JP2003252670A - セメント系成形品 - Google Patents

セメント系成形品

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JP2003252670A
JP2003252670A JP2002058437A JP2002058437A JP2003252670A JP 2003252670 A JP2003252670 A JP 2003252670A JP 2002058437 A JP2002058437 A JP 2002058437A JP 2002058437 A JP2002058437 A JP 2002058437A JP 2003252670 A JP2003252670 A JP 2003252670A
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JP2002058437A
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Yoshihiro Tange
善弘 丹下
Fumitoshi Imaoka
史利 今岡
Jiyunji Kondo
準士 近藤
Shigeo Yoshida
繁夫 吉田
Satoshi Kitagawa
聡 北川
Hiroshi Sato
佐藤  寛
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Okura Industrial Co Ltd
Panasonic Homes Co Ltd
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Okura Industrial Co Ltd
Panahome Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低比重であっても十分な耐透水性を有するセメ
ント含有逆エマルジョン組成物を成形硬化してなるセメ
ント系成形品を提供する。 【解決手段】水(A)、セメント(B)、油性物質
(C)、及び下記一般式で表わされるアルコキシシラン
(D)からなるセメント含有逆エマルジョン組成物を成
形硬化してなるセメント系成形品であって、該アルコキ
シシラン(D)の配合量が油性物質(C)の0.5〜2
0.0wt%であることを特徴とするセメント系成形
品。 一般式: RSiX4−n 但し、n=0〜3の整数、R=炭素数1〜10の有機
基、X=アルコキシ基

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に建築用材料と
して使用されるセメント系成形品、詳しくはセメント含
有逆エマルジョン組成物を成形硬化してなる耐透水性に
優れたセメント系成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】押出成形セメント板や軽量気泡コンクリ
ート(ALC)等のセメント系成形品は、外装材、パネ
ル等の建築用材料として広く用いられている。しかしな
がら、セメント系成形品には以下のような問題があっ
た。すなわち、セメント系成形品は、通常の押出成形セ
メント板で吸水率が約40wt%程度、ALCで吸水率
が約70wt%程度と極めて吸水し易いため、吸水によ
る寸法安定性の悪化やエフロエッセンスの発生、或いは
酸性雨等の浸入による中性化という問題があった。更
に、セメント系成形品は、外部からの水の浸入より内部
を保護する、すなわち耐透水性が必要とされる用途への
使用が困難であるという問題もあった。
【0003】これらの問題を解決する方法として、セメ
ントスラリーに撥水剤としてシリコーンを添加して撥水
性を付与し、吸水性を低下させる方法(例えば、特開昭
55−42272号公報、特開昭55−85452号公
報、特開昭55−90460号公報等)が提案されてい
る。しかしながら、シリコーンはいずれも強い撥水性を
示すために、水を含むセメントスラリーに全く溶解せ
ず、親水性もないのでスラリーへの分散に非常に困難を
伴うという問題があった。また、上記方法によって得ら
れる硬化体は硬化初期には良好な防水性、撥水性を示す
が、屋外に暴露されると比較的容易にこれらの特性が消
失ないしは低下するといった問題があった。
【0004】また、セメントスラリーにアルコキシシラ
ンを配合してセメント硬化体に自由水が浸入しないよう
に、もしくは自由水が出やすいようにして含水率が高く
なるのを防いでセメント硬化体に優れた耐久性を付与さ
せる方法(例えば、特開平8−119707号公報)も
提案されている。しかしながら、アルコキシシランは水
を含むセメントスラリーに全く溶解せず、親水性もない
のでスラリーへの分散に非常に困難を伴うというシリコ
ーンを添加した場合と同様な問題があった。したがっ
て、外部からの水の浸入から内部を保護する目的で常時
水と接触する環境下で使用する遮水壁等の用途に使用可
能な耐透水性を有するセメント系成形品は未だ提供され
ていなかった。
【0005】一方、セメント系成形品を製造する有効な
方法として、セメント、水、及び油性物質からなるセメ
ント含有逆エマルジョン組成物を利用する方法が提案さ
れている。この方法は低圧押出成形が可能であり、また
該組成物中の水/セメント比を変化させることによって
比重を自由にコントロールできるという利点を有してい
るだけでなく、該セメント含有逆エマルジョン組成物を
成形硬化して得られるセメント系成形品が微細でかつ均
一な発泡構造を有しているため表面平滑性、鋸引き性や
釘打ち性等の加工性、或いはネジ保持力等に優れた性質
を有していることが知られている(特公平1−3077
8号公報等)。更に、セメント含有逆エマルジョン組成
物が、油性物質からなる連続層中に微小な水滴が分散し
た逆エマルジョン中に更にセメントが分散された構造と
なっていることから、得られたセメント系成形品は吸水
性が低く、耐透水性にも優れているという従来のセメン
ト系成形品にない特性を有している。
【0006】しかしながら、セメント含有逆エマルジョ
ン組成物を成形硬化して得られるセメント系成形品であ
っても常時水と接触する環境下で使用する遮水壁等の用
途に使用するためには耐透水性が不足しており、特に、
水/セメント比を大きくするほど、すなわち配合する骨
材の量や種類にもよるが空隙率を大きくした低比重品と
するほど耐透水性が不足するという問題があった。した
がって、十分な耐透水性を有しながら、かつ運搬等の取
扱いに便利な、比重が1.3以下のセメント系成形品の
提供が要望されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決して、低比重であっても十分な耐透水性を有する
セメント含有逆エマルジョン組成物を成形硬化してなる
セメント系成形品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討を
重ねた結果、水(A)、セメント(B)、及び油性物質
(C)からなるセメント含有逆エマルジョン組成物に、
特定のアルコキシシラン(D)を配合した場合、当該ア
ルコキシシラン(D)が油性物質(C)中に均一に分散
して、これを成形硬化して得られるセメント系成形品が
優れた耐透水性を示すことを見出し本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は (1)水(A)、セメント(B)、油性物質(C)、及
び下記一般式で表わされるアルコキシシラン(D)から
なるセメント含有逆エマルジョン組成物を成形硬化して
なるセメント系成形品であって、該アルコキシシラン
(D)の配合量が油性物質(C)の0.5〜20.0w
t%であることを特徴とするセメント系成形品。 一般式: RSiX4−n 但し、n=0〜3の整数、R=炭素数1〜10の有機
基、X=アルコキシ基 (2)セメント含有逆エマルジョン組成物が、更に補強
繊維(E)を含有していることを特徴とする(1)に記
載のセメント系成形品。 (3)セメント系成形品の比重が1.3以下であること
を特徴とする(1)又は(2)に記載のセメント系成形
品をその要旨とするものである。
【0010】
【実施の形態】以下に本発明の実施の形態を具体的に説
明する。本発明で使用するセメント含有逆エマルジョン
組成物を構成するセメント(B)としては、普通、早
強、超早強等の各ポルトランドセメント、フライアッシ
ュセメント、高炉セメント、アルミナセメント、ハイア
ルミナセメント、シリカヒューム等の単独物或いはそれ
らの混合物が挙げられる。
【0011】また、油性物質(C)としては、水(A)
と逆エマルジョンを形成し得るものであれば特に制限は
ないが、本発明が耐透水性に優れたセメント系成形品を
得ることを目的としている関係上、重合性二重結合を有
する油性物質を使用するのが好ましい。好ましい油性物
質(C)としては、例えば、スチレン、ジビニルベンゼ
ン、メチルメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げら
れ、これらを単独で、或いは二種以上混合して使用する
ことができる。なお、油性物質(C)の重合を促進する
ために、有機過酸化物や過硫酸塩等の重合開始剤を併用
することが好ましい。
【0012】また、本発明で使用するセメント含有逆エ
マルジョン組成物を構成するアルコキシシラン(D)と
しては、下記一般式で示されるものが特に制限なく使用
できる。 一般式: RSiX4−n 但し、n=0〜3の整数、R=炭素数1〜10の有機
基、X=アルコキシ基ここでRの炭素数1〜10の有機
基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基
や、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、メタクリロキシ
基、メルカプト基等の官能基を有する有機基を意味して
おり、Xのアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基等が挙げられる。
【0013】アルコキシシラン(D)の具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ヘキシルトリ
エトキシシラン、ヘブチルトリエトキシシラン、オクチ
ルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
等が挙げられ、これらを単独で、或いは混合して使用す
ることができる。
【0014】アルコキシシラン(D)の配合量は、油性
物質(C)に対して0.5〜20.0wt%、好ましく
は1.0〜10.0wt%である。アルコキシシラン
(D)の配合量が少なすぎると十分な耐透水性が得られ
ず、多すぎるとコストアップになり好ましくない。
【0015】更に、セメント含有逆エマルジョン組成物
を形成する際の、逆エマルジョンの形成性を高めたり、
該エマルジョンに安定性を付与するために乳化剤を使用
することが好ましい。乳化剤としては、非イオン性界面
活性剤や各種アニオン系界面活性剤やカチオン系界面活
性剤等が挙げられるが、ソルビタンモノオレート、ソル
ビタンセスキオレート、ソルビタンモノステアレート、
グリセロールモノステアレート、ジエチレングリコール
モノステアレート、ジグリセロールモノオレート等のH
LB価が3〜9である非イオン性界面活性剤を使用する
のが好ましく、これらを単独で、或いは混合して使用す
ることができる。
【0016】更にまた、得られる成形品の機械的強度を
改善するためにセメント含有逆エマルジョン組成物中に
補強繊維(E)を配合するのが好ましい。補強繊維
(E)としては、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、
ビニロン繊維、アラミド繊維等の合成繊維や、炭素繊
維、ガラス繊維等が挙げられ、これらを単独で、或いは
混合して使用することができる。更に、上記原材料に加
えて、軽量化をはかるためのパーライト、シラスバルー
ン、発泡ガラス粒等の軽量骨材、砂、砂利、ガラス粉等
の骨材や、各種添加剤を適宜配合することも勿論可能で
ある。
【0017】本発明で使用するセメント含有逆エマルジ
ョン組成物は、上述した水(A)、セメント(B)、油
性物質(C)及びアルコキシシラン(D)を攪拌混合或
いは混練することによって形成することができる。攪拌
混合方法については特に制限はないが、通常、連続式の
ニーダー、二軸混練機もしくはバッチ式の攪拌機等を使
用すると良い。また、連続式のニーダーや二軸混練機を
使用する場合は、各原材料を所定の比率で連続供給する
と良い。
【0018】また、アルコキシシラン(D)の配合方法
については、特に制限はなく、油性物質(C)に前もっ
てアルコキシシラン(D)を溶解させたものを添加する
方法、アルコキシシラン(D)の水性エマルジョンを調
製して水(A)、セメント(B)、油性物質(C)と一
緒に添加する方法や、或いはセメント含有逆エマルジョ
ン組成物を形成した後、該組成物中に添加する方法等が
挙げられる。これらの中でも、油性物質(C)に前もっ
てアルコキシシラン(D)を溶解させたものを添加する
方法が作業性の点から好ましい。なお、アルコキシシラ
ン(D)を油性物質(C)に溶解させて添加した場合は
勿論のこと、水性エマルジョンの状態で添加したり、セ
メント含有逆エマルジョン組成物を形成した後に添加し
た場合であっても、十分な耐透水性を付与する効果が発
揮できるのは、アルコキシシラン(D)が親油性の物質
であるために、攪拌中にセメント含有逆エマルジョン組
成物中の油性物質(C)からなる連続相中に取り込まれ
るためではないかと考えられる。
【0019】セメント含有逆エマルジョン組成物形成の
際に使用する各構成成分は以下に示す配合割合とするこ
とが好ましい。まず、水(A)と油性物質(C)の配合
比は、重量比で水(A):油性物質(C)=100:2
〜20、好ましくは100:3.5〜15である。油性
物質(C)の水(A)に対する配合比は、逆エマルジョ
ンの形成性や形成された逆エマルジョンの安定性のみな
らず、得られるセメント系成形品の機械的性質、物理的
性質に影響するものであり、油性物質(C)の水(A)
100重量部に対する配合割合が2重量部未満では逆エ
マルジョンの形成そのものが困難となり、また20重量
部を越えると耐透水性は向上するが、強度が低下し、か
つコストアップの要因となるので好ましくない。
【0020】また、水(A)とセメント(B)の配合比
は、重量比で水(A):セメント(B)=40〜20
0:100、好ましくは60〜130:100である。
すなわち、水(A)のセメント(B)に対する配合比が
大きくなるにしたがって得られるセメント系成形品の比
重が低下し、逆にこの配合比が小さくなるにしたがって
比重が高くなる。これは、従来知られているセメント系
成形品の製造に用いられるセメントスラリーにおける水
(A)のセメント(B)に対する配合割合が、減水剤等
の使用によって若干変動するものの、基本的に水の配合
量はセメントの水和に必要な量に固定されているのと異
なって、逆エマルジョン中では、水(A)は油性物質
(C)からなる連続相中に微小な水滴として分散し、該
逆エマルジョンを成形硬化後に乾燥させることによって
微小な水滴であった部分が空隙となることを利用して比
重をコントロールしていることによるものである。すな
わち、水(A)のセメント(B)100重量部に対する
配合割合が40重量部未満ではセメント含有逆エマルジ
ョン組成物の形成は勿論のこと、取扱いが困難となるの
で好ましくなく、逆に200重量部を越えると空隙部分
も多くなってアルコキシシラン(D)を配合しても十分
な耐透水性を付与することが困難となるので好ましくな
い。本発明は、耐透水性に優れたセメント系成形品を提
供することを目的としている関係上、同時に配合する骨
材等の種類、その比重或いは配合量によっても異なる
が、水(A)のセメント(B)100重量部に対する配
合割合が60〜130重量部とした、比重が0.8〜
1.3程度のセメント系成形品の製造に適用するのが特
に好ましい。
【0021】このようにして得られるセメント含有逆エ
マルジョン組成物は、従来公知の押出成形法、射出成形
法、注型法、プレス成形法等によって各種形状に成形
し、次いで、蒸気養生、オートクレーブ養生等で硬化さ
せことによって本発明のセメント系成形品とすることが
できる。
【0022】
【作用】本発明のセメント系成形品が優れた耐透水性を
示し、吸水率も従来公知のセメント系成形品に比べて低
いのは以下の理由によるものと本発明者らは考えてい
る。すなわち、 (1)セメント含有逆エマルジョン組成物を成形硬化さ
せて得られるセメント系成形品は、セメント(B)の水
和反応によるセメント硬化物と、油性物質(C)が重合
硬化したポリマーとからなる複合物であって、しかも疎
水性の強いポリマーが連続相をなしてセメント硬化物の
周囲に存在していること、及びセメント含有逆エマルジ
ョン組成物中に分散している水滴が微小であることから
得られるセメント系成形品の空隙も微小なものであり、
もともと外部から水が浸入し難いものであること。
【0023】アルコキシシラン(D)が、連続相を形成
する油性物質(C)との親和性に優れているため、アル
コキシシラン(D)が組成物中に均一に分散させること
が容易であるとともに、撥水性に優れるアルコキシシラ
ン(D)が主にセメント硬化物の周囲に存在するように
なるため、すなわち、セメント含有逆エマルジョン組成
物を使用することと、アルコキシシラン(D)の特性と
が重なって相乗効果を発揮したためであると考えられ
る。
【0024】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって具体的に説
明する。本発明で使用した原材料は以下の通りである。 <セメント(B)>市販の普通ポルトランドセメントを
使用した。 <油性物質(C)>油性物質(C)としてスチレンモノ
マーを使用した。 <アルコキシシラン(D)> S−1:ヘキシルトリメトキシシラン S−2:3−アミノプロピルトリエトキシシラン S−3:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
を使用した。 <補強繊維(E)>ポリプロピレン繊維を使用した。
【0025】なお、得られたセメント系成形品の性能
は、以下の方法で評価した。 <耐透水性>本発明における透水性試験は、JIS A5
403(石綿スレート)に記載の透水性試験に準拠して
下記のようにして測定を行った。 試験片 :厚み6mm、100×100mm角で、表裏
面を研磨したものを使用した。 試験日数:20日間 試験項目:各日数経過後における、アクリル樹脂管内の
水位の低下量(mm)及び試験片裏面の濡れの有無を測
定した。 耐透水性の総合評価基準は以下の通りとした。なお、J
IS A5403(石綿スレート)における判定基準は
24時間後、裏面に著しい濡れ又は水滴が生じないこと
となっており、これ以上の性能を示せば優れた耐透水性
を有していると言える。 ◎:20日以上後も試験片裏面への濡れ又は水滴が全然
ないもの。 ○:20日後には試験片裏面への濡れ又は水滴があった
もの。 △:1日後には試験片裏面への濡れ又は水滴があったも
の。 ×:1日経過するまでに試験片裏面への濡れ又は水滴が
著しいもの。
【0026】<吸水率>厚さ20mm、100mm角の
直方体に切り出したセメント系成形品を60℃72時間
乾燥させ、乾燥重量Wを測定する。次に20℃±5℃
の静水中に24時間浸漬した後、水中から取り出して、
手早く水を乾布で拭き取り、直ちに吸水重量Wを測定
する。次式により吸水率を求める。 吸水率(%)=(W−W)/W×100 算出した吸水率が小さいほど、遮水性は優れることにな
る。
【0027】<比重>厚さ20mm、100mm角の直
方体に切り出したセメント系成形品を、105℃24時
間乾燥して絶乾状態とした後、その重量を測定して比重
を算出した。
【0028】実施例1〜6、比較例1 油性物質としてのスチレンモノマー75重量部に乳化剤
としてのソルビタンモノオレートを25重量部溶解させ
た溶液に、更に重合開始剤であるt−ブチルパーオキシ
ベンゾエートをスチレンモノマーに対して1.0wt
%、及びアルコキシシラン(D)をスチレンモノマーに
対して所定量溶解させたビニルモノマー溶液(VMS)
を調製して、表1に示す配合割合で水(A)、セメント
(B)、ビニルモノマー溶液(VMS)、補強繊維
(E)を二軸の連続混練装置に投入し、毎分200回転
で攪拌混合して、セメント含有逆エマルジョン組成物を
得た。次いで、得られたセメント含有逆エマルジョン組
成物を板状に押出成形した後、相対湿度93%下で30
℃から90℃まで17時間、90℃で17時間養生・硬
化させ、次いで乾燥してセメント系成形品を得た。得ら
れたセメント系成形品について耐透水性と吸水率を測定
した結果を同じく表1に示す。
【0029】比較例2 市販の軽量骨材及びパルプ繊維が混入されている軽量セ
メント押出成形板(比重1.10)についても耐透水性
と吸水率を測定した。結果を同じく表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1からも明らかなように、アルコキシシ
ラン(D)を配合した各実施例にかかるセメント系成形
品は吸水率も少なく、優れた耐透水性を示した。一方、
アルコキシシラン(D)を配合していない比較例1にか
かるセメント系成形品は比較例2にかかる市販の軽量セ
メント押出成形板と比べると吸水率も低く、耐透水性に
優れていたが十分なものとは言えないものであった。ま
た、比較例2にかかる市販の軽量セメント押出成形板の
吸水率は43wt%と非常に高く、耐透水性も1日後に
既に試験片裏面に著しい濡れ又は水滴が生じるほど悪か
った。
【0032】
【発明の効果】本発明の比重が1.3を下回るような軽
量セメント系成形品であっても、吸水率が低く、耐透水
性にも優れているので外部からの水の浸入を嫌う用途で
あっても、特に、表面塗装をしたり、その他の撥水処理
をすることなく使用することができる。しかも、その効
果がセメント系成形品の全体におよんでいるので、現場
における切断、研磨等による性能低下もなく、またその
効果が持続するという利点もある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 16:06 C04B 14:38 Z 14:38) 111:21 111:21 111:22 111:22 111:23 111:23 111:27 111:27 (72)発明者 近藤 準士 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 (72)発明者 吉田 繁夫 大阪府豊中市新千里西町1丁目1番4号 ナショナル住宅産業株式会社内 (72)発明者 北川 聡 大阪府豊中市新千里西町1丁目1番4号 ナショナル住宅産業株式会社内 (72)発明者 佐藤 寛 大阪府豊中市新千里西町1丁目1番4号 ナショナル住宅産業株式会社内 Fターム(参考) 4G012 PA17 PA20 PA24 PB27 PB28 PB31 PB33 PB41 PC07 PC11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水(A)、セメント(B)、油性物質
    (C)、及び下記一般式で表わされるアルコキシシラン
    (D)からなるセメント含有逆エマルジョン組成物を成
    形硬化してなるセメント系成形品であって、該アルコキ
    シシラン(D)の配合量が油性物質(C)の0.5〜2
    0.0wt%であることを特徴とするセメント系成形
    品。 一般式: RSiX4−n 但し、n=0〜3の整数、R=炭素数1〜10の有機
    基、X=アルコキシ基
  2. 【請求項2】セメント含有逆エマルジョン組成物が、更
    に補強繊維(E)を含有していることを特徴とする請求
    項1に記載のセメント系成形品。
  3. 【請求項3】セメント系成形品の比重が1.3以下であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメント系
    成形品。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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