JP2006206829A - ゴムと金属との接着性に優れたゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】硫黄の配合量を減らしてもゴムと金属との接着性を保持しつつ耐老化性が改良されたゴム組成物の提供。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部、2−エチルヘキシル酸ニッケル塩0.1〜10重量部及び芳香族系樹脂2〜10重量部を含むゴムと金属の接着性に優れたゴム組成物。芳香族樹脂が、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等であり、エチレンドナー化合物を併用することができる。さらに加硫剤を2〜5重量部及びN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の加硫促進剤を0.5〜3重量部含むことができる。
【選択図】なし
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部、2−エチルヘキシル酸ニッケル塩0.1〜10重量部及び芳香族系樹脂2〜10重量部を含むゴムと金属の接着性に優れたゴム組成物。芳香族樹脂が、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等であり、エチレンドナー化合物を併用することができる。さらに加硫剤を2〜5重量部及びN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の加硫促進剤を0.5〜3重量部含むことができる。
【選択図】なし
Description
本発明はゴム組成物に関し、更に詳しくはゴムと金属との接着性に優れたゴム組成物に関する。
従来、タイヤなどのゴム製品中にはスチールコードなどの補強部材が配合されているが、このスチールコードと天然ゴム又は合成ゴムとの接着力を向上させる添加剤としてホウ酸三ネオデカン酸コバルトが主に使われている。しかし、コバルト系の化合物をゴム組成物中に配合するとゴムの劣化を促進するという弊害があることから、他の金属塩の使用が検討されている。例えば、特許文献1には、ニッケル、亜鉛及びジルコニウムなどの金属セッケンに有機コバルト化合物を配合してスチールコードとゴムとの接着力を高める接着促進剤が記載されている。特許文献2にはジエン系ゴムに2−エチルヘキシル酸ニッケルを配合することによって低硫黄配合量でも接着性及び耐老化性に優れたゴム組成物が得られることが教えられている。更に特許文献3には上記Ni塩と特定の加硫促進剤との組合せで耐老化性が更に改善されることが教えられている。
前述の有機酸Ni塩(2−エチルヘキシル酸ニッケル塩)を配合した接着用ゴムコンパウンドは、低硫黄配合においても金属に対して接着性を付与する効果は高く、初期接着性も高いものの、低硫黄配合であるため、ゴムの硬度が低く、耐温水接着性が低下する傾向が見られた。
従って、本発明の目的は、加硫剤の硫黄の配合量を減らしても、ゴムと金属との接着性を保持しつつ耐老化性を改良したゴム組成物を提供することにある。
本発明に従えば、ジエン系ゴム100重量部、2−エチルヘキシル酸ニッケル塩0.1〜10重量部及び芳香族系樹脂2〜10重量部を含んでなるゴムと金属の接着性に優れたゴム組成物が提供される。
本発明によれば低硫黄配合の有機Ni塩(2−エチルヘキシル酸ニッケル塩)に対して接着付与性を持つ芳香族系樹脂を併用して配合することによって接着性を保持しつつ耐老化性を改善することができる。
本発明者らは、ジエン系ゴム100重量部に対し、2−エチルヘキシル酸ニッケル塩を0.1〜10重量部及び芳香族系樹脂を2〜10重量部配合することによりゴムと金属の接着性に優れると共に耐老化性に優れたゴム組成物が得られることを見出し、本発明をするに至った。
即ち、本発明はジエン系ゴム組成物に特定の有機酸Ni塩と芳香族系樹脂とを配合することにより、硫黄添加量を減らしても金属との接着性を保持しつつ耐老化性を改善することができるゴム組成物に関するものである。
即ち、本発明はジエン系ゴム組成物に特定の有機酸Ni塩と芳香族系樹脂とを配合することにより、硫黄添加量を減らしても金属との接着性を保持しつつ耐老化性を改善することができるゴム組成物に関するものである。
本発明に係るゴム組成物にはゴム成分として、ジエン系ゴム、例えばタイヤ用その他のゴム用途に使用できる任意の加硫可能なジエン系ゴム、具体的には天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、各種スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などのジエン系ゴム又はこれらの混合物をあげることができる。
本発明に係るゴム組成物に配合される2−エチルヘキシル酸のニッケル塩は公知の化合物であり、純粋な化合物又はその異性体との混合物の形で使用することができる。本発明において使用される2−エチルヘキシル酸ニッケルの配合量はジエン系ゴム100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。この配合量が少な過ぎると接着性が充分でないので好ましくなく、逆に多過ぎると接着界面の増加に伴い、接着力が低下するので好ましくない。
本発明に係るゴム組成物に配合させる芳香族系樹脂としては、特に限定はないが、例えばフェノール樹脂、ノボラック系樹脂、レゾール系樹脂などをあげることができる。これらの樹脂はいずれも公知のものであり、各種用途に使用する目的で市販されており、本発明においてもこれらの樹脂を使用することができる。なお、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。これらの芳香族系樹脂はドナー化合物、例えばヘキサメトキシメチルメラミン、ペンタメトキシメチルメラミンなどのメチレンドナー化合物などを併用することができる。
前記芳香族系樹脂は、ジエン系ゴム100重量部に2〜10重量部、好ましくは2.5〜7重量部配合する。この配合量が少な過ぎると所望の接着力を得ることができないので好ましくなく、逆に多過ぎるとゴムの物性が低下し、耐老化性などに悪影響を与えるので好ましくない。前記ドナー化合物の使用量には特に制限はないが、芳香族系樹脂重量の50〜300重量%配合するのが好ましい。
本発明に係るゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、カーボンブラックやシリカなどのその他の補強剤(フィラー)、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混合して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1〜4及び比較例1〜3
サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、150±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、150±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
表I脚注
*1:RSS#3
*2:SHOBLACK N326M(昭和キャボット(株)製、N2SA:82m2/g、DBP吸油量:72ml/100g)
*3:SANTOFLEX 6PPD(FLEXSYS製)
*4:酸化亜鉛3種(正同化学工業(株)製)
*5:ステアリン酸(日本油脂(株)製)
*6:加硫促進剤ノクセラー DZ−G(川口化学工業(株)製)
*7:加硫促進剤サンセラー TRA−C(三新化学工業(株)製)
*8:硫黄((株)軽井沢精練所製)
*9:n−オクチル酸のナトリウム塩と塩化ニッケルを反応させて合成した。
*10:2−エチルヘキシル酸のナトリウム塩と塩化ニッケルを反応させて合成した。
*11:スミカノール 610(住友化学(株)製m−クレゾール縮合物)
*12:スミカノール 507A(住友化学(株)製メチロールメラミン誘導体)
*1:RSS#3
*2:SHOBLACK N326M(昭和キャボット(株)製、N2SA:82m2/g、DBP吸油量:72ml/100g)
*3:SANTOFLEX 6PPD(FLEXSYS製)
*4:酸化亜鉛3種(正同化学工業(株)製)
*5:ステアリン酸(日本油脂(株)製)
*6:加硫促進剤ノクセラー DZ−G(川口化学工業(株)製)
*7:加硫促進剤サンセラー TRA−C(三新化学工業(株)製)
*8:硫黄((株)軽井沢精練所製)
*9:n−オクチル酸のナトリウム塩と塩化ニッケルを反応させて合成した。
*10:2−エチルヘキシル酸のナトリウム塩と塩化ニッケルを反応させて合成した。
*11:スミカノール 610(住友化学(株)製m−クレゾール縮合物)
*12:スミカノール 507A(住友化学(株)製メチロールメラミン誘導体)
次に得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で150℃で30分間加硫して加硫ゴムシートを調製し、以下に示す試験法で加硫ゴムの物性を測定した。結果は表IIに示す。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この数字が大きいほど結果が良好であることを示す。
ゴム物性評価試験法
100%モジュラス(M100):JIS−K 6251に準拠して測定
破断強度(Tb)及び破断伸び(Eb):JIS−K 6251に準拠して測定
100%モジュラス(M100):JIS−K 6251に準拠して測定
破断強度(Tb)及び破断伸び(Eb):JIS−K 6251に準拠して測定
引抜力:ASTM D229に準拠して測定
ゴム被覆率:ASTM D229に準拠して測定。なおゴム被覆率の数字が大きいほど接着性が高いことを示す。
初期状態条件:加硫後のASTM接着サンプルを評価
熱劣化条件:サンプルを80℃のオーブン中に1週間放置した後に評価
湿熱劣化条件:サンプルを70℃、96%の湿気中に1週間放置した後に評価
温水劣化条件:サンプルを70℃の温水中に1週間放置した後に評価
ゴム被覆率:ASTM D229に準拠して測定。なおゴム被覆率の数字が大きいほど接着性が高いことを示す。
初期状態条件:加硫後のASTM接着サンプルを評価
熱劣化条件:サンプルを80℃のオーブン中に1週間放置した後に評価
湿熱劣化条件:サンプルを70℃、96%の湿気中に1週間放置した後に評価
温水劣化条件:サンプルを70℃の温水中に1週間放置した後に評価
本発明に従ったゴム組成物は、金属と共に加硫接着させることにより、接着力にすぐれかつ耐老化性に優れたゴム/金属複合体を得ることができ、空気入りラジアルタイヤ、特に耐久性に優れたバス、トラック用タイヤなどのベルトコートコンパウンド、カーカスコートコンパウンドなどとして使用するのに好適である。
Claims (5)
- ジエン系ゴム100重量部、2−エチルヘキシル酸ニッケル塩0.1〜10重量部及び芳香族系樹脂2〜10重量部を含んでなるゴムと金属の接着性に優れたゴム組成物。
- 芳香族系樹脂がフェノール、ノボラック及びレゾール系樹脂から選ばれた少なくとも一種であるゴム組成物。
- メチレンドナー化合物を更に含む請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 加硫剤としてジエン系ゴム100重量部に対し、加硫剤2〜5重量部を含む請求項1,2又は3に記載のゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴム100重量部に対し、加硫促進剤として、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(NS)又はジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)0.5〜3.0重量部を更に含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005023555A JP2006206829A (ja) | 2005-01-31 | 2005-01-31 | ゴムと金属との接着性に優れたゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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