JP2006207931A - 加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱室内での蒸気の充満状態を制御して蒸気充満の下でマイクロ波を利用して被加熱物を高速にかつ均一に加熱する使い勝手の良い加熱装置を提供する。
【解決手段】被加熱物を収納する加熱室10、マイクロ波を放射するマイクロ波供給手段19、異なる消費電力により動作する加熱手段29a、29bを有する蒸気供給手段29、制御手段39を有し、すべての加熱手段29a、29bを動作させて蒸気を加熱室10内全体に高速に充満させた時点でマイクロ波供給手段19の動作を開始するとともにマイクロ波供給手段19の動作中に充満度を維持させように加熱手段を動作させることで、加熱室10内でのマイクロ波の伝搬速度を遅くし、加熱室10空間に生じるマイクロ波分布をきめ細やかな分布にして、被加熱物を加熱ムラなく高速にうるおい加熱する。
【選択図】図2

Description

本発明は、被加熱物をマイクロ波と蒸気を用いて加熱する加熱装置に関するものである。
この種の加熱装置の代表である電子レンジは、被加熱物を直接的に加熱できるので、鍋、釜を準備する必要がない簡便さでもって生活上の不可欠な機器になっている。また、この電子レンジのマイクロ波加熱の特徴は、加熱エネルギを食品内部にまで供給できることであり、この特徴を冷凍食品の解凍に利用するということで冷凍食品が大量に流通してきた。
電子レンジは、被加熱物を収納する加熱室の大きさが大概、幅寸法および奥行き寸法がそれぞれ30〜40cm、高さ寸法が20cm前後である。一方、使用しているマイクロ波の波長は約12cmであり、加熱室内には強弱の電界分布が必ず生じ、さらには、被加熱物の形状やその物理特性の影響が相乗されて局所加熱が発生することがある。特に、冷凍食品の解凍においては、氷が解けて水になった領域に加熱エネルギが集中するので、局所加熱現象が顕著に現れ、部分煮えと未解凍とが共存してしまう問題を有している。
この局所加熱を抑制する方法としては、被加熱物を回転させる方式、庫内の電波を攪拌するスターラー方式あるいは電波を放射するアンテナを回転させる方式などが提案され実用されているが、被加熱物が多岐に亘るこの種の加熱装置においては局所加熱の抑制に対してのさらなる要望がある。
一方、電子レンジに蒸気を取り入れたものがある。従来のこの種の加熱装置は、加熱室に収納できる調理物収納容器に貯水部を有し、この貯水部の水をマイクロ波によって加熱沸騰させて生じる蒸気を利用して加熱調理するものもある(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−296855号公報
しかしながら、前記従来の構成では、貯水部が加熱室内に設けられているため、マイクロ波エネルギが貯水部に吸収されるので、調理物を効率よく加熱することができない。また、ほどなく蒸気が発生して調理物に降り注がれると調理物表面への蒸気の結露により、調理物内部へのマイクロ波の浸透が低下し、調理物内部は表面からの伝熱によって加熱されることになる。従って、このような加熱形態ではマイクロ波による調理物内部の加熱の促進が困難であり、短時間加熱できない課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、加熱室内での蒸気の充満状態を制御して蒸気充満の下でマイクロ波を利用して被加熱物を高速にかつ均一に加熱する使い勝手の良い加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段と、複数の消費電力により動作する加熱手段を有し前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記マイクロ波供給手段と蒸気供給手段との動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、マイクロ波供給手段を動作する前に、前記加熱手段を最大の消費電力で動作させて加熱室内を所望の蒸気充満状態に制御するものである。
これによって、加熱室内に蒸気を充満させた状態の下で供給されたマイクロ波は伝搬速度が遅くなり、この速度の遅いマイクロ波によって形成される加熱室内のマイクロ波分布で被加熱物の加熱の均一化を促進することができる。
本発明の加熱装置は、蒸気充満の下でマイクロ波を供給することで伝播速度が遅くなったマイクロ波により被加熱物の内部を加熱ムラ無く加熱するとともに、被加熱物の表面には蒸気熱を供給することで被加熱物を高速に加熱ムラなく加熱することができ、蒸気を利用した使い勝手の良い高速加熱ができる。
第1の発明は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段と、複数の消費電力により動作する加熱手段を有し前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記マイクロ波供給手段と蒸気供給手段との動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、マイクロ波供給手段を動作する前に、前記加熱手段を最大の消費電力で動作させて加熱室内を所望の蒸気充満状態に制御する。これにより、加熱室内に蒸気を充満させた状態の下で供給されたマイクロ波は伝搬速度が遅くなり、この速度の遅いマイクロ波によって形成される加熱室内のマイクロ波分布で被加熱物の加熱の均一化を促進することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、加熱手段を最大の消費電力で動作させる時間は、加熱室の容積に対応させて決定したことにより、マイクロ波加熱を開始する時点で加熱室内を所望の蒸気充満状態にして加熱室内を伝搬するマイクロ波の伝搬速度を遅くし、この速度の遅いマイクロ波によって形成される加熱室内のマイクロ波分布で被加熱物の加熱の均一化を確実に促進することができる。
第3の発明は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段と、複数の消費電力により動作する加熱手段を有し前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記マイクロ波供給手段と蒸気供給手段との動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、蒸気供給手段を動作させて加熱室内を所望の蒸気充満状態にした後のマイクロ波供給手段の動作中に、加熱室内の蒸気充満状態を維持させるために前記加熱手段を最小の消費電力で動作するように制御する。これにより、蒸気充満状態の下で被加熱物の内部はマイクロ波で加熱し、被加熱物の表面からは蒸気の凝縮熱を含む蒸気熱によって加熱することで加熱ムラを抑制しつつ被加熱物を加熱するとともに、マイクロ波を許容できる電源容量の中での最大出力でもって動作させて高速加熱を行うことができる。
第4の発明は、特に、第3の発明において、加熱手段の最小の消費電力は、マイクロ波供給手段の出力電力が500W以上となる消費電力としたことにより、蒸気を供給しつつ被加熱物の内部を効率よく加熱して被加熱物を高速に仕上げることができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、加熱室に気流を循環させる循環手段を付加し、蒸気供給手段の蒸気噴出部の上方に循環手段の吸込口を配置させたことにより、循環手段を動作させることで蒸気を吸込口から吸込み加熱室内に吹き出し、加熱室内全体に蒸気を拡散させることができる。
第6の発明は、特に、第5の発明において、加熱手段を所定時間動作させた後、循環手段を動作させるように制御したことにより、蒸気が吹き出し始めるまでの所定時間を経てから循環手段を動作させることで、蒸気を加熱室内に確実に拡散させ、被加熱物の収納位置によらず被加熱物を効果的に加熱する状態を形成できる。
第7の発明は、特に、第6の発明において、所定時間は、加熱手段の消費電力に対応させて決定したことにより、蒸気が加熱室内に供給され始めた後に循環手段の動作を開始することで加熱室内への蒸気の拡散を効果的に行うことができる。
第8の発明は、特に、第1の発明において、蒸気供給手段が最大の消費電力で動作できる時間は、蒸気供給手段の温度によって決定したことにより、蒸気供給手段の異常加熱を抑制して安全な動作を保証することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図3は、本発明の実施の形態1における加熱装置を示している。
図1、図2に示すように、被加熱物を収納する加熱室10は、マイクロ波を閉じ込めることができる金属材料の境界面である左壁面11、右壁面12、底壁面13、上壁面14、奥壁面15および加熱室内を透視できるパンチング板16と、被加熱物を加熱室10内に出し入れする開閉扉17とで構成し、加熱室10の底には被加熱物を載置する誘電材料からなる載置板18を配置している。載置板18の下方の底壁面13は、凹状に絞り加工した構成とし、その略中央にマイクロ波供給手段の構成要素の一つであるマイクロ波を放射する回転式の放射手段19を配する。また、底壁面13の加熱室10の外にはマイクロ波を伝搬する導波管20を配する。導波管20の一端にはマイクロ波供給手段の構成要素の一つであるマイクロ波発生手段(図示せず)を配する。このマイクロ波発生手段が発生するマイクロ波は、導波管20を伝搬して、放射手段19に導かれる。放射手段19は、底壁面13に設けた開孔を貫通してモータ21の出力軸に嵌合組立しており、モータ21を動作させることで放射手段19を回転駆動する。
放射手段19は、上面が略扇形形状とし、マイクロ波の伝搬を抑制する側壁面19aを持ち、さらに底壁面13に略平行な面を有する。この面には放射手段19を底壁面13から所定の間隔で保持させる絶縁部材を備える。放射手段19は、このような構成とすることで扇形形状の広がり方向に指向性を有する放射特性としている。
また、放射手段19の扇形形状の広がり方向を検出するための回転位置検出手段22を配する。この回転位置検出手段22は、例えば、モータ21の出力軸に設けた位置検知用突起部が当接することで開閉する開閉手段にて構成している。
また、本加熱装置は蒸気供給手段29を設けている。この蒸気供給手段の構成は以下の通りである。加熱室10の底の奥側には凹状に絞り加工した蒸発部23を配する。装置の左側には着脱式の貯水部24、貯水部24の水を給水する給水手段25および給水管26を収納しており、給水手段25を動作することで給水口27から蒸発部23に水を給水する。また、蒸発部23の下方には、蒸発部23の底面を形成する金属板28を加熱する蒸気発生用の加熱手段を配する。この蒸気発生用の加熱手段は、アルミダイキャスト構造とし、複数の消費電力により動作する加熱手段29a、29bを埋め込んだ構成としている。各加熱手段29a、29bのそれぞれの消費電力は、例えば、400Wと600Wである。蒸発部23に給水された水は、蒸気発生用の加熱手段の少なくとも1つの加熱手段を動作させることで加熱昇温され蒸気化される。
また、蒸発部23の上面には気化した蒸気を噴出する蒸気噴出部30aを構成する複数の噴出口を有した蒸発部カバー30を配する。この蒸発部カバー30は、セラミック材で構成している。
また、本加熱装置は加熱室10内で空気(高温空気)を循環させる循環手段を設けている。この循環手段は、加熱室10の奥壁面15の上下に設けた複数の吹出口31および奥壁面15の略中央に設けた複数の吸込口32、奥壁面15の裏側に配した回転翼33、回転翼33の周囲に配した加熱手段の一つである熱放射手段34および回転翼33を回転駆動するモータ35などから構成している。そして、循環手段の吸込口32は、蒸発部23で気化した蒸気が吹き出す蒸気噴出部30aの上方位置に配置させている。なお、蒸気の吹き出す位置は、蒸気ガイドなどを用いることで別の場所に配設しても構わない。
また、マイクロ波発生手段であるマグネトロンを動作させるインバータ駆動電源部(図示せず)を配する。さらに加熱室10内の雰囲気温度を検出する温度検出手段36、被加熱物の表面温度を検出する第2の温度検出手段である非接触温度検出手段37および加熱手段のアルミダイキャスト構成のブロック温度を検出する第3の温度検出手段(熱電対やサーミスタなど)38を付帯させている。制御手段39は、操作部からの加熱情報の入力信号や各種検出手段の検出信号に基づいて装置全体の各構成要素(マイクロ波供給手段、モータ21、給水手段25、蒸気発生用の加熱手段29、熱放射手段34および回転翼33を回転駆動するモータ35)の動作をそれぞれ制御する。
また、被加熱物を載置する着脱自在なオーブン皿や網皿を備えている。また、オーブン皿や網皿を加熱室10内の所定の高さ位置に収納するレーン40、41を加熱室10の左壁面11および右壁面12に配している。
以上のように構成された加熱装置について、以下その動作、作用を説明する。
まず、マイクロ波供給手段を動作させるまでの蒸気供給手段29の制御について説明する。給水手段25を動作させて蒸発部23に所定量の水を注水すると同時に、蒸気発生用の加熱手段29a、29bは、すべてを動作状態とする。このときの注水量は、加熱室10の容積と加熱手段29の動作時の総消費電力とに基づいて予め決定している。
加熱手段29の総消費電力が1000Wの場合、蒸発可能な水量は、毎分約20ccであり、注水量は、多くても20cc、好ましくは15cc程度を注水する。
この条件の下で加熱手段29の動作を開始すると、約10〜15秒後に蒸気が発生し始めて加熱室10内の上方側に蒸気が充満し、徐々に加熱室10内全体に充満していき、約30秒後に加熱室10の下方の底部(通常、被加熱物が収納される領域)まで蒸気が充満する。図3は、上述した蒸気拡散の状態を模式的に示したものである。すなわち、図3において蒸発した蒸気は矢印50で示す方向に上昇し加熱室10の上方に充満する。そして、蒸発が継続されることで蒸気は徐々に加熱室10の底部側に充満していく(矢印51で示す)。
蒸気が加熱室10内の底部にまで充満拡散した時点でマイクロ波供給手段の動作を開始する。加熱室10内に蒸気を充満させた状態でその加熱室10空間にマイクロ波を供給すると、マイクロ波の伝搬速度は、空気の場合に比べて遅くなる。この伝搬速度は、マイクロ波が伝搬する空間の蒸気充満度が大きくなるほど、すなわち、その空間の比誘電率が大きくなるほど遅くなる。伝搬速度が遅くなると見かけ上の伝搬波長は短くなり、加熱室10の空間に生じるマイクロ波分布はきめ細やかな分布になり、被加熱物の表面にはこのきめ細やかなマイクロ波が入射することで加熱ムラを抑制できる。
なお、蒸気充満による空間の比誘電率は、3から10程度が最適である。蒸気充満度を高めていくとその空間の比誘電率はさらに大きくできるが、空間に漂う蒸気がマイクロ波を吸収して発熱するので、被加熱物が受熱するエネルギが減少することになる。
蒸気供給手段29を複数の消費電力を有する加熱手段29a、29bで構成し、蒸気供給の初期に全ての加熱手段を動作させることで、加熱室10内全体に蒸気を短時間に充満させることができる。そして、上述したきめ細やかなマイクロ波分布の形成を短時間に実現させ、蒸気環境下で被加熱物の表面から潤いを与えつつ、被加熱物の内部をマイクロ波加熱し、被加熱物を高速に加熱仕上げを行うことができる。
このように、加熱手段を所定時間動作させた後、マイクロ波供給手段を動作させるように制御したことにより、加熱室内が所定の蒸気充満状態の中でマイクロ波加熱することで被加熱物をより均一に加熱することができる。
次に、きめ細やかなマイクロ波分布を維持させるために、マイクロ波供給手段の動作中における蒸気供給手段29の制御について説明する。マイクロ波供給手段の動作中は、複数の消費電力を有する加熱手段29a、29bのうちで最小の消費電力で動作する加熱手段のみを動作させる。このときの最小の消費電力は、マイクロ波加熱の特徴である被加熱物をスピード加熱することを効果的に実現させるためにマイクロ波供給手段の出力電力は500W以上が得られる消費電力としている。
すなわち、家庭用の商用電源容量(1500W)においては、蒸気供給手段29を構成する加熱手段の最小の消費電力は400Wを上限として選択することで、残りの許容された商用電源容量(1100W)において、マイクロ波供給手段は500W以上の出力電力を発生させることができる。
次に、加熱室の容積に対する蒸気発生量との関係を少し詳しく説明する。水1ccが気化すると体積は約1.7リットルになる。加熱室の容積を30リットルとすると、加熱室全体を蒸気で充満させるには、単純計算で水17.6ccを気化させる必要がある。
また、加熱室10内に充満した蒸気は、気密性が高いとその充満度を維持できるが、たとえば市販されているオーブンレンジのごとき筐体構造においては、気密性が低く、毎分約5リットル程度の空気入れ換えがある。
さらには、加熱室10内に充満する蒸気により加熱室内の温度が上昇し気体膨脹が生じること、および加熱室内での蒸気と空気の流れの影響により、30リットル程度の容積を有する加熱室では、加熱室の底面に収納した被加熱物の周辺に蒸気が拡散する時間は、蒸気供給手段29を1000W動作させた場合、約30秒であった。すなわち、蒸気供給手段29の全ての加熱手段29a、29bの動作を開始して、約30秒後にマイクロ波供給手段を動作させることで、加熱室10内にはきめ細やかなマイクロ波分布を確実に形成し、そのマイクロ波分布の下で被加熱物の加熱の均一化を促進させることができた。
また、充満度を維持するために、空気入れ換え分(約5リットル/分)を補うべく、最低必要な水量の2倍相当の6cc/分以上の水を蒸気化させる。本実施の形態では、最低の消費電力を400Wとした加熱手段を動作させて、充満度を維持させている。
この充満状態を維持させて、きめ細やかなマイクロ波分布の形成を維持するとともに500W以上の大きなマイクロ波出力でもって被加熱物を高速かつ均一かつ潤いを与える加熱をすることができた。
なお、蒸気供給手段29を最大の消費電力で動作できる時間は、第3の温度検出手段38が検出する蒸気供給手段29の温度に基づいて決定させている。これにより、蒸気供給手段29の異常加熱を抑制して安全な動作を保証することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における加熱装置を示している。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態において実施の形態1と相違する点は、加熱室10内への蒸気の拡散に循環手段を利用した点である。すなわち、図4において、蒸発部23から蒸発した蒸気は矢印50の方向に上昇し加熱室10の上方に充満する。蒸発部23における上方の奥壁面15の略中央には循環手段の吸込口32を設けている。この状態で、循環手段を動作させると循環手段は、中央の吸込口32から加熱室10内の空気と蒸気を吸い込み(矢印52で示す)、上下に設けた吹出口から吸い込んだ蒸気を含む空気を加熱室10内に吹き出す(矢印53、54で示す)。そして、上側の吹出口から吹き出した蒸気を含む空気により、加熱室10の上方に充満している蒸気が加熱室10内に拡散し(矢印55で示す)、下側に設けた吹出口から吹き出した蒸気を含む空気により加熱室10の底部に蒸気を拡散させる(矢印56で示す)。これにより、加熱室10内全体に蒸気をより短時間に拡散させることができる。
蒸気を加熱室10内に短時間に拡散させることで、きめ細やかなマイクロ波分布を形成できる環境を短時間に構築できるので、通常のマイクロ波加熱による加熱時間に近い加熱時間でもって被加熱物の均一加熱化の促進とうるおい加熱を実現できる。
また、蒸気が吹き出し始めるまでの所定時間を経てから循環手段を動作させ蒸気を加熱室内に確実に拡散させることで、被加熱物の収納位置によらず被加熱物を効果的に加熱する状態を形成できる。
なお、吹出口は図1に示したように蒸発部23を回避した領域に配置している。また、循環手段を動作させるタイミングは、複数の加熱手段で構成した蒸気供給手段29の総消費電力に対応させた所定時間を予め設定する。そして、蒸気供給手段29の動作開始からの所定時間経過後に循環手段を動作させることで上述した蒸気拡散を確実に実行させることができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における加熱装置を示している。実施の形態1、2と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態において実施の形態2と相違する点は、加熱室10内への蒸気の拡散に使用する循環手段の動作タイミングである。すなわち、図5において、蒸発部23から蒸発した蒸気が矢印50の方向に上昇し始めるタイミングで循環手段の動作を開始する。この状態で、循環手段を動作させると循環手段は、中央の吸込口から加熱室10内の空気と蒸気を吸い込み(矢印57で示す)、上下に設けた吹出口から吸い込んだ蒸気を含む空気を吹き出す(矢印58、59で示す)。そして、上下側の吹出口から吹き出した蒸気を含む空気により、加熱室10内に蒸気を拡散させる(矢印60、61で示す)。これにより、加熱室10内全体に蒸気をさらに短時間に拡散させることができ、きめ細やかなマイクロ波分布を形成できる環境をさらに短時間に構築できるので、通常のマイクロ波加熱による加熱時間に匹敵する加熱時間でもって被加熱物の均一加熱化の促進とうるおい加熱を実現できる。
なお、加熱室筐体の気密性が高くない場合は、循環手段を間欠動作させて蒸気の加熱室外への排出を低減させる方法を採用するのが望ましい。
また、発生した蒸気を循環手段の経路を経て加熱室内に供給させる場合、加熱室内の蒸気の充満分布はより均一化される一方で充満度を高く維持させることは難しい。従って、この方法は、マイクロ波分布をきめ細やかにすることを主目的とした被加熱物の高速加熱に利用すると最大の効果を発揮できる。
なお、以上に説明した実施の形態では、蒸気供給手段の加熱手段は消費電力が異なる二つの例で説明したが三つ以上の配設でも構わないし、被加熱物の加熱条件に対応させてそれぞれの実施の形態を自由に組み合わせて実施することができる。
以上のように、本発明にかかる加熱装置は、蒸気をマイクロ波に作用させて被加熱物を加熱ムラ無く高速に、かつうるおいを与えつつ加熱するようにしたもので、食品加熱、解凍装置、陶芸加熱装置、乾燥装置あるいは生体化学反応装置などの用途に適用できる。
本発明の実施の形態1における加熱装置の平断面図 同加熱装置の側断面図 同加熱装置の加熱室内に蒸気を拡散させる方法を示す模式図 本発明の実施の形態2における加熱装置の加熱室内に蒸気を拡散させる方法を示す模式図 本発明の実施の形態3における加熱装置の加熱室内に蒸気を拡散させる方法を示す模式図
符号の説明
10 加熱室
19 放射手段(マイクロ波供給手段)
29 蒸気供給手段
29a、29b 加熱手段
30a 蒸気噴出部
31 吹出口(循環手段)
32 吸込口(循環手段)
33 回転翼(循環手段)
35 モータ(循環手段)
38 第3の温度検出手段
39 制御手段

Claims (8)

  1. 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段と、複数の消費電力により動作する加熱手段を有し前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記マイクロ波供給手段と蒸気供給手段との動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、マイクロ波供給手段を動作する前に、前記加熱手段を最大の消費電力で動作させて加熱室内を所望の蒸気充満状態に制御した加熱装置。
  2. 加熱手段を最大の消費電力で動作させる時間は、加熱室の容積に対応させて決定した請求項1に記載の加熱装置。
  3. 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段と、複数の消費電力により動作する加熱手段を有し前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記マイクロ波供給手段と蒸気供給手段との動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、蒸気供給手段を動作させて加熱室内を所望の蒸気充満状態にした後のマイクロ波供給手段の動作中に、加熱室内の蒸気充満状態を維持させるために前記加熱手段を最小の消費電力で動作するように制御した加熱装置。
  4. 加熱手段の最小の消費電力は、マイクロ波供給手段の出力電力が500W以上となる消費電力とした請求項3に記載の加熱装置。
  5. 加熱室内に気流を循環させる循環手段を付加し、蒸気供給手段の蒸気噴出部の上方に循環手段の吸込口を配置させた請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱装置。
  6. 制御手段は、加熱手段を所定時間動作させた後、循環手段を動作させるように制御した請求項5に記載の加熱手段。
  7. 所定時間は、加熱手段の消費電力に対応させて決定した請求項6に記載の加熱装置。
  8. 蒸気供給手段が最大の消費電力で動作できる時間は、蒸気供給手段の温度によって決定する請求項1に記載の加熱装置。
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JP2010159920A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Sharp Corp 蒸気発生装置及び加熱調理器

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