JP2006198590A - ろ過装置及びろ過方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長繊維束により原水中の懸濁物を除去するろ過処理において、速いろ過速度で運転することができ、ろ過継続時間を増加することができるろ過装置及びろ過方法を提供する。
【解決手段】長繊維束により原水中の懸濁物を捕捉するろ過装置であって、ろ過塔と、ろ過塔内部に横設または充填された支持体と、支持体に下端を固定されるとともに、その上端を自由端とした長繊維束と、を有し、長繊維束を構成する長繊維は捲縮加工がされており、捲縮数は7個/25mm以上であるろ過装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、下水2次処理水、下水3次処理水等の原水中の懸濁物を除去するためのろ過装置及びろ過方法に関する。
従来より、上水処理施設、下水処理施設、産業排水処理施設、産業用水処理施設等の各種処理工程において、原水中の懸濁物を除去するためのろ過処理として、長繊維束をろ過材として用いたろ過処理が知られている。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、ろ過装置内部に支持体を横設または充填し、当該支持体の上部に長繊維束の下端を固定するとともに、その上端を自由端としたろ過体を形成し、長繊維束の上端から下端に向かって下降流で原水を通水して、長繊維束内の空隙部により前記原水中の懸濁物を捕捉するろ過装置が記載されている。長繊維束をろ過材として用いたろ過処理は、砂ろ過に比べ、損失水頭が少なく、高流速でろ過をすることが可能である。また、長繊維束の下端が支持体に固定されているため、高流速の逆洗水を流入させることができ、短時間の逆洗で、長繊維束に捕捉された懸濁物等を取り除くことができる。このような長繊維束をろ過材として用いたろ過処理は、下水の3次処理等において行われている。
また、特許文献3には、上端及び下端が結束された捲縮繊維集合体を保形性網状容器の内部に収容した汚水処理接触材が記載されている。
特開昭63−315110号公報 特開平1−304011号公報 実開平7−21196号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のろ過装置では、低い損失水頭で安定したろ過が可能であるろ過速度は800m/day以下であり、ろ過速度が高いと、損失水頭が上昇し易く、ろ過継続時間が低下する。ろ過継続時間が低下する原因としては、ろ過速度が速いと通水時の長繊維束のろ過材の集合密度が大きく、例えば、充填長さ1000mmあたり500mm程度圧密され、ろ過材の有効容積が減少するためと考えられている。
また、特許文献3は、捲縮繊維集合体を微生物担持用の汚水処理接触材として使用するものであり、また、接触材の上端及び下端が結束されており、物理的ろ過を行うものであはない。
本発明は、長繊維束により原水中の懸濁物を除去するろ過処理において、速いろ過速度で運転することができ、ろ過継続時間を増加することができるろ過装置及びろ過方法である。
本発明は、長繊維束により原水中の懸濁物を捕捉するろ過装置であって、ろ過塔と、前記ろ過塔内部に横設または充填された支持体と、前記支持体に下端を固定されるとともに、その上端を自由端とした長繊維束と、を有し、前記長繊維束を構成する長繊維は捲縮加工がされており、捲縮数は7個/25mm以上である。
また、前記ろ過装置において、前記長繊維の太さは、20μm以上80μm未満であることが好ましい。
また、前記ろ過装置において、前記長繊維の材質は、ポリエステルであることが好ましい。
また、前記ろ過装置において、前記長繊維の捲縮数は、8個/25mm以上であることが好ましい。
また、前記ろ過装置において、前記ろ過の速度は、1000m/day以上であることが好ましい。
また、本発明は、長繊維束により原水中の懸濁物を捕捉するろ過方法であって、前記長繊維束の下端を支持体に固定するとともに、その上端を自由端とし、前記長繊維束に下向流で前記原水を通水することによりろ過を行い、前記長繊維束を構成する長繊維は捲縮加工がされており、捲縮数は7個/25mm以上である。
また、前記ろ過方法において、前記長繊維の太さは、20μm以上80μm未満であることが好ましい。
また、前記ろ過方法において、前記長繊維の材質は、ポリエステルであることが好ましい。
また、前記ろ過方法において、前記長繊維の捲縮数は、8個/25mm以上であることが好ましい。
また、前記ろ過方法において、前記ろ過の速度は、1000m/day以上であることが好ましい。
本発明により、長繊維束により原水中の懸濁物を除去するろ過処理において、下端を支持体に固定するとともに、その上端を自由端とした長繊維束を構成する長繊維に捲縮加工を施し、捲縮数を7個/25mm以上とすることにより、速いろ過速度で運転することができ、ろ過継続時間を増加することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係るろ過装置の一例を図1に示し、その構成について説明する。本実施形態に係るろ過装置1は、ろ過塔10、支持体12、長繊維束14を備える。
ろ過装置1において、ろ過塔10の下方内部には、支持体12が横設され、支持体12には、1つまたは複数の長繊維束14の下端が固定されている。また、長繊維束14の上端は、自由端とされている。なお、図1において、長繊維束14がろ過塔10内にまばらに設置するように記載しているが、実際には長繊維束14がろ過塔10内に充満するように充填する。
また、本実施形態に係るろ過装置1を含む水処理装置の一例を図2に示し、その構成について説明する。水処理装置3は、ろ過装置1、原水流入管16、処理水流出管18、逆洗水流入管20、逆洗排水流出管22、空気流入管24、原水貯留槽26、処理水槽28を備える。
原水貯留槽26には、原水が貯留される。この原水貯留槽26には、原水流入管16の一端が接続され、他端は原水ポンプ42、バルブ32を介して、ろ過塔10の上部に接続されている。なお、自然流下で流入できる場合には、原水ポンプ42は不要である。ろ過塔10内には、上述したように、下部に設けられた支持体12に下端が固定された多数の長繊維束14が充填されている。ろ過塔10の支持体12の下方には、処理水流出管18の一端が接続され、他端はバルブ34を介して処理水槽28に接続されている。また、処理水槽28には、逆洗水流入管20の一端が接続され、他端は逆洗ポンプ44およびバルブ36を介してろ過塔10の支持体12の下方に接続されている。ろ過塔10の支持体12の下方には、空気流入管24の一端も接続され、その他端はバルブ40を介してブロワ30に接続されている。さらに、ろ過塔10の上端には、バルブ38が設けられた逆洗排水流出管22が接続されている。
次に、本実施形態に係るろ過装置1を含む水処理装置3の動作について説明する。上工水道水、下水2次処理水、下水3次処理水、河川水、湖沼水、凝集沈殿上澄み水、各種工程中間水、各種回収水、各種廃水等の、懸濁物を含む原水は、原水貯留槽26に滞留された後、原水ポンプ42等により原水流入管16を通り、ろ過装置1のろ過塔10内部に導入される。当初、水中で全体的にほぼ直立した状態となっていた長繊維束14は、自重及び原水の水流により屈曲して、その高さが縮んだ状態となる。ろ過塔10の上方から流入した原水は、ろ過塔10の上部から下部に向かって、すなわち長繊維束14に向かって下向流で通過し、長繊維束14の空隙部等により懸濁物が捕捉され、清澄となった処理水がろ過塔10下部から流出し、処理水流出管18を通って処理水槽28に流入する。なおこのとき、バルブ32及び34は開口状態とし、バルブ36,38,40は閉口状態とする。処理された処理水はその後、消毒処理等が行われる。
原水の通水中において、長繊維束14は上述のように高さ方向に縮んだ状態となるが、長繊維束14の上方部に比べて下方部がより屈曲している状態となるため、下部において長繊維束14が密に充填され、その結果、原水中の懸濁物は長繊維束14の高さ方向全体の空隙部、表面等に効果的に捕捉される。しかし、長繊維束14がろ過塔10内部で全体的に沈んで圧密された状態となって、長繊維束14の集合密度が高くなり過ぎると、その上部でほとんどろ過が行われ、原水中の懸濁物の捕捉に対する有効容積が減少して、捕捉することができる懸濁物の量が少なくなり、ろ過の効率が低下してしまう。したがって、ろ過効率を向上させるために、長繊維束14を構成する長繊維には、下向流の水流に対してある程度直立性を維持する腰の強さが要求される。
そこで、本実施形態において、長繊維束14を構成する長繊維に捲縮加工を施し、その捲縮数を特定の数以上に規定した。すなわち、長繊維束14を構成する長繊維は捲縮加工がされており、捲縮数は7個/25mm以上である。ここで、「捲縮」とは、JIS L0208に記載されているように、「繊維の縮れ」のことを言う。また、「捲縮数」とはJIS L0208に記載されているように、「繊維の単位長さあたりの捲縮の数」のことを言い、捲縮数は、JIS L1015に記載されている方法に準じて、「長繊維の長さ25mmあたりの捲縮の数」として求めたものである。
長繊維束14を構成する長繊維に捲縮加工を施すことにより、下向流の水流に対してある程度直立性を維持することができ、原水中の懸濁物の捕捉に対する有効容積の減少を抑制することができる。また、捲縮加工を施すことにより、繊維の絡み合いによる空隙部が多くなり、原水中の懸濁物の捕捉をより効果的に行うことができる。
本実施形態において、長繊維の捲縮数は7個/25mm以上であるが、8個/25mm以上であることが好ましく、9個/25mm以上であることがより好ましい。捲縮数が7個/25mm未満であると、長繊維束14の腰が弱くなり、原水の下向流の水流に対して直立性を維持することができず、原水中の懸濁物の捕捉に対する有効容積が減少して、ろ過効率が低下する。捲縮数は多いほど、長繊維束14の直立性が向上して有効容積が増加し、原水中の懸濁物の捕捉をより効果的に行うことができるため好ましいが、長繊維に均一に捲縮を施すためには、上限は25個/25mm程度である。
長繊維の太さとしては、長繊維束14の直立性及び捲縮の均一性等を満足するように決めればよく特に制限はないが、20μm以上80μm未満であることが好ましく、30μm以上50μm未満であることがより好ましい。長繊維の太さが20μm未満であると、長繊維束14の屈曲が大きくなり直立性が低下するために長繊維束14の集合密度が高くなり、有効容積が減少して処理効率が低下する場合があり、80μm以上であると捲縮数7個/25mm以上に捲縮を均一に施すことが困難となる場合がある。
なお、長繊維の太さは、繊維の繊度(デニール)(JIS L0208)と繊維の比重とより繊維太さ(μm)に換算して求めたものである。例えば、2デニール(2×9,000m/g)で比重1.3の繊維の場合、1cm当たりの長さは、
〔2×9,000(m/g)×100〕/1.3=1,384,620cm/cm
となり、これより繊維の断面積Aは、
A(cm)=1/1,384,620
となる。繊維の太さR(直径:cm)は、A=(R/2)×πであることから、
R=〔(1/1,384,620)×4/π〕1/2
=0.00096cm → 9.6μm
となる。
長繊維束14の長さは、使用するろ過塔10の高さ等に応じて決めればよく特に制限はないが、500mm以上3000mm未満であることが好ましく、1000mm以上1500mm未満であることがより好ましい。長繊維束14の長さが、500mm未満であると、ろ過材の有効容積が少ないため処理効率が低下する場合があり、3000mm以上であると長繊維束14の屈曲が大きくなり直立性が低下するために長繊維束14の集合密度が高くなり、有効容積が減少して処理効率が低下する場合がある。なお、長繊維束14の長さは、ろ過塔10に充填したときに通水のない状態の水中でほぼ直立した状態での長繊維束14の上端から下端(支持体12の上部)までの長さである。
ここで、長繊維束14の直立性を表す指標として、通水前の水中の長繊維束14の長さ1000mmに対する、通水中の圧密された長繊維束の14の上端から下端(支持体12の上部)までの圧密長さ(mm)を用いることができる。ろ過材の有効容積を確保するためには、圧密長さは、200mm〜900mmであることが好ましく、300mm〜600mmであることがより好ましい。
長繊維束14を構成する長繊維の材質としてはアクリル系、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ポリアクリルアミド系、ケブラー等の合成繊維;綿、羊毛等の天然繊維などが挙げられ、これらの混合繊維であってもよい。強度が高い等の点から合成繊維が好ましく、加工性が良いとされているポリエステル系合成繊維が好ましい。また、特にポリエステル系繊維で捲縮数8以上のものが長繊維束14の直立性が高く、ろ過効率が高いことからより好ましく、ポリエステル系繊維で捲縮数9以上のものがさらに好ましい。
長繊維束14の充填密度は、原水の通水速度等に応じて決めればよく特に制限はないが、ろ過器断面積1mあたり15kg以上200kg未満であることが好ましく、ろ過器断面積1mあたり30kg以上100kg未満であることがより好ましい。長繊維束14の充填密度が、ろ過器断面積1mあたり15kg未満であると、圧力損失は小さくなるが長繊維束14の有効容積が少ないためろ過効率が低下する場合があり、200kg以上であると長繊維束14の集合密度が高くなり、有効容積が減少してろ過効率が低下する、あるいは圧力損失が大きくなる場合がある。なお、長繊維束14の充填密度は、長繊維束14の乾燥重量及び長繊維束14を充填したろ過塔10の断面積から求めたものである。
また、本実施形態に係るろ過装置1を使用することにより、ろ過速度を1000m/day以上、好ましくは1200m/day以上、より好ましくは1500m/day以上とすることができる。長繊維束14を構成する長繊維に捲縮加工を施し、捲縮数を7個/25mm以上とすることにより長繊維束14の直立性が向上し、1000m/day以上の速いろ過速度に対しても従来より損失水頭の上昇が抑制されて、ろ過継続時間が向上するため、ろ過速度を従来の800m/day程度より速くすることができる。
本実施形態において、特に、長繊維束14として、捲縮数が8個/25mm以上、太さが30μm以上50μm未満、長さが1000mm以上1500mm未満であるポリエステル系繊維を使用して、充填密度をろ過器断面積1mあたり15kg以上200kg未満となるようにすることにより、最適な状態でろ過処理を行うことができる。
支持体12としては、長繊維束14を支持するものであれば特に制限はないが、例えば、多孔板等をろ過塔10の下方内部に横設し、多孔板等に長繊維束14の下端を固定してもよいし、スチールウール等をろ過塔10の下方内部に充填し、スチールウール等に長繊維束14の下端を固定してもよい。なお、スチールウールを使用する場合は、スチールウールの下部に、スチールウールを固定支持するスクリーンを横設する。また、その他の支持体12として、焼結金属あるいはセラミック等の多孔質積層体を用いてもよい。
支持体12として、スチールウールや多孔質積層体を使用すると、通水中に長繊維束14を通過してしまうような原水中の微細な懸濁物をスチールウールや多孔質積層体により捕捉することができるので、処理水の水質をより向上させることができる。
本実施形態において、原水中の懸濁物が微細粒子である場合、例えば、懸濁物の平均粒子径が10μm未満の場合には、ろ過装置1に通水する前に、例えば、原水貯留槽26においてあるいは原水貯留槽26とろ過装置1との間に設けた処理槽(図示せず)等において、アルミニウム塩、鉄塩等の無機系凝集剤やカチオン性、アニオン性、ノニオン性の高分子凝集剤等を添加してもよい。具体的には、ポリ塩化アルミニウム凝集剤(PAC)、鉄と無機アニオンポリマである重合ケイ酸(シリカ)とを組み合わせた鉄−シリカ無機高分子凝集剤(PSI)、ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)等が挙げられる。
原水の通水を続けていくと、長繊維束14の空隙部等に懸濁物あるいは懸濁物の凝集物が捕捉され、次第に圧力損失が増加していく。圧力損失が予め設定した値になった場合、あるいは処理水の水質が予め設定した値より低下した場合には、原水の通水を停止し、逆洗水による長繊維束14の洗浄を行う。
すなわち、バルブ32,34,36を閉口状態とし、バルブ38,40を開口状態とし、ろ過塔10の下部より空気流入管24を通してブロワ30により圧縮空気を流入する。圧縮空気の流入によりろ過塔10内部の水が撹拌されるとともに、長繊維束14が振動して伸長することにより、長繊維束14の空隙部や表面等に捕捉されていた懸濁物あるいは懸濁物の凝集物が剥離される。このとき、圧縮空気の流入とともにバルブ36を開口状態として、あるいはバルブ40を閉じて圧縮空気を止めた上でバルブ36を開口状態として、ろ過塔10の下部より逆洗ポンプ44により逆洗水流入管20を通して逆洗水を流入させてもよい。逆洗水は逆洗排水流出管22を通して流出され、排水処理設備等に移送される。なお、逆洗水として、処理水槽28に滞留している処理水を使用することが好ましい。
本実施形態では、長繊維束により原水中の懸濁物を除去する水処理において、長繊維束を構成する長繊維に捲縮加工を施し、捲縮数を7個/25mm以上とすることにより、長繊維束の直立性が向上して有効容積が向上するため、速いろ過速度で運転することができ、ろ過継続時間を増加することができるろ過装置を提供することができる。また、接触材の上端が自由端となっているため、逆洗による接触材の洗浄によって、捕捉された懸濁物等を容易に取り除くことができる。
本実施形態に係るろ過装置及びろ過方法は、上水処理施設、下水処理施設、産業排水処理施設、産業用水処理施設等の各種処理工程において、上工水道水、下水2次処理水、下水2次処理水、河川水、湖沼水、凝集沈殿上澄み水、各種工程中間水、各種回収水、各種廃水等の処理に使用することができ、特に、生物処理や凝集沈澱処理の後工程に好適に使用することができる。使用可能な原水のSS(浮遊物質量)としては、10以上、好ましくは10〜20の水質の原水に対して好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1及び比較例)
実施例1として、捲縮数7個/25mm、繊維太さ43μmのアクリル繊維の長繊維束また、比較例として捲縮数5個/25mm、繊維太さ43μmのアクリル繊維の長繊維束を用い、ろ過処理を行った。繊維材質の条件を表1に示す。また、実験に使用した水処理装置を図3に示す。2塔の内径280mm、高さ4000mmのろ過塔に支持体として多孔板を使用して、一方には比較例の長繊維束を、もう片方には実施例1の長繊維束を繊維長さ1000mmでそれぞれ充填させた。原水は河川水(SS=17.8mg/L)を用い2塔同時に通水させ、ろ過速度はLV=1200m/dayとした。1時間毎に損失水頭の測定及び原水及び処理水のSS測定を行った。損失水頭が1000mmに達した時点で、カラム内に処理水及び空気を上向流にて通過させることで長繊維束を洗浄した。
(実施例2及び比較例)
実施例2として、捲縮数9個/25mm、繊維太さ39μmのポリエステル繊維の長繊維束を使用した以外は、実施例1と同様にしてろ過処理を行った。原水は河川水(SS=19.7mg/L)を用い2塔同時に通水させ、ろ過速度はLV=1200m/dayとした。
(実施例3及び比較例)
実施例3として、捲縮数9個/25mm、繊維太さ43μmのポリエステル繊維の長繊維束を使用した以外は、実施例1と同様にしてろ過処理を行った。原水は河川水(SS=18.7mg/L)を用い2塔同時に通水させ、ろ過速度はLV=1200m/dayとした。
実施例1〜3及び比較例の結果を表1に示す。ここで比較例の結果は、実施例1〜3におけるそれぞれの比較例(合計3回)の結果の平均値とした。また、通水時間に対する損失水頭の経時変化を図4に示す。ここで、損失水頭が1000mmに到達した時間をろ過継続時間とした。比較例と実施例1でろ過継続時間が大幅に違うことから、同じ材質でも捲縮数によりろ過効率に大きく差が生じることが示された。また、捲縮数がさらに多い実施例2,3では、ろ過継続時間はさらに増加した。充填された繊維の高さより求めた圧密された長さを、SS捕捉量ごとに比較した結果を、図5に示す。SS捕捉量が多いのにもかかわらず、実施例2,3では圧密された長さが短かった。繊維が圧密されなかったことで、ろ過材(長繊維束)の有効容積が失われず、ろ過継続時間が長くなったと考えられる。また、処理水質については比較例より実施例の方がSSが低かったことから、実施例がろ過材として適用可能であることが確認された。
上記の実験でろ過材として適していると分かった実施例2のポリエステル繊維の長繊維束を使用して、ろ過速度の最適な範囲を求めるための実験を行った。実施例1で使用した水処理装置の両方のカラムに実施例2で使用したポリエステル繊維の長繊維束を充填し、ろ過速度を1200,1500,2000,2250m/dayと変化させて原水を通水させた。結果を図6に示す。
図6に示すように、ろ過速度が1200〜1500m/dayではろ過継続時間が同程度であった。ろ過速度が2000,2250m/dayでは初期損失水頭が高く、ろ過継続時間も比較的低かったが、運転するには十分な時間である。ただし、ろ過継続時間が5hr程度であると原水の水質や水量の変動に対応できない場合があるので、最適なろ過速度の範囲は2000m/day以下と言える。
このように、捲縮数7以上の繊維の長繊維束をろ過材として用いることで、ろ過継続時間が大幅に増加し、SSが20mg/L程度の原水で、ろ過速度1000m/day以上での運転が可能となった。
Figure 2006198590
本発明の実施形態に係るろ過装置の一例の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の一例の構成を示す図である。 実施例1〜3及び比較例で使用した水処理装置の構成を示す図である。 実施例1〜3及び比較例における、通水時間に対する損失水頭の経時変化を示す図である。 実施例1〜3及び比較例における、充填された繊維の高さより求めた圧密された長さとSS捕捉量との関係を示す図である。 実施例1〜3及び比較例における、ろ過速度を変化させたときの損失水頭の経時変化を示す図である。
符号の説明
1 ろ過装置、3 水処理装置、10 ろ過塔、12 支持体、14 長繊維束、16 原水流入管、18 処理水流出管、20 逆洗水流入管、22 逆洗排水流出管、24 空気流入管、26 原水貯留槽、28 処理水槽、30 ブロワ、32,34,36,38,40 バルブ、42 原水ポンプ、44 逆洗ポンプ。

Claims (8)

  1. 長繊維束により原水中の懸濁物を捕捉するろ過装置であって、
    ろ過塔と、
    前記ろ過塔内部に横設または充填された支持体と、
    前記支持体に下端を固定されるとともに、その上端を自由端とした長繊維束と、
    を有し、
    前記長繊維束を構成する長繊維は捲縮加工がされており、捲縮数は7個/25mm以上であることを特徴とするろ過装置。
  2. 請求項1に記載のろ過装置であって、
    前記長繊維の太さは、20μm以上80μm未満であることを特徴とするろ過装置。
  3. 請求項1または2に記載のろ過装置であって、
    前記長繊維の材質は、ポリエステルであることを特徴とするろ過装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のろ過装置であって、
    前記ろ過の速度は、1000m/day以上であることを特徴とするろ過装置。
  5. 長繊維束により原水中の懸濁物を捕捉するろ過方法であって、
    前記長繊維束の下端を支持体に固定するとともに、その上端を自由端とし、前記長繊維束に下向流で前記原水を通水することによりろ過を行い、
    前記長繊維束を構成する長繊維は捲縮加工がされており、捲縮数は7個/25mm以上であることを特徴とするろ過方法。
  6. 請求項5に記載のろ過方法であって、
    前記長繊維の太さは、20μm以上80μm未満であることを特徴とするろ過方法。
  7. 請求項5または6に記載のろ過方法であって、
    前記長繊維の材質は、ポリエステルであることを特徴とするろ過方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載のろ過方法であって、
    前記ろ過の速度は、1000m/day以上であることを特徴とするろ過方法。
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