JP2006208599A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 例えば液晶装置等の電気光学装置において、電磁波の発生や漏洩を抑制可能であり且つ高品質な表示を可能とする。
【解決手段】 電気光学装置は、基板上に、複数の走査線に走査信号を供給して画素部の水平走査を行う走査線駆動部と、複数のデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動部と、基板の辺に沿って配列された複数の外部回路接続端子と、複数の外部回路接続端子から夫々引き回されており、複数系列の第1イネーブル信号を供給する複数本の第1イネーブル供給線、一系列の第2イネーブル信号を供給する第2イネーブル供給線、該第2イネーブル供給線に対応して配線されており且つ前記第2イネーブル信号とは所定電位に対して電位が逆極性の信号を供給する逆極性配線、及び前記画像信号を前記データ線駆動部に供給する画像信号線を含む複数の引回配線とを備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置及びその駆動方法、並びに該電気光学装置を備えて構成される、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置では、例えばその基板上に、データ線を駆動するためのデータ線駆動回路や走査線を駆動するための走査線駆動回路等が作り込まれる。即ち、この場合には、電気光学装置は、駆動回路内蔵型として構築される。その動作時には、データ線駆動回路は、画像信号線に供給される画像信号をサンプリングパルスのタイミングでサンプリングし、データ線に供給するように構成されている。ここで特に高い駆動周波数になると、サンプリングに用いられる時間的に相前後するサンプリングパルスの先端と後端とが僅かに重なってしまうため、相異なる時間にサンプリングされる筈の画像信号が部分的に重畳されてデータ線に供給されてしまう。この結果、解像度劣化やゴーストが発生する。
このため従来から、高い駆動周波数に追従して高精細な画像表示を実現するために、サンプリングパルスの各パルスを、順に選択される複数系列のイネーブル信号により夫々規定する技術がある。但し、サンプリングパルスの位相がずれると、やはり、相異なる時間にサンプリングされる筈の画像信号が重畳されてしまい、解像度劣化やゴーストが発生することがある。例えば特許文献1に記載された技術によれば、シフトレジスタ出力(一次クロック信号)を、二次クロック信号で整形してサンプリングパルスを生成し、サンプリングスイッチの開閉制御に用いる。この場合、サンプリングパルスのばらつきは、二次クロック信号のばらつき内に収められる。
特開平8−286640号公報
しかしながら、サンプリングパルスの形状やパルス幅は、イネーブル信号の系列間誤差に起因して系列毎に異なる場合がある。その場合は、表示面に系列に対応した筋状の輝度斑が発生するおそれがあるが、特許文献1に記載されているような技術はこうした問題に十分に対応していない。駆動周波数が高くなる程、このようなイネーブル信号の系列間誤差の影響は相対的に増大するので、この問題は深刻さを増す。尚、以上の問題は液晶装置に限ったものではなく、他の電気光学装置であっても原理的に同様の問題が生じる可能性がある。
更に、イネーブル信号は、サンプリングパルスのパルス幅に制限を加えるというその性質上、一般に高周波の信号である。このため、外部に対する高周波数の電磁波の発生や漏洩が、問題となる。しかも、パルス幅の制限を夫々行う複数系列のイネーブル信号における、系列差を低減するために、一系列のイネーブル信号で更なるパルス幅の制限を行うことは、理論上は可能である。しかしながら、その場合には、一系列のイネーブル信号は、一系列のみで全てのサンプリングパルスのパルス幅に制限を加えるという性質上、更に高周波の信号となる筈である。このため、仮にこのような一系列のイネーブル信号を何らかの形で使用すると、系列差の問題を解決することは可能であったとしても、今度は、上述の如き外部に対する高周波数の電磁波の発生や漏洩は、顕著に深刻さを増すことになる筈である。この問題の対処法としては、例えば、複板式の液晶プロジェクタ内で、プリズムを挟んで組み立てられたライトバルブの部分や、該ライトバルブに接続されたFPC(Flexible Printed Circuit:フレキシブル基板)の部分を、銅箔、アルミ箔等で電磁シールドすることなどが考えられるが、これは、コストアップや装置構成の複雑化につながるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みなされたものであり、電磁波の発生や漏洩を抑制可能であり且つ高品質な表示を可能とする電気光学装置及びその駆動方法、並びに該電気光学装置を備えた電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上に、互いに交差して延びる複数のデータ線及び複数の走査線と、前記データ線及び前記走査線に夫々電気的に接続された複数の画素部と、前記複数の走査線に走査信号を供給して前記画素部の水平走査を行う走査線駆動部と、前記複数のデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動部と、複数系列の第1イネーブル信号を供給する複数本の第1イネーブル供給線、一系列の第2イネーブル信号を供給する第2イネーブル供給線、該第2イネーブル供給線に対応して配線されており且つ前記第2イネーブル信号とは所定電位に対して電位が逆極性の信号を供給する逆極性配線、及び前記画像信号を前記データ線駆動部に供給する画像信号線を含む複数の引回配線とを備えており、前記データ線駆動部及び前記走査線駆動部の少なくとも一方は、(i)所定周期のクロック信号に基づいて複数の段から夫々転送信号を順次出力するシフトレジスタ、(ii)前記順次出力された転送信号における各パルスのパルス幅を、該パルス幅よりも狭い、前記複数系列の第1イネーブル信号の夫々が有する第1パルス幅に制限し、更に、該第1パルス幅に制限された転送信号における各パルスのパルス幅を、前記第1パルス幅よりも狭い、前記一系列の第2イネーブル信号が有する第2パルス幅に制限するパルス幅制限手段、及び(iii)前記第2パルス幅に制限された転送信号に応じて、前記画像信号及び前記走査信号の少なくとも一方を供給する供給手段を含む。
本発明の電気光学装置によれば、その動作時に、走査線駆動部による水平走査で選択された画素部列に、データ線駆動部からデータ線を通じて画像信号が供給され、データが書き込まれる。これらにより、複数の画素部における、アクティブマトリクス駆動等の所定種類の動作が可能となる。
この際、データ線駆動部では、シフトレジスタによって、転送信号が出力され、そのパルス幅が、パルス幅制限手段によって、先ず複数系列の第1イネーブル信号のパルス幅に制限され、更に一系列の第2イネーブル信号のパルス幅に制限される。これらにより、パルス幅が一定となるように制限された転送信号が、サンプリングパルスとして得られる。このサンプリングパルスに応じて、サンプリング手段によって、画像信号がサンプリングされ、サンプリングされた画像信号が対応するデータ線に入力される。尚、「サンプリングパルス」とは、画像信号線に供給される画像信号をデータ線に選択的に供給するためのサンプリングの際のタイミング制御用の信号であり、一般には、画像信号線とデータ線との間に設けた、サンプリング手段の一例たる、サンプリングスイッチの開閉を制御するように構成されている。また、シフトレジスタからの転送信号は各段から「順次」出力されるが、これは、各段から次々に出力される、といった意味であり、必ずしも、転送信号の時系列が各段の物理的な配列と対応している場合に限定されない。また、幾つかのサンプリングスイッチを一グループとして、同一サンプリングパルスにより同時開閉してもよい。
このような転送信号は、高周波化の常套手段として、本発明に係る「第1イネーブル信号」に相当する、複数系列のイネーブル信号によって整形される。即ち、転送信号のパルス幅は、より幅が狭い、複数系列のイネーブル信号のパルス幅によって制限される。ここで「複数系列」というのは、例えば同一構成又は異なる構成を有すると共に相互に独立して設けられる、複数のイネーブル信号生成回路や複数のイネーブル信号供給経路など、信号の発生起源又は供給経路が互いに異なっていることを指しており、最終的に重畳されて一つの連続信号として取り扱われる場合であっても、この概念に含まれる。そのような場合には、たとえ元々同一波形であることが意図されていても、回路素子の特性や素子や配線の電気的影響によって波形が僅かながら異なることがあり得る。複数系列のイネーブル信号は互いに独立した信号として取り扱うことができるため、一つの転送信号を時分割して複数の信号線に分配供給することができる。但し、仮にこのような複数系列のイネーブル信号を用いた波形整形のみでは、系列差に起因して表示上の不具合が生じるおそれがある。例えば、データ線駆動部では、イネーブル信号のパルス形状が画像信号に反映されるため、系列間でのパルス幅の違いが輝度差として顕在化し、表示品質を低下させることがある。具体的には、系列周期に対応する縦筋状の輝度斑となって現れる。
そこで、本発明の電気光学装置は、パルス幅制限手段において、転送信号を、このような複数系列の第1イネーブル信号による整形の後に、更に一系列の第2イネーブル信号で整形するように構成されている。この第2イネーブル信号は、例えば最終的な出力信号のパルス幅とパルス周波数とを備えている。ここで「一系列」というのは、発生起源又は供給経路が同一であることを指しており、そのような場合には、信号の各パルスの幅や間隔(即ち、周波数)、立ち上がり時及び立ち下がり時の歪み具合を含めた形状等はほぼ一定となる。少なくとも、複数系列の第1イネーブル信号と比べると、極めて顕著に同一系列の第2イネーブル信号におけるパルス幅等は均一になる。そのため、この整形により、転送信号における各パルスの幅は均一化される。即ち、先の整形段階で生じた転送信号のパルス幅の系列差による変動を、この整形段階で解消することが可能となる。
このように、複数系列の第1イネーブル信号と一系列の第2イネーブル信号を用い、転送信号に少なくとも2段階の整形を施すようにすれば、最終的にパルス幅一定の信号を得ることが可能である。或いは、このような2段階の整形を施すようにすれば、1段目の複数系列の第1イネーブル信号のみを用いて波形整形をおこなった場合と比較して、最終的に出力される、サンプリングパルス等の転送信号におけるパルス幅を、格段に一定にできると言える。即ち、本発明においては、少なくとも以上に説明した2段階の整形が必要であるが、例えば同様の整形工程を更に行うことも可能である。但し、その場合には、一系列の第2イネーブル信号による整形工程を必ず最後に入れるようにする必要がある。
データ線駆動部では、以上のように2段階でパルス幅が整形された転送信号に応じて、即ち、この信号をサンプリングパルスとして、画像信号のサンプリングが行われることから、データ線に供給される画像信号は、パルス幅が一定化される。この際、転送信号の処理に際して複数系列の第1イネーブル信号を用いながらも、これらの系列差に起因する輝度斑を殆ど又は実践上全く生じさせないで済む。
本発明では特に、一系列の第2イネーブル信号のパルス幅(即ち、「第2パルス幅」)は、パルス幅を複数系列の第1イネーブル信号のパルス幅(即ち、「第1パルス幅」)で制限された転送信号を整形することから、複数系列の第2イネーブル信号のパルス幅よりも小さい。更に言えば、第2イネーブル信号は、例えば最終的なサンプリングパルスとしての整形後の転送信号と同一の周波数を備えている。即ち、第2イネーブル信号の周波数は、第1イネーブル信号や、その他の電源信号、各種制御信号などの低周波数の信号と比べて、かなり高い。従って、本発明に係る上述の如き第1及び第2イネーブル信号を利用した構成の場合には、伝統的な第1イネーブル信号に相当するイネーブル信号のみを利用する構成と比較して、第2イネーブル供給線から発生し、電気光学装置の外部に発信される或いは漏洩する高周波の電磁波は、無視し得ない程に大きくなる。
しかるに本発明によれば、複数の引回配線は、第2イネーブル供給線に対応して配線されており且つ第2イネーブル信号とは所定電位に対して電位が逆極性の信号を供給する逆極性配線を含む。例えば、逆極性の信号は、外部回路で生成されて、第2イネーブル信号と共に外部回路接続端子を介して供給される。或いは、逆極性の信号は、電気光学装置内部にて生成され、好ましくは第2イネーブル信号が入力される外部回路接続端子の付近で生成される。いずれにせよ、第2イネーブル供給線に、好ましくは隣接して又は隣接せずとも近接して引き回されるなど、逆極性配線は、第2イネーブル供給線に対応して配線されている。従って、第2イネーブル供給線から発生する高周波の電磁波を、逆極性配線から発生する高周波の電磁波であり且つ第2イネーブル信号に対して逆極性の信号に基づく逆極性の電磁波により、少なくとも部分的に、理想的には実践的な意味で殆ど又は完全に相殺することが可能となる。本発明に係る「逆極性の信号」とは、このように第2イネーブル信号が発生する電磁波を、相殺する電磁波を発生させる極性を有する信号を意味する。典型的には、パルス信号たる第2イネーブル信号に対し、反転したパルス信号が逆極性の信号ということになる。言い換えれば、周波数が同一であり、位相が反転されている信号、即ち逆位相の信号ということになる。また、このような逆極性の信号を供給する「逆極性配線」は、好ましくは、その配線としての属性(例えば、配線長、配線幅、配線厚、配線容量、配線抵抗、配線インピーダンス等)が、第2イネーブル供給線のそれと類似している、或いは揃えられていることが好ましい。これにより、逆極性配線による電磁波を相殺する効果を高めることが可能となる。
この結果、高周波の信号である第2イネーブル信号を利用しても、外部に対する高周波数の電磁波の発生や漏洩を、低減することが可能となる。これにより例えば、複板式の液晶プロジェクタ内で、プリズムを挟んで組み立てられたライトバルブの部分や、該ライトバルブに接続されたFPCの部分を、銅箔、アルミ箔等で電磁シールドする必要もなくなる。理想的には、外部回路接続端子からの全体について、第2イネーブル供給線に沿って、このような逆極性配線を隣接して配線すれば、上述の如き電磁波を相殺する効果は大きくなるが、基板上におけるいずれかの場所に逆極性配線を任意の平面レイアウトにて配線しておけば、大なり小なり相応の効果が得られる。加えて、例えばFPC上など、電気光学装置に第2イネーブル信号が供給される段階までも含めて、このような逆極性の信号から発せられる電磁波で、第2イネーブル信号から発せられる電磁波を相殺することも可能である。
以上詳細に説明したように本発明の電気光学装置によれば、第2イネーブル信号に起因する高周波の電磁波の発生や漏洩を抑制しつつ、第1及び第2イネーブル信号を有効に利用することで、最終的に高品位の画像を表示可能となる。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記基板上に、前記基板の辺に沿って配列されると共に前記複数の引回配線の一端側が接続された複数の外部回路接続端子を更に備え、該複数の外部回路接続端子のうち前記第2イネーブル信号を供給する一の端子及び前記逆極性の信号を供給する他の端子は、相隣接している。
この態様によれば、基板の辺に沿った複数の外部回路接続端子の配列において、第2イネーブル供給線に接続された一の端子と、逆極性配線に接続された他の端子とは隣接しているので、外部回路接続端子付近における第2イネーブル供給線から発生する電磁波を、逆極性配線から発生する電磁波で、効率的に相殺することが可能となる。特に、このように一及び他の端子を相隣接させておけば、外部回路接続端子に接続されるFPC等の接続配線上でも、第2イネーブル供給線と逆極性配線とを相隣接させる構成や、外部回路接続端子から引き回される引回配線上でも、第2イネーブル供給線と逆極性配線とを相隣接させる構成を、無理なく採ることが可能となり、実践上極めて有利である。
或いは本発明の電気光学装置の他の態様では、前記基板上に、前記基板の辺に沿って配列されると共に前記複数の引回配線の一端側が接続された複数の外部回路接続端子を更に備え、前記第2イネーブル供給線は、前記複数の外部回路接続端子のうち一の端子から引き回されており、前記逆極性配線は、前記複数の外部回路接続端子のうち他の端子から、少なくとも部分的に前記第2イネーブル供給線に沿って、引き回されており、前記第2イネーブル信号及び前記逆極性の信号は、前記外部回路接続端子に電気的に接続された外部回路から供給される。
この態様によれば、外部回路接続端子からデータ線駆動部や走査線駆動部にいたる配線全体について、逆極性配線を第2イネーブル供給線に沿って配線することができ、第2イネーブル供給線から発生或いは漏洩する電磁波を強固に抑制することが可能となる。
この態様では、前記第2イネーブル信号及び前記逆極性の信号は、前記外部回路から、前記複数の外部回路接続端子に接続されたフレキシブル基板を介して、前記一の端子及び前記他の端子に夫々供給されるように構成してもよい。
このように構成すれば、外部回路で生成された逆極性の信号を利用することで、引間回配線の末端である、外部回路接続端子のところから、第2イネーブル供給線から発生或いは漏洩する電磁波を抑制することが可能となる。
この場合更に、前記フレキシブル基板を構成する複数の配線のうち、前記第2イネーブル信号を供給する一の配線と前記逆極性の信号を供給する他の配線とは、前記フレキシブル基板を構成する可塑性の基材上で相隣接して配置されているように構成してもよい。
このように構成すれば、FPC等のフレキシブル基板を含めてデータ線駆動部や走査線駆動部にいたる配線全体について、逆極性の信号の供給経路を、第2イネーブル信号の供給経路に沿って配線することができ、第2イネーブル供給線から発生或いは漏洩する電磁波を、より強固に抑制することが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記基板上に、前記第2イネーブル信号に基づいて、前記逆極性の信号を生成する逆極性信号生成回路を更に備え、前記逆極性配線は、前記逆極性信号生成回路から、少なくとも部分的に前記第2イネーブル供給線に沿って、引き回されている。
この態様によれば、逆極性の信号を、基板上で生成することができるので、外部回路において逆極性の信号を生成する機能を有しなくても、逆極性信号生成回路のところから、第2イネーブル供給線から発生或いは漏洩する電磁波を抑制することが可能となる。従って、このような逆極性信号生成回路は、第2イネーブル信号が供給される外部回路接続端子に、なるべく近付けて配置することが好ましい。これにより、第2イネーブル供給線のなるべく広範囲について、逆極性配線による電磁波の相殺という作用を発揮させることが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記基板上に、前記第2イネーブル信号及び前記逆極性の信号間の位相差を低減する位相差補正回路を更に備える。
この態様によれば、位相差補正回路は、外部回路で生成された又は電気光学装置内で生成された逆極性の信号の位相を、第2イネーブル信号の位相に合わせる或いは近付けることができる。従って、両信号間の位相差が低減された分だけ、逆極性の信号に係る電磁波の相殺という機能を高めることが可能となる。従って、このような位相差補正回路は、第2イネーブル信号が供給される外部回路接続端子に、なるべく近付けて配置することが好ましい。これにより、第2イネーブル供給線のなるべく広範囲について、より正確に逆極性の信号を供給する逆極性配線によって、電磁波を相殺することが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2イネーブル供給線と前記逆極性配線とは、前記複数の引回配線の配列中で、少なくとも部分的に相隣接している。
この態様によれば、基板上における複数の引回配線の配列中で、第2イネーブル供給線と逆極性配線とは、少なくとも部分的に相隣接しているので、この部分において、極めて効率的に電磁波を相殺することが可能となる。尚、このように隣接していなくても、即ち、間に、他の一又は複数の配線が配線されていても、本発明に係る逆極性配線による電磁波を相殺する効果は、第2イネーブル供給線と逆極性配線との相対的な距離等に応じて相応に得られる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記逆極性配線の端又は途中に設けられており、前記データ線駆動回路を構成する回路の少なくとも一部を模擬するダミーの回路を更に備える。
この態様によれば、ダミー回路によって、逆極性配線と第2イネーブル供給線との配線としての属性を、その先端側に接続された回路も含めて相互に類似したものにでき、これにより、逆極性配線による電磁波を相殺する効果を高めることが可能となる。例えば、位相差補正回路は、外部回路接続端子に並んで設けられ、ダミー回路は、外部回路接続端子の横に並べて配置される。或いは、データ線駆動部内に、分散して配置されてもよい。加えて、第2イネーブル供給線と逆極性配線との間の存在する、配線容量等の配線としての属性の差異を、当該ダミー回路で調整するように構成してもよい。即ち、係る配線としての属性の差異に対応する分だけ、敢えて、その模擬対象とする回路部分とは異なるようにダミー回路を構成してもよい。これにより、より一層、逆極性配線による電磁波を相殺する効果を高めることが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2イネーブル供給線及び前記逆極性配線は少なくとも部分的に、前記基板上に層間絶縁膜を介して積層された相互に別層で形成されている。
この態様によれば、層間絶縁膜を介して、極めて接近した位置において、逆極性配線を第2イネーブル供給線に沿って配線することができる。これにより、より一層、逆極性配線による電磁波を相殺する効果を高めることが可能となる。尚、このような逆極性配線は、好ましくは、平面的に見て少なくとも部分的に重ねられており、配線幅、配線長さ等の配線としての属性についても揃えられていることが好ましい。
但し、逆極性配線と第2イネーブル供給線とは、基板上に構築された積層構造において同層で形成されてもよい。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上に、互いに交差して延びる複数のデータ線及び複数の走査線と、前記データ線及び前記走査線に夫々電気的に接続された複数の画素部と、前記複数の走査線に走査信号を供給して前記画素部の水平走査を行う走査線駆動部と、前記複数のデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動部と、複数系列の第1イネーブル信号を供給する複数本の第1イネーブル供給線、一系列の第2イネーブル信号を供給する第2イネーブル供給線、該第2イネーブル供給線に対応して配線されており且つ前記第2イネーブル信号とは所定電位に対して電位が逆極性の信号を供給する逆極性配線、及び前記画像信号を前記データ線駆動部に供給する画像信号線を含む複数の引回配線とを備えた電気光学装置を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、前記データ線駆動部及び前記走査線駆動部の少なくとも一方において、所定周期のクロック信号に基づいて複数の段から夫々転送信号を順次出力する順次出力工程と、前記順次出力された転送信号における各パルスのパルス幅を、該パルス幅よりも狭い、前記複数系列の第1イネーブル信号の夫々が有する第1パルス幅に制限し、更に、該第1パルス幅に制限された転送信号における各パルスのパルス幅を、前記第1パルス幅よりも狭い、前記一系列の第2イネーブル信号が有する第2パルス幅に制限するパルス幅制限工程と、前記第2パルス幅に制限された転送信号に応じて、前記画像信号及び前記走査信号の少なくとも一方を供給する供給工程とを含む。
本発明の電気光学装置の駆動方法によれば、上述した本発明に係る電気光学装置の場合と同様に、第2イネーブル信号に起因する高周波の電磁波の発生や漏洩を抑制しつつ、第1及び第2イネーブル信号を有効に利用することで、最終的に高品位の画像を表示可能となる。
尚、本発明の電気光学装置の駆動方法においても、上述した本発明に係る電気光学装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品位の画像を表示可能な、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなど、更には電気光学装置を露光用ヘッドとして用いたプリンタ、コピー、ファクシミリ等の画像形成装置など、各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば、電子ペーパなどの電気泳動装置、電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)等を実現することも可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1から図7を参照しつつ説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
<液晶装置の構成>
先ず、本実施形態における液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、対向基板側から見た液晶装置の平面図であり、図2は、図1のH−H’断面図である。
図1及び図2において、液晶装置は、対向配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20とから構成されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
TFTアレイ基板10上における、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域では、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102が、TFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。また、TFTアレイ基板10及び対向基板20の間には、両基板間の電気的導通を確保するための上下導通端子106が配置されている。
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用TFTや各種配線等の上に画素電極9aが、更にその上から配向膜が形成されている。他方、対向基板20上の画像表示領域10aには、液晶層50を介して複数の画素電極9aと対向する対向電極21が形成されている。即ち、夫々に電圧が印加されることで、画素電極9aと対向電極21との間には液晶保持容量が形成される。この対向電極21上には、格子状又はストライプ状の遮光膜23が形成され、更にその上を配向膜が覆っている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
データ線駆動回路101は、後に詳述するように、シフトレジスタ、論理回路及びサンプリング回路を含んで構成されているが、このうち例えばサンプリング回路については、図1中で額縁領域53に覆われる額縁領域内に配置されていてもよい。
尚、ここでは図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104の他に、後述する位相差補正回路108等が形成されている。これに加えて、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路、検査用パターン等が形成されていてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード、D−STN(ダブル−STN)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。以上が、この液晶装置の構成の概要である。
次に、この液晶装置の主要な構成について図3及び図4を参照して説明する。ここに、図3は、当該液晶装置の要部の構成を示している。図4は、図3に示した構成のうち転送信号の整形に関する回路系を表している。
図3において、液晶装置は、例えば石英基板、ガラス基板或いはシリコン基板等からなるTFTアレイ基板10と対向基板20(ここでは図示せず)とが液晶層を介して対向配置され、画像表示領域10aにおいて区画配列された画素電極9aに印加する電圧を制御し、液晶層にかかる電界を画素毎に変調する構成となっている。これにより、両基板間の透過光量が制御され、画像が階調表示される。この液晶装置はTFTアクティブマトリクス駆動方式を採り、TFTアレイ基板10における画素表示領域10aには、マトリクス状に配置された複数の画素電極9aと、互いに交差して配列された複数の走査線2及びデータ線3とが形成され、画素に対応する画素部が構築されている。尚、ここでは図示しないが、各画素電極9aとデータ線3との間には、走査線2を介して夫々供給される走査信号に応じて導通、非導通が制御されるTFTや、画素電極9aに印加した電圧を維持するための蓄積容量が形成されている。また、画像表示領域10aの周辺領域には、データ線駆動回路101等の駆動回路、外部回路接続端子102、位相差補正回路108及びダミー回路110が形成されている。
データ線駆動回路101は、シフトレジスタ51、論理回路55及びサンプリング回路7からなる。シフトレジスタ51は、データ線駆動回路101内に入力される所定周期のX側クロック信号CLX(及びその反転信号CLXB)及びシフトレジスタスタート信号DXに基づいて、各段から転送信号Pi(i=1、…、n)を順次出力するように構成されている。
論理回路55は、本発明の「パルス幅制限手段」の一具体例であり、転送信号Pi(i=1、…、n)をイネーブル信号に基づいて整形し、それを基にして最終的にサンプリング回路駆動信号Si(i=1、…、n)を出力する機能を有している。
図4において、論理回路55はAND回路55A、OR回路55D及びAND回路55Bの3段で構成されている。AND回路55Aは、シフトレジスタ51から入力される転送信号Pi(i=1、…、n)と、4本のイネーブル供給線81の夫々から供給されるイネーブル信号ENB1〜ENB4のうちの一つとの論理積を、一次整形信号Qi(i=1、…、n)として出力するように構成されている。OR回路55Dは、AND回路55Aの後段、かつ、AND回路55Bの前段に設けられており、AND回路55Aの出力、及び、プリチャージタイミング信号供給線83からプリチャージタイミング信号NRG(Noise Reduction Gate)が入力されるように構成され、これらの信号の少なくとも一方が入力されたときに“High"を出力する。プリチャージタイミング信号NRGは外部回路接続端子102を介して、TFTアレイ基板10の外部から供給される。AND回路55Bは、OR回路55Dの後段に設けられ、一次整形信号Qi(i=1、…、n)と本発明の「第2イネーブル供給線」の一例としてのマスターイネーブル供給線92から供給されるマスターイネーブル信号M−ENBとの論理積をサンプリング回路駆動信号Si(i=1、…、n)として出力するように構成されている。論理積を求めることにより、転送信号Pi(i=1、…、n)や一次整形信号Qi(i=1、…、n)の波形は、よりパルス幅の狭いイネーブル信号ENB1〜ENB4やマスターイネーブル信号M−ENBの波形に基づいてトリミングされ、パルス幅がイネーブル信号のパルス幅に制限される。ここで、イネーブル信号ENB1〜ENB4は、本発明に係る「複数系列の第1イネーブル信号」の一例であり、マスターイネーブル信号M−ENBは、本発明に係る「一系列の第2イネーブル信号」の一例である。
サンプリング回路7は、画像信号線6に供給される画像信号VIDを、基準クロック信号であるサンプリング回路駆動信号Si(i=1、…、n)に応じてサンプリングし、夫々をデータ信号としてデータ線3に印加する。サンプリング回路7は、例えば図4に示したように、Pチャネル型又はNチャネル型の片チャネル型TFT若しくは相補型のTFTから構成されたサンプリングスイッチ71からなる。
尚、ここでは説明の簡便のために画像信号線6は一本とし、いずれのサンプリングスイッチ71もこの画像信号線6から画像信号VIDを供給されるようにしたが、画像信号は、シリアル−パラレル展開(即ち、相展開)されていてもよい。例えば、画像信号を画像信号VID1〜VID6の6相にシリアル−パラレル展開した場合、これらの画像信号は、6本の画像信号線を夫々介してサンプリング回路7に入力される。複数の画像信号線に対し、シリアルな画像信号を変換して得たパラレルな画像信号を同時供給すると、データ線3への画像信号入力をグループ毎に行うことができ、駆動周波数が抑えられる。
走査線駆動回路104は、マトリクス状に配置された複数の画素電極9aをデータ信号及び走査信号により走査線2の配列方向に走査するために、走査信号印加の基準クロックであるY側クロック信号CLY(及びその反転信号CLYB)及びシフトレジスタスタート信号DYに基づいて生成される走査信号を、複数の走査線2に順次印加するように構成されている。その際には、各走査線2には、両端から同時に電圧が印加される。
尚、クロック信号等の各種タイミング信号は、図示しないタイミングジェネレータにて生成され、TFTアレイ基板10上の各回路に供給される。また、各駆動回路の駆動に必要な電源電圧VDDX、VDDY等もまた外部回路から供給される。更に、上下導通端子106から引き出された信号線には、外部回路から対向電極電位LCCが供給される。対向電極電位LCCは、上下導通端子106を介して対向電極21に供給される。対向電極電位LCCは、画素電極9aとの電位差を適正に保持して液晶保持容量を形成するための対向電極21の基準電位となる。
<液晶装置の駆動方法>
次に、この液晶装置の動作、特に転送信号Pi(i=1、…、n)をサンプリング回路駆動信号Si(i=1、…、n)に整形する過程について図3から図5を参照して説明する。図5は、図4に示した駆動系における各種信号のタイミングチャートである。
図5のタイミングチャートに示したように、データ線駆動回路101では、先ずシフトレジスタ51から転送信号Pi(i=1、…、n)がP1、P2、…と順に出力される。転送信号Pi(i=1、…、n)の夫々は、AND回路55Aにおいて、イネーブル信号ENB1〜ENB4のいずれかとの論理積をとることによって、そのパルス幅がイネーブル信号ENB1〜ENB4のパルス幅d1に制限される(即ち、イネーブル信号ENB1〜ENB4によって整形される)。ここで、パルス幅d1は、本発明に係る「第1パルス幅」の一例である。転送信号Pi(i=1、…、n)は、シフトレジスタ51に入力されるクロック信号CLX等に応じて出力されることから、その高周波化にはクロック周期による制限のために一定の限界があるが、このように論理回路55にてイネーブル信号との論理積をとることでパルス幅を制限すれば、狭小化することができる。
AND回路55Aの各出力は、ここで一次整形信号Qi(i=1、…、n)とされる。ここで、イネーブル信号ENB1〜ENB4は夫々系列の異なる信号であるために、波形が完全に揃わない場合が考えられる。そのような場合、一次整形信号Qi(i=1、…、n)内に他のパルスと比べて幅が異なるパルスが混在することになる。例えば、図5に示したように、イネーブル信号ENB3が、基準とするパルス幅d1よりも広いパルス幅d1’を有するとき、対応する一次整形信号Q3のパルス幅もまたパルス幅d1’となる。
プリチャージタイミング信号NRGは、画像信号VIDのサンプリング期間に先立つプリチャージ期間を規定し、OR回路55Dに一斉に供給される。その間、AND回路55Bには、イネーブル供給線82を介してプリチャージタイミング信号NRGと同様の信号が入力される。従って、プリチャージタイミング信号NRGの入力期間には、全てのサンプリングスイッチ71が同時に導通し、全データ線3が一斉に画素信号線6に接続された導通状態とされる。論理回路55は、プリチャージタイミング信号NRGの入力期間には、全てのサンプリングスイッチ71が同時に導通し、全データ線3が一斉に画素信号線6に接続された導通状態とされるように動作する。このとき、データ線3は、プリチャージ期間において画像信号線6から画像信号の供給を受けるようにされてもよいし、画像信号の電位とは別の所定電位に接続されてもよい。或いは、画像信号線6により導通状態とされるのみで、画像信号線6から信号の供給は受けないようにされてもよい。
そして、サンプリング期間では、論理回路55は、イネーブル信号ENB1〜ENB4とマスターイネーブル信号M−ENBとに応じてサンプリング回路駆動信号Si(i=1、…、n)を生成出力する。即ち、この期間のOR回路55Dは、プリチャージタイミング信号NRGが入力されないので、AND回路55Aが出力する一次整形信号Qi(i=1、…、n)に対応して“High”を出力する。
プリチャージ期間では、データ線3と対向電極21との間に生じる容量や、サンプリングスイッチ71のトランジスタ容量及び画像信号線6の配線容量が、画像信号線6を通じて、充電又は放電される。そのため、プリチャージ後のデータ線3相互間の電位ばらつきは殆ど又は実践上全く問題となることは無くなる。その結果、後続するサンプリング期間でのデータ信号の書き込みばらつきが抑制され、表示斑が低減された高品位の表示が可能となる。 以上のAND回路55Aにおける転送信号Pi(i=1、…、n)の整形工程は、一次整形工程に過ぎず、続いてAND回路55Bにおける二次整形工程が行われる。
一次整形信号Qi(i=1、…、n)の夫々は、AND回路55Bにおいて、マスターイネーブル信号M−ENBとの論理積をとることによって、そのパルス幅がマスターイネーブル信号M−ENBのパルス幅d2に制限される(即ち、マスターイネーブル信号M−ENBによって整形される)。ここで、パルス幅d2は、本発明に係る「第2のパルス幅」の一例である。マスターイネーブル信号M−ENBは、イネーブル信号ENB1〜ENB4とは異なり、単一の系列からなることから、そのパルス幅d2は常に一定とされる。また、パルス幅d2は、パルス幅d1より更に狭い。そのため、AND回路55Bでは、一次整形信号Q3のパルス幅d1’もまたパルス幅d2によって制限され、サンプリング回路駆動信号S3が生成出力される。
このように、一次整形信号Qi(i=1、…、n)の各パルスは、単一のマスターイネーブル信号M−ENBの波形に基づいて整形されるので、生成出力されるサンプリング回路駆動信号Si(i=1、…、n)は、パルス幅がパルス幅d2に揃えられる。即ち、論理回路55では、最終的にパルス幅がパルス幅d2に規定されたサンプリング回路駆動信号Si(i=1、…、n)が得られる。
サンプリング回路駆動信号Si(i=1、…、n)は、サンプリング回路7のサンプリングスイッチ71群を駆動し、サンプリングスイッチ71に画像信号線6から画像信号VIDを供給する。こうして画像信号VIDはサンプリングされるが、ここでサンプリング回路駆動信号Si(i=1、…、n)のパルス幅がパルス幅d2に揃っているために、生成されるデータ信号のパルス幅もパルス幅d2に規定されており、また一様に揃えられている。
データ信号は、各データ線3から選択画素列の画素電極9aに印加され、また図示しない蓄積容量を充電又は放電して、データの書き込みを行う。その際、データ信号は、上述したようにパルス幅やパルス形状等が揃っているために輝度を相対的な適正値として表すことができ、表示像におけるパルス幅の差に基づく輝度斑の発生を低減或いは防止することができる。即ち、表示上の輝度は、画素電極9aに供給されるデータ信号の高さ、幅、そして立ち上がり時及び立ち下がり時の歪み具合等によって左右されるからである。
上述したように、本実施形態では、4系列のイネーブル信号ENBと一系列のマスターイネーブル信号M−ENBを用い、転送信号Pi(i=1、…n)に少なくとも2段階の整形を施し、最終的にパルス幅一定の信号を得ている。このような2段階の整形を施すようにすれば、1段目の4系列のイネーブル信号ENB1〜ENB4のみを用いて波形整形をおこなった場合と比較して、最終的に出力される、サンプリングパルス等の転送信号におけるパルス幅を、格段に一定にできると言える。
本実施形態では、特に、一系列のマスターイネーブル信号M−ENBのパルス幅d2は、パルス幅を4系列のイネーブル信号ENB1〜ENB4のパルス幅d1で制限された転送信号Pi(i=1、…n)を整形することから、4系列のイネーブル信号ENB1〜ENB4のパルス幅d1よりも小さい。更に言えば、マスターイネーブル信号M−ENBは、例えば最終的なサンプリングパルスとしての整形後の転送信号Pi(i=1、…n)、即ち、サンプリング回路駆動信号Si(i=1、…、n)と同一の周波数を備えている。即ち、マスターイネーブル信号M−ENBの周波数は、イネーブル信号ENB1〜ENB4や、その他の電源信号、各種制御信号などの低周波数の信号と比べて、かなり高い。従って、本実施形態に係る上述のようなイネーブル信号ENB1〜ENB4及びマスターイネーブル信号M−ENBを利用した構成の場合には、イネーブル信号ENB1〜ENB4のみを利用する構成と比較して、マスターイネーブル供給線M−ENBから発生し、電気光学装置の外部に発信される或いは漏洩する高周波の電磁波は、無視し得ない程に大きくなる。
図3に示すように、本実施形態では、特に、マスターイネーブル供給線92に対応して配線されており且つマスターイネーブル信号M−ENBの逆極性の信号である反転マスターイネーブル信号NM−ENBを供給する反転マスターイネーブル供給線93を備えている。ここで、反転マスターイネーブル供給線93及び反転マスターイネーブル信号NM−ENBは夫々、本発明の「逆極性配線」及び「逆極性の信号」の一例であり、反転マスターイネーブル信号NM−ENBはマスターイネーブル信号M−ENBの所定電位に対する電位の極性を反転した信号である。一般的には、規則的な周期を持つ信号の反転信号は信号の位相を180度ずらすことで生成される。
尚、ここでいう逆極性とは、マスターイネーブル信号M−ENBの電位が所定電位に対して高位側にあるときは、低位側の電位を逆極性と呼び、マスターイネーブル信号M−ENBの電位が所定電位に対して低位側にあるときは、高位側の電位を逆極性と呼ぶものとする。
また、上述の所定電位はGND電位(アース)とするのが簡便で良いが、GND電位に限られたものではない。例えば、安定した電圧源があれば、その電圧源の電位を所定電位としてもよい。この場合、所定電位の電位値は特に限定されず、実施上の都合に応じて適宜設定可能なものである。
反転マスターイネーブル供給線93は、マスターイネーブル供給線92に、隣接して又は近接して引き回されている。反転マスターイネーブル信号NM−ENBは、外部回路で生成されて、マスターイネーブル信号M−ENBと共に外部回路接続端子102を介して供給される。尚、反転マスターイネーブル信号NM−ENBは、電気光学装置内部にて生成され、好ましくはマスターイネーブル信号M−ENBが入力されるマスターイネーブル供給端子102bの付近で生成されてもよい。
従って、マスターイネーブル供給線92から発生する高周波の電磁波を、反転マスターイネーブル供給線93から発生する高周波の電磁波であり且つマスターイネーブル信号M−ENBに対して逆極性の信号に基づく逆極性の電磁波により、少なくとも部分的に、理想的には実践的な意味で殆ど又は完全に相殺することが可能となる。即ち、反転マスターイネーブル信号NM−ENBは、このようにマスターイネーブル信号M−ENBが発生する電磁波を、相殺する電磁波を発生させる極性を有する。
図4に示すように、反転マスターイネーブル信号NM−ENBは、パルス信号たるマスターイネーブル信号M−ENBに対し、反転したパルス信号が逆極性の信号である。また、反転マスターイネーブル供給線93は、その配線としての属性(例えば、配線長、配線幅、配線厚、配線容量、配線抵抗、配線インピーダンス等)が、マスターイネーブル供給線92のそれと類似している、或いは揃えられている。これにより、反転マスターイネーブル供給線93による電磁波を相殺する効果を高めることが可能となる。
この結果、高周波の信号であるマスターイネーブル信号M−ENBを利用しても、外部に対する高周波数の電磁波の発生や漏洩を、低減することが可能となる。これにより例えば、複板式の液晶プロジェクタ内で、プリズムを挟んで組み立てられたライトバルブの部分や、該ライトバルブに接続されたFPCの部分を、銅箔、アルミ箔等で電磁シールドする必要もなくなる。
更に、本実施形態では、マスターイネーブル信号M−ENB及び反転マスターイネーブル信号NM−ENBは、外部回路から、複数の外部回路接続端子102に接続されたフレキシブル基板(FPC)を介して、マスターイネーブル供給端子102a及びマスターイネーブル供給端子102bに夫々供給される。
このように構成されているので、外部回路で生成された反転マスターイネーブル信号NM−ENBを利用することで、引間回配線の末端である、マスターイネーブル供給端子102aのところから、マスターイネーブル供給線92から発生或いは漏洩する電磁波を抑制することが可能となる。
更にまた、反転マスターイネーブル供給線93は、反転マスターイネーブル供給102bから、少なくとも部分的にマスターイネーブル供給線92に沿って、引き回されており、マスターイネーブル信号M−ENB及び反転マスターイネーブル信号NM−ENBは、外部回路接続端子102に電気的に接続された外部回路から供給される。
このように構成されているので、外部回路接続端子102からデータ線駆動回路101や走査線駆動回路104にいたる配線全体について、反転マスターイネーブル供給線93をマスターイネーブル供給線92に沿って配線することができ、マスターイネーブル供給線92から発生或いは漏洩する電磁波を強固に抑制することが可能となる。
加えて、フレキシブル基板を構成する複数の配線のうち、マスターイネーブル信号M−ENBを供給するマスターイネーブル供給配線と反転マスターイネーブル信号NM−ENBを供給する反転マスターイネーブル供給配線とは、フレキシブル基板(FPC)を構成する可塑性の基材上で相隣接して配置されている。よって、FPC等のフレキシブル基板を含めてデータ線駆動回路101や走査線駆動回路104にいたる配線全体について、反転マスターイネーブル信号NM−ENBの供給経路を、マスターイネーブル信号M−ENBの供給経路に沿って配線することができ、マスターイネーブル供給線ENBから発生或いは漏洩する電磁波を、より強固に抑制することが可能となる。
更に、本実施形態では、マスターイネーブル信号M−ENBを供給するマスターイネーブル供給端子102a及び反転マスターイネーブル信号NM−ENBを供給する反転マスターイネーブル供給端子102bは、相隣接している。
このように構成されているので、外部回路接続端子102付近におけるマスターイネーブル供給線92から発生する電磁波を、反転マスターイネーブル供給線93から発生する電磁波で、効率的に相殺することが可能となる。特に、このようにマスターイネーブル供給端子102a及び反転マスターイネーブル供給端子102bを相隣接させておけば、外部回路接続端子102に接続されるFPC等の接続配線上でも、マスターイネーブル供給線92と反転マスターイネーブル供給線93とを相隣接させる構成や、外部回路接続端子102a及び102bから夫々引き回されるマスターイネーブル供給線92と反転マスターイネーブル供給線93とを相隣接させる構成を、無理なく採ることが可能となり、実践上極めて有利である。
更に、外部回路接続端子102からのほぼ全体について、マスターイネーブル供給線92に沿って、反転マスターイネーブル供給線93を隣接して配線しているので、上述の如き電磁波を相殺する効果は大きくなる。尚、このように隣接していなくても、即ち、間に、他の一又は複数の配線が配線されていても、TFTアレイ基板10上におけるいずれかの場所に反転マスターイネーブル供給線93を任意の平面レイアウトにて配線しておけば、大なり小なり相応の効果が得られる。
以上詳細に説明したように本実施形態の電気光学装置によれば、マスターイネーブル信号M−ENBに起因する高周波の電磁波の発生や漏洩を抑制しつつ、イネーブル信号ENB1〜ENB4及びマスターイネーブル信号M−ENBを有効に利用することで、最終的に高品位の画像を表示可能となる。
次に、位相差補正回路108について、図3及び図6を参照しつつ説明する。ここに図6は、位相差補正回路の構成を示す図であり、(a)は位相差補正回路の構成を示す回路図であり、(b)は(a)の回路における各位置での信号波形を示すタイミングチャートである。
本実施形態では、TFTアレイ基板10上に、マスターイネーブル信号M−ENB及び反転マスターイネーブル信号NM−ENB間の位相差を低減する位相差補正回路108を更に備える。
位相差補正回路108は、図6(a)に示すように、第1バッファ回路501と、双安定性回路502と、弟2バッファ回路503とから構成されている。弟1バッファ回路はインバータ501a及び501bから、双安定性回路502はインバータ502a及び502bから、第2バッファ回路503はインバータ503a、503a’503b及び503b’から夫々、構成されている。
図6(b)に示すように、反転マスターイネーブル信号NM−ENBの位相が、マスターイネーブル信号M−ENBの位相に対し、R1及びR1’の地点で期間Tだけ位相差が生じたとしても、双安定性回路502により、位相差が補正され、当該双安定性回路502から出力した地点R3及びR3’では位相差が発生しない。
位相差補正回路108では、インバータ501a及び501bから構成されるバッファ回路501において、マスターイネーブル信号M−ENBと反転マスターイネーブル信号NM−ENBを供給する回路におけるトランジスタの駆動能力を補うと共に、双方向性回路502の一方のインバータ502aの出力を他方のインバータ502bの入力に、また他方のインバータ502bの出力を一方のインバータ502aの入力に夫々供給することによって、夫々のインバータ502a及び502bの入力信号に正帰還をかけて位相差を無くす構成となっている。
また、双安定性回路502の後に、弟2バッファ回路503が設けてあり、この第2バッファ回路の働きにより、双安定性回路502の駆動能力の低下を防止している。つまり、双安定性回路502からマスターイネーブル供給線92及び反転マスターイネーブル供給線93を引き回すことにより各回路にマスターイネーブル信号M−ENB及び反転マスターイネーブル信号NM−ENBを供給した場合には、マスターイネーブル供給線92及び反転マスターイネーブル供給線93の容量により、マスターイネーブル信号M−ENB及び反転マスターイネーブル信号NM−ENBが劣化することが考えられる。しかし、双安定性回路502の駆動能力の低下は第2バッファ回路503により防止され、マスターイネーブル信号M−ENB及び反転マスターイネーブル信号NM−ENBが良好に各駆動回路に供給されることになる。
尚、図6に示した位相差補正回路108の回路構成は、一例であり、他の回路構成を採用することは勿論可能である。
上述したように、位相差補正回路108は、外部回路で生成された又は電気光学装置内で生成された反転マスターイネーブル信号NM−ENBの位相を、マスターネーブル信号M−ENBの位相に合わせる或いは近付けることができる。従って、両信号間の位相差が低減された分だけ、反転マスターイネーブル信号NM−ENBに係る電磁波の相殺という機能を高めることが可能となる。従って、このような位相差補正回路108は、マスターイネーブル信号M−ENBが供給される外部回路接続端子102aに、なるべく近付けて配置することが好ましい。これにより、マスターイネーブル供給線92のなるべく広範囲について、より正確に反転マスターイネーブル供給線93によって、電磁波を相殺することが可能となる。
再び図3において、本実施形態では、反転イネーブル供給線93の端に設けられており、データ線駆動回路101を構成する回路の少なくとも一部を模擬するダミー回路110を更に備えている。
ダミー回路110は、反転マスターイネーブル供給線93とマスターイネーブル供給線92との配線としての属性を、その先端側に接続された回路も含めて相互に類似したものにできる。これにより、反転マスターイネーブル供給線93による電磁波を相殺する効果を高めることが可能となる。
尚、ダミー回路110は、反転イネーブル供給線93の途中に設けてもよいし、或いは、位相差補正回路108は、外部回路接続端子102に並んで設けられ、ダミー回路110は、外部回路接続端子102の横に並べて配置されてもよい。或いは、データ線駆動回路101内に、分散して配置されてもよい。加えて、マスターイネーブル供給線92と反転マスターイネーブル供給線93との間の存在する、配線容量等の配線としての属性の差異を、当該ダミー回路で調整するように構成してもよい。即ち、係る配線としての属性の差異に対応する分だけ、敢えて、その模擬対象とする回路部分とは異なるようにダミー回路を構成してもよい。これにより、より一層、反転マスターイネーブル供給線93による電磁波を相殺する効果を高めることが可能となる。
尚、図4に示した本実施形態において、AND回路55A及び55Bの替わりにNAND回路を用いても同様の機能を果たすことができる。また、OR回路55Dについても替わりにNOR回路を用いてもよい。この場合には、インバータ(反転回路)を用いてサンプリングスイッチ71に供給されるサンプリング回路駆動信号の論理の整合性が取れるようにすればよい。
(第1実施形態の変形例)
次に、図3及び図7から図9を参照しつつ、本実施形態の変形例について説明する。ここに図7は、図3の点線円C1の部分拡大斜視図である。図8は、本変形例における図7と同趣旨の部分拡大斜視図である。図9は、本変形例における図3のA−A’断面図である。
図7において、TFTアレイ基板10上には、順に、下地絶縁膜12、第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜42、第3層間絶縁膜43、第4層間絶縁膜44が、この順に積層されている。本実施形態では、反転マスターイネーブル供給線93とマスターイネーブル供給線92とは、この積層構造において第3層間絶縁膜43の上に同層で形成されているが、本実施形態の変形例では、図8及び図9に示すように、マスターイネーブル供給線92及び反転マスターイネーブル供給線93は少なくとも部分的に、TFTアレイ基板10上に層間絶縁膜41、42及び43を介して積層された相互に別層で形成されている。即ち、マスターイネーブル供給線92は、下地絶縁膜12上に形成され、反転マスターイネーブル供給線93は、第3層間絶縁膜43上に形成されている。マスターイネーブル供給線92は、層間絶縁膜41、42及び43に開孔されたコンタクトホール15を介して、マスターイネーブル供給端子102bと電気的に接続されている。尚、反転マスターイネーブル供給線93が、下地絶縁膜12上に形成され、マスターイネーブル供給線92が、第3層間絶縁膜43上に形成されるようにしてもよい。
このように構成されているので、層間絶縁膜41、42及び43を介して、極めて接近した位置において、反転マスターイネーブル供給線93をマスターイネーブル供給線92に沿って配線することができる。これにより、より一層、反転マスターイネーブル供給線93による電磁波を相殺する効果を高めることが可能となる。尚、このような反転マスターイネーブル供給線93は、好ましくは、平面的に見て少なくとも部分的に重ねられており、配線幅、配線長さ等の配線としての属性についても揃えられていることが好ましい。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る電気光学装置について、図10を参照して説明する。ここに図10は、第2実施形態における図3と同趣旨の図である。尚、図10において、図3に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
第2実施形態に係る電気光学装置は、TFTアレイ基板10上に、マスターイネーブル信号M−ENBに基づいて、反転マスターイネーブル信号NM−ENBを生成する反転マスターイネーブル信号生成回路109を更に備え、反転マスターイネーブル供給線93は、反転マスターイネーブル信号生成回路109から、少なくとも部分的にマスターイネーブル供給線92に沿って、引き回されている。ここで、反転マスターイネーブル信号生成回路109は、本発明に係る「逆極性信号生成回路」の一例である。
第2実施形態によれば、反転マスターイネーブル信号NM−ENBを、TFTアレイ基板10上で生成することができるので、外部回路において反転マスターイネーブル信号NM−ENBの信号を生成する機能を有しなくても、反転マスターイネーブル信号生成回路109のところから、マスターイネーブル供給線92から発生或いは漏洩する電磁波を抑制することが可能となる。従って、このような反転マスターイネーブル信号生成回路109は、マスターイネーブル供給端子102aに、なるべく近付けて配置することが好ましい。これにより、マスターイネーブル供給線92のなるべく広範囲について、マスターイネーブル供給線93による電磁波の相殺という作用を発揮させることが可能となる。
(電子機器)
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図11は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。この図11に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
次に、液晶装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図12は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図12において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶装置1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
さらに、液晶装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図13は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図13において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶装置1005を備えるものである。この反射型の液晶装置1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
尚、図11から図13を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び該電気光学装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示す平面図である。 図1のH−H’断面図である。 第1実施形態に係る電気光学装置のTFアレイ基板上の回路構成を示す平面図である。 第1実施形態に係る電気光学装置の主要な駆動系の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る電気光学装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。 第1実施形態に係る電気光学装置の位相差補正回路の構成を示す図であり、(a)は回路図、(b)はタイミングチャートである。 図3の点線円C1の部分拡大斜視図である。 第1実施形態の変形例における図7と同趣旨の部分拡大斜視図である。 第1実施形態の変形例における図3のA−A’断面図である。 第2実施形態における図3と同趣旨の図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す平面図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
符号の説明
2…走査線、3…データ線、6…画像信号線、7…サンプリング回路、10…TFTアレイ基板、9a…画素電極、10a…画像表示領域、20…対向基板、21…対向電極、41、42、43、44…層間絶縁膜、50…液晶層、51…シフトレジスタ、52…シール材、53…額縁遮光膜、55…論理回路、55A、55B…AND回路、55D…OR回路、71…サンプリングスイッチ、83…プリチャージタイミング信号供給線、92…マスターイネーブル供給線、93…反転マスターイネーブル供給線、101…データ線駆動回路、102…外部回路接続端子、102a…マスターイネーブル供給端子、102b…反転マスターイネーブル供給端子、104…走査線駆動回路、106…上下導通端子、108…位相差補正回路、109…反転マスターイネーブル信号生成回路、110…ダミー回路、501…第1バッファ回路、502…双安定性回路、503…第2バッファ回路、d1、d2…パルス幅、ENB1〜ENB4…イネーブル信号、M−ENB…マスターイネーブル信号、NM−ENB…反転マスターイネーブル信号、NRG…プリチャージタイミング信号、Pi…転送信号、Qi…一次整形信号、Si…サンプリング回路駆動信号、VID…画像信号

Claims (12)

  1. 基板上に、
    互いに交差して延びる複数のデータ線及び複数の走査線と、
    前記データ線及び前記走査線に夫々電気的に接続された複数の画素部と、
    前記複数の走査線に走査信号を供給して前記画素部の水平走査を行う走査線駆動部と、
    前記複数のデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動部と、
    複数系列の第1イネーブル信号を供給する複数本の第1イネーブル供給線、一系列の第2イネーブル信号を供給する第2イネーブル供給線、該第2イネーブル供給線に対応して配線されており且つ前記第2イネーブル信号とは所定電位に対して電位が逆極性の信号を供給する逆極性配線、及び前記画像信号を前記データ線駆動部に供給する画像信号線を含む複数の引回配線と
    を備えており、
    前記データ線駆動部及び前記走査線駆動部の少なくとも一方は、(i)所定周期のクロック信号に基づいて複数の段から夫々転送信号を順次出力するシフトレジスタ、(ii)前記順次出力された転送信号における各パルスのパルス幅を、該パルス幅よりも狭い、前記複数系列の第1イネーブル信号の夫々が有する第1パルス幅に制限し、更に、該第1パルス幅に制限された転送信号における各パルスのパルス幅を、前記第1パルス幅よりも狭い、前記一系列の第2イネーブル信号が有する第2パルス幅に制限するパルス幅制限手段、及び(iii)前記第2パルス幅に制限された転送信号に応じて、前記画像信号及び前記走査信号の少なくとも一方を供給する供給手段を含む
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記基板上に、前記基板の辺に沿って配列されると共に前記複数の引回配線の一端側が接続された複数の外部回路接続端子を更に備え、
    該複数の外部回路接続端子のうち前記第2イネーブル信号を供給する一の端子及び前記逆極性の信号を供給する他の端子は、相隣接していることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記基板上に、前記基板の辺に沿って配列されると共に前記複数の引回配線の一端側が接続された複数の外部回路接続端子を更に備え、
    前記第2イネーブル供給線は、前記複数の外部回路接続端子のうち一の端子から引き回されており、
    前記逆極性配線は、前記複数の外部回路接続端子のうち他の端子から、少なくとも部分的に前記第2イネーブル供給線に沿って、引き回されており、
    前記第2イネーブル信号及び前記逆極性の信号は、前記外部回路接続端子に電気的に接続された外部回路から供給されることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  4. 前記第2イネーブル信号及び前記逆極性の信号は、前記外部回路から、前記複数の外部回路接続端子に接続されたフレキシブル基板を介して、前記一の端子及び前記他の端子に夫々供給されることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
  5. 前記フレキシブル基板を構成する複数の配線のうち、前記第2イネーブル信号を供給する一の配線と前記逆極性の信号を供給する他の配線とは、前記フレキシブル基板を構成する可塑性の基材上で相隣接して配置されていることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
  6. 前記基板上に、前記第2イネーブル信号に基づいて、前記逆極性の信号を生成する逆極性信号生成回路を更に備え、
    前記逆極性配線は、前記逆極性信号生成回路から、少なくとも部分的に前記第2イネーブル供給線に沿って、引き回されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  7. 前記基板上に、前記第2イネーブル信号及び前記逆極性の信号間の位相差を低減する位相差補正回路を更に備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記第2イネーブル供給線と前記逆極性配線とは、前記複数の引回配線の配列中で、少なくとも部分的に相隣接していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記逆極性配線の端又は途中に設けられており、前記データ線駆動部を構成する回路の少なくとも一部を模擬するダミーの回路を更に備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記第2イネーブル供給線及び前記逆極性配線は少なくとも部分的に、前記基板上に層間絶縁膜を介して積層された相互に別層で形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 基板上に、互いに交差して延びる複数のデータ線及び複数の走査線と、前記データ線及び前記走査線に夫々電気的に接続された複数の画素部と、前記複数の走査線に走査信号を供給して前記画素部の水平走査を行う走査線駆動部と、前記複数のデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動部と、複数系列の第1イネーブル信号を供給する複数本の第1イネーブル供給線、一系列の第2イネーブル信号を供給する第2イネーブル供給線、該第2イネーブル供給線に対応して配線されており且つ前記第2イネーブル信号とは所定電位に対して電位が逆極性の信号を供給する逆極性配線、及び前記画像信号を前記データ線駆動部に供給する画像信号線を含む複数の引回配線とを備えた電気光学装置を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、
    前記データ線駆動部及び前記走査線駆動部の少なくとも一方において、
    所定周期のクロック信号に基づいて複数の段から夫々転送信号を順次出力する順次出力工程と、
    前記順次出力された転送信号における各パルスのパルス幅を、該パルス幅よりも狭い、前記複数系列の第1イネーブル信号の夫々が有する第1パルス幅に制限し、更に、該第1パルス幅に制限された転送信号における各パルスのパルス幅を、前記第1パルス幅よりも狭い、前記一系列の第2イネーブル信号が有する第2パルス幅に制限するパルス幅制限工程と、
    前記第2パルス幅に制限された転送信号に応じて、前記画像信号及び前記走査信号の少なくとも一方を供給する供給工程と
    を含むことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備することを特徴とする電子機器。
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