JP2006145614A - プラネタリウム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子式投映機と光学式投映機とが協働するプラネタリウム装置であって,操作者の操作負担が軽く,不自然な映像の投映を抑止するとともに臨場感や没入感に優れたプラネタリウム装置を提供すること。
【解決手段】プラネタリウム装置は,デジタル画像を投映する電子式投映部11〜16と,星像を投映する光学式投映機20と,統合制御部2とを備えている。光学式投映機20は,ハロゲンランプ等の高輝度の光源を有している。統合制御部2は,光学式投映機20から投映される星像のうち,電子式投映部11〜16によるデジタル映像と重なり合う部分を抽出する。そして,光学式投映機20のうち,抽出された領域を投映している部分を非投映とする信号を出力する。これにより,不自然な映像の投映を回避することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】プラネタリウム装置は,デジタル画像を投映する電子式投映部11〜16と,星像を投映する光学式投映機20と,統合制御部2とを備えている。光学式投映機20は,ハロゲンランプ等の高輝度の光源を有している。統合制御部2は,光学式投映機20から投映される星像のうち,電子式投映部11〜16によるデジタル映像と重なり合う部分を抽出する。そして,光学式投映機20のうち,抽出された領域を投映している部分を非投映とする信号を出力する。これにより,不自然な映像の投映を回避することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は,電子式投映機と光学式投映機とを備える統合型のプラネタリウム装置に関する。本明細書において,プラネタリウムとは,ドーム型スクリーンに映像を投映する設備をいい,その映像の内容は星野に限らずエンターテインメント的なものであってもよいものとする。
従来から,プラネタリウム装置には,複数台の電子式投映機をドームの周辺に配置し,それらの投映機の出力映像を継ぎ合わせてドームスクリーンへ投映するもの(多眼式)が知られている。また,魚眼レンズを有する一台の電子式投映機によりドームスクリーン全体に映像を投映可能なもの(単眼式)も実用化されている。
前述した電子式投映機としては,低価格,入手し易さ,小型,高輝度などの優位性から,液晶,DLP,DILAといったビデオプロジェクタが利用されている。これらのビデオプロジェクタは,高輝度である反面,ドームスクリーン上での黒味を損なってしまう欠点がある。これは,バックライトを完全に遮断することは困難であり,黒の再現性に限界があるからである。一方,光源からの光を恒星原板や光学レンズ等を介して星像として投映する光学式投映機においては,星像以外の光が理想的に遮断される。そのため,黒味を損なうことなく,星像とそれ以外の部分との高コントラストを実現でき,没入感がある美しい星像を投映することができる。そのため,近年のプラネタリウム装置では,ビデオプロジェクタ等の電子式投映機にて,天体像や星座等に関する多彩なコンピュータグラフィック像を投映し,一方で光学式投映機にて,美しい星像を投映する,いわゆる統合型のプラネタリウム装置が提案されている。
また,プラネタリウム装置では,例えば,宇宙船から地球を眺める演出や,天文台から星像を眺めるといった演出を可能とする。そして,宇宙船から見た地球像や天文台の側壁等は電子式投映機のデジタル画像によって再現している。統合型のプラネタリウム装置では,惑星の拡大映像や地上風景の上に恒星が投映されるなど,ドーム面において両方の映像が重なり,非常に不自然な映像が投映されることがある。この問題を解決するため,例えば特許文献1や特許文献2には,光学式投映機の恒星原板自体を液晶などの電気光学素子に置き換えたものや,投映光学系中に電気光学素子を配して,任意の恒星を遮蔽可能にしたものが提案されている。
特開平10−123938号公報
特開平10−123939号公報
しかしながら,電気光学素子を利用したプラネタリウム装置であっても,電子式投映機と同様に,従来の光学式投映機と比べて解像度やコントラストが低い。そのため,不自然な映像は解消されたとしても,ハロゲンランプやメタルハライドランプ等を光源としていた従来の光学式投映機と比較して,星像の美しさの点で見劣りする。そのため,没入感や星野の自然さを損ねてしまう。
また,操作者の操作により,手動で光学式投映機から投射される恒星の一部を遮光することは従来のプラネタリウム装置でも可能である。しかしながら,重ねて投映されている恒星を抽出し,その恒星のみを遮光することは,操作者の熟練が必要となり,不慣れな操作者にとっては困難な操作である。
本発明は,前記した従来のプラネタリウム装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,電子式投映機と光学式投映機とが協働するプラネタリウム装置であって,操作者の操作負担が軽く,不自然な映像の投映を抑止するとともに臨場感や没入感に優れたプラネタリウム装置を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされたプラネタリウム装置は,恒星投映原板を透過する光により星像を投映する光学式投映機と,コンピュータにより生成される電子画像を投映する電子式投映機とを備えたプラネタリウム装置であって,光学式投映機からの投映を抑制する投映抑制手段と,光学式投映機から投映される星像のうち,電子式投映機からの電子画像とスクリーン上で重なり合う部分を抽出する星像抽出手段とを有し,投映抑制手段は,光学式投映機から投映される星像のうち,星像抽出手段にて抽出された部分の投映を抑制することを特徴としている。
すなわち,本発明のプラネタリウム装置は,光学式投映機で恒星や惑星等の星像を投映し,電子画像の投映が可能な電子式投映機で朝焼けや夕焼けの映像あるいは惑星や星座絵等の解説補助画像を投映する統合型のプラネタリウム装置である。光学式投映機は,ハロゲンランプやメタルハライドランプ等の高輝度の光源を備え,その光源からの光が恒星投映原板を介してスクリーン上に投映されるものである。そのため,解像度による制限がなく,かつ,高コントラストである。さらには,光学式投映機からの投映を抑制する投映抑制手段を備えている。光学式投映機からの投映を抑制するには,例えば電子シャッタを開閉したり,光源自体を電気的にオンオフする。
本発明のプラネタリウム装置では,電子式投映機からのデジタル画像と光学式投映機からの星像とが重なり合って投映されると不自然な映像となることから,星像領域抽出手段にて重複領域を抽出し,投映抑制手段にてその重複領域については光学式投映機による恒星等の投映を行わないようにする。つまり,電子式投映機の映像に応じて自動的に光学式投映機から投映される星像の一部を非投映にする。これにより,操作者の操作によることなく自然な映像が投映される。
星像抽出手段としては,例えば,光学式投映機から投映される星像のドーム座標を算出するとともに,電子式投映機から投映される電子画像の有効領域を算出し,星像のドーム座標と電子画像の有効領域とを照合することにより重なり合う部分を抽出する。そして,本発明のプラネタリウム装置では,このような制御を電子式投映機からのデジタル映像が切り換えられるたびに自動的に行う。これにより,電子式投映機からのデジタル映像に合わせて操作者が手動で恒星のオンオフを切り換えるといった必要はない。そのため,操作者の操作負担が軽減される。従って,操作者は,スムーズな操作を行うことができ,観客に不快感を与えることはない。
また,本発明のプラネタリウム装置の光学式投映機は,所定の等級以下の恒星をまとめて投映する一般恒星投映手段と,所定の等級以上の恒星を個々に投映する高輝星投映手段とを有し,遮光手段は,一般恒星投映手段からの光を2軸制御のシャッタにより遮光し,高輝星投映手段からの光をオンオフ制御のシャッタにより遮光することとするとよりよい。星野を構成する恒星のうち,所定の等級以上の恒星とそれ以外の一般恒星とによって投映手段を分けることでより細やかな制御が可能になる。さらに,一般恒星投映手段では,幾つかの恒星をまとめて投映しているため,2軸制御のシャッタを使用することで所望の領域の遮光を行うことができ,より細やかな制御が可能になる。
本発明によれば,高輝度の光源からの光によって星像を投映している。また,光学式投映機にて投映される星像のうち,電子式投映機にて投映されるデジタル映像と重なり合う部分については,遮光手段によって自動的に遮光している。よって,電子式投映機と光学式投映機とが協働するプラネタリウム装置であって,操作者の操作負担が軽く,不自然な映像の投映を抑止するとともに臨場感や没入感に優れたプラネタリウム装置が提供されている。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお,本実施の形態は,電子式投映機と光学式投映機とを備える統合型のプラネタリウム装置に本発明を適用したものである。
本形態のプラネタリウム装置100は,図1に示すようにドームスクリーン1と,その周縁に設置された電子式投映部11〜16と,その中央下に設置された光学式投映機20と,操作部5とを有している。操作部5は,ドームスクリーン1全体に投映される映像内容の設定を行うためのものである。各電子式投映部は,ドームスクリーン1上にデジタル映像を投映するものであり,それぞれ全天の星野のうち割り当てられた領域を担当している。そして,電子式投映部11〜16の協働により,ドームスクリーン1全体に星野の映像を投映している。すなわち,本形態のプラネタリウム装置100は,複数台の投映部11〜16により映像を投映する多眼式投映装置である。
また,本形態のプラネタリウム装置は,図2のブロック図に示すように統合制御部2と,複数の映像生成部からなる映像生成部群40と,映像調整部6と,電子式駆動制御部31と,光学式駆動制御部32とを備えている。統合制御部2は,操作部5からの命令等に従って,映像制御,音声制御,照明制御等を行うものである。さらには,ドームスクリーン1上に投映する1つの画像を6つの領域に分割するものである。映像生成部群40は,各映像生成部がそれぞれ電子式投映部11〜16に対応しており,それぞれの電子式投映部に対応した映像を生成するものである。映像調整部6は,6分割された領域のうち,重なり部分についての繋ぎ合わせ処理を行うものである。調整された映像は,各電子式投映部に送られてドームスクリーン1上に投映される。
操作部5は,グラフィカルユーザインタフェースを提供するするモニタ部や,スイッチないしボリューム等の入力手段が設けられた操作卓から構成されている。操作部2は,解説補助画像の選択やオート番組の実行操作を可能とする。また,操作部5のモニタ部51にて選択可能なものには,星座絵,星座線,極座標線等のいわゆる解説補助画像の他,観測時刻や観測地がある。なお,観測時刻の設定を行うためには,年月日および時分を入力する。観測地の設定を行うためには,緯度および経度を入力する。また,観測時刻の変更および観測地の変更は,操作部5にて実演中に行うことが可能である。
統合制御部2は,操作部5から発信される命令に従って,光学式駆動制御部32に対して恒星調光,複数軸駆動,本機上下稼動,電子シャッタ等の制御信号を出力する。また,予め幾つかの天文データを記憶させておき,操作部5にて設定された観測時刻および観測地を基に,その観測地上で見えるべき恒星,惑星,衛星等の天体像を抽出する。さらには,星座情報等の解説補助画像を抽出する。そして,抽出された天体あるいは解説補助画像の情報を映像生成部群40に出力する。各映像生成部では,送られてきた天体情報を基にドームスクリーン1上に投映する映像を作成し,映像信号として各電子式投映部11〜16へ出力する。また,統合制御部2は,電子式駆動制御部31に対して,電動絞り等の制御信号を出力する。
電子式投映部11〜16は,各映像生成部から発信される映像信号により,RGB映像素子や投映レンズを介し,夕焼け/朝焼け画像や解説補助画像等のデジタル画像をドームスクリーン1上に投映するものである。具体的には,液晶,DLP,DILAといったビデオプロジェクタが該当する。
光学式投映機20は,光源,一般の恒星(概ね1.5等星以下)を投映するための恒星投映筒,高輝星(概ね1.5等星以上)を投映するための高輝星投映筒などから構成されている。恒星や惑星を投映する各投映筒には,対象とする天体を投映するか否かの制御に供する遮光子(シャッター)が設けられている。
以下,光学式投映機20の具体例について図3を基に説明する。図3に示した光学式投映機20では,光源筒23と,複数の恒星投映筒22と,複数の高輝星投映筒24とが恒星球21に固定されている。光源筒23には,リフレクタ付きのメタルハライドランプ等の光源が備えられている。そして,各恒星投映筒22と光ファイバ25を介して接続されている。また光源筒23は,各高輝星投映筒24とも光ファイバ25を介して接続されている。各恒星投映筒22は,ドームスクリーン1上に恒星を投映するものであり,それぞれ全天の星野のうち割り当てられた領域を担当している。そして,各恒星投映器22の協働によりドームスクリーン1全体に星像を投映している。また,各高輝星投映筒24は,恒星投映筒22とは別に,上位等級の恒星のみを専用に投映するものである。この他,惑星,衛星,太陽等の投映を行う惑星用投映機が光学式投映機の周辺に設けられている。
高輝星投映筒24は,その胴部の球面部24aを恒星球21に配設された座24bに回動可能に保持されている。また,光源23の恒星球21内に向く投射口23aには恒星球21での投映において必要な数の光ファイバ25を束ねた集束部25aが接続されている。この光源23側の集束部25aは光源23からの光を各恒星投映筒22および各高輝星投映筒24に導くように個々に分岐され、分岐した先端はそれぞれ対応する各恒星投映筒22および各高輝星投映筒24に接続されている。
恒星投映筒22は,図4に示すように恒星原板220と,恒星原板220を挟んで背部と前部に位置する集光レンズ26および投映レンズ27とをそれぞれ配設している。また,集光レンズ26の背部には,光ファイバ25の先端が集光レンズ26の光軸上で光ファイバ25からの光を集光レンズ26に有効に取り込める位置に接続されている。また,恒星原板220には,恒星を意味する透過孔が投映すべき数(およそ300〜800個)開口している。
また,恒星投映筒22の射光口は,図5に示すように,恒星シャッタ70によって被覆されている。さらに,恒星シャッタ70の開閉によって遮光調節が行われる。具体的に恒星シャッタ70は,恒星投映筒22の投映光路を遮断する平板状の遮光板71と,この遮光板71を恒星投映筒22の光軸まわりに回転可能に保持する回転筒72と,遮光部材71を恒星投映筒22の投映光路を横断するように伸縮駆動する第1の駆動手段73と,回転筒72を回転駆動する第2の駆動手段74とを備えている。この恒星シャッタ70では,遮光板71が光軸まわりに回転可能であり,遮光板71の伸縮量が調節可能である。このことから,恒星シャッタ70は,恒星投映筒22の投映光路のうち,所望の範囲を遮光することができる。なお,恒星シャッタの詳細については,例えば,特開2001−109371号公報に開示されている。
高輝星投映筒24は,図6に示すように前端に投映レンズ29が設けられ,後部に光ファイバ25の分岐先端が接続されている。この接続された光ファイバ25の先端には高輝星原板240が貼り付けられている。また,高輝星投映筒24には,高輝星原板240と投映レンズ29との間に遮光子28が設けられており,高輝星の投映を遮蔽することができる。遮光子28は,投映レンズ29の光軸上で,光ファイバ25からの光束の広がりと同じ形状の円錐体をなして同心状態で位置するとともに,光軸方向の光ファイバ25側または投映レンズ29側の面が,光軸に垂直な横方向から半円面28aをなすように切除された形状になっている。また,高輝星投映筒24には,光軸と直交する回転軸30aを持ったアクチュエータ30を取り付け,その回転軸30aに遮光子28が固着されている。
高輝星投映筒24は,光ファイバ25からの光束が遮光子28によって遮られると投映ができない。一方,アクチュエータ30が働いて遮光子28が90°回転すると,半円面28aの中を光束が通るので投映できる。統合制御部2から発信される制御命令に従ってアクチュエータ30を駆動させることにより,高輝星の投映/非投映を制御することができる。
次に,光学式投映機20の遮光制御について説明する。まず,各投映機からの映像のドーム座標を算出する(S1)。光学式投映機20では,各恒星ないし惑星のドーム座標を算出する。一方,電子式投映部11〜16では,投映中の画像領域を抽出し,その領域のドーム座標を算出する。
次に,光学式投映機20からの星像のドーム座標と電子式投映部11〜16からの映像のドーム座標とを照合し,その重複部分を算出する(S2)。次に,光学式投映機20中,重複している恒星あるいは惑星を投映している投映筒を特定する(S3)。すなわち,遮光対象となる投映筒を特定する。
次に,遮光対象となった投映筒の遮光を行う(S4〜S7)。すなわち,遮光対象となった恒星投映筒22では,遮光対象となる画像領域を基に遮光板71の駆動量を算出する(S4)。そして,算出した駆動量に従って,所望の画像領域の遮光を行う(S5)。また,遮光対象となった高輝星投映筒24では,遮光子28を回転させてその高輝星を非投映とする(S6)。また,遮光対象となった惑星用投映機でもシャッタを閉口してその惑星等を非投映とする(S7)。S4〜S7の処理の後,本遮光制御処理を終了する。
本遮光制御処理を,例えば観測時刻の変更,観測地の変更時のたびに,すなわち電子式投映部11〜16によるデジタル画像の投映領域が切り換わるたびに行う。これにより,デジタル画像の投映領域の変動に連動して自動的に光学式投映機20から投映される星像が更新される。
このような制御を行うと,ドーム面において光学式投映機20による星像と,電子式投映部11〜16による映像とが重なりあった際に,不自然な映像を回避することができる。例えば,月面パノラマを表示している場合,月面パノラマや宇宙船の映像の上に星像が重なり合うため,図8(A)に示すように不自然な映像となることがある。そのため,不自然な部分を取り除き,図8(B)に示すような自然な映像とするために,従来のプラネタリウム装置では重なり合っている部分の星像を手動で遮光する必要がある。一方,本形態のプラネタリウム装置100では,重なり合っている部分の星像を自動的に遮光するため,操作者による遮光操作は不要である。
同様に,宇宙船から地球像を見る演出を行う場合,図9(A)に示すように地球の映像の上に星像が重なり合った際に不自然な映像になってしまう。そのため,本形態のプラネタリウム装置では,前述した遮光制御を行うことによって図9(B)に示すように地球像と重なり合っていた星像を自動的に非投映としている。また,例えば天文台内部から星空を眺める場合,図10(A)に示すように天文台の映像の上に星像が重なり合った際に非常に不自然な映像になってしまう。そのため,本形態のプラネタリウム装置のように,重なり合っている星像を自動的に遮光し,図10(B)に示すような自然な映像を投映することは,臨場感や没入感を維持するためには重要である。
以上詳細に説明したよう本形態のプラネタリウム装置100は,光学式投映機の光源としてリフレクタ付きのメタルハライドランプ等を使用することとしている。そのため,高コントラストであり,解像度による制限がない。よって,美しい星像を投映することができ,没入感を損なわない。
また,本形態のプラネタリウム装置100は,統合制御部2によって光学式投映機20から投映される星像のうち,電子式投映部11〜16によるデジタル映像と重なり合う部分を抽出することとしている。そして,光学式投映機20のうち,抽出された領域を投映している恒星投映筒22,高輝星投映筒24あるいは惑星用投映機を非投映とすることとしている。これにより,不自然な映像の投映を回避することができる。そして,このような制御を各電子式投映部からのデジタル映像の投映領域が切り換えられるたびに自動的に行う。これにより,各電子式投映部からのデジタル映像に合わせて操作者が手動で恒星のオンオフを切り換えるといった必要はない。そのため,操作者の操作負担が軽減される。よって,操作者は,スムーズな操作を行うことができ,観客に不快感を与えることはない。
従って,電子式投映機と光学式投映機とが協働するプラネタリウム装置であって,操作者の操作負担が軽く,不自然な映像の投映を抑止するとともに臨場感や没入感に優れたプラネタリウム装置が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,本実施の形態ではプラネタリウム装置に本発明を適用しているが,これに限るものではない。すなわち,平面スクリーンに投映するビデオ映像投映装置であってもよい。
また,本実施の形態では,複数台の電子式投映機(多眼式)をドームスクリーン1の周縁に設置し,これらの投映機によってデジタル画像を投映しているが,これに限るものではない。例えば,魚眼レンズを備えた1台の電子式投映機(単眼式)によりデジタル画像を投映してもよい。
また,本実施の形態では,遮光子28によって高輝星投映機24からの投映を抑制しているが,投映を抑制する手段はこれに限るものではない。すなわち,投映するか否かのオンオフ制御であれば,遮光子やシャッターに限らず,例えば光源(ハロゲンランプ等)を電気的にオンオフするものであってもよい。
1 ドームスクリーン
2 統合制御部(星像抽出手段)
5 操作部
11〜16 電子式投映部(電子式投映機)
20 光学式投映機(光学式投映機)
22 恒星投映筒(一般恒星投映手段)
23 光源筒
24 高輝星投映筒(高輝星投映手段)
28 遮光子(投映抑制手段)
31 電子式駆動制御部
32 光学式駆動制御部
70 恒星シャッタ(投映抑制手段)
100 プラネタリウム装置(プラネタリウム装置)
2 統合制御部(星像抽出手段)
5 操作部
11〜16 電子式投映部(電子式投映機)
20 光学式投映機(光学式投映機)
22 恒星投映筒(一般恒星投映手段)
23 光源筒
24 高輝星投映筒(高輝星投映手段)
28 遮光子(投映抑制手段)
31 電子式駆動制御部
32 光学式駆動制御部
70 恒星シャッタ(投映抑制手段)
100 プラネタリウム装置(プラネタリウム装置)
Claims (3)
- 恒星投映原板を透過する光により星像を投映する光学式投映機と,コンピュータにより生成される電子画像を投映する電子式投映機とを備えたプラネタリウム装置において,
前記光学式投映機からの投映を抑制する投映抑制手段と,
前記光学式投映機から投映される星像のうち,前記電子式投映機からの電子画像とスクリーン上で重なり合う部分を抽出する星像抽出手段とを有し,
前記投映抑制手段は,前記光学式投映機から投映される星像のうち,前記星像抽出手段にて抽出された部分の投映を抑制することを特徴とするプラネタリウム装置。 - 請求項1に記載するプラネタリウム装置において,
前記星像抽出手段は,前記光学式投映機から投映される星像のドーム座標を算出するとともに,前記電子式投映機から投映される電子画像の有効領域を算出し,星像のドーム座標と電子画像の有効領域とを照合することにより重なり合う部分を抽出することを特徴とするプラネタリウム装置。 - 請求項1または請求項2に記載するプラネタリウム装置において,
前記光学式投映機は,
所定の等級以下の恒星をまとめて投映する一般恒星投映手段と,
所定の等級以上の恒星を個々に投映する高輝星投映手段とを有し,
前記遮光手段は,前記一般恒星投映手段からの光を2軸制御のシャッタにより遮光し,前記高輝星投映手段からの光をオンオフ制御のシャッタにより遮光することを特徴とするプラネタリウム装置。
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