JP2006201744A - 塗工液、電子写真感光体、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】N―アルコキシメチル化ナイロンを含有する塗工液において、該N−アルコキシメチル化ナイロンの含有するトータルイオン濃度が200〜500ppmである塗工液。更に、導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層の順に積層されてなる電子写真感光体において、該電荷ブロッキング層が前記塗工液を用いて作製されてなる電子写真感光体。
【選択図】 なし
Description
(1)N―アルコキシメチル化ナイロンを含有する塗工液において、該N−アルコキシメチル化ナイロンの含有するトータルイオン濃度が200〜500ppmであることを特徴とする塗工液。
(3)前記N−アルコキシメチル化ナイロンを含有する電荷ブロッキング層の膜厚が、2.0μm未満、0.1μm以上であることを特徴とする前記第(2)項に記載の電子写真感光体。
(5)前記バインダー樹脂が熱硬化型樹脂であることを特徴とする前記第(4)項に記載の電子写真感光体。
(6)前記熱硬化型樹脂がアルキッド/メラミン樹脂の混合物であることを特徴とする前記第(5)項に記載の電子写真感光体。
(7)前記アルキッド樹脂とメラミン樹脂の混合比が、5/5〜8/2(重量比)の範囲であることを特徴とする前記第(6)項に記載の電子写真感光体。
(9)前記酸化チタンが平均粒径の異なる2種類の酸化チタンであり、粒径の大きい酸化チタン(T1)の平均粒径を(D1)とし、他方の酸化チタン(T2)の平均粒径を(D2)とした場合、0.2<(D2/D1)≦0.5の関係を満たすことを特徴とする前記第(8)項に記載の電子写真感光体。
(10)前記酸化チタン(T2)の平均粒径(D2)が、0.05μm<D2<0.20μmであることを特徴とする前記第(9)項に記載の電子写真感光体。
(11)前記平均粒径の異なる2種の酸化チタンの混合比率(重量比)が、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることを特徴とする前記第(9)項又は第(10)項に記載の電子写真感光体。
(14)前記チタニルフタロシアニンが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さない結晶型で、一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体。
(18)前記チタニルフタロシアニン結晶の結晶変換に際して、使用される不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンがアシッドペースト法により作製され、十分にイオン交換水で洗浄され、洗浄後のイオン交換水のpHが6〜8の間及び/又はイオン交換水の比伝導度が8μS/m以下であることを特徴とする前記第(16)又は(17)項に記載の電子写真感光体。
(21)前記保護層が比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物を含有することを特徴とする前記第(20)項に記載の電子写真感光体。
(22)前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のアルミナ、酸化チタン、シリカのいずれかであることを特徴とする前記第(21)項に記載の電子写真感光体。
(23)前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のα−アルミナであることを特徴とする前記第(22)項に記載の電子写真感光体。
(25)前記保護層のバインダー樹脂が、架橋構造を有することを特徴とする前記第(20)乃至(24)項のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
(26)前記架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有することを特徴とする前記第(25)項に記載の電子写真感光体。
(27)前記保護層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されることを特徴とする前記第(20)項に記載の電子写真感光体。
(32)少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素を複数配列したことを特徴とする前記第(31)項に記載の画像形成装置。
(33)前記画像形成装置が、少なくとも電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体となった画像形成装置用プロセスカートリッジを搭載し、該画像形成装置用プロセスカートリッジが装置本体と着脱自在であることを特徴とする前記第(31)又は(32)項に記載の画像形成装置。
により達成される。
このような塗工液を用いることにより、長期間の製造に対しても、欠陥のない均一な膜厚を有する塗膜を得ることが出来る。
始めに本発明で使用するN−アルコキシメチル化ナイロンについて説明する。
本発明に用いられるN−アルコキシメチル化ナイロンは、ポリアミド6、ポリアミド12またはこれらを構成成分として含む共重合ポリアミドを、例えば、T.L.Cairns(J.Am.Chem.Soc.71.P651(1949))が提案する方法で変性することにより得ることができる。N−アルコキシメチル化ナイロンは元のポリアミドのアミド結合の水素がアルコキシメチル基によって置換されたものである。本発明で用いるN−アルコキシメチル化ナイロンは、炭素数1〜10のアルコキシ基を有するN−アルコキシメチル化ナイロンが塗布液調製用の溶媒に対する溶解性が良好であるため、好適に使用することができる。炭素数1〜10のアルコキシ基を有するN−アルコキシメチル化ナイロンとしては、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ブトキシメチル化ナイロン等を例示することができる。中でも、メトキシメチル化ナイロンが最も好適に使用できる。また、前記置換率は、変性条件により広範囲で選択可能であるが、15mol%以上であることが電荷ブロッキング層の吸湿性を抑え、環境安定性の面で好ましい。
この様な観点から、塗工液中のN−アルコキシメチル化ナイロンの濃度(固形分濃度)としては、0.1〜20重量%程度であり、使用する目的に応じて調整される。より好ましくは、1〜10重量%程度である。
この他、この塗工液を用いて作製する電荷ブロッキング層の設計に応じて、フィラーや添加剤(例えば、電子受容性物質、硬化剤、分散剤など)を加えても良い。また、必要に応じてアルコール系溶媒以外の有機溶媒を加えても良い。
通常、バインダー樹脂中のイオン量を求める場合には、バインダー樹脂を水と混合しない所定量の有機溶媒に溶解させ、この溶液と所定量のイオン交換水を混合振とうし、イオン交換水側にイオンを移動させ、そのイオン量を測定することが一般的である。しかしながら、本発明で使用するN−アルコキシメチル化ナイロンは、アルコール可溶性のバインダー樹脂であるため、上記方法が採用出来ない。このため、イオン量の測定は以下のような方法が用いられる。
以上のように検出されるイオン量の合計が、本発明で定義されるトータルイオン量である。
(1)再沈法:N−アルコキシメチル化ナイロンが可溶な有機溶媒に溶解させ、N−アルコキシメチル化ナイロンが不溶な溶媒に滴下して、沈殿析出させる方法である。この際、N−アルコキシメチル化ナイロンが可溶な有機溶媒としては、アルコール系溶媒が挙げられ、特にメタノールが好ましい。また、不溶な溶媒としては、アルコール系以外の溶媒が選ばれるが、特に水、アセトン等が好ましい。
前記(1)及び(2)の方法を用いる場合には、処理後におけるイオン量を把握し、適切なイオン量にすることが必要である。処理前のイオン量を予め求めておけば、経験的に処理条件(時間、回数など)が決定される。
例えば、上記(2)の方法において、イオン交換水による洗浄を複数回繰り返す。あるいは、アルコール系溶媒に溶解しておき、イオン交換樹脂による処理を施して、イオンを取り除く。このように処理したN−アルコキシメチル化ナイロンを有機溶媒に溶解した状態にして、ここに所定量のイオン性物質を添加し、N−アルコキシメチル化ナイロンを固化する。これにより、所定量のイオンを含有するN−アルコキシメチル化ナイロンを得ることが出来る。
図3は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を表す断面図であり、導電性支持体上に、電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層が順に積層された構成をとっている。この場合、感光層は図4に示すような電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなっても良く、図5に示すように感光層上に保護層を設けても良い。
図4は、本発明に用いられる電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体上に、電荷ブロッキング層、モアレ防止層、電荷発生層、電荷輸送層が順に積層された構成をとっている。
図5は、本発明に用いられる電子写真感光体の更に別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体上に、電荷ブロッキング層、モアレ防止層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層が順に積層された構成をとっている。
上述の図3から図5の構成の中でも、図4及び図5に示す構成の感光体が最も良好に使用される。
電荷ブロッキング層は、トータルイオン量が200〜500ppmであるN−アルコキシメチル化ナイロンを含有する層である。電荷ブロッキング層は、感光体帯電時に電極(導電性支持体)に誘起される逆極性の電荷が、支持体から感光層に注入するのを防止する機能を有する層である。負帯電の場合には正孔注入防止、正帯電の場合には電子注入防止の機能を有する。
本発明のN−アルコキシメチル化ナイロンを含む電荷ブロッキング層は、単独の樹脂膜であるために、それ自体が絶縁性を示す。このような樹脂膜においては、支持体からの電荷注入をブロックし、地汚れ抑制に繋がる反面、電荷発生層から支持体への電子(あるいはプラス電荷)の移動を阻害する副作用も見られることが明らかになった。したがって、N−アルコキシメチル化ナイロンが適当量のイオンを含有することにより、支持体からの電荷注入を阻止し、且つ電荷発生層からの電子の移動を確保することが可能となった。また、低温低湿下においては、この効果が著しく、支持体からの電荷注入を確実にブロックしながら移動も維持される。
モアレ防止層は、レーザー光のようなコヒーレント光による書き込みを行う際に、感光層内部での光干渉によるモアレ像の発生を防止する機能を有する層である。基本的には、前記書き込み光の光散乱を起こす機能を有する。このような機能を発現するために、モアレ防止層は屈折率の大きな材料を有することが有効である。一般には、無機顔料とバインダー樹脂を含有し、無機顔料がバインダー樹脂に分散された構成からなる。特に、無機顔料の中でも白色の顔料が有効に使用され、例えば、酸化チタン、フッ化カルシウム、酸化カルシウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどが良好に用いられる。中でも、隠蔽力の大きな酸化チタンが最も有効に使用出来る。
モアレ防止層の形成方法としては、前述の様な湿式塗工法が採用されるが、下層の電荷ブロッキング層を浸食しない溶媒が用いられる。特に、電荷ブロッキング層にN−アルコキシメチル化ナイロンが使用されるため、モアレ防止層の塗工溶媒にアルコール系溶媒を使用すべきではない。
感光層は、図3に示すような単層構成、図4に示すような電荷発生層と電荷輸送層からなる積層構成のいずれも用いることが出来る。先に積層構成について述べる。
初めにチタニルフタロシアニン結晶の合成粗品の合成法について述べる。フタロシアニン類の合成方法は古くから知られており、Moser等による「Phthalocyanine Compounds」(1963年)、「The Phthalocyanines」(1983年)、特開平6−293769号公報等に記載されている。
具体的な方法としては、上記の合成粗品を10〜50倍量の濃硫酸に溶解し、必要に応じて不溶物を濾過等により除去し、これを硫酸の10〜50倍量の充分に冷却した水もしくは氷水にゆっくりと投入し、チタニルフタロシアニンを再析出させる。析出したチタニルフタロシアニンを濾過した後、イオン交換水で洗浄・濾過を行ない、濾液が中性になるまで充分にこの操作を繰り返す。最終的に、綺麗なイオン交換水で洗浄した後、濾過を行ない、固形分濃度で5〜15wt%程度の水ペーストを得る。
結晶変換は、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶に変換する工程である。
具体的な方法としては、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を乾燥せずに、水の存在下の元で有機溶媒と共に混合・撹拌することにより、前記結晶型を得るものである。
チタニルフタロシアニン結晶の粒子サイズをより細かくするために、本発明者らが観察したところによれば、前述の不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)は、一次粒径が0.1μm以下(そのほとんどが0.01〜0.05μm程度)であるが(図6参照、スケール・バーは0.2μmである)、結晶変換に際しては、結晶成長と共に結晶が変換されることが分かった。通常、この種の結晶変換においては、原料の残存をおそれて充分な結晶変換時間を確保し、結晶変換が十二分に行なわれた後に、濾過を行ない、所望の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を得るものである。このため、原料として充分に小さな一次粒子を有する原料を用いているにもかかわらず、結晶変換後の結晶としては一次粒子の大きな結晶(概ね0.3〜0.5μm)を得ているものである(図7参照、スケール・バーは0.2μmである)。
図8に示されるように1次粒子が小さい状態で作製されたチタニルフタロシアニン結晶を分散するにあたっては、分散後の粒子サイズを小さなもの(0.25μm以下、より好ましくは0.2μm以下)にするためには、1次粒子が凝集(集合)して集まって形成する2次粒子をほぐすだけのシェアを与えることで分散が可能である。この結果、必要以上のエネルギーを与えないため、前述の如き、粒子の一部が所望の結晶型でない結晶型へと転移し易い結果は生み出さずに、粒度分布の細かい分散液を容易に作製することが可能である。
この2種類の分散液の平均粒径並びに粒度分布を公知の方法に従って、市販の粒度分布測定装置(堀場製作所製:超遠心式自動粒度分布測定装置、CAPA700)により測定した。その結果を図11に示す。図11における「A」が図9に示す分散液に対応し、「B」が図10に示す分散液に対応する。両者を比較すると、粒度分布に関してはほとんど差が認められない。また、両者の平均粒径値は、「A」が0.29μm、「B」が0.28μmと求められ、測定誤差を加味した上では、両者に全くの差異が認められない。
このような事実に対して、結晶変換時に作製される一次粒子をできる限り小さいものとすることは有効な手段である。このために、結晶変換溶媒を前述のように適正なものを選択し、結晶変換効率を高めつつ、結晶変換を短時間に完了させるために、溶媒とチタニルフタロシアニン水ペースト(前述の如き作製した原料)を充分に接触させるために強い撹拌を用いるような手法は有効であることがわかる。
その後、分別されたチタニルフタロシアニン結晶は、必要に応じて加熱乾燥される。加熱乾燥に使用する乾燥機は、公知のものがいずれも使用可能であるが、大気下で行なう場合には送風型の乾燥機が好ましい。更に、乾燥速度を早め、本発明の効果をより顕著に発現させるために減圧下の乾燥も非常に有効な手段である。特に、高温で分解する、あるいは結晶型が変化するような材料に対しては有効な手段である。特に10mmHgよりも真空度が高い状態で乾燥することが有効である。
分散液の作製に関しては一般的な方法が用いられ、前記チタニルフタロシアニン結晶を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などを用いて分散することで得られるものである。この際、バインダー樹脂は感光体の静電特性などにより、また溶媒は顔料へのぬれ性、顔料の分散性などにより選択すればよい。
必要に応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコ−ン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールは良好に使用される。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
また、使用するフィラーの体積平均粒径は、0.1μm〜2μmの範囲が良好に使用され、好ましくは0.3μm〜1μmの範囲である。この場合、平均粒径が小さすぎると耐摩耗性が十分に発揮されず、大きすぎると塗膜の表面性が悪くなったり、塗膜そのものが形成できなかったりするからである。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であればいずれでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
CH2=CH−X1− ・・・・式10
(ただし、式10中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−S−基を表す。)
これらの官能基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
CH2=C(Y)−X2− ・・・・式11
(ただし、式11中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR12R13(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、X2は上記式10のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y、X2の少なくともいずれか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの官能基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2)であり、R2は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは未置換のアルキレン基としは、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル基の2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン変性2価基が挙げられる。
上記一般式で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましく、例えば200mW/cm2のUV光を照射する場合、例えば硬化に際し、複数のランプからドラム周方向を均一30秒程度照射すればよい。このときドラム温度は50℃を越えないように制御する。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、さらに残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の感光体を得る。
図12は、本発明の電子写真プロセスおよび電子写真画像形成装置を説明するための概略図である。
図12において、感光体は導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層の順に積層されてなる電子写真感光体において、トータルイオン量が200〜500ppmであるN−アルコキシメチル化ナイロンを含有する電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層が設けられてなる。感光体はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャ、転写前チャージャ、転写チャージャ、分離チャージャ、クリーニング前チャージャには、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラ、転写ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
また、画像露光部、除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600〜800nmの長波長光を有するため、前述の電荷発生材料であるフタロシアニン顔料が高感度を示すことから良好に使用される。
かかる光源等は、図12に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られ、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
画像形成要素は、少なくともトータルイオン量が200〜500ppmであるN−アルコキシメチル化ナイロンを含有する電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層から構成される電子写真感光体と、その周りに少なくとも帯電部材、現像部材およびクリーニング部材が配置されたユニットとして構成され、複数色のトナーが用いられるカラー電子写真画像形成装置の場合には、その色の数に応じた数の画像形成要素が搭載され、また各画像形成要素は画像形成装置に固定しても、また個別に差し替え使用可能とすることもできる。
図13において、符号1C,1M,1Y,1Kはドラム状の感光体であり、この感光体1C,1M,1Y,1Kは図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材2C,2M,2Y,2K、現像部材4C,4M,4Y,4K、クリーニング部材5C,5M,5Y,5Kが配置されている。帯電部材2C,2M,2Y,2Kは、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。
転写紙7は給紙コロ8によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ9で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト10に送られる。転写搬送ベルト10上に保持された転写紙7は搬送されて、各感光体1C,1M,1Y,1Kとの当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行なわれる。
また、このプロセスカートリッジとしては、フルカラー電子写真画像形成装置に用いられる前記の画像形成要素と言う意味でなく、1色のみの画像形成用のモノカラー画像形成装置に脱着自在の構成であって、本発明の少なくともトータルイオン量が200〜500ppmであるN−アルコキシメチル化ナイロンを含有する電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層から構成される電子写真感光体を内蔵し、さらに他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段等の少なくとも1つを具備するものについても、本発明に包含される。なお、前記の各画像形成手段のうち、プロセスカートリッジに具備されないものは、画像形成装置側に具備される。
プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として図14に示すものが挙げられる。
まず、本発明で使用するN−アルコキシメチル化ナイロンの合成例を示す。
6−ナイロン100部をメタノール160部に溶解し、これにホルムアルデヒド75部、リン酸2部を混合、撹拌し、125℃まで1時間かけて昇温した。125℃で30分間持続させた後、室温まで45分かけて冷却した。混合物は、半透明なゲル状であった。
リン酸を中和するために、過剰のアンモニアを含む95%エタノールに、前記ゲルを溶解した。この溶液を水中に注ぎ、ポリアミドを析出させた。
析出させたポリアミドを濾過し、1Lの水道水にて洗浄を行い、更に乾燥を行って、目的物(N−メトキシメチル化ナイロン)を得た。これを樹脂1とする。
合成例1において、水道水による洗浄を2回行った以外は、合成例1と同様に合成を行い、目的物を得た。これを樹脂2とする。
(合成例3)
合成例1において、水道水による洗浄を3回行った以外は、合成例1と同様に合成を行い、目的物を得た。これを樹脂3とする。
(合成例4)
合成例1において、水道水による洗浄を4回行った以外は、合成例1と同様に合成を行い、目的物を得た。これを樹脂4とする。
(合成例5)
合成例1において、水道水による洗浄を5回行った以外は、合成例1と同様に合成を行い、目的物を得た。これを樹脂5とする。
(合成例6)
合成例1において、使用した洗浄水を水道水からイオン交換水に変更した以外は、合成例1と同様に合成を行い、目的物を得た。これを樹脂6とする。
特公平6−93129号公報に記載の方法に準じて、N−メトキシメチル化ナイロンの再沈殿を行った。
即ち、前記合成例6で得たN−メトキシメチル化ナイロン(樹脂6)20gをメタノール200gに加熱溶解する。溶解後、室温まで冷却して、撹拌した2500gのアセトンに、前記メタノール溶液を40分かけて滴下して、再沈を行った。得られた沈殿分を吸引濾過(桐山濾紙;No.4)して分離し、アセトンにて洗浄した後、80℃にて2日間真空乾燥し、材料を得た(樹脂7とする)。
イオン濃度測定方法:
冷凍粉砕した試料0.5gを超純水25mLに浸漬させ、50℃、30分間、可溶成分を抽出した。抽出した溶液を0.45μmのフィルターで濾過して濾液を検液とした。イオンクロマトグラフ法により検液中の陰イオンと陽イオンの定量分析を行い、試料濃度に換算した。
使用装置:
DIONEX社製 DX−500型
DIONEX社製 DX−300型
上記のように作製したN−メトキシメチル化ナイロンのトータルイオン濃度を表2に示す。
(電荷ブロッキング層用塗工液1の作製)
N−メトキシメチル化ナイロン(樹脂1) 6.4部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
上記組成比で溶媒に上記樹脂1のN−メトキシメチル化ナイロンを溶解し電荷ブロッキング層用塗工液を作製した。これを電荷ブロッキング層用塗工液1とする。
(電荷ブロッキング層用塗工液2〜7の作製)
電荷ブロッキング層用塗工液1の作製において、樹脂1を樹脂2〜7に変更した以外は、電荷ブロッキング層用塗工液1の作製と同様にして電荷ブロッキング層用塗工液を作製した。使用した樹脂番号に対応して、それぞれ電荷ブロッキング層用塗工液2〜7とする。
(電荷ブロッキング層用塗工液8の作製)
N−メトキシメチル化ナイロン(樹脂3) 6.4部
メタノール 70部
n−ブタノール 25部
イオン交換水 5部
上記組成比でN−メトキシメチル化ナイロンを溶解し電荷ブロッキング層用塗工液を作製した。これを電荷ブロッキング層用塗工液8とする。
以上のように作製した電荷ブロッキング層用塗工液を以下に示す3つの方法にて、塗工液としての安定性を評価した。
1.液白濁化推移評価
以上の様に作製した電荷ブロッキング層用塗工液1〜8を密閉したフラスコ内で22±1℃の環境下において、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月間それぞれ保存した。保存前(作製直後)及び保存後の塗工液の分光透過率を自記分光光度計(島津製作所製:UV−3100)を用いて測定した。この場合、塗工液の白濁化が進むほど分光透過率は低下する。
(分光透過率測定条件)
スキャン速度:中速
スリット幅:2.0nm
サンプリングピッチ:0.5nm
得られた分光スペクトルのうち、370nmにおける分光透過率を採用した。
測定値を以下の式に代入し、白濁化率として算出する。
◎:20以下(ほぼ白濁化しておらず良好)
○:20〜40(多少白濁化している)
△:40〜70(白濁化が見られる)
×:70以上(白濁化がひどい)
電荷ブロッキング層用塗工液1〜8を用いて直径30mm×長さ340mmのアルミドラムに塗膜を形成した。膜厚は、0.7μmになるように浸漬塗工法により塗布成膜し、加熱乾燥して膜厚ムラ評価用のサンプルとした。
塗工液としては、作製直後と6ヶ月保存後の塗工液を使用し、それぞれの膜厚ムラの状態について評価した。
これらについて、光干渉法による膜厚測定装置を用いてドラムの長手及び周方向に膜厚を測定し、膜厚ムラを評価した。
○:ムラがなく均一である
△:若干ムラがあるが、問題ないレベル
×:ムラがひどい
電荷ブロッキング層用塗工液の液安定性評価結果を表3に示す。
上記のように作製した電荷ブロッキング層用塗工液1〜8を、10±1℃の環境下に1ヶ月間保存した。先ほどの試験と同様に、保存前後における塗工液の分光透過率を測定し、白濁化率を求めた。
更に、1ヶ月保存後の塗工液を用いて、先ほどと同じ方法により塗膜を形成し、同様の評価を行い、膜厚ムラの状態について評価した。結果を表4に示す。
(顔料合成例1)
特開2001−19871号公報に準じて、顔料を作製した。すなわち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷して得られた析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8であった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、4時間攪拌を行なった後、濾過を行ない、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。これを顔料1とする。
上記ウェットケーキの固形分濃度は、15wt%であった。結晶変換溶媒のウェットケーキに対する重量比は33倍である。尚、合成例1の原材料には、ハロゲン化物を使用していない。
また、顔料合成例1で得られた水ペーストの一部を80℃の減圧下(5mmHg)で、2日間乾燥して、低結晶性チタニルフタロシアニン粉末を得た。水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを図16に示す。
(X線回折スペクトル測定条件)
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
顔料合成例1の方法に従って、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを合成し、次のように結晶変換を行ない、顔料合成例1よりも一次粒子の小さなフタロシアニン結晶を得た。
合成例1で得られた結晶変換前の水ペースト60部にテトラヒドロフラン400部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行なった。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶8.5部を得た。これを顔料2とする。顔料合成例2の原材料には、ハロゲン化物を使用していない。上記ウェットケーキの固形分濃度は、15wt%であった。結晶変換溶媒のウェットケーキに対する重量比は44倍である。
上述のように観察されたTEM像をTEM写真として撮影し、映し出されたチタニルフタロシアニン粒子(針状に近い形)を30個任意に選び出し、それぞれの長径の大きさを測定する。測定した30個体の長径の算術平均を求めて、平均粒子サイズとした。
以上の方法により求められた顔料合成例1における水ペースト中の平均粒子サイズは、0.06μmであった。
特開平1−299874号(特許第2512081号)公報の実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の顔料合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをポリエチレングリコール50gに加え、100gのガラスビーズと共に、サンドミルを行なった。結晶転移後、希硫酸、水酸化アンモニウム水溶液で順次洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料3とする。顔料合成例3の原材料には、ハロゲン化物を使用していない。
特開平3−269064号(特許第2584682号)公報の製造例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをイオン交換水10gとモノクロルベンゼン1gの混合溶媒中で1時間撹拌(50℃)した後、メタノールとイオン交換水で洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料4とする。顔料合成例4の原材料には、ハロゲン化物を使用していない。
特開平2−8256号(特公平7−91486号)公報の製造例に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、フタロジニトリル9.8gと1−クロロナフタレン75mlを撹拌混合し、窒素気流下で四塩化チタン2.2mlを滴下する。滴下終了後、徐々に200℃まで昇温し、反応温度を200℃〜220℃の間に保ちながら3時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷し130℃になったところ熱時ろ過し、次いで1−クロロナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、次にメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後、乾燥し顔料を得た。これを顔料5とする。顔料合成例5の原材料には、ハロゲン化物を使用している。
特開昭64−17066号(特公平7−97221号)公報の合成例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、α型TiOPc5部を食塩10gおよびアセトフェノン5gと共にサンドグラインダーにて100℃にて10時間結晶変換処理を行なった。これをイオン交換水及びメタノールで洗浄し、希硫酸水溶液で精製し、イオン交換水で酸分がなくなるまで洗浄した後、乾燥して顔料を得た。これを顔料6とする。顔料合成例6の原材料には、ハロゲン化物を使用している。
特開平11−5919号(特許第3003664号)公報の実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、O−フタロジニトリル20.4部、四塩化チタン7.6部をキノリン50部中で200℃にて2時間加熱反応後、水蒸気蒸留で溶媒を除き、2%塩化水溶液、続いて2%水酸化ナトリウム水溶液で精製し、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミドで洗浄後、乾燥し、チタニルフタロシアニンを得た。このチタニルフタロシアニン2部を5℃の98%硫酸40部の中に少しずつ溶解し、その混合物を約1時間、5℃以下の温度を保ちながら攪拌する。続いて硫酸溶液を高速攪拌した400部の氷水中に、ゆっくりと注入し、析出した結晶を濾過する。結晶を酸が残量しなくなるまで蒸留水で洗浄し、ウエットケーキを得る。そのケーキをTHF100部中で約5時間攪拌を行ない、ろ過、THFによる洗浄を行ない乾燥後、顔料を得た。これを顔料7とする。顔料合成例7の原材料には、ハロゲン化物を使用している。
特開平3−255456号(特許第3005052号)公報の合成例2に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の顔料合成例1で作製したウェットケーキ10部を塩化ナトリウム15部とジエチレングリコール7部に混合し、80℃の加熱下で自動乳鉢により60時間ミリング処理を行なった。次に、この処理品に含まれる塩化ナトリウムとジエチレングリコールを完全に除去するために充分な水洗を行なった。これを減圧乾燥した後にシクロヘキサノン200部と直径1mmのガラスビーズを加えて、30分間サンドミルにより処理を行ない、顔料を得た。これを顔料8とする。顔料合成例8の原材料には、ハロゲン化物を使用していない。
特開平8−110649号公報のチタニルフタロシアニン結晶体の製造方法に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン58g、テトラブトキシチタン51gをα−クロロナフタレン300mL中で210℃にて5時間反応後、α−クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド(DMF)の順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、メタノールで洗浄、乾燥して50gのチタニルフタロシアニンを得た。チタニルフタロシアニン4gを0℃に冷却した硫酸400g中に加え、引き続き0℃、1時間撹拌した。フタロシアニンが完全に溶解したことを確認した後、0℃に冷却した水800mL/トルエン800mL混合液中に添加した。室温で2時間撹拌後、析出したフタロシアニン結晶体を混合液より濾別し、メタノール、水の順で洗浄した。洗浄水の中性を確認した後、洗浄水よりフタロシアニン結晶体を濾別し、乾燥して、2.9gのチタニルフタロシアニン結晶体を得た。これを顔料9とする。顔料合成例9の原材料には、ハロゲン化物を使用していない。
(分散液作製例1)
合成例1で作製した顔料1を下記組成の処方にて、下記に示す条件にて分散を行い電荷発生層用塗工液として、分散液を作製した。
チタニルフタロシアニン顔料(顔料1) 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノンおよび顔料を全て投入し、ローター回転数1200r.p.m.にて30分間分散を行ない、分散液を作製した。これを電荷発生層用塗工液1とする。
分散液作製例1で使用した顔料1に変えて、それぞれ顔料2〜9を使用して分散液作製例1と同じ条件にて分散液を作製した。これを顔料番号に対応して、それぞれ電荷発生層用塗工液2〜9とする。
分散液作製例1で作製した電荷発生層用塗工液1を、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。これを電荷発生層用塗工液10とする。
分散液作製例10で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS(有効孔径3μm)に変えた以外は、分散液作製例10と同様に加圧濾過を行ない分散液を作製した。これを電荷発生層用塗工液11とする。
分散液作製例10で使用したフィルターを、アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−5−CS(有効孔径5μm)に変えた以外は、分散液作製例10と同様に加圧濾過を行ない分散液を作製した。これを電荷発生層用塗工液12とする。
分散液作製例1における分散条件において、ローター回転数を1000r.p.m.にて20分間に変更した以外はすべて分散液作製例1と同様にして分散を行った。これを電荷発生層用塗工液13とする。
分散液作製例13で作製した分散液をアドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。これを電荷発生層用塗工液14とする。
電荷発生層用塗工液14については、濾過の途中でフィルターが目詰まりを起こして、全ての分散液を濾過することが出来なかったため、評価は実施できなかった。
下記組成の分散液をボールミリングにより作製した。分散は72時間行い、分散液を作製した。これを電荷発生層用塗工液15とする。
ブチラール樹脂:エスレックBMS(積水化学製) 5部
下記構造式のトリスアゾ顔料 15部
2−ブタノン 300部
続いて、前述の電荷ブロッキング層用塗工液を用いた電子写真感光体の作製方法について説明する。なお、電荷ブロッキング層の作製には、全て作製直後から22±1℃の環境下において6ヶ月保存した後の電荷ブロッキング層用塗工液を用いた。
直径60mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に、下記電荷ブロッキング層用塗工液、モアレ防止層用塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、0.3μmの電荷ブロッキング層、3.5μmのモアレ防止層、0.3μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。これを感光体1とする。
◎電荷ブロッキング層用塗工液
前述の電荷ブロッキング層用塗工液5を用いた。
◎モアレ防止層用塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 70部
アルキッド樹脂 14部
[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製]
メラミン樹脂 10部
[スーパーベッカミンG−821−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製]
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.66/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、7/6重量比である。
◎電荷発生層塗工液
前述の電荷発生層用塗工液2を用いた。
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
実施例6において、電荷ブロッキング層用塗工液として電荷ブロッキング層用塗工液5の代わりに電荷ブロッキング層用塗工液1及び6に変えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製した。これをそれぞれ感光体2、感光体3とする。
実施例6において、電荷ブロッキング層用塗工液として電荷ブロッキング層用塗工液5の代わりに電荷ブロッキング層用塗工液4に変えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製した。これを感光体4とする。
実施例6において、電荷ブロッキング層用塗工液として電荷ブロッキング層用塗工液5の代わりに電荷ブロッキング層用塗工液2に変えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製した。これを感光体5とする。
実施例6において、電荷ブロッキング層用塗工液として電荷ブロッキング層用塗工液5の代わりに電荷ブロッキング層用塗工液3に変えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製した。これを感光体6とする。
実施例6において、電荷ブロッキング層用塗工液として電荷ブロッキング層用塗工液5の代わりに電荷ブロッキング層用塗工液8に変えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製した。これを感光体7とする。
実施例6において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.7μmに変えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製した。これを感光体8とする。
実施例6において、電荷ブロッキング層の膜厚を2.1μmに変えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製した。これを感光体9とする。
実施例6において、電荷ブロッキング層の膜厚を0.05μmに変えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製した。これを感光体10とする。
実施例6において、電荷ブロッキング層の膜厚を1.9μmに変えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製した。これを感光体11とする。
実施例6において、電荷ブロッキング層を塗工しなかった以外は同様に電子写真感光体を作製した。これを感光体12とする。
実施例6において、モアレ防止層を塗工しなかった以外は同様に電子写真感光体を作製した。これを感光体13とする。
実施例6において、電荷ブロッキング層とモアレ防止層の塗工順を逆にした以外は同様に電子写真感光体を作製した。これを感光体14とする。
実施例6において、電荷ブロッキング層用塗工液として電荷ブロッキング層用塗工液5の代わりに電荷ブロッキング層用塗工液7に変えた以外は、実施例6と同様に電子写真感光体を作製した。これをそれぞれ感光体15とする。
これらの評価は、22℃−55%RH、10℃−15%RH、30℃−90%RHの3環境にて行なった。以上の結果を表8に示す。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体16とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 168部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、2/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体17とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 252部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、3/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体18とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体19とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 42部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、0.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体20とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 336部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、4/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体21とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 22.4部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 28部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、4/6重量比である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体22とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 28部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 23.3部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、5/5重量比である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体23とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 39.2部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 14部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、7/3重量比である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体24とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 44.8部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 9.3部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、8/2重量比である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体25とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 50.4部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 4.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、9/1重量比である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体26とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 63部
酸化チタン(PT−401M:石原産業社製、平均粒径:0.07μm) 63部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比(T2/(T1+T2))は0.5である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体27とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 113.4部
酸化チタン(PT−401M:石原産業社製、平均粒径:0.07μm)12.6部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比(T2/(T1+T2))は0.1である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体28とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 12.6部
酸化チタン(PT−401M:石原産業社製、平均粒径:0.07μm)
113.4部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比(T2/(T1+T2))は0.9である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体29とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 63部
酸化チタン(TTO−F1:石原産業社製、平均粒径:0.04μm) 63部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.16、両者の混合比(T2/(T1+T2))は0.5である。
実施例11において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した(感光体30とする)。
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 63部
酸化チタン(A−100:石原産業社製、平均粒径:0.15μm) 63部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1.5/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.6、両者の混合比(T2/(T1+T2))は0.5である。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液1に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体31とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液3に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体32とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液4に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体33とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液5に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体34とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液6に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体35とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液7に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体36とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液8に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体37とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液9に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体38とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液10に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体39とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液11に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体40とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液12に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体41とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液13に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体42とする。
実施例6における電荷発生層用塗工液を電荷発生層用塗工液2から電荷発生層用塗工液15に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体43とする。
しかしながら、アゾ顔料を用いた場合(感光体43)には、その他の感光体(いずれもチタニルフタロシアニンを使用)を用いた場合に比べて、繰り返し使用後において画像濃度低下が発生した。
また、チタニルフタロシアニンを用いた場合でも、特定の結晶型(合成例1のチタニルフタロシアニンの結晶型)を有する場合には、良好な特性を示す。
更に、合成例1の結晶型のチタニルフタロシアニンを用いた場合でも、一次粒子サイズを0.25μmにすることにより、繰り返し使用後の地汚れ特性が特に良好になることが判る(感光体1、39、40)。一次粒子を0.25μm以下に制御する方法として、合成時に粒子サイズを小さくする方法と、分散後に粗大粒子を取り除く方法のいずれも有効であることが確認出来る。
実施例9において、電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、実施例9と同様に感光体を作製した。これを感光体44とする。
◎電荷輸送層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質 10部
(重量平均分子量:約135000)
実施例9における電荷輸送層の膜厚を18μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は実施例9と同様に感光体を作製した。これを感光体45とする。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
(粘度平均分子量:5万)
下記構造式の電荷輸送物質 7部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
実施例44における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、実施例44と同様に感光体を作製した。これを感光体46とする。
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
実施例44における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、実施例44と同様に感光体を作製した。これを感光体47とする。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
実施例9における電荷輸送層の膜厚を18μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は実施例9と同様に感光体を作製した。これを感光体48とする。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
実施例9における電荷輸送層の膜厚を18μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は実施例9と同様に感光体を作製した。これを感光体49とする。
◎保護層塗工液
メチルトリメトキシシラン 100部
3%酢酸 20部
下記構造の電荷輸送性化合物 35部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
酸化防止剤(サノール LS2626:三共化学社製) 1部
硬化剤(ジブチル錫アセテート) 1部
2−プロパノール 200部
実施例9において、電荷輸送層の膜厚を18μmに変更し、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を、スプレー法で塗布乾燥し、20分間自然乾燥した後に、以下の条件下で光照射を行い、塗布膜を硬化させ、5μmの保護層を形成し、感光体を作製した。これを感光体50とする。
光照射条件:
メタルハライドランプ:160W/cm、
照射距離:120mm、
照射強度:500mW/cm2、
照射時間:60秒
◎保護層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
(トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、
日本化薬製)分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99)
下記構造で表される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア184、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製))
テトラヒドロフラン 100部
実施例6において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更した以外は、実施例6と同様に感光体を作製した。これを感光体51とする。
実施例7において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更した以外は、実施例7と同様に感光体を作製した。これを感光体52とする。
実施例8において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更した以外は、実施例8と同様に感光体を作製した。これを感光体53とする。
実施例9において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更した以外は、実施例9と同様に感光体を作製した。これを感光体54とする。
実施例10において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更した以外は、実施例10と同様に感光体を作製した。これを感光体55とする。
実施例11において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更した以外は、実施例11と同様に感光体を作製した。これを感光体56とする。
比較例4において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更した以外は、比較例4と同様に感光体を作製した。これを感光体57とする。
比較例5において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更した以外は、比較例5と同様に感光体を作製した。これを感光体58とする。
比較例6において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更した以外は、比較例6と同様に感光体を作製した。これを感光体59とする。
比較例7において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更した以外は、比較例7と同様に感光体を作製した。これを感光体60とする。
比較例8において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に変更した以外は、比較例8と同様に感光体を作製した。これを感光体61とする。
なお、画像評価のレベルは、以下の4段階で表した。◎:非常に良好なレベル、○:若干画質劣化が見られるが問題ないレベル、△:明らかに画像欠陥が認められるレベル、×:画像欠陥の影響が大きく画像品質が非常に悪いレベル。これらの結果を表12に示す。
(顔料合成例10)
顔料合成例1における結晶変換溶媒をテトラヒドロフランから2−ブタノンに変更した以外は、顔料合成例1と同様に処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。
顔料合成例1の場合と同様に、顔料合成例10で作製したチタニルフタロシアニン結晶のXDスペクトルを測定した。これを図17に示す。図17より、顔料合成例10で作製されたチタニルフタロシアニン結晶のXDスペクトルにおける最低角は、顔料合成例1で作製されたチタニルフタロシアニンの最低角(7.3°)とは異なり、7.5°に存在することが判る。
顔料合成例1で得られた顔料(最低角7.3°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例1のX線回折スペクトルを図18に示す。
顔料合成例10で得られた顔料(最低角7.5°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例2のX線回折スペクトルを図19に示す。
以上のことから、本願発明のチタニルフタロシアニン結晶における最低角ピークである7.3°は、公知のチタニルフタロシアニン結晶における7.5°のピークとは異なるものであることが判る。
2、2C、2M、2Y、2K 帯電部材
3、3C、3M、3Y、3K レーザー光
4、4C、4M、4Y、4K 現像部材
5、5C、5M、5Y、5K クリーニング部材
6C、6M、6Y、6K 画像形成要素
7 転写紙
8 給紙コロ
9 レジストローラ
10 転写搬送ベルト
11C、11M、11Y、11K 転写ブラシ
12 定着装置
Claims (34)
- N―アルコキシメチル化ナイロンを含有する塗工液において、該N−アルコキシメチル化ナイロンの含有するトータルイオン濃度が200〜500ppmであることを特徴とする塗工液。
- 導電性支持体上に少なくとも電荷ブロッキング層、モアレ防止層、感光層の順に積層されてなる電子写真感光体において、該電荷ブロッキング層が請求項1記載の塗工液を用いて作製されてなることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記N−アルコキシメチル化ナイロンを含有する電荷ブロッキング層の膜厚が、2.0μm未満、0.1μm以上であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記モアレ防止層が無機顔料とバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする請求項2又は3に記載の電子写真感光体。
- 前記バインダー樹脂が熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
- 前記熱硬化型樹脂がアルキッド/メラミン樹脂の混合物であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
- 前記アルキッド樹脂とメラミン樹脂の混合比が、5/5〜8/2(重量比)の範囲であることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
- 前記無機顔料が酸化チタンであることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記酸化チタンが平均粒径の異なる2種類の酸化チタンであり、粒径の大きい酸化チタン(T1)の平均粒径を(D1)とし、他方の酸化チタン(T2)の平均粒径を(D2)とした場合、0.2<(D2/D1)≦0.5の関係を満たすことを特徴とする請求項8に記載の電子写真感光体。
- 前記酸化チタン(T2)の平均粒径(D2)が、0.05μm<D2<0.20μmであることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
- 前記平均粒径の異なる2種の酸化チタンの混合比率(重量比)が、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることを特徴とする請求項9又は10に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層構成からなることを特徴とする請求項2乃至11のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層あるいは電荷発生層に含有される電荷発生材料が、チタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項2乃至12のいずれか一項記載の電子写真感光体。
- 前記チタニルフタロシアニンが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さない結晶型で、一次粒子の平均粒子サイズが0.25μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体。
- 前記結晶型のチタニルフタロシアニンを、平均粒子サイズが0.3μm以下で、その標準偏差が0.2μm以下になるまで分散を行ない、その後有効孔径が3μm以下のフィルターにて濾過を行ない、一次粒子の平均粒子サイズを0.25μm以下とした分散液を使用し、感光層あるいは電荷発生層を塗工したことを特徴とする請求項14に記載の電子写真感光体。
- 前記チタニルフタロシアニン結晶が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均粒子サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、結晶変換後の一次粒子の平均粒子サイズが0.25μmより大きく成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過されたものであることを特徴とする請求項14に記載の電子写真感光体。
- 前記チタニルフタロシアニンが、ハロゲン化物を含まない原材料を使用して合成されたものであることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記チタニルフタロシアニン結晶の結晶変換に際して、使用される不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンがアシッドペースト法により作製され、十分にイオン交換水で洗浄され、洗浄後のイオン交換水のpHが6〜8の間及び/又はイオン交換水の比伝導度が8μS/cm以下であることを特徴とする請求項16又は17に記載の電子写真感光体。
- 前記チタニルフタロシアニン結晶の結晶変換に際して、使用される有機溶媒量が不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンの30倍(重量比)以上であることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層上に保護層を有することを特徴とする請求項2乃至19のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層が比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物を含有することを特徴とする請求項20に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のアルミナ、酸化チタン、シリカのいずれかであることを特徴とする請求項21に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のα−アルミナであることを特徴とする請求項22に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層が高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項20乃至23のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層のバインダー樹脂が、架橋構造を有することを特徴とする請求項20乃至24のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有することを特徴とする請求項25に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化することにより形成されることを特徴とする請求項20に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(1)又は(2)の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項27に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(3)の少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項27又は28に記載の電子写真感光体。
- 前記保護層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項27乃至29のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、該電子写真感光体が請求項2乃至30のいずれか一項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素を複数配列したことを特徴とする請求項31に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、少なくとも電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体となった画像形成装置用プロセスカートリッジを搭載し、該画像形成装置用プロセスカートリッジが装置本体と着脱自在であることを特徴とする請求項31又は32に記載の画像形成装置。
- 少なくとも電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体となった画像形成装置用プロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が請求項2乃至30のいずれか一項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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