JP2006207126A - 通気断熱構造を備えた建築物の室内環境制御方法 - Google Patents

通気断熱構造を備えた建築物の室内環境制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】気象条件にかかわらず、室内環境を良好な状態に維持することができる室内環境制御方法を提供する。
【解決手段】断熱材からなる壁構造材10と透湿作用を有する室内壁14との間に、内部通気層18が戸外に連通して設けられた床下空間23と屋根裏30に連通して設けられると共に、床下空間23と内部通気層18との連通状態、および屋根裏30と戸外との連通状態が外気温に応じて自動的に制御される通気断熱構造を備えた建築物の室内環境を制御する方法であって、床下空間23に連通して除湿機52を設けると共に、室内から戸外に内気を排出する排気ファン54を設け、室内と内部通気層18の温度および湿度を常時計測すると共に、コントローラ44により室内と内部通気層18の水蒸気分圧を検知し、室内の水蒸気分圧が内部通気層の水蒸気分圧を常に上回るように加湿機50あるいは排気ファン54の作動を制御することによって室内環境を維持する。
【選択図】 図2

Description

本発明は通気断熱構造を備えた建築物の室内環境制御方法に関し、より詳細には、除湿機あるは排気ファンの作用を利用して、通気断熱構造を備えた建築物の室内環境をより的確に良好な状態に維持することを可能にする室内環境制御方法に関する。
本発明者は、外気を建物の通気層にとり入れることにより、木材等の構造材の蒸れを防止して建築物の耐久性を高め、住環境を好適に維持することを可能にしたいわゆる通気断熱構造を備えた建築物について提案した(特許文献1、2参照)。この通気断熱構造は、建築物の壁構造材の外側と内側に沿って外部通気層と内部通気層とを設け、季節等に応じて外部通気層と内部通気層の通気を制御するとともに、室内壁(壁面)の吸排湿作用と換気作用を利用して室内住環境を好適に維持するものである。
通気断熱構造においては、たとえば夏期のように外気温が高い場合には、外部通気層と内部通気層を通気させ、室内の熱気と湿気を通気層を介して戸外に排出させ、また床下の冷気を利用することにより室内を快適な環境に維持し、冬期のように外気温が低くなる場合には、外部通気層と内部通気層の通気を阻止して、断熱構造により通気層を保温層として作用させ、また床下の地熱を利用することにより、室内を暖かく快適な環境に維持することができる。
特開平11−181901号公報 特開2000−336788号公報
上述した通気断熱構造を備えた建築物において、通気層での通気を制御することによって室内を快適な環境に維持するためには、室内と通気層との間、具体的には室内壁と通気層との間で吸湿作用と透過(換気)作用が生じるように室内壁を形成する必要がある。すなわち、通気断熱構造においては、室内壁が吸湿作用、換気作用を有することを前提として、外部通気層と内部通気層の通気を制御することにより、室内から室外へ熱気や湿気を排出させて室内環境を快適な環境に維持するものである。
しかしながら、室内壁を介して通気層と室内との間で生じる吸湿作用および換気作用は、通気層と室内との間で温度差や湿度差が生じた場合に、温度や湿度を平準化させようとする自然作用によるものであるから、気象条件によっては室内環境が必ずしも意図した状態にならないことが起こり得る。たとえば、梅雨の時期などで集中的に雨が降って、一時的に戸外が高温多湿状態になったような場合には、室内の方が戸外よりも低湿度となって、外部通気層や内部通気層で通気させる場合に、室外へ熱気や湿気を排出する状態にならないといったことが起こり得る。
本発明は、通気断熱構造を利用して室内環境を維持する際に、気象条件によっては一時的にせよ室内環境を維持する作用が不十分になることがあり得ることに鑑み、通気断熱構造を備えた建築物で、さらに確実にかつ信頼性の高い状態で室内環境を維持制御することができる室内環境制御方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、断熱材からなる壁構造材と透湿作用を有する室内壁との間に内部通気層が設けられ、該内部通気層が、戸外に連通して設けられた床下空間と屋根裏に連通して設けられるとともに、前記床下空間と前記内部通気層との連通状態、および前記屋根裏と戸外との連通状態が外気温に応じて自動的に断続制御される通気断熱構造を備えた建築物の室内環境を制御する方法であって、前記床下空間に連通して除湿機を設けるとともに、室内から戸外に内気を排出する排気ファンを設け、前記室内と前記内部通気層における温度および湿度を常時計測するとともに、コントローラにより前記室内と内部通気層の温度および湿度から各々の水蒸気分圧を検知し、前記室内の水蒸気分圧が前記内部通気層の水蒸気分圧を常に上回るように前記除湿機あるいは排気ファンの作動を制御して室内環境を維持することを特徴とする。
また、前記室内に加湿機を設け、前記コントローラにより前記加湿器を制御して室内環境を、湿度40%〜60%の快適な環境に制御することを特徴とする。
また、前記コントローラは、前記室内と前記内部通気層との水蒸気分圧差が0.2mmHgとなった時点で前記除湿機または前記排気ファンを作動させ、前記水蒸気分圧差が0.4mmHgとなった時点で前記除湿機または前記排気ファンの作動を停止させるように制御することにより、除湿機と排気ファンの作動を最小限として、室内環境を常に良好な状態に維持することが可能になる。
また、前記床下空間と内部通気層とを連通する開口部、および前記屋根裏と戸外とを連通する開口部に、形状記憶合金からなるバネ材と通常のスプリングとを組み合わせて形成されたモジュールを利用して外気温に応じて連通状態を断続する自動開閉器を設け、内部通気層での通気状態を外気温に応じて自動制御することを特徴とする。自動開閉器を利用することにより、季節や気象条件の変動に容易に対応して建築物内の通気状態を制御することができ、室内環境を簡単に、常時良好な状態に維持することが可能になる。
本発明に係る室内環境制御方法によれば、コントローラによって室内と内部通気層との水蒸気分圧差を常時監視し、水蒸気分圧差が一定程度以下となるときは、除湿機あるいは排気ファンを作動させることにより、室内と内部通気層との間で一定の水蒸気分圧差が生じるように制御するから、気象条件によっては、自然作用を利用する通気断熱構造では、室内壁を介する透湿作用、透過(換気)作用が不十分となる場合でも、透湿、透過(換気)作用を補完して、室内環境を常に良好な状態に維持することが可能になる。
以下、本発明の好適な実施の形態を、添付図面にしたがって詳細に説明する。
(通気断熱構造)
はじめに、本発明に係る室内環境制御方法を適用する、いわゆる通気断熱構造を備えた建築物の基本構造を図1にしたがって説明する。
図1に示す建築物は、断熱材からなる壁構造材10の外側に、壁構造材10との間に通気層を設けて外壁12を設置し、壁構造材10の内側に、壁構造材10との間に通気層を設けて室内壁14を設置した構造を備える。壁構造材10に沿って外壁12と壁構造材10とによって挟まれて形成された部位が外部通気層16であり、壁構造材10と室内壁14とによって挟まれて形成された部位が内部通気層18である。
外壁12の上下端と壁構造材10との間は開口して設けられるが、外壁12の下端と壁構造材10との開口部には自動開閉器17が設けられている。この自動開閉器17は外部通気層16における通気を制御するために設けられているものであり、外壁12と壁構造材10との間に形成された外部通気層16と外部とを連通させあるいは連通を遮断する作用をなす。本実施形態においては、形状記憶合金からなるバネ材と通常のスプリングとを組み合わせて形成したモジュールを用いて自動開閉器17がON-OFF駆動され、夏期のように外気温が高いときには開口し、冬期のように外気温が低いときには閉止するように設けられている。
一方、室内壁14および床材15は、基礎20に支持された土台22との間に開口部を設けて取り付けられ、内部通気層18はその下端部で床下空間23に連通するように設けられている。
この内部通気層18の下端部にも、内部通気層18と床下空間23との連通を制御する自動開閉器24が設けられている。この自動開閉器24も、上述した形状記憶合金からなるバネ材と通常のスプリングを利用して形成されたモジュールによって形成され、夏期等のように外気温が高いときには内部通気層18と床下空間23とを連通させ、冬期のように外気温が低いときには内部通気層18と床下空間23との連通が閉止するように作用する。
居住室13は、透湿性を備えた材料からなる室内壁14、床材15および天井19によって形成され、内部通気層18は室内壁14の上部で天井19の上方の小屋裏25に連通するように設けられてい る。小屋裏25には屋根26の下方に屋根26と同形態に断熱材からなる小屋裏材28が配置される。こうして、居住室13は内部通気層18および小屋裏25によって周囲が囲まれる。
小屋裏25の頂部には、屋根26と小屋裏25とを連通する開口部25aが設けられ、小屋裏25と屋根裏30とは開口部25aを介して連通する。
屋根裏30に連通して設けられている軒先32にも自動開閉器34が取り付けられている。自動開閉器34は軒先32に設けた開口部に取り付けられ、外気温が高いときには軒先32の内外を連通させ、外気温が低いときには軒先32の内外の連通を遮断するように作用する。自動開閉器34も上述した自動開閉器17、24と同様に、形状記憶合金からなるバネ材と通常のスプリングを利用したモジュールによって形成され、外気温に応じて自動的に開閉する。
屋根裏30の棟部分には開口部30aが設けられ、この開口部30aを覆うように屋根26の棟の上部にハット部材36が設置されている。ハット部材36は開口部30aに雨風が進入しないように保護するとともに、開口部30aを介して屋根裏30と戸外とが連通するように設けられている。ハット部材36の内部には遮蔽板を開閉して屋根裏30と戸外との連通を断続する自動開閉器37が設けられている。自動開閉器37による断続も他の自動開閉器17、24、34と同様に前記モジュールを用いて外気温に応じて自動的になされる。
また、基礎20には、床下空間23に連通するように通気孔20aが設けられ、通気孔20aには床下空間23と戸外との連通を制御する自動開閉器21が設けられている。この自動開閉器21も上述した自動開閉器17、24、34と同様に、外気温が高いときには通気孔20aを開放して床下空間23と戸外とを連通させ、外気温が低いときには通気孔20aを閉止して床下空間23と戸外との連通を遮断するように作用する。自動開閉器21も上述したモジュールを利用して形成され、外気温に応じて自動的に開閉する。
以上説明したように、通気断熱構造を備えた建築物(住宅)は、居住室13の周囲に設けた内部通気層18と床下空間23とを連通可能とし、内部通気層18を小屋裏25に連通させ、小屋裏25と屋根裏30とを連通させることにより建築物全体を通気構造とすること、自動開閉器17、21、24、34、37を利用して各部の通気を制御する構造とすることを特徴とするもので、この通気断熱構造を備えることにより居住室13における住環境を通年にわたって好適な環境に維持することが可能になる。
すなわち、夏期のような高温で多湿になる時期においては、自動開閉器17、21、24、34、37がいずれも開放状態になることによって、外部通気層16においては通気層内で温められた空気が上昇気流となって熱気が外部に放出され、内部通気層18では通気孔20aから導入された空気が床下空間23から流入して上昇流となり、小屋裏25、屋根裏30を経由してハット部材36から戸外に流出する。屋根裏30では軒先32から空気が流入し、軒先32から棟側に向けて上昇流が生じる。
こうして、建築物全体が通気循環状態となり、居住室13においては室内壁14から内部通気層18へ熱気、湿気が透過し、室内環境が快適な状態に維持されるようになる。居住室13から内部通気層18へ透湿、透過(換気)されることによって、建築材に含まれている化学物質も排出され室内が良好な生活空間として維持される。
また、冬期のように外気温が低くなった場合には、自動開閉器17、21、24、34、37がいずれも閉止状態になり、外部通気層16および内部通気層18における通気が積極的にはなされない状態になる。外部通気層16および内部通気層18での通気がなされなくなると、通気層は保温層として作用し、居住室13内で保温された空気は戸外に排出されず、建物全体が保温される。床下空間23は地熱によって温められ、建築物の保温に寄与する。
なお、居住室13と、内部通気層18および小屋裏25等の居住室13以外の領域との湿度についてみると、冬期等においては暖房作用や人が居住している作用によって居住室13内の湿度は内部通気層18等における湿度よりもかなり高くなる。このため、室内から内部通気層18あるいは小屋裏25等への透湿、透過(換気)作用が自然に生じ、居住室13で生じた湿気は木材や透湿性を有する室内壁14に吸収されるようになる。こうして居住室13は暖かく保温され、快適な住空間として維持される。
(室内環境制御装置)
本発明に係る室内環境制御装置は、上述した通気断熱構造を備えた建築物に付設して使用する。図2に通気断熱構造を備えた建築物に室内環境制御装置を取り付けた状態を示す。室内環境制御装置は、居住室13内の温度および湿度と、通気層における温度および湿度を検知し、その検知結果に基づいて加湿機、除湿機等を作動させて居住室13内を良好な環境に維持する作用をなすものである。
図2に示すように、温湿度を検知するセンサ40、41、42が、居住室13内と、内部通気層18内と、床下空間23内に各々配置され、センサ40、41、42による計測データがコントローラ44によって検知されるように構成されている。
また、居住室13内に加湿機50が配置され、戸外に除湿機52が設置されている。除湿機52には床下空間23に連通する吸気ダクト52aと、除湿空気を床下空間23に送出する送気ダクト52bが連結されている。
また、居住室13には強制排気用として排気ファン54が設置され、吸気用として電動開閉式による吸気口56が設けられている。
加湿機50、除湿機52、排気ファン54および吸気口56は、いずれもコントローラ44によって作動状態が制御される。
なお、居住室13の天井には室内対流扇57が設置されている。この室内対流扇57は必要に応じて駆動させることにより、室内空気を対流させ、室内の天井側と床面側との温度差、湿度差を解消し、居住室13内を快適な環境に整える。
また、居住室13の壁面には手動の換気口58を設け、必要に応じて換気口58を開閉することによって居住室13の換気を行うことができるように構成されている。
本実施形態の室内環境制御装置では、居住室13、内部通気層18、床下空間23の温湿度をセンサ40、41、42により常時検知し、その検知結果に基づいてコントローラ44により加湿機50、除湿機52、排気ファン54および吸気口56の作動を制御して室内環境を制御する。本発明に係る室内環境制御装置による制御方法は、居住室13内と内部通気層18における環境を水蒸気分圧としてとらえ、居住室13内における水蒸気分圧が内部通気層18における水蒸気分圧よりも常に大きくなるように(+側となるように)制御することを特徴とする。
前述したように、通気断熱構造の作用は、室内壁14の吸排湿作用と換気(透過)作用を利用し、室内から内部通気層18へ熱気と湿気を透過させることによって室内環境を好適な環境に維持することにあるが、この通気断熱構造の基本的な作用は、室内と通気層との水蒸気分圧差としてとらえることができるものであり、居住室13内における水蒸気分圧が通気層における水蒸気分圧よりも高くなるように制御することによって、室内から通気層への透湿、換気(透過)作用が好適になされるようになる。
通気断熱構造において、自然作用を利用して室内から通気層への透湿、透過作用を行うことができているのは、室内の水蒸気分圧が常に通気層における水蒸気分圧よりも高い状態にあるためであり、逆にいえば、通気断熱構造においては、室内の水蒸気分圧が通気層における水蒸気分圧よりもプラス側となるように通気構造を設定しているということができる。
通常、居住空間内に人が居住して生活していると、人体から発生する熱、発汗、生活行動に伴う使用機器類等からの熱や水蒸気等の発生によって居住室13内は通気層よりも水蒸気分圧は自ずと高くなる。通気断熱構造は、内部通気層18への通気として外気や床下空間23の空気を利用することによって、通気層の水蒸気分圧を室内の水蒸気分圧よりも低くして透湿、透過作用が確実にかつ効率的に行えるように設計されたものである。
本実施形態の室内環境制御装置は、内部通気層18と居住室13における水蒸気分圧を常時監視し、内部通気層18と居住室13の水蒸気分圧差が一定程度以下になったときには除湿機52、排気ファン54、吸気口56を強制的に作動させて、所要の水蒸気分圧差となるように制御するものである。
このため、コントローラ44は、センサ40、41による温度、湿度の計測データから水蒸気分圧を換算して求めるソフトウェアを備え、常時、居住室13と内部通気層18の水蒸気分圧差を監視するように設定されている。
本実施形態において、居住室13と内部通気層18との水蒸気分圧差として監視、制御した範囲は水蒸気分圧差が0.2mmHg〜0.4mmHgの範囲である。すなわち、居住室13と内部通気層18との水蒸気分圧差が0.2mmHg以下となった場合には、コントローラ44により排気ファン54または除湿機52を作動させ、分圧差が0.4mmHgとなった時点でコントローラ44により排気ファン54または除湿機52の作動を停止させるように制御した。
なお、排気ファン54あるいは除湿機52を強制的に作動させる場合の、居住室13と内部通気層18との水蒸気分圧差の制御範囲については適宜設定することが可能であるが、自然作用によって透湿、透過(換気)作用を生じさせるには居住室13と内部通気層18との水蒸気分圧差が0.4mmHg程度あれば十分である。
居住室13と内部通気層18との水蒸気分圧差が小さくなった際に排気ファン54を作動させるのは、居住室13から内部通気層18への透湿、換気作用が自然作用としては生じにくくなることから、強制的に透湿、換気作用を行うためである。排気ファン54を作動させる際に、吸気口56を開いて外気を導入するようにしてもよい。
なお、加湿機50は、とくに冬期において外気の湿度が低下し、これにともなって居住室13内の湿度が低下する傾向にあることから、居住室13における湿度調節用として利用される。居住室13における湿度は、一般的に40%〜60%程度が良好範囲とされている。コントローラ44は、水蒸気分圧差による制御の他に、センサ40の計測データに基づいて、居住室13内の湿度が40%以下程度になったときには、室内の過乾燥防止のために加湿機50を駆動するように制御する。
通気断熱構造においては、前述したように建物全体が通気構造として構築されていることから、木材等の構造材は常に呼吸できる状態にあり、気象条件に応じて水分の吸放出作用が絶えず行われている。したがって、構造材の蒸れ等についての問題はほとんど生じない。しかしながら、梅雨の時期や、高温、多湿になる夏期などでは、内部通気層18に連通する床下空間23を除湿することにより、内部通気層18と居住室13との間での透湿、透過(換気)作用を効果的に行わせることができ、居住室13の環境をさらに改善するとともに、構造材の結露を防止し、蒸れ腐れをなくして構造材の耐久性をさらに向上させることが可能になる。
本実施形態においてはセンサ42により床下空間23の湿度を監視し、床下空間23が\u適宜湿度\uとなるようにコントローラ44により除湿機52の作動を制御するようにしている。なお、\u床下空間23を除湿する場合に、外気が高湿度になるような気象条件で床下に外気が導入されると、床下空間23の湿度が高くなり、除湿機52が長時間にわたって作動するようなことが起こり得るから、そのような場合には床下空間23に必要以上に外気を導入しないように制御する方法が有効である。たとえば、自動開閉器21を閉じたり、自動開閉器21の開口範囲を狭めて、外気の導入量を制限することによって除湿機52による除湿作用を効率化することができる。\u
\uまた、床下空間23への外気の導入をより積極的に制御する方法としては、基礎構造を通気孔を設けないベタ基礎構造で、かつ防湿構造とし、床下空間23への空気導入用に別途小型ファンを床下空間23に連通させて設けるようにする方法も効果的である。この場合には、内部通気層18内で上昇気流を生じさせるために床下空間23に所要量の外気を導入させる必要がある場合には、小型ファンを作動させるようにする。基礎構造をベタ基礎構造で防湿構造とした場合には、外気導入が制限でき、除湿機52の除湿効率を上げることができるとともに、夏期においては床下の冷気を室内の冷却に利用できるという利点もある。\u
以上説明したように、本実施形態の室内環境制御装置を用いることにより、居住室13は常時、内部通気層18よりも水蒸気分圧が高くなる状態に維持され、居住室13から内部通気層18に向けて常に透湿、透過(換気)される状態に維持されるようになる。
なお、通気断熱構造による場合は、ほとんどの場合、居住室13は内部通気層18よりも水蒸気分圧が高くなる状態にあり、実際に室内環境制御装置の排気ファン54や除湿機52を強制的に作動させる必要があるのは、梅雨時期と夏期の高温多湿時期、また一時的な気象条件によるときのみであり、通年についての稼動時間は短時間に限られる、省エネルギーの点からも有効である。
なお、本発明の室内環境制御装置を構成する排気ファン54や加湿機50は、一般家屋では付帯設備として設置されることが多いから、これらの排気ファンや加湿機を利用しつつ、通気断熱構造と合わせて効果的に室内環境を良好な状態に維持することができる。
通気断熱構造を示す説明図である。 室内環境制御装置を付設した建築物の構成を示す説明図である。
符号の説明
10 壁構造材
12 外壁
13 居住室
14 室内壁
16 外部通気層
17、21、24、34、37 自動開閉器
18 内部通気層
20 基礎
21a 通気孔
23 床下空間
25 小屋裏
25a 開口部
30 屋根裏
30a 開口部
32 軒先
36 ハット部材
40、41、42 センサ
44 コントローラ
50 加湿機
52 除湿機
54 排気ファン
56 吸気口
57 室内対流扇

Claims (4)

  1. 断熱材からなる壁構造材と透湿作用を有する室内壁との間に内部通気層が設けられ、該内部通気層が、戸外に連通して設けられた床下空間と屋根裏に連通して設けられるとともに、前記床下空間と前記内部通気層との連通状態、および前記屋根裏と戸外との連通状態が外気温に応じて自動的に断続制御される通気断熱構造を備えた建築物の室内環境を制御する方法であって、
    前記床下空間に連通して除湿機を設けるとともに、室内から戸外に内気を排出する排気ファンを設け、
    前記室内と前記内部通気層における温度および湿度を常時計測するとともに、コントローラにより前記室内と内部通気層の温度および湿度から各々の水蒸気分圧を検知し、
    前記室内の水蒸気分圧が前記内部通気層の水蒸気分圧を常に上回るように前記除湿機あるいは排気ファンの作動を制御して室内環境を維持することを特徴とする通気断熱構造を備えた建築物の室内環境制御方法。
  2. 前記室内に加湿機を設け、前記コントローラにより前記加湿器を制御して室内環境を制御することを特徴とする請求項1記載の通気断熱構造を備えた建築物の室内環境制御方法。
  3. 前記コントローラは、前記室内と前記内部通気層との水蒸気分圧差が0.2mmHgとなった時点で前記除湿機または前記排気ファンを作動させ、
    前記水蒸気分圧差が0.4mmHgとなった時点で前記除湿機または前記排気ファンの作動を停止させるように制御することを特徴とする請求項1記載の通気断熱構造を備えた建築物の室内環境制御方法。
  4. 前記床下空間と内部通気層とを連通する開口部、および前記屋根裏と戸外とを連通する開口部に、形状記憶合金からなるバネ材と通常のスプリングとを組み合わせて形成されたモジュールを利用して外気温に応じて連通状態を断続する自動開閉器を設け、
    内部通気層での通気状態を外気温に応じて自動制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の通気断熱構造を備えた建築物の室内環境制御方法。
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