JP2006198821A - 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、デバイス、静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法 - Google Patents

静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、デバイス、静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法 Download PDF

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朗 佐野
Seiji Yamazaki
成二 山崎
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Abstract

【課題】ノズルの高密度化に伴って個別電極の端子部が高密度化するのを避け、実装アラ
イメントのずれ等による配線の短絡等を防止することができる静電アクチュエータ等を提
供する。
【解決手段】複数の振動板2を有する第1の基板1と、振動板2にそれそれ対向する位置
に個別電極11を有する第2の基板10とを備え、振動板2の共通電極端子部50と個別
電極の端子部11aにフレキシブル配線基板30を接続して振動板2及び個別電極11間
に電圧を印加し、これにより発生する静電気力によって振動板2を駆動させる静電アクチ
ュエータであって、個別電極の端子部11aを第2の基板10の幅方向全域に配置すると
ともに、共通電極端子部50を個別電極の端子部11aよりも振動板2に位置する第1の
基板1上に配置した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、デバイス、静電アク
チュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバイ
スの製造方法に関し、特に個別電極端子部の高密度化を避けて短絡等の実装不良を防止す
ることができる静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、デバイス、静電ア
クチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバ
イスの製造方法に関する。
インクジェットプリンタの印刷速度を向上させ、かつ省スペース化を達成するために、
インクジェットヘッドを多ノズル化し、かつ小チップサイズ化すること、すなわちノズル
を高密度化することが求められている。そしてノズルを高密度化するには、インクジェッ
トヘッドを駆動するドライバICを高密度に実装して実装アライメントのずれ等による配
線の短絡を防止することが必要になる。
従来のインクジェットヘッドでは、個別電極の端子部と同列に共通電極端子部が設けら
れている。例えば、個別電極の端子部を設けたガラス基板と、個別電極の端子部と同列に
配置されてその幅方向両側に位置する共通電極端子部を設けたキャビティ基板とを備え、
これらの個別電極の端子部と共通電極端子部とを、フレキシブル配線基板等によって接合
している(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−309672号公報(第4−5頁、図1)
従来のインクジェットヘッドでは、個別電極の端子部と同列に共通電極端子部を配置し
ているため、共通電極の端子部のスペース分だけ個別電極の端子部のスペースが狭くなる
。そのため、ノズル密度よりも高い密度で個別電極の端子部を配列するか、共通電極端子
部の分だけインクジェットヘッドを拡幅しなければならない。しかしながら、個別電極の
端子部を高密度化すると実装アライメントのずれなどによって配線の短絡が生じる場合が
あり、一方、インクジェットヘッドを拡幅するとインクジェットプリンタのサイズが大き
くなってしまう。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ノズルの高密度化に伴っ
て個別電極の端子部が高密度化するのを避け、実装アライメントのずれによる配線の短絡
等によって生ずる実装不良を防止することができる静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド
、液滴吐出装置、デバイス、静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法
、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法を提供するものである。
本発明に係る静電アクチュエータは、複数の振動板を有する第1の基板と、振動板にそ
れぞれ対向する位置に個別電極を有する第2の基板とを備え、振動板の共通電極端子部と
個別電極の端子部にフレキシブル配線基板を接続して振動板及び個別電極間に電圧を印加
し、これにより発生する静電気力によって振動板を駆動させる静電アクチュエータであっ
て、個別電極の端子部を第2の基板の幅方向全域に配置するとともに、共通電極端子部を
個別電極の端子部よりも振動板側に位置する第1の基板上に配置したものである。個別電
極の端子部が高密度化するのを避けて、実装アラインメントのずれ等によって生ずる配線
の短絡等の実装不良を防止することができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータは、フレキシブル配線基板が、平面部とこの平
面部に一端が固定された腕部とからなり、平面部に個別電極の端子部に接続する配線を設
けるとともに、腕部に共通電極端子部に接続する配線を設けたものである。個別電極の端
子部が高密度化するのを避けて、実装アライメントのずれ等によって生ずるフレキシブル
配線基板の配線の短絡等を防止することができ、またフレキシブル配線基板の接続も容易
であって、スペースを取ることもない。
また、本発明に係る静電アクチュエータは、共通電極端子部が第1の基板の幅方向端部
に1対設けられ、フレキシブル配線基板の腕部は1対設けられ、1対の腕部の配線は1対
の共通電極端子部に接続されるようにしたものである。第1の基板の両端側に共通電極端
子を1対設けたので、振動板に加わる電圧のばらつきが解消される。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、上記に記載の静電アクチュエータを備えたものである
。個別電極の端子部が高密度化するのを避け、配線の短絡等によって生ずる実装不良を防
止することができる静電アクチュエータを備えるので、液滴吐出速度が向上し省スペース
化を達成することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、個別電極の端子部はその配列密度がノズル密度
と同じであるかノズル密度よりも低いようにしたものである。個別電極の端子部が高密度
化するのを避け、配線の短絡等によって生ずる実装不良を防止することができるので、液
滴吐出速度が向上し、省スペース化を達成することができる。
本発明に係る静電アクチュエータを備えたデバイスは、上記記載の静電アクチュエータ
を備えたものである。個別電極の端子部が高密度化するのを避け、配線の短絡等によって
生ずる実装不良を防止することができるアクチュエータを備えた高性能のデバイスを得る
ことができる。
本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、複数の振動板を有する第1の基板と、
振動板にそれぞれ対向する位置に個別電極を有する第2の基板とを備え、振動板の共通電
極端子部と個別電極の端子部にフレキシブル配線基板を接続して振動板及び個別電極間に
電圧を印加し、これにより発生する静電気力によって振動板を駆動させる静電アクチュエ
ータの製造方法であって、個別電極の端子部を第2の基板の幅方向全域に形成する工程と
、第1の基板と第2の基板を接合させ、第1の基板の電極取出し部に対応する部分を開口
した後、共通電極端子部を個別電極の端子部よりも振動板側に位置する第1の基板上に取
り付ける工程を含むものである。このような製造方法によって、個別電極の端子部が高密
度化するのを避け、配線の短絡等によって生ずる実装不良を防止することができる静電ア
クチュエータを、基板の割れを防止しつつ確実かつ精度良く得ることができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、上記の静電アクチュエータの製造方法によ
り静電アクチュエータを製造する工程を含むものである。このような製造方法によって、
個別電極の端子部が高密度化するのを避け、配線の短絡等によって生ずる実装不良を防止
することができる静電アクチュエータを備えた高性能の液滴吐出ヘッドを確実に得ること
ができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、ノズルを備えた第3の基板を第1の
基板に接合した後に、第3の基板の電極取出し部に対応する部分をRIEによって開口す
る工程を、上記記載の工程の後に含むものである。第3の基板を第1の基板に接合した後
に第3の基板に貫通穴を形成して電極取出し部に対向する部分を開口させるので、第3の
基板の貫通領域が広いにもかかわらず、第3の基板の割れを防止することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、RIEによる開口は、シリコンを材
料としたマスクを作成して選択的におこなうようにしたものである。選択的にRIEによ
るドライエッチングを行うため、開口部以外へのダメージが発生することはない。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、第3の基板に共通電極端子部よりも
広面積の嵌入穴を設けておき、嵌入穴に共通電極端子部を嵌入させた後、第3の基板の電
極取出し部に対応する部分を開口するようにした。共通電極の端子部が嵌入穴に接触しな
いため、第3の基板に貫通穴を開口するとき共通電極端子部にダメージが発生することは
ない。
本発明に係る液滴吐出装置の製造方法は、上記の静電アクチュエータの製造方法により
静電アクチュエータを製造する工程を含むものである。このような製造方法によって、個
別電極の端子部が高密度化するのを避け、配線の短絡等によって生ずる実装不良を防止す
ることができる静電アクチュエータを備えた高性能の液滴吐出装置を確実に得ることがで
きる。
本発明に係るデバイスの製造方法は、上記記載の静電アクチュエータの製造方法により
静電アクチュエータを製造する工程を含むものである。このような製造方法によって、個
別電極の端子部が高密度化するのを避け、配線の短絡等によって生ずる実装不良を防止す
ることができる静電アクチュエータを備えた高性能の液滴吐出ヘッドを得ることができる
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドの平面図、図2は図1の縦断面
図、図3はインクジェットヘッドとフレキシブル配線基板(FPC)(Flexible
Printed Circuit)との関係を示す斜視図である。なお、図に示すイン
クジェットヘッドは、ノズル基板の表面側に設けられたノズル孔から液滴を吐出するフェ
イスイジェクトタイプのものであり、また静電気力により駆動される静電駆動方式のもの
である。図に示すように、液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドは、主に、キャビ
ティ基板(第1の基板)1、ガラス基板(第2の基板)10及びノズル基板(第3の基板
)20によって構成され、キャビティ基板1の一方の面にはガラス基板10が接合され、
他方の面にはノズル基板20が接合されている。
キャビティ基板1は単結晶シリコンからなり、底壁を振動板2とする吐出室3となる凹
部3aと、吐出室3に液滴を供給するリザーバ4となる凹部4aと、吐出室3とリザーバ
4との間に設けられてオリフィス5となる平面部5aが、キャビティ基板1の幅方向(図
1の上下方向、図2の前後方向)に並列して形成されている。キャビティ基板1の電極取
出し部(後述)側には、キャビティ基材1bの上面の幅方向両側に共通電極端子部50が
取りつけられている。
ノズル基板20はシリコンからなり、その表面には個々の吐出室3と連通するノズル孔
21が設けられている。ノズル孔21は2段ノズルとなっており、インクの流れの整流作
用によってインクの直進性を向上させるようにしてある。
ガラス基板10はホウ珪酸ガラスからなり、キャビティ基板1と陽極接合によって接合
している。ガラス基板10には個別電極11を取り付けるための凹部12が幅方向両側ま
で並列して形成され、キャビティ基板1の振動板2とガラス基板10の個別電極11がギ
ャップを介して対向配置されている。この凹部12は、内部に個別電極11を形成できる
ように、個別電極11に類似したやや大きめの形状に構成されている。個別電極11は凹
部12にITO(Indium Tin Oxide)をスパッタし、電極パターンを形
成したものである。個別電極11にはフレキシブル配線基板(後述)と接触する端子部1
1aが設けられ、その両側はガラス基板10の幅とほぼ等しくなるように配置されており
、ノズル列よりも低密度もしくは同程度の密度となっている。こうして個別電極の端子部
11aをガラス基板10の幅方向両側まで広げて個別電極の端子部11aが高密度化する
のを避け、フレキシブル配線と接続する際に配線短絡等の実装不良が生じないようにして
ある。
なお、キャビティ基板1の振動板2とガラス基板1の個別電極11との間に形成された
ギャップの空間は、封止材18によって密閉されている。
ガラス基板10の個別電極の端子部11a側はキャビティ基板1と接合しておらず、電
極取出し部16となって外部に露出している。ガラス基板10の個別電極の端子部11a
側に位置する凹部12の間には、後に示す製造工程においてキャビティ基材1aと接合す
る隔壁が設けられ、これによってキャビティ基材1aが電極取出し部16と対向する部分
を補強するようにしている。
インクジェットヘッドの電極取出し部16側には、図3に示すように、個別電極の端子
部11a及び共通電極端子部50とそれぞれ接続するとともに外部電源(図示せず)と接
続するフレキシブル配線基板(FPC)30が設けられている。フレキシブル配線基板3
0にはドライバIC40が取付けられ、ドライバIC40には、一端が個別電極の端子部
11aに接続する個別電極端子部用の配線41が接続されると共に、一端が共通電極端子
部50に接続する共通電極端子部用の配線42が接続されており、また、一端が外部電源
と接続する外部配線43が接続されている。そして、ドライバIC40、個別電極端子用
の配線41及び外部配線43は、フレキシブル配線基板30の平面部30aに形成され、
共通電極端子部用の配線42は一端が平面部30aの両側に固定され他端がキャビティ基
板1の厚みに対応して折り曲げた腕部30bとによって形成されている。こうしてフレキ
シブル配線基板30は平面部30aと、一端がこの平面部30aに固定された腕部30b
とによって構成される2層構造になっている。
なお、共通電極端子部50には、個別電極実装用のフレキシブル配線基板に共通電極部
実装用のフレキシブル配線基板を重ねて接続するようにしてもよい。
次に、インクジェットヘッドの動作について図1〜図3を用いて説明する。ドライバI
C40は外部から駆動信号と選択データ信号を受けて、共通電極50と個別電極の端子部
11aに信号を出力する。個別電極の端子部11aに例えば24V程度までのパルス電圧
が印加されて個別電極11がプラスに帯電すると、対応する共通電極端子部50はマイナ
スに帯電し、振動板2は静電気力によって個別電極11側に吸引されて撓む。パルス電圧
をオフにすると、共通電極端子部50にかけられた静電気力がなくなり、振動板2は復元
する。このとき、吐出室3内部の圧力が急激に上昇し、ノズル孔21からインク60が吐
出される。そして、再びパルス電圧が個別電極の端子部11aに印加され、振動板2が個
別電極11側に撓むと、インクがリザーバ4よりオリフィス5を通じて吐出室3内に補給
される。なお、リザーバ4へのインクの供給は、ガラス基板10及びキャビティ基板1に
形成された液滴供給口(図示せず)を通して行われる。
次に、インクジェットヘッドの製造工程について図4、図5を用いて説明する。まず、
図4(a)に示すガラス基板10となるガラス基材10aを、金・クロムのエッチングマ
スクを使用してフッ酸によってエッチングし、溝部である凹部12を形成する。このとき
、電極取出し部16に位置する凹部12間には隔壁が形成される。凹部12の内部には、
スパッタによってITOからなる個別電極11を形成する。
次に、例えば面方位が(110)で酸素濃度の低いキャビティ基板1となるキャビティ
基材1aの両面を鏡面研磨する。それから、キャビティ基材1aの表面に付着している微
小粒子及び金属を除去するために、アンモニア水と過酸化水素水の混合液による洗浄と、
塩酸と過酸化水素水の混合液による洗浄とのコンビネーション洗浄を行う。そして、吐出
室3等が形成される側と反対側の面に絶縁膜であるボロンドープ層(図示せず)を形成す
る。具体的には、キャビティ基材1aをB23を主成分とする固体の拡散源に対向させて
石英ボートにセットし、この石英ボートを縦型炉に入れる。そして縦型炉の内部を、所定
温度の窒素雰囲気にして一定時間保持し、キャビティ基材1aにボロンを拡散させて、ボ
ロンドープ層を形成する。その後、ボロンドープ層の表面にO2プラズマ処理を施して、
ボロンドープ層の表面をクリーニングする。
次に、キャビティ基材1aに流路となる凹部の形成を行う。キャビティ基材1aのボロ
ンドープ層と反対側の全面に、プラズマCVDによってTEOS膜を形成する(図示せず
)。このTEOS膜は、後の水酸化カリウム水溶液によるエッチングの際のエッチングマ
スクとなる。このTEOS膜に、吐出室3となる凹部3a、リザーバ4となる凹部4a及
び電極取出し部16に対向する部分を形成するためのレジストをパターニングし、緩衝フ
ッ酸溶液によって吐出室3となる凹部3aの部分、リザーバ4となる凹部4aの部分及び
電極取出し部16に対向する部分のTEOS膜をエッチング除去する。
その後、キャビティ基材1aを、35重量%の水酸化カリウム水溶液を用いて、吐出室
3となる凹部3aの部分及び電極取出し部16と対向する部分をエッチングして薄板化す
る。このとき、リザーバ4となる凹部4aの部分は、TEOS膜をハーフエッチングする
ことによりエッチングを遅らせている。さらに、キャビティ基材1aを3重量%の水酸化
カリウム水溶液でエッチングし、吐出室3となる凹部3a及び電極取出し部16と対向す
る部分においてエッチングを続ける。
これにより、吐出室3となる凹部3a、リザーバ4となる凹部4a及び電極取出し部1
6に対向する部分が形成される。上記のように、2種類の濃度の異なる水酸化カリウム水
溶液を使用してエッチングを行うことにより、吐出室3の底壁である振動板2の面荒れを
抑えることができ、インクジェットヘッドの吐出性能を安定化することができる。
以上の製造工程によって、ガラス基材10aとキャビティ基材1aの前工程を終了する
図4(b)に示すように、図4(a)に示したキャビティ基材1aとガラス基材10a
を、例えば360℃に加熱し、キャビティ基材1aに陽極、ガラス基材10aに負極を接
続して、例えば800Vの電圧を印加し、陽極接合を行う。
ガラス基材10aの電極取出し部16には隔壁が設けられてキャビティ基材1aと接合
しているため、薄板化されたキャビティ基材1aの電極取出し部16と対向する部分の面
積が大きい場合でも、この部分の割れを防止することができる。キャビティ基材1aのエ
ッチングが終了した後に、キャビティ基材1aとガラス基材10aからなる接合基材をフ
ッ酸水溶液でエッチングして、キャビティ基材1aに形成されたTEOS膜を除去する。
図4(c)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)によ
って、キャビティ基材1aの電極取出し部16に対向する部分を除去し、電極取出し部1
6を開口する。RIEによる電極取出し部16の開口には、キャビティ基材1aにシリコ
ンを材料としたシリコンマスクを作成し、選択的に開口する。このRIEはドライエッチ
ングの一種であり、例えば出力200W、圧力40Pa(0.3Torr)、CF4流量
30cm3/分(30sccm)の条件で、シリコンマスクを用いて60分行う。この条
件では、キャビティ基材1aの電極取出し部16に対向する部分をきれいに除去すること
ができ、ITOからなる個別電極11の端子部11aにダメージを与えることなくエッチ
ングすることができる。
図4(d)に示すように、キャビティ基材1aのキャビティ端部1bの上面幅方向両側
に、スパッタによって共通電極端子部50を形成する。
次に、アクチュエータに水等の液体が浸入しないように、エポキシ樹脂からなる封止材
60を電極取出し部16の部分に塗布して、アクチュエータの気密封止を行う。なお、封
止材60を塗布する工程の後には、TEOS膜の形成等のように温度上昇する製造工程が
ないため、封止材60として有機材料を使用することができ、封止が容易となる。
図5(e)に示すように、ノズル基板20となるノズル基材20aを、エポキシ系接着
剤でキャビティ基材1aに接合する。なお、ノズル基材20aには、キャビティ基材1a
に接合する前にノズル孔21を形成しておき、また共通電極部50を嵌入させるための嵌
入穴22を形成しておく。この嵌入穴22は共通電極端子部50よりも広面積に形成され
ており、嵌入穴22に共通電極端子部50が接触することなく嵌入されるようにしてある
。これは、ノズル基材20aをキャビティ基材1aに接合した後にRIEによる電極取出
し部16に対向する部分の開口を行うが、共通電極端子部50が嵌入穴22に接触してい
ると、開口時に共通電極端子部50にダメージが加えられるためである。
図5(f)に示すように、RIEによってノズル基材20aに貫通穴22aを形成し、
電極取出し部16に対向する部分を開く。ノズル基材20aを開口するときは、シリコン
を材料としたマスクを作成し、選択的に開口する。この時、既に開口している嵌入穴22
部をマスクで覆う。これは、共通電極端子部50がRIEによってダメージを受けること
を防ぐためである。このように、ノズル基材20aをキャビティ基材1aに接着した後に
、ノズル基材20aに貫通穴22aを形成して電極取出し部16に対向する部分を開口さ
せるのは、ノズル基材20aの貫通領域が広いにもかかわらず、ノズル基材20aの割れ
を防止することができるためである。すなわち、図6に示すようにノズル基材20a内に
占める貫通穴20aの割合が大きいため、基板の強度が下がって割れやすくなるが、ノズ
ル基材20aの接合の後に貫通穴20aを開けて電極取出し口16に対応する部分を開け
れば、強度が高いために接合前における基材単体の状態での割れを防ぐことができる。
上記のような製造工程を経て、インクジェットヘッドが完成がする。完成した状態では
、キャビティ基材1aはキャビティ基板1となり、ガラス基材10aはガラス基板10と
なり、ノズル基材20aはノズル基板20となる。そして、図3に示すように、電極取出
し部16において、インクジェットヘッドの個別電極の端子部11aにフレキシブル配線
基板30の個別電極用配線41を接続し、共通電極端子部50にフレキシブル配線基板3
0の共通電極用配線42を接続し、個別電極11及び振動板2がドライバIC40、外部
配線43を介して外部電源と接続される。
本実施の形態1によれば、個別電極端子部11aをガラス電極10の幅方向両側まで配
置したので、個別電極の端子部11aの高密度化を避け、配線の短絡等による実装不良を
防止することができる。
実施形態2.
図7は、実施形態1のインクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンタ100
を示す斜視図である。このようなインクジェットヘッドプリンタ100は、個別電極の端
子部11aの高密度化を避け配線の短絡等による実装不良を防止することができるアクチ
ュエータを備えたインクジェットヘッドを搭載しているので、吐出性能が高く高精度であ
る。
実施形態3.
実施の形態1に示した静電アクチュエータはインクジェットヘッドのみに適用されるも
のではなく、液滴を種々に変更することで、液晶ディスプレイのカラーフィルタ、有機E
L表示装置の発光部分、生体液体の吐出等に適用することができる。即ち、液晶カラーフ
ィルタ製造装置、有機EL表示装置、バイオチップ製造装置等にも応用することができる
。また、実施の形態1に示した静電アクチュエータは、光スイッチ等のデバイスに適用す
ることができる。
本発明に係る静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、デバイス、静電ア
クチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバ
イスの製造方法は、本発明の実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内
において変形することができる。
本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドの平面図。 図1に示すインクジェットヘッドの縦断面図。 本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドとフレキシブル配線基板との関係を示す斜視図。 図1及び図2に示すインクジェットヘッドの製造工程を示す従断面図。 図4の続きの製造工程を示す縦断面図。 ノズル基材と貫通穴の関係を示す平面図。 本発明の実施の形態2に係る実施の形態1のインクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンタを示す斜視図。
符号の説明
1 キャビティ基板(第1の基板)、2 振動板、10 ガラス基板(第2の基板)、
11 個別電極、11a 個別電極の端子部、16 電極取出し部、20 ノズル基板(
第3の基板)、21 ノズル孔、22 嵌入穴、22a 貫通穴、30 フレキシブル配
線基板(FPC)、30a 平面部、30b 腕部、40 ドライバIC、41 個別電
極の端子部用の配線、50 共通電極端子部、52 共通電極端子部用の配線、100
インクジェットプリンタ。

Claims (14)

  1. 複数の振動板を有する第1の基板と、該振動板にそれそれ対向する位置に個別電極を有
    する第2の基板とを備え、前記振動板の共通電極端子部と前記個別電極の端子部にフレキ
    シブル配線基板を接続して前記振動板及び個別電極間に電圧を印加し、これにより発生す
    る静電気力によって前記振動板を駆動させる静電アクチュエータにおいて、
    前記個別電極の端子部を前記第2の基板の幅方向全域に配置するとともに、前記共通電
    極端子部を前記個別電極の端子部よりも振動板側に位置する第1の基板上に配置したこと
    を特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 前記フレキシブル配線基板が、平面部と該平面部に一端が固定された腕部とからなり、
    前記平面部に個別電極の端子部に接続する配線を設けるとともに、前記腕部に共通電極端
    子部に接続する配線を設けたことを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記共通電極端子部が前記第1の基板の幅方向端部に1対設けられ、前記フレキシブル
    配線基板の腕部は1対設けられ、該1対の腕部の配線は前記1対の共通電極端子部に接続
    されることを特徴とする請求項2記載の静電アクチュエータ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の静電アクチュエータを備えたことを特徴とする液滴吐
    出ヘッド。
  5. 前記個別電極の端子部は、その配列密度がノズル密度と同じであるかノズル密度よりも
    低いことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項4または5記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の静電アクチュエータを備えたことを特徴とするデバイ
    ス。
  8. 複数の振動板を有する第1の基板と、該振動板にそれぞれ対向する位置に個別電極を有
    する第2の基板とを備え、前記振動板の共通電極端子部と前記個別電極の端子部にフレキ
    シブル配線基板を接続して前記振動板及び個別電極間に電圧を印加し、これにより発生す
    る静電気力によって前記振動板を駆動させる静電アクチュエータの製造方法において、
    前記個別電極の端子部を前記第2の基板の幅方向全域に形成する工程と、前記第1の基
    板と第2の基板を接合させ、該第1の基板の電極取出し部に対応する部分を開口した後、
    前記共通電極端子部を前記個別電極の端子部よりも振動板側に位置する第1の基板上に取
    り付ける工程とを含むことを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
  9. 請求項8記載の静電アクチュエータの製造方法により静電アクチュエータを製造する工
    程を含むことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  10. ノズルを備えた第3の基板を前記第1の基板に接合した後に、前記第3の基板の電極取
    出し部に対応する部分をRIEによって開口する工程を、請求項9記載の工程の後に含む
    ことを特徴とする請求項9記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記RIEによる開口は、シリコンを材料としたマスクを作成して選択的におこなうこ
    とを特徴とする請求項10記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  12. 前記第3の基板に共通電極端子部よりも広面積の嵌入穴を設けておき、該嵌入穴に共通
    電極端子部を嵌入させた後、前記第3の基板の電極取出し部に対応する部分を開口するこ
    とを特徴とする請求項10または11記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  13. 請求項9〜12記載の静電アクチュエータの製造方法により静電アクチュエータを製造
    する工程を含むことを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
  14. 請求項8記載の静電アクチュエータの製造方法により静電アクチュエータを製造する工
    程を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011167955A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド用配線部材、及び、液体噴射ヘッド
JP2015000519A (ja) * 2013-06-14 2015-01-05 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置

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