JP2006199884A - 架橋用ポリマー組成物及び架橋ポリマーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機過酸化物の分解生成物が架橋ポリマーの表面に析出(ブルーミング)することを防止すると共にブルーミング防止剤自体の架橋ポリマー表面への浸出(ブリーディング)を抑制可能な架橋用ポリマー組成物及び架橋ポリマーの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の架橋用ポリマー組成物は、架橋用ポリマー、有機過酸化物、及びポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートからなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゴムや熱可塑性エラストマーなどを含む架橋用ポリマーを有機過酸化物で架橋する場合に、有機過酸化物の分解生成物が架橋ポリマーの表面に析出(ブルーミング)することを防止すると共に、ブルーミング防止剤自体の架橋ポリマー表面への浸出(ブリーディング)を抑制可能な架橋用ポリマー組成物及び架橋ポリマーの製造方法に関する。
ゴムや熱可塑性エラストマーなどのポリマーにおいて、有機過酸化物を使用した架橋は工業的に広く行われている技術である。特にエチレン・プロピレン・ジエン共重合体やブタジエン・アクリロニトリル共重合体といったゴムや、オレフィン系、ポリウレタン系などの熱可塑性エラストマーや、ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体のような熱可塑性樹脂に有機過酸化物を所定量添加して加熱処理を行う技術は、架橋体の耐熱性や圧縮永久歪などの機械物性を向上できるので、各種のポリマー製品(成形体等)の製造において極めて重要な技術である。
しかし、ゴムや熱可塑性エラストマーなどのポリマーを有機過酸化物で架橋する場合、有機過酸化物の分解生成物がブルーミングを生じて架橋ポリマー表面を汚染するといった問題があった。
このようなブルーミングを防止するため、例えば特許文献1〜3などにはポリアルコールなどの多価アルコール、無水フタル酸やポリエチレングリコールを添加する方法が開示されている。
米国特許3317454号(第1〜2頁) 特開昭55−165930号公報(第1〜2頁) 特開平8−334939号公報(第4頁)
しかしながら、前記のブルーミング防止剤、多価アルコールや無水フマル酸、或いは低分子のポリエチレングリコールは、ゴムや熱可塑性エラストマーなどのポリマーに対してそもそも相溶性が良くないため、時間の経過と共にブルーミング防止剤自体がポリマー表面へ浸出(ブリーディング)し、最終製品である架橋ポリマーの外観を低下させてしまう問題があった。
尚、高分子の固体のポリエチレングリコールを使用した場合、それ自体のポリマー表面へ移動は防止できるが、ポリマーに対する分散性が悪かった。このため、未分散のポリエチレングリコールが最終製品に残存し易く、最終製品に凹凸を生じるといった別の問題を生じるものであった。
そこで、本発明は、ゴムや熱可塑性エラストマーなどを含む架橋用ポリマーを有機過酸化物で架橋する場合に、有機過酸化物の分解生成物が架橋ポリマーの表面に析出(ブルーミング)することを防止すると共にブルーミング防止剤自体の架橋ポリマー表面への浸出(ブリーディング)を抑制可能な架橋用ポリマー組成物及び架橋ポリマーの製造方法を提案することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究した結果、架橋用ポリマーを有機過酸化物で架橋する際、ブルーミング防止剤としてポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの存在下で行うことにより、有機過酸化物の分解生成物のブルーミングを防止し、並びにブルーミング防止剤自体のブリーディングを抑制する効果があることを見出し本発明に至った。
本発明の第1の発明は、架橋用ポリマー、有機過酸化物、及びポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートからなることを特徴とする架橋用ポリマー組成物である。
本発明の第2の発明は、第1の発明の架橋用ポリマー組成物において、架橋用ポリマーがゴム又は熱可塑性エラストマーであることを特徴とする。
本発明の第3の発明は、第1又は第2の架橋用ポリマー組成物において、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが下記一般式
Figure 2006199884
で表されるポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートであることを特徴とする。
本発明の第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかの架橋用ポリマー組成物において、有機過酸化物がα,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンであることを特徴とする。
本発明の第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれかの架橋用ポリマー組成物を調製した後、加熱成形させることを特徴とする架橋ポリマーの製造方法である。
本発明の第1の発明の架橋用ポリマー組成物は、ブルーミング防止剤としてポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートを用いることにより、架橋反応時にポリアルキレングリコール鎖を架橋ポリマーに導入するものであり、架橋ポリマーの表面に生じる有機過酸化物の分解生成物に起因するブルーミング、並びにブルーミング防止剤自体のブリーディング現象を低減することができる。
本発明の第2の発明は、架橋用ポリマーとしてゴム又は熱可塑性エラストマーを選択するものであって、上述のブルーミング及びブリーディングの低減効果を更に強くできる。
本発明の第3の発明は、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが前記一般式で表されるポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートであって、架橋反応時にポリアルキレングリコール鎖を導入する際の悪影響が少なく、架橋ポリマーの物性低下が小さい。
本発明の第4の発明は、有機過酸化物がα,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンであって、架橋ポリマーに対する有機過酸化物の分解生成物の相溶性向上が図られるので、ブルーミング防止効果が大きい。
本発明の第5の発明は、前記第1〜第4の発明のいずれの架橋用ポリマー組成物を調製した後、加熱成形させるものであって、架橋反応時にポリアルキレングリコール鎖を架橋ポリマーに導入することで、ポリアルキレングリコールの移動を防止し、ブルーミング及びブリーディングの防止効果を長期的に持続することが可能である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明にて使用されるポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートは、ポリアルキレングリコールの片末端にある一つの水酸基をメタクリル基やアクリル基などの不飽和結合を有する官能基で置換した構造を持つ化合物の総称であり、塗料、ウレタン、接着剤などの原料や樹脂の改質剤として工業的に幅広く使用されている全ての化合物を使用することができる。
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの中では架橋反応への悪影響が少ないポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートである前記一般式(1)の化合物が好ましい。一般式(1)のA1Oで示される炭素数2〜22のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、エチルオキシエチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシ−1,2−ブチレン基、オキシ−2,3−ブチレン基、オキシスチレン基、ヘプチルオキシエチレン基、オクチルオキシエチレン基、2−エチルヘキシルオキシエチレン基、ノニルオキシエチレン基、デシルオキシエチレン基、ウンデシルオキシエチレン基、ドデシルオキシエチレン基、トリデシルオキシエチレン基、ペンタデシルオキシエチレン基、ヘキサデシルオキシエチレン基、オクタデシルオキセチレン基、イコシルオキシエチレン基、オキシシクロヘキセン基等が挙げられる。上記のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの中でオキシエチレン基、オキシプロピレン基を有するポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートがより好ましく、オキシエチレン基を有するポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが最も好ましいものとして挙げられる。これらは架橋反応の阻害が少なく、得られる架橋ポリマーの架橋物性を低下させることが少ない。
このポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの作用としては、架橋反応時にポリアルキレングリコール鎖がポリマーとの架橋部分に導入され((メタ)アクリレート部分はゴム側鎖の一部となる)、ポリアルキレングリコールの架橋ポリマー表面へのブリーディングを防止し、さらにポリアルキレングリコール末端の水酸基と有機過酸化物の分解生成物との相互作用により有機過酸化物の分解生成物のブルーミングを防止するものと推定される。
また、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの基本骨格であるポリオキシアルキレン基は、架橋ポリマーにブルーミング及びブリーディング防止性を付与させるためには、特定の分子量を持つことが望ましい。好ましいポリオキシアルキレン基の分子量の範囲としては、60〜5000である。ポリオキシアルキレン鎖の分子量が5000を超えるようになると、ポリオキシアルキレンは硬い固体状となるため、ゴムや熱可塑性エラストマーに対する分散性が悪くなる傾向にある。一方、ポリオキシアルキレン鎖の分子量が60を下回るようになると、ゴムや熱可塑性エラストマーを軟化させる作用が高くなるため、成形性や加工性に問題が生ずる傾向にある。更に、ポリエチレングリコール骨格では90〜4000の分子量、ポリプロピレングリコール骨格では90〜4000の分子量、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのランダム骨格では100〜3500の分子量を有するものが好ましい。
さらに、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの添加量は、架橋用ポリマー100重量部に対し、0.2〜10重量部が望ましく、より好ましくは0.5〜8重量部であり、さらに好ましくは1〜6重量部である。この含有量が0.2重量部未満では、架橋ポリマーのブルーミング防止に対して効果が現れない傾向にある。一方、10重量部を越えると、架橋ポリマー自体が軟化してしまうため架橋物性が著しく低下する傾向にある。
このようなポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、日本油脂(株)製の商品名:ブレンマーPE−90(ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール分子量:90)、商品名:ブレンマーPE−200(ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール分子量:200)、商品名:ブレンマーPE−400(ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール分子量:400)、商品名:ブレンマーAE−90(ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコール分子量:90)、商品名:ブレンマーAE−200(ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコール分子量:200)、商品名:ブレンマーAE−400(ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコール分子量:400)、商品名:ブレンマーPP−500(ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコール分子量:500)、商品名:ブレンマーAP−550(ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコール分子量:550)、商品名:ブレンマー70PEP-350B(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール分子量:200、ポリプロピレングリコール分子量:100)などが挙げられる。
また、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートは、通常単独で使用されるが、2種類以上を併用することが可能である。また、これらのポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートは、希釈することなく架橋用ポリマー組成物に添加してもよいが、その活性を損なわない限り、可塑剤等で希釈した液状品、不活性な無機充填剤で希釈したパウダー品として架橋用ポリマー組成物に配合してもよい。
本発明にて使用される有機過酸化物は、通常、架橋用途で使用されているものであればいずれも使用可能であり、具体例としてはα,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジクミルパーオキサイドのようなジアルキルパーオキサイド類、或いは1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tーブチルパーオキシ)バレレートのようなパーオキシケタール類等が挙げられ、これらの群より選ばれる1種又は2種以上が適宜選択して使用される。
これらの有機過酸化物の中で好ましいものとしては、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が挙げられる。
さらに、ブルーミング及びブリーディングの点で改善が強く望まれている上に、優れた改善効果を示すα,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンがより好ましい。
また、これらの有機過酸化物は、常温で液体又は固体の形状であるが、通常、製品安全性やポリマーとの混合性を考慮して、不活性な無機充填剤やゴム等で希釈した形態で使用することができる。
このような有機過酸化物の添加量は、所望する架橋速度や得られる架橋ポリマーの諸物性によって適宜選択されるが、架橋用ポリマー100重量部に対し、望ましくは0.5〜8重量部であり、より好ましくは1〜6重量部であり、さらに好ましくは1〜4重量部である。この含有量が0.5重量部未満では、架橋が不十分で架橋ポリマーの発泡や粘着性を有し、製品として使用できないおそれがある。一方、8重量部を越えると、架橋度が高くなりすぎるため、架橋ポリマーの架橋物性が著しく低下するおそれがある。
本発明にて使用する架橋用ポリマーは、ポリマー単独でも良いが、必要に応じて架橋助剤、酸化防止剤、充填剤、発泡剤、軟化剤、滑剤等の通常用いられるその他の添加剤を含有させた組成物を使用してもよい。
前記ポリマーとしては、有機過酸化物を用いて架橋可能なものであり、例えばEPDM、EPM、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレンなどを挙げることができる。
これらの中では、天然ゴム、合成ゴムなどの架橋可能なゴムや、オレフィン系、ポリウレタン系などの熱可塑性エラストマーや、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体のような熱可塑性樹脂等の架橋可能なポリマーが好ましい。
前記架橋助剤としては、例えば1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレートルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、N,N−m−フェニレンビスマレイミド、ポリブタジエンなどの化合物を挙げることができ、これらの群の一種又は二種以上の化合物を併用することができる。
また、この架橋助剤の添加量は、ポリマー100重量部に対して1〜5重量部であることが好ましい。
前記酸化防止剤としては、例えば4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノ−ル系化合物、或いはジフェニルノニルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ポスファイト等のリン系化合物、或いはビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2,2−チオジエチレンビス(3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジラウリルチオプロピオネ−ト等の硫黄系化合物などを挙げることができる。
また、この酸化防止剤の添加量は、ポリマー100重量部に対して0.5〜5重量部であることが好ましい。
前記充填剤として、カーボンブラック(以下、CBと略記する)や、シリカ(乾式又は湿式法により得られるもの)、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の炭酸塩、クレーやタルク等のケイ酸塩、硫酸バリウム等の白色充填剤を配合することができる。
また、この充填剤の添加量は、ポリマー100重量部に対して、1〜100重量部であることが好ましい。
前記発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、アゾカーボンアマイド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。
また、この発泡剤の使用量は、ポリマー100重量部に対して10〜90重量部であることが好ましい。
前記軟化剤としては、パラフィンオイル、ナフテンオイル、アロマティックオイル等の石油系鉱物油;綿実油、アマニ油等の脂肪油等が挙げられる。
また、この軟化剤の添加量は、ポリマー100重量部に対して10〜120重量部であることが好ましい。
前記滑剤としては、ステアリン酸、ステアリルアミド、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
また、この滑剤の添加量は、ポリマー100重量部に対して、0.5〜20重量部であることが好ましい。
本発明の架橋ポリマーの製造方法としては、常法により架橋用ポリマーを有機過酸化物で架橋させる際に、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートを併用させればよく、架橋用ポリマーに、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、有機過酸化物及びその他の添加剤を任意の順番で添加・混合した後、加熱成形させればよい。
前記各成分の混合には、通常の混練機の全てを使用することができるが、特にロールミル、バンバリーミキサー、インターミックス、加圧型ニーダー、スクリューミキサーなどの密閉型混練機、各種押出機などで混合することが好ましい。
架橋条件は、通常10〜25MPa、好ましくは15〜19MPaの圧力、150〜210℃、好ましくは160〜200℃の温度、10〜60分間、好ましくは15〜40分の時間である。このような条件下、加熱加圧することにより架橋ポリマーを製造する。
以下、本発明を実施例、比較例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各例中の部、%は特に断らない限り重量部及び重量%を示す。
まず、実施例中で用いるポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの特性を表1に示す。
Figure 2006199884
また、実施例及び比較例中の物性の試験方法は以下に示す通りである。
〔引張試験〕
JIS K 6251に準じて、3号ダンベル片に打ち抜いた試料を500mm/min、23℃で引張強さ(MPa)及び伸び特性(%)を測定した。
(硬度試験〕
JIS K 6253に準じて、硬度(タイプAデュロメータ)を測定した。
〔耐熱老化性試験〕
JIS K 6257に準じて、3号ダンベル片に打ち抜いた試料をギヤー式老化試験機により、150℃で72時間熱処理した後、引張試験を行って引張強さ(MPa)及び伸び特性(%)を求めた。そして耐熱老化性試験前に行った引張試験で得られた引張強さ(MPa)及び伸び特性(%)からの変化率として、引張強さ変化率(%)及び伸び特性変化率(%)をそれぞれ算出した。
尚、硬度については、150℃で72時間熱処理した後に硬度試験を行って硬度を求め、耐熱老化性試験前に行った硬度試験で得られた硬度からの変化率として、硬度変化率(%)を算出した。
〔圧縮永久歪試験〕
JIS K 6262に準じて、架橋成形した試料をギヤーオーブン中、150℃で72時間、25%圧縮処理を行った際の残留歪(%)を測定した。
〔ブルーミング及びブリーディング試験〕
架橋ポリマーのシートを密閉できるガラス瓶に入れ、40℃の恒温室で保管し、一定期間(2週間、1ケ月、3ケ月)後の架橋ポリマーのシートの表面状態を目視観察した。
ブルーミング:表面への析出物の量の多いものからD(非常に多い)、C(多い)、B(若干有り)、A(なし)
ブリーディング:表面への溶出物の量の多いものからD(非常に多い)、C(多い)、B(若干有り)、A(なし)
〔実施例1〜4、比較例1〜2〕
表2で示した組成割合で配合した各成分を6インチ2本ロールで混練した後、プレスで加熱処理をして架橋ポリマーを作製した。
尚、表2に用いた化合物は、以下の通りである。
三井化学(株)製『EPT−4021』;EPDMと呼ばれるエチレンとプロピレンと側鎖に二重結合を有するモノマーからなる3元共重合体(ゴム)であり、EPDMの特徴としては、構造上ゴム主鎖に二重結合を持たないため、耐熱性、耐侯性に優れている。
東海カーボン(株)製『シースト3』;HAFとは、補強充填剤であるカーボンブラックのグレードの1つで、High Abrasion Furnaceの頭文字を取ったものであり、HAFカーボンブラックは、補強性、作業性の点で標準的な補強性カーボンブラックである。
そして、表3に、得られた架橋ポリマーの各種物性評価、ブルーミング及びブリーディング評価の結果を示す。
Figure 2006199884
Figure 2006199884
〔実施例5〜10〕
表4で示した量で配合した各成分を6インチ2本ロールで混練した後、プレスで加熱処理をして架橋ポリマーを作製した。
また、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートとして、日本油脂(株)製『ブレンマーAE−200』、『ブレンマーPE−200』、『ブレンマーPE−350』、『ブレンマーPP−500』、『ブレンマーAP−550』、『ブレンマー70PEP−350B』を使用した。
そして、表5に、得られた架橋ポリマーの各種物性評価、ブルーミング及びブリーディング評価の結果を示す。
Figure 2006199884
Figure 2006199884
表3及び表5の結果より、ゴム、熱可塑性エラストマーなどの架橋用ポリマーを有機過酸化物で架橋する際、ブルーミング防止剤としてポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートを併用することにより、長期保管をしてもブルーミングやブリーディングが少ないことは明らかとなった。更に、引張強さ、耐熱老化性、圧縮永久歪などの架橋物性への影響も少ないことが確認された。
工業的に広く行われているゴムや熱可塑性エラストマーなどのポリマーの有機過酸化物を使用した架橋に用いることができ、各種のポリマー製品(成形体等)の製造に適用することができる。

Claims (5)

  1. 架橋用ポリマー、有機過酸化物、及びポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートからなることを特徴とする架橋用ポリマー組成物。
  2. 架橋用ポリマーがゴム又は熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1に記載の架橋用ポリマー組成物。
  3. ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが下記一般式
    Figure 2006199884
    で表されるポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の架橋用ポリマー組成物。
  4. 有機過酸化物がα,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の架橋用ポリマー組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の架橋用ポリマー組成物を混合した後、加熱成形させることを特徴とする架橋ポリマーの製造方法。
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