JP2006200240A - 滑り防止法 - Google Patents

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Hisashi Tojo
尚志 東條
Hiroshi Tsuda
浩志 津田
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Abstract

【課題】 階段、特に駅やビルの階段は、その美観、耐久性、汚れ難さ、硬度の点から、自然石製のものが多い。この自然石は、上記のように種々の優れた点を有しているが、滑りやすいのが欠点である。特に階段のステップで滑ると落下する危険性があり、老人、子供、妊婦、足の悪い人等での大きな事故に繋がる可能性がある。そこで、種々の欠点のない、自然石その他の階段のステップ等において簡単に施工でき、大きな滑り止め効果のある方法を提供する。
【解決手段】 樹脂及び骨材からなる塗布材を滑り防止すべき部分に塗布するもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は、滑り防止法に関するものである。
階段、特に駅やビルの階段は、その美観、耐久性、汚れ難さ、硬度の点から、自然石製のものが多い。この自然石は、上記のように種々の優れた点を有しているが、滑りやすいのが欠点である。特に階段のステップで滑ると落下する危険性があり、老人、子供、妊婦、足の悪い人等での大きな事故に繋がる可能性がある。
そこで、このようなステップには、従来石自体に溝を刻設しておく、滑り止めテープを貼付する等が施されている。
まず、石自体に溝を刻設しておく方法は、薄い石の場合にはどうしても割れやすくなる。また単に大きな溝を設けるだけでは滑る可能性があるため、細かく設けることとなる。その場合できた細い突条はどうしても欠けることが多い。また、このような手段は既設の階段には施し難い。
また、滑り止めテープは、基材の裏面に粘着剤が塗布されたものであり、表面には滑り防止処理がされている。滑り防止処理は、表面に凹凸を設ける、砂等を固着する、ゴムを貼る等である。
このようなテープは、当然ながら多数の人がそこを歩くことによって、どうしても端部につまづき、その部分から剥離してくる。少し剥離すると、そこによりつまづくため、加速度的に剥離しテープが剥離するだけでなく非常に危険である。
また、テープであってもどうしてもある程度強度や厚みは必要であるため、被施工面の凹凸に完全に沿うことは難しい。よって、浮いている部分や接着不良の個所が存在することとなる。
また、足やカート等によってどうしても粘着層がずれる。ずれると粘着力や接着力不足が生じる。よってこの場合にも剥離を助長することとなる。
そこで、このような欠点がなく、自然石その他の階段のステップ等において簡単に施工でき、大きな滑り止め効果のある方法を提供する。
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明滑り防止法を完成させたものであり、その特徴とするところは、樹脂及び骨材からなる塗布材を滑り防止すべき部分に塗布する点にある。
即ち、本発明は、滑り防止を塗布によって行なうもので、刻設やテープ貼付工法とはまったく別のものである。
ここで、樹脂とは通常舗装等に使用されるものでよく特に限定するものではない。しかし、MMA等のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等が好適である。中でもMMAは硬化が速く、ある程度の強度と弾性を有しているため最も好ましい。
骨材は、滑り防止するための主材である。通常は、砂のような無機の粒子である。ここでは、より硬度があり磨耗しにくいものが好適である。例えば、アルミナ、炭化珪素、ジルコニア等である。これら骨材のサイズは、勿論、硬度によって異なるが、0.2〜1.5mmが好適である。これ以上小さいと滑り止め効果が少なく、これ以上大きいと塗布し難いためである。
更に、骨材としてプラスチック片も使用できる。プラスチックを破砕して上記したサイズにして用いるのである。無機物と比較して硬度は小さいが、磨耗程度はあまり差がないものもある。また、弾性のあるゴムチップも使用できる。これはかえって磨耗が少ない場合がある。
この樹脂と骨材の混合比率は、無機物の場合では、樹脂100重量部に対して、骨材が200〜400重量部が好適である。また、有機物の場合には、樹脂100重量部に対して、骨材が50〜200重量部が好適である。
この塗布材には、他の成分を混合してもよい。例えば、種々の色の顔料、蛍光材や蓄光材、紫外線吸収剤、その他本用途を阻害しない限り何を混合してもよい。
更に、硬化促進や後述するプライマーとの接着性向上にため、シランカップリング剤等を混合してもよい。
次にこの塗布材の塗布方法について説明する。
この塗布材は人間の足が行くところ全体、例えば、階段全体に塗布してもよいが、通常はその一部に塗布すれば十分である。即ち、足がかかる部分に塗布部が一部でも存在すればよいということである。塗布厚みは自由であり、非常に薄くても効果はある。例えば、0.3〜数mmが好適である。
例えば、駅の階段とすれば、ステップの端部から15mm程度あけて30mm幅の矩形状に塗布すれば、それだけでほぼ十分である。このステップを踏む限り、必ずこの塗布部を踏むと考えられるためである。
よって、塗布形状も筋状や矩形状に限らず、縞模様状、水玉模様状、その他どのように塗布してもよい。
塗布は、そのまま手や機械で塗布してもよいが、型部材を用いて塗布するのが好適である。特に塗布部を打ち抜いたものが便利である。勿論、単なる矩形のものや曲線状のもので打ち抜いたものでなくともよい。
塗布したものがある程度厚い場合、そこでつまづかないように断面を台形状にしたり、曲線状の台形にすることも好適である。このように手で塗布することは難しいため、逆テーパ状の型部材を使用してもよい。即ち、上部入口が狭く、内部底面部が広くなったものである。
また、単に平面視矩形状に塗布すると、その角が尖っているため、そこで靴や靴下を引っ掛けることがある。また、その部分から塗布材が欠ける場合もある。よって、角を無くして曲線状に塗布することもよい。これも型部材を用いれば簡単である。
更に、本発明塗布工程に先立って、プライマー(下塗材)を塗布し、平滑性や接着性を向上させてもよい。プライマーとしては、アクリル系樹脂その他上記した本発明に使用する樹脂等、またそこにカップリング剤等を混合したものでもよい。
また、本発明塗布工程の後にトップコートを施してもよい。これは、樹脂を薄く塗布するもので、通常は透明樹脂である。表面の保護や汚れ防止のためであり、シリコン樹脂やフッ素樹脂その他が普通であるが他の樹脂でもよい。
本発明滑り防止法は、前記した階段だけでなく、床、廊下、スロープ、その他人間が歩行する面、更に車等が走行する面、更には梯子や脚立のような人間が立つ面その他どのような場所に施工してもよい。また、被施工面の材質も自然石だけでなく、コンクリート、金属その他どのようなものでもよい。
本発明滑り防止法には、次のような大きな利点がある。
(1) 塗布方法であり、既存の階段にそのまま施工することができる。既存の階段の部材を加工したり、撤去したりする必要がない。
(2) 塗布方法であるため、素材自体が剥離したり、移動することがない。
(3) 塗布方法であるため、被施工面の凹凸にかかわらず施工できる。
(4) 現場で塗布サイズや塗布形状が自由に変えられるため、貼付テープのような無駄がない。
(5) 断面台形等に塗布すると、つまづきも防止できる。
(6) 長期使用によって、一部薄くなったり、欠けた場合にはその部分のみ塗布すれば簡単に補修ができる。
(7) 本発明方法は、施工が簡単で硬化の速い樹脂を選べば、夜だけでも施工でき、階段等の使用をほとんど制限せずにできる。
(8) 塗布の形状、着色により種々の意匠性を持たせることもできる。
(9) 蛍光その他の着色によって、視力の弱い人への注意喚起にもなる。
(10) 骨材や樹脂の選定によって、非常に耐久性の高いものができる。
以下実施例に沿ってより詳細に説明する。
図1は、階段のステップ1の1部(2段分)の平面図である。ステップの先端部分2から15mmの位置に幅30mmで塗布材3を塗布している。この例では、階段の隅部4は少し空けて、且つ曲線状5に塗布している。隅部から空けているのは、掃除の容易性からである。図2は、図1の横方向断面図である。この例では塗布厚は2mmである。
上記例ではプライマーやトップコートは施していない。
ここで使用した塗布材は、MMA(ポリメタクリル酸メチル)100重量部に対して、骨材として炭化珪素の粒子(24メッシュ程度)を300重量部混合したものを用いた。
図3は、スロープ(傾斜面)6全体に本発明滑り防止法を施工したものであり、型部材を使用して長円形状に多数塗布したものである。
図4は、台形状に塗布する例を示す。図4(a)は、被施工面7に型部材8を載置し、その空間に塗布材9を充填したところである。硬化後型部材8を除去すれば、台形状の塗布材(硬化物)が残る。
図5は、階段の端部に型部材を載置したところを示す。この図では、まず単なる矩形の型部材(棒目地)10を階段の先端部に合わせて載置する。長尺状の棒目地であるため、現場で長さをきめてカットすればよい。この棒目地の幅は、階段端部から塗布材までの距離で予め決めておく。
次に臼型型部材11を両端に置く。この臼型型部材11の幅と長さは、予め決めておけばよい。これも階段の端部に沿って置けばよい。そして、最後にまた同様に棒目地を置く。これらは、裏面に粘着剤を塗布したものが便利である。
この上記した型部材載置法では、現場で測定したり、位置を決めたりする必要はなく、端部に揃えるだけで所定位置に載置できるため、現場での作業が非常に楽であり、効率よくできる。
勿論、載置後塗布剤を充填すればよい。
階段のステップに本発明を実施した部分平面図である。 図1の横断面図である。 スロープに本発明を実施した部分平面図である。 図4は、本発明実施の工程を示す断面図である。 型部材を載置したところを示す平面図である。
符号の説明
1 ステップ
2 ステップの先端部分
3 塗布材
4 階段の隅部
5 曲線状
6 スロープ(傾斜面)
7 被施工面
8 型部材
9 塗布材
10 型部材(棒目地)
11 臼型型部材

Claims (7)

  1. 樹脂及び骨材からなる塗布材を滑り防止すべき部分に塗布することを特徴とする滑り防止法。
  2. 塗布の方法は、型部材を用いて、平面視で角がなく曲線になるように所定の部分のみ塗布するものである請求項1記載の滑り防止法。
  3. 塗布の方法は、型部材を用いて被施工面に対する直角断面形状が台形又は曲線台形状である請求項1又は2記載の滑り防止法。
  4. 該樹脂はアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂の1つである請求項1記載の滑り防止法。
  5. 該骨材は、プラスチック片である請求項1又は4記載の滑り防止法。
  6. 該骨材は、無機系骨材である請求項1又は4記載の滑り防止法。
  7. 該無機系骨材は、アルミナ、炭化珪素、ジルコニアのうちの1つ又は複数である請求項1又は4記載の滑り防止法。
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