JP7122053B1 - 濾過材、濾過装置、及び濾過材の製造方法 - Google Patents

濾過材、濾過装置、及び濾過材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで、かつ長期間において濾過処理性能を維持することが可能な濾過材、濾過装置、及び濾過材の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】濾過装置1に内包される濾過材3は、ポリエチレンテレフタレートを素材とする第1の繊維体311とポリアミドを素材とする第2の繊維体312が所定の割合で撚られた複合繊維体31である。一本の複合繊維体31を所定の巻き数で巻き取ることで繊維エレメント32とし、さらに複数の繊維エレメント32を結束することで濾過材3が生成される。【選択図】図9

Description

本発明は、濾過材、濾過装置、及び濾過材の製造方法に関する。詳しくは、長期間において濾過処理性能を維持することが可能な濾過材、濾過装置、及び濾過材の製造方法に係るものである。
一般家庭や工場等から排出される汚水(被処理水)には様々な懸濁物質が含まれており、それをそのまま河川や湖、或いは海洋等の自然水系に放流することは水質汚染につながり環境に悪影響を与えるため、環境基準を定める各種の法令によって放流可能な水質基準が設定されている。
このような被処理水を環境負荷の少ない処理水とするための浄化処理方法の一つとしては、例えば砂濾過装置を用いた砂濾過法が知られている。砂濾過法に用いられる一般的な砂濾過装置として、特許文献1には、密閉状のタンクとこのタンク内に充填された砂層とを有し、タンクの上方から導入された被処理水を砂層で濾過して、濾過された水をタンクの下方から排出するように構成された濾過装置が開示されている。
一方で、砂濾過装置は濾過材の充填密度が高いことから、濾過抵抗が大きくなる傾向がある。そのため全体的な処理能力が劣るため、例えば工業廃水の処理を目的として工場等の大規模な産業施設に設置した場合、汚水の処理効果が必ずしも十分でなく、全ての懸濁物質を除去することが難しいという問題がある。
そのため、より処理能力の高い濾過材として繊維材を使用した濾過装置が産業施設を中心として採用されている。濾過装置の具体的な構造としては、例えば特許文献2に開示されているように、濾材に長繊維の束を複数用いて構成された濾過材を有する濾過装置が一般的に知られている。
特許文献2に開示の濾過装置は、濾過運転時には、濾過材に被処理水を通水させることで被処理水に含まれる懸濁物質が除去される。このとき、濾過材を圧密化して濾過材の充填密度を高めることにより、被処理水の通水速度を最適なものとすることで、より効率的に懸濁物質の除去が行われる。そして、濾過材を通過した被処理水は懸濁物質の大半が除去された処理水へと浄化処理される。
また、濾過材はその濾過能力を保つためにも、一定サイクル毎に濾過材に付着した懸濁物質を洗浄する洗浄運転(逆洗運転)が行われる。この逆洗運転においては、濾過材を伸長した状態で空気や逆洗水(以下、総称して「洗浄流体」という。)を供給することで濾過材の洗浄が行われる。この濾過運転と逆洗運転を一定のサイクル毎に交互に行うことで、濾過材の濾過能力を回復させることができる。
この濾過材の圧密化や伸長は、一般的には被処理水や洗浄流体の水圧を利用して行われるが、一部の濾過材においては電気エネルギ等の外部駆動力を利用して行われる場合もある。外部駆動力を利用する場合には、濾過運転時には濾過材を外部駆動力により強制的に圧密化して濾過処理性能を高め、逆洗運転時には同じく外部駆動力を利用して強制的に迅速に濾過材を伸長させて洗浄効率を高めている。
しかしながら、従来技術のように、濾過運転、及び逆洗運転の都度、外部駆動力を使用することは、エネルギコストが上昇するとともに、外部駆動力の駆動源のメンテナンス等の問題があった。一方、省エネ運転のために比較的小さな外部駆動力を利用する場合、濾過運転時には濾過材を十分に圧密化できないため濾過処理性能を高く維持できず、逆洗運転時には濾過材が十分に伸長されないため、効率的な洗浄処理ができないとういう問題があった。
そこで、本出願人は、特許文献3において、外部駆動力を使用することなく、比較的簡単な構成に基づいて濾過運転、及び逆洗運転を高効率で実施する濾過装置を開示している。具体的には、濾過材の下端部が固定され、上端部には下方側に向けて凹部が形成された筒内可動部が固定された構成からなる濾過装置が開示されている。
特許文献3に係る濾過装置においては、濾過運転時には上流から下流に通水される被処理水の水圧で筒内可動部が下方に向けて押圧される。このとき濾過材は、筒内可動部の重みにより十分に圧密化されるため濾過処理を高効率で行うことができる。一方、逆洗運転時には、下流から上流に向けて噴出された空気や逆洗水が筒内可動部に形成された凹部に溜まり、筒内可動部に上向きの浮力が発生する。この浮力により、濾過材は上方に引き上げられ、その結果、濾過材は十分に伸長され高効率で洗浄される。
特開平成5-154309号公報 特開2000-5517号公報 特許第6325746号公報
前記した特許文献3に係る濾過装置によると、外部駆動力を使用することなく濾過材の圧密化と伸長を行うことができるため、低コストでの運転が可能となる。一方で、濾過運転を継続すると、濾過材の充填密度が増加した場合や、過速度で被処理水が供給された場合には、濾過材を構成する繊維間の空隙が小さくなり圧力損失が増加し、濾過運転の継続時間が短くなるという問題がある。また、濾過材の圧力損失が増加すると、濾過装置全体の耐圧性の問題から故障の原因となることが懸念される。
さらには、濾過運転の継続時間が短くなると、濾過運転と逆洗運転を行う期間が短くなるが、濾過運転と逆洗運転の運転サイクルを長期間繰り返し行うと、処理水に対して逆洗水の比率が高くなり非効率になるとともに、濾過材を構成する繊維の摩耗や劣化の原因となり、頻繁に交換を要することになる。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、長期間において濾過処理性能を維持することが可能な濾過材、濾過装置、及び濾過材の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の濾過材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートの群から選択される少なくとも1種の第1の繊維体と、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリ塩化ビニルの群から選択される少なくとも1種の第2の繊維体と、を相互に撚り合わせて構成された複合繊維体からなる。
ここで、濾過材を構成する複合繊維体がポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートの群から選択される少なくとも1種の第1の繊維体を含むことにより、被処理水に含まれる微粒子の除去率を高めることができる。また、第1の繊維体において選択される素材は引張強度に優れるため、例えば濾過材が逆洗時に延伸されたとしても、一定の強度を確保し、複合繊維体が切断されることを防止することができる。
また、複合繊維体がポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリ塩化ビニルの群から選択される少なくとも1種の第2の繊維体を含むことにより、これら第2の繊維体で選択される素材は一般的に屈曲耐性に優れることから、濾過材が伸縮動作を繰り返すことによる強度低下が第1の繊維体に比べて少ない。そのため、複合繊維体に一定量の第2の繊維体が含まれることにより、繰り返し使用による濾過材の劣化を抑制し、濾過処理性能を長期間において保持することができる。
また、複合繊維体は第1の繊維体と第2の繊維体との混合比率が1:0.5~1:1の範囲である場合には、第1の繊維体による微粒子の除去性能と第2の繊維体による濾過材の強度確保を高めることができる。
なお、第1の繊維体に対する第2の繊維体の混合比率を前記した数値範囲よりも少なくすると、濾過材の強度が低くなり濾過材が短期間で劣化し、微粒子の除去率が低下する虞がある。一方、第1の繊維体に対する第2の繊維体の混合比率を前記した数値範囲よりも多くすると、濾過材の強度は増えるものの第1の繊維体による微粒子の除去効果を得ることができないため、微粒子の除去率が低下する虞がある。
また、複合繊維体の撚り数が20~60T/mである場合には、第1の繊維体と第2の繊維体の相乗効果により、複合繊維体の強度が適当なものとなるとともに、微粒子の除去率が高まり、長期間において濾過材の性能を維持することができる。
なお、複合繊維体の撚り数が20T/m未満である場合には、第1の繊維体と第2の繊維体とが密着せず複合繊維体の強度が低下し、濾過材による微粒子の除去性能を長時間持続することができない虞がある。一方、複合繊維体の撚り数が60T/mよりも多くなると、第1の繊維体と第2の繊維体とが密に絡み合うため、例えば複合繊維体の洗浄時に、複合繊維体の内部に付着した微粒子が外部に排出されにくいという問題が生じる。さらに、一の複合繊維体に隣接する複合繊維体との隙間が広くなり、処理水の通水部分の空隙率が高まるため、微粒子の除去率が低下する虞がある。
前記の目的を達成するために、本発明の濾過装置は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートの群から選択される少なくとも1種の第1の繊維体とポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリ塩化ビニルの群から選択される少なくとも1種の第2の繊維体とを相互に撚り合わせて構成され、濾過運転時に供給される被処理水を固液分離する濾過材と、該濾過材を内包する外筒部と、前記濾過材の下流側の端部を固定する第1の濾過材固定部と、前記第1の濾過材固定部に向けて開放端が形成された凹状であるとともに、前記濾過材よりも上流側に位置して前記外筒部の軸心方向に沿って移動可能であり、自重により前記濾過材を圧密化させるべく設けられた筒内可動部と、該筒内可動部の開放端面に設けられ、前記濾過材の上流側の端部を固定する第2の濾過材固定部とを備える。
ここで、第1の繊維体と第2の繊維体とを相互に撚り合わせて構成され、濾過運転時に供給される被処理水を固液分離する濾過材を備えることにより、被処理水に含まれる微粒子の除去率を高めることができるとともに、繰り返し使用による濾過材の劣化を防止し、濾過処理性能を長期間において保持することができる。
また、濾過材を内包する外筒部を備えることにより、外筒部内に被処理水を供給することで、内包された濾過材により懸濁物質を含む被処理水を浄化処理することができる。
また、濾過材の下流側の端部を固定する第1の濾過材固定部を備えることにより、濾過材の端部を固定することができる。これにより、外筒部内の下流から上流に向けて洗浄流体を供給して濾過装置を逆洗運転する場合には、濾過材が第1の濾過材固定部を基点として上流側に向けて伸長させることができるため、洗浄効果を高めることができる。
また、第1の濾過材固定部に向けて開放端が形成された凹状であるとともに、外筒部の軸心方向に沿って移動可能である筒内可動部を備えることにより、筒内可動部は外筒部の軸方向に沿って被処理水の水圧により可動することができる。即ち、外部駆動力を利用することなく、被処理水の水圧により濾過材を圧密化して充填密度を高めることができる。
そして、筒内可動部は濾過材の上流に位置し、自重により濾過材を圧密化させるべく設けられているため、濾過運転時には、筒内可動部は上流側から供給された被処理水の水圧とともに自重により下流側に向けて押圧される。このとき、濾過材は圧密化されることで適当な充填密度となり、懸濁物質の除去率を高めることができる。
また、筒内可動部の開放端面に設けられ、濾過材の上流側の端部を固定する第2の濾過材固定部を備えることにより、筒内可動部と濾過材を一体化することができる。従って、外部駆動力を使用することなく被処理水の水圧や筒内可動部の自重だけで、濾過材を十分に圧密化することができる。
また、濾過材は、濾過運転時における被処理水の供給方向の上流側に位置する第1の濾過材と、第1の濾過材よりも下流側に位置し、かつ第1の濾過材の繊維径よりも相対的に細い繊維径の第2の濾過材とを有する場合には、濾過材が上流側と下流側の二層構造とすることができる。これにより、濾過運転時には、上流に位置する第1の濾過材により比較的体積の大きな懸濁物質を除去し、下流に位置する第2の濾過材により、比較的体積の小さな懸濁物質を除去することができるため、被処理水の処理効果をさらに高めることができる。
前記の目的を達成するために、本発明の濾過材の製造方法は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートの群から選択される少なくとも1種の第1の繊維体とポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリ塩化ビニルの群から選択される少なくとも1種の第2の繊維体とを所定の撚り数で撚り合わせる工程と、該撚り合わせる工程で生成された複合繊維体を所定の巻数で巻き取る工程と、該巻き取る工程で生成された繊維エレメントを所定の加熱温度で加熱する工程と、前記繊維エレメントを洗浄剤に含浸する工程と、複数の繊維エレメントを結束する工程とを備える。
ここで、第1の繊維体と第2の繊維体とを所定の撚り数で撚り合わせる工程を備えることにより、被処理水に含まれる微粒子の除去率を高めることができるとともに、繰り返し使用による濾過材の劣化を防止し、濾過処理性能を長期間において保持することができる。
また、撚り合わせる工程で生成された複合繊維体を所定の巻数で巻き取る工程を備えることにより、濾過材を構成する一要素である繊維エレメントを生成することができる。
また、巻き取る工程で生成された繊維エレメントを所定の加熱温度で加熱する工程を備えることにより、繊維の縮れを制御して繊維エレメントの表面積を確保することで、濾過材による微粒子の除去率を高めることができる。
また、繊維エレメントを洗浄剤に含浸する工程を備えることにより、繊維エレメントを生成する過程で、複合繊維体の表面に付着した汚れを除去し、濾過材による微粒子の除去率を高めることができる。
また、複数の繊維エレメントを結束する工程を備えることにより、複数の繊維エレメントを構成要素とする濾過材を生成することができる。
本発明に係る濾過材、濾過装置、及び濾過材の製造方法は、長期間において濾過処理性能を維持することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る濾過装置の概略を示す図である。 濾過材を示す図であり、(a)は複合繊維体、(b)は繊維エレメント、(c)は濾過材をそれぞれ示す。 濾過材の製造工程図である。 本発明の第1の実施形態に係る濾過装置を構成する第1の濾過材固定部の外観図である。 本発明の第1の実施形態に係る濾過装置を構成する筒内可動部の外観図であり、(a)は側面図、(b)は底面図である。 本発明の第1の実施形態に係る濾過装置の濾過運転時の状態を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る濾過装置の逆洗運転時の状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る濾過装置の概略を示す図である。 実施例と比較例における濾過試験結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る濾過材、濾過装置、及び濾過材の製造方法ついて図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の説明では、外筒部内に濾過材を設置した状態において、上方に向かう方向を上方、上方の反対方向を下方、上方および下方により表される軸方向を鉛直方向、鉛直方向と垂直な方向を水平方向とそれぞれ定義する。
〔第1の実施形態〕
まず、本発明の第1の実施形態に係る濾過装置1について、図1に基づいて説明する。濾過装置1は主に外筒部2、濾過材3、濾過材固定部4、筒内可動部5、及びストッパ部6から構成されている。
[外筒部]
外筒部2は、ステンレス鋼であり、外筒本体部21、外筒上端部22、及び外筒下端部23から構成されている。より具体的には、本実施形態にかかる外筒部2は、円筒状からなる外筒本体部21、この外筒本体部21の上方位置に取り付けられた外筒上端部22、この外筒本体部21の下方位置に取り付けられた外筒下端部23から構成されている。
外筒本体部21は上下方向に分割可能であり、その分割面には後記するストッパ部6が介挿される。そして、濾過材3が劣化した場合等、外筒部2内の装備品の交換作業や内部のメンテナンス作業等を行う際には、外筒本体部21を上下方向に分割することで、その作業性を高めることができるものとなっている。
ここで、必ずしも、外筒部2を構成する外筒本体部21、外筒上端部22、及び外筒下端部23の材質としてステンレス鋼である必要はない。例えば鉄、ポリ塩化ビニル、FRP、ポリエチレン、アクリル樹脂、或いはポリプロピレン等を用いて構成してもよい。
また、必ずしも、外筒部2は円筒状である必要はない。被処理水を通水し濾過するための装置を配置することができる所定の空間が内部に形成されたものであれば、いかなる形状のものであってもよい。
また、必ずしも、外筒部2は分割式のものである必要はない。但し、分割式であることにより、前記した通り、濾過装置1のメンテナンス作業の効率を高めることができる。
外筒部2の外筒上端部22には、被処理水を通水させるための上方出入口部221、及び外筒部2内に充填するエアを定期的に外部に放出するためのエア抜き部222が設けられている。上方出入口部221には、第1分岐配管223が接続されている。またエア抜き部222は、必要に応じて開閉可能に構成されている。
上方出入口部221に接続されている第1分岐配管223の一方側には、第1上方バルブ224を介して、被処理水が供給される被処理水供給部Aが接続されている。また、この第1分岐配管223の他方側には、第2上方バルブ225を介して、逆洗水を排出するための排水排出部Bが接続されている。
外筒部2の外筒下端部23には、下方出入口部231、及び後記する送風機Cから導入される空気を外筒部2内に導くための空気導入部232が設けられている。下方出入口部231には、第2分岐配管233が接続されている。
下方出入口部231に接続されている第2分岐配管233の一方側には、第1下方バルブ234を介して、処理水貯留部Dが接続されている。また、この第2分岐配管233の他方側には、第2下方バルブ235を介して、逆洗水供給部Eが接続されている。
外筒下端部23には、前記したように空気導入部232が設けられており、この空気導入部232は、外筒下端部23の内部に設けられた曝気配管部236に接続されている。また、この空気導入部232には、空気配管(図示しない)を介して、送風機Cが接続されている。即ち、本実施形態においては、空気導入部232を介して、送風機Cから曝気配管部236に対して、空気が供給されるべく構成されている。そして、この曝気配管部236には、空気を噴出すべく、複数の貫通孔が形成されている。
[濾過材]
濾過材3は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を素材とする第1の繊維体311とポリアミド(PA)を素材とする第2の繊維体312の複合繊維体31から構成されている。図2(a)は、複合繊維体31の拡大図である。図2(a)に示すように、第1の繊維体311と第2の繊維体312を撚って一本の複合繊維体31とし、さらに図2(b)に示すように複合繊維体31を所定の巻き数で巻き取ることで濾過材3を構成する繊維エレメント32が生成される。
ここで、必ずしも、第1の繊維体311の素材としてポリエチレンテレフタレートが選択される必要はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートの群から少なくとも1種が選択されるものとする。
また、必ずしも、第2の繊維体312の素材としてポリアミドが選択される必要はなく、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリ塩化ビニルの群から少なくとも1種が選択されるものとする。
本実施形態の複合繊維体31において、第1の繊維体311と第2の繊維体312とは略1:0.5~1:1の混合比率(質量比率)で撚られている。
ここで、必ずしも、第1の繊維体311と第2の繊維体312との混合比率は略1:0.5~1:1の範囲に限定されるものではない。例えば第2の繊維体312は第1の繊維体311に比べて屈曲耐性に優れ、濾過材3を繰り返し使用することによる強度低下が第1の繊維体311に比べて小さいため、第2の繊維体312の混合割合をさらに増やすことも可能である。
但し、第2の繊維体312の引張強度は第1の繊維体311の引張強度に比べて弱い傾向がある。そのため、第2の繊維体312の割合を第1の繊維体311に対して大きくすると、逆洗による濾過材3の洗浄に際して第2の繊維体312が引張力に耐えられずに分断されてしまう虞がある。そのため、一定の引張強度を保ちながら、長期間において濾過材3の濾過処理性能を維持するという観点では、第1の繊維体311と第2の繊維体312との混合比率は略1:0.5~1:1であることが好ましい。
本実施形態の複合繊維体31において、第1の繊維体311と第2の繊維体312との撚り数は20~60T/mであり、より好ましくは50T/mである。このように第1の繊維体311と第2の繊維体312との撚り数を20~60T/mの範囲内とすることで、第1の繊維体311と第2の繊維体312とが適度に密着するため、濾過材3の耐久性と濾過性能を向上させることができる。
ここで、撚り数が20T/m未満である場合には、複合繊維体31の強度が弱くなるため、濾過材3を長時間使用した場合の微粒子の除去性能にばらつきが生じる可能性がある。一方、撚り数が60T/mよりも多い場合には、第1の繊維体311と第2の繊維体312とが密着し過ぎるため、濾過材3を洗浄する際に、複合繊維体31の表面に付着した汚れが外部に排出されにくく、結果として濾過材3の濾過性能にばらつきが生じる可能性がある。従って、濾過材3の強度を確保しながら、濾過処理性能を長時間維持するという観点では、第1の繊維体311と第2の繊維体312との撚り数は20~60T/mであることが好ましい。
[濾過材の製造方法]
次に、図3の工程図を用いて、濾過材3の製造工程について説明する。
<STEP1:複合繊維体の生成>
まず、糸状の第1の繊維体311と第2の繊維体312をそれぞれ、前記した撚り数の条件下(20~60T/m)において撚り合わせ、図2(a)に示す複合繊維体31が生成される。第1の繊維体311と第2の繊維体312の混合比率は前記した通り、1:0.5~1:1の範囲で調整される。なお、本発明の実施形態においては撚り数が50T/m、第1の繊維体311と第2の繊維体312の混合比率は1:1で生成した。
<STEP2:繊維エレメントの生成>
STEP1で生成した複合繊維体31を巻き取り装置(図示しない)で巻き取り、図2(b)に示すように無端状の繊維エレメント32を生成する。
<STEP3:繊維エレメントの加熱>
STEP2で生成された繊維エレメント32を加熱することで、繊維をある程度縮れさせて第1の繊維体311と第2の繊維体312の繊維間距離を適切に保つことができる。さらに、加熱により強制的に繊維を縮れさせることで、それ以降の工程で繊維が過度に縮れることを抑制することができる。なお、加熱温度や加熱時間については、複合繊維体31を構成する繊維材料の種類等に応じて適宜変更することができる。
<STEP4:繊維エレメントの洗浄>
繊維エレメント32を構成する複合繊維体31は、第1の繊維体311と第2の繊維体312を撚る際に使用した潤滑油や、特に第2の繊維体312の素材であるナイロンに含まれるモノマー等の不純物が表面に付着する場合がある。これら不純物が付着した状態のまま濾過材3として使用すると、濾過材3の除去性能に悪影響を及ぼす可能性がある。そこで、繊維エレメント32を洗浄液に一定時間だけ浸漬させることで、複合繊維体31の表面に付着した不純物を除去することができる。なお、浸漬後に水道水等でさらに洗浄するようにしてもよい。
<STEP5:繊維エレメントの結束>
STEP4で洗浄した複数の繊維エレメント32を束ねて端部を結束することで、図2(c)に示すように一つの濾過材3が完成する。結束する繊維エレメント32の本数については、濾過材3を使用する濾過装置の大きさに応じて適宜変更することができる。
[濾過材固定部]
濾過材固定部4は、濾過材3を外筒部2内において固定するためのもので、濾過材3を外筒部2内に設置した状態において、濾過材3の下端を固定するための第1の濾過材固定部41、濾過材3の上端を固定するための第2の濾過材固定部42から構成されている。第1の濾過材固定部41は外筒下端部23の上方位置に設置され、第2の濾過材固定部42は後記する筒内可動部5内に設置されている。
ここで、必ずしも、第1の濾過材固定部41は、図1に示す位置に設置されている必要はなく、例えば外筒部本体部21の最下端や、その他必要に応じて適宜変更することができるものとする。
第1の濾過材固定部41と第2の濾過材固定部42は略同一の形状であるため、ここでは第1の濾過材固定部41を代表例として説明する。第1の濾過材固定部41は、図4に示すように、直線状のステンレス鋼材が縦横方向に一定間隔で配置された格子部43を形成している。濾過材3の下端部は、第1の濾過材固定部41のいずれかの箇所(直線部あるいは交点部)に紐状体からなる取付部材(図示しない)を介して固定されている。また、濾過材3の上端部は、第2の濾過材固定部42のいずれかの箇所に紐状体からなる取付部材(図示しない)を介して固定されている。
ここで、必ずしも、第1の濾過材固定部41、及び第2の濾過材固定部42は格子部43を構成する必要はない。濾過運転時において、濾過材3に対して被処理水を通水され、或いは逆洗運転時において空気等の洗浄流体が供給された場合でも濾過材3が強固に固定できる形状であれば、どのような構成であってもよい。
[筒内可動部]
筒内可動部5は、外筒部2の上流側から供給される被処理水による水圧、及び外筒部2の下流側から供給される洗浄流体による水圧を受けて外筒部2内を上下方向に移動可能に構成されている。図5は、筒内可動部5の概略図を示したものであって、図5(a)は筒内可動部5の概略側面図、図5(b)は筒内可動部5の概略底面図を示している。
図5に示すように、本実施形態にかかる筒内可動部5は、凹状に形成された可動本体部51と、この可動本体部51の内側に設けられた第2の濾過材固定部42と、可動本体部51の外側に設けられたスペーサリング53と、この可動本体部51の上方位置に設けられた流体流通孔部54の開閉状態を制御する逆止弁55等とから構成されている。
可動本体部51の内側には所定の空間である可動凹部52が形成される。また、この可動本体部51には、その上方の略中央に流体流通孔部54が形成されており、この流体流通孔部54の周囲には一定間隔で4つ調整孔部56が形成されている。
ここで、必ずしも、可動本体部51は椀状である必要はない。可動本体部51の内側に所定の空間である可動凹部52が形成されていれば、その外形は特に限定されるものではない。即ち、濾過装置1の濾過運転時には供給される被処理水により下流方向に押圧する力が作用し、逆洗運転時には上流方向への浮力が発生することができれば、その外形はどのような形状であってもよい。
可動本体部51に形成されている流体流通孔部54の上方位置には、逆止弁55が設けられており、流体流通孔部54の開閉状態は、この逆止弁55によって制御される。即ち、可動本体部51に形成されている流体流通孔部54は、筒内可動部5の上方から被処理水が供給される場合には、「開」状態となって被処理水を下方に流通させるべく機能する。また、この流体流通孔部54は、筒内可動部5の下方から逆洗水や空気等が供給される場合には、「閉」状態とすることで可動本体部51が上流側に浮上する浮力発生のための装置として機能する。
可動本体部51に形成されている調整孔部56は、被処理水や洗浄流体を筒内可動部5の上下方向に流通させるべく機能する。本実施形態においては、4か所に調整孔部56が形成されており、これらの調整孔部56を流体が流通することによって、外筒部2内を上下動する筒内可動部5の姿勢バランスが保持される。
ここで、必ずしも、可動本体部51には調整孔部56が形成されていなくてもよい。但し、調整孔部56を形成することで、外筒部2内を上下動する筒内可動部5の姿勢バランスを一定に保つことができる。従って、濾過運転時には濾過材3の充填密度を均一にすることで濾過効率を高め、伸長時には濾過材3全体を均一に伸長することで洗浄効果を高めることができる。
また、必ずしも、調整孔部56は4か所に形成されている必要はない。調整孔部56の数は筒内可動部5の形状や大きさ等に応じて適宜変更することができる。また、これらの調整孔部56は、筒内可動部5の上下動状態を見ながら、適宜、開閉状態を調整してもよい。例えば、必要に応じて、1つあるいは1つ以上の調整孔部56を、ボルトやピン等を用いて閉塞してもよい。
可動本体部51には、図5に示すように、その外側にスペーサリング53が設けられている。このスペーサリング53の外径は、外筒部2の内径よりもわずかに小さく構成されており(本発明の実施形態においては、内壁面との間隔が0.5mm~5.0mm程度)、可動本体部51と一体化されているか、或いは着脱自在に取り付けることもできる。なお、スペーサリング53は、摩擦係数が小さく、かつ耐摩耗性に優れた材料からなり、例えば、フッ素樹脂、高分子ポリエチレン樹脂、硬質ポリエチレン樹脂等を用いて構成されている。
ここで、必ずしも、スペーサリング53を設ける必要はない。但し、スペーサリング53を設けることにより、筒内可動部5の外筒部2の内壁面に対するすべり効果を高め、よりスムーズに上下動させることができる。また、スペーサリング53を設けることによって、外筒部2の内壁面と筒内可動部5との隙間を小さくし、筒内可動部5に対して被処理水による圧力を効果的に作用させる。
筒内可動部5を構成する可動本体部51の内側には、図5(b)に示すように、第2の濾過材固定部4が設けられている。なお、第2の濾過材固定部4の形状は、前記した通り第1の濾過材固定部4と略同一であるため、ここでの説明は省略する。
以上のように、濾過材3の上下両端は第1の濾過材固定部41、及び第2の濾過材固定部42により強固に固定されている。そして、濾過装置1の濾過運転時には、筒内可動部5が上方から供給される被処理水の水圧を受けて下方に移動する。逆に濾過装置1の逆洗運転時には、筒内可動部5が下方から供給される逆洗流体の水圧を受けて上方に移動する。このように、可動本体部51の上下動に伴い、濾過材3の圧密化と伸長を繰り返すことが可能となる。
次に、本発明の実施形態に係る濾過装置1の運転方法について説明する。濾過装置1は、主に「濾過運転」と「逆洗運転」が交互に繰り返し行われる。なお、「逆洗運転」は、例えば空気のみを供給する「空気逆洗運転」、空気と逆洗水を同時に供給する「混合逆洗運転」の両方を含む概念である。
[濾過運転]
図6は濾過装置1の濾過運転時の状態を示す図である。濾過運転を開始する際には、第1上方バルブ224は「開」状態、第2上方バルブ225は「閉」状態、第1下方バルブ234は「開」状態、第2下方バルブ235は「閉」状態となるように、各バルブの開閉操作が行われる。
次いで、被処理水供給部Aから第1上方バルブ224、第1分岐配管223、及び上方出入口部221を介して、外筒部2内へと被処理水が供給される。外筒部2内に被処理水が供給され、その水圧を受けて筒内可動部5が下方に向けて移動すると、濾過材3は、供給された被処理水による水圧とともに、濾過材3の上端部に固定された筒内可動部5の重みによってさらに下方に押し下げられる。このとき筒内可動部5は、ストッパ部6により一定の高さ位置でその移動が制限され、位置が固定される。そのため、濾過運転の間は、圧密化された濾過材3の充填密度が均一に保持されることになる。
濾過材3が圧密化された状態で被処理水の供給が継続されると、上方出入口部221から供給される被処理水は、主に筒内可動部5の流体流通孔部54、及び調整孔部56、スペーサリング53と外筒本体部21との隙間を介して流通し、その後、濾過材3との接触が繰り返し行われることになる。即ち、被処理水は、圧密化されて一定の充填密度となった濾過材3との接触が繰り返し行われることによって、被処理水に含まれる懸濁物質が効率的に除去される。
被処理水が濾過材3との接触を繰り返して通水した後は懸濁物質が除去された処理水となる。この処理水は、下方出入口部231、第2分岐配管233、及び第1下方バルブ234を介して、処理水貯留部Dへ送られる。この処理水貯留部Dへ送られた処理水は、後記する逆洗工程やその他の用途に用いられる。
[逆洗運転]
濾過装置1は、濾過材3を洗浄して濾過処理能力を回復させるべく、所定のタイミングで濾過運転から逆洗運転へと移行する。なお、逆洗運転を行うタイミングとしては、濾過材3の前後差圧が所定の値以上に上昇したときや、被処理水と処理水の濁度を測定し被処理水に含まれる懸濁物質の除去率を演算して所定の除去率を下回ったとき、さらには濾過運転の開始から一定時間経過したときに開始される。
図7は、濾過装置1の逆洗工程時の状態を示す概略図である。本実施形態にかかる濾過装置1を用いた逆洗運転を実施する際には、濾過運転から洗浄運転への移行に際して、各バルブの開閉操作が行われ、次に空気の供給や逆洗水等の逆洗流体の供給が行われる。
まず、濾過運転から逆洗運転へ移行する際には、第1上方バルブ224は「閉」状態、第2上方バルブ225は「開」状態、第1下方バルブ234は「閉」状態、第2下方バルブ235は「閉」状態となるように、各バルブの開閉操作が行われる。
次いで、前記したような状態に各バルブの開閉操作を行った後、空気導入部232を介して、送風機Cから曝気配管部236に空気が供給される(空気逆洗運転)。曝気配管部236には多数の空気噴出孔(符号を付さない)が形成されているため、空気導入部232を介して送風機Cから空気が供給されると、曝気配管部236の空気噴出孔から外筒部2内の上方に向けて空気が噴出される。
曝気配管部236の空気噴出孔から外筒部2内に空気が噴出されると、外筒部2の上方に向かって空気の流れが形成され、上昇する空気が筒内可動部5の可動凹部52内に溜まる。このとき、筒内可動部5に形成された調整孔部56や、スペーサリング53と外筒本体部21との隙間からは空気が若干漏れることとなるが、流体流通孔部54から上方へ向かう空気の流れによって逆止弁55は閉塞状態となるため、流体流通孔部54からは空気が漏れず、可動凹部52には所定量の空気が滞留することとなる。
このように、筒内可動部5の可動凹部52内に所定量の空気が溜まることによって、筒内可動部5が浮力を有することとなる。さらに、筒内可動部5に形成された調整孔部56から若干の空気が上方に抜けることになるが、この上方に抜ける空気の流れによって筒内可動部5の上方に向かう動きが安定する。即ち、筒内可動部5が浮力によって上方移動する際、調整孔部56からの空気の流れによって、筒内可動部5の左右のぶれを小さくすることができる。
筒内可動部5が浮力により外筒部2の上方に向けて移動するため、筒内可動部5にその上端部が固定された濾過材3は、筒内可動部5の動きに伴って、図6に示した圧密化された状態から、図7に示した伸長した状態となる。このように、外筒部2の下方から供給する空気により、濾過運転時に圧密化された濾過材3が適度にほぐされ、濾過材3の洗浄効果を高めることができる。なお、この空気逆洗運転により発生する排水は、上方出入口部221、第1分岐配管223、及び第2上方バルブ225を介して排水排出部Bへと排出される。
空気逆洗運転に続いて、空気と逆洗水の両方を供給する混合逆洗運転が行われる。この混合逆洗運転においては、第1上方バルブ224は「閉」状態、第2上方バルブ225は「開」状態、第1下方バルブ234は「閉」状態、第2下方バルブ235は「開」状態となるように、各バルブの開閉操作が行われる。つまり、第1上方バルブ224と第2上方バルブ225、及び第1下方バルブ234は、前記した空気逆洗運転と同じ状態を維持し、第2下方バルブ235を「閉」状態から「開」状態とする。
各バルブの開閉操作を行った後に空気導入部232を介して、送風機Cから曝気配管部236に空気が供給される。さらに、第2下方バルブ235、第2分岐配管233、及び下方出入口部231を介して、逆洗水供給部Eから外筒下端部23に逆洗水が供給される。
前記の通り、曝気配管部236の空気噴出孔から外筒部2内に空気が噴出されると、外筒部2の上方に向かって空気の流れが形成され、上昇する空気が筒内可動部5の可動凹部52内に溜まる。さらに、外筒下端部23から逆洗水が供給されると、この逆洗水が筒内可動部5の可動凹部52に衝突し、空気とともに筒内可動部5を上方へ移動させるためのエネルギとして作用する。
このとき、筒内可動部5に形成された調整孔部56からは、空気および逆洗水が若干漏れることとなるが、流体流通孔部54から上方へ向かう空気、及び逆洗水の流れによって逆止弁55は閉塞状態となるため、流体流通孔部54から空気、及び逆洗水は漏れず、可動凹部52には所定量の空気が滞留することとなる。
このように、筒内可動部50の可動凹部52内に所定量の空気が溜まることによって、筒内可動部5が浮力を有することとなる。また、逆洗水は、筒内可動部5の可動凹部52に衝突し、空気と共に筒内可動部5を上方へ移動させるためのエネルギとして作用する。
筒内可動部5が上方に移動することにより、筒内可動部5にその上端部が固定された濾過材3は、筒内可動部5の動きに伴って、図7に示すように、空気逆洗運転の状態からさらに伸長した状態となる。具体的には、この混合逆洗運転を行うことにより、筒内可動部5は外筒部2の所定の高さ位置まで上方移動し、濾過材3についても略完全に伸長した状態となる。
以上のように、混合逆洗運転を行うことによって、筒内可動部5を上方移動させて濾過材3をさらに伸長させることができる。また、濾過材3を伸長させた状態で、逆洗流体を下方から上方に向けて供給するため、濾過材3を効果的に洗浄することができる。なお、この混合逆洗運転によって排出される逆洗流体は、上方出入口部221、及び第2上方バルブ225を介して、排水排出部Bに排出される。
以上が本発明の実施形態に係る濾過装置1において行われる一連の濾過運転であるが、前記の空気逆洗運転、及び混合逆洗運転の後に、逆洗排水の残りが下流側に送られることを防止することを目的として、一定の期間だけ被処理水を供給するフラッシング運転や、外筒部内の残留水を捨水する捨水工程を行うようにしてもよい。また、空気逆洗運転は必ずしも行う必要はなく、混合逆洗運転のみ行うようにしてもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態にかかる濾過装置1について説明する。第2の実施形態に係る濾過装置1は、構成要素の1つである濾過材3aの構成以外については、基本的に第1の実施形態と同様である。従って、以下においては、第1の実施形態と異なる濾過材3aの構成について、主に説明する。
第2の実施形態に係る濾過材3aは、図8に示すように、異なる繊維径からなる第1の濾過材300aと第2の濾過材300bを上下方向に2段に配置した構成からなる。各濾過材300a、300bを構成する繊維径は、上段に対して下段がより細い繊維径のものが採用される(例えば上段の第1の濾過材300aの繊維径が略33μm、下段の第2の濾過材300bの繊維径が略18μm)。上段の第1の濾過材300aと下段の第2の濾過材300bの接合部分は紐状体からなる取付部材(図示しない)で結束されることで一体化されている。
このように、上段の第1の濾過材300aに対して、下段の第2の濾過材300bの繊維径を細くすることで、濾過材3aを筒内可動部5で圧密化した際、上段の第1の濾過材300aよりも下段の第2の濾過材300bの繊維間の隙間が小さくなる。これにより、被処理水の中に含まれる懸濁物質のうち、比較的体積の大きい懸濁物質を上段の第1の濾過材300aで除去し、上段の第1の濾過材300aでは除去できなかった比較的体積の小さい懸濁物質を、下段の第2の濾過材300bで除去することができる。従って、より効率的に被処理水に含まれる懸濁物質を濾過することができる。
以上の構成により、第2の実施形態の濾過材3aは、前記した第1の実施形態に係る濾過材3に対して、より確実に被処理水中の懸濁物質を除去することができる。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例について説明する。
本実施例の濾過材で使用した第1の繊維体と第2の繊維体の仕様は以下の通りである。
<第1の繊維体>
素 材:ポリエチレンテレフタレート
引張強度:3.6cN/dTex
引張伸度:35%
<第2の繊維体>
素 材:ポリアミド
引張強度:3.0cN/dTex
引張伸度:51%
以上の第1の繊維体と第2の繊維体とを1:1の割合で、撚り数50T/mの条件下で撚り、複合繊維体とした。そして、複合繊維体を巻き取り装置で所定の回数巻き取り、繊維エレメントを生成した。このように生成した繊維エレメントを15個束ねて濾過材とした。
〔比較例〕
比較例は、第1の繊維体のみからで構成されており、第1の繊維体は前記した仕様と同一のものを使用している。第1の繊維体は、巻き取り装置で所定の回数巻き取り、繊維エレメントを生成した。このように生成した繊維エレメントを15個束ねて濾過材とした。
図9は実施例と比較例の濾過試験結果(通水時間に対する微粒子の除去率)を示すグラフである。なお試験条件は、実施例、及び比較例ともに5μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子の濾過試験結果を示す。
図9に示すように、通水時間が80minまでは、実施例、比較例の濾過材ともに微粒子の除去率は同等の性能を発揮する。一方、通水時間が80minを超えると、比較例の濾過材については除去率が低下する。これは、通水時間の経過とともに濾過材を構成する繊維体が伸縮動作を繰り返すことで弾性率が低下したことにより、微粒子の捕捉効果が劣化したもの考えられる。一方、実施例については第2の繊維体を含むため、繊維体の伸縮動作による弾性率の低下が抑制されているため、通水開始から130min程度は100%近い除去率を維持し、通水時間が130minを超えると徐々に除去性能が低下することが読み取れる。
このように、実施例と比較例とは最大除去率(100%)は同等の性能を発揮し、さらに実施例は比較例に比べて長時間において最大除去率を維持できることが確認できた。
以上、本発明に係る濾過材、濾過装置、及び濾過材の製造方法は、低コストで、かつ長期間において濾過処理性能を維持することが可能なものとなっている。
1 濾過装置
2 外筒部
21 外筒本体部
22 外筒上端部
221 上方出入口部
222 エア抜き部
223 第1分岐配管
224 第1上方バルブ
225 第2上方バルブ
23 外筒下端部
231 下方出入口部
232 空気導入部
233 第2分岐配管
234 第1下方バルブ
235 第2下方バルブ
236 曝気配管部
3、3a 濾過材
31 複合繊維体
311 第1の繊維体
312 第2の繊維体
32 繊維エレメント
300a 第1の濾過材
300b 第2の濾過材
4 濾過材固定部
41 第1の濾過材固定部
42 第2の濾過材固定部
43 格子部
5 筒内可動部
51 可動本体部
52 可動凹部
53 スペーサリング
54 流体流通孔部
55 逆止弁
56 調整孔部
A 被処理水供給部
B 排水排出部
C 送風機
D 被処理水貯留部
E 逆洗水供給部

Claims (4)

  1. ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートの群から選択される少なくとも1種の第1の繊維体と、
    ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリ塩化ビニルの群から選択される少なくとも1種の第2の繊維体と、を相互に撚り合わせて構成され
    前記第1の繊維体と前記第2の繊維体との混合比率が1:0.5~1:1の範囲であり、撚り数が20~60T/mである 複合繊維体からなる
    濾過材。
  2. ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートの群から選択される少なくとも1種の第1の繊維体とポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリ塩化ビニルの群から選択される少なくとも1種の第2の繊維体とを相互に撚り合わせて構成され、前記第1の繊維体と前記第2の繊維体との混合比率が1:0.5~1:1の範囲であり、撚り数が20~60T/mである複合繊維体からなり、濾過運転時に供給される被処理水を固液分離する濾過材と、
    該濾過材を内包する外筒部と、
    前記濾過材の下流側の端部を固定する第1の濾過材固定部と、
    前記第1の濾過材固定部に向けて開放端が形成された凹状であるとともに、前記濾過材よりも上流側に位置して前記外筒部の軸心方向に沿って移動可能であり、自重により前記濾過材を圧密化させるべく設けられた筒内可動部と、
    該筒内可動部の開放端面に設けられ、前記濾過材の上流側の端部を固定する第2の濾過材固定部と、を備える
    濾過装置。
  3. 前記濾過材は、
    濾過運転時における被処理水の供給方向の上流側に位置する第1の濾過材と、
    該第1の濾過材よりも下流側に位置し、かつ前記第1の濾過材の繊維径よりも相対的に細い繊維径の第2の濾過材とを有する、
    請求項2に記載の濾過装置。
  4. ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートの群から選択される少なくとも1種の第1の繊維体とポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリ塩化ビニルの群から選択される少なくとも1種の第2の繊維体とを、前記第1の繊維体と前記第2の繊維体との混合比率が1:0.5~1:1であり、かつ撚り数が20~60T/mである条件で撚り合わせる工程と、
    該撚り合わせる工程で生成された複合繊維体を所定の巻数で巻き取る工程と、
    該巻き取る工程で生成された繊維エレメントを所定の加熱温度で加熱する工程と、
    前記繊維エレメントを洗浄剤に含浸する工程と、
    複数の前記繊維エレメントを結束する工程と、を備える
    濾過材の製造方法。
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