JP2006199558A - 無機質成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セメント、水、及び油性物質を含むセメント含有逆エマルジョン組成物からなるセメント系成形材料を成形し、養生硬化することにより無機質成形体を製造するにあたり、養生硬化時の水や油性物質の揮散を充分に抑制して、ドライアウトの発生を防止する。
【解決手段】セメント系成形材料の成形体1を密閉空間2内に配置すると共に、前記成形体1の表面のうち前記密閉空間2に曝露されている面の面積を、前記密閉空間2の容積から前記成形体1の体積を減じた容積で除して得られる値が0.3cm-1以上となるようにする。この条件下で、前記成形体1の養生硬化を行う。これにより、温度上昇により成形体1から水や油性物質が揮散しても、成形体1の周囲において揮散した水や油性物質の分圧が速やかに飽和蒸気圧付近に達し、このため成形体1の面積あたりの揮散量はごく僅かに抑えられ、且つそれ以上の揮散が防止される。
【選択図】図1
【解決手段】セメント系成形材料の成形体1を密閉空間2内に配置すると共に、前記成形体1の表面のうち前記密閉空間2に曝露されている面の面積を、前記密閉空間2の容積から前記成形体1の体積を減じた容積で除して得られる値が0.3cm-1以上となるようにする。この条件下で、前記成形体1の養生硬化を行う。これにより、温度上昇により成形体1から水や油性物質が揮散しても、成形体1の周囲において揮散した水や油性物質の分圧が速やかに飽和蒸気圧付近に達し、このため成形体1の面積あたりの揮散量はごく僅かに抑えられ、且つそれ以上の揮散が防止される。
【選択図】図1
Description
セメント、水、及び油性物質を含むセメント含有逆エマルジョン組成物からなるセメント系成形材料を成形した成形体を養生硬化する無機質成形体の製造方法に関するものである。
押出成形等で形成されるセメント系成形品は、耐候性、耐火性に優れ、また製造コストも低いことから、建築材料として広く利用されている。
従来、セメント系成形品等の無機質成形体を製造する有効な方法として、水、水硬性セメント並びに油性物質及び乳化剤を含む逆エマルジョン(W/Oエマルジョン)を配合したセメント系成形材料を利用する方法が提案されている。このセメント系成形材料は、成形時の保形性に優れており、また、水/セメント比を変化させることでセメント系成形品の比重を自由にコントロールすることができるという特長を有している(特許文献1,2参照)。
このようなセメント系成形材料にて窯業系外装材や内装材等の無機質成形体を作製する場合には、セメント系成形材料を所望の形状に成形すると共に必要に応じてその外面に所望の形状の模様を形成し、これを蒸気養生等により水和硬化させるものである。
しかし、この養生硬化の過程においては、温度上昇により成形体の表面から水や油性物質が蒸発し、表層部分の水和硬化が充分に進行しなくなり、更に特に油性物質としてスチレンモノマー等の重合性モノマーを用いている場合にはこのような重合性モノマーの重合が十分になされなくなるという、いわゆるドライアウト現象が発生する問題があった。このようなドライアウトが生じると、成形体の表面の硬度が充分に高くならず、耐摩耗性が低下して積載時のこすれ等により傷付きが生じたり、また無機質成形体に塗装を施す場合には塗膜の密着性が低下してしまうものであった。
このため、従来は製品からドライアウトが生じた部分を研磨して除去することも行われていたが、研磨のための工程が必要となって製造工程が煩雑化し、また特に外装材として用いる場合など、表面に模様を形成している場合には、研磨により審美性を損なうという問題があった。
特開平7−149556号公報
特開2003−25319号公報
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、セメント、水、及び油性物質を含むセメント含有逆エマルジョン組成物からなるセメント系成形材料を成形し、養生硬化することにより無機質成形体を製造するにあたり、養生硬化時の水や油性物質の揮散を充分に抑制して、ドライアウトの発生を防止することができる無機質成形体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る無機質成形体の製造方法は、セメント、水、及び油性物質を含むセメント含有逆エマルジョン組成物からなるセメント系成形材料を成形した成形体1を養生硬化する無機質成形体の製造方法において、前記成形体1を密閉空間2内に配置すると共に、前記成形体1の表面のうち前記密閉空間2に曝露されている面の面積を、前記密閉空間2の容積から前記成形体1の体積を減じた容積で除して得られる値が0.3cm-1以上となるようにした条件下で、前記成形体1の養生硬化を行うことを特徴とするものである。
このようにして成形体1の養生硬化を行うと、温度上昇により成形体1から水や油性物質が揮散しても、成形体1の周囲において揮散した水や油性物質の分圧が速やかに飽和蒸気圧付近に達し、このため成形体1の面積あたりの揮散量はごく僅かに抑えられ、且つそれ以上の揮散が防止される。
また、本発明に係る他の無機質成形体の製造方法は、セメント、水、及び油性物質を含むセメント含有逆エマルジョン組成物からなるセメント系成形材料を成形した成形体1を養生硬化する無機質成形体の製造方法において、前記成形体1を密閉空間2内に配置前記成形体1の全ての表面が密閉空間2の内面との間に隙間なく接触するように配置し、この状態で前記成形体1の養生硬化を行うことを特徴とするものである。
このようにして成形体1の養生硬化を行うと、温度上昇による成形体1の表面からの水や油性物質の揮散をほぼ完全に防止することができる。
更に、養生硬化時における成形体1の変形も防止することができ、寸法精度を向上すると共に成形時のバリ、フクレ等の発生も防止することができる。
本発明によれば、成形体を養生硬化して無機質成形体を得るにあたり、ドライアウトの発生を防止することができて、成形体の表面の硬度が充分に高くすることができ、これにより、得られた無機質成形体に研磨等によるドライアウト部分の除去を施すことなく、この無機質成形体の耐摩耗性を向上し、またこの無機質成形体に塗装を施す場合には塗膜の密着性を向上することができるものである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明において使用されるセメント系成形材料は、セメントと水と油性物質とを主成分とするセメント含有逆エマルジョン組成物からなるものである。この組成物において、セメントと水の比率は任意に設定することができるが、重量比率で、セメント1に対して水0.3〜2の範囲が一般的に好ましい。
セメントとしては、特に制限されるものではないが、ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、アルミナセメント、ハイアルミナセメント、シリカヒューム等を用いることができ、また一種単独で用いたり、二種以上を併用したりすることができる。
また、油性物質としては、水と逆エマルジョン(W/Oエマルジョン)を形成しうるものであれば、特に制限はなく、通常疎水性の液状物質が利用され、例えば、トルエン、キシレン、灯油、スチレン、ジビニルベンゼン、メチルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。特に、油性物質として、スチレン、ジビニルベンゼン、メチルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、不飽和ポリエステル樹脂等の重合性二重結合を有するもの(ビニル単量体)を使用すれば、セメントの水和反応と重合性二重結合を有する油性物質の重合反応が同時に起こり、ポリマーがマトリックスを形成して、優れた物理的、機械的性質を有するセメント成形品が得られるので望ましい。尚、重合性二重結合を有する油性物質を使用する場合には、油性物質の重合を促進するために、有機過酸化物や過硫酸塩等の重合開始剤を併用することが望ましい。
セメント含有逆エマルジョン組成物中の油性物質の含有量は、セメント含有逆エマルジョン組成物中に水との逆エマルジョンを形成でき、且つ得られる無機質成形体に所望の特性が付与されるように、適宜調整されるものであるが、例えばセメント含有逆エマルジョン組成物中の水と固形分の総量に対して5〜10体積%の範囲であることが好ましい。
また、セメント含有逆エマルジョン組成物には上記成分の他に、乳化剤(逆乳化剤)を配合することが好ましい。乳化剤は逆エマルジョンに安定性を付与するために配合されるものであり、例えばソルビタンセスキオレート、グリセロールモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ジエチレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ジグリセロールモノオレート等の非イオン性界面活性剤、各種アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を用いることができる。このような乳化剤の含有量も適宜調整することができるが、好ましくはセメント含有逆エマルジョン組成物中の水と固形分の総量に対して1〜3体積%の範囲とするものである。
セメント含有逆エマルジョン組成物中には、さらに適宜量の補強材や各種添加剤を配合することができる。補強材としては、例えば砂利、パーライト、シラスバルーン、ガラス粉、アルミナシリケートなどの骨材、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維等の合成繊維や、炭素繊維、ガラス繊維、パルプなどの補強繊維を挙げることができる。
次に、上記のセメント含有逆エマルジョン組成物をセメント系成形材料として用いて無機質板Aを製造する方法について説明する。
まずセメント系成形材料を板状等に成形して成形体1を作製する。成形体1の成形は、注型法、押出成形法、射出成形法、プレス成形法等の通常用いられている手段により為すことができる。
このようにして得られる成形体1を養生硬化することにより無機質成形体を得ることができるものであるが、本発明では成形体1を密閉空間2内に配置した状態で養生硬化を行うものである。
成形体1を密閉空間2内に配置するにあたっては、例えば成形体1を密閉容器3内に配置する。密閉容器3としては適宜のものを用いることができるが、ステンレス板等の熱伝導性の高い材質からなるものが好ましい。
そして、成形体1を密閉空間2内に配置した状態で、下記式のようにこの成形体1の表面のうち前記密閉空間2に曝露されている面(以下、曝露面という)の面積を、前記密閉空間2の容積から前記成形体1の体積を減じた空間(以下、実効空間という)の容積で除して得られる値(以下、「気積率」という)が0.3cm-1以上となるなるようにし、この状態で成形体1の養生硬化を行うものである。
A/V≧0.3
A:曝露面の面積(単位:cm2)
V:密閉空間2の実効空間の容積(単位:cm3)
このとき、例えば成形体1をその下面が密閉容器3の内面の底面と接触するようにして密閉容器3内の密閉空間2に配置する場合には、下記式のような条件となるようにするものである。
A:曝露面の面積(単位:cm2)
V:密閉空間2の実効空間の容積(単位:cm3)
このとき、例えば成形体1をその下面が密閉容器3の内面の底面と接触するようにして密閉容器3内の密閉空間2に配置する場合には、下記式のような条件となるようにするものである。
(A0−A1)/(V0−V1)≧0.3
A0:成形体1の全表面積(単位:cm2)
A1:成形体1の密閉空間2の内面との接触面の面積(単位:cm2)
V0:密閉空間2の容積(単位:cm3)
V1:成形体1の体積(単位:cm3)
養生硬化を行う際の条件は適宜設定されるものであるが、例えば40〜100℃で20〜48時間加熱することができる。このとき密閉容器3を蒸気で加熱する蒸気養生を行っても良いが、それ以外の適宜の手段で密閉容器3を加熱することにより成形体1の加熱を行っても良い。
A0:成形体1の全表面積(単位:cm2)
A1:成形体1の密閉空間2の内面との接触面の面積(単位:cm2)
V0:密閉空間2の容積(単位:cm3)
V1:成形体1の体積(単位:cm3)
養生硬化を行う際の条件は適宜設定されるものであるが、例えば40〜100℃で20〜48時間加熱することができる。このとき密閉容器3を蒸気で加熱する蒸気養生を行っても良いが、それ以外の適宜の手段で密閉容器3を加熱することにより成形体1の加熱を行っても良い。
このようにして成形体1の養生硬化を行うと、成形体1の曝露面の面積に比して、密閉空間2の実効空間の容積が小さいために、温度上昇により成形体1の曝露面から水や油性物質が揮散するとしても、この実効空間に揮散した水や油性物質の分圧が速やかに飽和蒸気圧付近に達し、このため曝露面の面積あたりの揮散量はごく僅かに抑えられ、且つそれ以上の揮散が防止されるものである。
このため、成形体1を養生硬化して無機質成形体を得るにあたり、ドライアウトの発生を防止することができて、成形体1の表面の硬度が充分に高くすることができ、これにより、得られた無機質成形体に研磨等によるドライアウト部分の除去を施すことなく、この無機質成形体の耐摩耗性を向上し、またこの無機質成形体に塗装を施す場合には塗膜の密着性を向上することができるものである。
また、特に蒸気養生により成形体1の養生を行う場合などには、成形体1が密閉空間2内に配置されていることから成形体1は直接蒸気に曝されるようなことがなく、このため成形体1の表面が直接蒸気に曝されることによる急激な温度上昇を抑制し、このような急激な温度上昇によるドライアウトの発生も抑制することができるものであり、また成形体1に部分的に高温の蒸気があたることなどによる加熱ムラの発生を防止して成形品1を均一に加熱することができて品質の安定性を向上することができるものである。また蒸気養生のための蒸気により発生する結露水が成形体1の表面に付着することも防止することができ、このため、養生硬化時に成形体1の表面の結露水が蒸発した後にその部分が急激に温度上昇することによるドライアウトの発生も防止することができ、またこのような結露水によるエフロレッセンス(白華)の発生をも防止することができるものである。
また、複数の成形体1を同時に養生硬化する場合には、各成形体1を内装した複数の密閉容器3を積載した状態で蒸気養生等を行うことができ、成形体1を積載するためのラック等を不要にすることもできるものである。
上記気積率の上限は特に制限されず、この値が大きいほど、すなわち曝露面の面積に対する実効空間の容積を低減するほど、上記のドライアウトの防止等の効果を更に著しいものとすることができる。
また、上記のように成形体1を密閉空間2内に配置した状態で養生硬化するにあたっては、成形体1の全ての表面が密閉空間2の内面との間に隙間なく接触するように成形体1を密閉空間2内に配置し、この状態で前記成形体1の養生硬化を行うことも好ましい。このとき、上記曝露面の面積と密閉空間2の実効空間の容積とは共に0となり、成形体1が密閉空間2の全てを占めることとなる。
すなわち、例えば成形体1を、この成形体1の体積と同一の容積を有すると共にこの成形体1と同一の形状を有する密閉空間2内に配置することで、成形体1の表面を全て密閉空間2の内面と接触させることで、曝露面の面積と、密閉空間2の実効空間の容積とを、共に0となるようにするものである。このためには、例えば成形体1を、内部容積及び内部形状が成形体1の体積及び形状と同一となるように形成した密閉容器3内に配置するものである。
このような成形体1の養生硬化の条件は、実質的には曝露面の面積に対する実効空間の容積を極限まで低減させたものに相当し、気積率を0.3cm-1以上とした場合と同様の効果が得られると共に、その効果が著しく発揮されることとなる。
すなわち、このような条件で成形体1の養生硬化を行うと、温度上昇による成形体1の表面からの水や油性物質の揮散をほぼ完全に防止することができ、このため、成形体1を養生硬化して無機質成形体を得るにあたり、ドライアウトの発生を著しく抑制することができるものであり、このため無機質成形体の耐摩耗や、塗装を施す場合の塗膜の密着性等を更に向上することができるものである。
また、蒸気養生を行う場合の結露水の発生によるエフロレッセンス(白華)や加熱ムラによる品質の安定化も同様に達成することができ、しかも、成形体1の表面には密閉空間2の内面が密着していることから、蒸気養生の場合の蒸気の結露を防止するだけでなく、成形体1から蒸発した水により密閉空間2内に結露が発生することも防止することができ、このため、成形体1の表面の結露水の蒸発後の急激な温度上昇によるドライアウトの発生や、結露水によるエフロレッセンス(白華)の発生を更に防止することができるものである。
更に、養生硬化時における成形体1の変形も防止することができて、寸法精度を向上すると共に成形時のバリの発生も防止することができ、また成形体1中に気泡が残存している場合にも養生硬化のための加熱による気泡の膨張によって成形体1にフクレが発生することを防止して外観不良や品質不良の発生をも防止することができるものである。
また、複数の成形体1を同時に養生硬化する場合には、各成形体1を内装した複数の密閉容器3を積載した状態で蒸気養生等を行うことができ、成形体1を積載するためのラック等を不要にすることもできるものである。
(実施例1〜3、比較例1)
油性物質(スチレン)4.5質量部、乳化剤(ソルビタンモノオレート)1.5質量部、架橋剤(トリメチロールプロパントリメタクリレート)0.05質量部、重合開始剤(t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)0.1質量部、顔料(ベンガラ)4,05質量部、水43質量部を混合して逆乳化エマルジョンとした後、ポルトランドセメント70質量部、軽量骨材(パーライト)18.5質量部、ポリプロピレン繊維1.2質量部を加えてミキサーにより混合し、セメント含有逆エマルジョン組成物からなるセメント系成形材料を調製した。
油性物質(スチレン)4.5質量部、乳化剤(ソルビタンモノオレート)1.5質量部、架橋剤(トリメチロールプロパントリメタクリレート)0.05質量部、重合開始剤(t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)0.1質量部、顔料(ベンガラ)4,05質量部、水43質量部を混合して逆乳化エマルジョンとした後、ポルトランドセメント70質量部、軽量骨材(パーライト)18.5質量部、ポリプロピレン繊維1.2質量部を加えてミキサーにより混合し、セメント含有逆エマルジョン組成物からなるセメント系成形材料を調製した。
このセメント系成形材料を押出成形してシート状の成形体1とし、これを実施例1については曝露面の面積と実効容積とが共に0となる様な条件、実施例2,3及び比較例1についてはそれぞれ下記表1のように気積率が0.98cm-1、0.32cm-1、0.14cm-1となるような条件で、それぞれ種々の形状と内部容積を有するステンレス製の密閉容器3に配置し、この状態で、90℃、24時間の条件で蒸気養生することにより養生硬化させて、無機質成形体を得た。
(曲げ強度試験)
各実施例及び比較例で得られた無機質成形体について、スパン100mm、幅50mm、載荷速度2mm/minの条件で3点曲げ試験を行い、曲げ強度を測定した。
各実施例及び比較例で得られた無機質成形体について、スパン100mm、幅50mm、載荷速度2mm/minの条件で3点曲げ試験を行い、曲げ強度を測定した。
(テープ剥離試験)
各実施例及び比較例で得られた無機質成形体の表面にセロファン粘着テープを貼着した後剥離し、剥離後のテープに無機質成形体の一部が付着しているか否かを観察して、このような付着が生じているものを「×」、付着が生じていないものを「○」と評価した。
各実施例及び比較例で得られた無機質成形体の表面にセロファン粘着テープを貼着した後剥離し、剥離後のテープに無機質成形体の一部が付着しているか否かを観察して、このような付着が生じているものを「×」、付着が生じていないものを「○」と評価した。
(吸水率測定)
各実施例及び比較例で得られた無機質成形体について、JIS A5402に準拠した吸水率試験を行った。
各実施例及び比較例で得られた無機質成形体について、JIS A5402に準拠した吸水率試験を行った。
(試験結果)
以上の結果を下記表1に示す。
以上の結果を下記表1に示す。
また、このように気積率を変化させるなどして養生硬化の条件を変更しても、曲げ強度には大きな変化はみられず、無機質成形体の物性(一次物性)への悪影響はみられないものであった。
1 成形体
2 密閉空間
2 密閉空間
Claims (2)
- セメント、水、及び油性物質を含むセメント含有逆エマルジョン組成物からなるセメント系成形材料を成形した成形体を養生硬化する無機質成形体の製造方法において、前記成形体を密閉空間内に配置すると共に、前記成形体の表面のうち前記密閉空間に曝露されている面の面積を、前記密閉空間の容積から前記成形体の体積を減じた容積で除して得られる値が0.3cm-1以上となるなるようにした条件下で、前記成形体の養生硬化を行うことを特徴とする無機質成形体の製造方法。
- セメント、水、及び油性物質を含むセメント含有逆エマルジョン組成物からなるセメント系成形材料を成形した成形体を養生硬化する無機質成形体の製造方法において、前記成形体を密閉空間内に配置前記成形体の全ての表面が密閉空間の内面との間に隙間なく接触するように配置し、この状態で前記成形体の養生硬化を行うことを特徴とする無機質成形体の製造方法。
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