JP2000218111A - ろ過布およびその製造方法 - Google Patents

ろ過布およびその製造方法

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JP2000218111A
JP2000218111A JP11018551A JP1855199A JP2000218111A JP 2000218111 A JP2000218111 A JP 2000218111A JP 11018551 A JP11018551 A JP 11018551A JP 1855199 A JP1855199 A JP 1855199A JP 2000218111 A JP2000218111 A JP 2000218111A
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Hidemoto Okada
英基 岡田
Takashi Shiotani
隆 塩谷
Yasushi Sasaki
康 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微粒子の捕捉性やろ過布の耐久性に優れたろ過
布を提供する。 【解決手段】ベース層上にろ過層を形成してなるろ過布
であって、前記ろ過層が捲縮を有する単繊維を含み、そ
の単繊維を前記ベース層に固定し、前記単繊維の捲縮率
を2〜45%の範囲とし、かつ、ろ過布の伸び率を10
%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベース層と、捲縮
する単繊維を含むろ過層とを有するろ過布に関する。
【0002】さらに詳しくは、液体のろ過において好適
に使用できる、微粒子の捕捉性や形態保持性、耐久性、
透過性などの特性に優れたろ過布に関する。
【0003】
【従来の技術】水や溶剤などの液体に含まれる微粒子を
ろ過するためのろ材として、繊維を用いた織物や編物や
不織布からなるろ過布がこれまでに広く使用されてい
る。
【0004】しかしながら、上記のようなろ過布は、繊
維間の隙間に原水を通過させて、原水中に含まれる粒子
を捕捉するもので、より小さな粒子を捕捉するために
は、種々の工夫が必要であった。
【0005】そこで、たとえば、特公昭62−1304
6号公報では、織物を起毛加工して、立毛からなるろ過
層を形成することによって、固形成分の阻止率向上を図
ることが説明されているが、これは、表面の立毛の長さ
が短く、立毛量も少ないため、微粒子の捕捉性は不十分
であった。さらに、立毛量の増加には限界があり、微粒
子の阻止性を向上させる有効な手段にはなり得ず、ま
た、起毛回数を増加させると繊維の切断が随所で発生
し、短期間でろ過布に裂け目が生じ、形態保持性や耐久
性が低いという問題があった。
【0006】また、実公平4−14112号公報では、
編地部の片面に立毛部を設け、この立毛部の繊維密度な
どを所定の値とすることで、ろ過効率の向上を図ること
が説明されているが、これは、立毛繊維が編地部に対し
ほぼ垂直に起毛したものであるため、ろ過の初期段階で
目詰まりを引き起こしやすく、透水性が低下するという
問題があった。
【0007】さらに、特開平8−155228号公報で
は、ベース層上に繊維からなるろ過層を設け、それぞれ
の層の厚みを規定することにより、微粒子の捕捉性向上
を図ることが説明されているが、これは、ろ過層を構成
する繊維が捲縮を有しないため、微粒子の捕捉性につい
てはなお不十分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来の固液分離に用いられるろ過布の問題点を解決
し、液体の透過性や微粒子の捕捉性が高く、形態保持性
や耐久性に優れたろ過布を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、ベース層上にろ過層を形成してなるろ過布
であって、前記ろ過層は、捲縮を有する単繊維を含み、
その単繊維は前記ベース層に固定され、前記単繊維の捲
縮率が2〜45%の範囲にあり、かつ、ろ過布の伸び率
が10%以下であるろ過布を特徴とするものである。
【0010】ここで、ベース層が織物であることも好ま
しい。
【0011】また、単繊維が織物に織り込まれているこ
とも好ましく、単繊維が自由端を有していることも好ま
しい。
【0012】さらに、単繊維の長さLが2〜20mmの
範囲にあることも好ましい。
【0013】また、単繊維の長さLとろ過層の厚さTと
の比T/Lが0.02〜0.7の範囲にあることも好ま
しい。
【0014】さらに、ベース層表面における1cm2
たりの単繊維の出現数が2.0×103〜1.8×107
本の範囲にあることも好ましい。
【0015】また、ベース層上に立設、固定された繊維
束に流体を作用させ、その繊維束を構成している単繊維
同士を交絡させてろ過層を形成するろ過布の製造方法も
好ましい。
【0016】この場合、二重織物を層間で切断すること
により繊維束を形成することも好ましく、流体が水であ
ることも好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一実施態様に係るろ過布
は、図1に示すように、捲縮を有する単繊維1がろ過層
2を構成し、織物からなるベース層3に織り込まれるよ
うにして固定されている。水などの被ろ過流体は、図中
の矢印A方向から供給され、ろ過が行われる。
【0018】本発明において、ベース層上に形成された
ろ過層は、捲縮を有する単繊維を含み、この単繊維はベ
ース層上に固定されている。単繊維は、捲縮を有するこ
とにより、微粒子を捕捉するのに適度な間隙を備えるこ
とができ、同時に被ろ過流体の透過性を保つことができ
る。
【0019】上記の、捲縮を有する単繊維の捲縮率は2
〜45%の範囲にある。この捲縮率は、単繊維間の空間
を適度に保ち、微粒子の捕捉性を高めるために、2〜3
5%の範囲にあることがより好ましく、さらに2〜25
%の範囲にあることが好ましい。捲縮率が2%を下回る
と、単繊維同士が収束して、ろ過布の表面を十分に覆う
ことができにくくなり、微粒子の捕捉性が低下する傾向
にある。また、捲縮率が45%を超えると、単繊維同士
が部分的に集合して、ろ過布の表面を均一に覆うことが
できにくくなり、微粒子の捕捉性が不十分となる傾向に
ある。
【0020】ここで捲縮率とは、JIS L 1090
に記載の方法で測定した値をいう。
【0021】また、単繊維は上記の捲縮とともに交絡を
形成していても好ましい。交絡を形成することにより、
単繊維同士の間隔を一定範囲内に保ちやすくなり、微粒
子の捕捉性を向上することができる。
【0022】また、ろ過布に強い張力がかかった場合
に、ろ過布が変形するのを防ぐために、ろ過布の伸び率
は10%以下とする。10%を超えると、目開きが起こ
りやすく、微粒子の捕捉性が悪くなる傾向がみられる。
ここで、伸び率とは、標準条件下において、幅3cmの
短冊状試験片に20cmの間隔でマーキングをし、所定
の荷重をかけた時のマーキング間の長さを測定したと
き、次の式によって求められる値である。
【0023】伸び率(%)=((b−a)/a)×10
0 a:荷重1Nを試験片にかけた時のマーキング間の長さ b:120Nの荷重をかけて90分間経過後の荷重をか
けた状態でのマーキング間の長さ ベース層については、織物構造を有するものが、形態保
持性に優れるため好ましい。編物構造や不織布構造を有
するものは、弱い張力下においても、ろ過布が膨らんだ
り、歪んだり、伸びたりして変形が起こりやすくなる。
【0024】また、ろ過布の変形を防ぐために、ベース
層を構成する繊維として、JISL1013の方法で測
定した初期引張抵抗度が2,450N/mm2以上、好
ましくは2,940N/mm2以上、さらに好ましくは
3,430N/mm2以上のものを用いると、優れた形
態保持性を得ることができる。
【0025】ろ過層に含まれる単繊維は、自由端を有し
ていることが好ましい。ここで、自由端とは、単繊維の
先端が解放されていて自由に動き得る状態にある単繊維
の端部をいう。単繊維が自由端を有することにより、洗
浄時において単繊維間に捕捉された粒子を除去しやすく
なり、ろ過布の耐久性を高めることができる。
【0026】この単繊維は、0.001〜2デニールの
範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.001
〜1デニールの範囲、さらに好ましくは0.03〜0.
5デニールの範囲である。0.001デニールを下回る
と、単繊維が切断しやすくなり、ろ過布の耐久性が不足
する傾向にある。また、0.5デニールを超えると、単
繊維間の間隙が大きくなり、微粒子の捕捉性が低下しや
すい。
【0027】単繊維の材質としては、たとえば、ナイロ
ン6やナイロン66やナイロン12や共重合ナイロンな
どのポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレートや共重合ポリエチレンテレフタレートやポリ
ブチレンテレフタレートや共重合ポリブチレンテレフタ
レートなどのポリエステル、全芳香族ポリエステル、ポ
リエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポ
リウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、
ポリビニルアルコール、ビニル重合体、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリハイドロサルファイト、ポリフッ化エチレ
ン、共重合ポリフッ化エチレン、ポリオキシメチレンを
用いることができる。また、これらを組み合わせて、芯
鞘構造やバイメタル構造などを有する複合単繊維を用い
ることもできる。0.1デニール以下の極細単繊維を用
いる場合には、海島構造を有する繊維から海成分を除い
て得られる単繊維を用いると好ましい。
【0028】また、上記の単繊維は、その複数本が集合
した束状の繊維束を形成していても好ましい。この場
合、その繊維束のトータルデニールは、ろ過性能や加工
性の観点から、50〜2,000デニールの範囲にある
ことが好ましい。また、繊維束に含まれる単繊維の本数
は、50〜20,000本の範囲にあることが好まし
い。
【0029】ろ過層を構成する単繊維の長さLは、2〜
20mmの範囲にあることが好ましい。ここで、単繊維
の長さとは、各繊維が伸長した状態で計測した値をい
う。この単繊維の長さが2mmを下回ると、ろ過に寄与
できる単繊維の量が少なくなるため、微粒子の捕捉性が
低下しやすい。また、単繊維の先端部分がろ過層の表面
に林立し、単繊維間に粒子が堆積して目詰まりを引き起
こしやすく、寿命も低下することが多い。一方、単繊維
の長さLが20mmを超えると、微粒子の捕捉性は向上
するものの、被ろ過流体の透過性が悪くなり、処理量が
低下する傾向がある。
【0030】また、上記の単繊維がベース層に固定され
ている部分、すなわちベース層の上端面(表面が凹凸を
有する場合は凸部の上端)から単繊維端部までの平均長
(単繊維の長さ)をL(mm)とし、ろ過層の厚みをT
(mm)としたとき、T/Lは0.02〜0.7の範囲
にあることが好ましい。より好ましい範囲は0.02〜
0.6であり、さらに好ましくは0.02〜0.5の範
囲である。特に、0.5デニール以下の単繊維を用いる
場合は、0.02〜0.25の範囲にあることが好まし
い。
【0031】ここで、ろ過層の厚みTとは、ろ過布の厚
みからベース層の厚みを差し引いた値をいう。すなわ
ち、3cm×3cmのろ過布を3枚重ね、2cm2の測
定子を6gの荷重でろ過布の上に静置し、10秒後に厚
みを測定し、これを3回繰り返してその平均値を求め、
その値を3で除してろ過層の厚みT1とし、同様に、ろ
過層の単繊維を取り除いてベース層の厚みを測定し、こ
れをT2としたときT1−T2をもって求められる値をい
う。
【0032】上記のT/Lが0.02より小さい場合
は、微粒子の捕捉性が低下したり、ろ過層の中の微粒子
保持量が減少したりする傾向が現れる。また、ろ過層が
緻密となり、目詰まりを引き起こしやすくなる。T/L
が0.7より大きい場合は、ろ過層の内部に微粒子が入
り込みやすく、阻止されずにそのまま通過していってし
まうため、高い阻止率が得られにくい。また、T/Lが
0.7より大きく、かつ、ベース層が緻密な構造である
場合には、単繊維間に入り込んだ微粒子が堆積して目詰
まりを引き起こし、洗浄を行っても入り込んだ微粒子を
洗い落としにくく、寿命が低下しやすくなる。
【0033】ベース層表面における1cm2あたりの単
繊維の出現数は、2×103〜1.8×107本の範囲で
あることが好ましく、さらに好ましくは2.5×103
〜1.0×107本の範囲である。出現数が2×103
を下回ると、単繊維同士の間隔が増大してベース層を有
効に覆いにくくなり、微粒子の捕捉性が低下しやすい。
また、1.8×107本を超えると、単繊維同士の間隔
が小さくなり、被ろ過流体の通過抵抗が増大して圧力損
失が高くなるとともに、処理量も低下しやすい。また、
単繊維間に入り込んだ微粒子を除去しにくくなり、ろ過
布の寿命が低下する傾向がみられる。
【0034】次に、本発明のろ過布の製法について述べ
る。
【0035】本発明におけるろ過布は、たとえば、仮撚
加工などを施した捲縮を有する単繊維をベース層上に立
設、固定することによって得ることができる。
【0036】単繊維を立設、固定する方法としては、接
着や熱融着や超音波融着などを用いて繊維を植毛する方
法や、ベース層を起毛加工する方法などを挙げることが
できるが、ベース層が織物である場合には、単繊維を織
り込んで固定すると、単繊維が脱落しにくく、また溶剤
成分の溶出もないので好ましい。織り込む方法として
は、たとえば、その織物の織工程に際して、2枚の織物
の間にろ過層を構成する単繊維や繊維束を同時に織り込
んで一体化した二重織物とし、その二重織物を層間で切
断して、織物に単繊維や繊維束が織り込まれた状態を作
り出す方法を挙げることができる。また、ベース層に織
り込んだ後に超音波により溶着するなど、上述した方法
を組み合わせて用いることもできる。
【0037】単繊維のベース層への固定は、単繊維や繊
維束がベース層表面を十分に覆うよう等間隔に行うこと
が好ましい。単繊維や繊維束が疎な部分や、存在しない
部分があると、ろ過性能に影響を与える。これは、たと
えば単繊維や繊維束を格子状に規則的に固定したり、ラ
ンダムに固定したりすることにより行うとよい。
【0038】また、微粒子の捕捉性を高めるために、単
繊維を交絡させることも好ましいが、交絡を形成する方
法としては、各種流体を単繊維や繊維束に接触させた
り、衝突させたりして作用させる方法を挙げることがで
きる。流体としては、たとえば、水やアルコールなどの
液体や、空気などの気体や、シリカなどの微小固体を用
いることができる。中でも、水を用いると、経済的に有
利であり、取り扱いも簡便であり、安全上も好ましい。
この場合、たとえば、小径ノズルから水を噴射するウオ
ータジェットパンチ加工を単繊維や繊維束に施して、単
繊維の方向性を乱し、単繊維同士を交絡させる方法をあ
げることができる。単繊維や繊維束の配列周期と一致し
ないように、ノズルを振動させるなどして適度に噴射位
置を変化させるとよい。また、ウオータジェットパンチ
加工に用いる水の圧力は、4.9〜9.8MPaの範囲
にあることが好ましい。4.9MPaより小さい場合は
均一な交絡が得られず、微粒子の捕捉性が一定となりに
くい。また、9.8MPaを超えると、ベース層にまで
影響を及ぼし、ろ過布の耐久性や形態保持性、寿命など
が低下しやすい。
【0039】ウオータジェットパンチ加工を行う場合、
用いる水としては、ろ過布を汚染しない程度に不純物を
取り除いた水を用いることが好ましい。また、アルコー
ルやグリセリンなどの水溶液を用いることもでき、さら
に、洗浄剤や保湿剤などの添加剤を含ませることもでき
る。
【0040】
【実施例】実施例および比較例においては下記の評価方
法を用いた。 (1)阻止率 図2に示した装置を用い、JIS K 0102に準じ
て測定を行う。なお、原水については活性汚泥処理にお
ける余剰汚泥(5,015mg/lの浮遊物を含む)を
用い、ろ紙には孔径1μm(たとえばミリポア(株)
製)のものを使用する。
【0041】阻止率は、ろ過後の残留物質を含んだろ紙
の重量を測定して、次式によって算出する。重量は絶乾
重量(110℃の乾燥器中で2時間乾燥後、デシケータ
中で放冷した後の重量)を用いる。
【0042】阻止率(%)=(1−(b−a)/(b′
−a′))×100 a :濾過水を透過する前の濾紙の絶乾重量(g) b :濾過水の残留物質を含んだ濾紙の絶乾重量(g) a′:原水を透過する前の濾紙の絶乾重量(g) b′:原水の残留物質を含んだ濾紙の絶乾重量(g) (2)透水係数 図2に示した装置を用いる。ろ過布5(試験片)は測定
前に蒸留水に一昼夜浸漬して、水になじませておく。ろ
過布5を下部ろ過管12上の金網6の上に置き、クラン
プ10で上部ろ過管4に固定する。上部ろ過管4に蒸留
水9を溜め、ポンプ8にて水頭高さ500mmを保持し
ながら、コック11を全開し、1〜1.5リットルのろ
過水をメスシリンダ7にて採取する。同時にコック全開
時間を計測し、次式により透水係数Kを求める。
【0043】 K(ml/cm2・秒)=W/(9.6×S) ただし、Wは採取したろ過水(ml)、Sはコック全開
時間(秒)、9.6はろ過布のろ過面積(cm2)。表
1に示した初期透水係数は、原水を透過する前の新しい
試料を試験した時の透水係数値である。 (3)限界透水係数までの時間 図2の装置を用い、透水係数が1ml/cm2・秒とな
るまでの時間を限界透水係数までの時間とする。なお、
原水については活性汚泥処理における余剰汚泥(5,0
15mg/lの浮遊物を含む)を用いた。 (実施例1)ベース層の糸として、ポリエチレンテレフ
タレートからなる150デニール、48フィラメントの
糸(F1)を用い、ろ過層の繊維としてポリエチレンテ
レフタレートからなる240デニール、576フィラメ
ントの糸に捲縮率19%の仮撚加工を行ったもの(F
2)を用いた。上記F1を経糸および緯糸に用いて織物
を構成してベース層とし、この経糸2本に1本の割合で
上記F2をベース層間に配置した二重織物を作成した
(F2は、織物の緯糸と交互に交絡点を持って2枚の織
物を一体化している)。織物の間隔は6mmとした。つ
いで、得られた二重織物について、厚さ方向の中央で織
物の表面と平行にスライスした。
【0044】次に、これらの織物の繊維の面を繊維の傾
斜している方向にあわせて細かい凹凸のある回転ブラシ
ロールの表面に接触させて繊維を開繊させ、ろ過層の表
面に繊維をくまなく展開させると同時に方向を揃えた。
引き続き、加熱した平滑な金属ロールとゴムロールの間
を、繊維の面を金属ロールの表面に接触させ繊維をその
状態にセット固定した。その後、6.37MPaの水圧
でウオータジェットパンチ加工を行い、ろ過層の厚さが
1.2mmのろ過布を作った。
【0045】得られたろ過布の評価結果を表1に示す。 (実施例2)二重織物の間隔を21mmとし、ウオータ
ジェットパンチ加工の水圧を7.06MPaとしてろ過
層の厚さを3.8mmとした他は実施例1と同様にして
ろ過布を作成した。評価結果を表1に示す。 (実施例3)二重織物の間隔を38mmとし、ウオータ
ジェットパンチ加工の水圧を9.60MPaとしてろ過
層の厚さを4.5mmとした他は実施例1と同様にして
ろ過布を作成した。評価結果を表1に示す。
【0046】
【比較例】(比較例1)二重織物の間隔を24mmと
し、ウオータジェットパンチ加工を行わなかった他は実
施例1と同様にしてろ過布を作成した。評価結果を表1
に示す。 (比較例2)二重織物の間隔を38mmとし、ウオータ
ジェットパンチ加工を行わなかった他は実施例1と同様
にしてろ過布を作成した。評価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、ベース層に固定された
単繊維が捲縮を有し、かつ、前記単繊維の捲縮率が2〜
45%の範囲にあり、さらに、ろ過布の伸び率が10%
以下であるので、単繊維同士の間隔を適度に保つことが
でき、微粒子の捕捉性に優れ、かつ、形態保持性に優れ
たろ過布を得ることができる。
【0049】また、ベース層が織物である場合には、変
形しにくい、さらに形態保持性に優れたろ過布を得るこ
とができる。この場合、ろ過層を構成する単繊維が織物
に織り込まれている場合には、単繊維の脱落が少なく、
耐久性に優れたろ過布を得ることができる。
【0050】さらに、単繊維が自由端を有している場合
には、単繊維間に捕捉された粒子を取り除くことが容易
となるので、洗浄回復性に優れたろ過布を得ることがで
きる。
【0051】また、単繊維の長さLが2〜20mmの範
囲にある場合には、単繊維間に適度に粒子を保持するこ
とができるので、目詰まりを起こしにくい、寿命の長い
ろ過布を得ることができる。
【0052】さらに、単繊維の長さLとろ過層の厚さT
との比T/Lが0.02〜0.7の範囲にある場合に
は、単繊維同士の間隔をさらに適度に保つことができ、
微粒子の捕捉性に優れたろ過布を得ることができる。
【0053】また、ベース層表面における1cm2あた
りの単繊維の出現数が2.0×103〜1.8×107
の範囲にある場合には、被ろ過流体の処理量と微粒子の
捕捉性とを共に高めたろ過布を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るろ過布の概略断面図
である。
【図2】ろ過布の透水係数を測定するための装置の概略
側面図である。
【符号の説明】
1:単繊維 2:ろ過層 3:ベース層 4:上部ろ過管 5:ろ過布(試験片) 6:金網 7:メスシリンダ 8:ポンプ 9:蒸留水 10:クランプ 11:コック 12:下部ろ過管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D019 AA03 BA13 BB02 BB13 BB18 BD03 BD10 CB06 DA02 DA03 DA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベース層上にろ過層を形成してなるろ過布
    であって、前記ろ過層は、捲縮を有する単繊維を含み、
    その単繊維は前記ベース層に固定され、前記単繊維の捲
    縮率が2〜45%の範囲にあり、かつ、ろ過布の伸び率
    が10%以下であることを特徴とするろ過布。
  2. 【請求項2】ベース層が織物である、請求項1に記載の
    ろ過布。
  3. 【請求項3】単繊維が織物に織り込まれている、請求項
    2に記載のろ過布。
  4. 【請求項4】単繊維が自由端を有している、請求項1〜
    3のいずれかに記載のろ過布。
  5. 【請求項5】単繊維の長さLが2〜20mmの範囲にあ
    る、請求項1〜4のいずれかに記載のろ過布。
  6. 【請求項6】単繊維の長さLとろ過層の厚さTとの比T
    /Lが0.02〜0.7の範囲にある、請求項1〜5の
    いずれかに記載のろ過布。
  7. 【請求項7】ベース層表面における1cm2あたりの単
    繊維の出現数が2.0×103〜1.8×107本の範囲
    にある、請求項1〜6のいずれかに記載のろ過布。
  8. 【請求項8】ベース層上に立設、固定された繊維束に流
    体を作用させ、その繊維束を構成している単繊維同士を
    交絡させてろ過層を形成することを特徴とするろ過布の
    製造方法。
  9. 【請求項9】二重織物を層間で切断することにより繊維
    束を形成する、請求項8に記載のろ過布の製造方法。
  10. 【請求項10】流体が水である、請求項8または9に記
    載のろ過布の製造方法。
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