JP2006201761A - 電流駆動装置,データドライバ,および表示装置 - Google Patents

電流駆動装置,データドライバ,および表示装置 Download PDF

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哲郎 大森
Hiroshi Kojima
寛 小嶋
Makoto Mizuki
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Abstract

【課題】出力電流の電流値を均一にする。
【解決手段】トランジスタT101LおよびT101RA(T101RB)で構成されたカレントミラー回路によって基準電流Irefに応じたドレイン電流IdrsをトランジスタT104A,T104Bに流す。差動増幅回路D103A(D103B)とトランジスタT104A(T104B)で構成された負帰還回路によりトランジスタT105−1〜T105−Kにおける特性ばらつきに対応したバイアス電圧VbiasA,VbiasBを生成する。ゲート線G104の電位は、このバイアス電圧VbiasA,VbiasBを線形補間した値になる。このゲート線G104の電位の傾きによってトランジスタT105−1〜T105−Kにおける特性ばらつきを補償することによって出力電流Ioutの電流値を均一にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流駆動装置に関するものであり、特に、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示用ドライバ等として利用する電流駆動装置に関する。
<従来の電流駆動装置の構成>
従来の電流駆動装置20の全体構成を図11に示す。従来の電流駆動装置20は、入力として外部(例えば、電流源)からの基準電流Irefを持ち、設定用基準トランジスタT201Lと、供給用基準トランジスタT201RA,T201RBと、カスコード接続用トランジスタT202L,T202RA,T202RBと、バイアス電圧生成用トランジスタT204A,T204Bと、K個(Kは自然数)の駆動トランジスタT205−1〜T205−Kとを備える。
設定用基準トランジスタT201Lは、電源ノードとカスコード接続用トランジスタT202Lとの間に接続され、ゲートとドレインとが互いに接続される。カスコード接続用トランジスタT202Lは、設定用基準トランジスタT201Lと入出力端子N201との間に接続され、ゲートとドレインとが互いに接続される。
供給用基準トランジスタT201RAは、電源ノードとカスコード接続用トランジスタT202RAとの間に接続され、ゲートが設定用基準トランジスタT201Lのゲートに接続される。カスコード接続用トランジスタT202RAは、供給用基準トランジスタT201RAとバイアス電圧生成用トランジスタT204Aとの間に接続され、ゲートがカスコード接続用トランジスタT202Lのゲートに接続される。バイアス電圧生成用トランジスタT204Aは、カスコード接続用トランジスタT202RAと接地ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが互いに接続される。
供給用基準トランジスタT201RBは、電源ノードとカスコード接続用トランジスタT202RBとの間に接続され、ゲートが設定用基準トランジスタT201Lのゲートに接続される。カスコード接続用トランジスタT202RBは、供給用基準トランジスタT201RBとバイアス電圧生成用トランジスタT204Bとの間に接続され、ゲートがカスコード接続用トランジスタT202Lのゲートに接続される。バイアス電圧生成用トランジスタT204Bは、カスコード接続用トランジスタT202RBと接地ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが互いに接続される。
バイアス電圧生成用トランジスタT204Aのゲートとバイアス電圧生成用トランジスタT204Bのゲートとは、バイアス電圧配線G204に接続される。バイアス電圧配線G204は、単位長あたりの抵抗値を持ち、配線抵抗Rを有している。
駆動トランジスタT205−1〜T205−Kの各々は、出力電流Ioutが出力される出力ノードOUTと接地ノードとの間に接続され、各々のゲートはバイアス電圧配線と任意の位置で接続されている。駆動トランジスタT205−1〜T205−Kは互いに連続して配置されており、駆動トランジスタT205−1とT205−Kの配置は、物理的に最も距離が離れた配置になっている。さらに、駆動トランジスタT205−1とバイアス電圧生成用トランジスタT204Aは近傍に配置され、駆動トランジスタT205−Kとバイアス電圧生成用トランジスタT204Bは近傍に配置される。
尚、設定用基準トランジスタT201Lと、供給用基準トランジスタT201RA、T201RBと、カスコード接続用トランジスタT202L、T202RA、T202RBと、バイアス電圧生成用トランジスタT204A、T204Bと、駆動トランジスタT205−1,T205−2からT205−Kは、それぞれ、1つ若しくは複数個のトランジスタで構成される。
<従来の動作>
次に、図11に示した電流駆動装置20による動作について説明する。
まず、設定用基準トランジスタT201L,供給用基準トランジスタT201RA、T201RBと,バイアス電圧生成用トランジスタT204A、T204Bによって構成されたカレントミラー回路によって、基準電流Irefの電流値とバイアス電圧生成用トランジスタT204Aのトランジスタ特性(ゲートに受けるゲート電圧の電圧値とドレイン電流の電流値との関係)とに応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasAがバイアス電圧生成用トランジスタT204Aのゲートに発生し、基準電流Irefの電流値とバイアス電圧生成用トランジスタT204Bのトランジスタ特性とに応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasBがバイアス電圧生成用トランジスタT204Bのゲートに発生する。
<ゲート線G204と駆動トランジスタとの関係>
駆動トランジスタT205−1と駆動トランジスタT205−Kは物理的に距離が離れており、トランジスタ特性が異なるため同一の電流を流すためのゲート電圧が異なる電圧になることがある。この駆動トランジスタT205−1〜T205−Kの各々のトランジスタ特性は、一般的に、線形的にばらつく。
また、バイアス電圧生成用トランジスタT204Aを駆動トランジスタT205−1の近傍に配置し、バイアス電圧生成用トランジスタT204Bを駆動トランジスタT205−Kの近傍に配置すれば、各々のトランジスタのトランジスタ特性がより近くなる。このように配置することにより、駆動トランジスタT205−1の特性にあった電圧値を有するバイアス電圧VbiasAおよび駆動トランジスタT205−Kの特性にあった電圧値を有するバイアス電圧VbiasBを生成することができる。
配線抵抗Rを有するゲート線G204の両端にバイアス電圧VbiasA,VbiasBを与えることによって、ゲート線G204の電位は線形補間される。よって、ゲート線G204に接続された駆動トランジスタT205−1〜T205−Kの各々には、線形補間されたゲート線G204の電位に応じた電流値を有する出力電流Ioutが流れる。これにより、駆動トランジスタT205−1〜T205−Kのトランジスタ特性のばらつきとゲート線の線形的に変化する電位とが相殺される。よって、駆動トランジスタT205−1〜T205−Kの各々を流れる出力電流Ioutの電流値は均一になる。
特開2003−131617号公報(図3) 特開2004−198770号公報
しかし、従来の電流駆動装置では、バイアス電圧生成用トランジスタT204Aのゲートとドレインとが接続され、バイアス電圧生成用トランジスタT204Bのゲートとドレインとが接続されている。さらに、バイアス電圧生成用トランジスタT204Aのゲートとバイアス電圧生成用トランジスタT204Bのゲートが、配線抵抗Rのバイアス電圧配線により接続されている。よって、バイアス電圧VbiasAの電圧値とバイアス電圧VbiasBの電圧値とが異なる場合、ゲート線G204にはその電圧値の差に応じた電流ΔIdrが流れてしまう。これにより、例えば、バイアス電圧VbiasAの電圧値がバイアス電圧VbiasBの電圧値よりも小さい場合、バイアス電圧生成用トランジスタT204Bには(設定用基準トランジスタT201RBからのドレイン電流Idrs)から(ゲート線G204を流れる電流ΔIdr)を差し引いた電流が流れ、バイアス電圧生成用トランジスタT204Aには(設定用基準トランジスタT201RAからのドレイン電流Idrs)に(ゲート線G204を流れる電流ΔIdr)を加えた電流が流れてしまう。
このように、バイアス電圧生成用トランジスタT204Aを流れる電流とバイアス電圧生成用トランジスタT204Bを流れる電流との間に誤差が生じることによって、バイアス電圧VbiasA,VbiasBの電圧値を適切な値に設定することができなくなる可能性があった。
この場合、ゲート線G204の配線抵抗Rを大きくすればゲート線G204を流れる電流ΔIdrを小さくすることが可能であるが、駆動トランジスタT205−1〜T205−Kの容量カップリングによる影響が大きくなってしまう。
この発明の1つの局面に従うと、電流駆動装置は、第1の入出力部と、第1のバイアス電圧生成用トランジスタと、第2の入出力部と、第2のバイアス電圧生成用トランジスタと、K個(Kは自然数)の駆動トランジスタと、第1のゲート線と、第1の電圧供給ノードと、第1の差動増幅回路と、第2の電圧供給ノードと、第2の差動増幅回路とを備える。第1の入出力部は、第1の電流を入力または出力する。第1のバイアス電圧生成用トランジスタは、第1の入出力部と第1の基準ノードとの間に接続される。第2の入出力部は、第2の電流を入力または出力する。第2のバイアス電圧生成用トランジスタは、第2の入出力部と上記第1の基準ノードとの間に接続される。K個(Kは自然数)の駆動トランジスタは、出力電流が入力または出力される出力ノードと上記第1の基準ノードとの間に接続される。第1のゲート線は、第1のバイアス電圧生成用トランジスタのゲート,K個の駆動トランジスタの各々のゲート,および第2のバイアス電圧生成用トランジスタのゲートが順番に接続される。第1の電圧供給ノードは、第1の電圧を受ける。第1の差動増幅回路は、上記第1の入出力部と上記第1のバイアス電圧生成用トランジスタとの第1の相互接続ノードにおける第2の電圧の電圧値と上記第1の電圧供給ノードが受ける第1の電圧の電圧値との差に応じた電圧値を有する第3の電圧を出力する。第2の電圧供給ノードは、第4の電圧を受ける。第2の差動増幅回路は、上記第2の入出力部と上記第2のバイアス電圧生成用トランジスタとの第2の相互接続ノードにおける第5の電圧の電圧値と上記第2の電圧供給ノードが受ける第4の電圧の電圧値との差に応じた電圧値を有する第6の電圧を出力する。第1のバイアス電圧生成用トランジスタは、第1の差動増幅回路によって出力された第3の電圧をゲートに受ける。第2のバイアス電圧生成用トランジスタは、第2の差動増幅回路によって出力された第6の電圧をゲートに受ける。
上記電流駆動装置では、第1のゲート線の電位は、第1のバイアス電圧生成用トランジスタのゲートに与えられる第3の電圧と第2のバイアス電圧生成用トランジスタのゲートに与えられる第6の電圧とを線形補間した値になる。よって、K個の駆動トランジスタの各々は、第1のバイアス電圧生成用トランジスタ(または第2のバイアス電圧生成用トランジスタ)からの距離に応じた電圧値を有するバイアス電圧を各々のゲートに受ける。また、第1のバイアス電圧生成用トランジスタのゲートとドレインとの間には第1の差動増幅回路が接続され第2のバイアス電圧生成用トランジスタのゲートとドレインとの間には第2の差動増幅回路が接続されるので、第1のバイアス電圧生成用トランジスタを流れるドレイン電流および第2のバイアス電圧生成用トランジスタを流れるドレイン電流が第1のゲート線に流れ込むことはない。したがって、第1のゲート線の電位の傾きとK個の駆動トランジスタにおけるトランジスタ特性(ゲートに受ける電圧の電圧値とそのトランジスタを流れるドレイン電流の電流値との関係)のばらつきとが相殺されるので、K個の駆動トランジスタの各々を流れる出力電流の電流値を均一にすることができる。
また、第1および第2の差動増幅回路は出力インピーダンスが低いので、第1および第2の差動増幅回路における電圧降下が小さい。よって、従来の電流駆動装置よりも電力を有効に使用することができる。また、第1および第2の差動増幅回路は入力インピーダンスが高いので、第1および第2の差動増幅回路の前段の回路(例えば、第1および第2の入出力部)にかかる電気的な負担が小さくてすむ。さらに、第1の差動増幅回路(第2の差動増幅回路)と第1のバイアス電圧生成用トランジスタ(第2のバイアス電圧生成用トランジスタ)とによって構成された負帰還回路によって、トランジスタの容量カップリングの影響による第1のゲート線の電位の変動を除去することができる。
好ましくは、上記第1のゲート線は、第1のノードと第2のノードとを有する。上記第1のバイアス電圧生成用トランジスタのゲートは、上記第1のゲート線の第1のノードに接続される。上記第2のバイアス電圧生成用トランジスタのゲートは、上記第1のゲート線の第2のノードに接続される。上記K個のトランジスタの各々のゲートは、上記第1のゲート線のうち上記第1のノードと上記第2のノードとの間に接続される。
好ましくは、上記電流駆動装置は、設定用トランジスタを、さらに備える。設定用トランジスタは、第2の基準ノードと基準電流が入力または出力される入出力ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続される。上記第1の入出力部は、第1の供給用トランジスタを含む。第1の供給用トランジスタは、第2の基準ノードと上記第1の相互接続ノードとの間に接続され、ゲートが設定用トランジスタのゲートに接続される。上記第2の入出力部は、第2の供給用トランジスタを含む。第2の供給用トランジスタは、第2の基準ノードと上記第2の相互接続ノードとの間に接続され、ゲートが設定用トランジスタのゲートに接続される。
上記電流駆動装置では、基準電流の電流値に応じた電流値を有するドレイン電流を第1のバイアス生成用トランジスタおよび第2のバイアス電圧生成用トランジスタに流すことができる。よって、基準電流の電流値に応じた電圧値を有するバイアス電圧を生成することができ、K個の駆動トランジスタの各々に基準電流の電流値に応じた電流値を有する出力電流を流すことができる。
好ましくは、上記設定用トランジスタ,上記第1および第2の供給用トランジスタの各々は、カスコード接続されている。
上記電流駆動装置では、設定用トランジスタ,第1および第2の供給用トランジスタの各々のドレイン電圧の電圧値を等しくすることができる。これにより、ドレイン電圧依存性による影響を受けることなく、基準電流の電流値に応じた電流値を有するドレイン電流を第1および第2のバイアス電圧生成用トランジスタに流すことができる。
好ましくは、上記電流駆動装置は、第3の入出力部と、第3のバイアス電圧生成用トランジスタと、第3の電圧供給ノードと、第3の差動増幅回路とを、さらに備える。第3の入出力部は、第3の電流を入力または出力する。第3のバイアス電圧生成用トランジスタは、第3の入出力部と上記第1の基準ノードとの間に接続される。第3の電圧供給ノードは、第7の電圧を受ける。第3の差動増幅回路は、第3の入出力部と第3のバイアス電圧生成用トランジスタとの第3の相互接続ノードにおける第8の電圧の電圧値と第3の電圧供給ノードが受ける第7の電圧の電圧値との差に応じた電圧値を有する第9の電圧を出力する。上記第1のゲート線は、上記第1のバイアス電圧生成用トランジスタのゲート,先頭からH番目(Hは自然数:1≦H≦K−1)までのH個の上記駆動トランジスタの各々のゲート,第3のバイアス電圧生成用トランジスタのゲート,(H+1)番目からK番目までの(K−H)個の上記駆動トランジスタの各々のゲート,および上記第2のバイアス電圧生成用トランジスタのゲートが順番に接続される。上記第3のバイアス電圧生成用トランジスタは、第3の差動増幅回路によって出力された第9の電圧をゲートに受ける。
上記電流駆動装置では、第1のゲート線を2つの電圧(第3の電圧,第6の電圧)だけでなく3つの電圧(第3の電圧,第6の電圧,第9の電圧)を与えることによって、第1のゲート線の電位をK個の駆動トランジスタにおけるトランジスタ特性のばらつきに応じた電位に設定することができる。これにより、K個の駆動トランジスタの各々を流れる出力電流の電流値をより精度良く均一にすることができる。
好ましくは、上記第1のゲート線は、第3のノードをさらに有する。第3のノードは、上記第1のノードと上記第2のノードとの間に存在する。上記第3のバイアス電圧生成用トランジスタのゲートは、上記第1のゲート線の第3のノードに接続される。上記K個の駆動トランジスタのうち第1のノードからH番目(Hは自然数)までのH個の駆動トランジスタの各々のゲートは、上記第1のゲート線のうち上記第1のノードと第3のノードとの間に接続される。上記K個の駆動トランジスタのうち第1のノードから(H+1)番目からK番目までの(K−H)個の駆動トランジスタの各々のゲートは、上記第1のゲート線のうち第3のノードと上記第2のノードとの間に接続される。
好ましくは、上記電流駆動装置は、K個の出力電圧制限用トランジスタと、第2のゲート線とをさらに備える。K個の出力電圧制限用トランジスタは、上記K個の駆動トランジスタと上記出力ノードとの間に接続される。第2のゲート線は、上記K個の出力電圧制限用トランジスタの各々のゲートが接続される。上記第2のゲート線は、所定の電圧値を有する制限電圧を受ける。
上記電流駆動装置では、K個の駆動トランジスタの各々のドレイン電圧の電圧値を等しくすることができる。これにより、ドレイン電圧依存性による影響を低減することができ、K個の駆動トランジスタの各々を流れる出力電流の電流値をより精度良く均一にすることができる。
好ましくは、上記電流駆動装置は、第1の電圧制限用トランジスタと、第2の電圧制限用トランジスタとをさらに備える。第1の電圧制限用トランジスタは、上記第1の相互接続ノードと上記第1のバイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される。第2の電圧制限用トランジスタは、上記第2の相互接続ノードと上記第2のバイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される。上記第2のゲート線は、上記第1の電圧制限用トランジスタのゲート,上記K個の出力電圧制限用トランジスタのゲート,上記第2の電圧制限用トランジスタのゲートが順番に接続される。
上記電流駆動装置では、第1のバイアス電圧生成用トランジスタ,K個の駆動トランジスタ,第2のバイアス電圧生成用トランジスタの各々のドレイン電圧の電圧値を等しくすることができる。これにより、ドレイン電圧依存性による影響を低減することができ、K個の駆動トランジスタの各々を流れる出力電流の電流値をより精度良く均一にすることができる。
好ましくは、上記第2のゲート線は、第3のノードと第4のノードとを有する。上記第1の電圧制限用トランジスタのゲートは、第2のゲート線の第3のノードに接続される。第2の電圧制限用トランジスタのゲートは、上記第2のゲート線の第4のノードに接続される。上記K個の出力電圧制限用トランジスタの各々のゲートは、上記第2のゲート線のうち第3のノードと第4のノードとの間に接続される。
好ましくは、上記電流駆動装置は、第3の入出力部と、第1および第2のカスコードトランジスタとをさらに備える。第3の入出力部は、第3の電流を入力または出力する。第1および第2のカスコードトランジスタは、上記第3の入出力部と上記第1の基準ノードとの間に直列に接続される。上記第1のカスコードトランジスタは、上記第3の入出力部と上記第2のカスコードトランジスタとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続される。上記第2のカスコードトランジスタは、上記第1のカスコードトランジスタと上記第1の基準ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続される。上記第2のゲート線は、上記第1のカスコードトランジスタのゲートに発生する第1のゲート電圧を受ける。
上記電流駆動装置では、第1のバイアス電圧生成用トランジスタ,K個の駆動トランジスタ,第2のバイアス電圧生成用トランジスタの各々のゲートに同一の電圧(第1のカスコードトランジスタのゲートに発生する第1のゲート電圧)を与えることができる。これにより、ドレイン電圧依存性による影響を低減することができ、K個の駆動トランジスタの各々を流れる出力電流の電流値をより精度良く均一にすることができる。
好ましくは、上記第1および第2の電圧供給ノードは、上記第1のカスコードトランジスタのゲートに発生した第1のゲート電圧を受ける。
上記電流駆動装置では、第1の電圧および第2の電圧を別に生成する必要がない。よって、第1および第2の電圧を発生する電圧発生回路が不要になり、回路規模を低減することができる。
好ましくは、上記電流駆動装置は、ボルテージフォロー回路をさらに備える。上記第2のゲート線は、上記ボルテージフォロー回路からの出力を受ける。
上記電流駆動装置では、ボルテージフォロー回路の出力インピーダンスは低いので、容量カップリングによる第2のゲート線の電位の変動を低減することができる。
好ましくは、上記第2のゲート線は、第3のノードと第4のノードとを有する。上記K個の出力電圧制限用トランジスタの各々のゲートは、上記第2のゲート線のうち上記第3のノードと上記第4のノードとの間に接続される。上記第2のゲート線は、上記ボルテージフォロー回路からの出力を上記第3および第4のノードのうちいずれか一方に受ける。
好ましくは、上記電流駆動装置は、第1の電圧制限用トランジスタと、第3の入出力部と、第1および第2のカスコードトランジスタとをさらに備える。第1の電圧制限用トランジスタは、上記第1の相互接続ノードと上記第1のバイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される。第3の入出力部は、第3の電流を入力または出力する。第1および第2のカスコードトランジスタは、上記第3の入出力部と上記第1の基準ノードとの間に直列に接続される。上記第1のカスコードトランジスタは、上記第3の入出力部と上記第2のカスコードトランジスタとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続される。上記第2のカスコードトランジスタは、上記第1のカスコードトランジスタと上記第1の基準ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続される。上記第1の電圧制限用トランジスタのゲートおよび上記ボルテージフォロー回路は、上記第1のカスコードトランジスタのゲートに発生する第1のゲート電圧を受ける。
好ましくは、上記電流駆動装置は、第2の電圧制限用トランジスタと、第4の入出力部と、第3および第4のカスコードトランジスタとをさらに備える。第2の電圧制限用トランジスタは、上記第2の相互接続ノードと上記第2のバイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される。第4の入出力部は、第4の電流を入力または出力する。第3および第4のカスコードトランジスタは、上記第4の入出力部と上記第1の基準ノードとの間に直列に接続される。上記第3のカスコードトランジスタは、上記第4の入出力部と上記第4のカスコードトランジスタとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続される。上記第4のカスコードトランジスタは、上記第3のカスコードトランジスタと上記第1の基準ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続される。上記第2の電圧制限用トランジスタのゲートは、上記第3のカスコードトランジスタのゲートに発生する第2のゲート電圧を受ける。
好ましくは、上記第1の電圧供給ノードは、上記第1のカスコードトランジスタのゲートに発生する第1のゲート電圧を受ける。上記第2の電圧供給ノードは、上記第3のカスコードトランジスタのゲートに発生する第2のゲート電圧を受ける。
好ましくは、上記電流駆動装置は、K個のスイッチトランジスタと、K個の制御部と、第2のゲート線とを備える。K個のスイッチトランジスタは、上記K個の駆動トランジスタと上記出力ノードとの間に接続される。K個の制御部は、上記K個のスイッチトランジスタと一対一で対応する。第2のゲート線は、所定の電圧値を有する制限電圧を受ける。上記K個の制御部の各々は、第1のモードと第2のモードとを有する。また、上記K個の制御部の各々は、上記第2のゲート線に接続される第1の端子と、上記第1の基準ノードに接続される第2の端子とを含む。第1のモードでは、上記K個の制御部の各々は、上記第1の端子における電圧をその制御部に対応するスイッチトランジスタのゲートに与える。第2のモードでは、上記K個の制御部の各々は、上記第2の端子における電圧をその制御部に対応するスイッチトランジスタのゲートに与える。
上記電流駆動装置では、K個の駆動トランジスタの各々のドレイン電圧を設定する構成と任意の階調レベルを有する駆動電流を生成するための構成とを共有することによって、電流駆動装置の回路規模を低減することができる。
好ましくは、上記第1の供給用トランジスタは、P個(Pは自然数)の電流電圧変換用トランジスタによって構成される。P個の電流電圧変換用トランジスタは、上記第2の基準ノードと上記第1の相互接続ノードとの間に並列に接続される。P個の電流電圧変換用トランジスタの各々は、上記設定用トランジスタのゲートに発生するゲート電圧をゲートに受ける。
上記電流駆動装置では、第1の供給用トランジスタのトランジスタ特性のばらつきによる影響を低減することができる。
好ましくは、上記電流駆動装置は、制御部と、接続部とを、さらに備える。制御部は、上記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個(Nは自然数:N≦P)の電流電圧変換用トランジスタを選択する。接続部は、制御部によって選択されたN個の電流電圧変換用トランジスタの各々において、その電流電圧変換用トランジスタを上記第1の相互接続ノードに接続する。
上記電流駆動装置では、供給用トランジスタのゲートに発生したゲート電圧を受ける電流電圧変換用トランジスタの個数を選択することができる。これにより、第1のバイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態になるように調整することができる。
好ましくは、上記設定用トランジスタは、P個(Pは自然数)の電流電圧変換用トランジスタによって構成される。P個の電流電圧変換用トランジスタは、上記第2の基準ノードと上記入出力ノードとの間に並列に接続される。P個の電流電圧変換用トランジスタの各々は、ゲートとドレインとが接続される。上記第1および第2の供給用トランジスタの各々は、P個の設定用トランジスタのゲートに発生するゲート電圧をゲートに受ける。
上記電流駆動装置では、供給用トランジスタのトランジスタ特性のばらつきによる影響を低減することができる。
好ましくは、上記電流駆動装置は、制御部と、接続部とを、さらに備える。制御部は、上記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個(Nは自然数:N≦P)の電流電圧変換用トランジスタを選択する。接続部は、制御部によって選択されたN個の電流電圧変換用トランジスタの各々において、その電流電圧変換用トランジスタのゲートとドレインとを接続する。上記第1および第2の供給用トランジスタの各々は、接続部によってゲートとドレインとが接続されたN個の電流電圧変換用トランジスタの各々のゲートに発生するゲート電圧をゲートに受ける。
上記電流駆動装置では、第1および第2の供給用トランジスタのゲートに与えるゲート電圧を生成する電流電圧変換用トランジスタの個数を選択することができる。これにより、第1および第2のバイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態になるように調整することができる。
好ましくは、上記電流駆動装置は、記憶部を、さらに備える。記憶部は、上記P個の電流電圧変換用トランジスタのうち上記制御部が選択すべきトランジスタの個数を示す情報を記憶する。上記制御部は、上記記憶部に記憶された情報に従って、上記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個の電流電圧変換用トランジスタを選択する。
上記電流駆動装置では、第1および/または第2のバイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態になるときの電流電圧変換用トランジスタの個数を記憶部に記憶していれば、第1および/または第2のバイアス電圧生成用トランジスタに流れるドレイン電流の電流値が最適な状態を維持することができる。
好ましくは、上記記憶部は、複数のヒューズを含む。上記制御部は、条件固定モードとエミュレートモードとを有する。上記制御部は、条件固定モードになると、複数のヒューズの切断状態に応じて、上記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個の電流電圧変換用トランジスタを選択する。また、上記制御部は、エミュレートモードになると、複数のヒューズの切断状態をエミュレートすることによって、上記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個の電流電圧変換用トランジスタを選択する。
好ましくは、上記設定用トランジスタ,第1の供給用トランジスタ,および第2の供給用トランジスタの各々は、複数のトランジスタによって構成される。上記設定用トランジスタを構成する複数のトランジスタ,上記第1の供給用トランジスタを構成する複数のトランジスタ,および上記第2の供給用トランジスタを構成する複数のトランジスタは、1つのチップ上に均一に分布する。
上記電流駆動装置では、上記設定用トランジスタ,第1の供給用トランジスタ,および第2の供給用トランジスタのトランジスタ特性のばらつきによる影響を低減することができる。
この発明のもう1つの局面に従うと、データドライバは、上記電流駆動装置と、選択部と、駆動電流出力端子とを備える。選択部は、外部から入力された表示データに応じて、上記電流駆動装置によって出力されたK個の出力電流のうちX個(Xは自然数:X≦K)の出力電流を選択する。駆動電流出力端子には、選択部によって選択されたX個の出力電流を合計した電流が駆動電流として出力される。表示データは、階調レベルを示す。
上記データドライバでは、電流駆動装置は、電流値が均一な出力電流を出力する。よって、選択部は、表示データが示す階調レベルに応じた電流値を有する駆動電流を精度良く生成することができる。
この発明のさらにもう1つの局面に従うと、表示装置は、上記データドライバと、表示パネルとを備える。表示パネルは、上記データドライバによって出力された駆動電流によって駆動する。
上記表示装置では、データドライバは、表示データが示す階調レベルに応じた電流値を有する駆動電流を出力する。よって、表示パネルは、精度良く駆動することができる。
以上のように、本発明による電流駆動装置では、第1のゲート線に電流が流れることなく、第1のゲート線の電位の傾きとK個の駆動トランジスタにおけるトランジスタ特性(ゲートに受ける電圧の電圧値とそのトランジスタを流れるドレイン電流の電流値との関係)のばらつきとが相殺されるので、K個の駆動トランジスタの各々を流れる出力電流の電流値は均一にすることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(第1の実施形態)
<全体構成>
この発明の第1の実施形態による電流駆動装置1の全体構成を図1に示す。この装置1は、設定用基準トランジスタT101Lと、供給用基準トランジスタT101RA、T101RBと、カスコード接続用トランジスタT102L、T102RA、T102RBと、基準電流供給ノードN102A,N102Bと、差動増幅回路D103A、D103Bと、バイアス電圧生成用トランジスタT104A、T104Bと、K個(Kは自然数)の駆動トランジスタT105−1〜T105−Kとを備える。この装置1は、基準電流入力ノードN101から基準電流Irefを入力し、入力した基準電流Irefの電流値と等しいか比例関係にある電流値を有するドレイン電流Idrsをバイアス電圧生成用トランジスタT104A,T104Bに流すことができ、そのドレイン電流Idrsの電流値と等しいか比例関係にある電流値を有する出力電流Ioutを複数の表示素子回路(図示せず)に出力する。
設定用基準トランジスタT101Lおよびカスコード接続用トランジスタT102Lは、電源ノードと基準電流入力ノードN101との間に直列に接続される。設定用基準トランジスタT101Lのゲートは、供給用基準トランジスタT101RAのゲートと供給用基準トランジスタT101RBのゲートとに接続される。カスコード接続用トランジスタT102Lのゲートは、カスコード接続用トランジスタT102RAのゲートとカスコード接続用トランジスタT102RBのゲートとに接続される。
供給用基準トランジスタT101RA,カスコード接続用トランジスタT102RA,およびバイアス電圧生成用トランジスタT104Aは、電源ノードと接地ノードとの間に直列に接続される。バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのゲートは、ゲート線G104に接続される。差動増幅回路D103Aは、非反転入力端子がカスコード接続用トランジスタT102RAとバイアス電圧生成用トランジスタT104Aとの間に存在するノードN103Aに接続され、反転入力端子が基準電圧供給ノードN102Aに接続され、出力端子がゲート線G104に接続される。
供給用基準トランジスタT101RB,カスコード接続用トランジスタT102RB,およびバイアス電圧生成用トランジスタT104Bは、電源ノードと接地ノードとの間に直列に接続される。バイアス電圧生成用トランジスタT104Bのゲートは、ゲート線G104に接続される。差動増幅回路D103Bは、非反転入力端子がカスコード接続用トランジスタT102RBとバイアス電圧生成用トランジスタT104Bとの間に存在するノードN103Bに接続され、反転入力端子が基準電圧供給ノードN102Bに接続され、出力端子がゲート線G104に接続される。
駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々は、出力ノードOUTと接地ノードとの間に接続される。また、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kは、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aとバイアス電圧生成用トランジスタT104Bとの間に直列に接続されており、各々のゲートがゲート線G104に順次接続されている。よって、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々には、各々のゲートに受ける電圧の電圧値(そのゲートとゲート線G104との接続点における電位)に応じた電流値を有する出力電流Ioutが流れる。
なお、ここでは、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kは、互いに近傍に配置されているものと想定する(例えば、1チップ上に連続して形成されているものと想定する)。
また、ここでは、すべてのトランジスタは、飽和領域にて動作しているものとする。
また、供給用基準トランジスタT101RA、T101RBは、設定用基準トランジスタT101Lに対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性(ここでは、そのトランジスタのゲートに受ける電圧の電圧値とそのトランジスタを流れるドレイン電流の電流値との関係)を示すものと想定する。
また、カスコード接続用トランジスタT102RA,T102RBは、カスコード接続用トランジスタT102Lに対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。したがって、カスコード接続用トランジスタT102Lとカスコード接続用トランジスタT102RAとの能力比は、設定用基準トランジスタT101Lと供給用基準トランジスタT101RAの能力比と等しくなり、カスコード接続用トランジスタT102Lとカスコード接続用トランジスタT102RBとの能力比は、設定用基準トランジスタT101Lと供給用基準トランジスタT101RBの能力比と等しくなる。
また、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aは、駆動トランジスタT105−1に対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。同様に、バイアス電圧生成用トランジスタT104Bは、駆動トランジスタT105−Kに対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。
<カレントミラー構成>
設定用基準トランジスタT101Lと供給用基準トランジスタT101RA、T101RBとはカレントミラー回路を構成している。設定用基準トランジスタT101Lはゲートとドレインとが接続されており、設定用基準トランジスタT101Lのゲートには基準電流Irefの電流値に応じた電圧値を有するゲート電圧Vidが発生する。供給用基準トランジスタT101RAは、設定用基準トランジスタT101Lのゲートに発生したゲート電圧Vidをゲートに受ける。よって、供給用基準トランジスタT101RAには、ゲート電圧Vidの電圧値に応じた電流値を有するドレイン電流Idrsが流れる。
一方、供給用基準トランジスタT101RAと同様に、供給用基準トランジスタT101RBは、ゲート電圧Vidをゲートに受け、供給用基準トランジスタT101RBにはゲート電圧Vidの電圧値に応じた電流値を有するドレイン電流Idrsが流れる。
このように、カレントミラー回路は、基準電流Irefの電流値および設定用基準トランジスタT101Lと供給用基準トランジスタT101RA、T101RBとの能力比に応じた電流値を有するドレイン電流Idrsを生成する。
<カスコード接続>
カスコード接続用トランジスタT102Lはゲートとドレインとが接続されており、カスコード接続用トランジスタT102Lのゲートには、基準電流Irefの電流値に応じた電圧値を有するゲート電圧Vidcが発生する。カスコード接続用トランジスタT102RA,T102RBの各々は、カスコード接続用トランジスタT102Lのゲートに発生したゲート電圧Vidcを各々のゲートに受ける。
供給用基準トランジスタT101RAは設定用基準トランジスタT101Lとカスコード接続されているので、供給用基準トランジスタT101RAのドレイン電圧の電圧値は、設定用基準トランジスタT101Lのドレイン電圧の電圧値と等しくなる。
一方、供給用基準トランジスタT101RAと同様に、供給用基準トランジスタT101RBは設定用基準トランジスタT101Lとカスコード接続されているので、供給用基準トランジスタT101RAのドレイン電圧の電圧値は、設定用基準トランジスタT101Lのドレイン電圧の電圧値と等しくなる。
このように、カスコード接続することによって、ドレイン電圧依存性による影響を低減することができ、基準電流Irefの電流値に対するドレイン電流Idrsの電圧値の誤差を低減することができる。
<1チップ上に形成されたトランジスタの特性>
一般的に、1チップ上に形成された複数のトランジスタは、そのトランジスタゲートに受けるゲート電圧の電圧値とそのトランジスタを流れるドレイン電流の電流値との関係(トランジスタ特性)が線形的に変化している。例えば、直列に連続して形成された複数のトランジスタのうち先頭に位置するトランジスタから最後尾に位置するトランジスタに向かうに連れて、その複数のトランジスタの各々のしきい値電圧は高く(または低く)なる。よって、同一の電圧値を有するゲート電圧をその複数のトランジスタの各々のゲートに印加した場合、各々のトランジスタに流れるドレイン電流の電流値(ここでは、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々を流れる出力電流Ioutの電流値)は、線形的に変化する。
<ゲート線G104の電位>
バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのゲートに発生するバイアス電圧VbiasAの電圧値は、バイアス電圧生成用トランジスタのトランジスタ特性とドレイン電流Idrsの電流値とに応じた電圧値に設定される。また、駆動トランジスタT105−1はバイアス電圧生成用トランジスタT104Aとトランジスタ特性が等しいので、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aを流れるドレイン電流Idrsと等しい電流値を有する出力電流Ioutが駆動トランジスタT105−1に流れる。
一方、バイアス電圧生成用トランジスタT104Bのゲートに発生するバイアス電圧VbiasBの電圧値は、バイアス電圧生成用トランジスタT104Bのトランジスタ特性とドレイン電流Idrsの電流値とに応じた電圧値に設定される。また、駆動トランジスタT105−Kはバイアス電圧生成用トランジスタT104Bとトランジスタ特性が等しいので、バイアス電圧生成用トランジスタT104Bを流れるドレイン電流Idrsと等しい電流値を有する出力電流Ioutが駆動トランジスタT105−Kに流れる。
ゲート線G104は、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのゲートに発生したバイアス電圧VbiasAを一端に受け、バイアス電圧生成用トランジスタT104Bのゲートに発生したバイアス電圧VbiasBを他端に受ける。
ここで、駆動トランジスタT105−1から駆動トランジスタT105−Kに向かうに連れて、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々のトランジスタ特性が大きくなる(駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々のしきい値電圧の電圧値が低くなる)と想定する。この場合、バイアス電圧VbiasAの電圧値は、バイアス電圧VbiasBの電圧値よりも小さくなる。
また、ゲート線G104の抵抗値は「0」ではないので、ゲート線G104は、その両端に受けたバイアス電圧ViasAの電圧値とバイアス電圧ViasBの電圧値とを線形補間した電位になる。つまり、ゲート線G104の電位は、駆動トランジスタT105−1から駆動トランジスタT105−Kへ向かうに連れて、バイアス電圧VbiasAの電圧値からバイアス電圧VbiasBの電圧値へと線形的に大きくなる。
よって、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々のゲートには、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aからの距離(またはバイアス電圧生成用トランジスタT104Bからの距離)に応じた電圧値を有するバイアス電圧が与えられる。
したがって、ゲート線G104の電位の傾きと駆動トランジスタT105−1〜T105−Kのトランジスタ特性のばらつきとが相殺して駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々から出力される出力電流Ioutの電流値を均一にすることができる。
<負帰還構成>
差動増幅回路D103Aとバイアス電圧生成用トランジスタT104Aとは負帰還回路を構成している。基準電圧供給ノードN102Aは、基準電圧VcAを供給する。差動増幅回路D103Aは、基準電圧供給ノードN102Aによって供給される基準電圧VcAの電圧値とノードN103Aに発生するドレイン電圧VrbAの電圧値との差に応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasAをゲート線G104に出力する。バイアス電圧生成用トランジスタT104Aは、差動増幅回路D103Aによって出力されたバイアス電圧VbiasAをゲートに受ける。したがって、バイアス電圧VbiasAの電圧値の変化に応じて、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのチャネル抵抗の抵抗値は変化する。これにより、ノードN103Aにおけるドレイン電圧VrbAは基準電圧供給ノードN102Aから供給される基準電圧VcAに一致するように制御される。
一方、差動増幅回路D103Aおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104Aと同様に、差動増幅回路D103Bとバイアス電圧生成用トランジスタT104Bとは負帰還回路を構成している。基準電圧供給ノードN102Bは、基準電圧VcBを供給する。差動増幅回路D103Bは、基準電圧供給ノードN102Bによって供給される基準電圧VcBの電圧値とノードN103Bに発生するドレイン電圧VrbBの電圧値との差に応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasBをゲート線G104に出力する。バイアス電圧生成用トランジスタT104Bは、差動増幅回路D103Bによって出力されたバイアス電圧VbiasBをゲートに受ける。したがって、バイアス電圧VbiasBの電圧値の変化に応じて、バイアス電圧生成用トランジスタT104Bのチャネル抵抗の抵抗値は変化する。これにより、ノードN103Bにおけるドレイン電圧VrbBは基準電圧供給ノードN102Bから供給される基準電圧VcBに一致するように制御される。
なお、基準電圧VcA(VcB)は、例えば、カスコード接続用トランジスタT102RA(T102RB)のドレイン電圧とバイアス電圧生成用トランジスタT104A(T104B)のドレイン電圧とを同一電圧としたときに、カスコード接続用トランジスタT102RA(T102RB)、バイアス電圧生成用トランジスタT104A(T104B)が飽和領域にて動作することができる電圧である。
<動作>
次に、図1に示した電流駆動装置1による動作について説明する。
まず、設定用基準トランジスタT101L,カスコード接続用トランジスタT102Lに、基準電流入力ノードN101に入力された基準電流Irefが流れる。よって、設定用基準トランジスタT101Lのゲートにはゲート電圧Vidが発生し、カスコード接続用トランジスタT102Lのゲートにはゲート電圧Vidcが発生する。
次に、供給用基準トランジスタT101RAはゲート電圧Vidをゲートに受け、カスコード接続用トランジスタT102RAはゲート電圧Vidcをゲートに受ける。よって、供給用基準トランジスタT101RA,カスコード接続用トランジスタT102RA,およびバイアス電圧生成用トランジスタT104Aには、ゲート電圧Vidの電圧値,ゲート電圧Vidcの電圧値,およびバイアス電圧VbiasAの電圧値に応じた電流値を有するドレイン電流Idrsが流れる。また、ノードN103Aには、ドレイン電流Idrsの電流値に応じた電圧値を有するドレイン電圧VrbAが発生する。
次に、差動増幅回路D103Aは、基準電圧供給ノードN102Aから供給された基準電圧VcAを反転入力端子に受け、ノードN103Aに発生したドレイン電圧VrbAを非反転入力端子に受けて、基準電圧VcAの電圧値とドレイン電圧VrbAの電圧値との差に応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasAをゲート線G104に出力する。
次に、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aは、ゲート線G104に出力されたバイアス電圧VbiasAをゲートに受ける。よって、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのチャネル抵抗の抵抗値は、そのバイアス電圧VbiasAの電圧値に応じた値になる。
一方、供給用基準トランジスタT101RB,カスコード接続用トランジスタT102RB,バイアス電圧生成用トランジスタT104B,基準電圧供給ノードN102B,および差動増幅回路D103Bでは、供給用基準トランジスタT101RA,カスコード接続用トランジスタT102RA,バイアス電圧生成用トランジスタT104A,基準電圧供給ノードN102A,および差動増幅回路D103Aにおける動作と同様の動作が行われる。よって、供給用基準トランジスタT101RB,カスコード接続用トランジスタT102RB,およびバイアス電圧生成用トランジスタT104Bにはゲート電圧Vidの電圧値,ゲート電圧Vidc,およびバイアス電圧VbiasBの電圧値に応じた電流値を有するドレイン電流Idrsが流れる。また、差動増幅回路D103Bは基準電圧供給ノードN102Bから供給された基準電圧VcBの電圧値とノードN103Bに発生したドレイン電圧VrbBの電圧値との差に応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasBをゲート線G104に出力する。バイアス電圧VbiasBのチャネル抵抗の抵抗値は、差動増幅回路D103Bから出力されたバイアス電圧VbiasBの電圧値に応じた値になる。
次に、ゲート線G104の電位は、バイアス電圧VbiasAの電圧値およびバイアス電圧VbiasBの電圧値を線形補間した値になる。よって、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々には、各々のゲートに受ける電圧の電圧値(そのゲートとゲート線G104との接続点における電位)に応じた電流値を有する出力電流Ioutが流れる。
〔(ドレイン電流Idrsの電流値)<(基準電流Irefの電流値)〕
ここで、供給用基準トランジスタT101RAに流れるドレイン電流Idrsの電流値が設定用基準トランジスタ101Lに流れる基準電流Irefの電流値よりも小さい場合について説明する。
ドレイン電流Idrsの電流値が基準電流Irefの電流値と等しい場合と比較すると、この場合、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのチャネル抵抗の抵抗値が大きいので、ノードN103Aに発生するドレイン電圧VrbAの電圧値は基準電圧VcAの電圧値よりも高くなる。よって、差動増幅回路D103Aから出力されるバイアス電圧VbiasAの電圧値は、ドレイン電圧VrbAと基準電圧VcAとが等しい場合に出力されるバイアス電圧VbiasAの電圧値よりも高くなる。したがって、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのチャネル抵抗の抵抗値は、小さくなる。これにより、供給用設定トランジスタT101RA,カスコード接続用トランジスタT102RA,およびバイアス電圧生成用トランジスタT104Aを流れるドレイン電流Idrsの電流値は、大きくなる。また、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのチャネル抵抗の抵抗値が小さくなることによって、ノードN103Aに発生するドレイン電圧VrbAの電圧値は低くなる。
〔(ドレイン電流Idrsの電流値)>(基準電流Irefの電流値)〕
ここで、供給用基準トランジスタT101RAに流れるドレイン電流Idrsの電流値が設定用基準トランジスタ101Lに流れる基準電流Irefの電流値よりも大きい場合について説明する。
ドレイン電流Idrsの電流値が基準電流Irefの電流値と等しい場合と比較すると、この場合、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのチャネル抵抗の抵抗値が小さいので、ノードN103Aに発生するドレイン電圧VrbAの電圧値は基準電圧VcAの電圧値よりも低くなる。よって、差動増幅回路D103Aから出力されるバイアス電圧VbiasAの電圧値は、ドレイン電圧VrbAと基準電圧VcAとが等しい場合に出力されるバイアス電圧VbiasAの電圧値よりも低くなる。したがって、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのチャネル抵抗の抵抗値は、大きくなる。これにより、供給用設定トランジスタT101RA,カスコード接続用トランジスタT102RA,およびバイアス電圧生成用トランジスタT104Aを流れるドレイン電流Idrsの電流値は、小さくなる。また、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのチャネル抵抗の抵抗値が大きくなることによって、ノードN103Aに発生するドレイン電圧VrbAの電圧値は高くなる。
なお、ここでは、供給用基準トランジスタT101RA,カスコード接続用トランジスタT102RA,およびバイアス電圧生成用トランジスタT104Aに流れるドレイン電流Idrsについて説明したが、供給用基準トランジスタT101RB,カスコード接続用トランジスタT102RB,およびバイアス電圧生成用トランジスタT104Bに流れるドレイン電流Idrsも同様に制御される。
<ゲート線G104を流れる電流>
バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのゲートとドレインとの間には差動増幅回路D103Aが接続され、バイアス電圧生成用トランジスタT104Bのゲートとドレインとの間には差動増幅回路D103Bが接続されるので、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aを流れるドレイン電流Idrsおよびバイアス電圧生成用トランジスタT104Bを流れるドレイン電流Idrsがゲート線G104に流れ込むことはない。
<効果>
以上のように、本実施形態による電流駆動装置では、ゲート線G104に電流が流れることなく、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々を流れる出力電流Ioutの電流値を均一にすることができる。
また、差動増幅回路D103A,D103Bは出力インピーダンスが低いので、差動増幅回路D103A,D103Bにおける電圧降下が小さい。よって、従来の電流駆動装置よりも電力を有効に使用することができる。
また、差動増幅回路D103A,D103Bは入力インピーダンスが高いので、カレントミラー回路の構成する設定用基準トランジスタT101L,供給用基準トランジスタT101RA,T101RB等にかかる電気的な負担が小さくてすむ。
さらに、差動増幅回路D103A(またはD103B)とバイアス電圧生成用トランジスタT104A(またはT104B)とによって構成された負帰還回路によって、トランジスタの容量カップリングの影響によるゲート線G104の電位の変動を除去することができる。
なお、設定用基準トランジスタT101L,および供給用基準トランジスタT101RA,T101RBは、互いに近傍に配置されることが好ましい。また、カスコード接続用トランジスタT102L,T102RA,T102Bは、互いに近傍に配置されることが好ましい。このように構成すれば、供給用基準トランジスタT101RA,T101RBに流れるドレイン電流Idrsの電流値を設定用基準トランジスタT101Lに流れる基準電流Irefの電流値にさらに近づけることができる。
また、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aと駆動トランジスタT105−1とは、互いに近傍に配置されることが好ましい。このように構成すれば、駆動トランジスタT105−1に流れる出力電流Ioutの電流値をバイアス電圧生成用トランジスタT104Aに流れるドレイン電流Idrsの電流値にさらに近づけることができる。また、バイアス電圧生成用トランジスタT104Bと駆動トランジスタT10−Kとは、互いに近傍に配置されることが好ましい。このように構成すれば、駆動トランジスタT105−Kに流れる出力電流Ioutの電流値をバイアス電圧生成用トランジスタT104Bに流れるドレイン電流Idrsの電流値にさらに近づけることができる。
また、基準電圧VcA、VcBの電圧値は、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kのドレイン電圧の電圧値とほぼ一致している方が望ましい。このように構成すれば、バイアス電圧生成用トランジスタT104A、T104Bと駆動トランジスタT105−1,T105−2からT105−Kによって構成されるカレントミラー回路は、ドレイン電圧依存性(アーリー効果)の影響を軽減して、出力電流Ioutを複製ことができる(ドレイン電流Idrsと同一の電流値を有する出力電流Ioutを生成ことができる)。
(第2の実施形態)
<1チップ上に形成されたトランジスタの特性>
1チップ上に形成された複数のトランジスタには、各々のトランジスタのしきい値電圧の電圧値が線形的に変化するものもあれば、複数のトランジスタのうち中央付近に存在するトランジスタのしきい値電圧の電圧値が両端のトランジスタのしきい値電圧の電圧値よりも小さいものもある。この場合、各々のトランジスタのトランジスタ特性は山形に変化する。
<全体構成>
この発明の第2の実施形態による電流駆動装置の全体構成を図2に示す。この装置2では、図1に示した電流駆動装置1に加えて、供給用基準トランジスタT101RC、カスコード接続用トランジスタT102RC、基準電圧供給ノードN103Cと、差動増幅回路D103C、バイアス電圧生成用トランジスタT104Cとを備える。つまり、この装置2は、供給用基準トランジスタ,カスコード接続用トランジスタ,基準電圧供給ノード,差動増幅回路,およびバイアス電圧生成用トランジスタの組をさらに1組備える。
供給用基準トランジスタT101RC,カスコード接続用トランジスタT102RC,およびバイアス電圧生成用トランジスタT104Cは、電源ノードと接地ノードとの間に直列に接続される。供給用基準トランジスタT101RCのゲートは、設定用基準トランジスタT101Lのゲートに接続される。カスコード接続用トランジスタT102RCのゲートは、カスコード接続用トランジスタT102Lのゲートに接続される。差動増幅回路D103Cは、非反転入力端子がカスコード接続用トランジスタT102RCとバイアス電圧生成用トランジスタT104Cとの間に存在するノードN103Cに接続され、反転入力端子が基準電圧供給ノードN102Cに接続され、出力端子がゲート線G104に接続される。バイアス電圧生成用トランジスタT104Bは、駆動トランジスタT105−(H)と駆動トランジスタT105−(H+1)との間に接続され、ゲートがゲート線G104に接続される(Hは自然数:1≦H≦(K−1))。
なお、供給用基準トランジスタT101RCは、設定用基準トランジスタT101Lに対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。また、カスコード接続用トランジスタT102RCは、カスコード接続用トランジスタT102Lに対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。また、バイアス電圧生成用トランジスタT104Cは、駆動トランジスタT105−(H)および/または駆動トランジスタT105−(H+1)に対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一の特性を示すものと想定する。さらに、供給用基準トランジスタT101RC,カスコード接続用トランジスタT102RC,バイアス電圧生成用トランジスタT104Cは、飽和領域にて動作するものと想定する。
<カレントミラー構成>
設定用基準トランジスタT101Lと供給用基準トランジスタT101RCとはカレントミラー回路を構成している。供給用基準トランジスタT101RCは、供給用基準トランジスタT101RAと同様に、設定用基準トランジスタT101Lのゲート発生したゲート電圧Vidをゲートに受ける。よって、供給用基準トランジスタT101RCには、ゲート電圧Vidの電圧値に応じた電流値を有するドレイン電流Idrsが流れる。
<カスコード接続>
カスコード接続用トランジスタT102RCは、カスコード接続用トランジスタT102RAと同様に、カスコード接続用トランジスタT101Lのゲートに発生したゲート電圧Vidcをゲートに受ける。供給用基準トランジスタT101RCは設定用基準トランジスタT101Lとカスコード接続されているので、供給用基準トランジスタT101RCのドレイン電圧の電圧値は、設定用基準トランジスタT101Lのドレイン電圧の電圧値と等しくなる。
<負帰還回路>
基準電圧供給ノードN102Cは、基準電圧VcCを供給する。差動増幅回路D103Cは、差動増幅回路D103Aと同様に、供給ノードN102Cによって供給される基準電圧VcCとノードN103Cに発生するドレイン電圧VrbCとの電圧差に応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasCをゲート線G104に出力する。バイアス電圧生成用トランジスタT104Cは、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aと同様に、差動増幅回路D103Cによって出力されたバイアス電圧VbiasCをゲートに受ける。したがって、バイアス電圧VbiasCの電圧値の変化に応じて、バイアス電圧生成用トランジスタT104Cのチャネル抵抗の抵抗値は変化する。これにより、ノードN103Cにおけるドレイン電圧VrbCは基準電圧供給ノードN102Cから供給される基準電圧VcCに一致するように制御される。
なお、基準電圧VcCは、例えば、カスコード接続用トランジスタT102RCとバイアス電圧生成用トランジスタT104Cのドレイン電圧が同一電圧としたときに、カスコード接続用トランジスタT102RC、バイアス電圧生成用トランジスタT104Cが飽和領域にて動作することができる電圧である。
<動作>
次に、図2に示した電流駆動装置2による動作について説明する。この装置2による動作は、設定用基準トランジスタT101RC,カスコード接続用トランジスタT102RC,基準電圧供給ノードN102C,差動増幅回路D103C,バイアス電圧生成用トランジスタT104Cによる動作以外は、図1に示した電流駆動装置1による動作と同様である。
まず、供給用基準トランジスタT101RCは設定用基準トランジスタT101Lのゲートに発生したゲート電圧Vidをゲートに受け、カスコード接続用トランジスタT102RCはカスコード接続用トランジスタT102Lのゲートに発生したゲート電圧Vidcをゲートに受ける。よって、供給用基準トランジスタT101RC,カスコード接続用トランジスタT102RC,およびバイアス電圧生成用トランジスタT104Cには、ゲート電圧Vidの電圧値,ゲート電圧Vidcの電圧値,およびバイアス電圧VbiasCの電圧値に応じた電流値を有するドレイン電流Idrsが流れる。また、ノードN103Cには、ドレイン電流Idrsの電流値に応じた電圧値を有するドレイン電圧VrbCが発生する。
次に、差動増幅回路D103Cは、基準電圧供給ノードN102Cから供給された基準電圧VcCを反転入力端子に受け、ノードN103Cに発生したドレイン電圧VrbCを非反転入力端子に受けて、基準電圧VcCの電圧値とドレイン電圧VrbCの電圧値との差に応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasCをゲート線G104に出力する。バイアス電圧生成用トランジスタT104Cは、ゲート線G104に出力されたバイアス電圧VbiasCをゲートに受ける。よって、バイアス電圧生成用トランジスタT104Cのチャネル抵抗の抵抗値は、そのバイアス電圧VbiasCの電圧値に応じた値になる。このように、バイアス電圧VbiasCによってバイアス電圧生成用トランジスタT104Cのチャネル抵抗の抵抗値を調整することによって、バイアス電圧生成用トランジスタT104Cに流れるドレイン電流Idrsの電流値を基準電流Irefの電流値に近づけることができる。
次に、ゲート線G104のうちバイアス電圧生成用トランジスタT104Aからバイアス電圧生成用トランジスタT104Cとの間の区間の電位は、バイアス電圧VbiasAの電圧値およびバイアス電圧VbiasCの電圧値を線形補間した値になる。一方、ゲート線G104のうちバイアス電圧生成用トランジスタT104Cからバイアス電圧生成用トランジスタT104Bとの間の区間の電位は、バイアス電圧VbiasCの電圧値およびバイアス電圧VbiasBの電圧値を線形補間した値になる。
よって、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々には、各々のゲートに受ける電圧の電圧値(そのゲートとゲート線G104との接続点における電位)に応じた電流値を有する出力電流Ioutが流れる。
ここで、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kのトランジスタ特性が、駆動トランジスタT105−Hを中心として山形を示す(駆動トランジスタT105−1〜T105−(H)間および駆動トランジスタT105−(H)〜T105−K間においてトランジスタ特性が線形的に変化する)ものと想定する。この場合、駆動トランジスタT105−1〜T105−(H)におけるトランジスタ特性のばらつきはバイアス電圧VbiasA,VbiasCによって相殺され、駆動トランジスタT105−(H)〜T105−Kにおけるトランジスタ特性のばらつきはバイアス電圧VbiasC,VbiasBによって相殺される。
このように、K個の駆動トランジスタの両端に位置する駆動トランジスタT105−1,T105−Kのトランジスタ特性に応じたバイアス電圧VbiasA,VbiasBをゲート線G104に与えるだけでなく、ゲート線G104の途中に存在する駆動トランジスタ(ここでは、駆動トランジスタT105−(H))のトランジスタ特性に応じたバイアス電圧(ここでは、バイアス電圧VbiasC)をゲート線G104に与えることによって、ゲート線G104の電位を駆動トランジスタT105−1〜T105−Kにおけるトランジスタ特性のばらつきに応じた電位に設定することができる。
<効果>
以上のように、ゲート線G104の両端だけでなく途中にバイアス電圧(ここでは、バイアス電圧VbiasC)を与えてゲート線G104の電位を駆動トランジスタT105−1〜T105−Kにおけるトランジスタ特性のばらつきに応じた電位に設定することによって、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々を流れる出力電流Ioutの電流値をより精度良く均一にすることができる。
なお、供給用基準トランジスタT101RCは、供給用基準トランジスタT101RAと同様に、設定用基準トランジスタT101Lの近傍に配置されることが好ましい。また、カスコード接続用トランジスタT102RCは、カスコード接続用トランジスタT102RAと同様に、カスコード接続用トランジスタT102Lの近傍に配置されることが好ましい。さらに、バイアス電圧生成用トランジスタT104Cは、駆動トランジスタT105−(H)および/または駆動トランジスタT105−(H+1)の近傍に配置されることが好ましい。
また、本実施形態では、供給用基準トランジスタ,カスコード接続用トランジスタ,基準電圧供給ノード,差動増幅回路,およびバイアス電圧生成用トランジスタの組を1組だけ挿入する構成について説明したが、2組以上挿入する構成も可能である。これによれば、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々を流れる出力電流Ioutの電流値をさらに精度良く均一にすることができる。
(第3の実施形態)
<全体構成>
この発明の第3の実施形態による電流駆動装置3の全体構成を図3に示す。この装置3は、図1に示した電流駆動装置1に加えて、カスコードトランジスタT301CA,T302CA,T303CA,T304CAと、電圧制限用トランジスタT103A,T103Bと、K個の出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kとを備える。
カスコードトランジスタT301CA〜T304CAは、電源ノードと接地ノードとの間に直列に接続される。カスコードトランジスタT301CAは、電源ノードとカスコードトランジスタT302CAとの間に接続され、ゲートが設定用基準トランジスタT101Lのゲートに接続される。カスコードトランジスタT302CAは、カスコードトランジスタT301CAとカスコードトランジスタT303CAとの間に接続され、ゲートがカスコード接続用トランジスタT102Lのゲートに接続される。カスコードトランジスタT303CAは、カスコードトランジスタT302CAとカスコードトランジスタT304CAとの間に接続され、ゲートがカスコードトランジスタT303CAのドレインとゲート線G304とに接続される。カスコードトランジスタT304CAは、カスコードトランジスタT303CAと接地ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続される。
電圧制限用トランジスタT103Aは、ノードN103Aとバイアス電圧生成用トランジスタT104Aとの間に接続され、ゲートがゲート線G304に接続される。電圧制限用トランジスタT103Bは、ノードN103Bとバイアス電圧生成用トランジスタT104Bとの間に接続され、ゲートがゲート線G304に接続される。
出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kは、出力ノードOUTと駆動トランジスタT105−1〜T105−Kとの間に接続され、各々のゲートがゲート線G304に接続される。
なお、カスコードトランジスタT301CAは、設定用基準トランジスタT101Lに対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。また、カスコードトランジスタT302CAは、カスコード接続用トランジスタT102Lに対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。また、カスコードトランジスタT303CA,電圧制限用トランジスタT103A,出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−K,および電圧制限用トランジスタT103Bは、互いに個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。さらに、カスコードトランジスタT304CAは、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aに対して個別トランジスタとして同一またはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。
<カレントミラー構成>
設定用基準トランジスタT101LとカスコードトランジスタT301CAとはカレントミラー回路を構成している。カスコードトランジスタT301CAは、供給用基準トランジスタT101RAと同様に、設定用基準トランジスタT101Lのゲート発生したゲート電圧Vidをゲートに受ける。よって、カスコードトランジスタT301CAには、ゲート電圧Vidの電圧値に応じた電流値を有するドレイン電流Idbが流れる。
<カスコード接続>
カスコードトランジスタT302CAは、カスコード接続用トランジスタT102RAと同様に、カスコード接続用トランジスタT101Lのゲートに発生したゲート電圧Vidcをゲートに受ける。カスコードトランジスタT301CAはカスコードトランジスタT302CAとカスコード接続されているので、カスコードトランジスタT301CAのドレイン電圧の電圧値は、設定用基準トランジスタT101Lのドレイン電圧の電圧値と等しくなる。
カスコードトランジスタT304CAのゲートには、ゲート電圧Vido1aが発生する。また、カスコードトランジスタT303CAのゲートには、ドレイン電流Idbの電流値に応じた電圧値を有するゲート電圧Vido2aが発生する。
電圧制限用トランジスタT103Aは、カスコードトランジスタT303CAのゲートに発生したゲート電圧Vido2aをゲートに受ける。また、出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kの各々は、カスコードトランジスタT303CAのゲートに発生したゲート電圧Vido2aをゲートに受ける。電圧制限用トランジスタT103Bは、カスコードトランジスタT303CAのゲートに発生したゲート電圧Vido2aをゲートに受ける。
したがって、バイアス電圧生成用トランジスタT104A,駆動トランジスタT105−1〜T105−K,およびバイアス電圧生成用トランジスタT104Bの各々のドレイン電圧の電圧値は、カスコードトランジスタT304CAのゲート電圧Vido1aの電圧値と等しくなる。
<動作>
次に、図3に示した電流駆動装置3による動作について説明する。この装置3による動作は、カスコードトランジスタT301CA〜T304CA,電圧制限用トランジスタT103A,T103B,出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kによる動作以外は、図1に示した電流駆動装置1による動作と同様である。
ます、カスコードトランジスタT301CAは設定用基準トランジスタT101Lのゲートに発生したゲート電圧Vidをゲートに受け、カスコードトランジスタT302CAはカスコード接続用トランジスタT102Lのゲートに発生したゲート電圧Vidcをゲートに受ける。よって、カスコードトランジスタT304CA〜T304CAにはゲート電圧Vidの電圧値,ゲート電圧Vidcの電圧値に応じた電流値を有するドレイン電流Idbが流れ、カスコードトランジスタT303CAのゲートにはゲート電圧Vido2aが発生し、カスコードトランジスタT304CAのゲートにはゲート電圧Vido1aが発生する。
次に、ゲート線G304は、カスコードトランジスタT303CAのゲートに発生したゲート電圧Vido2aを受ける。よって、電圧制限用トランジスタT103Aは、ゲート線G304に与えられたゲート電圧Vido2aをゲートに受ける。また、出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kおよび電圧制限用トランジスタT103Bの各々も、電圧制限用トランジスタT103Aと同様に、ゲート電圧Vido2aをゲートに受ける。電圧制限用トランジスタT103A,T103B,および出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kの各々のゲートには同一のゲート電圧Vido2aが与えられるので、バイアス電圧生成用トランジスタT104A,T104B,および駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々のドレイン電圧の変動を低減することができる。
<ドレイン電圧の設定>
例えば、カスコードトランジスタT303CA,電圧制限用トランジスタT103A,T103B,出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kに対して適当なトランジスタ能力を確保することによって、各々のソース電圧を大きく変動しないようにできる。
以下に、トランジスタ能力の確保について具体的に説明する。
Ids=(β/2)(Vgs−Vt)2・・・(式1)
Ids:ドレイン電流,Vgs:ゲート電圧,Vt:しきい値電圧
β=(W/L)μCox・・・(式2)
W:チャネル長,L:チャネル幅,μ:電子の移動度,Cox:ゲート容量
(β/2)=500(μA/V2)・・・(式3)
一般的に、トランジスタを流れるドレイン電流の電流値は(式1)によって示される。また、(式1)中「β」は、(式2)の通りであり、トランジスタ能力を示すパラメータである。ここで、電圧制限用トランジスタT103A,T103B,出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kのトランジスタ能力を(式3)のように(β/2)を500(μA/V2)程度に設定したと想定する。この場合、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kを流れる出力電流Ioutの電流値が「1μA」から「10μA」に変化しても、ゲート−ソース間の電圧Vgsは0.1V程度しか変化しない。この程度の変動であれば、ドレイン電圧依存性によるドレイン電流(=出力電流Iout)の変動は小さい。
<効果>
以上のように、電流駆動装置3では、電圧制限用トランジスタT103A,T103B,および出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kによって、バイアス電圧生成用トランジスタT104A,T104B,駆動トランジスタT105−1〜T105−Kのドレイン電圧を設定する。これにより、ドレイン電圧依存性による出力電流Ioutの電流値の変動を低減することができ、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々を流れる出力電流Ioutの電流値をより精度良く均一にすることができる。
(第4の実施形態)
<ゲート線G304の電位の変動>
出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kの各々のドレインは出力ノードOUTを介して表示素子回路(図示せず)と接続しているので、表示素子回路における負荷容量の変動によってカスコードトランジスタT305−1〜T305−Kの各々のドレイン電圧が変動する場合がある。この場合、カスコードトランジスタT305−1〜T305−Kのドレイン−ゲート間に存在する容量による容量カップリングによって、ゲート線G304の電位が変動してしまう可能性がある。
<全体構成>
この発明の第4の実施形態による電流駆動装置4の全体構成を図4に示す。この装置4は、図3に示した電流駆動装置3に加えて、カスコードトランジスタT301CB,T302CB,T303CB,T304CBと、差動増幅回路D401を備える。なお、電圧制限用トランジスタT103Bのゲートは、カスコードトランジスタT303CBのゲートに接続される。また、ゲート線G304には、出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kの各々のゲートが接続される。
カスコードトランジスタT301CB〜T304CBは、電源ノードと接地ノードとの間に直列に接続される。
カスコードトランジスタT301CBは、電源ノードとカスコードトランジスタT302CBとの間に接続され、ゲートが設定用基準トランジスタT101Lのゲートに接続される。カスコードトランジスタT302CBは、カスコードトランジスタT301CBとカスコードトランジスタT303CBとの間に接続され、ゲートがカスコード接続用トランジスタT102Lのゲートに接続される。
カスコードトランジスタT303CBは、カスコードトランジスタT302CBとカスコードトランジスタT304CBとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続される。カスコードトランジスタT304CBは、カスコードトランジスタT303CBと接地ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続される。
差動増幅回路D401は、ボルテージフォロー回路であり、非反転入力端子がカスコードトランジスタT303CAのゲートに接続され、反転入力端子が出力端子とゲート線G304とに接続される。
なお、カスコードトランジスタT301CBは、設定用基準トランジスタT101Lに対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。また、カスコードトランジスタT302CBは、カスコード接続用トランジスタT101Lに対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。また、カスコードトランジスタT303CBは、電圧制限用トランジスタT103Bに対して個別トランジスタとして同一もしくはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。さらに、カスコードトランジスタT304CBは、バイアス電圧生成用トランジスタT104Bに対して同一またはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。
<動作>
次に、図4に示した電流駆動装置4による動作について説明する。この装置4による動作は、カスコードトランジスタT301CB〜T304CB,電圧制限用トランジスタT103B,および差動増幅回路D401による動作以外は、図3に示した電流駆動装置3による動作と同様である。
まず、カスコードトランジスタT301CB〜T304CBでは、カスコードトランジスタT301CA〜T304CAにおける動作と同様の動作が行われる。よって、カスコードトランジスタT303CBのゲートには、ゲート電圧Vido2bが発生する。
また、差動増幅回路D401は、カスコードトランジスタT303CAのゲートに発生したゲート電圧Vido2aを受け、そのゲート電圧Vido2aの電圧値に応じた出力電圧をゲート線G304に出力する。
ゲート線G304は、差動増幅回路D401から出力された出力電圧を受ける。
<ゲート線G304の電位の変動>
差動増幅回路の出力インピーダンスは低いので、容量カップリングによるゲート線G304の電位の変動を低減することができる。
<効果>
以上のように、差動増幅回路D401からの出力電圧をゲート線G304に与えることによって、ゲート線G304のインピーダンスを低くすることができる。これにより、ゲート線G304の電位の変動を低減することができるので、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々を流れる出力電流Ioutの電流値をより精度よく均一にすることができる。
(第5の実施形態)
<全体構成>
この発明の第5の実施形態による電流駆動装置5の全体構成を図5に示す。この装置5は、図4に示した基準電圧供給ノードN102A,N102Bが省略されている。その他の構成は図4と同様である。差動増幅回路D103Aの反転入力端子は、カスコードトランジスタT302CAとカスコードトランジスタT303CAとの間に存在するノードN401Aに接続される。差動増幅回路D103Bの反転入力端子は、カスコードトランジスタT302CBとカスコードトランジスタT303CBとの間に存在するノードN401Bに接続される。
差動増幅回路D103Aは、ノードN401Aに発生したドレイン電圧(ゲート電圧Vido2a)とノードN103Aに発生したドレイン電圧VrbAとの電圧差に応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasAをゲート線G104に出力する。
差動増幅回路D103Bは、ノードN401Bに発生したドレイン電圧(ゲート電圧Vido2b)とノードN103Bに発生したドレイン電圧VrbBとの電圧差に応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasBをゲート線G104に出力する。
<動作>
次に、図5に示した電流駆動装置5による動作について説明する。この装置5による動作は、差動増幅回路D103A,D103Bによる動作以外は、図4に示した電流駆動装置4による動作を同様である。
差動増幅回路D103Aは、ノードN401Aに発生したドレイン電圧とノードN103Aに発生するドレイン電圧VrbAとの電圧差に応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasAをゲート線G104に出力する。バイアス電圧生成用トランジスタT104Aは、差動増幅回路D103Aによって出力されたバイアス電圧VbiasAをゲートに受ける。したがって、バイアス電圧VbiasAの電圧値の変化に応じて、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのチャネル抵抗の抵抗値は変化する。これにより、ノードN103Aにおけるドレイン電圧VrbAはノードN401Aに発生したドレイン電圧に一致するように制御される。
一方、差動増幅回路D103Bは、ノードN401Bに発生したドレイン電圧とノードN103Bに発生するドレイン電圧VrbBとの電圧差に応じた電圧値を有するバイアス電圧VbiasBをゲート線G104に出力する。バイアス電圧生成用トランジスタT104Bは、差動増幅回路D103Bによって出力されたバイアス電圧VbiasBをゲートに受ける。したがって、バイアス電圧VbiasBの電圧値の変化に応じて、バイアス電圧生成用トランジスタT104Bのチャネル抵抗の抵抗値は変化する。これにより、ノードN103Bにおけるドレイン電圧VrbBはノードN401Bに発生したドレイン電圧に一致するように制御される。
<効果>
以上のように、電流駆動装置4では、基準電圧VcA、VcBを生成するための専用の電圧発生回路を設けることなく、差動増幅回路D103A(D103B)の反転入力端子に電圧Vido2a(Vido2b)を供給している。これにより、基準電圧VcA、VcBを生成する電圧発生回路が不要になり、回路規模を低減することができる。
(第6の実施形態)
<一般的な電流駆動装置>
電流駆動装置では、任意の階調レベルを有する駆動電流を表示素子回路(有機EL素子)へ出力するために、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kと1画素分の表示素子回路との間にスイッチが設けられる。スイッチは、1画素分の表示データの階調レベルに応じて、ON/OFFする。例えば、その表示データが4ビット(16階調)である場合、駆動トランジスタは画素1つに対して15個設けられる。さらに、その15個の駆動トランジスタT105−1〜T105−15と1画素分の表示素子回路との間には、15個のスイッチが接続される。これらの15個のスイッチがON/OFFすることによって駆動トランジスタT105−1〜T105−15を流れる15個の出力電流Ioutのうち表示素子回路に供給される出力電流Ioutの個数が決定される。これにより、16階調の駆動電流が表示素子回路(有機EL素子)に出力される。
また、1個の駆動トランジスタ(T105−1)と1画素分の表示素子回路との間にスイッチを接続し、2個の駆動トランジスタ(T105−2,T105−3)とその表示素子回路との間にスイッチを接続し、4個の駆動トランジスタ(T105−4〜T105−7)とその表示素子回路との間にスイッチを接続し、8個の駆動トランジスタ(T105−8〜T105−15)とその表示素子回路との間にスイッチを接続する構成も存在するが、ここではその説明を省略する。
<全体構成>
この発明の第6の実施形態による電流駆動装置6の全体構成を図6に示す。この装置6は、図4に示した出力電圧制限用トランジスタT305−1〜T305−Kに代えて、スイッチトランジスタT605−1〜605−Kおよびインバータ回路606−1〜606−Kを備える。その他の構成は図4と同様である。スイッチトランジスタT605−1〜T605−Kの各々は、出力ノードOUTと駆動トランジスタT105−1〜T105−Kとの間に接続され、ゲートがインバータ回路T606−1〜T606−Kの出力端子に接続される。インバータ回路T606−1〜T606−Kの各々は、2つの電圧入力端子のうち一方(Hレベル電圧入力端子)がゲート線G304に接続され、他方(Lレベル入力端子)が接地ノードに接続される。インバータ回路T606−1〜T606−Kの各々は、外部からの制御信号に応じて、Hレベル信号およびLレベル信号のうちいずれか一方を出力端子から出力する。制御信号は、ON/OFFを示す信号である。Hレベル信号の電位は、Hレベル電圧入力端子の電位(ここでは、そのインバータ回路のHレベル電圧入力端子とゲート線G304との接続点の電位)と等しい。Lレベル信号の電位は、Lレベル電圧入力端子の電位(ここでは、接地ノードの電位)と等しい。
なお、スイッチトランジスタT605−1〜T605−Kは、電圧制限用トランジスタT103A,T103Bに対して個別トランジスタとして同一またはほぼ同一のトランジスタ特性を示すものと想定する。
<動作>
次に、図6に示した電流駆動装置6による動作について説明する。この装置6による動作は、スイッチトランジスタT605−1〜605−K,インバータ回路606−1〜606−Kによる動作以外は、図4に示した電流駆動装置4と同様の動作である。また、スイッチトランジスタT605−1〜T605−Kの各々は同様の構成であり、インバータ回路606−1〜606−Kの各々は同様の構成であるので、代表してスイッチトランジスタT605−1およびインバータ606−1による動作について説明する。
〔制御信号が「ON」を示すとき〕
まず、「ON」を示す制御信号がインバータ回路606−1に入力される場合について説明する。
この場合、インバータ回路606−1は、Hレベル信号をスイッチトランジスタT605−1のゲートに出力する。つまり、スイッチトランジスタT605−1のゲートには、このインバータ回路606−1のHレベル電圧入力端子とゲート線G304との接続点における電位(=ゲート電圧Vido2a)が与えられる。よって、駆動トランジスタT105−1のドレイン電圧の電圧値は、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのドレイン電圧の電圧値と等しくなる。
〔制御信号が「OFF」を示すとき〕
次に、「OFF」を示す制御信号がインバータ回路606−1に入力される場合について説明する。
この場合、インバータ回路606−1は、Lレベル信号をスイッチトランジスタT605−1のゲートに出力する。よって、スイッチトランジスタT605−1は活性化しない。
このように、スイッチトランジスタT605−1〜T605−Kのうち活性化しているスイッチトランジスタは、ソース電圧が「Vido2b−Vt(Vt:スイッチトランジスタのしきい値電圧)」に設定される。
<効果>
以上のように、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kのうち出力電流Ioutを出力すべき駆動トランジスタのドレイン電圧を等しい電圧値に設定することができる。これにより、ドレイン電圧依存性による出力電流Ioutの電流値の変動を低減することができ、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々を流れる出力電流Ioutの電流値をより精度良く均一にすることができる。
また、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kの各々のドレイン電圧を設定する構成と表示素子回路(有機EL素子)への駆動電流を生成するための構成とを共有することによって、電流駆動装置の回路規模を低減することができる。
(第7の実施形態)
<全体構成>
この発明の第7の実施形態による電流駆動装置は、図1に示した供給用基準トランジスタT101RAに代えて、図7(a)に示す電流電圧変換部700aを備える。その他の構成は図1と同様である。電流電圧変換部700aは、P個(Pは自然数)の電流電圧変換用トランジスタT701−1〜T701−Pを含む。電流電圧変換用トランジスタT701−1〜T701−Pの各々は、電源ノードとノードN103A(図1参照)との間に接続され、各々のゲートが設定用基準トランジスタT101Lのゲート(図1参照)に接続されている。
<動作>
次に、図7(a)に示した電流電圧変換部700aによる動作について説明する。
電流電圧変換用トランジスタT701−1〜T701−Pの各々は、設定用基準トランジスタT101L(図1参照)のゲートに発生したゲート電圧Vidをゲートに受ける。よって、電流電圧変換用トランジスタT701−1〜T701−Pの各々には、ゲート電圧Vidの電圧値に応じた電流値を有するドレイン電流I701−1〜I701−Pが流れる。これにより、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aには、ドレイン電流I701−1〜I701−Pのすべてを合計した電流がドレイン電流Idrsとして流れる。
<効果>
以上のように、供給用基準トランジスタT101RAを複数のトランジスタによって構成することによって、供給用基準トランジスタT101RAが有するトランジスタ特性のばらつきによる影響を低減することができる。また、電流電圧変換用トランジスタT701−1〜T701−Pを互いに近傍に配置することによって、トランジスタ特性のばらつきをさらに低減することができる。
なお、電流電圧変換用トランジスタT701−1〜T701−Pの各々は、互いにトランジスタ特性が同一であっても構わないし、同一でなくても構わない。
また、図1に示した電流駆動装置が供給用基準トランジスタT101RBに代えて図7(a)に示した電流電圧変換部700aを備える構成も同様の効果を得ることができる。この場合、電流電圧変換用トランジスタT701−1〜T701−Pの各々は、電源ノードとノードN103Bとの間に接続され、ゲートが設定用基準トランジスタT101Lのゲートに接続される。
<変形例>
また、図1に示した電流駆動装置1が設定用基準トランジスタT101Lに代えて図7(b)に示した電流電圧変換部700bを備える構成も可能である。電流電圧変換部700bは、Q個(Qは自然数)の電流電圧変換用トランジスタT702−1〜T702−Qを含む。電流電圧変換用トランジスタT702−1〜T702−Qの各々は、電源ノードと基準電流入力ノードN101(図1参照)との間に接続されており、ゲートとドレインとが接続されている。電流電圧変換用トランジスタT702−1〜T702−Qの各々のドレイン(ゲート)は、基準電流入力ノードN101と供給用基準トランジスタT101RA,T101RBのゲートとに接続されている。このように構成することによって、設定用基準トランジスタT101Lが有するトランジスタ特性のばらつきによる影響を低減することができる。
さらに、図1に示した電流駆動装置1が、図1に示した設定用基準トランジスタT101Lに代えて図7(b)に示した電流電圧変換部700bを備え、図1に示した供給用基準トランジスタT101RA,T101RBに代えて図7(a)に示した電流電圧変換部700aを備える構成も可能である。つまり、図1に示した設定用基準トランジスタT101L,供給用基準トランジスタT101RA,T101RBの各々を複数のトランジスタによって構成することも可能である。この場合、設定用基準トランジスタT101Lを構成するトランジスタ,供給用基準トランジスタT101RAを構成するトランジスタ,および供給用基準トランジスタT101RBを構成するトランジスタが1つのチップ上に均一に分布していることが好ましい。このように構成すれば、設定用基準トランジスタT101L,供給用基準トランジスタT101RA,T101RBの各々が有するトランジスタ特性のばらつきが均一になるので、各々が有するトランジスタ特性のばらつきによる影響を低減することができる。
(第8の実施形態)
<全体構成>
この発明の第8の実施形態による電流駆動装置は、図1に示した供給用基準トランジスタT101RAに代えて、図8に示すバイアス電圧調整部800を備える。その他の構成は図1と同様である。バイアス電圧調整部800は、設定用基準トランジスタT101Lのゲート電圧Vidに応じたドレイン電流Idrsを生成する。
<バイアス電圧調整部800の内部構成>
図8に示したバイアス電圧調整部800は、電流電圧変換部801と、供給電源802と、条件記憶部803と、条件制御回路804と含む。
電流電圧変換部801は、図7(a)に示した電流電圧変換用トランジスタT701−1〜T701−Pと、(P−1)個の選択用トランジスタS801−2〜S801−Pとを含む。選択用トランジスタS801−2〜S801−Pは、電流電圧変換用トランジスタT701−2〜T701−Pと一対一で対応している。選択用トランジスタS801−2〜S801−Pは、対応する電流電圧変換用トランジスタT701−2〜T701−PとノードN103Aとの間に接続され、条件制御回路804からの制御信号CT−2〜CT−Pをゲートに受ける。
制御信号CT−2〜CT−Pは、Lレベルのときには選択用トランジスタS801−2〜S801−P(PMOSトランジスタ)を活性化させる電圧であり、Hレベルのときには選択用トランジスタS801−2〜S801−Pを非活性化させる電圧である。
供給電源802は、条件記憶部803および条件制御回路804に読出電圧を供給する。読出電圧は、条件記憶部803の接続状態を確認するための電圧である。
条件記憶部803は、F個(Fは自然数)のヒューズh8−1〜h8−Fを含む。ヒューズh8−1〜h8−Fの各々は、レーザーや高電流を印加して切断することによって導通状態から非導通状態にすることができる材料である。条件記憶部803は、ヒューズh8−1〜h8−Fの切断/非切断を2進数として扱うことによって、Fビットのバイナリデータを記憶する。なお、ここでは、条件記憶部803は、電流電圧変換用トランジスタT702−2〜T701−Pのうち使用すべきトランジスタの個数が示されたバイナリデータを記憶するものとする。例えば、ヒューズh8−1が切断されており他のヒューズh8−2〜h8−Mが切断されていない場合、条件記憶部803は、使用すべきトランジスタの個数が「1つ」であることを記憶している。また、ヒューズh8−1,h8−2が切断されており他のヒューズh8−3〜h8−Mが切断されていない場合、条件記憶部803は、使用すべきトランジスタの個数が「3つ」であることを記憶している。
条件制御回路804は、外部からのコントロール信号CONTに応じて、条件固定モードまたはエミュレートモードになる。
条件固定モードになると、条件制御回路804は、条件記憶部803に含まれるヒューズh8−1〜h8−Fの一方の端子を自己に接続してヒューズh8−1〜h8−Fの各々が示す電圧レベルを読みとる。これにより、ヒューズの断線状態によって示されたバイナリデータが読み出される。また、条件制御回路804は、読み出したバイナリデータをデコードすることによって、制御信号CT−2〜CT−Pを出力する。例えば、条件記憶部803においてヒューズh8−1,h8−2が切断されている場合(使用すべきトランジスタの個数が「3つ」であることを示すバイナリデータが条件記憶部803に記憶されている場合)、ヒューズh8−1〜h8−Fの各々が示す電圧レベルは「L,L,H,・・・,H」になる。この場合、条件制御回路804は、制御信号CT−2〜CT−4をLレベルにし他の制御信号CT−5〜CT−PをHレベルにする。
エミュレートモードになると、条件制御回路804は、外部からのデータ信号DATAに従って条件記憶部803におけるヒューズh8−1〜h8−Fの断線状態をエミュレートして、制御信号CT−2〜CT−Pを出力する。データ信号DATAは、条件記憶部803におけるヒューズの断線状態(条件記憶部803に記憶された情報)をエミュレートするための信号であり、ヒューズの断線状態に応じたM個の電圧レベルが示されている。例えば、ヒューズh8−1が切断されている状態(使用すべき電圧生成用トランジスタの個数が「1個」を示す情報が条件記憶部803に記憶された状態)をエミュレートするためのデータ信号DATAの場合、そのデータ信号DATAに示されたF個の電圧レベルは「L,H,H,・・・,H」となる。この場合、条件制御回路804は、制御信号CT−2をLレベルにし他の制御信号CT−3〜CT−PをHレベルにする。また、ヒューズh8−1,h8−2が切断されている状態をエミュレートするためのデータ信号DATAの場合、そのデータ信号DATAに示されたF個の電圧レベルは「L,L,H,・・・,H」となる。この場合、条件制御回路804は、制御信号CT−2〜CT−4をLレベルにし他の制御信号CT−5〜CT−PをHレベルにする。
<動作>
次に、図8に示したバイアス電圧調整部800による動作について説明する。
〔条件固定モード〕
条件制御回路804は、条件固定モードへの切替を要請するコントロール信号CONTを入力すると条件固定モードになる。
次に、条件制御回路804は、条件記憶部803に含まれるヒューズh8−1〜h8−Fの一方の端子を自己に接続してヒューズの断線状態によって示されたバイナリデータを読み出す。
次に、条件制御回路804は、読み出したバイナリデータをデコードして、制御信号CT−2〜CT−Pを対応する選択用トランジスタS801−2〜S801−Pのゲートに出力する。
ここで、ヒューズh8−1が切断されている場合、条件制御回路804は、制御信号CT−2をLレベルにし他の制御信号CT−3〜CT−PをHレベルにする。よって、選択用トランジスタS801−2が活性化し電流電圧変換用電流電圧変換用トランジスタT701−2がノードN103Aに接続されるので、ノードN103Aには電流電圧変換用トランジスタT701−1,T701−2が接続されることになる。したがって、設定用基準トランジスタT101Lと電流電圧変換用トランジスタT701−1とのカレントミラー比によって決定されたドレイン電流I701−1と設定用基準トランジスタT101Lと電流電圧変換用トランジスタT701−2とのカレントミラー比によって決定されたドレイン電流I701−2とを足しあわせたドレイン電流(「I701−1」+「I701−2」)がバイアス電圧生成用トランジスタT104Aに流れる。これにより、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのゲートに与えられるバイアス電圧VbiasAは、ドレイン電流(「I701−1」+「I701−2」)の電流値に対応した電圧値に設定される。
このように、条件記憶部803に記憶されたバイナリデータをデコードすることによって制御信号CT−2〜CT−Pの出力状態が再現される。また、その出力状態が維持される。
〔エミュレートモード〕
一方、条件制御回路804は、エミュレートモードへの切替を要請するコントロール信号CONTを入力するとエミュレートモードになる。
次に、条件制御回路804は、データ信号DATAに従って、制御信号CT−2〜CT−Pを出力する。
ここで、データ信号DATAが「ヒューズh8−1〜h8−Fすべて非切断」を示しているとする。この場合、条件制御回路804から出力される制御信号CT−2〜CT−Pは、すべてHレベル(インアクティブ)になる。よって、選択用トランジスタS801−2〜S801−Pのいずれも活性化されず、電流電圧変換用トランジスタT701−2〜T701−PのいずれもノードN103Aに接続されないので、ノードN103Aには電流電圧変換用トランジスタT701−1のみが接続されることになる。したがって、設定用基準トランジスタT101Lと電流電圧変換用トランジスタT701−1とのカレントミラー比によって決定されたドレイン電流I701−1がバイアス電圧生成用トランジスタT104Aに流れる。これにより、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aのゲートに与えられるバイアス電圧VbiasAは、ドレイン電流I701の電流値に対応した電圧値に設定される。
このように、データ信号DATAに従って条件記憶部803におけるヒューズh8−1〜h8−Mの切断状態をエミュレートすることによって、設定用基準トランジスタT101Lと電流電圧変換部801との能力比を任意に設定することができる。これにより、バイアス電圧生成用トランジスタT104Aに流れるドレイン電流Idの電流値を調整することができる。
<効果>
以上のように、条件制御回路804によって電流電圧変換部801の性能を調整することによって、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kにおける出力電流Iout出力電流の状態が最適になる条件(最適条件)の下で電流駆動装置を動作させることができる。
また、エミュレーションの結果に基づいて条件記憶部803に含まれるヒューズh8−1〜h8−Fを切断することによって制御信号CT−2〜CT−Pの出力状態を記憶すれば、出力電流Ioutの状態が最適な時の条件を維持することができる。
なお、本実施形態では、電流電圧変換用トランジスタT701−2〜T701−Pのうち条件制御回路804によって選択されるべきトランジスタの個数(制御信号CT−2〜CT−Pの出力状態)を記憶するために複数のヒューズを含む条件記憶部803を用いたが、DRAM(dynamic random access memory)やSRAM(static random access memory)のような記憶媒体に制御信号CT−2〜CT−Pの出力状態を示すデータを記憶しその記憶媒体に記憶されたデータをデコードして制御信号CT−2〜CT−Pを出力する構成も可能である。
また、条件制御回路804が条件固定モードをデフォルトとして動作しても構わない。つまり、条件制御回路804がエミュレートモード以外の時には常に条件固定モードであっても構わない。
また、ヒューズの切断数を減らすため、出力電流Ioutの状態が最適な時の条件を中心に切断数が増えるように設定してもよい。例えば、電流電圧変換用トランジスタT701−2〜T701−Pのうちいずれか2つを使用する場合に出力電流Ioutの状態が最適になるとすると、条件制御回路804は、ヒューズh8−1〜h8−Fの各々が示す電圧レベルが「H,H,H,・・・H」であるときに制御信号CT−2,CT−3がLレベルになり他の制御信号CT−4〜CT−PがHレベルになるように、条件記憶部803に記憶されたバイナリデータをデコードする。
(第9の実施形態)
<全体構成>
この発明の第9の実施形態による電流駆動装置は、図1に示した設定用基準トランジスタT101Lに代えて、図9に示すゲート電圧調整部900を備える。その他の構成は図1と同様である。ゲート電圧調整部900は、基準電流Irefの電流値に応じた電圧値を有するゲート電圧を生成する。
<ゲート電圧調整部900の内部構成>
図9に示したゲート電圧調整部900は、電流電圧変換部901と、供給電源802と、条件記憶部803と、条件制御回路904とを含む。
電流電圧変換部901は、図7(b)に示したQ個の電流電圧変換用トランジスタT702−1〜T702−Qと、Q個の選択用トランジスタSa901−1〜Sa901−Qと、Q個の選択用トランジスタSb901−1〜Sb901−Qとを含む。選択用トランジスタSa901−1〜Sa901−Qおよび選択用トランジスタSb901−1〜Sb901−Qは、電源ノードとノードN905との間に直列に接続される。選択用トランジスタSa901−1〜Sa901−Qは、条件制御回路904からの制御信号CTa−1〜CTa−Qをゲートに受ける。選択用トランジスタSb901−1〜Sb901−Qは、条件制御回路904からの制御信号CTb−1〜CTb−Qをゲートに受ける。電流電圧変換用トランジスタT702−1〜T702−Qは、電源ノードとノードN905との間に設けられ、ゲートがノードN9−1〜N9−Qに接続されている。ノードN905は、供給用基準トランジスタT101RA,T101RBの各々のゲートおよび基準電流入力ノードN101(図1参照)に接続される。
制御信号CTa−1〜CTa−Q,CTb−1〜CTb−Qは、Lレベルのときには選択用トランジスタSa901−1〜Sa901−Q,Sb901−1〜Sb901−Q(PMOSトランジスタ)を活性化させる電圧であり、Hレベルのときには選択用トランジスタSa901−1〜Sa901−Q,Sb901−1〜Sb901−Qを非活性化させる電圧である。
供給電源802は、図8に示したものと同様である。
条件記憶部803は、図8に示したものと同様である。なお、ここでは、条件記憶部803は、電流電圧変換用トランジスタT702−1〜T702−Qのうち使用すべきトランジスタの個数が示されたバイナリデータを記憶するものとする。例えば、ヒューズh8−1が切断されており他のヒューズh8−2〜h8−Fが切断されていない場合、条件記憶部803は、使用すべきトランジスタの個数が「1つ」であることを記憶している。また、ヒューズh8−1,h8−2が切断されており他のヒューズh8−3〜h8−Fが切断されていない場合、条件記憶部803は、使用すべきトランジスタの個数が「3つ」であることを記憶している。
条件制御回路904は、条件制御回路804と同様に、外部からのコントロール信号CONTに応じて、条件固定モードまたはエミュレートモードになる。
条件固定モードになると、条件制御回路904は、条件制御回路804と同様に、条件記憶部803に記憶されたバイナリデータをデコードすることによって、制御信号CTa−1〜CTa−Q,CTb−1〜CTb−Qを出力する。例えば、条件記憶部803においてヒューズh8−1が切断されている場合、条件制御回路904は、制御信号CTa−1をHレベルに制御信号CTa−2〜CTa−QをLレベルにし、制御信号CTb−1をLレベルに制御信号CTb−2〜CTb−QをHレベルにする。
エミュレートモードになると、条件制御回路904は、条件制御回路804と同様に、外部からのデータ信号DATAに従って条件記憶部803におけるヒューズh8−1〜h8−Fの断線状態をエミュレートして、制御信号CTa−1〜CTa−Q,CTb−1〜CTb−Qを出力する。例えば、ヒューズh8−1,h8−2が切断されている状態をエミュレートするためのデータ信号DATAの場合、そのデータ信号DATAに示されたF個の電圧レベルは「L,L,H,・・・,H」となる。この場合、条件制御回路904は、制御信号CTa−1〜CTa−3をHレベルに制御信号CTa−4〜CTa−QをLレベルにし、制御信号CTb−1〜CTb−3をLレベルに制御信号CTb−4〜CTb−QをHレベルにする。
<動作>
次に、図9に示したゲート電圧調整部900による動作について説明する。
〔条件固定モード〕
条件制御回路904は、条件固定モードへの切替を要請するコントロール信号CONTを入力すると条件固定モードになる。次に、条件制御回路904は、条件記憶部803に含まれるヒューズh8−1〜h8−Fの一方の端子を自己に接続してヒューズの断線状態によって示されたバイナリデータを読み出す。次に、条件制御回路904は、読み出したバイナリデータをデコードして、制御信号CTa−1〜CTa−Q,CTb−1〜CTb−Qを対応する選択用トランジスタSa901−1〜Sa901−Q,Sb901−1〜Sb901−Qのゲートに出力する。
ここで、ヒューズh8−1が切断されている場合、条件制御回路904は、制御信号CTb−1,CTa−2〜CTa−QをLレベル(アクティブ)にし制御信号CTa−1,CTb−2〜CTb−QをHレベル(インアクティブ)にする。よって、選択用トランジスタSa901−1が活性化されず選択用トランジスタSb901−1が活性化されるので、電流電圧変換用トランジスタT702−1のゲートとドレインと同電位になり電流が流れる。一方、選択用トランジスタSa901−2〜Sa901−Qが活性化され選択用トランジスタSb901−2〜Sb901−Qが活性化されないので、電流電圧変換用トランジスタT702−2〜T702−Qのゲートが電源ノードと同電位になり電流が流れない。したがって、電流電圧変換用トランジスタT702−1にのみ基準電流Irefが流れる。これにより、電流電圧変換用トランジスタT702−1のゲートに発生したゲート電圧Vidが供給用基準トランジスタT101RA,T101RBのゲートに入力される。
このように、条件記憶部803に記憶された制御信号CTa−1〜CTa−Q,CTb−1〜CTb−Qの出力状態が再現される。また、その出力状態が維持される。
〔エミュレートモード〕
一方、条件制御回路904は、エミュレーションモードへの切替を要請するコントロール信号CONTを入力するとエミュレートモードになる。次に、条件制御回路904は、データ信号DATAに従って、制御信号CTa−1〜CTa−Q,CTb−1〜CTb−Qを出力する。
ここで、ヒューズh8−2が切断されている状態をエミュレートするためのデータ信号DATAが条件制御回路904に入力された場合、条件制御回路904は、制御信号CTb−1,CTb−2,CTa−3〜CTa−QをLレベル(アクティブ)にし制御信号CTa−1,CTa−2,CTb−3〜CTb−QをHレベル(インアクティブ)にする。よって、選択用トランジスタSa901−1が活性化されず選択用トランジスタSb901−1が活性化されるので、電流電圧変換用トランジスタT701−1のゲートとドレインと同電位になり電流が流れる。また、選択用トランジスタSa901−2が活性化されず選択用トランジスタSb901−2が活性化されるので、電流電圧変換用トランジスタT702−2のゲートとドレインと同電位になり電流が流れる。一方、選択用トランジスタSa901−3〜Sa901−Qが活性化され選択用トランジスタSb901−3〜Sb901−Qが活性化されないので、電流電圧変換用トランジスタT702−3〜T702−Qのゲートが電源ノードと同電位になり電流が流れない。したがって、電流電圧変換用トランジスタT702−1,T702−2にのみ基準電流Irefが流れる。これにより、電流電圧変換用トランジスタT702−1のゲートに発生したゲート電圧Vidと電流電圧変換用トランジスタT702−2のゲートに発生したゲート電圧Vidとが供給用基準トランジスタT101RA,T101RBのゲートに入力される。
このように、データ信号DATAに従って条件記憶部803におけるヒューズh8−1〜h8−Fの切断状態をエミュレートすることによって、供給用基準トランジスタT101RA,T101RBに入力されるゲート電圧Vidの電圧値を調整することができる。
<効果>
以上のように、条件制御回路904によって電流電圧変換部901の性能を調整することによって、駆動トランジスタT105−1〜T105−Kにおける出力電流Iout出力電流の状態が最適になる条件(最適条件)の下で動作することができる。
また、エミュレーションの結果に基づいて条件記憶部803に含まれるヒューズh8−1〜h8−Fを切断することによって制御信号CTa−1〜CTa−Q,CTb−1〜CTb−Qの出力状態を記憶すれば、出力電流Ioutの状態が最適な時の条件を維持することができる。
(第10の実施形態)
<全体構成>
この発明の第10の実施形態による表示装置10の全体構成を図10に示す。この装置10は、表示パネル1001と、制御部1002と、データドライバ1003と、ゲートドライバ1004とを備える。この装置は、外部から入力された表示データ(ここでは、3ビットデータ(=8階調))を表示パネル1001に表示する。
表示パネル1001では、マトリックス状に配置されたM×N個(M,Nは自然数)の有機EL素子と垂直方向に配線されたM個のデータ線と水平方向に配線されたN個のゲート線とが設けられ、有機EL素子の各々はスイッチング素子を介してデータ線に接続され,そのスイッチング素子のゲートはゲート線に接続される(所謂、アクティブマトリックス方式)。1つのゲート線が活性化すると、そのゲート線に接続されたM個のスイッチング素子は、そのスイッチング素子に対応する有機EL素子とそのスイッチング素子(水平方向に直列に配置された有機EL素子)に対応するデータ線とを接続する。
制御部1002は、外部から入力された表示データD100,制御情報CTRLを入力すると、表示データD100,スタート信号START,およびロード信号LOADをデータドライバ1003に出力するとともに、ゲートドライバ1004に走査制御信号LINEを出力する。表示データD100は、1画素分の階調レベルを示す表示データD100−1〜D100−Mを含む(ここでは、表示データD100は、表示パネル1001における1水平ライン分のデータである)。制御情報CTRLは表示タイミングなどの種々の情報を示す。スタート信号STARTはデータドライバ1003が表示データD100を保持するタイミングを示す信号であり、ロード信号LOADはデータドライバ1003が駆動電流I100−1〜I100−Mを生成するタイミングを示す信号である。
データドライバ1003は、制御部1002から出力された表示データD100に応じて、表示パネル1001の有機EL素子を駆動するための駆動電流I100−1〜I100−Mを表示パネル1001に存在するM個のデータ線に出力する。
ゲートドライバ1004は、制御部1002からの走査制御信号LINEに応じて、走査信号SL−1〜SL−N(Nは自然数)を表示パネル1001に存在するN個のゲートラインに出力する。なお、ここでは、ゲートドライバ1004は、最上段のゲートラインから順番に、N個のゲートラインに走査信号SL−1〜SL−Mを出力する(所謂、線順次走査駆動方式)。
<データドライバ1003の内部構成>
図10に示したデータドライバ1003は、データラッチ部1011と、基準電流源1012と、図1に示した電流駆動装置1と、M個の選択部1013−1〜1013−Mとを含む。
データラッチ部1011は、制御部1002から出力されたスタート信号STARTに従って制御部1002から出力された表示データD100を1画素分の表示データD100−1〜D100−Mとして保持する。また、データラッチ部1011は、制御部1002から出力されたロード信号LOADに応じて、その保持している1画素分の表示データD100−1〜D100−Mを選択部1013−1〜1013−Mに出力する。
基準電流源1012は、電流駆動装置1に基準電流Irefを供給する。
電流駆動装置1は、基準電流供給部1012によって供給された基準電流Irefを用いて、複数の出力電流Ioutを選択部1013−1−1〜1013−Mに出力する(ここでは、電流駆動装置1は駆動トランジスタを(8×M)個備えており、選択部1013−1〜1013−Mの各々に対して8個の出力電流Ioutを出力する)。
選択部1013−1〜1013−Mは、電流駆動装置1から出力された8個の出力電流Ioutのうちデータラッチ部1011から出力された1画素分の表示データD100−1〜D100−Mに応じた個数の出力電流Ioutを選択する。また、選択部1013−1〜1013−Mは表示パネルに存在するM個のデータ線と一対一で対応しており、選択部1013−1〜1013−Mは、その選択した出力電流Ioutのすべてを足し合わせた電流を駆動電流I100−1〜I100−Mとしてその選択部に対応するデータ線に出力する。
<動作>
次に、図10に示した表示装置10において、電流駆動装置1によって出力電流Ioutが出力される工程から表示パネル1001の有機EL素子が駆動する工程までの流れについて説明する。
まず、電流駆動装置1は、選択部1013−1〜選択部1013−Mの各々に対して8つの出力電流Ioutを出力する。
選択部1013−1〜1013−Mの各々は、データラッチ部1011から出力された表示データD100−1〜D100−Mに応じて、電流駆動装置1から出力された8つの出力電流Ioutのうちその表示データD100−1〜D100−Mに応じた個数を選択する。例えば、表示データD100−1が「階調レベル=7」を示す場合、選択部1013−1は、8つの出力電流Ioutのうち7つの出力電流Ioutを選択する。この場合、出力電流Iout1つ分の電流値を「Ia」とすると、選択部1013−1から出力される駆動電流I100−1の電流値は「7×Ia」になる。よって、選択部1013−1に対応するデータ線には、電流値「7×Ia」を有する駆動電流I100−1が入力される。選択部1013−2〜1013−Mにおいても同様の動作が行われ、M個のデータ線の各々は、対応する選択部1013−2〜1013−Mから駆動電流I100−2〜I100−Mを受ける。
一方、ゲートドライバ1004は、制御部1002から出力された走査制御信号LINEに応じて、走査信号SL−1〜SL−Nを出力する。ここで、ゲートドライバ1004が表示パネル1001に存在するゲート線のうち最上段のゲート線に走査信号SL−1を出力したとすると、最上段のゲート線に接続されたM個のスイッチング素子は活性化する。これにより、表示パネル1001のうち最上段のM個の有機EL素子は、対応するデータ線に接続されるので、対応するデータ線を流れる駆動電流I100−1〜100−Mを受ける。
次に、表示パネル1001のうち最上段のM個の有機EL素子は、駆動電流I100−1〜I100−Mの電流値に応じた光を発する。駆動電流I100−1〜100−Mは表示データD100−1〜D100Mの各々が示す階調レベルに応じた電流値を有するので、M個の有機EL素子の各々の輝度は、表示データD100−1〜D100−Mの各々が示す階調レベルに応じたレベルになる。よって、最上段の水平ラインに1水平ライン分の表示データD100が表示される。
このようにしてすべての水平ラインに対して同様の処理を行うことによって、3ビット(=8階調)の表示データを表示パネル1001に表示する。
<効果>
以上のように、電流駆動装置1は、電流値が均一である出力電流Ioutを出力する。よって、選択部1013−1−1〜1013−Mの各々は、1画素分の表示データD100−1〜D100−Mが示す階調数に応じた電流値を有するI100−1〜I100−Mを精度良く生成することができる。これにより、表示パネル1001における発光素子の発光のばらつきを低減することができる。
また、本実施形態では、第1の実施形態による電流駆動装置1を利用しているが、第2〜第5,第7,第8の実施形態による電流駆動装置(図2〜5,図7(a),図7(b),図8,図9参照)を利用することも可能である。また、第6の実施形態による電流駆動装置6(図6参照)を利用する場合、選択部1013−1〜1013−Mと図6に示したインバータ回路606−1〜606−Kを適当に対応付け、選択部1013−1〜1013−Mの各々がONまたはOFFを示す制御信号をその選択部に対応するインバータ回路(または複数のインバータ回路)に表示データD100−1〜D100−Mの各々に応じて出力するような構成にすればいい。
また、本実施形態では、表示パネル1001の1水平ライン中にはM個の画素が存在し、各々の画素に対して1つの有機EL素子が設けられている構成であるが、1つの画素に対して3つの有機EL素子(R成分を担う有機EL素子,G成分を担う有機EL素子,およびB成分を担う有機EL素子)を設ける構成も可能である。この場合、表示データD100は(M×3)個の表示データD100−1〜D100−(M×3)を含む。また、データドライバ1003は、3つの電流駆動装置と、(M×3個)の選択部1013−1〜1013−(M×3)を含む。3つの電流駆動装置の各々は、R成分,G成分,B成分の各々に適した電流値を有する出力電流Ioutを出力する。選択部1013−1〜1013−(M×3)のうち、選択部1013−(3X−2)(Xは自然数:1≦X≦M)はR成分に対応する電流駆動装置からの出力電流Ioutを受け、選択部1013−(3X−1)はG成分に対応する電流駆動装置からの出力電流Ioutを受け、選択部1013−(3X)はB成分に対応する電流駆動装置からの出力電流Ioutを受ける。また、データラッチ部1011は、R成分に対応する表示データD100−(3X−2)を選択部1013−(3X−2)に出力し、G成分に対応する表示データD100−(3X−1)を選択部1013−(3X−1)に出力し、B成分に対応する表示データD100−(3X)を選択部1013−(3X)に出力する。これにより、R成分に対応する有機EL素子,G成分に対応する有機EL素子、およびB成分に対応する有機EL素子の各々は、R成分に対応する表示データD100−(3X−2)に応じた輝度,G成分に対応する表示データD100−(3X−1)に応じた輝度、およびB成分に対応する表示データD100−(3X)に応じた輝度になる。このように、RGB成分ごとに設けられた電流駆動装置に出力電流Ioutの電流値を調整することによってRGB成分ごとに設けられた有機EL素子の輝度を個別に調整することができるので、各々の画素の輝度を精度良く調整することができる。
本発明にかかる電流駆動装置は、有機ELパネルの電流駆動型の表示用ドライバ等に有用である。また複数の回路ブロックに分かれて、互いに電流値を合わせながら高精度に出力するプリンタドライバ等の用途にも応用できる。
この発明の第1の実施形態による電流駆動装置1の全体構成を示す図である。 この発明の第2の実施形態による電流駆動装置2の全体構成を示す図である。 この発明の第3の実施形態による電流駆動装置3の全体構成を示す図である。 この発明の第4の実施形態による電流駆動装置4の全体構成を示す図である。 この発明の第5の実施形態による電流駆動装置5の全体構成を示す図である。 この発明の第6の実施形態による電流駆動装置6の全体構成を示す図である。 (a)この発明の第7の実施形態による電流駆動装置が備える電流電圧変換部700aの内部構成を示す図である。(b)この発明の第7の実施形態の変形例による電流駆動装置が備える電流電圧変換部700bの内部構成を示す図である。 この発明の第8の実施形態による電流駆動装置が備えるバイアス電圧調整部800の内部構成を示す図である。 この発明の第9の実施形態による電流駆動装置が備えるゲート電圧調整部900の内部構成を示す図である。 この発明の第10の実施形態による表示装置の全体構成を示す図である。 従来の電流駆動装置20の全体構成を示す図である。
符号の説明
1,2,3,4,5,6,20 電流駆動装置
10 表示装置
N101 基準電流入力ノード
T101L 設定用基準トランジスタ
T101RA,T101RB,T101RC 供給用基準トランジスタ
T102L,T102RA,T102RB,T102RC カスコード接続用トランジスタ
N102A,N102B,N102C 基準電圧供給ノード
D103A,D103B,D103C,D401 差動増幅回路
T104A,T104B,T104C バイアス電圧生成用トランジスタ
T105−1〜T105−K 駆動トランジスタ
T301CA,T302CB,T303CA,T304CA,T301CB,T302CB,T303CB,T304CB カスコードトランジスタ
T103A,T103B 電圧制限用トランジスタ
T305−1〜T305−K 出力電圧制限用トランジスタ
T605−1〜T605−K スイッチトランジスタ
606−1〜606−K インバータ回路
700a,700b 電流電圧変換部
T701−1〜T701−K 電流電圧変換用トランジスタ
800,900 バイアス電圧調整部
801,901 電流電圧変換部
S801−2〜S801−K,Sa901−1〜Sa901−Q,Sb901−1〜Sb901−Q 選択用トランジスタ
802 供給電源
803 条件記憶部
804,904 条件制御回路
1001 表示パネル
1002 制御部
1003 データドライバ
1004 ゲートドライバ
1011 データラッチ部
1012 基準電流源
1013−1〜1013−M 選択部

Claims (24)

  1. 第1の電流を入力または出力する第1の入出力部と、
    前記第1の入出力部と第1の基準ノードとの間に接続される第1のバイアス電圧生成用トランジスタと、
    第2の電流を入力または出力する第2の入出力部と、
    前記第2の入出力部と前記第1の基準ノードとの間に接続される第2のバイアス電圧生成用トランジスタと、
    出力電流が入力または出力される出力ノードと前記第1の基準ノードとの間に接続されるK個(Kは自然数)の駆動トランジスタと、
    前記第1のバイアス電圧生成用トランジスタのゲート,前記K個の駆動トランジスタの各々のゲート,および前記第2のバイアス電圧生成用トランジスタのゲートが順番に接続される第1のゲート線と、
    第1の電圧を受ける第1の電圧供給ノードと、
    前記第1の入出力部と前記第1のバイアス電圧生成用トランジスタとの第1の相互接続ノードにおける第2の電圧の電圧値と前記第1の電圧供給ノードが受ける第1の電圧の電圧値との差に応じた電圧値を有する第3の電圧を出力する第1の差動増幅回路と、
    第4の電圧を受ける第2の電圧供給ノードと、
    前記第2の入出力部と前記第2のバイアス電圧生成用トランジスタとの第2の相互接続ノードにおける第5の電圧の電圧値と前記第2の電圧供給ノードが受ける第4の電圧の電圧値との差に応じた電圧値を有する第6の電圧を出力する第2の差動増幅回路とを備え、
    前記第1のバイアス電圧生成用トランジスタは、
    前記第1の差動増幅回路によって出力された第3の電圧をゲートに受け、
    前記第2のバイアス電圧生成用トランジスタは、
    前記第2の差動増幅回路によって出力された第6の電圧をゲートに受ける、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  2. 請求項1において、
    第2の基準ノードと基準電流が入力または出力される入出力ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続される設定用トランジスタを、さらに備え、
    前記第1の入出力部は、
    前記第2の基準ノードと前記第1の相互接続ノードとの間に接続され、ゲートが前記設定用トランジスタのゲートに接続される第1の供給用トランジスタを含み、
    前記第2の入出力部は、
    前記第2の基準ノードと前記第2の相互接続ノードとの間に接続され、ゲートが前記設定用トランジスタのゲートに接続される第2の供給用トランジスタを含む、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  3. 請求項2において、
    前記設定用トランジスタ,前記第1および第2の供給用トランジスタの各々は、カスコード接続されている、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  4. 請求項1において、
    第3の電流を入力または出力する第3の入出力部と、
    前記第3の入出力部と前記第1の基準ノードとの間に接続される第3のバイアス電圧生成用トランジスタと、
    第7の電圧を受ける第3の電圧供給ノードと、
    前記第3の入出力部と前記第3のバイアス電圧生成用トランジスタとの第3の相互接続ノードにおける第8の電圧の電圧値と前記第3の電圧供給ノードが受ける第7の電圧の電圧値との差に応じた電圧値を有する第9の電圧を出力する第3の差動増幅回路とを、さらに備え、
    前記第1のゲート線は、
    前記第1のバイアス電圧生成用トランジスタのゲート,先頭からH番目(Hは自然数:1≦H≦K−1)までのH個の前記駆動トランジスタの各々のゲート,前記第3のバイアス電圧生成用トランジスタのゲート,(H+1)番目からK番目までの(K−H)個の前記駆動トランジスタの各々のゲート,および前記第2のバイアス電圧生成用トランジスタのゲートが順番に接続され、
    前記第3のバイアス電圧生成用トランジスタは、
    前記第3の差動増幅回路によって出力された第9の電圧をゲートに受ける、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  5. 請求項1において、
    前記K個の駆動トランジスタと前記出力ノードとの間に接続されるK個の出力電圧制限用トランジスタと、
    前記K個の出力電圧制限用トランジスタの各々のゲートが接続される第2のゲート線とをさらに備え、
    前記第2のゲート線は、所定の電圧値を有する制限電圧を受ける、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  6. 請求項5において、
    前記第1の相互接続ノードと前記第1のバイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される第1の電圧制限用トランジスタと、
    前記第2の相互接続ノードと前記第2のバイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される第2の電圧制限用トランジスタとをさらに備え、
    前記第2のゲート線は、
    前記第1の電圧制限用トランジスタのゲート,前記K個の出力電圧制限用トランジスタのゲート,前記第2の電圧制限用トランジスタのゲートが順番に接続される、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  7. 請求項6において、
    第3の電流を入力または出力する第3の入出力部と、
    前記第3の入出力部と前記第1の基準ノードとの間に直列に接続される第1および第2のカスコードトランジスタとをさらに備え、
    前記第1のカスコードトランジスタは、
    前記第3の入出力部と前記第2のカスコードトランジスタとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続され、
    前記第2のカスコードトランジスタは、
    前記第1のカスコードトランジスタと前記第1の基準ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続され、
    前記第2のゲート線は、
    前記第1のカスコードトランジスタのゲートに発生する第1のゲート電圧を受ける、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  8. 請求項7において、
    前記第1および第2の電圧供給ノードは、
    前記第1のカスコードトランジスタのゲートに発生した第1のゲート電圧を受ける、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  9. 請求項5において、
    ボルテージフォロー回路をさらに備え、
    前記第2のゲート線は、前記ボルテージフォロー回路からの出力を受ける、
    こと特徴とする電流駆動装置。
  10. 請求項9において、
    前記第1の相互接続ノードと前記第1のバイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される第1の電圧制限用トランジスタと、
    第3の電流を入力または出力する第3の入出力部と、
    前記第3の入出力部と前記第1の基準ノードとの間に直列に接続される第1および第2のカスコードトランジスタとをさらに備え、
    前記第1のカスコードトランジスタは、
    前記第3の入出力部と前記第2のカスコードトランジスタとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続され、
    前記第2のカスコードトランジスタは、
    前記第1のカスコードトランジスタと前記第1の基準ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続され、
    前記第1の電圧制限用トランジスタのゲートおよび前記ボルテージフォロー回路は、
    前記第1のカスコードトランジスタのゲートに発生する第1のゲート電圧を受ける、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  11. 請求項10において、
    前記第2の相互接続ノードと前記第2のバイアス電圧生成用トランジスタとの間に接続される第2の電圧制限用トランジスタと、
    第4の電流を入力または出力する第4の入出力部と、
    前記第4の入出力部と前記第1の基準ノードとの間に直列に接続される第3および第4のカスコードトランジスタとをさらに備え、
    前記第3のカスコードトランジスタは、
    前記第4の入出力部と前記第4のカスコードトランジスタとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続され、
    前記第4のカスコードトランジスタは、
    前記第3のカスコードトランジスタと前記第1の基準ノードとの間に接続され、ゲートとドレインとが接続され、
    前記第2の電圧制限用トランジスタのゲートは、
    前記第3のカスコードトランジスタのゲートに発生する第2のゲート電圧を受ける、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  12. 請求項11において、
    前記第1の電圧供給ノードは、
    前記第1のカスコードトランジスタのゲートに発生する第1のゲート電圧を受け、
    前記第2の電圧供給ノードは、
    前記第3のカスコードトランジスタのゲートに発生する第2のゲート電圧を受ける、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  13. 請求項1において、
    前記K個の駆動トランジスタと前記出力ノードとの間に接続されるK個のスイッチトランジスタと、
    前記K個のスイッチトランジスタと一対一で対応するK個の制御部と、
    所定の電圧値を有する制限電圧を受ける第2のゲート線とを備え、
    前記K個の制御部の各々は、
    第1のモードと第2のモードとを有し、且つ、前記第2のゲート線に接続される第1の端子と、前記第1の基準ノードに接続される第2の端子とを含み、
    第1のモードでは、前記第1の端子における電圧を当該制御部に対応するスイッチトランジスタのゲートに与え、
    第2のモードでは、前記第2の端子における電圧を当該制御部に対応するスイッチトランジスタのゲートに与える、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  14. 請求項2において、
    前記第1の供給用トランジスタは、P個(Pは自然数)の電流電圧変換用トランジスタによって構成され、
    前記P個の電流電圧変換用トランジスタは、
    前記第2の基準ノードと前記第1の相互接続ノードとの間に並列に接続され、
    前記P個の電流電圧変換用トランジスタの各々は、
    前記設定用トランジスタのゲートに発生するゲート電圧をゲートに受ける、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  15. 請求項14において、
    前記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個(Nは自然数:N≦P)の電流電圧変換用トランジスタを選択する制御部と、
    前記制御部によって選択されたN個の電流電圧変換用トランジスタの各々において、当該電流電圧変換用トランジスタを前記第1の相互接続ノードに接続する接続部とを、さらに備える、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  16. 請求項2において、
    前記設定用トランジスタは、P個(Pは自然数)の電流電圧変換用トランジスタによって構成され、
    前記P個の電流電圧変換用トランジスタは、
    前記第2の基準ノードと前記入出力ノードとの間に並列に接続され、
    前記P個の電流電圧変換用トランジスタの各々は、
    ゲートとドレインとが接続され、
    前記第1および第2の供給用トランジスタの各々は、
    前記P個の設定用トランジスタのゲートに発生するゲート電圧をゲートに受ける、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  17. 請求項16において、
    前記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個(Nは自然数:N≦P)の電流電圧変換用トランジスタを選択する制御部と、
    前記制御部によって選択されたN個の電流電圧変換用トランジスタの各々において、当該電流電圧変換用トランジスタのゲートとドレインとを接続する接続部とを、さらに備え、
    前記第1および第2の供給用トランジスタの各々は、
    前記接続部によってゲートとドレインとが接続されたN個の電流電圧変換用トランジスタの各々のゲートに発生するゲート電圧をゲートに受ける、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  18. 請求項15において、
    前記P個の電流電圧変換用トランジスタのうち前記制御部が選択すべきトランジスタの個数を示す情報を記憶する記憶部を、さらに備え、
    前記制御部は、
    前記記憶部に記憶された情報に従って、前記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個の電流電圧変換用トランジスタを選択する、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  19. 請求項18において、
    前記記憶部は、
    複数のヒューズを含み、
    前記制御部は、
    条件固定モードとエミュレートモードとを有し、
    前記条件固定モードになると、
    前記複数のヒューズの切断状態に応じて、前記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個の電流電圧変換用トランジスタを選択し、
    前記エミュレートモードになると、
    前記複数のヒューズの切断状態をエミュレートすることによって、前記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個の電流電圧変換用トランジスタを選択する、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  20. 請求項17において、
    前記P個の電流電圧変換用トランジスタのうち前記制御部が選択すべきトランジスタの個数を示す情報を記憶する記憶部を、さらに備え、
    前記制御部は、
    前記記憶部に記憶された情報に従って、前記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個の電流電圧変換用トランジスタを選択する、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  21. 請求項20において、
    前記記憶部は、
    複数のヒューズを含み、
    前記制御部は、
    条件固定モードとエミュレートモードとを有し、
    前記条件固定モードになると、
    前記複数のヒューズの切断状態に応じて、前記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個の電流電圧変換用トランジスタを選択し、
    前記エミュレートモードになると、
    前記複数のヒューズの切断状態をエミュレートすることによって、前記P個の電流電圧変換用トランジスタのうちN個の電流電圧変換用トランジスタを選択する、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  22. 請求項2において、
    前記設定用トランジスタ,第1の供給用トランジスタ,および第2の供給用トランジスタの各々は、複数のトランジスタによって構成され、
    前記設定用トランジスタを構成する複数のトランジスタ,前記第1の供給用トランジスタを構成する複数のトランジスタ,および前記第2の供給用トランジスタを構成する複数のトランジスタは、1つのチップ上に均一に分布する、
    ことを特徴とする電流駆動装置。
  23. 請求項1に記載の電流駆動装置と、
    外部から入力された表示データに応じて、前記電流駆動装置によって出力されたK個の出力電流のうちX個(Xは自然数:X≦K)の出力電流を選択する選択部と、
    前記選択部によって選択されたX個の出力電流を合計した電流が駆動電流として出力される駆動電流出力端子とを備え、
    前記表示データは、階調レベルを示す、
    ことを特徴とするデータドライバ。
  24. 請求項23に記載のデータドライバと、
    前記データドライバによって出力された駆動電流によって駆動する表示パネルとを備える
    ことを特徴とする表示装置。
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