JP2006207101A - 水溶性染料による天然繊維材料の転写捺染法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来公知の湿式捺染では困難視されていた繊細な捺染図柄の表現と卓越した均染性及び柔軟な繊維の風合を得る乾式転写紙の開発及びその転写紙を用いた捺染法の開発を目的とする。
【解決手段】紙或いは樹脂フィルムに離型剤層を付与した後、インク受容層1として熱で軟化或いは溶融し、離型剤層との境界で剥離できる親水性合成樹脂を塗布・乾燥し、更にその上にインク受容層2として染料の均一付着性を高めるための親水性糊剤を塗布・乾燥したのち、水溶性染料をインクジェットプリント等の方法で付与し、転写紙を作製する。
この転写紙を天然繊維を主成分とする布帛に合わせて加熱・加圧して染料を転写せしめ、しかるのち固着処理する事によって前記課題が解決され、繊細・堅牢で風合の良好な捺染が施された繊維材料が得られる事を見出した。
【選択図】なし

Description

本発明は乾式転写紙を用いた転写捺染法に係わるものである。
更に詳しくは本発明は、水溶性染料を用いて天然繊維材料を捺染するにあたり、離型剤、インク受容層1、インク受容層2からなる3層構造の転写用紙に水溶性染料の図柄をプリントして乾燥し、次に繊維材料とこの転写紙を密着・加熱して転写する事により転写紙上の図柄を繊維材料表面に移行・転写させ、最後に固着処理することを特徴とする水溶性染料による天然繊維材料の転写捺染法である。
従来より布帛に染料で図柄を堅牢・精細に描く方法として、スクリーン捺染、ローラー捺染、ロータリースクリーン捺染、グラビア印刷或いはこれらのプリント技法を用いた転写捺染法が知られており、工業的に実施されている。
これらの製版プリント方式では色数に制約があること、3原色色分解型枠によるプリントでは多色感を表現できるが、3原色組成に用いる組成の色相・濃度を整える事が困難とか、多重層を形成する為プリント加工の再現性を欠く恐れが大きいと言う問題がある。
加えて、小ロット生産では彫刻作成費が高価となり、プリント加工時、加工必要量に加え余剰色糊を調製する等、資材面での損失も増加する等の問題点が指摘されている。
これらの問題点を解決する新たな捺染法として、コンピュータで画像処理を行い、インクジェット方式でプリントする無製版プリントが脚光を浴び、布帛への直接プリントのほか、転写プリント分野への進展も加速されている。
特にインクジェットプリントに於いて転写用紙に染料液を小ドットプリントした場合、ドット斑による均捺性を欠くとか、染料液が滲み出し繊細さを失う等の問題点が指摘されている。
これらの問題点を解決する方法として、転写用原紙に離型剤として水溶性ワニスか、或いは溶剤型ワニスを用いた離型剤塗布用紙を用い、その上に水溶性糊料を塗布し、インクジェットプリントする事によって染料液を糊層中に均一化保持させる方法が提案されている。これらの方法は、熱で昇華する分散染料を用いたポリエステル繊維の乾式転写捺染法とか、布帛を水で湿らせ転写紙と合わせ加圧・圧着するセルロース系繊維或いは蛋白質系系繊維に染料を転写する湿式転写には有効であるが、湿式転写方式は図柄の繊細性に欠けると言う問題が生じやすく、この種転写紙をセルロース系や蛋白質系に乾式転写した場合は、転写用紙への染料のプリントは良好であるが、転写紙から布帛へ染料を移行させることは不可能であった。
発明が解決しようとする課題
本発明者等は、インクジェットプリント方式での布帛へのプリント方法及び乾式転写法について鋭意研究を重ねた結果、公知の有機溶剤型ワニスを用いた離型剤塗布紙の上に、インク受容層1として、熱で軟化或いは溶融して離型剤層と容易に剥離できる親水性合成樹脂類を塗布・乾燥させた後、更にその上にインク受容層2として、親水性合成樹脂との接着性がよく、かつプリントする染料液を均一に吸収保持し、布帛への転写時に均染性を高めドット斑を解消する水溶性糊料を塗布乾燥させた2層構造のインク受容層を形成させる事によって、均染で転写性の良好な乾式転写用紙を得る事が可能となり、セルロース系繊維或いは蛋白質系繊維の反応性染料、酸性染料、金属錯塩型染料及び/又は直接染料等の水溶性染料による乾式転写捺染法が構築できる事を見出し、実用化に目途を得て本発明を完成させたものである。
本発明の利点は、現在多用されているポリエステル繊維の乾式転写設備を利用してセルロース系繊維或いは蛋白質系繊維の乾式転写への応用を可能とし、かつ、風合、繊細性等の卓越した捺染性能を提供しうる転写紙の作製及びその転写紙を用いた捺染法を提供する事にある。
課題を解決するための手段
当目的を達成する為に、本発明は次の条件で構成される。即ち離型剤層の上に塗布するインク受容剤層は2層で構成され、下層のインク受容層1は、加熱・加圧で軟化溶融し離型剤層から容易に剥離し布帛に移転できる親水性の合成樹脂が使用される。この親水性の樹脂の物性としては次の様な条件が満たされる必要がある。
1.溶剤型離型剤を塗布した上に均一に接着できる事、即ちコーティング時に水はじき性がない事。
2.塗布皮膜の接着力が強く、亀裂、剥離現象を生じない事。
3.染料との相溶性がよく、染着を阻害しない事。
4.塗布後の乾燥が容易で、タックを生ずるとか、プリントした染料がスレによる汚染を生じない事。
5.加熱・加圧により布帛への転写性がよいこと。
6.染料固着処理後の洗浄が容易で、繊維の風合を阻害しないように容易に洗浄・除去できる事。
7.必要に応じて離型剤層への均一接着性を高めるために添加される表面張力低下剤との相溶性がよいこと(水はじき性、乾燥性、粘度安定性等)。
これらの条件が満たされる合成樹脂であれば、本発明の目的を達成できる。
なお、表面張力低下薬剤の効果は薬剤の種類と混合量及び水溶性の合成樹脂の種類で異なるため、予め組み合わせの確認が必要である。
次いで親水性合成樹脂層の上に付与されるインク受容層2として親水性の糊料を塗布・乾燥する。この親水性糊料の物性として、次の事項が課せられる。
1.水で膨潤糊化し親水性の合成樹脂層へ均一に塗布され接着性が良好である事。
2.染料との相溶性がよく、転写後の染着を阻害しない事。
3.乾燥皮膜が柔軟で、動的な取り扱い作業において亀裂・剥離等を生じない事。
4.染料液のインクジェットプリントに於いて速やかに糊層内部に均一に吸収保持できると共に、乾燥が速く、染料のこすれによる接触汚染を生じない事。
5.加熱・加圧処理で水溶性の合成樹脂と共に離型剤層から剥離し、布帛へ容易に移行できること。
6.染料固着処理後の洗浄で容易に除去できる事。
本発明の特徴は、離型剤層の上に付与されるインク受容層が2層で構成される点にあり、下層は熱で軟化或いは溶融する親水性の合成樹脂を塗布して乾燥し、次いでその上層に親水性の糊剤を塗布・乾燥した、所謂2層構造を形成する転写紙を作製し、その上にインクジェットプリント或いはその他の方法で染料を付与して最終転写紙とし、その転写紙を用いて織編物、不織布、紙等に転写捺染することを特徴とする捺染法である。
この場合、離型剤層の上に多量の親水性の糊剤が直接接触するような塗布方法、例えば水溶性(親水性)合成樹脂と、多量の水溶性(親水性)糊剤を混合して用いる等の条件では、水溶性(親水性)合成樹脂の加熱・加圧による剥離能力が大幅に低下し、布帛への染料の転写性と移行の再現性を欠く結果になる。
本発明で用いられる転写用原紙は、公知の転写用紙やフィルムが用いられ、クラフトパルプ又はグラインドパルプ等のパルプ或いはリサイクル紙を原料として抄紙されたパルプ紙、再生紙或いは耐熱性の合成樹脂フイルム、例えばポリエステルフィルム等が用いられる。作業性から重量は10〜150g/m2、厚さは0.01〜0.5mmが好ましい。
かかる転写用原紙或いはフィルムに有機溶剤可溶のシリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ステアリン酸樹脂等を有機溶剤、例えば酢酸エチル、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等で溶解し、有機溶剤ワニスとして塗布し、離型剤層を形成させる。離型剤層の厚みは10〜30μm程度が好ましい。
この離型剤層の上に、インク受容層1と2からなる2層で構成されるインク受容層を塗布するが、第1層は熱で軟化・溶融する親水性合成樹脂として、水溶性或いは親水性のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン変性エーテル樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂等を、厚さ10〜60μm程度塗布して乾燥する。
親水性合成樹脂皮膜の厚さは樹脂が軟化・溶融して布帛へ転写する際の難易度及び染料固着処理後の洗浄除去性に関わってくるため、コーティング機で塗布する場合は付着量の管理が重要である。
また、親水性の合成樹脂の種類によっては塗布時に水はじき現象を生じ、離型剤層との均一接着が困難な場合がある。この場合、合成樹脂層の表面張力低下剤としてノニオン、アニオン界面活性剤、アルコール類を合成樹脂に少量混合すれば塗布性の改善が計れる。
次いで、インク受容層1の上に塗布する親水性糊剤(インク受容層2)としては、反応性染料の繊維への染着を阻害しない親水性増粘物質が適用でき、この目的には海藻類(アルギン酸ソーダ)、繊維素誘導糊(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、加工澱粉糊(エーテル化澱粉、エステル化澱粉)、親水性合成高分子類(ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール等)、天然ガム類(エーテル化タマリンドガム、エーテル化グアガム等)等、親水性の合成樹脂層への接着性がよく、プリントされた染料液を糊層に均一に保持・乾燥でき、加熱・加圧により水溶性合成樹脂と共に布帛へ容易に転写でき、かつ、染料固着処理時に染着を阻害しないものが選定される。
これらの親水性糊剤は染料の均一接着・吸収保持可能な量に調整するが大略5〜30μmを基準に用いる。
この様にして得られた転写用紙、即ち、原紙−離型剤−インク受容層1−インク受容層2、で構成された転写用紙に、染料をインクジェットプリント或いはその他の方法でプリント、乾燥して転写紙を作製する。
次いで転写紙と対象とする布帛を合わせ、加圧・加熱により布帛に、インク受容層1と2及び染料の層を90%以上移行させたのち、染料の固着処理を行い染料を布帛に染着させたのち、次いで洗浄(水洗、ソーピング、水洗)によってインク受容層として用いた親水性の合成樹脂と親水性の糊剤を除去し、繊維の風合が良好なプリント生地或いはプリント製品を得る。
本発明に於いて布帛とは、綿、麻、リヨセル、レーヨン(ポリノジックレーヨン、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、アセテート等)等のセルロース系繊維材料、又は及び絹、羊毛等の蛋白質系繊維材料の織物、編物、不織布等の単独、混紡或いは交織品が挙げられる。更に合成繊維との複合系繊維でも良い。
この場合、必要に応じて布帛には染料の染着に必要な薬剤或いは染着促進に効果のある薬剤などで前処理したのち転写に用いられる。
例えば反応染料をプリントする場合、1相方式を採用する時は、布帛にアルカリ剤として炭酸ソーダ、炭酸カリ、重炭酸ソーダ、トリクロル酢酸ソーダ等を1〜7%、転写時の黄変防止、転写性向上、染着向上等の目的で尿素を3〜15%、マイグレーション防止剤として親水性増粘物質、例えばアルギン酸ソーダを0.05〜1%の混合液をパッド乾燥する。又、酸性染料をプリントする場合は、染着促進剤として酸アンモニウム塩、例えば硫酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム等を0.5〜1%、マイグレーション防止剤として耐酸性の天然ガム類0.05〜0.5%混合液をパッド乾燥する。
転写後の染料の繊維への固着は、通常の直接捺染法で採用されている固着条件がそのまま採用できる。
例えば、反応染料の1相スチーム固着法では、100〜105℃・8分間のスチーミング処理、前処理のない布帛に対しては2相アルカリショック法として40〜45ボーメの珪酸ソーダの熱液で90〜95℃・7〜15秒の浸漬処理、或いは2相コールドフィックス法として35〜43ボーメの珪酸ソーダ液をパッド・絞液(ピックアップ100〜150%)したのち、20〜35℃・8〜12時間バッチアップ処理、酸性染料では100〜105℃・10〜30分間のスチーミング処理を行う。染料の固着処理後は常法の洗浄条件(水洗、ソーピング、水洗)でインク受容層に用いた合成樹脂、糊剤等を除去し繊維の風合が良好な捺染物を得る。
本発明に於いてインクジェットプリントに使用する染料液としては、染料と染料溶解剤、例えば水、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール等と必要に応じて乾燥防止剤、表面張力調整剤、粘度調整剤、PH調整剤、防黴剤、金属イオン封鎖剤等を添加したものが使用される。
染料の種属は布帛を構成する繊維の種類に応じて選択されるが、反応性染料、直接染料、酸性染料、金属錯塩型染料等が適用できる。
以下実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。なお、例中、%は重量%を意味する。
実施例1
転写用パルプ紙(重量90g/m2、厚さ0.2mm)に離型剤層として有機溶剤ワニス(フェノール樹脂30%、エチルセルロース3%、炭酸カルシューム10%、クレー10%、酢酸エチル47%)をコーティング機により塗布・乾燥後、140℃・3分間のキュアリングを施した。離型剤層の厚みは30μmであった。
次いでインク受容層1として、プラスコートRZ−142(水溶性ポリエステル樹脂25%分散液:互応化学工業社製)75%と、プラスコートFR−550(水溶性ポリエステル樹脂20%、ワックス含有分散液:互応化学工業社製)25%、合計100%液をコーティング機にて塗布・乾燥した。コーティング層の厚味は60μmであった。
次いでその上にインク受容層2として、エコアルギンMS(アルギン酸ソーダ糊剤:安達留姫糊社製)2%液をコーティング機にて塗布・乾燥した。このコーティング層の厚味は25μmであった。この様にして水溶性染料用の乾式転写用紙を得た。
次いで反応染料インク液(C.I.Reactive Red 226 15%、ポリエチレングリコールMW200 20%、水65%)を上記転写用紙上にインクジェットプリンター(ノバジェットII:エンキャド社製:オンデマンド型サーマル方式プリンター)によってプリントを行い乾燥した。
別にソーダ灰3%、尿素10%、エコアルギンMS0.1%混合水溶液を綿ブロード布にパッド(ピックアップ75%)して乾燥し、綿の前処理布を得た。
次いで反応染料の乾式転写紙と、上記アルカリ前処理綿ブロード布を合わせ、加熱・加圧(150℃・30秒、0.2kg/cm2)により綿ブロード布に図柄を転写した。転写紙からの綿ブロード布への染料の移転率は約90%であった。
次いで綿ブロード布を105℃・8分間、HTスチーム処理を行い洗浄・乾燥した。この様にして得られた捺染布は繊細なデザインが鮮明・堅牢に染着しており、柔軟な風合を示す捺染布であった。
比較データ:本発明に至る過程に於いて各種条件の元で得た知見として、転写用紙上に染料インクをプリントした場合の均捺染性及び綿布への転写性の優劣を示す試験結果を下表に示す。即ち、この表は実施例1の処理工程に対して、離型剤層として水溶性ワニスを用いた場合、或いはインク受容層の構成条件の違いによって効果にどの様な差が現れるかを示すデータである。
Figure 2006207101
Figure 2006207101
精細な転写捺染の目的を達成する為にはA.B.両方の物性を満足する必要があるが、上表試験結果から明らかなように、本発明方法である(6)と(12)の組み合わせのみが両必要条件を満足する。
実施例2
転写用パルプ紙(重量90g/m2、厚味0.2mm)に離型剤層として実施例1で用いた有機溶剤ワニスを処理した後、インク受容層1としてHAレジンPE−1B(水溶性ウレタン変性エーテル型樹脂25%粘調液:明成化学工業社製)60%、プラスコートRY−2(表面張力低下剤:互応化学工業社製)2%、水38%の混合液を、コーティング機にて塗布・乾燥した。コーティング層の厚味は35μmであった。
次いでインク受容層2として、ソルビトーゼC−5(エーテル化澱粉糊:AVEBE社製)3%をコーティング機にて塗布・乾燥した。コーティング層の厚味は25μmであった。このようにして水溶性染料用の乾式転写用紙を得た。
次いで反応染料インク(C.I.Reactive Blue 15 15%、チオジグリコール15%、水70%)を上記転写用紙上にインクジェットプリンター(ノバジェットII:エンキャド社製、オンデマンド型サーマル方式プリンター)でプリントを行い乾燥する事によって反応染料の乾式転写紙を得た。
別に重炭酸ソーダ4%、尿素15%、エコアルギンMS(アルギン酸ソーダ:安達留姫糊社製)0.1%の混合水溶液をビスコースレーヨン布にパッド(ピックアップ85%)して乾燥し、レーヨン前処理布を得た。
次いで前記反応染料の乾式転写紙と、この前処理布を合わせ、加熱・加圧(150℃・30秒・0.2kg/cm2)によりレーヨン布に染料を転写した。
転写紙からビスコースレーヨン布への染料の移転率は実施例1同様に90%であった。次いでこのビスコースレーヨン布を105℃・8分間HTスチーム処理を行い洗浄・乾燥した。
この様にして得た捺染物は実施例1と同様に繊細なデザインを有し、繊維の風合は柔軟であり、各種堅牢性も充分であった。
実施例3
実施例1においてインク受容層2としてMCポリマーP−40(ポリビニルアルコール/ポリアクリル酸ソーダ混合ペースト品:村山化学研究所製)に変更して、他の条件は実施例1と同様にして加工した場合、染料プリント時の均一付着性、綿への転写性ともに優れた繊細な捺染物が得られた。
発明の効果
本発明は従来困難視されていた繊細な捺染図柄の表現を再現性良く提供するセルロース系繊維及び蛋白質系繊維の乾式転写捺染法に関するものであり、かつポリエステル繊維の乾式転写捺染に多用されている加熱転写設備をそのまま応用できる利点があり、実用的価値が極めて大きい。
特に本発明方法は、少量多品種生産や多様性のニーズに敏速で効率的に対応できる生産システムを構築でき、環境適合性と共に経済性と品質効果も優れた方法であり、捺染繊維製品の付加価値向上に大きく寄与する新規な方法である。

Claims (8)

  1. 水溶性染料を用いて天然繊維材料を捺染するにあたり、離型剤、インク受容層1、インク受容層2からなる3層構造の転写用紙に水溶性染料の図柄をプリントして乾燥し、次に繊維材料とこの転写紙を密着・加熱して転写する事により転写紙上の図柄を繊維材料表面に移行・転写させ、固着処理することを特徴とする水溶性染料による天然繊維材料の転写捺染法。
  2. 請求項1における3層構造の転写紙として、▲1▼先ず紙の上に有機溶剤溶解性の合成樹脂からなる離型剤を塗布し、次いでその上に▲2▼親水性の樹脂を塗布し、更にその上に▲3▼親水性糊料を塗布した3層構造から成る転写用紙を用い、その上に水溶性染料をインクジェットプリント等で付与して乾燥した転写紙を用いる事を特徴とする水溶性染料による天然繊維材料の乾式転写捺染方法。
  3. 請求項1及び2における紙の離型剤層がシリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ステアリン酸樹脂等、有機溶剤可溶の合成樹脂を塗布した転写紙である事を特徴とする水溶性染料による天然繊維材料の転写捺染法。
  4. 請求項1及び2における転写用紙のインク受容層1は、加熱する事によって軟化或いは溶融する親水性合成樹脂、例えば水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性ウレタン変性エーテル樹脂、水溶性ポリエチレンオキサイド樹脂等を塗布した転写用紙である事を特徴とする水溶性染料による天然繊維材料の転写捺染法。
  5. 請求項1及び2における転写用紙のインク受容層2は、親水性糊剤を主成分とし、反応性染料、酸性染料等、水溶性染料の繊維への染着を阻害しない親水性増粘物質が適用でき、例えば、海藻類(アルギン酸ソーダ)、繊維素誘導糊(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)、加工デンプン糊(エーテル化澱粉、エステル化澱粉)、水溶性合成高分子(ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール等)、天然ガム類(エーテル化タマリンドガム、エーテル化グアガム等)等、インク受容層1との接着性がよく、プリントされた染料液を均一・精細に保持乾燥でき、加熱・加圧処理によって布帛へ容易に移行・転写される親水性糊剤を塗布した転写用紙である事を特徴とする水溶性染料による天然繊維材料の転写捺染法。
  6. 請求項1における転写紙上にある染料の繊維への転写方法として、乾式で、転写紙と繊維材料を密着させて加圧及び加熱によって図柄を繊維材料へ移行・転写させることを特徴とする水溶性染料による天然繊維材料の転写捺染法。
  7. 請求項1における水溶性染料として、反応性染料、酸性染料、金属錯塩型染料、直接染料等の水溶性染料を用い、天然繊維材料として綿、麻、リョセル、レーヨン(ポリノジックレーヨン、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、アセテート等)等のセルロース系繊維材料、又は及び絹、羊毛、獣毛等の蛋白質系繊維材料の織物、編物、不織布等の単独、混紡或いは交織品を対象として、転写捺染する事を特徴とする水溶性染料による天然繊維材料の転写捺染法。
  8. 請求項1における転写用紙として、▲1▼先ず紙の上に有機溶剤溶解性の樹脂からなる離型剤を塗布し、次いでその上に▲2▼親水性の樹脂を塗布し、更にその上に▲3▼親水性糊料を塗布した3層構造から成る転写用紙の上に水溶性染料をプリントして乾燥した転写紙並びに転写紙の製法。
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