び配管26を介してエジェクタ21に接続されている。圧縮機11の出口20は、配管67を介して配管60の途中に接続されている。方向切り換え弁64と方向切り換え弁34とは、配管68を介して接続されている。その他の装置構成は、第2の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。方向切り換え弁64は、方向切り換え弁34,46,59と共にECU48の制御を受ける。
【0052】
図5(a)では、ボイラ39、エジェクタ21、クーラ24、ポンプ37、及びクーラ24を通過した冷媒をポンプ37を経由しないでエジェクタ21へ導くための流路(配管28,30,54)上に介在された蒸発器29を用いた蒸気噴射式サイクル回路Eが形成されている。ポンプ37から送り出された冷媒は、ボイラ39、配管41、方向切り換え弁46、配管42を経由してエジェクタ21へ流入する。エジェクタ21へ流入した冷媒は、エジェクタ21からクーラ24に向けて噴出する。エジェクタ21からクーラ24に向けて噴出した冷媒は、配管66、方向切り換え弁59、配管60、方向切り換え弁34、配管26を経由してクーラ24に流入する。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37へ向かい、残りは、膨張弁27を経由して蒸発器29に向かう。蒸発器29を通過した冷媒の一部は、配管54を経由してエジェクタ21へ向かい、残りは、配管54、配管63,方向切り換え弁64、配管65を経由して圧縮機11に向かう。圧縮機11を通過した冷媒は、エジェクタ21を通過した冷媒と合流する。
【0053】
蒸発器29からエジェクタ21へ向かう冷媒は、エジェクタ21からの冷媒の前記噴出によってエジェクタ21に吸引される。エジェクタ21に吸引された冷媒は、エジェクタ21においてボイラ39から送られてきた冷媒と合流してクーラ24に向かう。圧縮機11から送り出された冷媒は、配管67を経由して、エジェクタ21から送られてきた冷媒と合流してクーラ24に向かう。蒸気噴射式サイクル回路Eにおいて、蒸発器29とクーラ24との間で冷媒流路に関してエジェクタ21と並列関係にある圧縮機11の存在は、エンジン43が冷えていてエジェクタ21を駆動し得ない状況下でも冷凍サイクルをもたらす。
【0054】
図5(b)では、クーラ24、ポンプ37、ボイラ39、回生機としての圧縮機11を用いたランキンサイクル回路Rが形成されている。冷媒は、ボイラ39、配管41、方向切り換え弁46、配管61、方向切り換え弁59、配管60、配管67、圧縮機11、配管65、方向切り換え弁64、配管68、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環し、冷媒がエジェクタ21を通過することはない。
【0055】
第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
次に、図6(a),(b)の第4の実施形態を説明する。図4(a),(b)の第2の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
【0056】
第4の実施形態では、圧縮機11の入口17と方向切り換え弁34とが配管69を介して接続されており、第2の実施形態における方向切り換え弁59が無くされている。配管61は、配管69の途中に接続されている。その他の装置構成は、第2の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0057】
図6(a)では、ボイラ39、エジェクタ21、クーラ24、ポンプ37、及びクーラ24を通過した冷媒をポンプ37を経由しないでエジェクタ21へ導くための流路(配管28,30,54)上に介在された蒸発器29を用いた蒸気噴射式サイクル回路Eが形成されている。ポンプ37から送り出された冷媒は、ボイラ39、配管41、方向切り換え弁46、配管42を経由してエジェクタ21へ流入する。エジェクタ21へ流入した冷媒は、エジェクタ21から圧縮機11に向けて噴出する。エジェクタ21から圧縮機11に向けて噴出した冷媒は、配管55、方向切り換え弁56、配管57、圧縮機11、配管69、方向切り換え弁34、配管26を経由してクーラ24に流入する。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37へ向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29及び配管54を経由してエジェクタ21へ向かう。蒸発器29からエジェクタ21へ向かう冷媒は、エジェクタ21からの冷媒の前記噴出によってエジェクタ21に吸引される。エジェクタ21に吸引された冷媒は、エジェクタ21においてボイラ39から送られてきた冷媒と合流してクーラ24を通過する。
【0058】
図6(b)では、クーラ24、ポンプ37、ボイラ39、回生機としての圧縮機11を用いたランキンサイクル回路Rが形成されている。冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管61、配管69、圧縮機11、配管57、方向切り換え弁56、配管62、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環し、冷媒がエジェクタ21を通過することはない。
【0059】
第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。又、第4の実施形態では、方向切り換え弁の個数が第1〜第3の実施形態の場合よりも1つ減り、部品点数減によるコスト減の効果が得られる。
【0060】
本発明では、図7〜図12に示す実施形態も可能である。図7〜図10及び図12ではいずれもランキンサイクル回路Rを形成した状態が図示されている。
図4における第2の実施形態の変更例である図7の第5の実施形態では、圧縮機11とクーラ24とが配管58、方向切り換え弁59、配管70を介して接続されており、第2の実施形態における方向切り換え弁34が無くされている。配管62は、配管70の途中に接続されている。その他の装置構成は、第2の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0061】
ランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管61、方向切り換え弁59、配管58、回生機としての圧縮機11、配管57、方向切り換え弁56、配管62、配管70、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路においては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管55、方向切り換え弁56、配管57、圧縮機11、配管58、方向切り換え弁59、配管70、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27及び蒸発器29を経由してエジェクタ21に向かう。
【0062】
第5の実施形態では、第4の実施形態と同様の効果が得られる。
図1及び図2の第1の実施形態の変更例である図8の第6の実施形態では、クーラ24が配管71を介してエジェクタ21に接続されており、第1の実施形態における方向切り換え弁34が無くされている。配管36は、配管71の途中に接続されている。その他の装置構成は、第1の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0063】
ランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管47、方向切り換え弁33、配管22、回生機としての圧縮機11、配管32、方向切り換え弁35、配管36、配管71、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路においては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管71、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29、配管31、方向切り換え弁35、配管32、圧縮機11、配管22、方向切り換え弁33、配管23を経由してエジェクタ21に向かう。
【0064】
第6の実施形態では、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図5における第3の実施形態の変更例である図9の第7の実施形態では、圧縮機11が配管54、配管63、逆止弁72、配管65を介して蒸発器29に接続されており、第3の実施形態における方向切り換え弁64が無くされている。逆止弁72は、配管63から配管65への冷媒の流れを許容し、配管65から配管63への冷媒の流れを遮断する。配管68は、配管65の途中に接続されている。その他の装置構成は、第3の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0065】
ランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管61、方向切り換え弁59、配管60、配管67、回生機としての圧縮機11、配管65、配管68、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路においては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管66、方向切り換え弁59、配管60、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27を経由して蒸発器29に向かう。蒸発器29を通過した冷媒の一部は、配管54を経由してエジェクタ21に向かい、残りは、配管54、配管63、逆止弁72、配管65、圧縮機11、配管67、配管60、方向切り換え弁34、配管26を経由してクーラ24に向かう。
【0066】
第7の実施形態では、第6の実施形態と同様の効果が得られる。又、第7の実施形態では、方向切り換え弁よりも安価な逆止弁72を使うことによってコスト減の効果が得られる。
【0067】
図6における第4の実施形態の変更例である図10の第8の実施形態では、エジェクタ21と圧縮機11とが配管55、逆止弁73、配管57を介して接続されており、第4の実施形態における方向切り換え弁56が無くされている。逆止弁73は、配管55から配管57への冷媒の流れを許容し、配管57から配管55への冷媒の流れを遮断する。圧縮機11とクーラ24とは、配管69、方向切り換え弁34、配管26を介して接続されており、配管62は、配管57の途中に接続されている。その他の装置構成は、第4の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0068】
ランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管61、配管69、回生機としての圧縮機11、配管57、配管62,方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路においては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管55、逆止弁73、配管57、圧縮機11、配管69,方向切り換え弁34、配管26、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27及び蒸発器29を経由してエジェクタ21に向かう。
【0069】
第8の実施形態では、第4の実施形態と同様の効果が得られる。又、第8の実施形態では、方向切り換え弁よりも安価な逆止弁73を使うことによってコスト減の効果が得られる。
【0070】
図1及び図2の第1の実施形態の変更例である図11(a),(b)の第9の実施形態では、クーラ24が配管71を介してエジェクタ21に接続されており、第1の実施形態における方向切り換え弁34が無くされている。方向切り換え弁35は、配管78、第2のクーラ79、配管80を介して配管28の途中に接続されている。その他の装置構成は、第1の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0071】
図11(a)の蒸気噴射式サイクル回路Eにおいては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管71、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29、配管31、方向切り換え弁35、配管32、圧縮機11、配管22、方向切り換え弁33、配管23を経由してエジェクタ21に向かう。
【0072】
図11(b)のランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管47、方向切り換え弁33、配管22、回生機としての圧縮機11、配管32、方向切り換え弁35、配管78、第2のクーラ79、配管28及びポンプ37の順に循環する。
【0073】
第9の実施形態では、クーラ24は、蒸気噴射式サイクル回路Eの形成のみに用いられ、第2のクーラ79は、ランキンサイクル回路Rの形成のみに用いられるが、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0074】
図12の第10の実施形態では、蒸発器29とエジェクタ21とが配管31、方向切り換え弁35、配管74、方向切り換え弁33、配管23を介して接続されている。膨張機77は、配管75を介して方向切り換え弁46に接続されており、配管76を介して方向切り換え弁33に接続されている。膨張機77の内部構造は、第1の実施形態における圧縮機11と同じである。
【0075】
ランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管75、膨張機77、配管76、方向切り換え弁33、配管74、方向切り換え弁35、配管36、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路においては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管25、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29、配管31、方向切り換え弁35、配管74、方向切り換え弁33、配管23を経由してエジェクタ21に向かう。膨張機77は、発電機(回生機)としてのみ機能する。
【0076】
第10の実施形態では、図1及び図2の第1の実施形態における(1−1)項、(1−3)〜(1〜5)項と同様の効果が得られる。
本発明では以下のような実施形態も可能である。
【0077】
(1)蒸気噴射式サイクル回路Eを形成しているときの圧縮機11の駆動源としてエンジン43を用いてもよい。つまり、エンジン43の駆動力を電磁クラッチを介して圧縮機11に伝達し、圧縮機11を回生機として使用するとき(ランキンサイクル回路Rを形成しているとき)には、電磁クラッチを遮断すればよい。
【0078】
(2)電動モータを走行駆動源とする電気自動車に搭載される車両用冷凍サイクル装置や、電動モータ及びエンジンを備えてこれらの少なくとも一方を車両駆動源として選択するハイブリッド車に搭載される車両用冷凍サイクル装置において本発明を具体化すること。この場合、ボイラは、排熱源としての電動モータの排熱や、電動モータを制御する排熱源としての制御回路(インバータ)の排熱を回収する冷却水によって冷媒を加熱する構成としてもよい。
【0079】
(3)回生機としてベーン型圧縮機を用いてもよい。
(4)電動式のポンプ37の代わりに、エンジン43から直接駆動力を得て作動するポンプを用いてもよい。
【0080】
(5)エンジンの排気ガスによって作動流体を加熱するボイラを用いてもよい。
(6)第1、第6及び第9の実施形態において、エアコンスイッチ491がONであって、エンジン43の作動が停止された場合には、圧縮機11による通常の圧縮冷凍サイクルを構成してもよい。この場合、駆動回路50の蒸気噴射式サイクルモード指令を維持すると共に、駆動回路52の給電指令を維持する。
【0081】
このような構成では、エンジン43の停止時、例えばエンジン43が冷えていてエジェクタ21を駆動し得ない状況下でも冷凍サイクルをもたらす。
(7)第1、第2、第4、第5、第6、第8及び第9の実施形態において、蒸気噴射式サイクル回路Eの形成時に圧縮機11の作動が必要ないときには、圧縮機11を停止させると共に、圧縮機11をバイパス可能な回路によって圧縮機11を迂回させてもよい。蒸気噴射式サイクル回路Eの形成時に圧縮機11の作動が必要ないときとは、圧縮機11の作動なくしてエジェクタ21が作動可能なときのことである。
【0082】
(8)第3及び第7の実施形態において、蒸気噴射式サイクル回路Eの形成時に圧縮機11の作動が必要ないとき(圧縮機11の作動なくしてエジェクタ21が作動可能なとき)には、圧縮機11を停止させてもよい。
【0083】
前記した実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕複数の方向切り換え弁と、前記複数の方向切り換え弁の通過許容状態を変更するための制御手段とを備え、前記複数の方向切り換え弁の通過許容状態を変更することによって蒸気噴射式サイクル回路とランキンサイクル回路とを切り換え形成するようにした請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の排熱回収装置。
【0084】
〔2〕手動操作される切り換え指令手段を備え、前記切り換え指令手段の切り換え操作に応じて前記制御手段が前記複数の方向切り換え弁の通過許容状態を変更するようにした前記〔1〕項に記載の排熱回収装置。
【0085】
〔3〕前記切り換え指令手段は、空調装置をON−OFFするためのエアコンスイッチである前記〔2〕項に記載の排熱回収装置。
【0086】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、排熱回収効率を高めることができる排熱回収装置を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を示し、排熱回収装置が蒸気噴射式サイクル回路Eを形成している状態を示す概略構成図。
【図2】排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図3】圧縮機11の内部構造を示す断面図。
【図4】第2の実施形態を示し、(a)は、排熱回収装置が蒸気噴射式サイクル回路Eを形成している状態を示す概略構成図。(b)は、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図5】第3の実施形態を示し、(a)は、排熱回収装置が蒸気噴射式サイクル回路Eを形成している状態を示す概略構成図。(b)は、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図6】第4の実施形態を示し、(a)は、排熱回収装置が蒸気噴射式サイクル回路Eを形成している状態を示す概略構成図。(b)は、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図7】第5の実施形態を示し、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図8】第6の実施形態を示し、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図9】第7の実施形態を示し、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図10】第8の実施形態を示し、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図11】第9の実施形態を示し、(a)は、排熱回収装置が蒸気噴射式サイクル回路Eを形成している状態を示す概略構成図。(b)は、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図12】第10の実施形態を示し、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図13】従来技術の蒸気噴射式冷凍サイクル装置の概略構成図。
【符号の説明】
11…回生機を兼ねる圧縮機。21…エジェクタ。24…クーラ。29…蒸発器。37…ポンプ。39…ボイラ。43…排熱源としてのエンジン。22,23,28,30〜32…第1の実施形態においてクーラ24を通過した冷媒をポンプ37を経由しないでエジェクタ21へ導くための流路を構成する配管。79…第2のクーラ。M…発電機としてのモータ・ジェネレータ。E…蒸気噴射式サイクル回路。R…ランキンサイクル回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、排熱源からの排熱によって作動流体を加熱するボイラを備えた排熱回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の排熱回収装置が非特許文献1、特許文献1及び特許文献2に開示されている。非特許文献1では蒸気噴射式冷凍サイクルを備えた冷凍サイクル装置が開示されている。図13は、蒸気噴射式冷凍サイクルを備えた冷凍サイクル装置を示す概略構成図である。
【0003】
図13の冷凍サイクル装置の作用を説明すると、エジェクタ1から吐出された高圧冷媒ガスは、クーラ2における外気との熱交換で冷却され凝縮される。クーラ2で凝縮されて液化された冷媒は、減圧装置としての膨張弁3で減圧された後、蒸発器4において車室に向かう空気との熱交換により加熱されて気化される。
【0004】
クーラ2と膨張弁3との間の冷媒流路からは、液冷媒の一部がポンプ5によって取り出されてボイラ6に圧送される。ボイラ6に送られた液冷媒は、図示しない排熱源の排熱を回収して高温となった冷却水により加熱され、高温高圧の冷媒ガスとなってエジェクタ1を駆動するとともに、この駆動によって蒸発器4からエジェクタ1に吸引された低圧冷媒ガスと混合されてクーラ2へと吐出される。
【0005】
車両エンジン(内燃機関)を排熱源とした場合、車両エンジンの排熱がエジェクタ1の駆動に有効利用されるので、冷凍サイクル装置の運転に起因した車両の燃費悪化を抑制することができる。
【0006】
特許文献1では、空調用冷凍サイクル回路を付設された内燃機関の排熱を熱源とする高温蒸発器及び加圧ポンプを空調用冷凍サイクル回路の蒸発器と並列に設け、冷凍サイクル回路の圧縮機を膨張機兼用に構成している。そして、高温蒸発器及び加圧ポンプを選択的に冷凍サイクル回路に接続して、冷凍サイクル回路の冷媒を作動流体とするランキンサイクル回路を形成している。
【0007】
特許文献2では、循環ポンプ、加熱源を有する第1熱交換器、発電機を兼ねる駆動用モータを有する膨張装置兼圧縮装置(スクロール型圧縮機)及び第2熱交換器を順次環状に接続した循環回路を形成し、循環ポンプに対して減圧装置(膨張弁)を並列に接続している。スクロール型圧縮機は、ガス圧縮を行うときには空調装置の構成部品として機能し、ガス膨張を行うときには発電装置の構成部品として機能する。冷媒は、ランキンサイクル回路の場合には第1熱交換器で加熱される。冷媒は、冷凍サイクルの場合には第1熱交換器で放熱する。
【0008】
【非特許文献1】
Int.J.Refrig.1990 Vol 13 November(352頁、図1)
【特許文献1】
特開昭63−96449号公報
【特許文献2】
特開平6−159013号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、非特許文献1における冷凍サイクル装置では、冷凍サイクル装置が作動しているときにのみ排熱回収が行われ、冷凍サイクル装置が作動していないときには排熱回収を行うことができない。
【0010】
特許文献1における排熱回収装置では、冷凍サイクル回路が作動していないときにランキンサイクル回路を形成して排熱回収を行うが、冷凍サイクル回路が作動しているときには排熱回収を行うことができない。
【0011】
特許文献2における排熱回収装置では、空調装置が作動していないときに前記循環回路がランキンサイクル回路となって排熱回収が行われるが、空調装置が作動しているときには、排熱回収を行うことができない。
【0012】
本発明は、排熱回収効率を高めることができる排熱回収装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、排熱源からの排熱によって作動流体を加熱するボイラを備えた排熱回収装置を対象とし、請求項1の発明では、前記ボイラ及びエジェクタを用いて形成される蒸気噴射式サイクル回路と、前記ボイラ及び前記ボイラで加熱された作動流体の熱を動力として取り出すための回生機を用いて形成されるランキンサイクル回路との一方から他方へ切り替え形成可能とした。
【0014】
ランキンサイクル回路では、作動流体がボイラにおいて高温高圧となり、この高温高圧の作動流体が回生機を経由する。回生機は、ボイラで加熱された作動流体の熱を動力として取り出す。つまり、ランキンサイクル回路においては、排熱源からの排熱の回収が行われる。
【0015】
蒸気噴射式サイクル回路では、作動流体がボイラにおいて高温高圧となり、この高温高圧の作動流体がエジェクタを駆動する。つまり、蒸気噴射式サイクル回路においても、排熱源からの排熱の回収が行われる。
【0016】
請求項2の発明では、請求項1において、前記ボイラ、エジェクタ、クーラ、前記クーラを通過した作動流体を前記ボイラへ送るためのポンプ、及び前記クーラを通過した作動流体を前記ポンプを経由しないで前記エジェクタへ導くための流路上に介在された蒸発器を用いて形成される蒸気噴射式サイクル回路と、前記クーラ、前記ポンプ、前記ボイラ、及び前記ボイラで加熱された作動流体の熱を動力として取り出すための回生機を用いて形成されるランキンサイクル回路との一方から他方へ切り替え形成可能とした。
【0017】
ランキンサイクル回路では、作動流体がボイラにおいて高温高圧となり、この高温高圧の作動流体がエジェクタを経由することなく回生機を経由する。回生機は、ボイラで加熱された作動流体の熱を動力として取り出す。つまり、ランキンサイクル回路においては、排熱源からの排熱の回収が行われる。
【0018】
蒸気噴射式サイクル回路では、作動流体がボイラにおいて高温高圧となり、この高温高圧の作動流体がエジェクタを駆動する。つまり、蒸気噴射式サイクル回路においても、排熱源からの排熱の回収が行われる。
【0019】
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記回生機は、蒸気噴射式サイクル回路の形成状態では作動流体を圧縮し、ランキンサイクル回路の形成状態では作動流体が逆流する圧縮機とした。
【0020】
このような圧縮機は、回生機として好適である。
請求項4の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記回生機によって取り出された動力により発電を行う発電機を設けた。
【0021】
排熱を利用して発電するのは、排熱の利用に関して最も使い勝手がよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1に示す圧縮機11は、車両に搭載された電動式のスクロール型圧縮機である。図3は、圧縮機11の内部構造を示す。圧縮機11の回転軸12は、ステータ13のコイル131への通電によってマグネット製のロータ14と一体的に回転する。ステータ13及びロータ14は、モータ・ジェネレータMを構成する。
【0023】
回転軸12の回転は、回転軸12に設けられた偏心軸121、偏心軸121に取り付けられたブッシュ15を介して可動スクロール16へ伝えられ、可動スクロール16が回転軸12の回転方向(矢印Qで示す正転方向)へ旋回する。可動スクロール16が旋回すると、作動流体としての冷媒(ガス状冷媒)が入口17から圧縮機11へ入ると共に、可動スクロール16と固定スクロール18との間の密閉空間へ導かれる。密閉空間は、可動スクロール16の旋回に伴って容積減少しつつ両スクロール16,18の中心部に向けて収束して行く。密閉空間の容積減少によって圧縮された冷媒は、吐出ポート181から吐出室19へ吐出される。吐出室19の冷媒(ガス状冷媒)は、出口20から圧縮機11の外部へ出てゆく。
【0024】
図1に示すように、圧縮機11にはエジェクタ21の吸入側が配管22、方向切り換え弁33、配管23を介して接続されており、エジェクタ21の吐出側にはクーラ24が配管25、方向切り換え弁34、配管26を介して接続されている。配管22は、圧縮機11の出口20に接続されている。クーラ24には膨張弁27が配管28を介して接続されており、膨張弁27には蒸発器29が配管30を介して接続されている。蒸発器29には圧縮機11が配管31、方向切り換え弁35、配管32を介して接続されている。配管32は、圧縮機11の入口17に接続されている。
【0025】
方向切り換え弁33,34,35は、いずれも電磁式の方向切り換え弁である。方向切り換え弁34と方向切り換え弁35とは、配管36を介して接続されている。
【0026】
クーラ24には電動式のポンプ37が配管28及び配管28の途中から分岐する配管38を介して接続されている。ポンプ37にはボイラ39の吸熱器391が配管40を介して接続されており、ボイラ39の吸熱器391にはエジェクタ21の駆動側が配管41、方向切り換え弁46、配管42を介して接続されている。方向切り換え弁46と方向切り換え弁33とは、配管47を介して接続されている。ボイラ39は、吸熱器391と放熱器392とからなり、放熱器392には配水管44,45が接続されている。車両のエンジン43を冷却するための冷却水は、配水管44、放熱器392、配水管45及びエンジン43内の冷却水路(図示略)を循環する。
【0027】
方向切り換え弁33,34,35,46は、駆動回路50を介してコンピュータ内蔵の制御ユニット(以下、ECUという)48の制御を受ける。ポンプ37は、駆動回路51を介してECU48の制御を受ける。圧縮機11のモータ・ジェネレータMは、駆動回路52を介してECU48の制御を受ける。駆動回路50,51,52は、バッテリ53に電気接続されている。駆動回路50は、バッテリ53を電源として方向切り換え弁33,34,35,46の切り換えを行う。駆動回路51は、バッテリ53を電源としてポンプ37を作動する。
【0028】
駆動回路52は、ECU48から通電指令を受けると、バッテリ53からモータ・ジェネレータMのコイル131へ給電し、モータ・ジェネレータMが発動機として機能する。又、駆動回路52は、ECU48から充電指令を受けると、回転軸12の回転によってモータ・ジェネレータMに生じる電力をバッテリ53に蓄電させる。つまり、駆動回路52は、ECU48の通電指令によって給電回路を構成し、ECU48の充電指令によって充電回路を構成する。
【0029】
ECU48には情報検知手段49が信号接続されている。情報検知手段49は、エアコンスイッチ491(切り換え制御手段)、車室内の温度を検出する温度センサ(図示略)、車室内の温度を設定するための室温設定器(図示略)、エンジン43の作動を検出するセンサ(本実施形態では、エンジン回転数センサ492とする)等を含む。情報検知手段49において得られた検知情報は、ECU48へ送られる。
【0030】
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
排熱源としてのエンジン43が作動していないときには、方向切り換え弁33,34,35,46は、図2に示す第1の通過許容状態にあり、駆動回路52は、充電回路を構成している。図2に示す方向切り換え弁33における第1の通過許容状態とは、配管47と配管22との間の冷媒通過のみを許容する状態のことであり、方向切り換え弁34における第1の通過許容状態とは、配管36と配管22との間の冷媒通過のみを許容する状態のことである。図2に示す方向切り換え弁35における第1の通過許容状態とは、配管32と配管36との間の冷媒通過のみを許容する状態のことであり、方向切り換え弁46における第1の通過許容状態とは、配管41と配管47との間の冷媒通過のみを許容する状態のことである。
【0031】
なお、図2では、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
エンジン43が始動してエンジン回転数センサ492が予め設定された回転数以上のエンジン回転数を検出すると、ECU48は、この検知情報(エンジン作動検知情報)に基づいて駆動回路51に作動指令を出す。駆動回路51は、この指令に基づいてポンプ37を作動させる。ポンプ37が作動すると、冷媒がボイラ39の吸熱器391、圧縮機11、クーラ24及びポンプ37の順に循環し、冷媒がエジェクタ21を通過することはない。図2は、この循環通過状態を示す。つまり、図2では、クーラ24、ポンプ37、ボイラ39、回生機としての圧縮機11を用いたランキンサイクル回路Rが形成されている。
【0032】
ポンプ37から送り出された冷媒(液冷媒)は、ボイラ39の吸熱器391で加熱されて高温高圧の冷媒(ガス状冷媒)となる。この高温高圧の冷媒は、圧縮機11の出口20から吐出室19及び吐出ポート181を経由して前記密閉空間へ流入する。密閉空間に流入した冷媒は断熱膨張し、可動スクロール16が図3の矢印Qの方向とは逆方向(逆転方向)に旋回する。これにより回転軸12及びロータ14が矢印Qの方向とは逆方向(逆転方向)に一体的に回転し、モータ・ジェネレータMが電気を発生する。つまり、モータ・ジェネレータMは、発電機として機能する。駆動回路52は、充電回路を構成しているので、モータ・ジェネレータMで発生した電気がバッテリ53に蓄電される。つまり、冷媒の膨張によって逆転する圧縮機11は、冷媒の熱を動力として取り出すための回生機となる。
【0033】
エンジン43が作動している状態においてエアコンスイッチ491がONされると、ECU48は、このONによる信号の入力に基づいて、駆動回路50に蒸気噴射式サイクルモード指令を送ると共に、駆動回路52に給電指令を送る。駆動回路50は、蒸気噴射式サイクルモード指令に基づいて、方向切り換え弁33,34,35,46を図2の第1の通過許容状態から図1の第2の通過許容状態へと切り換える。
【0034】
図1に示す方向切り換え弁33における第2の通過許容状態とは、配管22と配管23との間の冷媒通過のみを許容する状態のことであり、方向切り換え弁34における第2の通過許容状態とは、配管25と配管26との間の冷媒通過のみを許容する状態のことである。図1に示す方向切り換え弁35における第2の通過許容状態とは、配管31と配管32との間の冷媒通過のみを許容する状態のことであり、方向切り換え弁46における第2の通過許容状態とは、配管41と配管42との間の冷媒通過のみを許容する状態のことである。
【0035】
駆動回路52は、給電指令に基づいて給電回路を構成し、バッテリ53の電気が圧縮機11のモータ・ジェネレータMのコイル131へ送られる。これによりモータ・ジェネレータMが発動機として機能し、圧縮機11の回転軸12が図3の矢印Qの方向に回転する。つまり、圧縮機11は、配管32内の冷媒(ガス状冷媒)を吸入して圧縮しながら配管22側へ送り出す。
【0036】
ポンプ37から送り出された冷媒は、ボイラ39の吸熱器391で加熱されて高温高圧の冷媒となる。この高温高圧の冷媒は、エジェクタ21から噴出してクーラ24へ流入する。圧縮機11から送り出された冷媒(ガス状冷媒)は、エジェクタ21からの冷媒の前記噴出によってエジェクタ21に吸引される。エジェクタ21に吸引された冷媒は、エジェクタ21においてボイラ39から送られてきた冷媒と合流してクーラ24を通過する。クーラ24を流れる冷媒は、熱を奪われる。クーラ24を通過した冷媒(液冷媒)の一部は、ポンプ37を通過し、残りは、膨張弁27及び蒸発器29を通過して圧縮機11へ流入する。膨張弁27を通過する冷媒は減圧され、蒸発器29を通過する冷媒は、熱交換によって加熱されてガス化する。図1は、この通過状態を示す。つまり、図1では、ボイラ39、エジェクタ21、クーラ24、ポンプ37、及びクーラ24を通過した冷媒をポンプ37を経由しないでエジェクタ21へ導くための流路(配管28,30〜32,22,23)上に介在された蒸発器29を用いた蒸気噴射式サイクル回路Eが形成されている。エジェクタ21における吸引率〔(蒸発器29側からの冷媒流量)÷(ボイラ39側からの冷媒流量)〕が大きいほど、冷凍能力が高くなる。蒸発器29とエジェクタ21との間に介在された圧縮機11は、エジェクタ21の吸引率を高める。
【0037】
エアコンスイッチ491がOFFされると、ECU48は、このOFFによる信号の入力に基づいて、駆動回路50にランキンサイクルモード指令を送ると共に、駆動回路52に充電指令を送る。又、駆動回路50は、ランキンサイクルモード指令に基づいて、方向切り換え弁33,34,35,46を図1の第2の通過許容状態から図2の第1の通過許容状態へと切り換える。つまり、図1の蒸気噴射式サイクル回路Eから図2のランキンサイクル回路Rへの切り換えが行われる。
【0038】
エンジン43の作動が停止されると、エンジン回転数センサ492は、エンジン回転数が予め設定された回転数に満たないことを検出する。ECU48は、この検知情報(エンジン作動停止情報)に基づいて、駆動回路50にランキンサイクルモード指令を送る。蒸気噴射式サイクル回路Eが形成されていた場合、この蒸気噴射式サイクル回路Eからランキンサイクル回路Rへの切り換えが行われる。又、ECU48は、この検知情報(エンジン作動停止情報)に基づいて、駆動回路51に作動停止指令を出す。駆動回路51は、この作動停止指令に基づいてポンプ37の作動を停止させる。
【0039】
ECU48は、複数の方向切り換え弁33,34,35,46の通過許容状態を変更するための制御手段である。ECU48は、手動操作される切り換え指令手段としてのエアコンスイッチ491の切り換え操作(ON−OFFの切り換え操作)に応じて、複数の方向切り換え弁33,34,35,46の通過許容状態を変更する。エアコンスイッチ491は、空調装置をON−OFFするためのスイッチである。
【0040】
第1の実施形態では以下のような効果が得られる。
(1−1)エンジン43が作動している状態では、エアコンスイッチ491がONされると蒸気噴射式サイクル回路Eが形成される。蒸気噴射式サイクル回路Eでは、エンジン43の排熱によって高温高圧となった冷媒がエジェクタ21へ送られてエジェクタ21を駆動(つまり、冷媒がエジェクタ21を通過してエジェクタ21から噴射すること)し、エンジン43からの排熱の回収が行われる。
【0041】
エンジン43が作動している状態では、エアコンスイッチ491がOFFされるとランキンサイクル回路Rが形成される。ランキンサイクル回路Rでは、エンジン43の排熱によって高温高圧となった冷媒がエジェクタ21を経由することなく圧縮機11を逆流し、圧縮機11が逆転する。この逆転によりモータ・ジェネレータMが電気を発生し、この発生電気がバッテリ53に蓄電される。つまり、ランキンサイクル回路Rにおいては、エンジン43からの排熱の一部が電気に変換されて回収される。
【0042】
従って、本実施形態では、エンジン43が作動している状態では常にエンジン43からの排熱の回収が行われ、排熱回収効率が従来よりも向上する。
本実施形態では、ポンプ37及びボイラ39をランキンサイクル回路Rと蒸気噴射式サイクル回路Eとの両方で兼用することができる。
【0043】
(1−2)スクロール型の圧縮機11は、正転して冷媒を圧縮し、冷媒の膨張によって逆転でき、逆転する圧縮機11は、ボイラ39で加熱された冷媒の熱を動力として取り出すための回生機となる。スクロール型の圧縮機11は、エジェクタ21における吸引率を向上し、かつボイラ39で加熱された冷媒の熱を動力として取り出すための回生機として好適である。
【0044】
(1−3)圧縮機11が逆転するときには、モータ・ジェネレータMは、発電機として機能し、モータ・ジェネレータMで発生した電気がバッテリ53に蓄電される。バッテリ53に蓄電された電気は、ポンプ37の駆動、方向切り換え弁33,34,35,46の駆動、圧縮機11の正転駆動、車両に搭載された種々の電気製品(図示略)の作動のために利用される。ランキンサイクル回路Rにおいて排熱を利用して発電するのは、排熱の利用に関して最も使い勝手がよい。
【0045】
(1−4)蒸気噴射式サイクル回路E及びランキンサイクル回路Rのいずれにおいても、冷媒は、クーラ24を通過して熱を奪われる。又、ランキンサイクル回路Rでは、回生機を兼ねる圧縮機11において冷媒の熱の一部が電気に変換される。つまり、エンジン43が作動している状態では、エンジン43で生じる排熱の回収が行われるので、エンジン43を冷却した冷却水から熱を奪うためのラジエータを無くせる可能性がある。あるいは、従来よりも能力の小さいラジエータを用いることができる。
【0046】
(1−5)蒸気噴射式サイクル回路Eを形成しているとき以外、つまり空調が行われているとき以外のエンジン43の作動の状態では、エンジン43からの排熱の一部が電気エネルギーとして回収される。従って、ランキンサイクル回路の形成時にのみ排熱回収を行う従来装置や、蒸気噴射式サイクル回路の形成時にのみ排熱回収を行う従来装置に比べ、燃費は良くなる。
【0047】
次に、図4(a),(b)の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
エジェクタ21吸入側は、配管54を介して蒸発器29に接続されており、圧縮機11の入口17は、配管55、方向切り換え弁56及び配管57を介してエジェクタ21に接続されている。クーラ24は、配管58、方向切り換え弁59、配管60、方向切り換え弁34及び配管26を介して圧縮機11の出口20に接続されている。方向切り換え弁46と方向切り換え弁59とは、配管61を介して接続されている。方向切り換え弁56と方向切り換え弁34とは、配管62を介して接続されている。その他の装置構成は、第1の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。方向切り換え弁56,59は、方向切り換え弁34,46と共にECU48の制御を受ける。
【0048】
図4(a)では、ボイラ39、エジェクタ21、クーラ24、ポンプ37、及びクーラ24を通過した冷媒をポンプ37を経由しないでエジェクタ21へ導くための流路(配管28,30,54)上に介在された蒸発器29を用いた蒸気噴射式サイクル回路Eが形成されている。ポンプ37から送り出された冷媒は、ボイラ39、配管41、方向切り換え弁46、配管42を経由してエジェクタ21へ流入する。エジェクタ21へ流入した冷媒は、エジェクタ21から圧縮機11に向けて噴出する。エジェクタ21から圧縮機11に向けて噴出した冷媒は、配管55、方向切り換え弁56、配管57を経由して圧縮機11に流入する。圧縮機11から送り出された冷媒は、配管58、方向切り換え弁59、配管60、方向切り換え弁34、配管26を経由してクーラ24に流入する。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37へ向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29及び配管54を経由してエジェクタ21へ向かう。蒸発器29からエジェクタ21へ向かう冷媒は、エジェクタ21からの冷媒の前記噴出によってエジェクタ21に吸引される。エジェクタ21に吸引された冷媒は、エジェクタ21においてボイラ39から送られてきた冷媒と合流してクーラ24を通過する。蒸気噴射式サイクル回路Eにおいて、蒸発器29とクーラ24との間で冷媒流路に関してエジェクタ21と直列関係にある圧縮機11の存在は、エンジン43が冷えていてエジェクタ21を駆動し得ない状況下でも冷凍サイクルをもたらす。
【0049】
図4(b)では、クーラ24、ポンプ37、ボイラ39、回生機としての圧縮機11を用いたランキンサイクル回路Rが形成されている。冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管61、方向切り換え弁59、配管58、圧縮機11、配管57、方向切り換え弁56、配管62、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環し、冷媒がエジェクタ21を通過することはない。
【0050】
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
次に、図5(a),(b)の第3の実施形態を説明する。図4(a),(b)の第2の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
【0051】
エジェクタ21は、配管54を介して蒸発器29に接続されており、圧縮機11の入口17は、配管63、方向切り換え弁64及び配管65を介して配管54の途中に接続されている。クーラ24は、配管66、方向切り換え弁59、配管60、方向切り換え弁34及び配管26を介してエジェクタ21に接続されている。圧縮機11の出口20は、配管67を介して配管60の途中に接続されている。方向切り換え弁64と方向切り換え弁34とは、配管68を介して接続されている。その他の装置構成は、第2の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。方向切り換え弁64は、方向切り換え弁34,46,59と共にECU48の制御を受ける。
【0052】
図5(a)では、ボイラ39、エジェクタ21、クーラ24、ポンプ37、及びクーラ24を通過した冷媒をポンプ37を経由しないでエジェクタ21へ導くための流路(配管28,30,54)上に介在された蒸発器29を用いた蒸気噴射式サイクル回路Eが形成されている。ポンプ37から送り出された冷媒は、ボイラ39、配管41、方向切り換え弁46、配管42を経由してエジェクタ21へ流入する。エジェクタ21へ流入した冷媒は、エジェクタ21からクーラ24に向けて噴出する。エジェクタ21からクーラ24に向けて噴出した冷媒は、配管66、方向切り換え弁59、配管60、方向切り換え弁34、配管26を経由してクーラ24に流入する。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37へ向かい、残りは、膨張弁27を経由して蒸発器29に向かう。蒸発器29を通過した冷媒の一部は、配管54を経由してエジェクタ21へ向かい、残りは、配管54、配管63,方向切り換え弁64、配管65を経由して圧縮機11に向かう。圧縮機11を通過した冷媒は、エジェクタ21を通過した冷媒と合流する。
【0053】
蒸発器29からエジェクタ21へ向かう冷媒は、エジェクタ21からの冷媒の前記噴出によってエジェクタ21に吸引される。エジェクタ21に吸引された冷媒は、エジェクタ21においてボイラ39から送られてきた冷媒と合流してクーラ24に向かう。圧縮機11から送り出された冷媒は、配管67を経由して、エジェクタ21から送られてきた冷媒と合流してクーラ24に向かう。蒸気噴射式サイクル回路Eにおいて、蒸発器29とクーラ24との間で冷媒流路に関してエジェクタ21と並列関係にある圧縮機11の存在は、エンジン43が冷えていてエジェクタ21を駆動し得ない状況下でも冷凍サイクルをもたらす。
【0054】
図5(b)では、クーラ24、ポンプ37、ボイラ39、回生機としての圧縮機11を用いたランキンサイクル回路Rが形成されている。冷媒は、ボイラ39、配管41、方向切り換え弁46、配管61、方向切り換え弁59、配管60、配管67、圧縮機11、配管65、方向切り換え弁64、配管68、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環し、冷媒がエジェクタ21を通過することはない。
【0055】
第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
次に、図6(a),(b)の第4の実施形態を説明する。図4(a),(b)の第2の実施形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
【0056】
第4の実施形態では、圧縮機11の入口17と方向切り換え弁34とが配管69を介して接続されており、第2の実施形態における方向切り換え弁59が無くされている。配管61は、配管69の途中に接続されている。その他の装置構成は、第2の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0057】
図6(a)では、ボイラ39、エジェクタ21、クーラ24、ポンプ37、及びクーラ24を通過した冷媒をポンプ37を経由しないでエジェクタ21へ導くための流路(配管28,30,54)上に介在された蒸発器29を用いた蒸気噴射式サイクル回路Eが形成されている。ポンプ37から送り出された冷媒は、ボイラ39、配管41、方向切り換え弁46、配管42を経由してエジェクタ21へ流入する。エジェクタ21へ流入した冷媒は、エジェクタ21から圧縮機11に向けて噴出する。エジェクタ21から圧縮機11に向けて噴出した冷媒は、配管55、方向切り換え弁56、配管57、圧縮機11、配管69、方向切り換え弁34、配管26を経由してクーラ24に流入する。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37へ向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29及び配管54を経由してエジェクタ21へ向かう。蒸発器29からエジェクタ21へ向かう冷媒は、エジェクタ21からの冷媒の前記噴出によってエジェクタ21に吸引される。エジェクタ21に吸引された冷媒は、エジェクタ21においてボイラ39から送られてきた冷媒と合流してクーラ24を通過する。
【0058】
図6(b)では、クーラ24、ポンプ37、ボイラ39、回生機としての圧縮機11を用いたランキンサイクル回路Rが形成されている。冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管61、配管69、圧縮機11、配管57、方向切り換え弁56、配管62、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環し、冷媒がエジェクタ21を通過することはない。
【0059】
第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。又、第4の実施形態では、方向切り換え弁の個数が第1〜第3の実施形態の場合よりも1つ減り、部品点数減によるコスト減の効果が得られる。
【0060】
本発明では、図7〜図12に示す実施形態も可能である。図7〜図10及び図12ではいずれもランキンサイクル回路Rを形成した状態が図示されている。
図4における第2の実施形態の変更例である図7の第5の実施形態では、圧縮機11とクーラ24とが配管58、方向切り換え弁59、配管70を介して接続されており、第2の実施形態における方向切り換え弁34が無くされている。配管62は、配管70の途中に接続されている。その他の装置構成は、第2の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0061】
ランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管61、方向切り換え弁59、配管58、回生機としての圧縮機11、配管57、方向切り換え弁56、配管62、配管70、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路においては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管55、方向切り換え弁56、配管57、圧縮機11、配管58、方向切り換え弁59、配管70、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27及び蒸発器29を経由してエジェクタ21に向かう。
【0062】
第5の実施形態では、第4の実施形態と同様の効果が得られる。
図1及び図2の第1の実施形態の変更例である図8の第6の実施形態では、クーラ24が配管71を介してエジェクタ21に接続されており、第1の実施形態における方向切り換え弁34が無くされている。配管36は、配管71の途中に接続されている。その他の装置構成は、第1の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0063】
ランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管47、方向切り換え弁33、配管22、回生機としての圧縮機11、配管32、方向切り換え弁35、配管36、配管71、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路においては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管71、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29、配管31、方向切り換え弁35、配管32、圧縮機11、配管22、方向切り換え弁33、配管23を経由してエジェクタ21に向かう。
【0064】
第6の実施形態では、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図5における第3の実施形態の変更例である図9の第7の実施形態では、圧縮機11が配管54、配管63、逆止弁72、配管65を介して蒸発器29に接続されており、第3の実施形態における方向切り換え弁64が無くされている。逆止弁72は、配管63から配管65への冷媒の流れを許容し、配管65から配管63への冷媒の流れを遮断する。配管68は、配管65の途中に接続されている。その他の装置構成は、第3の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0065】
ランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管61、方向切り換え弁59、配管60、配管67、回生機としての圧縮機11、配管65、配管68、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路においては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管66、方向切り換え弁59、配管60、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27を経由して蒸発器29に向かう。蒸発器29を通過した冷媒の一部は、配管54を経由してエジェクタ21に向かい、残りは、配管54、配管63、逆止弁72、配管65、圧縮機11、配管67、配管60、方向切り換え弁34、配管26を経由してクーラ24に向かう。
【0066】
第7の実施形態では、第6の実施形態と同様の効果が得られる。又、第7の実施形態では、方向切り換え弁よりも安価な逆止弁72を使うことによってコスト減の効果が得られる。
【0067】
図6における第4の実施形態の変更例である図10の第8の実施形態では、エジェクタ21と圧縮機11とが配管55、逆止弁73、配管57を介して接続されており、第4の実施形態における方向切り換え弁56が無くされている。逆止弁73は、配管55から配管57への冷媒の流れを許容し、配管57から配管55への冷媒の流れを遮断する。圧縮機11とクーラ24とは、配管69、方向切り換え弁34、配管26を介して接続されており、配管62は、配管57の途中に接続されている。その他の装置構成は、第4の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0068】
ランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管61、配管69、回生機としての圧縮機11、配管57、配管62,方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路においては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管55、逆止弁73、配管57、圧縮機11、配管69,方向切り換え弁34、配管26、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27及び蒸発器29を経由してエジェクタ21に向かう。
【0069】
第8の実施形態では、第4の実施形態と同様の効果が得られる。又、第8の実施形態では、方向切り換え弁よりも安価な逆止弁73を使うことによってコスト減の効果が得られる。
【0070】
図1及び図2の第1の実施形態の変更例である図11(a),(b)の第9の実施形態では、クーラ24が配管71を介してエジェクタ21に接続されており、第1の実施形態における方向切り換え弁34が無くされている。方向切り換え弁35は、配管78、第2のクーラ79、配管80を介して配管28の途中に接続されている。その他の装置構成は、第1の実施形態と同じであり、ECU48、情報検知手段49、駆動回路50,51,52,バッテリ53の図示は省略している。
【0071】
図11(a)の蒸気噴射式サイクル回路Eにおいては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管71、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29、配管31、方向切り換え弁35、配管32、圧縮機11、配管22、方向切り換え弁33、配管23を経由してエジェクタ21に向かう。
【0072】
図11(b)のランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管47、方向切り換え弁33、配管22、回生機としての圧縮機11、配管32、方向切り換え弁35、配管78、第2のクーラ79、配管28及びポンプ37の順に循環する。
【0073】
第9の実施形態では、クーラ24は、蒸気噴射式サイクル回路Eの形成のみに用いられ、第2のクーラ79は、ランキンサイクル回路Rの形成のみに用いられるが、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0074】
図12の第10の実施形態では、蒸発器29とエジェクタ21とが配管31、方向切り換え弁35、配管74、方向切り換え弁33、配管23を介して接続されている。膨張機77は、配管75を介して方向切り換え弁46に接続されており、配管76を介して方向切り換え弁33に接続されている。膨張機77の内部構造は、第1の実施形態における圧縮機11と同じである。
【0075】
ランキンサイクル回路Rにおいては、冷媒は、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管75、膨張機77、配管76、方向切り換え弁33、配管74、方向切り換え弁35、配管36、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24及びポンプ37の順に循環する。蒸気噴射式サイクル回路においては、冷媒は、ポンプ37、ボイラ39、方向切り換え弁46、配管42、エジェクタ21、配管25、方向切り換え弁34、配管26、クーラ24の順に流れる。クーラ24を通過した冷媒の一部は、ポンプ37に向かい、残りは、膨張弁27、蒸発器29、配管31、方向切り換え弁35、配管74、方向切り換え弁33、配管23を経由してエジェクタ21に向かう。膨張機77は、発電機(回生機)としてのみ機能する。
【0076】
第10の実施形態では、図1及び図2の第1の実施形態における(1−1)項、(1−3)〜(1〜5)項と同様の効果が得られる。
本発明では以下のような実施形態も可能である。
【0077】
(1)蒸気噴射式サイクル回路Eを形成しているときの圧縮機11の駆動源としてエンジン43を用いてもよい。つまり、エンジン43の駆動力を電磁クラッチを介して圧縮機11に伝達し、圧縮機11を回生機として使用するとき(ランキンサイクル回路Rを形成しているとき)には、電磁クラッチを遮断すればよい。
【0078】
(2)電動モータを走行駆動源とする電気自動車に搭載される車両用冷凍サイクル装置や、電動モータ及びエンジンを備えてこれらの少なくとも一方を車両駆動源として選択するハイブリッド車に搭載される車両用冷凍サイクル装置において本発明を具体化すること。この場合、ボイラは、排熱源としての電動モータの排熱や、電動モータを制御する排熱源としての制御回路(インバータ)の排熱を回収する冷却水によって冷媒を加熱する構成としてもよい。
【0079】
(3)回生機としてベーン型圧縮機を用いてもよい。
(4)電動式のポンプ37の代わりに、エンジン43から直接駆動力を得て作動するポンプを用いてもよい。
【0080】
(5)エンジンの排気ガスによって作動流体を加熱するボイラを用いてもよい。
(6)第1、第6及び第9の実施形態において、エアコンスイッチ491がONであって、エンジン43の作動が停止された場合には、圧縮機11による通常の圧縮冷凍サイクルを構成してもよい。この場合、駆動回路50の蒸気噴射式サイクルモード指令を維持すると共に、駆動回路52の給電指令を維持する。
【0081】
このような構成では、エンジン43の停止時、例えばエンジン43が冷えていてエジェクタ21を駆動し得ない状況下でも冷凍サイクルをもたらす。
(7)第1、第2、第4、第5、第6、第8及び第9の実施形態において、蒸気噴射式サイクル回路Eの形成時に圧縮機11の作動が必要ないときには、圧縮機11を停止させると共に、圧縮機11をバイパス可能な回路によって圧縮機11を迂回させてもよい。蒸気噴射式サイクル回路Eの形成時に圧縮機11の作動が必要ないときとは、圧縮機11の作動なくしてエジェクタ21が作動可能なときのことである。
【0082】
(8)第3及び第7の実施形態において、蒸気噴射式サイクル回路Eの形成時に圧縮機11の作動が必要ないとき(圧縮機11の作動なくしてエジェクタ21が作動可能なとき)には、圧縮機11を停止させてもよい。
【0083】
前記した実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕複数の方向切り換え弁と、前記複数の方向切り換え弁の通過許容状態を変更するための制御手段とを備え、前記複数の方向切り換え弁の通過許容状態を変更することによって蒸気噴射式サイクル回路とランキンサイクル回路とを切り換え形成するようにした請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の排熱回収装置。
【0084】
〔2〕手動操作される切り換え指令手段を備え、前記切り換え指令手段の切り換え操作に応じて前記制御手段が前記複数の方向切り換え弁の通過許容状態を変更するようにした前記〔1〕項に記載の排熱回収装置。
【0085】
〔3〕前記切り換え指令手段は、空調装置をON−OFFするためのエアコンスイッチである前記〔2〕項に記載の排熱回収装置。
【0086】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、排熱回収効率を高めることができる排熱回収装置を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を示し、排熱回収装置が蒸気噴射式サイクル回路Eを形成している状態を示す概略構成図。
【図2】排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図3】圧縮機11の内部構造を示す断面図。
【図4】第2の実施形態を示し、(a)は、排熱回収装置が蒸気噴射式サイクル回路Eを形成している状態を示す概略構成図。(b)は、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図5】第3の実施形態を示し、(a)は、排熱回収装置が蒸気噴射式サイクル回路Eを形成している状態を示す概略構成図。(b)は、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図6】第4の実施形態を示し、(a)は、排熱回収装置が蒸気噴射式サイクル回路Eを形成している状態を示す概略構成図。(b)は、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図7】第5の実施形態を示し、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図8】第6の実施形態を示し、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図9】第7の実施形態を示し、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図10】第8の実施形態を示し、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図11】第9の実施形態を示し、(a)は、排熱回収装置が蒸気噴射式サイクル回路Eを形成している状態を示す概略構成図。(b)は、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図12】第10の実施形態を示し、排熱回収装置がランキンサイクル回路Rを形成している状態を示す概略構成図。
【図13】従来技術の蒸気噴射式冷凍サイクル装置の概略構成図。
【符号の説明】
11…回生機を兼ねる圧縮機。21…エジェクタ。24…クーラ。29…蒸発器。37…ポンプ。39…ボイラ。43…排熱源としてのエンジン。22,23,28,30〜32…第1の実施形態においてクーラ24を通過した冷媒をポンプ37を経由しないでエジェクタ21へ導くための流路を構成する配管。79…第2のクーラ。M…発電機としてのモータ・ジェネレータ。E…蒸気噴射式サイクル回路。R…ランキンサイクル回路。
Claims (4)
- 排熱源からの排熱によって作動流体を加熱するボイラを備えた排熱回収装置において、
前記ボイラ及びエジェクタを用いて形成される蒸気噴射式サイクル回路と、前記ボイラ及び前記ボイラで加熱された作動流体の熱を動力として取り出すための回生機を用いて形成されるランキンサイクル回路との一方から他方へ切り替え形成可能とした排熱回収装置。 - 前記ボイラ、エジェクタ、クーラ、前記クーラを通過した作動流体を前記ボイラへ送るためのポンプ、及び前記クーラを通過した作動流体を前記ポンプを経由しないで前記エジェクタへ導くための流路上に介在された蒸発器を用いて形成される蒸気噴射式サイクル回路と、前記クーラ、前記ポンプ、前記ボイラ、及び前記回生機を用いて形成されるランキンサイクル回路との一方から他方へ切り替え形成可能とした請求項1に記載の排熱回収装置。
- 前記回生機は、蒸気噴射式サイクル回路の形成状態では作動流体を圧縮し、ランキンサイクル回路の形成状態では作動流体が逆流する圧縮機とした請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の排熱回収装置。
- 前記回生機によって取り出された動力により発電を行う発電機を設けた請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の排熱回収装置。
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- 2003-07-03 JP JP2003191305A patent/JP2005024192A/ja active Pending
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