JP2009006318A - 円筒状バグフィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】集塵機用のバグフィルターに好適な機械的特性や剛性に優れなおかつ、長期使用に耐え、ダストの目詰まりの少ない円筒状バグフィルターを提供する。
【解決手段】本発明の円筒状バグフィルターは合成繊維からなる長繊維不織布が円筒状に成形されてなることを特徴とする円筒状バグフィルターであり、熱融着、縫製および接着のうちの少なくとも1手段により円筒状に成形されていることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、集塵機用バグフィルターに好適な機械的特性や剛性に優れる円筒状バグフィルターに関するものである。
従来から、粉塵の発生する作業環境に対し、粉塵の除去および回収を目的とする集塵機が用いられてきた。集塵機のフィルターにはこれまで、種々の織布および不織布からなるバグフィルターが提案されている。
フィルターの形状としてはプリーツ形状がよく知られ、例えば特許文献1には、剛性に優れる熱圧着タイプの長繊維不織布がプリーツ形状のフィルターとして好適に使用されている。しかしながらスパンボンドをプリーツしたバグフィルターは一見、濾過面積が大きくなり、集塵機の小型化が可能であるように考えられるが、実際は、プリーツの谷折り部分にダストが詰まったり、山折り部分の先端がエアーにより重なり山折り部の空間が潰れ、実濾過面積が十分に得られない問題がある。
また、特許文献2には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維からなる不織布に合成樹脂が不織布の全重量に対して5〜50%含浸された耐熱用のフェルトプリーツバグフィルターが開示されているが、フェルトに樹脂を含浸するため、不織布空隙に樹脂が詰まってしまい、剛性は得られるものの、十分な通気量が得られない問題があった。また樹脂が劣化するなど長期の使用に耐えられるものではない。さらに、PPSは廃棄処理が困難であり、廃棄時の環境負荷が大きい問題があった。
さらに特許文献3には複数の不織布を積層したフィルター用の不織布が提案されている。当該技術によれば目付の高いフィルター用不織布の製造も容易であり、通気性にも優れたフィルター用不織布を得ることができるものと思われる。しかしながら、当該特許文献で提案された不織布は、繊維径が7〜20μmの不織布と繊維径20〜50μmの不織布等を積層一体化させたものであり、粒径数μm以下の粉塵を十分に捕集出来るものではなかった。さらに複数枚の不織布を一旦製造した後、積層、一体化加工を別途実施する必要があり、生産性の高いものではなかった。
一方、集塵機のフィルターとして、プリーツ形状のフィルターの他に円筒状のフィルターが存在する。円筒状のフィルターはその構造上、プリーツの折り部分にダストが詰まるという問題はないが、一般的にプリーツ形状のフィルターと比べると形態保持性に劣る。
特許文献4には、長繊維からなる複数のスパンボンド不織布が巻回された筒状のフィルターが開示されている。このフィルターは複数枚不織布を重ね合わせているため形態保持性は改善されるが、隣り合う不織布は部分的に熱接着されており、不織布の隙間にダストが目詰まりしてしまう問題があった。
さらに、特許文献5には、形態保時性を向上させる目的で、筒状に形成されたフィルターの胴部に中間リングが固定したバグフィルターが開示されているが、中間リングによって、濾過面積が減少してしまうので濾過効率の劣る問題があった。さらにバグフィルターはパルスジェットにより付着した粉塵等を払い落とすこともあるが、中間リングがパルスジェット時のフィルターの屈曲点となり、フィルターが破れてしまう問題があった。
また、従来の円筒状のバグフィルターはフェルトで構成されているが、パルスジェット洗浄方式をとりいれた集塵機においては、パルスジェット時にリテーナー(集塵機用バグフィルターケージ)に接触する部分が摩耗し、破れやすいという欠点があった。
特許第3534043号公報 特開平11−158776号公報 特開2004−76212号公報 特開2006−150222号公報 特開2007−105655号公報
本発明は、上記課題を鑑み集塵機用のバグフィルターに好適な機械的特性や剛性に優れなおかつ、長期使用に耐え、ダストの目詰まりの少ない円筒状バグフィルターに関するものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、
(1)合成繊維からなる長繊維不織布が円筒状に成形されてなることを特徴とする円筒状バグフィルター。
(2)熱融着、縫製および接着のうちの少なくとも1手段により円筒状に成形されてなることを特徴とする前記(1)記載の円筒状バグフィルター。
(3)前記長繊維不織布が、下記に示す各式から得られる目付あたりの円弧状曲げ剛性が0.050〜1.000((cN/2cm)/(g/m))および目付あたりの通気量が0.010〜0.500((cc/cm/sec)/(g/m))であることを同時に満たすことを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の円筒状バグフィルター。
目付あたりの円弧状曲げ剛性((cN/2cm)/(g/m))=円弧状曲げ剛性(cN/2cm)/目付(g/m
目付あたりの通気量((cc/cm/sec)/(g/m))=通気量(cc/cm/sec)/目付(g/m)。
(4)前記長繊維不織布が、部分的に熱融着されてなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の円筒状バグフィルター。
(5)前記熱融着が、熱圧着による熱融着であることを特徴とする前記(4)に記載の円筒状バグフィルター。
(6)前記長繊維不織布の熱圧着面積率が5〜30%であることを特徴とする前記(5)に記載の円筒状バグフィルター。
(7)前記合成繊維が、熱可塑性高融点重合体の周りに熱可塑性低融点重合体を配した複合型フィラメントで構成されていることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の円筒状バグフィルター。
(8)前記長繊維不織布の少なくとも片面に、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリフッ化ビニリデンを含むフィルター膜を有することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の円筒状バグフィルター。
本発明の円筒状バグフィルターは、集塵機用円筒状バグフィルターに好適な機械的特性や剛性に優れるものであり、形態保持性や捕集性能に優れた円筒状バグフィルターを提供することができる。
本発明の円筒状バグフィルターは、合成繊維からなる長繊維不織布が円筒状に成形されてなることを特徴とするものである。
本発明の円筒状バグフィルターは剛性に優れた合成繊維からなる長繊維不織布により構成されているため、円筒状バグフィルターとして逆洗エアーして用いる際の形態保持性に優れている。従って、本発明の円筒状バグフィルターは集塵機のバグフィルターとして使用するのが好ましい。
ここでいう集塵機とは、工場や工事現場など、粉塵の発生する作業環境に対し、粉塵の除去および回収を目的とする際に使用されるものであり、筐体の中に多数の円筒状、袋状もしくは板状のフィルターを有するものである。中でも濾過面積や、メンテナンスの点から円筒状のフィルターを用いた集塵機は好ましく用いられている。集塵機の粉塵払い落とし方法は特に限定されるものではないが、自重によって自然落下する方法や、集塵機の差圧を利用した逆洗方法のもの、フィルター内部から空気を逆噴射し、フィルターに堆積した粉塵を強制的に払い落とすいわゆるパルスジェット式のものが好ましく、中でも集塵効率やフィルターの長寿命化の点においてパルスジェット式のものがより好ましい。
本発明の円筒状バグフィルターにおいては、側面は一枚の不織布をプリーツ等の加工をすることなく、一体化したものが好まししい。下端部(円筒の底の部分)は、その形状により、袋状、封筒状、円筒状等に分類できるが、中でもダスト払い落とし性や集塵機へのセットのしやすさから円筒状のものが好ましい。不織布を円筒状にする方向として、不織布の長手方向を円周とする方法や、幅方向を円周とする方法があるが、連続的に円筒状に加工できる点から、幅方向を円周にする方法が好ましい。下端部の形状を円筒状とする場合、底の材料は側面と同じ不織布でもよいし、異なる材料でもよい。
本発明の円筒状バグフィルターは、熱融着、縫製、接着などの手段を用い円筒状に成形されてなることが好ましい。
円筒状バグフィルターの成型方法は特に規定するものではないが、熱融着により融着する成型方法や、超音波接着機を用いてなる超音波接着方法による成型方法、接着剤等を用いてなる接着方法による成型方法、および縫製による成型方法が好ましい。これらの接着方法を組み合わせた成型方法でもよいが、なかでも簡便な縫製による成型方法がより好ましい。
さらに、円筒状バグフィルターの円筒部の上端、下端に保護材を使用してもよい。保護材はキャップ式の樹脂製のものや、端部の不織布を覆うフェルト状のものでも、かまわない。
集塵機用のバグフィルターにおいては、使用中にフィルター表層に堆積した粉塵を除去するため、逆洗エアーによる払い落とし処理を実施するが、プリーツされることなく成型された円筒状バグフィルターは強度に優れ、なおかつプリーツ谷折り部分に粉塵が詰まることのないものである。
前記長繊維不織布を構成する合成繊維の原料樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン―プロピレン共重合体、エチレン―酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリウンデカ1ラクタム(ナイロン11)、ポリドデカ1ラクタム(ナイロン12)等のポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン、塩素化ポリエチレン(CPE)等のハロゲン化ポリオレフィン、ポリエステル重合体であるポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー、ポリメチルペンテン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂等がある。上記熱可塑性樹脂は、単独でまたは2種以上組合わせてポリマーアロイに使用されてもよい。最も好ましいものは、融点が高いため耐熱性に優れ、かつ剛性にも優れるポリエステル系重合体である。なお前記合成繊維には、本発明の効果を損なわない範囲で、結晶核剤や艶消し剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤、難燃剤、親水剤等を添加してもよい。
本発明で言う長繊維とは連続したフィラメントを意味し、本発明では熱可塑性連続フィラメントにより不織布を構成する。連続フィラメントはすべて連続している必要はなく、適度に切断箇所があってもよい。
また、熱可塑性連続フィラメントを溶融紡糸する際は、原料樹脂は単一成分および複合成分であってもよい。2種以上の原料樹脂、例えばポリエステル系高融点重合体とポリエステル系低融点重合体をそれぞれ溶融紡糸し、混繊型フィラメントとして、長繊維不織布とすることも好ましい形態である。またさらにポリエステル系高融点重合体の周りにポリエステル系低融点重合体を配した複合型フィラメント(いわゆる芯鞘型複合フィラメント)として長繊維不織布とすることは最も好ましい形態である。
混繊や複合型フィラメントにおいてポリエステル系高融点重合体とポリエステル系低融点重合体を用いる場合、ポリエステル系高融点重合体とポリエステル系低融点重合体との含有比率は、重量比で30:70〜95:5の範囲が好ましく、40:60〜90:10の範囲がより好ましい。またさらに前記ポリエステル系高融点重合体としては、ポリエチレンテレフタレートを含んでなるものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含むものがさらに好ましい。ここで主成分としての含有率は、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましいものである。
また前記ポリエステル系低融点重合体としては、特に限定されないがポリエチレンテレフタレートの共重合体、またはポリブチレンテレフタレートが好ましい。ここで、共重合体に好ましいのはイソフタル酸、アジピン酸で共重合されたものある。なかでもアジピン酸もしくはイソフタル酸共重合率が5〜20モル%のものがより好ましい。
また、本発明におけるポリエステル系高融点重合体とポリエステル系低融点重合体の融点は特に限定されないが、高融点重合体が230〜290℃、より好ましくは250〜280℃、低融点重合体が200〜260℃、より好ましくは220〜240℃であり、その差は、15℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。なお本発明における重合体の融点は、示差走査型熱量計を用い、昇温速度20℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度とする。また示差走査型熱量計において融解吸熱曲線が極値を示さない重合体については、ホットプレート上で加熱し、顕微鏡観察により樹脂が溶融した温度を融点とする。
本発明においてポリエステル系高融点重合体の周りにポリエステル系低融点重合体を配した複合型フィラメントは、高融点重合体の周りを低融点重合体が完全に被覆してなるもの、および高融点重合体の周りに低融点重合体を断続的に配してなるものが好ましい形態である。
本発明において、前記不織布を構成する熱可塑性連続フィラメントの単繊維繊度は1〜10デシテックスが好ましい範囲である。熱可塑性連続フィラメントの繊度が1デシテックスを下回る場合は、不織布の圧力損失が高くなる傾向であり、さらに生産時に糸切れが生じやすいなど生産安定性の面からも好ましくない。また、熱可塑性連続フィラメントの繊度が10デシテックスを上回る場合は、不織布の捕集性能が低下する傾向であり、さらに生産時にフィラメントの冷却不良による糸切れが生じやすいなど生産安定性の面からも好ましくない。より好ましい単繊維繊度の範囲は、1〜8デシテックスの範囲である。なお、ここでいう単繊維繊度は、次のようにして求めた値を言う。すなわち、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡等で500〜3000倍の写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維を任意に選び出して、その太さを測定する。繊維は断面が円形と仮定し、太さを繊維径とする。それらの平均値の小数点以下第一位を四捨五入して算出した繊維径とポリマーの密度から繊度を算出し、小数点第一位を四捨五入して求める。また、複数種類の繊維が混繊されている場合は、それぞれの繊維の単繊維繊度が上記範囲内であればよい。
さらに前記熱可塑性連続フィラメントの断面形状は何ら制限されるものではないが、円形、中空丸形、楕円形、扁平型、あるいはX型、Y型等の異形型、多角型、多葉型等が好ましい形態である。ポリエステル系高融点重合体の周りにポリエステル系低融点重合体を配した複合型フィラメントでX型、Y型等の異形型、多角型、多葉型等の断面形状を採用する場合は、不織布の熱圧着を容易にするため、ポリエステル系低融点重合体成分が熱圧着に寄与できるように繊維断面の外周部近傍に存在するのが好ましい。
本発明の円筒状バグフィルターは、円筒状に成型され使用されるが、例えば、パルスジェット式集塵機に用いられる場合、フィルターに堆積した粉塵をパルスジェットにより払い落とし、長期に渡り繰り返し使用される。したがって、フィルターが長期間の繰り返しのパルスジェットによっても損なわれない高い形態保持性を有し、円筒形状を維持することが重要である。そのためには円筒状バグフィルターを構成する不織布の目付当たりの円弧状曲げ剛性が0.050〜1.000((cN/2cm)/(g/m))であることが必要である。従来の平板での曲げ剛性評価方法では、不織布を円筒状にして使用する際の評価とはならないため、円筒状バグフィルターを構成する不織布に適しているかどうかを評価する方法としては好適ではない。すなわち、円弧状曲げ剛性とは円弧状に曲げられた状態での剛性を示す指標である。
目付当たりの円弧状曲げ剛性が0.050((cN/2cm)/(g/m))を下回る場合は、集塵機用円筒状バグフィルターとして使用する際、ダスト払い落とし時のパルスジェットによる形態保持性が低くなる傾向であり好ましくない。目付当たりの円弧状曲げ剛性については不織布の目付や一体化の方法を考慮すると、好ましい目付当たりの円弧状曲げ剛性は0.050〜1.000((cN/2cm)/(g/m))であり、さらに好ましい目付当たりの円弧状曲げ剛性は0.060〜0.900((cN/2cm)/(g/m))であり、一層好ましくは0.070〜0.850((cN/2cm)/(g/m))である。なお、目付あたりの円弧状曲げ剛性((cN/2cm)/(g/m))=円弧状曲げ剛性(cN/2cm)/目付(g/m)、で算出される。
ここで本発明における目付当たりの円弧状曲げ剛性の測定は、不織布の長手(機械)方向に8.4cm、幅(機械と垂直)方向に2cmの試料(タテ)と不織布の長手(機械)方向に2cm、幅(機械と垂直)方向に8.4cmの試料(ヨコ)を不織布シートの幅方向に等間隔で各々5点採取し、支点間隔8cmの支持台に試料を円弧状になるよう取付け、圧縮弾性機にセットし、荷重目盛りがゼロとなっていることを確認し、試料を1回圧縮した際の最大荷重を小数第1位まで読み取る。試料が最大値を示す前に折れ曲がってしまった場合は、折れ曲がった時点の値を読み取るものとする。タテ、ヨコ方向にて各々得られた5点の値から平均値を、小数点以下第一位を四捨五入してタテ、ヨコ方向の平均最大荷重を各々算出する。その後、採取した試料の重量をタテ、ヨコそれぞれ測定し、得られた5点の値からタテ、ヨコの平均値を、小数点以下第一位を四捨五入して算出し、2cm×8.4cmの面積で除し、1mあたりの目付に換算する。最後に、得られた平均最大荷重を目付で除し、目付当たりの円弧状曲げ剛性を小数点以下第四位を四捨五入し、算出する。
本発明で規定する円弧状曲げ剛性を得るには、合成繊維からなる長繊維不織布を用いることによって達成できる。長繊維不織布を得る方法としては、何ら制限されるものではないが、不織布の剛性や生産性の点から、スパンボンド法から得られる長繊維不織布がより好ましい。従来のフェルトなどの短繊維からなる不織布では、シートの剛性が乏しいため、不適である。さらに前記長繊維不織布は部分的に熱融着されたものが好ましく、部分的に熱圧着されたものがより好ましい。
ここで、本発明において、「熱融着」とはロールや熱風などで繊維を溶融して接着することであり、そのなかでも、エンボスロール等によって圧力と熱を同時にかけ接着することを「熱圧着」という。
円弧状曲げ剛性を0.050以上とするためには、合成繊維からなる長繊維不織布を用いればよいが、さらには前記長繊維不織布がスパンボンド法から得られる長繊維不織布とし、また、前記長繊維不織布を部分的に熱融着または熱圧着したものとするのがよい。熱融着(または熱圧着)の融着(または熱圧着)の度合いや融着(または圧着)面積率を適宜調整することによって長繊維不織布の円弧状曲げ剛性をコントロールすることができる。
本発明の円筒状バグフィルターを構成する長繊維不織布は目付あたりの通気量が0.010〜0.500((cc/cm/sec)/(g/m))であることが好ましい。目付あたりの通気量が0.010((cc/cm/sec)/(g/m))よりも小さくなると、集塵機として、圧力損失が高くなり、集塵機の運転負荷が大きくなため好ましくない。また目付あたりの通気量が0.500((cc/cm/sec)/(g/m))よりも大きくなると、粉塵の漏れが著しくなるため、集塵機用バグフィルターとして好ましくない。本発明の円筒状バグフィルターを構成する長繊維不織布の好ましい目付当たりの通気量は0.010〜0.500((cc/cm/sec)/(g/m))であり、さらに好ましい目付当たりの通気量は0.015〜0.450((cc/cm/sec)/(g/m))であり、一層好ましくは0.025〜0.400((cc/cm/sec)/(g/m))である。なお、目付あたりの通気量((cc/cm/sec)/(g/m))=通気量(cc/cm2/sec)/目付(g/m)、で算出される。
本発明の円筒状バグフィルターを構成する長繊維不織布はいわゆるスパンボンド法によって得られるものが好ましく、不織布の一体化方法としては、特に限定されるものではないが、熱ロールにより繊維同士を融着させる方法として、一対のフラットロールからなる装置に紡糸したウェブを通過させ、表面の繊維同士を熱融着により一体化する方法が好ましく、より好ましくは少なくとも片方のロールにおいて彫刻柄を有する一対のエンボスロールを用いて部分的に熱圧着する方法が良い。また高温熱風を不織布シートに通過させる、いわゆるエアスルー法により繊維同士を融着させたものや、接着剤樹脂を含浸、噴霧する等して一体化するものでも良い。中でも少なくとも両方のロールにおいて彫刻柄を有する一対のエンボスロールを用いて部分的に熱圧着された不織布が、生産効率が最も高く好ましい。
また、少なくとも片方のロールにおいて彫刻柄を有する一対のエンボスロールを用いて部分的に熱圧着する方法としては熱エンボスロールによる接着、あるいは超音波発振装置とエンボスロールとの組み合わせによる接着が好ましいものである。特に熱エンボスロールによる接着は、不織布の強度を向上させる点から最も好ましいものである。熱エンボスロールによる熱圧着の温度は、不織布の繊維表面に存在する最も融点の低いポリマーの融点より5〜60℃低いことが好ましく、10〜50℃低いことがより好ましい。熱エンボスロールによる熱圧着の温度と、不織布の繊維表面に存在する最も融点の低いポリマーの融点の温度差が5℃を下回る場合は、熱圧着が強くなり過ぎる傾向であり、好ましくない。60℃を上回る場合は熱圧着が不十分となる場合があり好ましくない。
本発明の円筒状バグフィルターを構成する長繊維不織布の部分的な熱圧着の圧着面積率は、熱圧着部の不織布全体の面積に占める割合のことであり、不織布全面積に対して5〜30%が好ましい範囲である。前記圧着面積率が5%以上であれば、不織布の強度が十分に得られ、さらに表面が毛羽立ちやすくなることがない。圧着面積率が30%以下であれば、繊維間の空隙が少なくなって圧力損失が上昇し、捕集性能が低下することもない。より好ましい圧着面積率は6〜20%であり、最も好ましい圧着面積率は10〜18%である。
熱圧着部はくぼみを形成しており、不織布を構成する熱可塑性連続フィラメント同士が熱と圧力によって融着して形成されている。すなわち、他の部分に比べて熱可塑性連続フィラメントが融着して凝集している部分が熱圧着部である。熱圧着する方法として熱エンボスロールによる接着を採用した場合には、エンボスロールの凸部により熱可塑性連続フィラメントが融着して凝集している部分が熱圧着部となる。例えば、上側または下側のみに所定のパターンの凹凸を有するロールを用いて、他のロールは凹凸の無いフラットロールを用いる場合においては、熱圧着部とは凹凸を有するロールの凸部とフラットロールとで熱圧着されて不織布の熱可塑性連続フィラメントが凝集された部分をいう。また、例えば、表面に複数の平行に配置された直線的溝が形成されている一対の上側ロールと下側ロールからなり、その上側ロールの溝とその下側ロールの溝とがある角度で交叉するように設けられているエンボスロールを用いる場合、熱圧着部とは上側ロールの凸部と下側ロールの凸部とで熱圧着されて不織布の熱可塑性連続フィラメントが凝集された部分をいう。この場合、上側の凸部と下側の凹部あるいは上側の凹部と下側の凸部とで圧接される部分はここでいう熱圧着部には含まれない。
本発明における長繊維不織布における熱圧着部の形状は特に規定されるものではなく、上側または下側のみに所定のパターンの凹凸を有するロールを用いて、他のロールは凹凸の無いフラットロールを用いる場合や表面に複数の平行に配置された直線的溝が形成されている一対の上側ロールと下側ロールからなり、その上側ロールの溝とその下側ロールの溝とがある角度で交叉するように設けられているエンボスロールにおいて、上側ロールの凸部と下側ロールの凸部とで熱圧着された場合においても、その熱圧着部の形状は円形、三角形、四角形、平行四辺形、楕円形、菱形などでもよい。これらの熱圧着部分の配列は、特に規定されるものではなく、等間隔に規則的に配されたもの、ランダムに配されたもの、異なる形状が混在したものでもよい。なかでも、不織布の均一性の点から、熱圧着部分が等間隔に配されるものが好ましい。さらに不織布を剥離することなく部分的な熱圧着をする点で、表面に複数の平行に配置された直線的溝が形成されている一対の上側ロールと下側ロールからなり、その上側ロールの溝とその下側ロールの溝とがある角度で交叉するように設けられているエンボスロールを用い、上側ロールの凸部と下側ロールの凸部とで熱圧着され形成される平行四辺形の熱圧着部が好ましい。
さらに一体化する前に、ニードルパンチやウォータージェットパンチにて予備一体化したり、一対のフラットロールにて予備一体化する方法を用いても良い。また、部分的に熱圧着する方法は特に限定されるものではない。
また、得られた部分的に熱圧着された長繊維不織布を、その後、一対のフラットロールからなるカレンダーロールにて表面をさらに熱融着させても良い。一対のフラットロールの組み合わせとしては、金属からなるロール同士の組み合わせや、金属からなるロールと樹脂からなるロールの組み合わせが好ましい。金属からなるロールの温度は樹脂の融点より5〜60℃低いことが好ましい。
本発明における長繊維不織布の目付は90〜350g/mの範囲が好ましい。目付が90g/m以上であると、剛性が得られ捕集性能が低下する傾向がない。目付が350g/m以下であれば、目付が高すぎて圧力損失が上昇する可能性が低く、さらにはコスト面からも好ましい。より好ましい目付の範囲は100〜320g/mである。さらに好ましくは150〜260g/mである。ここでいう目付は、縦50cm×横50cmのサイズの試料を3個採取して各重量をそれぞれ測定し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算、小数点以下第一位を四捨五入することで求められる。
本発明の円筒状バグフィルターを構成する長繊維不織布の少なくとも片面に、捕集性能を向上させ、捕集した粉塵の離脱性に優れるフィルター膜を貼り合わせることが好ましい。貼り合わせるフィルター膜は特に限定されるものではないが、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンを含むフィルター膜が好ましい。該ポリテトラフルオロエチレンを含むフィルター膜やポリフッ化ビニリデンを含むフィルター膜を長繊維不織布に貼り合わせる方法としては特に限定されるものではないが、生産性や簡便さの点から、接着剤によりフィルター膜を不織布表面に接着させる方法や、フィルター膜、あるいは不織布の表面を溶融させ、お互いを接着させる方法が好ましい。
本発明の円筒状バグフィルターにおいては、側面は一枚の不織布をプリーツ等の加工をすることなく、一体化したものが好ましい。下端部(円筒の底の部分)は、その形状により、袋状、封筒状、円筒状等に分類できるが、中でもダスト払い落とし性や集塵機へのセットのしやすさから円筒状のものが好ましい。不織布を円筒状にする方向として、不織布の長手方向を円周とする方法や、幅方向を円周とする方法があるが、連続的に円筒状に加工できる点から、幅方向を円周にする方法が好ましい。下端部の形状を円筒状とする場合、底の材料は側面と同じ不織布でもよいし、異なる材料でもよい。
本発明の円筒状バグフィルターは、熱融着、縫製、接着などの手段を用い円筒状に成形されてなることが好ましい。
円筒状バグフィルターの成型方法は特に規定するものではないが、熱融着により融着する成型方法や、超音波接着機を用いてなる超音波接着方法による成型方法、接着剤等を用いてなる接着方法による成型方法、および縫製による成型方法が好ましい。これらの接着方法を組み合わせた成型方法でもよいなかでも、簡便な縫製による成型方法がより好ましい。
さらに、円筒状バグフィルターの円筒部の上端、下端に保護材を使用してもよい。保護材はキャップ式の樹脂製のものや、端部の不織布を覆うフェルト状のものでも、かまわない。
以下、実施例に基づき本発明につき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、下記実施例における各特性値は、次の方法で測定したものである。
(1)融点(℃)
パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点とした。また示差走査型熱量計において融解吸熱曲線が極値を示さない樹脂については、ホットプレート上で加熱し、顕微鏡観察により樹脂が溶融した温度を融点とした。
(2)固有粘度IV
ポリエステルの固有粘度は以下の方法で測定した。
オルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηを下記式により求めた。
η=η/η=(t×d)/(t×d
ここで、η:ポリマー溶液の粘度
η:オルソクロロフェノールの粘度
t:溶液の落下時間(秒)
d:溶液の密度(g/cm
:オルソクロロフェノールの落下時間(秒)
:オルソクロロフェノールの密度(g/cm
ついで、相対粘度ηから下記式により固有粘度IVを算出した。
IV=0.0242η+0.2634 。
(3)繊度(デシテックス)
不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡で500〜3000倍の写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維を任意に選び出し、その太さを測定する。繊維は断面が円形と仮定し、太さを繊維径とする。それらの平均値の小数点以下第一位を四捨五入して算出した繊維径とポリマーの密度から繊度を算出し、小数点第一位を四捨五入して求める。
(4)目付(g/m
縦方向50cm×横方向50cmの試料を3個採取して、各試料の重量をそれぞれ測定し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算し、小数点以下第一位を四捨五入した。
(5)引張強力(N/5cm)
サンプルサイズ5cm×30cmの試料をつかみ間隔20cm、引張速度10cm/minの条件でシート縦方向、横方向とも3個のサンプルについて定速伸長型引張試験機にて引張試験を行い、サンプルが破断するまで引っ張ったときの最大強力を引張強力とした。シート縦方向、横方向それぞれの平均値について小数点以下第一位を四捨五入して算出した。
(6)目付あたりの円弧状曲げ剛性((cN/2cm)/(g/m))
本発明における目付当たりの円弧状曲げ剛性の測定は、不織布の長手(機械)方向に8.4cm、幅(機械と垂直)方向に2cmの試料(タテ)と不織布の長手(機械)方向に2cm、幅(機械と垂直)方向に8.4cmの試料(ヨコ)を不織布シートの幅方向に等間隔で各々5点採取し、支点間隔8cmの支持台に試料を円弧状になるよう取付け、圧縮弾性機にセットし、荷重目盛りがゼロとなっていることを確認し、試料を1回圧縮した際の最大荷重を小数第1位まで読み取る。試料が最大値を示す前に折れ曲がってしまった場合は、折れ曲がった時点の値を読み取るものとする。タテ、ヨコ方向にて各々得られた5点の値から平均値を、小数点以下第一位を四捨五入してタテ、ヨコ方向の平均最大荷重を各々算出する。その後、採取した試料の重量をタテ、ヨコそれぞれ測定し、得られた5点の値からタテ、ヨコの平均値を、小数点以下第一位を四捨五入して算出し、2cm×8.4cmの面積で除し、1mあたりの目付に換算する。最後に、得られた平均最大荷重を目付で除し、目付当たりの円弧状曲げ剛性を小数点以下第四位を四捨五入し、算出する。
(7)通気量(cc/cm/sec)
不織布の任意の部分から、10cm×10cmのサンプルを10個採取し、JIS−L1906(2000年版)に基づき、フラジール形法にて測定した。測定時の設定圧は125Paとした。通気量は得られた10点の通気量の平均値を小数点以下第一位を四捨五入して算出する。
(8)目付あたりの通気量((cc/cm/sec)/(g/m))
上記(7)通気量で得られた通気量の値を、上記(4)目付で得られた目付の値で除し、目付当たりの通気量を小数点以下第四位を四捨五入し、算出する。
実施例1
水分率50重量ppm以下に乾燥した固有粘度IV0.65、融点260℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を295℃で溶融し、口金温度300℃で細孔より紡出した後、エアサッカーにより紡糸速度4400m/分で円形断面形状のフィラメントを紡糸し、開繊させ、移動するネットコンベアー上に繊維ウェブとして捕集した。捕集した繊維ウェブを、表面に複数の平行に配置された直線的溝が形成されている一対の上側ロールと下側ロールからなり、その上側ロールの溝とその下側ロールの溝とがある角度で交叉するように設けられているエンボスロールにおいて、上側ロールの凸部と下側ロールの凸部とで熱圧着され、その圧着面積率が18%となるよう調整したエンボスロールで、温度240℃、線圧70kg/cmの条件で熱圧着し、繊度2デシテックス、目付260g/mのスパンボンド不織布を得た。
実施例2
水分率50重量ppm以下に乾燥した固有粘度IV0.65、融点260℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を295℃で溶融し、口金温度300℃で細孔より紡出した後、エアサッカーにより紡糸速度4400m/分で円形断面形状のフィラメントを紡糸し、開繊させ、移動するネットコンベアー上に繊維ウェブとして捕集した。捕集した繊維ウェブを、ニードルパンチによりウェブにパンチ数80本/cmの針を貫通し繊維を交絡させた後、上側に織目柄を有するエンボスロールを用い、下側に凹凸の無いフラットロールを用い、圧着面積率が24%となるよう調整したエンボスロールで、温度240℃、線圧60kg/cmの条件で熱圧着し、繊度5デシテックス、目付300g/mのスパンボンド不織布を得た。
実施例3
水分率50重量ppm以下に乾燥した固有粘度IV0.65、融点260℃のポリエチレンテレフタレート(PET)と、水分率50重量ppm以下に乾燥した固有粘度IV0.66、イソフタル酸共重合率11モル%で融点230℃の共重合ポリエステル(CO−PET)を、それぞれ295℃と280℃で溶融し、ポリエチレンテレフタレートを芯成分、共重合ポリエステルを鞘成分とし、口金温度300℃、芯:鞘=80:20の重量比率で細孔より紡出した後、エアサッカーにより紡糸速度4300m/分で円形断面形状のフィラメントを紡糸し、コロナ放電法により−30kVの電圧で繊維を帯電して開繊させ、移動するネットコンベアー上に繊維ウェブとして捕集した。捕集した繊維ウェブを、表面に複数の平行に配置された直線的溝が形成されている一対の上側ロールと下側ロールからなり、その上側ロールの溝とその下側ロールの溝とがある角度で交叉するように設けられているエンボスロールにおいて、上側ロールの凸部と下側ロールの凸部とで熱圧着され、その圧着面積率が10%となるよう調整したエンボスロールで、温度190℃、線圧70kg/cmの条件で熱圧着し、繊度2デシテックス、目付260g/mのスパンボンド不織布を得た。
実施例4
水分率50重量ppm以下に乾燥した固有粘度IV0.65、融点260℃のポリエチレンテレフタレート(PET)と、水分率50重量ppm以下に乾燥した固有粘度IV0.66、イソフタル酸共重合率11モル%で融点230℃の共重合ポリエステル(CO−PET)を、それぞれ295℃と280℃で溶融し、ポリエチレンテレフタレートを芯成分、共重合ポリエステルを鞘成分とし、口金温度300℃、芯:鞘=50:50の重量比率で細孔より紡出した後、エアサッカーにより紡糸速度4300m/分で円形断面形状のフィラメントを紡糸し、コロナ放電法により−30kVの電圧で繊維を帯電して開繊させ、移動するネットコンベアー上に繊維ウェブとして捕集した。捕集した繊維ウェブを、熱風温度300℃のエアーをシートに通過させた後、一対のフラットロールからなるカレンダーロールにて、温度170℃、線圧50kg/cmの条件で熱圧着し、繊度5デシテックス、目付350g/mのスパンボンド不織布を得た。
実施例5
水分率50重量ppm以下に乾燥した固有粘度IV0.65、融点260℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を295℃で溶融し、口金温度300℃で細孔より紡出した後、エアサッカーにより紡糸速度4400m/分で円形断面形状のフィラメントを紡糸し、開繊させ、移動するネットコンベアー上に繊維ウェブとして捕集した。捕集した繊維ウェブにポリエステルからなる粉末状の樹脂を散布した後、上側に円形を有するエンボスロールを用い、下側に凹凸の無いフラットロールを用い、圧着面積率が17%となるよう調整したエンボスロールで、温度240℃、線圧60kg/cmの条件で熱圧着し、繊度2デシテックス、目付230g/mのスパンボンド不織布を得た。
得られた不織布の特性は表1に示した通りであるが、実施例1、2、3、4、5の不織布はいずれも目付あたりの円弧状曲げ剛性に優れたものであった。また目付あたりの通気量はそれぞれ、0.025、0.137、0.038、0.039、0.032((cc/cm/sec)/(g/m))と良好であった。またダスト払い落としテスト後のフィルターは、表面にダストが付着しているものの、目詰まり等はなく、良好であった。
また、実施例1〜5で得られた不織布を用いて、不織布幅方向を円周として、直径16cm、長さ1500cmの円筒状バグフィルターを各々16本ずつ作製した。成型は縫製により行い、下端は円筒状とし、側面と同じ不織布を底に用いた。
16本の円筒状バグフィルターを4×4列で集塵機に設置し、テストダストとして、炭酸カルシウムダスト(日東粉化製NS100:平均粒径2.0μm)を含塵濃度30g/m、濾過風速2.5m/minで供給し、60秒間隔で4kg/cmのパルスジェットを0.5秒間打ち、これを50回繰り返し、ダスト払い落としテストを実施した。払い落とし後のバグフィルターのダスト離脱性を目視により判定した。その結果もあわせて表1に示す。
比較例1
水分率50重量ppm以下に乾燥した固有粘度IV0.65、融点260℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を紡糸し、繊度2デシテックス、カット長51mm、捲縮数14個/2.54cmのポリエチレンテレフタレート短繊維を用い、単糸番手20s、合糸本数2本の紡績糸を得た。このものを平織りとしポリエチレンテレフタレート紡績糸織物を得た。次いで120℃でオーバーフィードを与えつつ45秒間ヒートセットし、経糸密度26本/2.54cm、緯糸密度18本/2.54cmの基布とした。該基布に繊度2.0d、カット長51mm、捲縮数14個/2.54cmの円形断面を有するポリエチレンテレフタレート繊維を用いたウェブを積層し、ニードルパンチングにより該基布と該ウェブとを絡合させてニードルフェルトを得た。さらに、このフェルトにバーナー炎で毛焼き処理を行い、次いで表面温度200℃の熱ロールにてプレスすることにより目付500g/m 、厚み1.71mmの短繊維不織布を得た。
比較例2
比較例1の短繊維不織布にビスフェノールA型エポキシ樹脂を該短繊維不織布の全重量に対して10%の割合で含浸し、180℃で3分乾燥した。
比較例1〜2で得られた不織布を用いて、不織布幅方向を円周として、直径16cm、長さ1500cmの円筒状バグフィルターを各々16本ずつ作製した。成型は縫製により行い、下端は円筒状とし、側面と同じ不織布を底に用いた。
16本の円筒状バグフィルターを4×4列で集塵機に設置し、テストダストとして、炭酸カルシウムダスト(日東粉化製NS100:平均粒径2.0μm)を含塵濃度30g/m、濾過風速2.5m/minで供給し、60秒間隔で4kg/cmのパルスジェットを0.5秒間打ち、これを50回繰り返し、ダスト払い落としテストを実施した。払い落とし後のバグフィルターのダスト離脱性を目視により判定した。
得られた不織布の特性は表1に示した通りであるが、比較例1で得られた不織布の目付あたりの通気量は0.019((cc/cm/sec)/(g/m))と好ましいが、目付あたりの円弧状曲げ剛性は0.009((cN/2cm)/(g/m))と使用に耐え得るものではなかった。さらに比較例2で得られた不織布の目付あたりの円弧状曲げ剛性は0.212((cN/2cm)/(g/m))と好ましいが、目付あたり通気量が0.009((cc/cm/sec)/(g/m))と非常に目詰まりしやすいものであった。またダスト払い落としテスト後のフィルターはダストの目詰まりが激しく、使用に耐えられるものではなかった。
Figure 2009006318
本発明の円筒状バグフィルターは機械的特性や剛性に優れなおかつ、長期使用に耐え、ダストの目詰まりの少ない円筒状バグフィルターであるため、特に工業用の集塵機用フィルターとして好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 合成繊維からなる長繊維不織布が円筒状に成形されてなることを特徴とする円筒状バグフィルター。
  2. 熱融着、縫製および接着のうちの少なくとも1手段により円筒状に成形されてなることを特徴とする請求項1記載の円筒状バグフィルター。
  3. 前記長繊維不織布が、下記に示す各式から得られる目付あたりの円弧状曲げ剛性が0.050〜1.000((cN/2cm)/(g/m))および目付あたりの通気量が0.010〜0.500((cc/cm/sec)/(g/m))であることを同時に満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載の円筒状バグフィルター。
    目付あたりの円弧状曲げ剛性((cN/2cm)/(g/m))=円弧状曲げ剛性(cN/2cm)/目付(g/m
    目付あたりの通気量((cc/cm/sec)/(g/m))=通気量(cc/cm/sec)/目付(g/m
  4. 前記長繊維不織布が、部分的に熱融着されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の円筒状バグフィルター。
  5. 前記熱融着が、熱圧着による熱融着であることを特徴とする請求項4に記載の円筒状バグフィルター。
  6. 前記長繊維不織布の熱圧着面積率が5〜30%であることを特徴とする請求項5に記載の円筒状バグフィルター。
  7. 前記合成繊維が、熱可塑性高融点重合体の周りに熱可塑性低融点重合体を配した複合型フィラメントで構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の円筒状バグフィルター。
  8. 前記長繊維不織布の少なくとも片面に、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリフッ化ビニリデンを含むフィルター膜を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の円筒状バグフィルター。
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