JP3144246B2 - ろ過布 - Google Patents

ろ過布

Info

Publication number
JP3144246B2
JP3144246B2 JP29825094A JP29825094A JP3144246B2 JP 3144246 B2 JP3144246 B2 JP 3144246B2 JP 29825094 A JP29825094 A JP 29825094A JP 29825094 A JP29825094 A JP 29825094A JP 3144246 B2 JP3144246 B2 JP 3144246B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter cloth
fiber bundle
base layer
filtration
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29825094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08155228A (ja
Inventor
博恭 加藤
学 寺尾
芳宏 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP29825094A priority Critical patent/JP3144246B2/ja
Publication of JPH08155228A publication Critical patent/JPH08155228A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3144246B2 publication Critical patent/JP3144246B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基布たるベース層とベ
ース層に根元部を有する繊維束から構成されたろ過層と
を有するろ過布に関する。
【0002】さらに詳しくは、微粒子の捕捉性、洗浄回
復性、形態保持性、耐久性に優れ、液体のろ過において
は、さらに透水性に優れ懸濁物質の分離に好適に使用で
きる新規なろ過布に関するものである。
【0003】
【従来の技術】空気やガスなどの気体や、水や溶剤など
の液体に含まれる微粒子をろ過するための濾材として、
繊維を用いた織編物や不織布からなるろ布が広く使用さ
れている。特に水中浮遊物質のろ過には、平、綾、朱子
のいわゆる三元織組織を基本とする格子構造の織物が使
用されてきた。又、特公昭62−13046号公報や特
公平2−47244号公報には、緯糸に極細繊維を用い
た織物を起毛加工し、表面に極細繊維の立毛を形成した
ろ布が知られている。また、表面に繊維束を有する濾材
として、実公平2−36568号公報、実公平5−34
730号公報、実開平4−14112号公報に記載され
たフィルターやろ過布が知られている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、繊維
を用いた織編物からなる従来のろ過布は、繊維の格子構
造の隙間から原水を通過させてそこに含まれる粒子を格
子で捕捉するものであるため、格子の隙間のサイズより
小さい粒子のほとんどは捕捉されずに通過してしまう。
小さい粒径の粒子を捕捉するため織密度を高くし格子の
サイズを小さくしたものもあるが、ろ過布における隙間
の比率が少なくなってろ過できる処理量が極端に低下
し、かつ、すぐ目詰まりしてろ過ができなくなってしま
う。また、織物を構成する糸や繊維を細くして、小さい
粒子の捕捉性向上をねらったものもあるが、繊維と繊維
の隙間に一旦食い込んだ粒子は逆洗等を行っても洗い落
とすことが容易でなく、早期に目詰まりを引き起こす問
題があった。また、糸や繊維が細いためろ布の強力が低
く、耐久性が低いものであった。一方、編物構造のもの
は編物の伸びが大きく形態保持性に劣るものであった。
また、ろ布が変形しやすくこれにより隙間が大きく変化
するため、阻止できる微粒子の粒径が変動し、安定的な
ろ過性能が得られないという問題があった。不織布構造
のろ過布は、繊維の三次元構造で比較的厚みが厚く緻密
であるため、粒子の捕捉性はよいが圧力損失が高く、ま
た、三次元の格子の中に一旦捕捉された粒子を取り除く
ことは難しく、ろ過布の再生が困難で再使用性に劣るも
のである。また、張力がかかった場合容易に変形するた
め、形態保持性に劣るものである。
【0005】また、特公昭62−13046号公報や特
公平2−47244号公報に記載されたろ過布は、表面
の立毛の長さが短く立毛の量も少ないため、微粒子の阻
止性能に限界があった。また緯糸を構成する極細繊維束
の表層部分は繊維が引き出されてループ形状になってい
るため、この部分に微粒子がトラップされて目詰まりを
引き起こしやすく、一旦微粒子が入り込んでしまうとそ
れを除去するのが困難なため、洗浄などによる性能の回
復性に劣るものであった。起毛回数を増やしても立毛の
増加には限界があるため微粒子の阻止性向上させる有効
な手段にはなり得なかった。反対に、起毛回数の増加と
ともに緯糸を構成している繊維の切断が随所で起こるた
め緯糸の強力低下を引き起こし、短期間の使用でろ過布
の経糸方向に裂け目が生じやすく、耐久性の低いろ過布
しか得られなかった。さらに、実公平2−36568号
公報に記載されたろ過布は、基布およびパイルを樹脂で
硬化結束する場合、パイルの上部まで樹脂が浸透してき
て付着むらを生じやすく、樹脂の付与を均一にコントロ
ールするのが困難であった。このため、上部まで樹脂が
浸透して硬化結束された繊維束の部分は穴となり、その
部分では微粒子の捕捉ができないのでろ過布としては粒
径の大きい粒子の捕集のみを対象とするものにならざる
を得なかった。また、空気清浄機用フィルターと対象と
するものであるため、液体のろ過には全く適用できない
ものであった。また、実公平5−34730号公報に記
載されたろ過布は、パイルの先端を屈曲せしめ毛割りし
てなるろ過布であるが、パイルのヘタリを防止するため
繊度のかなり太い数十デニール程度の繊維の使用が必要
であること、およびパイルとパイルの間には隙間が多い
ことのため、粒子径の小さい粒子の集塵効率が低いもの
であった。また、空気清浄用集塵ろ過布であるため液体
のろ過には全く適用さないものであった。さらに、実開
平4−14112号公報に記載されたろ過布は、立毛繊
維が編地部に対しほぼ垂直に起立したものであるため、
繊維そのもので粒子の通過を阻止できる割合が低く、林
立した繊維と繊維の間への粒子の入り込みによってろ過
の初期の段階で目詰まりを引き起こしやすものであっ
た。また、編地部の目の大きさに比べ粒子の径が小さい
場合は、起立した立毛繊維の間に入り込んだ粒子は編地
部の格子でも捕捉されず目を通過してしまうため、微粒
子の阻止性能が低いという問題があった。また、ろ過中
に立毛繊維が横臥した場合においても、横臥の方向がま
ちまちで編地部が随所に露出するため、阻止性能の向上
には限界があった。
【0006】本発明の目的は、上記従来のろ過布におけ
る問題点を解決し、微粒子の捕捉性、洗浄回復性、耐久
性に優れた新規なろ過布を提供することにあり、他の目
的は、液体のろ過における微粒子の阻止率が高く、高い
透水性と目詰まり耐久性、および優れた形態保持性と長
い寿命を有する懸濁物質の分離に好適に使用できる新規
なろ過布を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記の
構成により基本的に達成される。即ち、「ベース層とろ
過層とから少なくともなり、該ろ過層を構成する繊維束
の繊維の長さ(L)とろ過層の厚さ(T)との比T/L
が0.02〜0.7、該繊維のベース層表面への投影面
積の総和がベース層表面の面積の8〜350倍であり、
かつ、長さ方向および幅方向の伸び率が10%以下であ
ることを特徴とするろ過布。」 本発明のろ過層を構成する繊維束に使用しうる繊維は、
繊維形成能を有する高分子物質からなり、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロンなどのポ
リアミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレ
ート、共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、共重合ポリブチレンテレフタレート
などのポリエステル、全芳香族ポリエステル、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリウレ
タン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリビ
ニルアルコール、ビニル重合体、ポリ塩化ビニリデン、
ポリハイドロサルファイト、ポリフッ化エチレン、共重
合ポリフッ化エチレン、ポリオキシメチレンなどがあげ
られる。また、これら高分子物質の複数を組み合わせた
芯鞘構造、多重芯鞘構造、海島構造、バイメタル構造な
どの複合繊維や繊維の種類の組み合わせも目的に応じて
用いられる。繊維の太さとしては、比較的細い2デニー
ル以下が好ましいが、微粒子の捕捉性能を向上させるに
は、0.001〜1デニールがより好ましく、繊維の耐
久性を高く維持しつつ微粒子の捕捉性能を向上させるに
は、0.03〜0.5デニールがさらに好ましい。
【0008】本発明の繊維束とは、多数本の異種または
同種の繊維が束状に相互配列されたものである。繊維束
のトータルデニールは特に限定されるものではないが、
ろ過性能や加工性から、おおよそ、50〜2000デニ
ールの範囲が好ましい。また、繊維束に含まれる繊維の
本数は、前記のトータルデニールをおおよそ満たす範囲
で、単繊維のデニール数により変動し得るが、一例とし
て、50〜20000本/束の範囲が挙げられる。ろ過
層を構成する繊維束は、その少なくとも一方の端が自由
端であり、もう一方の端もしくは繊維束の途中の部分が
ベース層と一体化されているものが好ましい。繊維束の
端の部分あるいは繊維束の途中の部分とベース層とは、
ベース層の糸との交絡、接着剤による接着、熱融着、超
音波接着およびこれらの組み合わせなどにより一体化さ
れているものである。ベース層の構造が織物であり、ろ
過層の繊維束の根元部分がベース層の緯糸および/また
は経糸と3か所以上交互に交絡している構造のろ過布
は、使用中に繊維束が脱落しにくいためより好ましい。
一体化部分は、ベース層表面に規則的に配置されている
のが好ましいが、規則的でない場合でも、ろ過性能に影
響を与える繊維束の粗な部分や繊維束のない部分がな
く、ベース層表面に一体化部分がまんべんなく位置する
ように配置されているのが好ましい。
【0009】本発明の目的を達成するためには、繊維束
がベース層と一体固定化されている部分すなわちベース
層の最表面の位置から自由端までの繊維束繊維の平均長
さをL(mm)、ろ過層の厚さをT(mm)としたと
き、T/Lが0.02〜0.7であることが必要であ
る。T/Lが0.02より小さい場合は、微粒子の捕捉
性が低くまたろ過層の中に微粒子を多く保持できない
か、または、ろ過層が緻密すぎてすぐ目詰まりを引き起
こしやすいため好ましくない。0.7より大きい場合
は、ろ過層の表層部ではほとんどろ過されずにろ過層の
内部に微粒子が入り込みやすく阻止されずにそのまま通
過していってしまうため高い阻止率が得られず好ましく
ない。また、0.7より大きい場合でベース層が緻密な
構造のときは、内部に入り込んだ微粒子が堆積して目詰
まりを引き起こし、洗浄を行っても内部に入り込んだ微
粒子を洗い落としにくく、洗浄回復性に劣るため好まし
くない。T/Lの値としてより好ましいのは、0.02
〜0.6であり、さらに好ましいのは、0.02〜0.
5である。ろ過層の繊維が0.5デニール以下のとき
は、特に0.02〜0.25が好ましい。本発明におけ
るろ過層のすべての繊維を平面の上に並べたとき、平面
への個々の繊維の投影面積の総和が、対応するろ過布の
面積の8〜350倍にあることが必要である。
【0010】8倍より小さい場合は、ベース層表面にお
ける繊維のカバーが不十分で粒子の捕捉が十分行われな
いため阻止率が低く、ろ過層における粒子の保持量が少
ないため一旦目詰まりが発生し出すとろ過圧力の上昇が
急激に起こる問題があった。また逆に、350倍より大
きい場合は、ろ過層の繊維の量が多過ぎて透水性が極端
に低下して処理できる量が少なくなり効率的な処理がで
きない。10〜250倍において高い阻止率と高い透水
性のバランス化に対してより好ましい結果が得られる。
【0011】また、ベース層表面における繊維束の株
は、数が少なくて株と株の間隔が空きすぎてベース層の
隙間部分を充分カバーできず、粒子の捕捉性が悪くなら
ないようにすべきである。また、逆に、数が多すぎると
株と株の間隔が狭くなって気体や液体の通過抵抗が増大
して圧力損失が高くなり、処理できる量も少なくなる。
また、繊維束間や繊維束内に入り込んだ粒子を除去しに
くくなり、ろ過布の再生性が低下してくる。したがっ
て、ベース層表面における繊維束の出現頻度は、40〜
900株/cm2 であることが好ましい。50〜500
株/cm2 の時より好ましい結果が得られる。
【0012】ろ過層の繊維の長さが短くなり過ぎると、
ろ過に寄与できる繊維の量が少なくなるため、粒子の捕
捉性が低下してくる。また、繊維が撓みにくくなり繊維
の先端部分がろ過層の表面に林立する状態になりやすい
ため、林立した繊維の谷間に粒子が堆積して目詰まりを
引き起こしやすく、洗浄回復性も低下する。逆に、ろ過
層の繊維の長さが長くなり過ぎると、粒子の捕捉性はよ
くなるが、気体や液体の通過性が悪くなり処理できる量
が低下する。また、ろ過中に繊維同志が絡みあってネッ
プ状の塊を生じやすい。これらのことから、ろ過層の繊
維の長さは2mm〜20mmであることが好ましい。2
mm〜15mmのときより好ましい結果が得られる。こ
こで言う繊維の長さとは、繊維束がベース層と一体固定
化されている部分すなわちベース層の最表面の位置から
自由端までの繊維束繊維の平均長さを言う。ろ過布に強
い張力がかかった場合に大きく変形するのを避けるため
には、長さ方向および幅方向の伸び率は10%以下が好
ましい。ここで言う伸び率とは、標準条件下で、幅3c
mの短冊状の試験片に20cmの間隔でマーキングを
し、長さ方向の試験片に対しては12kgfの荷重をか
け、幅方向の試験片に対しては6kgfの荷重をかけ、
90分間経過後マーキング間の長さを測定する。このと
き次の式によって伸び率を求める。
【0013】 伸び率=(b−a)÷a×100 (%) ここに、aは初加重100gfを試験片にかけた時のマ
ーキング間の長さを表し、bは荷重をかけて90分間経
過後の荷重をかけた状態でのマーキング間の長さを表
す。ベース層の目あいが拡がってろ過性能が低下するの
を避けるため、長さ方向は8%以下がより好ましく、6
%以下はさらに好ましい。また、幅方向の伸び率は経方
向に比べやや高い値が許されるが、それでもより好まし
くは9%以下がよく、7%以下はさらに好ましい。
【0014】ろ過布が大きく変形するのを避け、形態保
持性に優れたろ過布を得るためには、ベース層の繊維と
して、JIS L1013の方法で測定した初期引張抵
抗度が250kgf/mm2 以上、好ましくは300k
gf/mm2 以上、さらに好ましくは350kgf/m
2 以上の繊維を主体に用いることが推奨される。ま
た、繊維の形態としては、仮撚加工糸のように捲縮にあ
るものより、ストレートの繊維が好ましい。さらに、形
態保持性に優れたろ過布としては、ベース層の組織は織
物であることが好ましい。実際のろ過において、ろ過布
の下流側に金網や多孔板を置かずにろ過布単独でろ過を
行う場合が多く、この場合、編物や不織布のろ過布では
弱い張力でろ過布が膨らんだり歪に伸びたりして変形し
やすい。
【0015】
【実施例】以下に示す実施例は、本発明を明確にするた
めのものであって、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
【0016】ベース層の糸として、ポリエチレンテレフ
タレートからなる150デニール、48フィラメントの
糸(F1)を経糸および緯糸に用いて織物を構成し、ろ
過層の繊維束としてポリエチレンテレフタレートからな
る240デニール、576フィラメントの糸(F2)を
用いて、経糸F1の間もしくは経糸何本かに1本の割合
でF2を配置した数水準のそれぞれについて、上下2枚
の同じ織物からなる2重織物を作った。この織物は、一
定間隔をおいて離れた上下2枚の織物の間をF2が往復
を繰り返して構成された2重織物である。F2は上と下
の織物の緯糸と交互に交絡点を持って両者を一体化して
いるものである。得られた一体化織物について、厚さ方
向の指定した位置で織物の表面と平行にスライスするこ
とにより、ろ過層の繊維の長さの異なるいくつかの織物
を得た。次に、これらの織物の繊維束の面を繊維束の傾
斜している方向に合わせて細かい凹凸のある回転ブラシ
ロールの表面に接触させて繊維束を開繊させ、ろ過層の
表面に繊維をくまなく展開させると同時に方向を揃え
た。引き続き、加熱した平滑な金属ロールとゴムロール
の間を、繊維束の面を金属ロールの表面に当てて繊維束
をその状態にセット固定した。この時、ロール間のクリ
アランスを織物の水準によって変え、ろ過層の厚さの異
なるろ過布をつくった。こうして得られたT/Lの比お
よびベース層面積に対するろ過層繊維束繊維の投影面積
の倍率の異なるいくつかのろ過布について、ろ過性能を
評価した。評価は、図2に示したとおり、エンドレスベ
ルト状で走行中のろ過布上に導いた原水を裏面側から吸
引してろ過し、ろ過布の上に形成されたケークを鏡面ロ
ールに転写して回収する機構のベルト式連続固液分離機
を用いて行った。評価には、活性汚泥処理における余剰
汚泥(5015mg/リットルの浮遊物を含む)を用い
た。得られた結果は表1に示したとおりであった。
【0017】
【表1】 パラメータの定義 (1)繊維束の長さ ベース層の上端面(ベース層が織物で表面が凹凸の場合
は凸部の上端)からろ過層の繊維束の自由端までの構成
繊維の長さの平均値とする。
【0018】(2)ろ過層の厚さ 約3cm×3cmの試験片を9枚採取し、そのうちの3
枚を重ねて圧縮弾性試験機の加圧台の上に置く。2cm
2 の測定子を6gの荷重で試験片の上に静置して10秒
後の厚さを測定する。3回の測定値の平均値を求めこの
値を3で除して1枚あたりの厚さT1 を算出する。つぎ
に、ろ過布からろ過層の繊維束を取り除いたベース層の
試料につき、T1 を求めたのと同じ方法で1枚あたりの
厚さT2を算出する。ろ過層の厚さTは、T=T1 −T
2 (mm)の式から求める。
【0019】(3)投影面積比 下記式のとおり、ろ過層の繊維の径(異形断面繊維の場
合は長径)の平均値(D)と、(1)で求めた繊維束の
長さ(L)、およびろ過布の単位面積あたりのろ過層の
繊維束繊維の数(N)の3者を掛け合わせた値を単位面
積(S)で割った値で定義できる。
【0020】投影面積比=D×L×N/S (4)阻止率 原水およびろ過水の浮遊物濃度がそれぞれC1 、C2
とき、阻止率Rは、R=(C1 −C2 )÷C1 ×100
の式から求める。浮遊物濃度は、JIS K0102に
基づき測定する。
【0021】(5)透水係数 図1に示した装置を用いる。新しいし試料は、測定前に
蒸留水に一昼夜浸漬して水になじませておく。ろ過布を
下部ろ過管上の金網メッシュの上に置き、クランプで上
部ろ過管と固定する。上部ろ過管に蒸留水を溜め水頭高
さ500mmを保持しながら、コックを全開し1〜1.
5リットルのろ過水を採取する。同時にコック全開時間
を計測し、次式により透水係数Kを求める。
【0022】 K=W÷(9.6×S) (ml/cm2 ・秒) ただし、Wは採取したろ過水(ml)、Sはコック全開
時間(秒)、9.6はろ過布のろ過面積(cm2 )。表
1に示した初期透水係数は、原水を透過する前の新しい
し試料を試験した時の透水係数値である。
【0023】(6)透過係数が1ml/ cm2 ・秒であ
る場合、この透水係数を限界透水係数とする。濾過布
は、原水のろ過を実行することにより、透過性能が次第
に低下し、ついには、この限界透過係数にまで低下する
が、この限界透水係数に達するまでのろ過の実行時間
(限界透過係数までの時間)が長いほど、優れている。
【0024】これから、本発明の実施例に係わるろ過布
は、排水中の浮遊物の阻止率、および初期の透水係数が
高く、限界の透水係数に至るまでの時間も長いことがわ
かる。一方、T/Lの値の小さい比較例1は、阻止率、
透水係数ともに低く、限界透水係数までの時間も短い。
T/Lが高すぎる比較例2のろ過布は、透水係数が高く
限界透水係数になるまでの時間も長いが、阻止率がかな
り低い。比較例3は、T/Lおよび投影面積比も高すぎ
るため、透水係数がかなり低く限界透水係数になるまで
の時間もかなり短いものである。比較例4はT/Lが低
すぎ投影面積比が高すぎるため、阻止率は高いが透水係
数がきわめて低く限界透水係数になるまでの時間もきわ
めて短いものである。
【0025】
【発明の効果】本発明は、上述したような構成を有する
ことにより、一層微粒子の捕捉性および洗浄回復性に優
れ、耐久性が高く形態保持性に優れたろ過布を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ろ過布の透水係数を測定するための装置の側面
図である。
【図2】ベルト式連続固液分離機のろ過のメカニズムを
示す側面図である。
【符号の説明】
1:上部ろ過管 2:ろ過布(試験片) 3:金網 4:メスシリンダー 5:ポンプ 6:蒸留水 7:クランプ 8:コック 9:下部ろ過管 10:ろ過布(ベルト) 11:原水 12:原水槽 13:鏡面転写ロール 14:ケーク 15:表洗スプレー 16:洗浄排水孔 17:逆洗スプレー 18:減圧ブロワー 19:スクレーパー 20:ろ過水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 39/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベース層とろ過層とから少なくともなり、
    該ろ過層を構成する繊維束の繊維の長さ(L)とろ過層
    の厚さ(T)との比T/Lが0.02〜0.7、該繊維
    のベース層表面への投影面積の総和がベース層表面の面
    積の8〜350倍であり、かつ、長さ方向および幅方向
    の伸び率が10%以下であることを特徴とするろ過布。
  2. 【請求項2】繊維束の一端及び/または途中の部分がベ
    ース層と一体化されていることを特徴とする請求項1記
    載のろ過布。
  3. 【請求項3】繊維束に自由端があることを特徴とする請
    求項2記載のろ過布。
  4. 【請求項4】ベース層表面における繊維束株の出現頻度
    が40〜900株/cm2 であることを特徴とする請求
    項1記載のろ過布。
  5. 【請求項5】ろ過層の繊維の長さが2mm〜20mmで
    あることを特徴とする請求項1記載のろ過布。
  6. 【請求項6】ベース層の組織が織物であることを特徴と
    する請求項1記載のろ過布。
  7. 【請求項7】ろ過層を構成する繊維束が根元部において
    ベース層の緯糸および/または経糸と3か所以上交絡点
    を有する織物であることを特徴とする請求項6記載のろ
    過布。
  8. 【請求項8】請求項1記載のろ過布を用いたことと特徴
    とするベルト式連続固液分離機。
JP29825094A 1994-12-01 1994-12-01 ろ過布 Expired - Fee Related JP3144246B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29825094A JP3144246B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 ろ過布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29825094A JP3144246B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 ろ過布

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08155228A JPH08155228A (ja) 1996-06-18
JP3144246B2 true JP3144246B2 (ja) 2001-03-12

Family

ID=17857192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29825094A Expired - Fee Related JP3144246B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 ろ過布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3144246B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0848979A4 (en) * 1996-05-31 1999-01-13 Toray Industries FILTER CLOTH AND FILTER

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08155228A (ja) 1996-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2520583C (en) Filter fabric
JP5600106B2 (ja) 集じん機用ろ過布
KR101441593B1 (ko) 필터용 부직포 및 그 제조 방법
EP0092819B1 (en) Filter medium and process for preparing same
US10207212B2 (en) Filter material
EP2212006A1 (en) Thermally stabilized bag house filters and media
US20080166938A1 (en) Microfiber split film filter felt and method of making same
WO1997045188A1 (fr) Tissu filtrant et filtre
TWI738963B (zh) 袋式過濾器用過濾布及其製造方法
JP3146891B2 (ja) ろ過布
JP3144246B2 (ja) ろ過布
JP3233988B2 (ja) 濾過布およびその製造方法
US6663684B1 (en) Dust collecting filter cloth and bag filter
WO2006011453A1 (ja) 立体編物および芯材並びに積層体
JP2000218111A (ja) ろ過布およびその製造方法
JPH0716570B2 (ja) 捕集効率の高い濾過布及びその製造方法
JP2000167322A (ja) ろ過布およびその製造方法
CN108778458B (zh) 层合聚芳硫醚耐热过滤器
JP2000262819A (ja) ろ過布および固液分離装置
JP2004160394A (ja) 高効率低圧損の表面濾過フィルター材
JP3530244B2 (ja) 耐久性向上濾過布
JP4194668B2 (ja) 高性能濾過布
CN111918991B (zh) 聚苯硫醚纤维和无纺布
JPH1028824A (ja) フィルタークロス
CA2228126A1 (en) Filter cloth and filter

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees