JP2006206764A - 花粉アレルギー症状緩和用組成物 - Google Patents

花粉アレルギー症状緩和用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2006206764A
JP2006206764A JP2005021393A JP2005021393A JP2006206764A JP 2006206764 A JP2006206764 A JP 2006206764A JP 2005021393 A JP2005021393 A JP 2005021393A JP 2005021393 A JP2005021393 A JP 2005021393A JP 2006206764 A JP2006206764 A JP 2006206764A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
pollen
composition
average molecular
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005021393A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4896409B2 (ja
Inventor
Satoshi Nagai
智 永井
Michio Yokosuka
道夫 横須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2005021393A priority Critical patent/JP4896409B2/ja
Publication of JP2006206764A publication Critical patent/JP2006206764A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4896409B2 publication Critical patent/JP4896409B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】 花粉によるアレルギー症状を緩和できる環境を、簡便に提供できる手段を見出す。
【解決手段】 (a)特定の高分子化合物、(b)デンプン及びデキストリン類から選ばれる1種以上、並びに(c)ツバキ科植物抽出物及びフラボノイドから選ばれる1種以上を含有する花粉アレルギー症状緩和用組成物を、花粉の存在する環境に噴霧することで、花粉アレルギー症状を緩和できる環境を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、花粉アレルギー症状緩和用組成物及び花粉アレルギー症状緩和環境の提供方法に関する。
茶抽出物やフラボノイドを含有するアレルゲン除去剤の技術はすでに公知であり、特許文献1〜5を参考にすることができる。特に特許文献5には皮膜形成性ポリマーとポリフェノール化合物の併用が示唆されている。
特開2000−264837号公報 特開2004−210741号公報 特開平6−279273号公報 特表2004−510717号公報 特表2004−510841号公報
スギやヒノキの花粉は、アレルギー症状を引き起こすアレルゲン物質であり、その特異的な症状は花粉症と呼ばれている。花粉症対策として、抗原回避の見地からマスクなどで体内に吸引されないように注意することや、換気を最小限に抑えたり帰宅後の着衣を払う等の生活環境内への花粉侵入抑制といった方法が行われている。しかしながら、僅かな換気時間であっても花粉は室内に侵入し、またドアや窓の隙間、排気口などから花粉が室内に侵入したり、衣料に付着・残留して室内に持ち込まれることも多く、花粉に対する完全な抗原回避は事実上困難である。
一方、花粉は20〜40μmと一般のハウスダストに含まれるアレルゲンよりは大きく、空気中に舞い上がっているものも存在するが、大部分は床や繊維製品に存在している。また、花粉そのものはアレルゲンではなく、アレルゲンは花粉表面に付着しているか、花粉の内部に内包されており、特に花粉が鼻腔に侵入すると花粉が破裂し、内包されているアレルゲンが原因でアレルギー症状を引き起こす。特許文献1〜4に記載のアレルゲン除去剤は、花粉用途への示唆はあるものの実際に効果を確認しているものはダニなどのハウスダストに含まれる微細なアレルゲンを対象とするものであり、これら技術を花粉そのものに応用しても、花粉内部のアレルゲンにまで効果を及ぼすことができず、期待されるアレルギー症状緩和効果が非常に小さいという課題がある。
特許文献5は皮膜形成性高分子化合物を用いてアレルゲンを表面に固着させ舞い散りを抑制する技術が開示されている。また、該公報にはアレルゲン変性化合物としてポリフェノールなどを含有することも記載されている。しかしながら、この技術もダニなどのハウスダストに含まれるアレルゲンを対象とするものであり、微細なアレルゲンに比べて巨大な花粉粒子の舞い散りを抑制することができず、従って花粉アレルギー症状の緩和効果が得られない。
従って本発明は、花粉によるアレルギーを有効に緩和できる環境を提供できる花粉アレルギー症状緩和用組成物を見出すことを目的とする。
本発明は、(a)重量平均分子量2,000〜50,000のポリアルキレングリコール(アルキレンの炭素数は2又は3)及び分子中にアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩から選ばれる化合物〔以下、これらを(メタ)アクリル酸(塩)と表記する〕に由来する構成単位を50〜100モル%有する重量平均分子量5,000〜1,000,000の高分子化合物から選ばれる高分子化合物、(b)デンプン及びデキストリン類から選ばれる1種以上、並びに(c)ツバキ科植物抽出物及びフラボノイドから選ばれる1種以上を含有する、花粉アレルギー症状緩和用組成物に関する。この組成物は、花粉アレルゲン低減用組成物ないし花粉アレルゲン不活性化剤組成物である。
また、本発明は、(a)重量平均分子量2,000〜50,000のポリアルキレングリコール(アルキレンの炭素数は2又は3)及び分子中に(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構成単位を50〜100モル%有する重量平均分子量5,000〜1,000,000の高分子化合物から選ばれる高分子化合物〔以下、(a)成分という〕、(b)デンプン及びデキストリン類から選ばれる1種以上〔以下、(b)成分という〕0.01〜1質量%、並びに(c)ツバキ科植物抽出物及びフラボノイドから選ばれる1種以上〔以下、(c)成分という〕0.001〜0.5質量%を含有する水性組成物を、花粉の存在する環境に噴霧する花粉アレルギー症状緩和環境の提供方法に関する。すなわち、本発明によって、(a)〜(c)成分を含有する上記水性組成物を、花粉が存在する対象物に噴霧する、花粉アレルゲンの低減方法ないし花粉アレルゲン不活性化方法が提供される。
本発明によれば、花粉よるアレルギーを有効に緩和できる環境を簡便に提供できる。
<(a)成分>
本発明の組成物は(a)成分として、(a1)重量平均分子量2,000〜50,000のポリアルキレングリコール(アルキレンの炭素数は2又は3)〔以下、(a1)成分という〕及び(a2)分子中に(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構成単位を50〜100モル%有する重量平均分子量5,000〜1,000,000の高分子化合物〔以下、(a2)成分という〕から選ばれる高分子化合物を含有する。なお、ここでいう重量分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリエチレングリコールを標準として用いることで測定することができる。
(a1)成分の重量平均分子量は、好ましくは2,000〜8,000、特に好ましくは2,000以上、5,000未満であり、アルキレン基の炭素数は2又は3、好ましくはエチレン基である。また、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基がランダム又はブロック状に付加したポリアルキレングリコールを使用することも可能であるが、花粉付着防止効果の点から分子中にオキシエチレン基は80モル%以上、好ましくは90モル%以上が好ましい。
(a2)成分は、(メタ)アクリル酸(塩)に由来する構成単位を50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%含有する、重量平均分子量5,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜100,000の高分子化合物である。
また、(a2)成分は、(メタ)アクリル酸(塩)と、(メタ)アクリル酸(塩)と共重合可能なモノマーとの共重合体であってもよい。共重合可能なモノマーとしては、(1)マレイン酸又はその塩、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸塩、スルホプロピルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその塩、リン酸モノ−ω−メタクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜12)から選ばれる陰イオン基含有化合物、(2)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアクリル(又はメタクリル)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドンから選ばれるアミド基含有化合物、(3)アクリル酸(又はメタクリル酸)アルキル(炭素数1〜5)、アクリル酸(又はメタクリル酸)2−ヒドロキシエチル、アクリル酸(又はメタクリル酸)−N,N−ジメチルアミノアルキル(炭素数1〜5)、酢酸ビニルから選ばれるエステル基含有化合物、(4)エチレン、プロピレン、N−ブチレン、イソブチレン、N−ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、N−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンから選ばれる炭化水素化合物を挙げることができる。本発明では共重合可能なモノマーとして(1)の陰イオン基含有化合物が好適であり、特にマレイン酸又はその塩、無水マレイン酸が最も好ましい。
<(b)成分>
(b)成分のうち、デンプンとしては、未変性のデンプン及び加工デンプンが使用でき、具体的には、ばれいしょデンプン、コーンスターチ、小麦デンプン、タピオカデンプン等や、流動性デンプン、酸化デンプン、酢酸デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルデンプン、カチオンデンプン等を挙げることができる。
また、デキストリンとしては、ブリティッシュゴム、白色デキストリン、黄色デキストリンを用いることができる。また、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンから選ばれるシクロデキストリン化合物も好適である。シクロデキストリン化合物は水に対して溶解性の低い化合物が含まれ、例えばβ−シクロデキストリンの水に対する溶解度は1.8g/100g程度である。従ってシクロデキストリンの水への溶解性を向上させる目的から誘導体化することも可能である。具体的にはヒドロキシメチルシクロデキストリン、ヒドロキシエチルシクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、ヒドロキシブチルシクロデキストリン、ジメチルシクロデキストリン、トリメチルシクロデキストリン、ジエチルシクロデキストリン、トリエチルシクロデキストリン、カルボキシメチルシクロデキストリン、グルコシルシクロデキストリン、マルトシルシクロデキストリン、ジマルトシルシクロデキストリン、シクロデキストリンエピクロルヒドリンポリマー等が挙げられるが、中でもヒドロキシアルキルシクロデキストリンに属するものが好ましく、最も好ましいのはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを挙げることができる。
<(c)成分>
本発明の(c)成分はツバキ科植物抽出物及びフラボノイドから選ばれる1種以上である。
ツバキ科植物の抽出物としては、例えば茶、山茶花、ツバキ、サカキ、ヒサカキ、モッコクなどを挙げることができ、これらの生葉、その乾燥物、その加熱処理物などを用いることができる。これらの中でも茶の生葉、その乾燥物、あるいは蒸気若しくは焙煎等により加熱処理物されたものが好ましく、特に茶の生葉若しくはその乾燥物が入手の容易性、安全性などの観点から好ましい。
ツバキ科植物の抽出に用いる溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセリンなどのアルコール系有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系有機溶媒、水及びこれらの混合溶媒などを挙げることができ、エタノール、イソプロパノール、あるはこれらと水との混合溶媒が、有効成分の抽出率が高く、かつその有効成分の消臭効果が強いので好ましい。
ツバキ科植物を抽出する方法としては、熱抽出が好ましく、ツバキ科植物原料1質量部に対して、溶媒を4〜6質量部加え、溶媒の還流温度下に加熱して抽出する方法が好ましく、180〜200℃/20mmHgの減圧蒸留下で抽出する方法が更に好ましい。抽出時間は抽出装置の種類やツバキ科植物原料によって若干差があるが、例えばソックスレーの抽出装置を用いる場合、10〜20時間程度が好ましい。
ツバキ科植物原料中の有効成分は溶媒中に移行し抽出されるので、原料残渣をろ過あるいは遠心分離して除去することで有効成分を含有する抽出液が得られる。この抽出液より溶媒を除去することにより淡黄色〜濃褐色の油状物、粉末又は固体物としてツバキ科植物の抽出物を得ることができる。
ツバキ科植物の抽出物として特に好ましいものは、下記(1)〜(5)に示す物性をすべて満足するものである。
(1)淡黄色油状の液体で芳香性を有し、わずかに甘味を有する。
(2)1〜100質量%濃度の本抽出物水溶液が276±2mμに極大吸収を認める。
(3)本抽出物1gを水5mlに溶かし、これを試験溶液として食品添加物IIIのヒ素の試験に適合する。
(4)強熱残留物の試験で得た残留物に塩酸1ml及び硝酸0.2mlを加えて水浴上で蒸発乾固し、残留物に希酢酸2ml及び水20mlを加えて溶かし、必要があればろ過し、これを試験溶液として重金属の試験を行うとき、その量が0.0005%以下である。
(5)本抽出物5gを静かに加熱して沸騰させ、加熱をやめ直ちに点火して燃焼させ、残留物につき強熱残留物の試験を行うとき、0.05%以下である。
本発明の(c)成分として市販の緑茶抽出物を用いることもでき、特に白井松新茶(株)製の緑茶乾留エキス(フレッシュシライマツ)が、消臭性能に優れる。
フラボノイドは、フラバンの誘導体であり、ベンゼン核2個が中間に炭素原子3個をはさんで直列に結合した部位を有する化合物であり、具体例としてはアントシアニジン、イソフラボン、オーロン、カテキン、カルコン、フラバノノール、フラバノン、フラボンを挙げることができる。これらの中でもイソフラボン、フラボン、カテキンがアレルギー症状緩和効果の点から好適である。
本発明の(c)成分は、花粉アレルギー症状緩和効果の点から茶抽出物及びカテキンから選ばれる化合物が最も好適である。
本発明の花粉アレルギー症状緩和用組成物は上記(a)成分〜(c)成分を含有することで優れた効果を得ることができるが、更に(d)成分として炭素数2〜18のモノカルボン酸、又は多価カルボン酸から選ばれる有機酸を含有することが好適である。好ましい有機酸としては炭素数12〜18の飽和脂肪酸、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸から選ばれる飽和脂肪酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸から選ばれる多価カルボン酸が好適であり、特に飽和脂肪酸としてはミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸が好ましく、特にパルミチン酸及びステアリン酸が好ましい。多価カルボン酸としてはについてはクエン酸、コハク酸が好適である。このような有機酸を含有する組成物を花粉に処理すると、花粉の破裂を抑制し、鼻腔内に侵入した花粉の破裂から生じるアレルギー症状を緩和することが可能となる。
本発明において(c)成分は着色しやすい化合物であり、貯蔵中の着色を抑制するためには(e)成分として金属封鎖剤を含有することが好適である。具体的には、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸などのホスホン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸。ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸、アルキルグリシン−N,N−ジ酢酸、アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸、セリン−N,N−ジ酢酸、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミンコハク酸などのアミノポリ酢酸又はこれらの塩、好ましくはアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩を挙げることができる。
本発明では(e)成分として、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン4酢酸が最も好適である。
本発明の組成物は上記(a)成分〜(c)成分、所望により(d)成分、(e)成分を水、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上の溶剤〔以下(f)成分という〕に溶解した溶液として用いることが好適であり、特に経済性の点から水が好適である。また、対象物に処理した後の乾燥を速める目的から水とエタノール及び/又はプロパノールを併用することも好ましく、併用する場合には水/(エタノール+プロパノール)=1/1〜50/1、好適には5/1〜20/1、特に5/1〜10/1(質量比)が好ましい。
本発明の花粉アレルギー症状緩和用組成物は、(a)成分を0.01〜5質量%、更に0.05〜3質量%、特に0.05〜2質量%含有することが好ましい。また、(b)成分を0.02〜8質量%、更に0.05〜5質量%、特に0.1〜2質量%含有することが好適である。また、本発明の組成物における(c)成分の含有量は、植物の種類や抽出条件等によるが、有り姿で(c)成分を0.01〜3質量%、更に0.02〜2質量%、特に0.05〜1質量%含有することが好適である。
(d)成分は任意ではあるが、アレルギー症状緩和効果を向上させる目的から含有することが好適であり、組成物中の含有量は、0.01〜3質量%、更に0.02〜2質量%、特に0.05〜1質量%が好適である。また、(e)成分の組成物中の含有量は、貯蔵安定性を改善する目的から、0.02〜5質量%、更に0.03〜4質量%、特に0.05〜3質量%が好適である。
本発明の花粉アレルギー症状緩和用組成物の残部は(f)成分であり、エタノール及び/又はプロパノールと水の混合溶媒が好ましく、組成物中にエタノール及び/又はプロパノールの含有量を、好ましくは0.5〜60質量%、より好ましくは1〜30質量%、特に好ましくは3〜20質量%が好適である。
本発明の花粉アレルギー症状緩和用組成物の20℃におけるpHは、好ましくは1〜6.9、より好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4であり、このようなpHに調整する目的から本発明の(d)成分を用いることが好適であり、(d)成分以外には硫酸、塩酸、リン酸などの無機酸や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを用いることができる。
本発明では、上記花粉アレルギー症状緩和用組成物を花粉の存在する環境、例えば種々の表面、例えば繊維製品、硬質表面を含む製品等に噴霧する方法を採用する。好適な噴霧手段としては、噴射された液体組成物の液滴の平均粒径が、噴射口から噴射方向に10cm離れた地点において10〜200μm、好ましくは40〜120μm更に好ましくは60〜90μmであり、噴射口から噴射方向に10cm離れた地点において粒径200μmを超える液滴が噴霧液滴の総数に対して1%以下、噴射口から噴射方向に10cm離れた地点において粒径10μmに満たない液滴が噴霧液滴の総数に対して1%以下になるものを用いる。なお、このような粒子径分布は、例えば、レーザー回折式粒度分布計(日本電子製)により測定することができる。
このように噴霧粒径を制御する方法としては、手動式トリガー型の噴霧器を用いることが好ましく、口径が1mm未満、好ましくは0.5mm以下の噴霧口を有しているものを用いることで容易に達成することができる。また、噴霧口の形状、材質等は特に限定されるものではない。
また、花粉アレルギー症状緩和用組成物の20℃における粘度を15mPa・s以下、好ましくは1〜10mPa・sに調整することが、目的の噴霧粒径に調製する目的から好ましい。
本発明でいう粘度は、以下のようにして測定する。まず、TOKIMEC.INC製B型粘度計モデルBMに、ローター番号No.1のローターを備え付けたものを準備する。試料をトールビーカーに充填し、20℃の恒温槽内にて20℃に調製する。恒温に調製された試料を粘度計にセットする。ローターの回転数を60r/mに設定し、回転を始めてから60秒後の粘度を本発明の粘度とする。
噴霧量としては花粉の存在量にも左右されるが、対象表面1m2に対して花粉アレルギー症状緩和用組成物を好ましくは0.5〜100g、より好ましくは1〜50g、特に好ましくは2〜20gの割合で噴霧することが好適である。噴霧後は自然乾燥させることで皮膜形成性の高分子化合物である(a)成分、及び接着性のある(b)成分が花粉の舞い散りを抑制するとともに(c)成分の花粉への固着を助け、花粉が鼻腔に入ったとしても(c)成分の効果でアレルギー症状を発症しにくくさせるものと推定できる。
本発明では、花粉アレルギー症状緩和用組成物を乾燥後放置していてもよく、掃除機などで清掃することも可能である。
10cm×10cmに裁断した木綿金巾#2005(谷頭商店社製)に、0.05g/100cm2となる様に、スギ花粉を散布した。次いで表1記載の組成物を表1記載の量となる様に表1記載の容器を用いてスプレーし、25℃、60%RHの環境下で16時間静置して乾燥させ、試験布を得た。
試験布をガラスビンPS−No.13K(第一硝子株式会社製)に入れ、3分間良く振盪し、試験布から花粉を脱落させた。ガラスビンより静かに処理布を取り出した後、モデル鼻汁(下記参照)を5ml投入し、壁面に付着した花粉も含めて洗い出し、親水化PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製メンブランフィルタ(日本ミリポア(株)製、Type JA、0.45μm、φ47mm)上に液をまいた。この操作を5回繰り返し、実質的に全ての花粉をメンブランフィルタ上に捕集した。
メンブランフィルタは、乾燥を防ぐために速やかにφ90mmガラスシャーレに入れた。花粉がモデル鼻汁と最初に接触してから5分後、500倍の光学顕微鏡で速やかに10枚の視野を撮影し、視野中に観察された破裂している花粉の数をそれぞれ計数し、平均した。
表1に示したそれぞれの組成物について、各々5回の実験を行い、その平均をとった後に下記計算式で得られた値Xを以て組成物の花粉アレルギー症状緩和効果とした。
X=(P1)/(P0)×100
1:実施例の組成物を用いた場合の破裂花粉数(個)
0:比較例1の組成物を用いた場合の破裂花粉数(個)
この数値が低いほど、繊維製品や床等の硬質表面から飛散してヒト粘膜上に到達し、かつ該粘膜上で破裂してアレルゲンを放出する花粉数は少ないこととなり、実際の使用場面において花粉アレルギー症状は緩和されると考えられる。
<モデル鼻汁>
リン酸水素二ナトリウムの1質量%溶液にリン酸二水素カリウム1質量%溶液を適当量添加し、pH8.7に調整し、これにBSA(ウシ血清アルブミン、シグマアルドリッチ製)を0.5質量%添加し、モデル鼻汁とした。
Figure 2006206764
表1中、pHは塩酸及び水酸化ナトリウムにより調整した。また、表中の成分及び容器は以下のものである。
・a−1:ポリエチレングリコール(重量平均分子量3000)
・a−2:ポリエチレングリコール(重量平均分子量4000)
・a−3:ポリアクリル酸((株)日本触媒製、アクアリックDL453、重量平均分子量50000)
・a−4:ポリアクリル酸(東亜合成(株)製、アロンHM110、重量平均分子量12000)
・b−1:ばれいしょデンプン(片山化学)
・b−2:ヒドロキシプロピルデンプンSEDIA(日澱化学)
・c−1:フレッシュシライマツFS−500M(白井松新薬(株)製、緑茶抽出物、前記した(1)〜(5)の物性をすべて満足する)
・c−2:サンフラボンP(太陽化学(株)製、緑茶抽出物、前記した(1)〜(5)の物性をすべて満足する)
・c−3:フラボン
・d−1:クエン酸
・e−1:エチレンジアミン4酢酸
・f−1:エタノール
・容器A:噴口径0.6mm、1ストロークあたりの噴霧量1g
・容器B:噴口径0.3mm、1ストロークあたりの噴霧量0.5g

Claims (2)

  1. (a)重量平均分子量2,000〜50,000のポリアルキレングリコール(アルキレンの炭素数は2又は3)及び分子中にアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩から選ばれる化合物に由来する構成単位を50〜100モル%有する重量平均分子量5,000〜1,000,000の高分子化合物から選ばれる高分子化合物、(b)デンプン及びデキストリン類から選ばれる1種以上、並びに(c)ツバキ科植物抽出物及びフラボノイドから選ばれる1種以上を含有する、花粉アレルギー症状緩和用組成物。
  2. (a)重量平均分子量2,000〜50,000のポリアルキレングリコール(アルキレンの炭素数は2又は3)及び分子中にアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩から選ばれる化合物に由来する構成単位を50〜100モル%有する重量平均分子量5,000〜1,000,000の高分子化合物から選ばれる高分子化合物、(b)デンプン及びデキストリン類から選ばれる1種以上0.01〜1質量%、並びに(c)ツバキ科植物抽出物及びフラボノイドから選ばれる1種以上0.001〜0.5質量%を含有する水性組成物を、花粉の存在する環境に噴霧する花粉アレルギー症状緩和環境の提供方法。
JP2005021393A 2005-01-28 2005-01-28 花粉アレルギー症状緩和用組成物 Expired - Fee Related JP4896409B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005021393A JP4896409B2 (ja) 2005-01-28 2005-01-28 花粉アレルギー症状緩和用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005021393A JP4896409B2 (ja) 2005-01-28 2005-01-28 花粉アレルギー症状緩和用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006206764A true JP2006206764A (ja) 2006-08-10
JP4896409B2 JP4896409B2 (ja) 2012-03-14

Family

ID=36963956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005021393A Expired - Fee Related JP4896409B2 (ja) 2005-01-28 2005-01-28 花粉アレルギー症状緩和用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4896409B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007161679A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Kao Corp 花粉アレルギー症状緩和用組成物
JP2008088232A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Sumika Enviro-Science Co Ltd アレルゲン低減化組成物及びアレルゲン低減化方法
JP2008088234A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Sumika Enviro-Science Co Ltd アレルゲン低減化組成物及びアレルゲン低減化方法
JP2011178844A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Sumika Enviro-Science Co Ltd 抗アレルゲン組成物
JP2021191853A (ja) * 2017-04-11 2021-12-16 フマキラー株式会社 睡眠環境改善方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004083844A (ja) * 2002-07-03 2004-03-18 Kao Corp アレルゲン低減化剤
JP2004510841A (ja) * 2000-09-29 2004-04-08 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー アレルゲン中和組成物
JP2004203900A (ja) * 2002-10-29 2004-07-22 Kao Corp アレルゲン除去剤

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004510841A (ja) * 2000-09-29 2004-04-08 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー アレルゲン中和組成物
JP2004083844A (ja) * 2002-07-03 2004-03-18 Kao Corp アレルゲン低減化剤
JP2004203900A (ja) * 2002-10-29 2004-07-22 Kao Corp アレルゲン除去剤

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007161679A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Kao Corp 花粉アレルギー症状緩和用組成物
JP2008088232A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Sumika Enviro-Science Co Ltd アレルゲン低減化組成物及びアレルゲン低減化方法
JP2008088234A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Sumika Enviro-Science Co Ltd アレルゲン低減化組成物及びアレルゲン低減化方法
JP2011178844A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Sumika Enviro-Science Co Ltd 抗アレルゲン組成物
JP2021191853A (ja) * 2017-04-11 2021-12-16 フマキラー株式会社 睡眠環境改善方法
JP7169017B2 (ja) 2017-04-11 2022-11-10 フマキラー株式会社 睡眠環境改善方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4896409B2 (ja) 2012-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4896409B2 (ja) 花粉アレルギー症状緩和用組成物
US7262159B2 (en) Odor elimination composition for use on soft surfaces
JP6977022B2 (ja) 懸濁した粒子を含む相安定で噴霧可能なフレッシュニング組成物及びこれらを用いて空気又は表面を清浄にする方法
JP6884859B2 (ja) 懸濁粒子を含む噴霧可能なフレッシュニング製品及びそれを用いて空気又は表面をフレッシュニングする方法
RU2013136535A (ru) Способ получения ароматовыделяющих частиц для курительных изделий
US10143764B2 (en) Phase-stable, sprayable freshening compositions comprising suspended particles
JP2003504122A (ja) 空気処理剤を用いて空気の質を高める方法および装置
CN109603458A (zh) 一种成膜室内甲醛清除剂及其制备方法
JP3617613B2 (ja) 液体洗浄剤組成物
KR102298092B1 (ko) 세척 효과가 우수한 수계 세척제 및 이의 제조 방법
CN109777647A (zh) 一种衣物去异味组合物
JP2022119766A (ja) 懸濁粒子を含む相安定で噴霧可能なフレッシュニング組成物
EP1275368A1 (en) Composition for adding perfumes to water soluble films
JP5785263B2 (ja) アレルゲン不活性化剤組成物、物品、及び方法
JP4754267B2 (ja) 液体消臭剤組成物
JP2003096670A (ja) アレルゲン低減化繊維
CN1548164A (zh) 甲醛吸收剂及其制备方法
JP7002926B2 (ja) 防虫組成物及びその製造方法
JP3650388B2 (ja) アレルゲン除去剤
JP2005194658A (ja) アレルゲン抑制剤、並びに、アレルゲン抑制処理繊維及びその製造方法
JP6637299B2 (ja) プライマー性消臭剤及びそれを用いた消臭性有機繊維
JP2003082581A (ja) 洗濯用処理剤及びそれを用いた繊維製品の洗濯方法
JP4932247B2 (ja) 花粉アレルギー症状緩和用組成物
JP2000327512A (ja) 抗菌消臭剤とそれを用いたフィルタ
JP2006151895A (ja) 植物精油含有ハウスダスト処理剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110915

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111220

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111221

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees