JP2006206286A - レボルビング式自動糸条巻取装置 - Google Patents

レボルビング式自動糸条巻取装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自動糸条巻取装置の切り替え時に発生するフライ糸を巻取位置のボビンに侵入する前に捕捉し、フライ糸が含まれるパッケージをなくすことで、高品位なパッケージを製造する。
【解決手段】満巻ボビンホルダを巻取位置から待機位置に、空ボビンを待機位置から巻取位置に移動させて糸切り替えを行う際に、2本のボビンホルダ間に挿入される2つのセパレータの待機位置側の面に、フライ糸捕捉部材を取り付けたことを特徴とするレボルビング式自動糸条巻取装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、レボルビング式糸条自動巻取装置に関し、とくに、糸切り替えにおいて発生するフライ糸が巻取中のボビンホルダ側に侵入することを防ぐことのできるレボルビング式自動糸条巻取装置に関する。
合成繊維糸条の製造設備において、紡糸機から紡出された糸条をボビンが満巻になる毎に中断することなく連続的に巻き取る装置として、レボルビング式自動糸条巻取装置がある。このレボルビング式自動糸条巻取装置は、機台に回動自在に装着されたターレット上の180度対向位置にそれぞれボビンホルダを設けた2本のスピンドルを突設し、一方のボビンホルダを、糸条を綾振りさせるトラバース機構やボビンホルダ上のボビンに巻かれたパッケージに所定の面圧を付与するローラベイルを設けた巻取位置に配置し、他方のボビンホルダを待機位置に配置するようにして、巻取位置のボビンホルダが満巻になる毎にターレットを180度回転させ、巻取位置のボビンホルダを待機位置に、待機位置のボビンホルダを巻取位置に切り替えることにより糸条の連続巻取りを可能にするようにしている。
このようなレボルビング式自動糸条巻取装置においては、例えば特許文献1に開示される糸条巻取方法、例えば図1に示すように、2本のボビンホルダ3、3’の横断面の中心を結ぶ線の両側から2つのセパレータ13、13’を両ボビンホルダ3、3’の間にそれぞれ挿入するようにし、ボビンホルダ3の回転方向に沿うように挿入されるセパレータ13’の挿入は、糸条Yが満巻ボビン4’から空ボビン4へ切り替わる前から始まり、切り替わった時点から、ピッグテールの形成が開始されるまでの間に完了し、一方、ボビンホルダ3の回転方向に対向するように挿入されるセパレータ13の挿入は、前記セパレータ13’の挿入が完了した時点またはそれ以降に完了するようにした糸条巻取方法が提案されている。
しかしながら、このような従来技術でも、実際にはフライ糸の巻取位置のボビンホルダへの侵入を完全に防止することはできない。図1は特許文献1に示される自動糸条巻取機において、巻取位置のボビンが満巻になったのち、待機位置の空ボビンを巻取位置にレボルビングし、その空ボビンに糸切り替えした直後の様子を示したものである。フライ糸の巻取位置のボビンホルダへの侵入を完全に防止することはできない理由は、機台18に回動自在に装着されたターレット2を回動して糸条Yを満巻ボビン4’から空ボビン4へ切り替えると、満巻ボビン4’に連なる糸端Xがセパレータ13、13’と接触したときの擦過により、フライ糸が生じ、切り替え直後の待機位置の満巻ボビン4’の惰性回転で発生される随伴流によって、セパレータ13、13’の満巻ボビン3’側にある面Sに衝突する。しかし、一般的にセパレータ13、13’は鋼材、ステンレス、アルミなどの板材によって構成され、かつ随伴流はその衝突で消失することはなく、フライ糸を乗せた随伴流の一部は、セパレータ13、13’間のわずかな空隙や、ボビンホルダ3、3’が取り付けられている機台18と反対側、すなわち満巻ボビン4’の玉揚げを行う側の空隙を通過して、巻取側のボビン4に侵入するのである。
また、前記巻取位置のボビンホルダの回転方向に沿ったように挿入されるセパレータ13’に空ボビン4への糸巻き付け機構をもつレボルビング式自動糸条巻取装置においても、フライ糸の発生形態は同様であるが、さらにフライ糸は発生しやすい。
図2は、巻取位置のボビンホルダ3の回転方向に沿うように挿入されるセパレータ13’に、空ボビン4への糸巻き付け機構をもつレボルビング式自動糸条巻取装置において、巻取位置にあったボビン4’が満巻になったのち、待機位置にあった空ボビン4を巻取位置にレボルビングし、その空ボビン4に糸切り替えした直後の様子を正面から示したものである。糸巻き付け機構をもつセパレータ13’が2本のボビンホルダ3、3’の間に挿入される途中で、糸条Yはセパレータ13’の先端に取り付けられた糸掛けガイド14で捕捉され、挿入が完了した時点では糸掛けガイド14および糸道規制バー5で屈曲させられる。さらに糸掛けガイド14がボビン4に付与された糸把持手段(図示せず)側へ移動することによって、糸条Yは該糸把持手段で把持され糸条Yが切断することによって糸切り替えが完了する。その際、ボビン4に付与された糸把持手段で切断された糸条Uは、糸掛けガイド14および糸道規制バー5を経由し満巻ボビン4’に巻き取られるが、その際に糸条Yは糸掛けガイド14および糸道規制バー5で擦過され糸にダメージが与えられた状態で満巻ボビン4’に巻き取られる。そのため、ダメージが与えられた糸端が形成されることになり、満巻ボビン4’の惰性回転によって糸端がセパレータ13、13’に接触したときにフライ糸を発生させやすくなる。
巻取側の満巻ボビンにフライ糸が侵入すると、巻き上がったパッケージの中に5mm〜30mm長のフライ糸が含まれてしまい、後工程でパッケージの欠点として扱われる。また、巻き上がったパッケージからフライ糸を取り除くためには、パッケージが後工程に流れる前に人手をかけてフライ糸を除去する必要がある。
特開昭63−225072号公報(特許請求の範囲)
本発明の課題は、上述したような問題点を解決し、レボルビング式自動糸条巻取装置の切り替え時に発生するフライ糸を巻取位置のボビンに侵入する前に捕捉し、フライ糸が含まれるパッケージをなくすことで、高品位なパッケージを製造することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るレボルビング式自動糸条巻取装置は、回動可能なターレットに2本のボビンホルダを回転可能に突設し、それぞれのボビンホルダに糸条巻取ボビンを装着し、巻取位置にある一方のボビンが満巻となった時ターレットを回動させて、満巻ボビンを待機位置に、待機位置にあった空ボビンを巻取位置に移動させるとともに、待機位置に移動された満巻ボビン側から巻取位置に移動された空ボビン側へ糸条を切り替えるようにし、該糸条の切り替えの際に、前記2本のボビンホルダの横断面の中心を結ぶ線の両側から、待機位置に移動された満巻ボビンのボビンホルダの回転方向に沿う方向に挿入され巻取位置に移動された空ボビンへの糸巻き付け機構をもつセパレータと、巻取位置に移動された空ボビンのボビンホルダの回転方向に対向する方向に挿入されるセパレータとを、両ボビンホルダの間にそれぞれ挿入するようにした糸条巻取装置であって、前記2つのセパレータが両ボビンホルダの間にそれぞれ挿入されたときに待機位置側となるセパレータ面に、フライ糸捕捉部材を取り付けたことを特徴とするものからなる。
このレボルビング式自動糸条巻取装置においては、上記フライ捕捉部材が線径2mm未満、網目の空隙が1〜10mmの金属、プラスチック、ゴム、繊維のいずれかで作られたネットで構成され、かつ該ネットが前記2つのセパレータが両ボビンホルダの間にそれぞれ挿入されたときに待機位置となるセパレータ面から1〜30mm離間した位置に取り付けられていることが好ましい。
本発明によれば、レボルビング式自動糸条巻取装置の糸切り替え時に発生するフライ糸を、従来の方法に比べ、より確実に巻取位置のボビンホルダに侵入することを防ぎ、このことにより、高品位のパッケージを得ることができる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
図3は、本発明の一実施態様に係るレボルビング式自動糸条巻取装置を示しており、この糸条巻取装置において、巻取位置のボビンが満巻になったのち、待機位置の空ボビンを巻取位置にレボルビングし、その空ボビンに糸切り替えするときの様子を正面から示したものである。図3において、1は巻取部であり、ターレット2の周上に180度の間隔で一対のボビンホルダ3、3’が取り付けられ、それぞれにボビン4、4’が装着されている。また、一対のボビンホルダ3、3’の周方向に挟まれる中間位置に、それぞれ糸道規制バー5,5’が取り付けられている。巻取部1の上方にはトラバース装置6が配置されている。トラバース装置6は、複数組の回転ブレード7を並べ、図4にも示すように、振り支点ガイド8から供給される糸条Yを、これら回転ブレード7を左右に移動させながらトラバース案内板9に沿わせて綾振りするようになっている。図3では、レボルビング直後の状態を示し、満巻ボビン4’を装着したボビンホルダ3’が下側の待機位置に移動され、空ボビン4を装着したスピンドル(ボビンホルダ3)が上側の巻取位置に移動されている。
図4は上記トラバース装置を側面から見た図を示している。図3の状態から、図4に示すように、トラバース装置の上方の糸寄せガイド10が、図の左右に移動し、その移動途中で糸条Yを引っ掛けて回転ブレード7から外し、かつトラバース域Wを越えてトラバース案内板9の側端部まで移動させる。その結果、振り支点ガイド8から供給される糸条Yは、糸導入板11の左側縁c、糸道規制バー5上の規制ピン12を経て、巻き上げられる。図4において、17は、トラバース案内板9に連結されたシリンダ、19はそのシリンダピンを示している。また、図6は、2連巻取の場合の例を示している。
次いで、図5に示すように、セパレータ13’が2本のボビンホルダ3、3’の間に挿入される途中で糸導入板11の右側縁cと規制ピン12との間の糸道eの糸条Yを引っかけ、空ボビン4に巻き掛けるように押圧する。その後、セパレータ13’の先端に取り付けられた糸掛けガイド14をスピンドル軸方向に移動させることにより、糸条Yが空ボビン4の端部に設けた糸捕捉機構15(図4、図6)に捕捉され、糸条Yを空ボビン4へ巻き付かせることで糸切替が完了する。セパレータ13はセパレータ13の挿入が完了した時点またはそれ以降にボビンホルダ3、3’の間に挿入される。セパレータ13、13’には、図5に示すように2つのセパレータ13、13’が2つのボビンホルダの間にそれぞれ挿入されたときに、待機位置のボビン4’がある側のセパレータ面にフライ糸捕捉部材としてのネット16、16’が取り付けてある。すなわち、ネット16、16’はセパレータ13、13’と共に2つのボビンホルダの間に挿入される。
この糸切り換えの際に発生したフライ糸は、待機位置にある満巻ボビン3の惰性回転によって発生する随伴流により、セパレータ13、13’に付けられたネット16、16’に衝突する。
随伴流は複雑な流れであるために、フライ糸はネット16、16’の網目を通過しようとするが、フライ糸はネットの鋼線に絡み付き、一度絡みついたフライ糸は後からくる随伴流によって外れることはない。フライ糸を除去された随伴流の一部は、その後、セパレータ13、13’間のわずかな空隙や、満巻ボビンホルダの機台と反対側すなわち、満巻ボビンの玉揚げを行う側の空隙を通過して、巻取位置のボビン4に到達するが、既にフライ糸は除去されているため、巻取位置のボビン4の中に混入することはない。ネット16、16’に絡み付いたフライ糸は、定期的な清掃時などに除去されることが好ましい。
なお、糸切り替えの際に発生するフライ糸の大きさは、5〜30mm程度であるため、ネット16、16’の網線の線径は2mm未満であることが好ましい。また、網目の空隙は1〜10mmであることが好ましい。
また、セパレータ13、13’の面から垂直の方向に1mm未満の位置に、セパレータ面から離間させてネット16、16’を取り付けると、フライ糸を乗せた随伴流がネット16、16’を通過せず、フライ糸がネット16、16’に絡み付かないため、セパレータ13、13’の面から垂直に1〜30mm離した位置にネット16、16’を取り付けるのが好ましい。
以下に、本発明に係る自動糸条巻取装置の実施例と、従来技術の自動糸条巻取装置の比較例との比較を示す。対象となる合成繊維は次のようにして製造したものである。
すなわち、ポリエチレンテレフタレートのチップを紡糸温度300℃で溶融し、紡糸口金より押し出し、冷却固化後、水エマルジョン油剤をオイリングローラにより付与し、その後所定の倍率で延伸され製造された合成繊維である。
上記方法で製造された合成繊維を図3に示すレボルビング式自動糸条巻取装置で巻き取り、巻取位置のボビンホルダが満巻になった際にターレットを180度回転させ、巻取位置のボビンホルダを待機位置に、待機位置のボビンホルダを巻取位置に切り替えることにより糸条の連続巻取運転を実施し、満巻ボビンにフライ糸の侵入したドラム数/全ドラム数によってフライ糸侵入頻度を測定した。
その結果、従来技術でのフライ糸の侵入頻度が0.21であったのに対し、本発明によるレボルビング式自動糸条巻取装置によるフライ糸の侵入頻度は0.10であり、フライ糸の侵入頻度を大幅に抑制できることが確認できた。近年の大量かつ連続的に生産される合成繊維にとって、この効果は著しいものと考えられる。
従来の自動糸条巻取装置の正面図である。 従来の糸巻付け機構を持つセパレータを有するレボルビング式自動糸条巻取装置の正面図である。 本発明の一実施態様に係るレボルビング式自動糸条巻取装置の正面図である。 図3の装置のトラバース装置部を示す部分側面図である。 図3の装置のセパレータ作動状態を示す正面図である。 図3の装置の2連巻取の場合のトラバース装置部の例を示す部分側面図である。
符号の説明
1 巻取部
2 ターレット
3、3’ ボビンホルダ
4、4’ ボビン
5、5’ 糸道規制バー
6 トラバース装置
7 回転ブレード
8 振り支点ガイド
9 トラバース案内板
10 糸寄せガイド
11 糸導入板
12 規制ピン
13、13’ セパレータ
14 糸掛けガイド
15 糸捕捉機構
16、16’ ネット
17 シリンダ
19 シリンダピン
S セパレータ面
U 切断された糸条
W トラバース域
X 端糸
Y 糸条
c 糸導入板の側縁
e 糸道

Claims (2)

  1. 回動可能なターレットに2本のボビンホルダを回転可能に突設し、それぞれのボビンホルダに糸条巻取ボビンを装着し、巻取位置にある一方のボビンが満巻となった時ターレットを回動させて、満巻ボビンを待機位置に、待機位置にあった空ボビンを巻取位置に移動させるとともに、待機位置に移動された満巻ボビン側から巻取位置に移動された空ボビン側へ糸条を切り替えるようにし、該糸条の切り替えの際に、前記2本のボビンホルダの横断面の中心を結ぶ線の両側から、待機位置に移動された満巻ボビンのボビンホルダの回転方向に沿う方向に挿入され巻取位置に移動された空ボビンへの糸巻き付け機構をもつセパレータと、巻取位置に移動された空ボビンのボビンホルダの回転方向に対向する方向に挿入されるセパレータとを、両ボビンホルダの間にそれぞれ挿入するようにした糸条巻取装置であって、前記2つのセパレータが両ボビンホルダの間にそれぞれ挿入されたときに待機位置側となるセパレータ面に、フライ糸捕捉部材を取り付けたことを特徴とするレボルビング式自動糸条巻取装置。
  2. 前記フライ捕捉部材が、線径2mm未満、網目の空隙が1〜10mmの金属、プラスチック、ゴム、繊維のいずれかで作られたネットで構成され、かつ該ネットが前記2つのセパレータが両ボビンホルダの間にそれぞれ挿入されたときに待機位置となるセパレータ面から1〜30mm離間した位置に取り付けられたことを特徴とする、請求項1のレボルビング式自動糸条巻取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN118651730A (zh) * 2024-08-19 2024-09-17 广东双利电缆有限公司 一种可调式电缆线生产收卷机及其调节方法

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