JP2006205789A - 船外機のハンドルアジャスト機構 - Google Patents

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篤 米澤
Nobuhiro Horitani
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Abstract

【課題】 操作性を向上させることができる船外機のハンドルアジャスト機構を提供する。
【解決手段】 ハンドルアジャスタ80は、スロットルグリップ40の近傍にアジャストハンドル81と、アジャストハンドル81の前方にアジャストロッド82と、アジャストロッド82の前方でスロットルグリップ40の後端にアジャスト溝83とを備える。アジャストハンドル81のノブ85を回転させるとカム84が回転し、アジャストロッド82はカム84の凸部摺動面と当接して突出し、係合部82aがアジャスト溝83に収容され、アジャストロッド82とアジャスト溝83とが係合してスロットルグリップ40の回転方向位置を固定する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、船外機のハンドルアジャスト機構に関する。
小型、中型の船外機には、一般に、エンジン部分から前方に延びるティラーハンドルが設けられており、ティラーハンドルの先端にはスロットルグリップが取り付けられている。スロットルグリップが運転者によって回転操作されることにより、ティラーハンドル内に設けられたスロットルロッドが回転してスロットルドラムの先端のスロットルドラムが回転し、ケーブルを介してキャブレタのスロットルバルブの開度が制御されて、船外機の出力が制御されている。
船外機は、広大な海上等で使用されることが多く、長時間一定速度で走行する場合が多くある。このような走行をする場合、操作者は、スロットルバルブを一定開度に保持するためにスロットルグリップを把持して一定の回転方向位置に保持する必要があり、操作者に大きな負担を与えていた。
この操作者の負担を軽減するために、従来の船外機には、ティラーハンドルに、スロットルグリップを一定の回転方向位置に保持するハンドルアジャスト機構を備えるものがある。従来のハンドルアジャスト機構には、例えば、スロットルロッドに対して垂直にネジを締め付けることにより、板状部材を介してスロットルロッドの1点を押圧し、又は管状部材を介してスロットルロッドの一部分において外周全体を押圧してスロットルロッドの回転に対して摩擦力を与えて一定の回転方向位置に保持するものがあった。
しかしながら、上述の従来のハンドルアジャスト機構では、スロットルロッドの摩擦力が弱くスロットルグリップを一定の回転方向位置に保持することが容易でなかった。加えて、摩擦力によって各部品が磨耗し、保持力が低下するという問題があった。また、ネジがスロットルグリップから離れた位置に設けられており操作性が悪く、ネジの締め込みによってスロットルグリップを保持するので保持操作又は保持解除操作に多くの時間を要していた。
上述の問題を解決するために、従来のハンドルアジャスト機構には、スロットルグリップの回転方向に対して垂直にネジを締め付けることにより、スロットルドラムに摩擦力を生じさせてスロットルグリップを一定の回転方向位置に保持するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のハンドルアジャスト機構には、ネジを締め付けることによって板状部材を介してスロットルグリップを押圧し、スロットルグリップに大きな範囲で摩擦力を生じさせてスロットルグリップを一定の回転方向位置に保持するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
実公平6−35914号公報 特開平11−115894号公報
しかしながら、上述の従来のハンドルアジャスト機構においても、ネジを締め付けることによって摩擦力を生じさせ、この摩擦力によってスロットルグリップを一定の回転方向位置に保持するので、スロットルグリップの保持のために何回もネジを回さなければならない。従って、依然として、スロットルグリップの保持操作又は解除操作に多くの時間を要し、操作が煩わしく、操作性が悪かった。また、摩擦力によって各部品が磨耗する問題が依然としてあった。
本発明の目的は、操作性を向上させることができる船外機のハンドルアジャスト機構を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の船外機のハンドルアジャスト機構は、本体と、船外機のスロットルバルブを操作するために当該本体に対して回転可能に設けられたスロットルグリップとを有する操舵用のバーハンドルにおける前記スロットルグリップを任意の回転方向位置に保持する船外機のハンドルアジャスト機構において、前記本体及び前記スロットルグリップの一方に移動可能に設けられた凸状部材と前記本体及び前記スロットルグリップの他方に前記凸状部材を収容可能に設けられた凹状部材とを有する係合機構と、1つの操作工程によって前記凸状部材を駆動して前記凹状部材に収容させて係合させることによりスロットルグリップを任意の回転方向位置に保持する操作部材とを備えることを特徴とする。
請求項2記載のハンドルアジャスト機構は、請求項1記載のハンドルアジャスト機構において、前記係合機構は前記凸状部材を前記凹状部材に収容されない方向に付勢する第1付勢手段を備え、前記凹状部材は前記スロットルグリップの回転方向且つ回動範囲に設けられた複数の凹状溝を有し、前記凸状部材は先端が前記凹状溝の1つに収容可能に形成されていると共に前記スロットルグリップの回転方向に略垂直方向に移動可能であるロッド状部材であり、前記操作部材は前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記凸状部材を駆動することを特徴とする。
請求項3記載のハンドルアジャスト機構は、請求項2記載のハンドルアジャスト機構において、前記操作部材はカムを有し、該カムは前記凸状部材の後端に当接すると共に、前記操作部材の操作に応じて前記凸状部材を前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記凹状部材の方向に駆動することを特徴とする。
請求項4記載のハンドルアジャスト機構は、請求項2又は3記載のハンドルアジャスト機構において、前記係合機構は前記凸状部材の後端を前記凹状部材に収容される方向に付勢する第2付勢手段を備え、前記凸状部材の先端及び前記凹状部材の各凹状溝は、前記係合機構が係合状態において前記スロットルグリップが回動した場合に前記凸状部材を前記第2付勢手段の付勢力に抗して前記凹状部材の方向に駆動可能な形状であることを特徴とする。
請求項5記載のハンドルアジャスト機構は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のハンドルアジャスト機構において、前記係合機構が係合状態において前記スロットルグリップが全閉状態に回動する場合に、前記係合機構の係合を自動的に解除する自動解除機構を備えることを特徴とする。
請求項1記載の船外機のハンドルアジャスト機構によれば、係合機構が、バーハンドルの本体及びスロットルグリップに設けられており、操作部材の1つの操作工程によって係合機構が係合してスロットルグリップを任意の回転方向位置に保持するので、ハンドルアジャスト機構の操作性を向上させることができる。加えて、係合機構は、凸状部材が凹状部材に収容されて係合することによりスロットルグリップを任意の回転方向位置に保持するので、スロットルグリップの保持のために摩擦力が生じず、各部品が磨耗することがない。
請求項2記載のハンドルアジャスト機構によれば、凸状部材は、先端が凹状溝の1つに収容可能に形成されていると共にスロットルグリップの回転方向に略垂直方向に移動可能であるロッド状部材であり、操作部材は、凸状部材を凹状部材に収容されない方向に付勢する第1付勢手段の付勢力に抗して凸状部材を駆動するので、操作部材の1つの操作工程で確実にスロットルグリップを任意の回転方向位置に保持することでき、もってハンドルアジャスト機構の操作性をより向上させることができる。加えて、スロットルグリップの保持力をより強固にすることができる。
請求項3記載のハンドルアジャスト機構によれば、駆動部材は、凸状部材の後端に当接するカムを備え、操作部材の操作に応じてカムが凸状部材を第1付勢手段の付勢力に抗して凹状部材の方向に駆動するので、操作部材の1つの操作工程でより確実にスロットルグリップを任意の回転方向位置に保持することでき、もってハンドルアジャスト機構の操作性をさらに向上させることができる。
請求項4記載のハンドルアジャスト機構によれば、凸状部材の先端及び凹状部材の各凹状溝は、係合機構が係合状態においてスロットルグリップが回動した場合に、凸状部材の後端を凹状部材に収容される方向に付勢する第2付勢手段の付勢力に抗して凸状部材を凹状部材の方向に駆動可能な形状であるので、スロットルグリップを任意の回転方向位置に保持している場合においても、スロットルグリップを回転操作することができ、スロットルバルブ開度を微調整することができる。また、スロットルグリップを保持している場合において、スロットルグリップの回転操作を繰り返しても、第2付勢手段の付勢力によってスロットルグリップの保持力の低下を防止することができる。
請求項5記載のハンドルアジャスト機構によれば、自動解除機構が、係合機構が係合状態においてスロットルグリップが全閉状態に回動する場合に、係合機構の係合を自動的に解除するので、スロットルグリップの保持を解除する操作を不要にすることができ、ハンドルアジャスト機構の利便性及び操作性を向上させることができる。また、緊急時にスロットルグリップを全閉状態にするだけでスロットルグリップの保持を解除することができ、船外機の安全性を向上させることができる。また、スロットルグリップが全閉状態の場合、常にスロットルグリップの保持が解除されるので、操作者がスロットルグリップの保持の解除を忘れることを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るハンドルアジャスト機構を備える船外機の部分断面図であり、図2は、図1の線II−IIに沿う断面図であり、図3は、図1の船外機のギヤハウジングの拡大図である。尚、以降、船外機について、図1右方(船体側)を「前方」、左方を「後方」、上方を「上方」、下方を「下方」とし、手前側を「右舷側」、奥側を「左舷側」として説明する。
図1に示すように、この船外機1は、エンジン2と、エンジン2の下面に接合固定されているオイルパン3と、オイルパン3の下部に固定されているドライブシャフトハウジング4と、ドライブシャフトハウジング4の下部に固定されているギヤハウジング5とを備える。エンジン2は、例えば、その内部にクランクシャフト27(図2参照)が略垂直(縦置き)に配置されたOHC式水冷4サイクル直列2気筒エンジンである。また、船外機1は、上下分割可能なエンジンカバー6を備え、エンジンカバー6は、エンジン2及びオイルパン3の周囲を覆っている。
オイルパン3、及びドライブシャフトハウジング4内にはドライブシャフト11が略垂直に配置される。ドライブシャフト11は、ドライブシャフトハウジング4内を下方に向かって延び、ギヤハウジング5内のピニオンギヤ群12及びプロペラシャフト13を介して、推進装置であるプロペラ7を駆動するように構成されている。
また、船外機1は、ティラーハンドル(バーハンドル)8と、ティラーハンドル8が上下方向に回動可能に取り付けられているハンドルブラケット9と、ハンドルブラケット9が取り付けられているステアリングブラケット10と、船外機1を図示しない船体の船尾板に固定する左右一対のクランプブラケット14とを備える。このように、ティラーハンドル8は、前方に向かって延設されており、ハンドルブラケット9との取付部を中心に、上下方向に折り畳むことができる。
ステアリングブラケット10は、鉛直方向に延びるパイロットシャフト10aを備え、ステアリングブラケット10は、パイロットシャフト10aの上方、及びパイロットシャフト10aの下部において、オイルパン3の前面に形成されたアッパーマウント取付部、及びドライブシャフトハウジング4の前面に取り付けられたロアーマウントブラケット10bに夫々固定されている。
左右一対のクランプブラケット14には、チルト軸16を介して上下方向に回転可能にスイベルブラケット15が取り付けられている。スイベルブラケット15内には、ステアリングブラケット9のパイロットシャフト10aが鉛直方向に、且つ左右方向に回動可能に軸支されている。
これらの構造により、船外機1は、クランプブラケット14に対してパイロットシャフト10aを中心に左右に操舵可能になっていると共に、チルト軸16を中心に上方にチルトアップ可能になっている。
また、船外機1は、図1及び図2に示すように、エンジン2の前端に取り付けられているスタータモータ17の下方において、左右方向に水平に延設されていると共に軸中心に回転可能に支持されたクラッチシャフト18を備える。
クラッチシャフト18は、図2に示すように、左端部に同軸に形成されたドラム18aを備える。ドラム18aの後端側には、上下一対のシフトケーブル20a,20bの一端が固定されている。一対のシフトケーブル20a,20bの他端は、図4で後述するようにティラーハンドル8に接続されている。クラッチシャフト18は、上側のシフトケーブル20aを前方に引っ張ることにより時計周りに(図1の矢印aの方向に)、下側のシフトケーブル20bを前方に引っ張ることにより反時計周りに(図1の矢印aの逆方向に)回動する。
クラッチシャフト18の後側略中央部には、シフトロッド19の一端が接続されている。シフトロッド19は、パイロットシャフト10a内に上下方向に摺動可能に貫挿されており、他端がプロペラシャフト13の前方に配設されたシフトカム21に接続されている。
図3に示すように、シフトカム21は、ギヤハウジング5内に上下方向に摺動可能に配設されており、後方から前方に向って順に平面21a,21b,21cが階段状に形成されている。平面21a,21b,21cは、プロペラシャフト13の軸に対して垂直に形成された平面であり、平面21aと平面21b、平面21bと平面21cとは、夫々滑らかに接続されている。
プロペラシャフト13には、水平方向に同軸に形成された孔内を軸方向に摺動可能にプッシュロッド22が貫挿されている。プッシュロッド22は、図示しないバネにより前方に付勢されており、前端部がシフトカム21の上下方向の移動に応じて平面21a、平面21b、又は平面21cと当接する。
具体的には、上側のシフトケーブル20aを前方に引っ張ってクラッチシャフト18を時計周りに回転させることにより、シフトロッド19が上方に移動し、シャフトカム21が上方に移動する。これにより、プッシュロッド22の前端部はシフトカム21の最も前方且つ下方の平面21cと当接する。また、下側のシフトケーブル20bを前方に引っ張ってクラッチシャフト18を反時計周りに回転させることにより、シフトロッド19が下方に移動し、シャフトカム21が下方に移動する。これにより、プッシュロッド22の前端部はシフトカム21の最も後方且つ上方の平面21aと当接する。更に、上側のシフトケーブル20a及び下側のシフトケーブル20bのいずれも引っ張らないでクラッチシャフト18を中立状態にすることにより、シフトロッド19がニュートラル位置に移動し、シャフトカム21がニュートラル位置に移動する。これにより、プッシュロッド22の前端部はシフトカム21のニュートラル面である平面21bと当接する。
図1、図3に示すように、ピニオンギヤ群12は、ドライブシャフト11に取り付けられているドライブギヤ23と、ドライブギヤ23と船外機1において前方で噛み合って船体を前進させる前進用ドリブンギヤ24と、ドライブギヤ23と船外機1において後方で噛み合って船体を後進させる後進用ドリブンギヤ25とから構成されている。
前進用ドリブンギヤ24及び後進用ドリブンギヤ25には、プロペラシャフト13が同軸に貫挿されている。前進用ドリブンギヤ24及び後進用ドリブンギヤ25は、プロペラシャフト13に対して前後方向に摺動可能になるように、且つ軸中心に回転可能になるように形成されている。また、プロペラシャフト13は、中空円柱状のシフタドッグ26に同軸に貫挿されている。
シフタドッグ26は、内周面に形成されている溝及びプロペラシャフト13の外周面に形成されている不図示の溝等により、前進用ドリブンギヤ24及び後進用ドリブンギヤ25の間において前後方向にのみ移動可能に形成されている。シフタドッグ26の前面及び前進用ドリブンギヤ24の後面には、図3に示すように、互いに接することにより係合して一体に回転するための係合部26a及び係合部24aが夫々形成されており、また同様に、シフタドッグ26の後面及び後進用ドリブンギヤ25の前面には、互いに接することにより係合して一体に回転するための係合部26b及び係合部25aが夫々形成されている。
また、シフタドッグ26は、プッシュロッド22と係合しており、プッシュロッド22の前後方向の移動に伴って前後方向に移動する。具体的には、プッシュロッド22が前側に移動して前端部がシフトカム21の平面21cと当接する場合、シフタドッグ26は、プッシュロッド22を付勢するバネによって前方に付勢されて前方移動し、前進用ドリブンギヤ24と係合する。一方、プッシュロッド22が後側に移動して前端部がシフトカム21の平面21aと当接する場合、シフタドッグ26は、プッシュロッド22を付勢する、平面21aと平面21bとの間の滑らかな部分によって後方に付勢されて後方移動し、後進用ドリブンギヤ25と係合する。また、プッシュロッド22が中立位置に移動して前端部がシフトカム21の中立面である平面21bと当接する場合、シフタドッグ26は、前進用ドリブンギヤ24及び後進用ドリブンギヤ25のいずれとも係合しないニュートラル位置に移動する。
上述のように、操作者は、クラッチシャフト18を操作することにより、シフトロッド19、シフトカム21、及びプッシュロッド22を介して、シフタドッグ26を前後方向に移動させることにより、船外機1を前進、後進、ニュートラル状態にシフト変更することができる。即ち、シフタドッグ26が前進用ドリブンギヤ24と係合することにより、ドライブシャフト11の駆動力が前進用ドリブンギヤ24及びシフタドッグ26を介してプロペラシャフト13に伝達され、プロペラシャフト13が前進方向に回転する。この場合、後進用ドリブンギヤ25は空転する。一方、シフタドッグ26が後進用ドリブンギヤ25と係合することにより、ドライブシャフト11の駆動力が後進用ドリブンギヤ25及びシフタドッグ26を介してプロペラシャフト13に伝達され、プロペラシャフト13が後進方向に回転する。この場合、前進用ドリブンギヤ24は空転する。
また、図2に示すように、船外機1の側部において、エンジン2にはキャブレタ28が配設されている。キャブレタ28には、スロットルバルブ100(図4参照)の開度を調整するためのスロットルケーブル29の一端がドラム29aを介して接続されている。また、スロットルケーブル29の他端は、図4で後述するようにティラーハンドル8に接続されている。
図4は、ティラーハンドル8の上面図であり、図5は、ティラーハンドル8の右側断面図であり、図6は、図5の線VI−VIに沿う断面図であり、図7は、図5の線VII-VIIに沿う断面図である。
図4及び図5に示すように、ティラーハンドル8は、本体30と、スロットルグリップ40と、シフトスライダ50とを備える。
本体30は、略円柱形状であり、前方に向かって縮径するテーパが形成されている。また、本体30は、略中央部から後方において下側が開口しており、前方において上側が開口している。本体30には、図6に示すように、左右両側面に一対のガイドレール31,32が形成されている。ガイドレール31,32は、本体30の軸に平行に、且つ後述するようにシフトスライダ50が前後方向に移動可能な所定の長さに形成されている。
スロットルグリップ40は、略円柱状の形状であり、本体30の前端部に挿入されている。スロットルグリップ40は、本体30に対して、軸中心に回転可能に、且つ軸方向(図4の矢印bの方向)に移動可能に形成されている。
シフトスライダ50は、略円柱状であり、スロットルグリップ40の後方であって本体30の長さ方向略中央部において本体30に貫挿されている。シフトスライダ50には、図6に示すように、本体30の一対のガイドレール31,32を夫々摺動可能に収容するガイド溝51,52が形成されている。これにより、シフトスライダ50は、本体30に対して軸方向にのみ移動可能となっている。また、シフトスライダ50の前端に配設された支持部材56には、スロットルグリップ40の後端部が取り付けられ、スロットルグリップ40が軸中心に回転可能に軸支されている。シフトスライダ50の後端部と本体30の前側開口部の後端部39の間には、蛇腹状のシール部材60が取り付けられている。
また、本体30には、シフトスライダ50の近傍において、下側に前方から順にFノッチ33、Nノッチ34、及びRノッチ35が形成されている。Fノッチ33、Nノッチ34、及びRノッチ35は、同一サイズ同一形状であり、その断面形状は略半円である。また、Fノッチ33とNノッチ34、及びNノッチ34とRノッチ35とは、夫々滑らかに接続している。
また、シフトスライダ50は、シフトスライダ50の下側に配設されていると共に、Fノッチ33、Nノッチ34、及びRノッチ35の各ノッチに収容可能に形成されているローラ53と、ローラ53を本体30側に付勢する弾性プレート54とを備える。ローラ53は、左右方向に水平に立設されているローラ軸55によって回転可能に軸支されており、弾性プレート54は、前後方向に水平に配置されており、後端部にローラ軸55を介してローラ53を軸支していると共に、前端部においてシフトスライダ50に固定されている。
ローラ53は、上述の構成により、シフトスライダ50が前後に移動することによって、Fノッチ33、Nノッチ34、又はRノッチ35内に収容され、弾性プレート54によって収容されたノッチ内に付勢される。これにより、シフトスライダ50は、ローラ53がFノッチ33、Nノッチ34、又はRノッチ35内に収容される位置(以下、F位置、N位置、及びR位置と夫々称する)に位置決めされる。
図4,5に示すように、一端がクラッチシャフト18に固定された上下一対のシフトケーブル20a,20bは、本体30に配設されたシフトドラム36の右側及び左側に夫々固定されている。シフトドラム36は、略円盤状であり、本体30において軸方向にRノッチ35の後方に配設されている。また、シフトドラム36は、上下方向に立設されている軸37を介して水平に回転可能に軸支されている。
シフトドラム36は、略L型に形成されたロッド38を介してシフトスライダ50に連結されている。ロッド38は、後端がシフトドラム36の右側方に回動可能に軸支されており、前端がシフトスライダ50に回動可能に軸支されている。ロッド38の前端は、例えば、弾性プレート54の前端と同位置において軸支されている。
上述の構成により、シフトドラム36は、シフトスライダ50が前後方向に移動することにより、図4の矢印cの方向に回転する。シフトドラム36が回転することにより、上側のシフトケーブル20a又は下側のシフトケーブル20bが前方に引っ張られ、クラッチシャフト18、シフトロッド19、シフトカム21、及びプッシュロッド22を介してシフタドッグ26が前後方向に駆動されて、シフト変更がなされる。
また、ロッド38は、シフトスライダ50がF位置において、プッシュロッド22の前端部がシフトカム21の平面21cと当接し、シフトスライダ50がR位置において、プッシュロッド22の前端部がシフトカム21の平面21aと当接し、シフトスライダ50がN位置において、プッシュロッド22の前端部がシフトカム21の平面21bと当接する長さに形成されている。
上述の構成により、操作者は、シフトスライダ50をF位置、N位置、及びR位置に移動操作することにより、船外機1を前進状態、ニュートラル状態、及び後進状態に夫々シフト操作することができる。また、シフトドラム36は、シフトスライダ50の直線運動を回転運動に変換して、この回転運動をシフトケーブル20a,20bを介してエンジン2のクラッチシャフト18に伝達しているので、ティラーハンドル8側のシフトドラム36とエンジン2側のクラッチシャフト18とをケーブルによって容易に接続することができ、この接続の作業性を向上させることができる。加えて、シフトスライダの直線運動をそのまま他のリンク機構等でエンジン側に伝達する場合のように、エンジン側とティラーハンドルの接続機構が複雑且つ大型化することがなく、エンジン側とティラーハンドルの接続機構をコンパクトにすることができる。また、ティラーハンドル8を略水平状態から略垂直状態に回動する構造にすることができる。
また、シフトスライダ50の移動操作によりシフト操作することができるので、従来のハンドル構造におけるシフトレバーを不要にすることができ、シフト操作の操作性を大幅に向上させることができると共に、ティラーハンドル8の外観を向上させることができる。また、シフトレバーが取り付けられていないので、ティラーハンドル8を折り畳んだ場合に、船体機1の本体(エンジンカバー6)と干渉することをなくすることができる。
図4,5に示すように、本体30内には、真直に形成されたスロットルロッド41が前後方向に配設されている。スロットルロッド41は、長手方向略中央部において2分割されており、前側のロッドである前側ロッド42と、後側のロッドである後側ロッド43とから構成されている。また、スロットルロッド41は、軸方向に伸縮可能に形成されている。具体的には、後側ロッド43は、前端にガイドピン43aを備え、前側ロッド42は、ガイドピン43aを収容すると共に軸方向に移動するように規定するガイド孔42aを後端に備える。スロットルロッド41において、ガイドピン43aがガイド孔42aに収容されて、スロットルロッド41は、軸方向に伸縮可能になっている。
前側ロッド42は、本体30の前端部において、軸方向に移動可能且つ軸中心に回転可能に支持されている。また、前側ロッド42は、前端部が止めねじ44によってスロットルグリップ40に固定されている。
後側ロッド43は、本体30において、軸中心に回転可能に支持されている。尚、後側ロッド43は、前側ロッド42と異なり、本体30において軸方向に移動することができないように支持されている。また、後側ロッド43は、スロットルドラム45が後端に取り付けられており、スロットルドラム45には、キャブレタ28のスロットルバルブ100に接続されたスロットルケーブル29が張架されている。
上述の構成により、操作者は、スロットルグリップ40を回転操作することにより、スロットルロッド41が回転してスロットルドラム45が回転し、スロットルケーブル29が作動してスロットルバルブ100の開度を調整することができる。また、操作者がスロットルグリップ40を軸方向に移動操作して、即ちシフトスライダ50を軸方向に移動操作して、シフト変更する場合、上述のように、スロットルロッド41は軸方向に伸縮可能に形成されているので、シフトスライダ50の軸方向の移動がスロットルロッド41によって干渉されることなくシフトスライダ50が軸方向に移動することができる。また、スロットルグリップ40は、シフトスライダ50の支持部材56においてシフトスライダ50に対して軸方向に回転可能に取り付けられているので、操作者のスロットルグリップ40の回転操作によってシフトスライダ50が移動することがなく、操作者のスロットル操作がシフト操作に影響することがない。
また、ティラーハンドル8は、図5,7に示すように、スロットル開度ストッパ70を備える。スロットル開度ストッパ70は、スロットルロッド41の前側ロッド42の前端近傍に取り付けられたストッパピン71と、本体30の前端近傍においてストッパピン71に対応して取り付けられているストッパリブ72,73とから構成されている。
ストッパリブ72,73は、同一サイズ同形状であって略扇形状であり、前後方向に所定の間隔をあけて配設されている。また、ストッパリブ72,73は、スロットルグリップ40がスロットルバルブ100を開いているオープン状態において、スロットルグリップ40が軸方向に移動不可能に、即ちシフトスライダ50によってシフト変更不可能になるように、ストッパピン71が軸方向において干渉するように形成されており、一方、スロットルグリップ40がスロットルバルブ100を開いていないクローズ状態において、スロットルグリップ40が軸方向に移動可能に、即ちシフトスライダ50によってシフト変更可能になるように、ストッパピン71が干渉しないように切欠きが形成されている。
具体的には、スロットルグリップ40がスロットルバルブ100を開いているオープン状態において、シフトスライダ50がF位置に位置する場合、シフトスライダ50をN位置に移動させようとすると、ストッパピン71が軸方向においてストッパリブ72と干渉する。また、スロットルグリップ40がスロットルバルブ100を開いているオープン状態において、シフトスライダ50がN位置に位置する場合、シフトスライダ50をF位置又はR位置に移動させようとすると、ストッパピン71が軸方向においてストッパリブ72又はストッパリブ73と干渉する。同様に、シフトスライダ50がR位置に位置する場合、シフトスライダ50をN位置に移動させようとすると、ストッパピン71が軸方向においてストッパリブ73と干渉する。
上述の構成により、スロットルグリップ40がオープン状態であってスロットルバルブ100が開いている場合、ストッパピン71がストッパリブ72又はストッパリブ73に干渉するため、シフトスライダ50を操作することができない。従って、スロットルバルブ100が開いている場合、操作者はシフト操作をすることができない。このため、船体の急発進等を防止することができ、船外機1の安全性を向上させることができる。また、ストッパピン71及びストッパリブ72,73のみを備える簡単な構成で、部品点数を削減することができると共に、ティラーハンドル8を小型化することができる。
本実施の形態において、ストッパリブ72,73は、スロットルグリップ40がオープン状態である場合、常にストッパピン71と干渉するものとしたが、ストッパリブ72,73の構造はこれに限るものではなく、例えば、スロットルグリップ40がオープン状態である場合であって、スロットルグリップ40の回転角度が所定の回転角度範囲内のときに、ストッパピン71と干渉する構造にしてもよい。
また、図4,5に示すように、ティラーハンドル8は、必要に応じてスロットルグリップ40を一定の回転方向位置に保持してスロットルグリップ40の回転方向の位置を固定するハンドルアジャスト機構としてのハンドルアジャスタ80を備える。
図8は、ハンドルアジャスタ80の作用を説明する図であり、図8(a)は、ハンドルアジャスタ80がハンドルアジャストOFF状態である場合を示す図であり、図8(b)は、ハンドルアジャスタ80がハンドルアジャストON状態である場合を示す図である。また、図9は、図5の線VIII−VIIIに沿うハンドルアジャスタ80の断面図であり、図9(a)は、図8(a)の場合の断面図であり、図9(b)は、図8(b)の場合の断面図である。
ハンドルアジャスタ80は、図4,5に示すように、シフトスライダ50の上部であってスロットルグリップ40の近傍に配設されているアジャストハンドル81と、シフトスライダ50においてアジャストハンドル81の前方に配設されているアジャストロッド82と、アジャストロッド82の前方であってスロットルグリップ40の後端に形成されているアジャスト溝83とを備える。
アジャストハンドル81は、カム84と、カム84の凸方向と同じ方向に延びるノブ85とを備える。カム84とノブ85は一体に成形されている。また、アジャストハンドル81は、カム84及びノブ85を図4の矢印dの方向に回転可能に支持する軸86を備える。軸86は、例えばネジやリベットであって、シフトスライダ50において鉛直方向に立設されている。
シフトスライダ50の上部には、ピン87a,87bが立設されている。ピン87a,87bは、カム84の凸方向を軸方向前方(図4の矢印bの方向)から、図4において反時計周り方向に略90°の範囲内で変更可能にするために、ノブ85と干渉して回転範囲を規定する。
図9(a),(b)に示すように、アジャストロッド82は、前端に円錐状の係合部82aが、後端に円盤状のフランジ82bが形成されており、シフトスライダ50の上部前端に形成されたリブ88において、軸方向前後に摺動可能にスリーブ89内に貫挿されている。
スリーブ89は、リブ88に後端面から形成されたガイド孔88a内を軸方向を前後に摺動可能に形成されており、後端面においてアジャストロッド82のフランジ82bと当接する。ガイド孔88a内においてスリーブ89の前端面とガイド孔88aの底面との間にはバネ90が配設されており、アジャストロッド82は、バネ90によってスリーブ89及びフランジ82bを介して後方に付勢されている。
また、リブ88には、タペット91が、ガイド孔88a内を軸方向に摺動可能に配設されている。タペット91は、前方に開口する凹部91aを備え、前端面がスリーブ89の後端面と当接し、後端面がバネ90の付勢力によってカム84の摺動面に当接している。タペット91の凹部91a内には、アジャストロッド82を前方に付勢するバネ92が配設されている。
アジャスト溝83は、ステアリンググリップ40の後端にリブ88に対向して形成されているリブ93と、リブ93の後端面に形成されている複数の溝から構成されている。また、各溝は、アジャストロッド82の係合部82aを収容することができるように、断面が略V字型に形成されている(図9(a),(b)参照)。アジャスト溝83は、ステアリンググリップ40の周方向において、後方からみて、半径方向に沿った溝が複数形成されており、ステアリンググリップ40がオープン状態からクローズ状態においてアジャストロッド82の係合部82aを収容可能な範囲に形成されている。
アジャストロッド82は、タペット91がカム84の円周部摺動面と当接する場合、係合部82aがアジャスト溝83に収容されず、且つタペット91がカム84の凸部摺動面と当接する場合、突出して係合部82aがアジャスト溝83に収容されると共にフランジ82bがスリーブ89の後端面に当接する所定の長さに形成されている。
上述の構成により、ハンドルアジャスタ80は、アジャストハンドル81を回転操作することにより、ステアリンググリップ40を任意の回転位置に固定することができる。これにより、スロットルバルブ100の開度を任意の開度に固定することができる。
具体的には、操作者が、スロットルグリップ40を所定の位置に回転操作してスロットルバルブ100の開度を設定し、アジャストハンドル81のノブ85を、図4の矢印dにおいて時計周り方向(以下、ON方向と称する)に回転させると、カム84がON方向に回転してカム84の凸部がバネ90の付勢力に抗してタペット91を前方に押圧する。これにより、タペット91は、バネ92を介してアジャストロッド82を前方に押圧し、アジャストロッド82が前方に移動する(図9(b)参照)。
ノブ85を更にON方向に回転させると、アジャストロッド82がリブ88の前端面から突出し、ノブ85をON方向に略90°回転して、図8(b)に示すように、ノブ85の先端が軸方向を向いた状態(以下、この状態をアジャストON状態と称する)にすると、カム84の凸部によってアジャストロッド82はリブ88の前端面から最も突出し、係合部82aがアジャスト溝83の溝の1つに収容される(図9(b)参照)。
上述のように、ハンドルアジャスタ80がアジャストON状態になると、アジャストロッド82とアジャスト溝83とが係合してスロットルグリップ40の回転方向位置を固定する。これにより、操作者は、スロットルグリップ40を把持しなくても、スロットルグリップ40を所定の回転位置に維持することができ、スロットルバルブ100の開度を所定の開度に維持し、船体を一定の速度に保つことができる。従って、長時間一定の速度で船体を走行させるような場合に、操作者の負担を軽減することができる。
また、ハンドルアジャスタ80がアジャストON状態において、ノブ85をON方向と反対方向(以下、OFF方向と称する)に略90°回転させて、図8(a)に示すように、ノブ85の先端が軸方向に対して垂直方向に向いた状態(以下、この状態をアジャストOFF状態と称する)にすると、アジャストロッド82が沈動して係合部82aとアジャスト溝83との係合が外れ、スロットルグリップ40の回転方向位置の固定が解除される(図9(a)参照)。
上述のように、スロットルグリップ40近傍に設けられたハンドルアジャスタ80のノブ85のワンタッチ操作により、スロットルグリップ40の回転方向位置の固定、及びその解除を行うことができ、従来のハンドルアジャスト機構に比べて操作性を大幅に向上させることができる。また、カム84及びバネ92の、スロットルグリップ40回転方向に垂直な方向の付勢力により、アジャスタロッド82の円錐形状の係合部82aと、V字型溝であるアジャスト溝83とが係合し、スロットルグリップ40が任意の回転方向位置に固定されるので、従来に比べてスロットルグリップ40をより強固に固定することができ、加えて、構成要素に摩擦力等の無理な力がかからないので、構成要素の耐久性を向上させることができる。
また、ハンドルアジャスタ80は、図4に示すように、ハンドルアジャスタ80によるスロットルグリップ40の固定を自動解除可能にする自動解除機構としてのアジャスト解除リブ94を備える。
図10は、アジャスタ解除リブ94の作用を説明する図であり、図10(a)は、スロットルグリップ40がクローズ状態にされた場合のアジャスタ解除リブ94の作用を示す図であり、図10(b)は、スロットルグリップ40を強制的に回転操作した場合における図5の線VIII−VIIIに沿うハンドルアジャスタ80の断面図である。
アジャスタ解除リブ94は、図4,10(a)に示すように、断面が略矩形であり、スロットルグリップ40後端のリブ93上に形成されている。また、アジャスタ解除リブ94は、図10(a)に示すように、スロットルグリップ40がクローズ状態である場合、ハンドルアジャスタ80のノブ85をON方向に回転させるとノブ85がアジャスタ解除リブ94に干渉し、ハンドルアジャスタ80をアジャストON状態することができない位置及び高さに形成されている。具体的には、アジャスタ解除リブ94は、ステアリンググリップ40の回転方向におけるアジャスト溝83のオープン方向側端部近傍であって、半径方向に対してノブ85と同じ高さに形成されている。
また、アジャスト解除リブ94は、スロットルグリップ40がクローズ状態であって、スロットルグリップ40の有する回転方向の遊びの範囲内において最もオープン状態側に位置する場合、ノブ85をON方向に回転してもノブ85がアジャスト解除リブ94に干渉することがなく、ハンドルアジャスタ80をアジャストON状態にすることができるように、その形状が形成されている。
上述の構成により、スロットルグリップ40がオープン状態であって、ハンドルアジャスタ80がアジャストON状態である場合に、操作者が、スロットルグリップ40を強制的に回転させると、図10(b)に示すように、アジャスト溝83の溝の斜面からの力によってアジャストロッド82がバネ92の力に抗して沈動し、係合部82aの円錐面がアジャスト溝83の溝の斜面に沿って後方に移動し、斜面を越えるとバネ92の付勢力により斜面を越えて隣接する溝に収容される。
従って、スロットルグリップ40が強制的にクローズ方向に回転され続ける場合、アジャストロッド82が上述の動作を繰り返して、スロットルグリップ40がクローズ方向に回動し、スロットルグリップ40がクローズ状態となったとき、アジャスト解除リブ94がノブ85に干渉してノブ85がOFF方向に回動し、アジャストロッド82とアジャスト溝83との係合が解除されて、アジャストON状態が解除される。一方、ハンドルアジャスタ80がアジャストON状態である場合に、スロットルグリップ40を強制的にオープン方向に操作しても、アジャスタ解除リブ94がノブ85に干渉しないので、アジャストON状態を解除することはできない。
上述のように、操作者は、スロットルグリップ40がオープン状態であって、ハンドルアジャスタ80がアジャストON状態である場合に、スロットルグリップ40を強制的にクローズ状態に操作することにより、スロットルグリップ40のクローズ状態において、アジャスタ解除リブ94がノブ85に干渉して、アジャストON状態を自動的に解除することができる。従って、従来のハンドルアジャスタに比べて利便性及び操作性を向上させることができる。また、緊急時にスロットルグリップ40を全閉状態にするだけでアジャストON状態を解除することができ、船外機の安全性を向上させることができる。また、スロットルグリップ40がクローズ状態の場合、常にアジャストON状態が解除されるので、操作者がアジャストON状態の解除を忘れることを防止することができる。
また、操作者は、上述のようにハンドルアジャスタ80がアジャストON状態である場合に、スロットルグリップ40を強制的に回転操作することができるので、アジャストON状態においても操作者はスロットルバルブ100開度を微調整することができる。従って、従来のハンドルアジャスタに比べて利便性を向上させることができる。また、上述のようにスロットルグリップ40の強制的な回転操作を繰り返しても、バネ92の付勢力によってアジャスタロッド82がアジャスタ溝83に収容されるので、スロットルグリップ40の保持力の低下を防止することができる。
本実施の形態において、ハンドルアジャスタ80は、アジャストハンドル81がシフトスライダ50に、アジャスタ溝83がスロットルグリップ40に配設されている構成としたが、ハンドルアジャスタ80の構成はこれに限らず、例えば、アジャストハンドル81がスロットルグリップ40に、アジャスタ溝83がシフトスライダ50に配設されている構成であってもよい。
また、図10(a)に示すように、アジャストハンドル81は、アジャストハンドル81をOFF方向に付勢するねじりコイルばね95を備えるものであってもよい。これにより、アジャストON状態において、アジャスト解除リブ94がノブ85に若干干渉するだけで、ノブ85がOFF方向に回動するので、スロットルグリップ40を強制的にクローズ状態に操作することにより、アジャストON状態を容易に自動解除することができる。
また、ハンドルアジャスタ80は上述の構造に限るものではなく、他の構造であってもよい。例えば、アジャストハンドル81がノブ85に変えてプッシュボタンを備えるものであってもよい。
上述のように、本実施の形態に係る船外機のハンドルアジャスト機構によれば、スロットルグリップ40近傍に設けられたハンドルアジャスタ80のノブ85のワンタッチ操作により、スロットルグリップ40の回転方向位置の固定、及びその解除を行うことができるので、従来のハンドルアジャスト機構に比べて操作性を向上させることができる。また、カム84及びバネ92の回転方向に垂直な方向の付勢力により、アジャスタロッド82の円錐形状の係合部82aと、V字型溝であるアジャスト溝83との係合によって、スロットルグリップ40を一定の回転方向位置に固定するので、構成要素に摩擦力等の無理な力がかからず、構成要素の耐久性を向上させることができる。
本発明に係るハンドルアジャスタ機構は、本実施の形態に係るハンドルアジャスタ機構に限るものではなく、例えば、船外機のみではなく、二輪車にも適用することができる。
尚、本発明に係るハンドル構造を備える船外機は、上述の本実施の形態における船外機1に限るものではなく、例えば他の構成であってもよい。
本発明の実施の形態に係るハンドルアジャスト機構を備える船外機の部分断面図である。 図1の線II−IIに沿う断面図である。 図1の船外機のギヤハウジングの拡大図である。 図1のハンドル構造におけるティラーハンドルの上面図である。 図4のティラーハンドルの右側断面図である。 図5の線VI−VIに沿う断面図である。 図5の線VII-VIIに沿う断面図である。 図4のティラーハンドルが備えるハンドルアジャスタの作用を説明する図であり、図8(a)は、ハンドルアジャスタがハンドルアジャストOFF状態である場合を示す図であり、図8(b)は、ハンドルアジャスタがハンドルアジャストON状態である場合を示す図である。 図5の線VIII−VIIIに沿うハンドルアジャスタの断面図であり、図9(a)は、図8(a)の場合の断面図であり、図9(b)は、図8(b)の場合の断面図である。 図4のティラーハンドルが備えるアジャスタ解除リブの作用を説明する図であり、図10(a)は、ティラーハンドルのスロットルグリップがクローズ状態にされた場合のアジャスタ解除リブの作用を示す図であり、図10(b)は、スロットルグリップを強制的に回転操作した場合における図5の線VIII−VIIIに沿うハンドルアジャスタの断面図である。
符号の説明
1 船外機
2 エンジン
8 ティラーハンドル
18 クラッチシャフト
19 シフトロッド
20a,20b シフトケーブル
21 シフトカム
22 プッシュロッド
26 シフタドッグ
28 キャブレタ
29 スロットルケーブル
30 本体
40 スロットルグリップ
50 シフトスライダ
80 ハンドルアジャスタ
81 アジャストハンドル
82 アジャストロッド
82a 係合部
82b フランジ
83 アジャスト溝
84 カム
85 ノブ
88,93 リブ
88a ガイド孔
89 スリーブ
90、92 バネ
91 タペット
94 アジャスト解除リブ
100 スロットルバルブ

Claims (5)

  1. 本体と、船外機のスロットルバルブを操作するために当該本体に対して回転可能に設けられたスロットルグリップとを有する操舵用のバーハンドルにおける前記スロットルグリップを任意の回転方向位置に保持する船外機のハンドルアジャスト機構において、
    前記本体及び前記スロットルグリップの一方に移動可能に設けられた凸状部材と前記本体及び前記スロットルグリップの他方に前記凸状部材を収容可能に設けられた凹状部材とを有する係合機構と、1つの操作工程によって前記凸状部材を駆動して前記凹状部材に収容させて係合させることによりスロットルグリップを任意の回転方向位置に保持する操作部材とを備えることを特徴とする船外機のハンドルアジャスト機構。
  2. 前記係合機構は前記凸状部材を前記凹状部材に収容されない方向に付勢する第1付勢手段を備え、前記凹状部材は前記スロットルグリップの回転方向且つ回動範囲に設けられた複数の凹状溝を有し、前記凸状部材は先端が前記凹状溝の1つに収容可能に形成されていると共に前記スロットルグリップの回転方向に略垂直方向に移動可能であるロッド状部材であり、前記操作部材は前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記凸状部材を駆動することを特徴とする請求項1記載の船外機のハンドルアジャスト機構。
  3. 前記操作部材はカムを有し、該カムは前記凸状部材の後端に当接すると共に、前記操作部材の操作に応じて前記凸状部材を前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記凹状部材の方向に駆動することを特徴とする請求項2記載の船外機のハンドルアジャスト機構。
  4. 前記係合機構は前記凸状部材の後端を前記凹状部材に収容される方向に付勢する第2付勢手段を備え、前記凸状部材の先端及び前記凹状部材の各凹状溝は、前記係合機構が係合状態において前記スロットルグリップが回動した場合に前記凸状部材を前記第2付勢手段の付勢力に抗して前記凹状部材の方向に駆動可能な形状であることを特徴とする請求項2又は3記載の船外機のハンドルアジャスト機構。
  5. 前記係合機構が係合状態において前記スロットルグリップが全閉状態に回動する場合に、前記係合機構の係合を自動的に解除する自動解除機構を備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の船外機のハンドルアジャスト機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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