JP2006201582A - 画像形成装置、現像ユニットと画像形成装置との組み合わせを判定する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 内部の現像剤が適正濃度に調整された現像ユニットとしてのプロセスカートリッジ6を装着した際に、プリンタ100本体側からの稼動電圧Vccと遷移電圧Vcntに対して、プロセスカートリッジ6が備えたトナー濃度センサ56からの検知電圧Vtの出力が所望の値ではない場合、判定手段としての制御部57がプリンタ100に対して誤ったプロセスカートリッジ6が装着されたと判定する。
【選択図】 図3
Description
従来は、現像ユニットを物理的にセットできない様に部品の形状変更を行ったり、センサのピン配置(信号線の配列順序)を変えたりして画像形成装置に適合しない仕様が異なる現像ユニットの誤セットを防止するものが見られる。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記トナー濃度センサは、上記判定信号の値に応じて上記検知信号の値が変動するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記現像ユニットは複数の機種の画像形成装置に搭載可能であり、該現像ユニットが備えた上記トナー濃度センサは、該現像ユニットが搭載可能である画像形成装置に搭載可能であって該現像ユニットとは仕様が異なる現像ユニットのトナー濃度センサに対して、同じ値の判定信号を入力された際に、内有する現像剤のトナー濃度が同じであったとしても、異なる検知信号を出力することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、内部の現像剤が適正なトナー濃度に調整された上記現像ユニットが搭載された際に、上記検知信号が所定の値となるように上記判定信号の値を調節し、複数の仕様が異なる該現像ユニットが搭載可能であって仕様が異なる画像形成装置とは、該現像ユニットが搭載された際に供給する判定信号の調節範囲が重ならないことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3の画像形成装置において、内部の現像剤が適正なトナー濃度に調整された上記現像ユニットが搭載された際に、上記検知信号が所定の値となるように判定信号の値を調節し、複数の仕様が異なる該現像ユニットが搭載可能であって仕様が異なる画像形成装置とは所定の値の検知信号を得る際に入力されるべき判定信号の値が異なり、該仕様が異なる画像形成装置が出力する判定信号よりも高い値を判定信号の値に使用する場合は調整範囲の上限から調整を開始し、該仕様が異なる画像形成装置が出力する判定信号よりも低い値を判定信号の値に使用する場合は下限から調節を開始することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を内有する2成分現像方式の現像装置を備えた仕様が異なる複数種の現像ユニットと、該複数種の現像ユニットのいずれをも搭載することが可能な仕様が異なる複数種の画像形成装置とがあり、該複数種の現像ユニットのうちの特定種の現像ユニットを、該複数種の画像形成装置のうちの特定種の画像形成装置に搭載すると所望の現像性能を発揮しうる場合の現像ユニットと画像形成装置との組み合わせを判定する方法であって、該複数種の画像形成装置のそれぞれは、該複数種の現像ユニットのうちのいずれかを搭載した際に、所望の現像性能を発揮しうるか否かを判定するための判定信号を発信するものであり、該複数種の現像ユニットのそれぞれは、該2成分現像剤のトナー濃度に応じて検知信号を発信するトナー濃度センサを有するものであり、該トナー濃度センサは、該判定信号をも受信可能であり、該判定信号の値に応じた値の検知信号を出力するものであり、該トナー濃度及び該判定信号の値が同条件であっても該検知信号の値は種類の異なる現像ユニット毎に異なるものであり、該複数の画像形成装置は、適正なトナー濃度に調節された2成分現像剤を内有し、且つ未判別な現像ユニットが搭載された際に該判定信号を発信し、該適正なトナー濃度及び該判定信号に対して該トナー濃度センサが発信する該検知信号が予定される値である場合には所望の現像性能を発揮しうると判定し、該検知信号が予定されない値である場合には所望の現像性能を発揮し得ないと判定することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の現像ユニットと画像形成装置との組み合わせを判定する方法において、上記複数の画像形成装置は、上記適正なトナー濃度に調節された2成分現像剤を内有する現像ユニットが搭載された際に該適正なトナー濃度に対して上記検知信号が所定の値となるように上記判定信号の値を調節するものであり、異なる機種の画像形成装置間では該判定信号の調節範囲が重複しないことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6の現像ユニットと画像形成装置との組み合わせを判定する方法において、上記複数の画像形成装置は、上記適正なトナー濃度に調節された2成分現像剤を内有する現像ユニットが搭載された際に該適正なトナー濃度に対して上記検知信号が所定の値となるように上記判定信号の値を調節するものであり、該複数の画像形成装置が2機種である場合、所定の値の該検知信号を得る該判定信号の値が異なり、所定の値の該検知信号を得る該判定信号の値が他方よりも高い値である機種は調節範囲の上限から調節を開始し、所定の値の該検知信号を得る該判定信号の値が他方よりも低い値である機種は調節範囲の上限から調節を開始することを特徴とするものである。
また、請求項6乃至8の現像装置ユニットと画像形成装置との組み合わせを判定する方法において、画像形成装置からの判別信号に対するトナー濃度センサが発信する検知信号値によって、所望の現像性能を発揮し得るかどうか判定することができるので、仕様が異なる画像形成装置間では判定信号の設定を異ならせ、仕様が異なる現像ユニット間ではトナー濃度センサの設定を異ならせることで、トナー濃度センサの検知結果を用いて画像形成装置に対して適切ではない現像ユニットがセットされた状態、つまり誤セットを検知することができる。具体的には、仕様が異なる画像形成装置間では判定信号の値を異なる値に設定し、仕様が異なるユニット間では同じトナー濃度の現像剤を検知しても同じ判定信号に対して異なる検知信号が出力されるようにトナー濃度センサを設定する。
請求項6乃至8の発明によれば、判定信号とトナー濃度センサとの設定を異ならせることで、現像ユニットの誤セットを検知することができるので、機構的な誤セット防止手段を設けることなく、仕様が異なる現像ユニットがセットされることを防止できるという優れた効果がある。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタの概略構成図である。図において、このプリンタ100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つの現像ユニットとしてのプロセスカートリッジ6Y、M、C、Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。プロセスカートリッジの構成は互いに異なる色を用いるが、それ以外は同様の構成であるため、以下の説明においては色を示すY、M、C、Kを省略して説明する。プロセスカートリッジ6は図2に示すようにドラム状の感光体1、ドラムクリーニング装置2、除電装置(不図示)、帯電装置4、現像装置5等を備えている。このプロセスカートリッジ6は、プリンタ100本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
潜像形成手段たる露光装置7は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスカートリッジ6Y、M、C、Kにおけるそれぞれの感光体に照射して露光する。この露光により、感光体1Y、M、C、K上にY、M、C、K用の静電潜像が形成される。なお露光装置7は、光源から発したレーザ光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
レジストローラ対28は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転駆動するが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
かかる構成の給紙手段においては、給紙ローラ27と、タイミングローラ対たるレジストローラ対28との組合せによって搬送手段が構成されている。この搬送手段は、転写紙Pを収容手段たる紙収容カセット26から後述の2次転写ニップまで搬送するものである。
中間転写ベルト8は、これら3つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。
中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY、M、C、K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y、M、C、K上のY、M、C、Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、クリーニング装置10によってクリーニングされる。
2次転写ニップから送り出された転写紙Pは、定着装置20のローラ間を通過する際に熱と圧力とにより、表面に転写された4色トナー像が定着される。その後、転写紙Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て機外へと排出される。
プリンタ本体の上面には、スタック部30が形成されており、排紙ローラ対29によって機外に排出された転写紙Pは、このスタック部30に順次スタックされる。
現像装置5Yは、内部に磁界発生手段を備え、磁性粒子とトナーを含む二成分系現像剤を表面担持して搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ51と、現像スリーブ51上に担持されて搬送される現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材としての現像ドクタ52とを備えている。
現像スリーブ51の下方には、ケース55に囲まれた現像剤収容部があり、仕切り壁59によって、現像スリーブ51に現像剤を供給する第1現像剤収容部53と、トナー補給部58からトナーの補給を受ける第2現像剤収容部54とに仕切られている。第1現像剤収容部53内にはトナーを撹拌搬送するための第1搬送スクリュ61を備えており、第2現像剤収容部54内には第2搬送スクリュ62を備えている。また、仕切り壁59の軸方向両端部は開口部となっており、現像剤は第1現像剤収容部53と第2現像剤収容部54との間を循環するようになっている。
なお、トナー濃度センサ56はセンサの一部を現像剤と接触する位置に設けなくても、トナー濃度を検知することができる非接触型のトナー濃度センサである。また、トナー濃度センサ56としての上述のような非接触のものに限らず、従来から知られているセンサの一部を現像剤と接触する位置に設ける構成でもよい。トナー濃度センサとしては、特開2002−296240に記載されているもの等を用いることができる。
現像領域では、感光体1上に形成された潜像にトナーが供給され現像が行われる。現像スリーブ51上に残った現像剤層は現像スリーブ51の回転に伴い現像剤収容部53の現像剤搬送方向下流部分に搬送される。
図3は、上述の組み合わせ判定を行う構成の概略説明図である。プロセスカートリッジ6にはその内部に有する現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ56を備えている。また、新しいプロセスカートリッジ6内の2成分現像剤はプリンタ100で使用するのに適した濃度に調節されている。
一方、プリンタ100の本体側にはトナー濃度センサ56を稼動させる稼動電圧Vccおよびトナー濃度センサの検知電圧を一定量だけ遷移させる遷移電圧Vcntを出力する出力部501と、トナー濃度センサ56からの検知電圧Vtを入力する入力部502とを有している。この検知電圧Vtは稼動電圧VccとVcnt両方の入力に対して、現像装置5内の2成分現像剤のトナー濃度に応じた値である。また、制御手段としての制御部57が出力部501への出力信号を発し、入力部502からの入力信号を受信する。
なお、出力部501の出力電圧の値のうち稼動電圧Vccは一定であるが、遷移電圧Vcntは可変であり、制御部57から発信される出力信号を受けてトナー濃度センサは稼動電圧Vccを出力させ、かつ遷移電圧Vcntの値を制御して出力する。稼動電圧と遷移電圧に分配してトナー濃度センサに入力することで、トナー濃度センサの動作性と入力電圧の制御性を担保する内部回路を分けて設計することができ、簡単な構成で両特性を成立させることができる。
これは、上述のトナー濃度センサの原理における稼動電圧Vcc及び遷移電圧Vcntが入力された際に発生する誘導電圧が遷移電圧Vcntの差によって異なることによる。
そして、検知電圧Vtが所望の値であれば、プリンタ100に対して適切なプロセスカートリッジ6が搭載されたと判定し、画像形成を可能な状態にする。
一方、検知電圧Vtが所望の値でなければ、プリンタ100に対して誤ったプロセスカートリッジ6が搭載されたと判定し、プリンタ100本体の動作を止めたり、ディスプレイ等の表示部550に警告を表示したりする。
このようにプリンタ100ではトナー濃度センサへの稼動電圧Vcc及び遷移電圧Vcntの入力に対してかかるセンサが出力する検知電圧Vtの値によって、プリンタ100とプロセスカートリッジ6との組み合わせを判定している。稼動電圧Vccはトナー濃度センサを動作させるための一定入力にすぎず、プリンタ100では遷移電圧Vcntが判定信号としての役割を有し、検知電圧Vtが検知信号としての役割を有している。
図5に示すように、第1プリンタ100aに適したプロセスカートリッジを第1ユニットαとし、第1ユニットαが備えるトナー濃度センサを第1センサAとする。また、第2プリンタ100bに適したプロセスカートリッジを第2ユニットβとし、第2ユニットβが備えるトナー濃度センサを第2センサBとする。第1ユニットαと第2ユニットβとは機構的な部分は共通であるため何れも第1プリンタ100a及び第2プリンタ100bに搭載することが可能であるが、現像剤を改良するなど互いに仕様が異なり、適切なプリンタにセットがなされないとその本来の性能を発揮することができない。つまり、第1プリンタ100a第1はセンサAを備えた第1ユニットαをセットした時に本来の性能を発揮することができ、第2プリンタ100bは第2センサBを備えた第2ユニットβをセットした時に本来の性能を発揮することができる。
図3で説明したトナー濃度センサ56はその内部の抵抗値の水準などを変化させることによって、図6に示すように特性が異なるトナー濃度センサ56として、第1センサA及び第2センサBを作ることができる。第1センサA及び第2センサBは、一定の稼動電圧Vcc及び同じ値の判定信号としての遷移電圧Vcntの入力とある一定のトナー濃度に対して、異なる値の検知信号としての検知電圧Vtを出力するものである。
第1ユニットαが有するトナー濃度センサとしての第1センサAは、図4を用いて説明したように第1ユニットαが内有する2成分現像剤のトナー濃度に応じて検知信号としての第1検知電圧VAを出力するものである。また、第1センサAは図6に示すように第1プリンタ100aより出力された第1遷移電圧Vaの値にも応じた値の第1検知電圧VAを出力するものである。
第1ユニットαは第1プリンタ100aに適した現像ユニットであるので、第1センサAが出力する第1検知電圧VAは、プリンタ100aにおいて予定される検知信号Vtである。トナー濃度センサである第1センサAが発信する検知信号である第1検知電圧VAが第1プリンタ100aにおいて予定される値であるので、第1ユニットαと第1プリンタ100aとの組み合わせは、所望の現像性能を発揮できるとの判定が第1プリンタ100aの制御部57にてなされる。
本実施形態では、第1プリンタ100aの出力部501から出力される遷移電圧Va=9Vに対して第1ユニットαの第1センサAから出力される検知電圧VA=3.5Vを検出するものである。
第2ユニットβが有するトナー濃度センサとしての第2センサBは、第1センサAと同様に第2ユニットβが内有する2成分現像剤のトナー濃度と、第2プリンタ100bより出力された第2遷移電圧Vbの値とに応じて検知信号としての第2検知電圧VBを出力するものである。
第2ユニットβは第2プリンタ100bに適した現像ユニットであるので、第2センサBが出力する第2検知電圧VBは、プリンタ100bにおいて予定される検知信号Vtである。トナー濃度センサである第2センサBが発信する検知信号である第2検知電圧VBが第2プリンタ100bにおいて予定される値であるので、第2ユニットβと第2プリンタ100bとの組み合わせは、所望の現像性能を発揮できるとの判定が第2プリンタ100bの制御部57にてなされる。
本実施形態では、第2プリンタ100bの出力部501から出力される遷移電圧Vb=13Vに対して第2ユニットβの第2センサBから出力される検知電圧VB=3.5Vを検出するものである。
第1プリンタ100aに第2ユニットβが搭載されると、第1プリンタ100aの出力部501から所望の現像性能を発揮し得るか否かを判定するための判定信号として役割を有する第1遷移電圧Vaが出力される。第1遷移電圧Vaが入力された第2ユニットβの第2センサBは、第2ユニットβが内有する2成分現像剤のトナー濃度と、第1プリンタ100aより出力された第1遷移電圧Vaの値とに応じて検知信号としての第2検知電圧VBを出力する。
このときの第1遷移電圧Vaとして上述と同様にVa=9Vが入力されると、図6に記載のセンサBのグラフより、第2センサBから出力される検知電圧VBは、VB=0.5Vとなる。これは本来検出する予定の検出電圧であるVt=3.5Vとは明らかに値が異なるので、第2ユニットβと第1プリンタ100aとの組み合わせは、所望の現像性能を発揮し得ないとの判定が第1プリンタ100aの制御部57にてなされる。
第2プリンタ100bに第1ユニットαが搭載されると、第2プリンタ100bの出力部501から所望の現像性能を発揮し得るか否かを判定するための判定信号として役割を有する第2遷移電圧Vbが出力される。第2遷移電圧Vbが入力された第1ユニットαの第1センサAは、第1ユニットαが内有する2成分現像剤のトナー濃度と、第2プリンタ100bより出力された第2遷移電圧Vbの値とに応じて検知信号としての第1検知電圧VAを出力する。
このときの第2遷移電圧Vbとして上述と同様にVa=13Vが入力されると、図6に記載のセンサAのグラフより、第1センサAから出力される検知電圧VAは、VA=6.5Vとなる。これは本来検出する予定の検出電圧であるVt=3.5Vとは明らかに値が異なるので、第1ユニットαと第2プリンタ100bとの組み合わせは、所望の現像性能を発揮し得ないとの判定が第2プリンタ100bの制御部57にてなされる。
これにより、第1プリンタ100a及び第2プリンタ100bについて、機構的な誤セット防止手段を設けることなく、仕様が異なるプロセスカートリッジ6が誤セットされることを防止することができる。
補正方法としては、未使用の現像ユニットに予め所定のトナー濃度に調整された現像剤がセットされており、そのトナー濃度に対して、目標の検知電圧Vtを出力できるように遷移電圧Vcntを調整する。このときの判定信号である遷移電圧Vcntの調節範囲を、第1プリンタ100aと第2プリンタ100bとで互いに重複しないように設定する。つまり、第1遷移電圧Vaの可変範囲と第2稼動電圧Vbの可変範囲とが重複しないようにするものである。
そして、遷移電圧Vcntを調節しても検知電圧Vtが目標の値とならない場合は、制御部57は所望の現像性能を発揮し得ない、誤ったプロセスカートリッジ6が搭載されたと判定し、プリンタ100本体の動作を止めたり、ディスプレイ等の表示部550に警告を表示したりする。
図7に示すように、第1プリンタ100aの第1遷移電圧Vaの可変範囲を7〜10Vとし、目標の検知電圧Vtを3.5Vとする。
この第1プリンタ100aに図7に示すような出力特性を有する第1センサAを備えた第1ユニットαをセットする。この第1センサAは図6で示した第1センサAとは出力特性が異なるため、上述のように第1遷移電圧Vaの値としてVa=9Vが入力されるとVA=4Vとなり、目標の検知電圧Vt=3.5とは異なる値となる。
ここで第遷移1電圧Vaを7〜10Vの可変範囲で調節すると、図7よりVa=8.5Vのときに目標の第1検知電圧VA=3.5Vを得ることができる。目標の第1検知電圧VAを得ることができるので、所望の現像性能を発揮し得るとの判定がなされる。また、図7に示す出力特性を有する第1センサAを備えた第1ユニットαをセットして画像形成を行う場合は遷移電圧Vcnt=8.5Vの状態で検知電圧Vt=3.5Vとなるようにトナー濃度の調節を行う。
このように目標の検知電圧に調節できないので、第2ユニットβと第1プリンタ100aとの組み合わせは所望の現像性能を発揮し得ないとの判定がなされる。搭載これにより、第1プリンタ100aに対して適切でないプロセスカートリッジが搭載されたと判定することが出来る。なお、第2プリンタ100bに第1ユニットαがセットされた場合も同様である。
また、本実施形態では2機種間の画像形成装置と現像ユニットとの組み合わせ判定について説明したが、トナー濃度センサ56の遷移電圧Vcntに対する検知電圧Vtの出力値の違いを用いた組み合わせ判定は、これに限るものではない。各機種の本体が出力する遷移電圧Vcntを調節する可変範囲が重ならないようにすることにより、現像ユニットとしてのプロセスカートリッジ6の機構的な部分が共通である3機種以上のプリンタ100でも適用することができる。
なお、第1プリンタ100a及び第2プリンタ100bともに画像形成装置と現像ユニットとの組み合わせを判定することで誤セット検出可能なものについて説明したが、これに限るものではなく、マイナーチェンジ時の後継機にのみに上述の画像形成装置と現像ユニットとの組み合わせを判定する構成を設けてもよい。このとき、前身機と後継機との遷移電圧Vcntが重ならないように設定する。これにより、後継機において、前身機のプロセスカートリッジをセットした際に誤セットの検知がなされる。
また、上述の実施形態では、現像ユニットが現像装置4と感光体ドラム1とを備えたプロセスカートリッジ6として、プリンタ100から着脱可能な構成について説明したがこれに限るものではない。少なくとも現像装置を備えていればよく、現像装置のみを現像ユニットとして装置本体から着脱可能としても良い。このときトナー濃度センサは現像ユニットとしての現像装置が備えている。
判定信号と検知信号としては電圧に限るものではなく、トナー濃度を検知するために用いられる信号であれば、電流でもよく、その他の電気信号でも仕様が異なる機種間で設定を異ならせることができれば使用可能である。
また、2種類のプリンタ、第1プリンタ100aと第2プリンタ100bとについて、第1ユニットαは第1プリンタ100aと第2プリンタ100bともに搭載可能である。そして、第1ユニットαが備えるトナー濃度センサである第1センサAは、ユニット同士の仕様は異なるが第1ユニットαが搭載可能である第2プリンタ100bの現像ユニットである第2ユニットβが備える第2センサBに対して、同じ遷移電圧Vcntを供給され、同じ値のトナー濃度を検知したとしても、異なる検知電圧Vtを出力する。具体的には、現像に適したトナー濃度を検知する際に、遷移電圧Vcnt=9Vを供給されると第1センサAの検知電圧はVt=3.5Vとなるのに対して、第2センサBの検知電圧はVt=0.5Vとなる。このように仕様が異なる現像ユニット間では判定信号としての遷移電圧Vcntが同じ値でも異なる検知電圧Vtを検出するトナー濃度センサを設置することにより、プロセスカートリッジの誤セットを検知することができる。
また、2種類のプリンタ、第1プリンタ100aと第2プリンタ100bとについて、現像剤の帯電量や流動性の状態、トナー濃度センサの出力特性のばらつきを補正するために、未使用の現像ユニットに予め所定のトナー濃度に調整された現像剤に対して目標のVtを出力できるように判定信号である遷移電圧Vcntを調整する。このときの稼動電圧Vcntの可変範囲を、第1プリンタ100aと第2プリンタ100bとで互いに重複しないように設定する。これにより、トナー濃度センサの出力特性にばらつきがあったとしても、プロセスカートリッジの誤セットを検知することができるようになる。
さらに、近年、環境問題の取り組みとして、機器のリサイクルが行われる場合が増えている。本実施形態での第2プリンタ100bが第1プリンタ100aのマイナーチェンジだとすると、前身機である第1プリンタ100aを回収して、最新機である第2プリンタ100bにバージョンアップする際にも、交換部品を最小限に抑えることができる。
また、内部の現像剤が適正濃度に調整された未判別な現像ユニットとしてのプロセスカートリッジ6を搭載した際に、プリンタ100本体側からの判定信号としての役割を有する遷移電圧Vcntに対して、プロセスカートリッジ6が備えたトナー濃度センサ56からの検知信号としての検知電圧Vtの出力値が予定されている値である場合には、画像形成装置としてのプリンタ100と現像ユニットとしてのプロセスカートリッジ6との組み合わせが現像性能を発揮し得ると判定し、検知電圧Vtの出力値が予定されていない値である場合には所望の現像性のを発揮し得ないと判定する。これにより、現像ユニットの機構的な部分が共通する構成で、形状変更やセンサのピン配置を変えるなど機構的な誤セット防止手段を設けることなく、仕様が異なる現像ユニットがセットされることを防止することができる。
上述の実施形態では、現像剤の帯電量や流動性の状態、トナー濃度センサの出力特性のばらつきを補正するために、第1プリンタ100aと第2プリンタ100bとの判定信号としての遷移電圧Vcntの可変範囲が重複しないようにしていた。しかし、2種類のプリンタであれば、遷移電圧Vcntの可変範囲の1部が重複しても、誤セットを識別することができる。
以下、変形例1として、現像剤の帯電量や流動性の状態、トナー濃度センサの出力特性のばらつきを補正でき、且つ、2種類のプリンタの、遷移電圧Vcntの可変範囲の1部が重複しても誤セットを識別することができる構成について説明する。
なお、遷移電圧Vcntの可変範囲が重複する点以外は上述の実施形態と共通するので、共通する点についての説明は省略する。
図8に示すように、第1プリンタ100aの遷移電圧Vcntの可変範囲は7V〜11Vであり、第1センサAの出力特性は図に示すとおりである。そして、検知電圧Vtの目標値を3Vとする。
第1プリンタ100aに未使用のプロセスカートリッジ6がセットされると、上述の実施形態と同様に、検知電圧Vtを目標値にすべく、遷移電圧Vcntの調整動作を行う。このとき、遷移電圧Vcntの初期値を7Vとして徐々に遷移電圧Vcntを上昇させて、検知電圧Vt=3Vになるまで遷移電圧Vcntを上昇させて調整を行う。この過程で検知電圧Vtが1.5Vを下回った場合は検知電圧Vt調節失敗と判定する。
これは1.5Vという値の検知電圧が、適切なプロセスカートリッジ6である第1ユニットαをセットした時の遷移電圧Vcntの初期値に対する検知電圧Vt=2Vよりも十分に低い値であるので、制御部57は調整失敗としてプロセスカートリッジ6とプリンタ100との組み合わせは、所望の現像性能を発揮し得ないと判定し、誤ったプロセスカートリッジ6が搭載されたと判定する。
第2プリンタ100bに未使用のプロセスカートリッジ6がセットされると、第1プリンタ100aと同様にVtを目標値にすべく、遷移電圧Vcntの調整動作を行う。このとき、遷移電圧Vcntの初期値を14Vとして徐々に遷移電圧Vcntを低下させて、検知電圧Vt=3Vになるまで遷移電圧Vcntを低下させて調整を行う。この過程で検知電圧Vtが4.5Vを上回った場合は検知電圧Vt調整失敗と判定する。これは、4.5Vという検知電圧が、適切なプロセスカートリッジ6である第2ユニットβをセットした時の遷移電圧Vcntの初期値に対する検知電圧Vt=4Vよりも十分高い値であるので、制御部57は調整失敗としてプロセスカートリッジ6とプリンタ100との組み合わせは、所望の現像性能を発揮し得ないと判定し、誤ったプロセスカートリッジ6が搭載されたと判定する。
一方、第2プリンタ100bに第2センサBを搭載した第2ユニットβを搭載すると、検知電圧Vt補正時の稼動電圧Vcntの初期値:Vcnt=14Vから徐々に減少し、稼動電圧Vcnt=12Vのときに目標の検知電圧Vt=3Vとなる。目標の検知電圧Vtを得ることができたので、制御部57は調整成功としてプロセスカートリッジ6とプリンタ100との組み合わせは、所望の現像性能を発揮し得ると判定する。図8より、この調節の間、第2センサBから出力される検知電圧Vtは4.5Vを上回ることはない。
一方、第2プリンタ100bに第1センサAを搭載した第1ユニットαを搭載すると、検知電圧Vt補正時の制御電圧Vcntの初期値:Vcnt=14で、検知電圧Vt=5.5Vを検出し、検知電圧Vtが4.5Vを上回るため、Vt調整失敗と判定する。
この判定に基づいて、制御部57はプロセスカートリッジ6とプリンタ100との組み合わせは、所望の現像性能を発揮し得ないと判定し、プリンタ100に対して誤ったプロセスカートリッジ6が搭載されたと判定する。そして、プリンタ100本体の動作を止めたり、ディスプレイ等の表示部550に警告を表示したりする。
2 ドラムクリーニング装置
4 帯電装置
5 現像装置
6 プロセスカートリッジ
7 露光装置
8 中間転写ベルト
9 1次転写バイアスローラ
10 クリーニング装置
12 2次転写バックアップローラ
13 クリーニングバックアップローラ
14 テンションローラ
15 中間転写ユニット
19 2次転写ローラ
20 定着装置
26 紙収容カセット
27 給紙ローラ
28 レジストローラ対
29 排紙ローラ対
30 スタック部
31 ボトル収容器
32 トナーボトル
51 現像ローラ
52 現像ドクタ
53 第1現像剤収容部
54 第2現像剤収容部
55 ケース
56 トナー濃度検知センサ
58 トナー補給部
59 仕切壁
61 第1搬送スクリュ
62 第2搬送スクリュ
80 検知面
100 プリンタ
Claims (8)
- 磁性体キャリアとトナーからなる2成分現像剤を用いる現像装置と、該現像装置内の該2成分現像剤の透磁率を検知することによって該2成分現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとを備えた現像ユニットを有し、
該トナー濃度センサは装置本体から判定信号を入力され、該2成分現像剤のトナー濃度に応じて検知信号を出力するものであり、
該現像ユニットが装置本体に対して着脱可能である画像形成装置において、
該現像ユニットを搭載した際に、装置本体側からの該判定信号に対する該検知信号の出力に基づいて、該現像ユニットが適合するか否かを判定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記トナー濃度センサは、上記判定信号の値に応じて上記検知信号の値が変動するものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2の画像形成装置において、
上記現像ユニットは複数の機種の画像形成装置に搭載可能であり、該現像ユニットが備えた上記トナー濃度センサは、
該現像ユニットが搭載可能である画像形成装置に搭載可能であって該現像ユニットとは仕様が異なる現像ユニットのトナー濃度センサに対して、
同じ値の判定信号を入力された際に、内有する現像剤のトナー濃度が同じであったとしても、異なる検知信号を出力することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3の画像形成装置において、
内部の現像剤が適正なトナー濃度に調整された上記現像ユニットが搭載された際に、上記検知信号が所定の値となるように上記判定信号の値を調節し、
複数の仕様が異なる該現像ユニットが搭載可能であって仕様が異なる画像形成装置とは、該現像ユニットが搭載された際に供給する判定信号の調節範囲が重ならないことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3の画像形成装置において、
内部の現像剤が適正なトナー濃度に調整された上記現像ユニットが搭載された際に、上記検知信号が所定の値となるように判定信号の値を調節し、
複数の仕様が異なる該現像ユニットが搭載可能であって仕様が異なる画像形成装置とは所定の値の検知信号を得る際に入力されるべき判定信号の値が異なり、
該仕様が異なる画像形成装置が出力する判定信号よりも高い値を判定信号の値に使用する場合は調整範囲の上限から調整を開始し、
該仕様が異なる画像形成装置が出力する判定信号よりも低い値を判定信号の値に使用する場合は下限から調節を開始することを特徴とする画像形成装置。 - トナーとキャリアからなる2成分現像剤を内有する2成分現像方式の現像装置を備えた仕様が異なる複数種の現像ユニットと、
該複数種の現像ユニットのいずれをも搭載することが可能な仕様が異なる複数種の画像形成装置とがあり、
該複数種の現像ユニットのうちの特定種の現像ユニットを、該複数種の画像形成装置のうちの特定種の画像形成装置に搭載すると所望の現像性能を発揮しうる場合の現像ユニットと画像形成装置との組み合わせを判定する方法であって、
該複数種の画像形成装置のそれぞれは、該複数種の現像ユニットのうちのいずれかを搭載した際に、所望の現像性能を発揮しうるか否かを判定するための判定信号を発信するものであり、
該複数種の現像ユニットのそれぞれは、該2成分現像剤のトナー濃度に応じて検知信号を発信するトナー濃度センサを有するものであり、
該トナー濃度センサは、該判定信号をも受信可能であり、該判定信号の値に応じた値の検知信号を出力するものであり、
該トナー濃度及び該判定信号の値が同条件であっても該検知信号の値は種類の異なる現像ユニット毎に異なるものであり、該複数の画像形成装置は、適正なトナー濃度に調節された2成分現像剤を内有し、且つ未判別な現像ユニットが搭載された際に該判定信号を発信し、
該適正なトナー濃度及び該判定信号に対して該トナー濃度センサが発信する該検知信号が予定される値である場合には所望の現像性能を発揮しうると判定し、
該検知信号が予定されない値である場合には所望の現像性能を発揮し得ないと判定することを特徴とする現像ユニットと画像形成装置との組み合わせを判定する方法。 - 請求項6の現像ユニットと画像形成装置との組み合わせを判定する方法において、
上記複数の画像形成装置は、上記適正なトナー濃度に調節された2成分現像剤を内有する現像ユニットが搭載された際に該適正なトナー濃度に対して上記検知信号が所定の値となるように上記判定信号の値を調節するものであり、
異なる機種の画像形成装置間では該判定信号の調節範囲が重複しないことを特徴とする現像ユニットと画像形成装置との組み合わせを判定する方法。 - 請求項6の現像ユニットと画像形成装置との組み合わせを判定する方法において、
上記複数の画像形成装置は、上記適正なトナー濃度に調節された2成分現像剤を内有する現像ユニットが搭載された際に該適正なトナー濃度に対して上記検知信号が所定の値となるように上記判定信号の値を調節するものであり、
該複数の画像形成装置が2機種である場合、所定の値の該検知信号を得る該判定信号の値が異なり、
所定の値の該検知信号を得る該判定信号の値が他方よりも高い値である機種は調節範囲の上限から調節を開始し、
所定の値の該検知信号を得る該判定信号の値が他方よりも低い値である機種は調節範囲の上限から調節を開始することを特徴とする現像ユニットと画像形成装置との組み合わせを判定する方法。
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