JP2006202929A - 光学素子、当該光学素子を有する露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液浸露光において、投影光学系の最終光学素子の信頼性を高め、優れた結像性能の実現を可能とする光学素子、かかる光学素子を有する露光装置を提供する。
【解決手段】 石英を材料とする第1の光学素子と、フッ化カルシウムを材料とする第2の光学素子と、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを接合する少なくとも一層以上の酸化物光学薄膜とを有することを特徴とする光学素子を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 石英を材料とする第1の光学素子と、フッ化カルシウムを材料とする第2の光学素子と、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを接合する少なくとも一層以上の酸化物光学薄膜とを有することを特徴とする光学素子を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、一般には、露光装置に係り、特に、IC、LSIなどの半導体チップ、液晶パネルなどの表示素子、磁気ヘッドなどの検出素子、CCDなどの撮像素子といった各種デバイス、マイクロメカニクスで用いる微細パターンの製造に用いられる露光装置に関する。本発明は、投影光学系の最終面と被処理体の表面を液体で浸漬して、かかる液体を介して被処理体を露光する、所謂、液浸型の露光装置に好適である。
フォトリソグラフィー(焼き付け)技術を用いて半導体メモリや論理回路などの微細な半導体素子又は液晶表示素子を製造する際に、レチクル(マスク)に描画された回路パターンを投影光学系によってウェハ等に投影して回路パターンを転写する縮小投影露光装置が従来から使用されている。
縮小投影露光装置で転写できる最小の寸法(解像度)は、露光に用いる光の波長に比例し、投影光学系の開口数(NA)に反比例する。従って、波長を短くすればするほど、及び、NAを上げれば上げるほど、解像度はよくなる。このため、近年の半導体素子の微細化への要求に伴い露光光の短波長化が進められ、KrFエキシマレーザー(波長約248nm)からArFエキシマレーザー(波長約193nm)と用いられる紫外光の波長は短くなってきた。現在は、次の光源としてF2レーザー(波長約157nm)や極端紫外線(EUV:Extreme ultraviolet)光の実現に向けて開発が進められている。
このような中で、ArFエキシマレーザーなどの光源を用いながら、更に解像度を向上させる技術として、液浸露光が注目されている(例えば、特許文献1参照。)。液浸露光とは、投影光学系の最終面(最終光学素子)とウェハの像面との間を液体(液浸液)で満たす(即ち、投影光学系のウェハ側の媒質を液体にする)ことで露光光の実効波長を短波長化し、投影光学系のNAを見掛け上大きくして解像度の向上を図るものである。投影光学系のNAは、媒質の屈折率をnとすると、NA=n・sinθであるので、空気の屈折率よりも高い屈折率(n>1)の媒質を満たすことでNAをnまで大きくすることができる。
例えば、波長約193nmのArFエキシマレーザーにおいては、水が良好な透過率を有し、且つ、屈折率も約1.44と比較的高く、液浸液として適している。そのため、ArFエキシマレーザーを光源とし、液浸液として水を用いた液浸型の露光装置(以下、「液浸露光装置」と称する。)の実用化が有望視されている。
特開平6−124873号公報
しかしながら、液浸露光装置では、投影光学系の最終光学素子(ウェハと対向する光学素子)が問題となる。ArFエキシマレーザーに対して良好な光学特性を有する硝材としては、石英(フッ素添加)及びフッ化カルシウム(CaF2)が一般的に知られている。但し、石英は、レーザー照射に対する耐性が悪く、コンパクションの発生や透過率の低下等の変化を生じ、結像性能及びスループットの低下などを引き起こす原因となる。
一方、フッ化カルシウムは、超純水によって容易にエッチングされる性質を有しており、例えば、液浸液として脱気処理が施された超純水を用いた場合、液浸液中に多量のカルシウムイオンを発生させてしまう。カルシウムイオンなどの金属コンタミは、ウェハ表面に付着するとその後の加熱工程などにより容易にウェハ内部まで拡散する性質を有しており、デバイス素子の耐圧不良、キャリアライフタイムの減少など様々な障害を引き起こす原因となる。従って、液浸液中の軽金属イオンの溶出量を可能な限り抑制する必要がある。
そこで、本発明は、液浸露光において、投影光学系の最終光学素子の信頼性を高め、優れた結像性能の実現を可能とする光学素子、かかる光学素子を有する露光装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての光学素子は、石英を材料とする第1の光学素子と、フッ化カルシウムを材料とする第2の光学素子と、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを接合する少なくとも一層以上の酸化物光学薄膜とを有することを特徴とする。
本発明の別の側面としての光学素子は、石英を材料とする第1の光学素子と、フッ化カルシウムを材料とする第2の光学素子と、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを接合する液体とを有することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての露光装置は、レチクルのパターンを被処理体に投影する投影光学系を備え、前記投影光学系と前記被処理体との間の少なくとも一部に供給される液浸液を介して前記被処理体を露光する露光装置であって、前記投影光学系において、前記被処理体と対向する位置に配置される上述の光学素子を有し、前記光学素子は、前記第1の光学素子の前記第2の光学素子と接合する面の反対側の面が前記液浸液と接触することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としてのデバイス製造方法は、上述の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、露光された前記被処理体を現像するステップとを有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、液浸露光において、投影光学系の最終光学素子の信頼性を高め、優れた結像性能の実現を可能とする光学素子、かかる光学素子を有する露光装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての露光装置について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。ここで、図1は、本発明の露光装置1の構成を示す概略断面図である。
露光装置1は、投影光学系30の被処理体40側にある最終面(最も被処理体40側の光学素子100)と被処理体40との間に供給される液浸液LWを介して、レチクル20に形成された回路パターンをステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式で被処理体40に露光する液浸型の投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる。)を例に説明する。ここで、「ステップ・アンド・スキャン方式」とは、レチクルに対してウェハを連続的にスキャン(走査)してレチクルパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後ウェハをステップ移動して、次の露光領域に移動する露光方法である。また、「ステップ・アンド・リピート方式」とは、ウェハの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次の露光領域に移動する露光方法である。
露光装置1は、図1に示すように、照明装置10と、レチクル20を載置するレチクルステージ25と、投影光学系30と、被処理体40を載置するウェハステージ45と、給排機構50と、制御部60とを有する。
照明装置10は、転写用の回路パターンが形成されたレチクル20を照明し、光源部12と、照明光学系14とを有する。
光源部12は、例えば、光源としては、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザーなどを使用することができるが、光源の種類はエキシマレーザーに限定されず、例えば、波長約157nmのF2レーザーを使用してもよいし、その光源の個数も限定されない。例えば、独立に動作する2個の固体レーザーを使用すれば固体レーザー間相互のコヒーレンスはなく、コヒーレンスに起因するスペックルはかなり低減する。更にスペックルを低減するために光路中に配置した図示しない光学系を直線的又は回動的に揺動させてもよい。また、光源部12にレーザーが使用される場合、レーザー光源からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用することが好ましい。また、光源部12に使用可能な光源はレーザーに限定するものではなく、一又は複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。
照明光学系14は、レチクル20を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、オプティカルインテグレーター、絞り等を含む。例えば、コンデンサーレンズ、ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリット、結像光学系の順で配列する等である。オプティカルインテグレーターは、ハエの目レンズや2組のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュラーレンズ)板を重ねることによって構成されるインテグレーターを含むが、光学ロッドや回折素子に置換される場合もある。
レチクル20は、図示しないレチクル搬送系により露光装置1の外部から搬送され、レチクルステージ25に支持及び駆動される。レチクル20は、例えば、石英製で、その上には転写されるべき回路パターンが形成されている。レチクル20から発せられた回折光は、投影光学系30を通り、被処理体40上に投影される。レチクル20と被処理体40とは、光学的に共役の関係に配置される。露光装置1は、スキャナーであるため、レチクル20と被処理体40を縮小倍率比の速度比で走査することにより、レチクル20のパターンを被処理体40上に転写する。なお、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(「ステッパー」とも呼ばれる。)の場合は、レチクル20と被処理体40を静止させた状態で露光が行われる。
レチクルステージ25は、図示しないレチクルチャックを介してレチクル20を支持し、図示しない移動機構に接続されている。図示しない移動機構は、リニアモーターなどで構成され、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及び各軸の回転方向にレチクルステージ25を駆動することでレチクル20を移動することができる。ここで、レチクル20又は被処理体40の面内で走査方向をY軸、それに垂直な方向をX軸、レチクル20又は被処理体40の面に垂直な方向をZ軸とする。
投影光学系30は、レチクル20に形成されたパターンを経た回折光を被処理体40上に結像する機能を有する。投影光学系30は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。
被処理体40は、図示しないウェハ搬送系により露光装置1の外部から搬送され、ウェハステージ45に支持及び駆動される。被処理体40は、本実施形態ではウェハであるが、液晶基板、その他の被処理体を広く含む。被処理体40にはフォトレジストが塗布されている。
ウェハステージ45は、図示しないウェハチャックによって被処理体40を支持する。ウェハステージ45は、レチクルステージ25と同様に、リニアモーターを利用して、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及び各軸の回転方向に被処理体40を移動する。また、レチクルステージ25の位置とウェハステージ45の位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。ウェハステージ45は、例えば、ダンパを介して床等の上に支持されるステージ定盤上に設けられ、レチクルステージ25及び投影光学系30は、例えば、床等に載置されたベースフレーム上にダンパを介して支持される図示しない鏡筒定盤上に設けられる。
給排機構50は、給排ノズル52を介して、投影光学系30と被処理体40との間、詳細には、投影光学系30の被処理体40側の最終面(光学素子100)と被処理体40との間に液浸液LWを供給すると共に、供給した液浸液LWを回収する。換言すれば、給排機構50は、投影光学系40の最終面(光学素子100)の周囲に配置された給排ノズル52を介して液浸液LWを供給し、投影光学系30と被処理体40との間の間隙に液浸液LWの液膜を形成する。
給排機構50は、液浸液LWの供給と回収を兼用する構造を有し、後述する制御部60に制御され、露光時のウェハステージ45の移動方向等の条件に基づいて、給排ノズル52による液浸液LWの供給と回収、液浸液LWの供給量及び回収量が制御される。給排機構50は、ウェハステージ45の移動の際にも、液浸液LWの供給及び回収を行う。これにより、投影光学系30と被処理体40との間に存在する液浸液LWを循環させることができ、溶存ガス、或いは、不純物の除去などの効果を得ることができるため、液浸液LWの状態を一定に維持することができる。
給排ノズル52は、異物の溶出が少なく、且つ、液浸液LWに対して耐久性に優れた材質から構成することが好ましく、例えば、フッ素系樹脂等が好ましい。給排ノズル52は、後述するように、本実施形態では、投影光学系30の最も被処理体40側に配置される光学素子100を保持する機能も有する。
液浸液LWは、光源部12からの露光光の等価的な露光波長を短くし、露光における解像度を向上させる機能を有する。液浸液LWは、本実施形態では、超純水である。超純水は、一般に、半導体素子の製造工程において大量に用いられており、被処理体40やフォトレジストとの相性がよいという利点を有する。但し、液浸液LWは、特に超純水に限定するものではなく、露光光の波長に対して高い透過特性及び高い屈折率特性を有し、投影光学系30や被処理体40に塗布されているフォトレジストに対して化学的安定性の高い液体を使用することができる。
制御部60は、図示しないCPU、メモリを有し、露光装置1の動作を制御する。制御部60は、照明装置10、レチクルステージ25(即ち、レチクルステージ25の図示しない移動機構)、ウェハステージ45(即ち、ウェハステージ45の図示しない移動機構)及び給排機構50と電気的に接続されている。CPUは、MPUなど名前の如何を問わずいかなるプロセッサも含み、各部の動作を制御する。メモリはROM及びRAMより構成され、露光装置1を動作するファームウェアを格納する。
制御部60は、ウェハステージ45の現在位置、速度、加速度、目標位置、移動方向といった情報を取得し、これらの情報に基づいて、液浸露光に係る制御も行う。換言すれば、制御部60は、液浸液LWの供給及び回収の切り替え、停止、供給及び回収する液浸液LWの量の制御等の制御指令を、給排機構50に与える。
ここで、投影光学系30の最も被処理体40側(即ち、被処理体40と対向する位置)に配置され、液浸液LWと接触する光学素子100について説明する。図2は、投影光学系30の光学素子100を模式的に示す拡大断面図である。図2を参照するに、光学素子100は、本実施形態ではレンズであり、石英(SiO2)を材料とする第1の光学素子110と、フッ化カルシウム(CaF2)を材料とする第2の光学素子120とを接合材130を介して接合して構成される。光学素子100は、第1の光学素子110の第2の光学素子120と接合する面110aの反対側の面110bが液浸液LWと接触するように配置され、本実施形態では、給排ノズル52によって保持されている。なお、第2の光学素子120と給排ノズル52との間には、スペーサーSPを配置し、後述する接合材(特に、液体の場合)130の乾燥を防止することが好ましい。
第1の光学素子110である石英は、超純水などの液浸液LWに対して化学的に安定しているので、第2の光学素子120であるフッ化カルシウムのように、液浸液LWによってエッチングされることがない。換言すれば、第1の光学素子110は、第2の光学素子120が液浸液LWに接触することを防止し、液浸液LW中に金属コンタミが発生することを防止することができる。
第1の光学素子110は、後述するように、レーザー光の照射によってコンパクションや透過率の変化を生じ、結像性能やスループットに影響を及ぼしてしまう。なお、かかる問題は、第1の光学素子110の厚さに依存するため、第1の光学素子110の厚さは可能な限り薄くするのが好ましいが、光学素子100の保持や研磨精度を考慮すると、第1の光学素子110の実用的な厚さは3mm乃至5mm程度である。
第1の光学素子110は、後述するように、レーザー光の照射によってコンパクションや透過率の変化を生じ、結像性能やスループットに影響を及ぼしてしまう。なお、かかる問題は、第1の光学素子110の厚さに依存するため、第1の光学素子110の厚さは可能な限り薄くするのが好ましいが、光学素子100の保持や研磨精度を考慮すると、第1の光学素子110の実用的な厚さは3mm乃至5mm程度である。
第2の光学素子120であるフッ化カルシウムは、例えば、ArFエキシマレーザーに対する透過率に優れているため、第1の光学素子110のみで製造された光学素子と比較して、ArFエキシマレーザーの照射に起因する光学性能への影響を少なくすることができる。即ち、石英を硝材とする光学素子では、ArFエキシマレーザーの照射により、原子間の結合ネットワークが変化するため、コンパクションや透過率の低下が生じるが、本実施形態では、フッ化カルシウムと組み合わせて光学素子を構成することで、コンパクションや透過率の低下を低減している。
接合材130は、第1の光学素子110と第2の光学素子120とを接合する機能を有する。接合材130は、酸化物光学薄膜や液体で具現化され、本実施形態では、第1の光学素子110と第2の光学素子120とをオプティカルコンタクト(光学密着)によって張り合わせる。
接合材130として液体を用いる場合、液体の種類によっては接合後に時間の経過と共に、第2の光学素子(フッ化カルシウム)120の表面の表面粗さが悪化し、第1の光学素子110と第2の光学素子120との接合面に曇りが発生することがある。第2の光学素子(フッ化カルシウム)120を液体に浸漬させたときの経過時間と表面粗さとの関係を図3に示す。図3では、縦軸に第2の光学素子(フッ化カルシウム)120の表面粗さを、横軸に経過時間を採用する。図3を参照するに、液体としてのフッ化カルシウム溶液のカルシウムイオン濃度が1.5ppmの場合には、時間経過と共に表面粗さの悪化が顕著になるのに対して、フッ化カルシウム溶液のカルシウムイオン濃度が7ppm以上の場合には、時間経過による表面粗さの悪化は抑制されている。従って、接合材130としてフッ化カルシウム溶液を用いる場合には、カルシウムイオン濃度を7ppm以上とすることが好ましい。また、光学素子120の表面に酸化物光学薄膜を120nm以上積層することで、接合面での曇りを更に改善することができる。
本実施形態では、第1の光学素子110と第2の光学素子120とを接合する接合材130としてフッ化カルシウム水溶液を用いると共に、第2の光学素子120の接合面にはRF放電方式のスパッタ装置で膜厚が200nmとなるようにSiO2薄膜が成膜されており、第1の光学素子110と第2の光学素子120とを接合材130を介して接合し、光学素子100を作成した。
このように、光学素子100は、コンパクション発生による結像性能の低下及び透過率低下によるスループットの低下などを低減すると共に、液浸液LWへのカルシウムイオン等の溶出を完全に防止することができる。換言すれば、光学素子100は、投影光学系30の最終光学素子としての信頼性を向上させることができる。
露光において、光源部12から発せされた光束は、照明光学系14によりレチクル20を、例えば、ケーラー照明する。レチクル20を通過してレチクルパターンを反映する光は、投影光学系30により、液体LWを介して被処理体40に結像される。露光装置1が用いる投影光学系30は、コンパクション発生による結像性能の低下及び透過率低下によるスループットの低下などを低減すると共に、液浸液LWへのカルシウムイオン等の溶出を完全に防止する光学素子100を有し、極めて高い解像力でレチクル20のパターンを露光することができる。これにより、露光装置1は、高いスループットで経済性よくデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
次に、図4及び図5を参照して、上述の露光装置1を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図4は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する行程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図5は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置1によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施形態のデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置1を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1 露光装置
10 照明装置
20 レチクル
25 レチクルステージ
30 投影光学系
40 被処理体
45 ウェハステージ
50 給排機構
52 給排ノズル
60 制御部
100 光学素子
110 第1の光学素子
120 第2の光学素子
130 接合材
LW 液浸液
SP スペーサー
10 照明装置
20 レチクル
25 レチクルステージ
30 投影光学系
40 被処理体
45 ウェハステージ
50 給排機構
52 給排ノズル
60 制御部
100 光学素子
110 第1の光学素子
120 第2の光学素子
130 接合材
LW 液浸液
SP スペーサー
Claims (8)
- 石英を材料とする第1の光学素子と、
フッ化カルシウムを材料とする第2の光学素子と、
前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを接合する少なくとも一層以上の酸化物光学薄膜とを有することを特徴とする光学素子。 - 前記接合は、オプティカルコンタクトであることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 前記酸化物光学薄膜は、石英を材料とすることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 前記酸化物光学薄膜は、120nm以上の膜厚を有することを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 石英を材料とする第1の光学素子と、
フッ化カルシウムを材料とする第2の光学素子と、
前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とを接合する液体とを有することを特徴とする光学素子。 - 前記液体は、7ppm以上のカルシウムイオン濃度を有するフッ化カルシウム水溶液であることを特徴とする請求項5記載の光学素子。
- レチクルのパターンを被処理体に投影する投影光学系を備え、前記投影光学系と前記被処理体との間の少なくとも一部に供給される液浸液を介して前記被処理体を露光する露光装置であって、
前記投影光学系において、前記被処理体と対向する位置に配置される請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の光学素子を有し、
前記光学素子は、前記第1の光学素子の前記第2の光学素子と接合する面の反対側の面が前記液浸液と接触することを特徴とする露光装置。 - 請求項7記載の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、
露光された前記被処理体を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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JP (1) | JP2006202929A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011199304A (ja) * | 2007-07-24 | 2011-10-06 | Asml Netherlands Bv | 液浸タイプのリソグラフィ装置、その汚染を防止又は減少させる方法、及びデバイス製造方法 |
US9019466B2 (en) | 2007-07-24 | 2015-04-28 | Asml Netherlands B.V. | Lithographic apparatus, reflective member and a method of irradiating the underside of a liquid supply system |
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2005
- 2005-01-20 JP JP2005012217A patent/JP2006202929A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011199304A (ja) * | 2007-07-24 | 2011-10-06 | Asml Netherlands Bv | 液浸タイプのリソグラフィ装置、その汚染を防止又は減少させる方法、及びデバイス製造方法 |
US9019466B2 (en) | 2007-07-24 | 2015-04-28 | Asml Netherlands B.V. | Lithographic apparatus, reflective member and a method of irradiating the underside of a liquid supply system |
US9158206B2 (en) | 2007-07-24 | 2015-10-13 | Asml Netherlands B.V. | Lithographic apparatus and contamination removal or prevention method |
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