JP2006208515A - プラネタリウム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】観客に不快感を与えることなく,特定の天体に注意を向けられる機能を有するプラネタリウム装置を提供すること。
【解決手段】プラネタリウム装置は,タッチパネル等の操作部を有し,その操作部にて通常表示モードと強調表示モードとが選択可能である。また,操作部では,強調対象となる天体の選択が可能である。具体的に,(A)は通常表示モードの表示例を,(B)は強調表示モードの表示例をそれぞれ示している。本表示例では,所定の天体像について,通常表示モード(A)と強調表示モード時(B)とで天体像の表示半径が異なる。すなわち,強調表示モード(B)では,通常表示モード時(A)よりも表示半径が大きい天体像を表示する。例えば,強調表示モードには,通常表示モード時の1.5倍の表示半径の天体像を表示する。
【選択図】 図4
【解決手段】プラネタリウム装置は,タッチパネル等の操作部を有し,その操作部にて通常表示モードと強調表示モードとが選択可能である。また,操作部では,強調対象となる天体の選択が可能である。具体的に,(A)は通常表示モードの表示例を,(B)は強調表示モードの表示例をそれぞれ示している。本表示例では,所定の天体像について,通常表示モード(A)と強調表示モード時(B)とで天体像の表示半径が異なる。すなわち,強調表示モード(B)では,通常表示モード時(A)よりも表示半径が大きい天体像を表示する。例えば,強調表示モードには,通常表示モード時の1.5倍の表示半径の天体像を表示する。
【選択図】 図4
Description
本発明は,スクリーン上に星野を投映するプラネタリウム装置に関するものである。本明細書において,プラネタリウムとは,ドーム型スクリーンに映像を投映する設備をいい,その映像の内容は星野に限らずエンターテインメント的なものであってもよいものとする。
従来から,プラネタリウム装置では,太陽や月,惑星,恒星などの天体を投映しながら解説を行う際,様々な種類の天体が同時にドームスクリーン上に投映されている。そのため,どの天体の解説がなされているかを理解しづらい状況になることがある。そこで,プラネタリウム装置では,天体を投映する投映機とは別に,矢印ポインタ等の指針用の投映機器が付設されている。プラネタリウム装置の操作者は,観客の注意を特定の天体に向ける際に,その天体の近傍に矢印ポインタ等の指針像を投映する操作を行うことで注目すべき天体を指し示している。
また近年,電子画像の投映が可能な電子式のプラネタリウム投映装置や天文シミュレータでは,時刻の進行や観測者の移動によって天体の見かけの位置が変化する様子を表現する,すなわち天体が移動していく軌跡を残して移動過程を表現する機能(いわゆる,光跡残し機能)のを備えたものがある。この光跡残し機能は,例えば天体の見かけの動きを学習する際,太陽や月,惑星,恒星などの天体が東方から昇り,西方へ沈むことを視覚的に説明するためのツールとして有効である。
前述した矢印ポインタを投映するプラネタリウム装置,あるいは光跡残し機能を備えたプラネタリウム装置としては,幾つか実用化されたものがある。例えば,コニカミノルタプラネタリウム製の「MEDIA GLOBE」が製品化されている。なお,文献として本発明に関連したものを発見できなかったため,本明細書では先行技術文献情報を記載していない。
しかしながら,前記した従来のプラネタリウム装置には,次のような問題があった。すなわち,矢印ポインタ等の指針像を数多く投映する必要がある場合,操作者の操作に時間を要し,観客に不快感を与えてしまうことがある。また,天体ではない指針像を数多く表示すると,解説の主目的ではない指針像に観客の注意が向いてしまい,プラネタリウムの上映に悪影響を与えてしまう。
また,光跡残しの演出では,隣接する天体の光跡が重なり合ってしまうことがある。そのため,各光跡がどの天体のものであるかが判り難い。さらには,数多くの天体の移動に伴って光跡が伸びていく様子を見ていると,光跡が始点側に向かって逆向きに伸びていくように見えたり,観客自身が光跡の進行方向に対して逆向きに回転しているような錯覚を覚え,観客に誤解や不快感を抱かせてしまう問題があった。
本発明は,前記した従来のプラネタリウム装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,観客に不快感を与えることなく,特定の天体に注意を向けられる機能を有するプラネタリウム装置を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされたプラネタリウム装置は,スクリーン上に星野を投映するプラネタリウム装置であって,表示モードの選択が可能な表示モード選択手段と,表示モード選択手段にて選択された表示モードに対応する天体像を形成する天体像形成手段と,天体像形成手段にて形成された天体像をスクリーン上に投映する投映手段とを有し,表示モード選択手段では,一部または全部の天体を強調表示する強調表示モードの選択が可能であることを特徴とする。
すなわち,本発明のプラネタリウム装置は,表示モード選択手段にて表示モードの選択が可能である。表示モード選択手段としては,操作盤,タッチパネル等の入力機器が該当する。表示モードとしては,通常時の星野を表示する通常表示モードの他,一部または全部の天体を強調表示する強調表示モードがある。強調表示モードは,例えば,解説補助を投映する際に利用され,解説補助の説明対象となる天体(例えば,特定の星座を構成する天体群,北斗七星等の目印となる天体群,1等星,太陽系の惑星)を強調表示する。
そして,天体像形成手段では,選択されている表示モードに対応する天体像を形成する。すなわち,強調表示モードが選択されているときには,特定の天体を強調した天体像を形成する。これにより,解説の対象となる天体が強調表示され,観客の注意をその天体に向けることができる。つまり,天体そのものの表示状態を直接変更することにより,注目すべき天体とその他の天体とが視覚的に区別される。よって,ポインタ等の指針像を必要以上に表示することなく観客の注意をその天体に向けることができる。従って,解説者の操作負担が軽減され,観客に不快感を与えることがない。
また,表示モード選択手段にて強調表示モードが選択されたときの表示形式としては,例えば,通常表示モードで形成される天体像よりも表示像径が大きい天体像を形成することとするとよい。あるいは,通常表示モードで形成される天体像とは形状が異なる天体像を形成することとするとよい。なお,強調表示モードの表示形式はこれらに限るものではない。
また,本発明のプラネタリウム装置は,補助画像の選択が可能な補助画像選択手段と,補助画像選択手段にて選択された補助画像に応じて表示モード選択手段にて選択可能な表示モードを自動的に切り換える制御手段とを有することとするとよりよい。すなわち,制御手段にて,解説者の補助画像の選択操作に連動して表示モードを切り換える。例えば,ある星座の解説補助画像の投映を選択した場合に,その選択に連動してその星座を構成する天体像を強調表示する。これにより,解説者の操作負担をより一層軽減するとともに操作ミスを抑制することができる。
また,本発明のプラネタリウム装置は,天体像のスクリーン上の移動に伴ってその天体像の軌跡を表示する光跡残し機能の選択が可能な光跡残し選択手段を有し,天体像形成手段は,光跡残し選択手段にて光跡残し機能が選択されている際に,天体像の軌跡の始点部分を強調表示することとするとよりよい。
すなわち,本発明のプラネタリウム装置は,天体像のスクリーン上の移動に伴ってその天体像の軌跡(光跡)を表示する,いわゆる光跡残し機能を備えている。光跡残し機能としては,観測時刻や観測位置が連続変化するものであっても,ステップ変化するものであっても,いずれか一方を選択することが可能なものであってもよい。また,軌跡を表示する天体は,全部の天体であってもよいし,一部の天体(例えば,所定の等級以上の恒星)のみであってもよい。
本発明のプラネタリウム装置では,光跡残し選択手段にて,光跡残し機能が選択されている,つまり光跡残し機能がオン状態であるとき,一部または全部の光跡の始点部分を強調表示する。すなわち,光跡残し機能がオン状態となった時点の天体像を強調表示する。強調表示の表示形式としては,例えば,表示像径を大きくする,あるいは色を変えることとするとよい。光跡の始点が強調表示されることにより,各天体の光跡の始点を明示することができる。よって,天体の移動方向が明確となり,観客の錯覚を防ぐことができる。
本発明によれば,所望の天体を強調表示することにより,矢印ポインタ等の指針像を表示することなく,注目の天体とその他の天体とを区別することができる。そのため,解説者の操作負担が軽減され,操作がスムーズになる。また,光跡残しの演出を行う際にも,光跡の始点部分を強調表示することにより,錯覚を抑制することができる。よって,観客に不快感を与えることなく,特定の天体に注意を向けられる機能を有するプラネタリウム装置が実現されている。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお,本実施の形態は,電子式投映機を備えたプラネタリウム装置に本発明を適用したものである。
本形態のプラネタリウム装置は,図1に示すようにドームスクリーン1と,その中央下に設置された電子式の投映装置10とを有している。さらに投映装置10は,映像制御部2と,映像投映部3と,魚眼レンズ4と,操作部5と,スピーカ6とを備えている。映像制御部2は,ドームスクリーン1上に投映するビデオ映像を制御するためのものである。また,映像制御部2は,プラネタリウム施設内に放送する音声等を制御することも可能である。映像投映部3は,ビデオ映像をドームスクリーン1上に投映するためのものである。魚眼レンズ4は,ビデオ映像をドームスクリーン1の全体に投映するためのレンズである。操作部5は,操作画面を通じて操作者が実演中あるいは実演前に映像内容の設定を行うためのものである。
操作部5は,例えば図2に示すように複数のボタン群を具備した操作画面群を表示するモニタ部51と,各種のボタンないしスイッチが設けられた操作卓52とを備えている。モニタ部51としては,例えばタッチパネルが該当する。そして,モニタ部51に表示されている操作画面には複数のボタンが表示されており,操作者はそれらのボタンにより種々の機能を選択することが可能である。操作部5にて選択可能なものには,選択可能な機能には,星座絵,星座線,極座標線等のいわゆる解説補助機能の他,天体像の強調表示機能や光跡残し機能がある。
映像制御部2は,図3のブロック図に示すように,制御部21と,データ格納部22と,映像メモリ23と,映像生成部24と,音声生成部25とを備えている。制御部21は,操作部5からの命令等に従って,映像制御,音声制御,照明制御等を行うものである。データ格納部22は,制御に必要なデータや投映等に必要なファイルを格納するものである。格納されているデータには,例えば各星座の名前,配列,その星座が観測される時期がある。また,格納されているファイルには,例えば天体の写真画像や星座絵がある。さらには,解説補助に関する情報が格納されている。さらに,強調表示機能に対応するための天体の情報,および強調表示時の天体画像等が格納されている。映像生成部24は,ドームスクリーン1上に投映する映像を生成するものである。生成された映像は,映像投映部3に送られてドームスクリーン1上に投映される。音声生成部25は,プラネタリウム施設内に放送される音声を生成するものである。生成された音声は,スピーカ6を介してプラネタリウム施設内に放送される。
続いて,天体の強調表示機能について説明する。本形態のプラネタリウム装置では,操作部5にて通常表示モードと強調表示モードとが選択可能である。また,操作部5では,強調対象となる天体の選択が可能である。選択可能な天体群としては,星座を構成する天体群,北斗七星等の目印となる天体群,1等星,太陽系の惑星などがある。例えば,白鳥座を選択した場合には,白鳥座を構成する天体群が強調表示される。また,1等星を選択した場合には,現観測地から観測可能な1等星すべてが強調表示される。なお,選択可能な天体群および各天体群の構成は,あらかじめデータ格納部22に格納されている。以下,1等星の強調表示モードの表示例を幾つか説明する。
[第1の強調表示例]
図4に,第1の強調表示例を示す。図4中,(A)は通常表示モードの表示例を,(B)は強調表示モードの表示例をそれぞれ示している。本表示例では,1等星の天体像について,通常表示モード(A)と強調表示モード時(B)とで天体像の表示半径が異なる。すなわち,強調表示モード(B)では,通常表示モード時(A)よりも表示半径が大きい天体像を表示する。例えば,強調表示モード(B)では,通常表示モード(A)時の1.5倍の表示半径の天体像を表示する。
図4に,第1の強調表示例を示す。図4中,(A)は通常表示モードの表示例を,(B)は強調表示モードの表示例をそれぞれ示している。本表示例では,1等星の天体像について,通常表示モード(A)と強調表示モード時(B)とで天体像の表示半径が異なる。すなわち,強調表示モード(B)では,通常表示モード時(A)よりも表示半径が大きい天体像を表示する。例えば,強調表示モード(B)では,通常表示モード(A)時の1.5倍の表示半径の天体像を表示する。
本表示例では,1等星が拡大表示されることにより,観客は1等星とそれ以外の恒星とを区別することができる。そのため,解説者は,矢印ポインタ等の指針像を必要以上に表示する必要がない。よって,観客の注意を1等星に向けることができる。また,指針像の表示に関する操作負担が軽減することから,操作性が向上する。
[第2の強調表示例]
第2の強調表示例では,強調表示モード時と通常表示モード時とで1等星の色を切り換える。例えば,解説者が1等星の解説を行わない際には,通常の表示状態(地球上から観察される色)で1等星を表示する。一方,解説者が1等星の解説を行う際には,表示されている1等星を鮮紅色で表示する。本表示例でも,観客は1等星とそれ以外の恒星との区別をすることができる。
第2の強調表示例では,強調表示モード時と通常表示モード時とで1等星の色を切り換える。例えば,解説者が1等星の解説を行わない際には,通常の表示状態(地球上から観察される色)で1等星を表示する。一方,解説者が1等星の解説を行う際には,表示されている1等星を鮮紅色で表示する。本表示例でも,観客は1等星とそれ以外の恒星との区別をすることができる。
[第3の強調表示例]
第3の強調表示例では,強調表示モード時と通常表示モード時とで1等星の光量を切り換える。例えば,解説者が1等星の解説を行わない際には,通常の表示状態で1等星を表示する。一方,解説者が1等星の解説を行う際には,1等星についてのみ通常表示モード時の2倍〜5倍に増光した天体像を表示する。本表示例でも,観客は1等星とそれ以外の恒星との区別をすることができる。
第3の強調表示例では,強調表示モード時と通常表示モード時とで1等星の光量を切り換える。例えば,解説者が1等星の解説を行わない際には,通常の表示状態で1等星を表示する。一方,解説者が1等星の解説を行う際には,1等星についてのみ通常表示モード時の2倍〜5倍に増光した天体像を表示する。本表示例でも,観客は1等星とそれ以外の恒星との区別をすることができる。
[第4の強調表示例]
第4の強調表示例では,図5に示すように,強調表示モード時と通常表示モード時とで形状が異なる天体像を表示する。例えば,解説者が1等星の解説を行わない際には,通常の表示状態で1等星を表示する(図5中の(A))。一方,解説者が1等星の解説を行う際には,星型の恒星像を表示する(図5中の(B))。本表示例でも,観客は1等星とそれ以外の恒星との区別をすることができる。
第4の強調表示例では,図5に示すように,強調表示モード時と通常表示モード時とで形状が異なる天体像を表示する。例えば,解説者が1等星の解説を行わない際には,通常の表示状態で1等星を表示する(図5中の(A))。一方,解説者が1等星の解説を行う際には,星型の恒星像を表示する(図5中の(B))。本表示例でも,観客は1等星とそれ以外の恒星との区別をすることができる。
なお,強調表示モードは,操作部5での解説者の選択だけではなく,解説補助の投映に伴って自動的に選択されることとしてもよい。例えば,映像制御部2にて,操作部5の解説補助の選択ボタンに強調表示モードの自動選択を関連付ける。そして,その解説補助が選択された際に,自動的にその解説補助の説明対象の天体を強調表示する。これにより,表示モードの選択操作を省くことができるとともに操作ミスを抑制することができる。よって,操作性が向上する。
[第5の強調表示例]
次に,光跡残し機能のオン状態における強調表示について,図6を基に説明する。図6中,(A)は光跡残し機能のオフ状態の表示例を,(B)は光跡残し機能のオン状態の表示例をそれぞれ示している。なお,プラネタリウムの演出中,光跡残し機能がオン状態であっても,観測時刻や観測位置が変化していない場合は,天体の見かけの位置は変化しない。そのため,光跡は表示されない。すなわち,観測時刻や観測位置が変化し,天体の見かけの位置が変化した際に初めて光跡が現れる。そのため,光跡残し機能の強調表示では,天体の位置が変化し始めたときに所定の天体像の強調表示を開始する。
次に,光跡残し機能のオン状態における強調表示について,図6を基に説明する。図6中,(A)は光跡残し機能のオフ状態の表示例を,(B)は光跡残し機能のオン状態の表示例をそれぞれ示している。なお,プラネタリウムの演出中,光跡残し機能がオン状態であっても,観測時刻や観測位置が変化していない場合は,天体の見かけの位置は変化しない。そのため,光跡は表示されない。すなわち,観測時刻や観測位置が変化し,天体の見かけの位置が変化した際に初めて光跡が現れる。そのため,光跡残し機能の強調表示では,天体の位置が変化し始めたときに所定の天体像の強調表示を開始する。
なお,光跡の強調表示は,操作部5にて光跡の強調表示モードが選択されている際に行うこととしてもよいし,光跡残し機能では必ず強調表示を行うこととしてもよい。また,いずれか一方の選択が可能であってもよい。
第5の強調表示例では,図6に示すように,光跡残し機能がオン状態となった時点で表示していた天体像,すなわち光跡の始点部分の表示半径を通常の表示状態よりも大きくする。例えば,光跡残し機能がオフ状態の場合は,図6中の(A)に示したように現在の天体位置P1にて通常のサイズで天体像を表示し,前回の天体位置の天体像を消去する。一方,光跡残し機能がオン状態の場合は,図6中の(B)に示したように現在の天体位置P1にて通常のサイズで天体像を表示するとともに,前回の天体像も消去せずに表示する。これにより,天体が図6中の矢印D方向へ移動することに伴ってその天体の軌跡である光跡C1が表示される。さらに,光跡C1の始点位置P0の天体像を通常表示モード時の1.5倍の表示半径で表示する。これにより,観客は光跡の始点位置P0および移動方向Dを識別することができる。
また,観測時刻あるいは観測位置をステップ変化させる場合も,図6に示した連続変化させる場合と同様に始点部分の天体像を大きくする。このように観測時刻等をステップ変化させると,図7に示すように連続ストロボ撮影のような光跡C2が現れる。例えば,光跡残し機能がオフ状態であれば,図7中の(A)に示したように現在の天体位置P1にて通常のサイズで天体を表示する。一方,光跡残し機能がオンとなり,観測時刻が経過した後には,図7中の(B)に示したように始点位置P0の天体像を通常表示モード時の1.5倍の表示半径で表示する。図7の表示例によっても,観客は光跡の始点位置P0および移動方向Dを識別することができる。
以上詳細に説明したように本形態のプラネタリウム装置では,操作部5にて所定の天体の強調表示モードを選択することとしている。そして,強調表示モードが選択された際には,映像制御部2にて所定の天体が強調表示された天体像を作成し,映像投映部3にてその天体像をドームスクリーン1上に投映することとしている。これにより,観客はその所定の天体とそれ以外の天体とを区別することができる。そのため,解説者は,矢印ポインタ等の指針像を必要以上に表示する必要がない。よって,観客の注意をその天体に向けることができる。また,指針像の表示に関する操作が軽減することから,操作性が向上する。そのため,操作がスムーズになり,観客に不快感を与えない。従って,観客に不快感を与えることなく,特定の天体に注意を向けられる機能を有するプラネタリウム装置が実現している。
また,本形態のプラネタリウム装置では,光跡残し機能によって光跡を表示する際,その光跡の始点部分を強調表示することとしている。これにより,観客は光跡の始点位置および移動方向を識別することができる。よって,観客の錯覚を防ぐことができ,観客に誤解や不快感を抱かせない。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,本実施の形態では電子式投映機を備えたプラネタリウム装置に本発明を適用しているが,これに限るものではない。すなわち,電子式投映機と光学式投映機とを備えた統合型のプラネタリウム装置に適用することも可能である。
また,本実施の形態ではプラネタリウム装置に本発明を適用しているが,これに限るものではない。例えば,平面のスクリーンに投映するビデオ画像投映装置であってもよい。また,パーソナルコンピュータ用の天文シミュレータであってもよい。また,テレビゲームやゲーム専用機に適用することも可能である。
1 ドームスクリーン(スクリーン)
2 映像制御部(天体像形成手段,制御手段)
3 映像投映部(投映手段)
4 魚眼レンズ
5 操作部(表示モード選択手段,補助画像選択手段,光跡残し選択手段)
10 投映装置
2 映像制御部(天体像形成手段,制御手段)
3 映像投映部(投映手段)
4 魚眼レンズ
5 操作部(表示モード選択手段,補助画像選択手段,光跡残し選択手段)
10 投映装置
Claims (7)
- スクリーン上に星野を投映するプラネタリウム装置において,
表示モードの選択が可能な表示モード選択手段と,
前記表示モード選択手段にて選択された表示モードに対応する天体像を形成する天体像形成手段と,
前記天体像形成手段にて形成された天体像をスクリーン上に投映する投映手段とを有し,
前記表示モード選択手段では,一部または全部の天体を強調表示する強調表示モードの選択が可能であることを特徴とするプラネタリウム装置。 - 請求項1に記載するプラネタリウム装置において,
前記天体像形成手段は,前記表示モード選択手段にて強調表示モードが選択されたときに,通常表示モードにて形成される天体像よりも表示像径が大きい天体像を形成することを特徴とするプラネタリウム装置。 - 請求項1に記載するプラネタリウム装置において,
前記天体像形成手段は,前記表示モード選択手段にて強調表示モードが選択されたときに,通常表示モードにて形成される天体像とは形状が異なる天体像を形成することを特徴とするプラネタリウム装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載するプラネタリウム装置において,
補助画像の選択が可能な補助画像選択手段と,
前記補助画像選択手段にて選択された補助画像に応じて前記表示モード選択手段にて選択可能な表示モードを自動的に切り換える制御手段とを有することを特徴とするプラネタリウム装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載するプラネタリウム装置において,
天体像のスクリーン上の移動に伴ってその天体像の軌跡を表示する光跡残し機能の選択が可能な光跡残し選択手段を有し,
前記天体像形成手段は,前記光跡残し選択手段にて光跡残し機能が選択されている際に,天体像の軌跡の始点部分を強調表示することを特徴とするプラネタリウム装置。 - 請求項5に記載するプラネタリウム装置において,
前記天体像形成手段は,前記表示モード選択手段にて光跡を強調表示する光跡強調表示モードが選択され,かつ前記光跡残し選択手段にて光跡残し機能が選択されている際に,天体像の軌跡の始点部分を強調表示することを特徴とするプラネタリウム装置。 - スクリーン上に星野を投映するプラネタリウム装置において,
天体像のスクリーン上の移動に伴ってその天体像の軌跡を表示する光跡残し機能の選択が可能な光跡残し選択手段と,
前記光跡残し選択手段での選択状態に対応する天体像を形成する天体像形成手段と,
前記天体像形成手段にて形成された天体像をスクリーン上に投映する投映手段とを有し,
前記天体像形成手段は,前記光跡残し選択手段にて光跡残し機能が選択されている際に,天体像の軌跡の始点部分を強調表示することを特徴とするプラネタリウム装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019144379A (ja) * | 2018-02-20 | 2019-08-29 | 株式会社五藤光学研究所 | プラネタリウムの演出方法 |
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- 2005-01-26 JP JP2005017706A patent/JP2006208515A/ja not_active Withdrawn
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