JP5298803B2 - フィルター用不織布 - Google Patents
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Description
タテヨコの長さの比が8.0以上を満足する熱圧着部の熱圧着部全体に対する個数比率としては、30%以上が好ましく、より好ましくは50%以上である。
(1)融点(℃)
パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点とした。また示差走査型熱量計において融解吸熱曲線が極値を示さない樹脂については、ホットプレート上で加熱し、顕微鏡観察により樹脂が溶融した温度を融点とした。
ポリエステルの固有粘度は以下の方法で測定した。
オルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下記式により求めた。
ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
ここで、η:ポリマー溶液の粘度
η0:オルソクロロフェノールの粘度
t:溶液の落下時間(秒)
d:溶液の密度(g/cm3)
t0:オルソクロロフェノールの落下時間(秒)
d0:オルソクロロフェノールの密度(g/cm3)
ついで、相対粘度ηrから下記式により固有粘度IVを算出した。
IV=0.0242ηr+0.2634 。
不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡で500〜3000倍の写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維を任意に選び出し、その太さを測定した。それらの平均値の小数点以下第一位を四捨五入して、平均繊維径を算出した。
不織布からランダムに10mm×10mmの小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡で少なくとも1個以上の熱圧着部パターン全体が確認出来るよう倍率を設定し、写真を撮影し、各サンプルから1〜2個ずつ、合計で10個のエンボス圧着部分を任意に選び出し、圧着部1個あたりの面積を算出し、10個の平均値の小数点以下第二位を四捨五入して求めた。
不織布の長手方向の圧着部長さ(X)と、不織布の幅方向の圧着部長さ(Y)を測定し(図1,2参照。)、各々10個の熱圧着部圧着長さの平均値の小数点以下第二位を四捨五入して算出したXとYから、次式により圧着部タテヨコ比を算出し、小数点第二位を四捨五入して求めた。
圧着部タテヨコ比=X/Y
また、図3のように異なる熱圧着部パターンが混在している場合は、異なる熱圧着部パターンのX1、Y1とX2、Y2をそれぞれ測定し、X1/Y1、X2/Y2を求め、大きい数値を示すものを熱圧着部タテヨコ比とする。
図4のように熱圧着部パターンが斜めに配されている不織布の場合においても、不織布の長手方向に沿って最も長くなる圧着部長さ(X)と、不織布の幅方向に沿って最も長くなる圧着部長さ(Y)を測定する。
圧着部が不織布の表面と裏面で異なる場合は、圧着部タテヨコ比が大きい側の値をとる。
熱圧着部が一定の繰り返しパターンからなるものについては、10箇所について当該繰り返しパターンの最小単位に相当する矩形枠(図6中C)をとり、その長手方向の長さ(図6中A)および幅方向の長さ(図6中B)を10箇所それぞれについて測定して平均値をとり、矩形枠内の面積を算出し、当該面積に対する矩形枠内の熱圧着部の個数(図6の例においては2個)を単位面積あたりの熱圧着部の個数に換算して熱圧着部の個数密度とした。
繰り返しパターンが不規則である場合は、不織布の長手方向および幅方向に平行な2.0cm×2.0cmの矩形枠を10箇所とり、10箇所それぞれについて矩形枠内を占める熱圧着部の個数を数える。その際、矩形枠の1辺がかかっている熱圧着部は0.5個分、矩形枠の2辺がかかっている熱圧着部は0.25個分として数える。そして当該個数の10箇所の平均値をとり、単位面積あたりの熱圧着部の個数に換算して熱圧着部の個数密度とする。
熱圧着部1個あたりの面積と不織布1cm2あたりの圧着部個数を掛け、小数点以下第二位を四捨五入したものを熱圧着部の面積比率とした。
縦方向50cm×横方向50cmの試料を3個採取して、各試料の重量をそれぞれ測定し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算し、小数点以下第一位を四捨五入した。
JIS L1085:1998の6.10.3(a)により、ガーレ試験機(株式会社東洋精機製作所製ガーレ・柔軟度試験機)にて測定した。
試料から長さL38.1mm(有効試料長25.4mm)、幅d25.4mmの試験片を試料の任意の20点から採取した。ここで長繊維不織布においては、不織布の長手方向を試料の長さ方向とした。採取した試験片をそれぞれチャックに取り付け、可動アームA上の目盛り1−1/2”(1.5インチ=38.1mm)に合わせてチャックを固定した。この場合、試料長の1/2”(0.5インチ=12.7mm)はチャックに1/4”(0.25インチ=6.35mm)、試料の自由端にて振子の先端に1/4”(0.25インチ=6.35mm)がかかるため測定にかかる有効試料長は試験片長さLから1/2”(0.5インチ=12.7mm)差し引いたものとなる。
次に振り子Bの支点から下部のおもり取付孔a、b、c(mm)に適当なおもりWa、Wb、Wc(g)を、目盛りRGが4〜6になるように調節して取り付けた。
そして可動アームAを定速回転させ、試験片が振り子Bから離れるときの目盛りRGを小数点以下第一位の桁で読んだ。
測定は試験片20点につき表裏各5回、合計200回実施した。
得られた目盛りRGの値から下記式、
Br=RG×(aWa+bWb+cWc)×(((L−12.7)2)/d)×3.375×10−5
を用いて剛軟度の値を小数点以下第二位を四捨五入して求めた。
不織布の任意の部分から、15cm×15cmのサンプルを3個採取し、それぞれのサンプルについて、図5に示す捕集性能測定装置で捕集性能を測定した。この捕集性能測定装置は、測定サンプルMをセットするサンプルホルダー1の上流側にダスト収納箱2を連結し、下流側に流量計3、流量調整バルブ4、ブロワ5を連結した構成となっている。また、サンプルホルダー1にパーティクルカウンター6を接続し、切替コック7を介して、測定サンプルMの上流側のダスト個数と下流側のダスト個数をそれぞれ測定することができる。
捕集効率の測定にあたっては、ポリスチレン0.309U 10重量%溶液(ナカライテック製)を蒸留水で200倍まで希釈し、ダスト収納箱2に充填した。次にサンプルMをホルダー1にセットし、風量をフィルター通過速度が3.0m/minになるように流量調整バルブ4で調整し、ダスト濃度を2万〜7万個/(2.83×10−4m3(0.01ft3))の範囲で安定させ、サンプルMの上流のダスト個数D2および下流のダスト個数D1をパーティクルカウンター6(リオン社製、KC−01D)でダスト粒径0.3〜0.5μmの範囲についてそれぞれ測定し、下記計算式にて求めた数値の小数点以下第1位を四捨五入し捕集効率(%)を求めた。
捕集効率(%)=〔1−(D1/D2)〕×100
ここで、D1:下流のダスト個数(3回の合計)
D2:上流のダスト個数(3回の合計)。
上記捕集性能測定時のサンプルMの上流と下流との静圧差を圧力計8で読み取り、3サンプルの平均値の小数点以下第一位を四捨五入して算出した。
上記の方法で求めた捕集性能と圧力損失の値を用いて次式により算出し、小数点以下第三位を四捨五入した。
QF値(Pa−1)=−[ln(1−[捕集性能(%)]/100)]/[圧力損失(Pa)] 。
水分率50重量ppm以下に乾燥した固有粘度IV0.65、融点260℃のポリエチレンテレフタレート(PET)と、水分率50重量ppm以下に乾燥した固有粘度IV0.66、イソフタル酸共重合率11モル%で融点230℃の共重合ポリエステル(CO−PET)を、それぞれ295℃と280℃で溶融し、ポリエチレンテレフタレートを芯成分、共重合ポリエステルを鞘成分とし、口金温度300℃、芯:鞘=80:20の重量比率で細孔より紡出した後、エアサッカーにより紡糸速度4300m/分で円形断面形状のフィラメントを紡糸し、エアサッカー出口に設置された金属衝突板へフィラメントを衝突させ、摩擦帯電により繊維を帯電して開繊させ、移動するネットコンベアー上に繊維ウェブとして捕集した。
捕集した繊維ウェブを、ネットコンベアー上のフラットロールで温度120℃、線圧50kg/cmで加熱圧接した後、表面に複数の平行に配置された直線的溝が形成されている一対の上側ロールと下側ロールからなり、その上側ロールの溝とその下側ロールの溝とが一定の角度で交叉するように設けられているエンボスロールにおいて、上側ロールの凸部と下側ロールの凸部とで熱圧着され、その圧着面積率が10.4%、圧着部1個あたりの面積が1.6mm2、圧着部個数密度が6.5個/cm2、圧着部タテヨコ比が9.8となるよう調整したエンボスロールで、温度200℃、線圧70kg/cmの条件で熱圧着し、平均繊維径16μm、目付260g/m2の部分的に熱圧着したスパンボンド不織布を得た。
得られた不織布は剛性に優れ、なおかつ捕集性能と圧力損失にも優れており、QF値(Pa−1)は、0.04と良好であった。また、得られた不織布のプリーツ加工性は良好であった。
圧着面積率を19.6%、圧着部1個あたりの面積を0.7mm2、圧着部個数密度を28.0個/cm2、圧着部タテヨコ比を4.4とした以外は実施例1と同様にして部分的に熱圧着したスパンボンド不織布を得た。
得られた不織布は剛性に優れるものの、捕集性能と圧力損失が劣り、QF値(Pa−1)は、0.01であった。
2 ダスト収納箱
3 流量計
4 流量調整バルブ
5 ブロワ
6 パーティクルカウンター
7 切替コック
8 芯鞘型繊維における芯成分
9 芯鞘型繊維における鞘成分
M 測定サンプル
C 熱圧着部の繰り返しパターンの最小単位に相当する矩形枠
A 矩形枠Cの長手方向の長さ
B 矩形枠Cの幅方向の長さ
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂繊維からなる長繊維不織布であって、複数箇所の熱圧着部を有し、当該熱圧着部の1個あたりの面積が1.0〜5.0mm2、少なくとも一部の熱圧着部のタテ(不織布の長手方向)とヨコ(不織布の幅方向)の長さの比(タテ/ヨコ)が8.0以上、当該熱圧着部の個数密度が4.0〜10.0個/cm2、当該熱圧着部の不織布に対する面積比率が5〜15%であることを特徴とするフィルター用不織布。
- プリーツ形状に加工されてなる、請求項1記載のフィルター用不織布。
- タービン用フィルターに用いられる、請求項1または2記載のフィルター用不織布。
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