JP6832603B1 - 濾過装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで、かつ長期間において濾過処理性能を維持することが可能な濾過装置、及び濾過装置による水処理方法を提供することを目的とする。【解決手段】濾過装置1は、濾過材3を内包する外筒部2と、濾過材3の上方端部と下方端部を固定する第1の濾過材固定部41と、第1の濾過材固定部41と対向する位置に、外筒部3内を軸心方向に沿って移動可能に設けられた筒内可動部5と、筒内可動部5に設けられ、濾過材3の上方端部を固定する第2の濾過材固定部42と、筒内可動部5の移動を規制し、濾過材3の充填密度が一定となる位置で筒内可動部5の移動を規制するストッパ部6とから構成されている。

Description

本発明は、濾過装置、及び濾過装置による水処理方法に関する。詳しくは、低コストで、かつ長期間において濾過処理性能を維持することが可能な濾過装置、及び濾過装置による水処理方法に係るものである。
一般家庭や工場等から排出される汚水(被処理水)には様々な懸濁物質が含まれており、それをそのまま河川や湖、或いは海洋等の自然水系に放流することは水質汚染につながり環境に悪影響を与えるため、環境基準を定める各種の法令によって放流可能な水質基準が設定されている。
このような被処理水を環境負荷の少ない処理水とするための浄化処理方法の一つとしては、例えば砂濾過装置を用いた砂濾過法が知られている。砂濾過法に用いられる一般的な砂濾過装置として、特許文献1には、密閉状のタンクとこのタンク内に充填された砂層とを有し、タンクの上方から導入された被処理水を砂層で濾過して、濾過された水をタンクの下方から排出するように構成された濾過装置が開示されている。
一方で、砂濾過装置は濾過装置の充填密度が高いことから、濾過抵抗が大きくなる傾向がある。そのため全体的な処理能力が劣るため、例えば工業廃水の処理を目的として工場等の大規模な産業施設に設置した場合、汚水の処理効果が必ずしも十分でなく、全ての懸濁物質を除去することが難しいという問題がある。
そのため、より処理能力の高い濾過材として繊維材を使用した濾過装置が産業施設を中心として採用されている。濾過装置の具体的な構造としては、例えば特許文献2に開示されているように、濾材に長繊維の束を複数用いて構成された濾過材を有する濾過装置が一般的に知られている。
特許文献2に開示の濾過装置は、濾過運転時には、濾過材に被処理水を通水させることで被処理水に含まれる懸濁物質が除去される。このとき、濾過材を圧密化して濾過材の充填密度を高めることにより、被処理水の通水速度を最適なものとすることで、より効率的に懸濁物質の除去が行われる。そして、濾過材を通過した被処理水は懸濁物質の大半が除去された処理水へと浄化処理される。
また、濾過材はその濾過能力を保つためにも、一定サイクル毎に濾過材に付着した懸濁物質を洗浄する洗浄運転(逆洗運転)が行われる。この逆洗運転においては、濾過材を伸長した状態で空気や逆洗水(以下、総称して「洗浄流体」という。)を供給することで濾過材の洗浄が行われる。この濾過運転と逆洗運転を一定のサイクル毎に交互に行うことで、濾過材の濾過能力を回復させることができる。
この濾過材の圧密化や伸長は、一般的には被処理水や洗浄流体の水圧を利用して行われるが、一部の濾過材においては電気エネルギ等の外部駆動力を利用して行われる場合もある。外部駆動力を利用する場合には、濾過運転時には濾過材を外部駆動力により強制的に圧密化して濾過処理性能を高め、逆洗運転時には同じく外部駆動力を利用して強制的に迅速に濾過材を伸長させて洗浄効率を高めている。
しかしながら、従来技術のように、濾過運転、及び逆洗運転の都度、外部駆動力を使用することは、エネルギコストが上昇するとともに、外部駆動力の駆動源のメンテナンス等の問題があった。一方、省エネ運転のために比較的小さな外部駆動力を利用する場合、濾過運転時には濾過材を十分に圧密化できないため濾過処理性能を高く維持できず、逆洗運転時には濾過材が十分に伸長されないため、効率的な洗浄処理ができないとういう問題があった。
そこで、本出願人は、特許文献3において、外部駆動力を使用することなく、比較的簡単な構成に基づいて濾過運転、及び逆洗運転を高効率で実施する濾過装置を開示している。具体的には、濾過材の下端部が固定され、上端部には下方側に向けて凹部が形成された筒内可動部が固定された構成からなる濾過装置が開示されている。
特許文献3に係る濾過装置においては、濾過運転時には上流から下流に通水される被処理水の水圧で筒内可動部が下方に向けて押圧される。このとき濾過材は、筒内可動部の重みにより十分に圧密化されるため濾過処理を高効率で行うことができる。一方、逆洗運転時には、下流から上流に向けて噴出された空気や逆洗水が筒内可動部に形成された凹部に溜まり、筒内可動部に上向きの浮力が発生する。この浮力により、濾過材は上方に引き上げられ、その結果、濾過材は十分に伸長され高効率で洗浄される。
特開平成5−154309号公報 特開2000−5517号公報 特許第6325746号公報
前記した特許文献3に係る濾過装置によると、外部駆動力を使用することなく濾過材の圧密化と伸長を行うことができるため、低コストでの運転が可能となる。一方で、濾過運転を継続すると、濾過材の充填密度が増加した場合や、過速度で被処理水が供給された場合には、濾過材を構成する繊維間の空隙が小さくなり圧力損失が増加し、濾過運転の継続時間が短くなるという問題がある。また、濾過材の圧力損失が増加すると、濾過装置全体の耐圧性の問題から故障の原因となることが懸念される。
さらには、濾過運転の継続時間が短くなると、濾過運転と逆洗運転を行う期間が短くなるが、濾過運転と逆洗運転の運転サイクルを長期間繰り返し行うと、処理水に対して逆洗水の比率が高くなり非効率になるとともに、濾過材を構成する繊維の摩耗や劣化の原因となり、頻繁に交換を要することになる。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、低コストで、かつ長期間において安定的に連続した濾過運転が可能な濾過装置、及び濾過装置による水処理方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の濾過装置は、濾過運転時に供給される被処理水を固液分離する濾過材を内包する外筒部と、前記濾過材の下流側の端部を固定する第1の濾過材固定部と、前記第1の濾過材固定部に向けて開放端が形成された凹状であるとともに、前記濾過材よりも上流側に位置して前記外筒部の軸心方向に沿って移動可能であり、自重により前記濾過材を圧密化させるべく設けられた筒内可動部と、該筒内可動部の開放端面に設けられ、前記濾過材の上流側の端部を固定する第2の濾過材固定部と、前記外筒部の内壁から軸心方向に突出し、濾過運転時における前記濾過材が所定の充填密度で圧密化される位置で前記筒内可動部の下流側への移動を規制するストッパ部とを備える。
ここで、濾過運転時に供給される被処理水を固液分離する濾過材を内包する外筒部を備えることにより、外筒部内に被処理水を供給することで、内包された濾過材により懸濁物質を含む被処理水を浄化処理することができる。
また、外筒部内に設けられ、濾過材の下流側の端部を固定する第1の濾過材固定部を備えることにより、濾過材の端部を固定することができる。これにより、外筒部内の下流から上流に向けて洗浄流体を供給して濾過装置を逆洗運転する場合には、濾過材が第1の濾過材固定部を基点として上流側に向けて伸長させることができるため、洗浄効果を高めることができる。
また、最大幅が前記外筒部の内径よりも所定に短く、濾過材よりも上流側に設置された筒内可動部を備えることにより、筒内可動部は外筒部の軸方向に沿って被処理水の水圧により可動することができる。即ち、外部駆動力を利用することなく、被処理水の水圧により濾過材を圧密化して充填密度を高めることができる。
そして、筒内可動部は濾過材の上流に位置し、自重により濾過材を圧密化させるべく設けられているため、濾過運転時には、筒内可動部は上流側から供給された被処理水の水圧とともに自重により下流側に向けて押圧される。このとき、濾過材は圧密化されることで適当な充填密度となり、懸濁物質の捕捉率を高めることができる。
また、筒内可動部は、第1の濾過材固定部に向けて開放端が形成された凹状であるため、内側に形成された空間内に濾過材の上流側の端部を固定する第2の濾過材固定部を設置することができる。そして、係る第2の濾過材固定部により、筒内可動部と濾過材を一体化することができる。従って、前記した通り、外部駆動力を使用することなく被処理水の水圧や筒内可動部の自重だけで、濾過材を十分に圧密化することができる。
また、外筒部の内壁から軸心方向に突出し、濾過運転時における濾過材が所定の充填密度で圧密化される位置で筒内可動部の下流側への移動を規制するストッパ部を備えることにより、筒内可動部が被処理水の水圧により押圧された場合、濾過材の充填密度として最も懸濁物質を効率的に捕捉できる位置で筒内可動部を固定することができる。
即ち、濾過材の充填密度が高くなる場合には、被処理水に含まれる懸濁物質のうち体積の小さな懸濁物質を捕捉し易くなる一方で、捕捉可能な懸濁物質の量は少なくなり、濾過材の充填密度が低くなる場合にはその逆の現象が起こる。また、充填密度が高くなる場合には、被処理水が濾過材を通水する際の圧力損失が過大となり、濾過運転の継続時間が短くなるとともに、耐圧性の問題から故障の原因ともなる。
そのため、濾過材の充填密度として、被処理水の通水時の圧力損失が過大となることなく、かつ懸濁物質を捕捉できる最も適当な充填密度となる位置で筒内可動部を固定することができれば、被処理水の浄化性能を高めることができる。
また、これにより、濾過運転と逆洗運転のインターバルを長くすることができるため、メンテナンス工数を削減することができる。さらに、濾過運転による圧密化と、逆洗運転による伸長が繰り返されることで、濾過材の摩耗、及び劣化を誘発することになるが、逆洗運転の機会が減少することで、濾過材の取り換え交換の間隔を長くすることができるため、長期にわたって濾過材を継続的に使用することが可能となる。なお、ストッパ部の位置は、使用する濾過材の材質や処理する被処理水の水質等に応じて適宜変更することが可能である。
また、外筒部は軸方向と略直交する分割面が形成され、ストッパ部は、分割面で狭持されるフランジ面を有し、略中央には外筒部の内径よりも小さい貫通孔が形成された円環状であり、フランジ面が分割面により狭持された状態において、フランジ面の一部と筒内可動部の開放端縁が接触する場合には、ストッパ部の構成を比較的簡単な構成とすることができる。また、係るストッパ部により外筒部の剛性を確保することができるため、濾過運転と逆洗運転を繰り返すことによる外筒部の劣化を防止することができる。
また、ストッパ部は、外筒部の内壁の内周方向に沿って設置された複数の突起部から構成され、突起部と筒内可動部の開放端縁が接触する場合には、ストッパ部の構成を比較的簡単な構成とすることができる。
また、濾過材は、濾過運転時における被処理水の供給方向の上流側に位置する第1の濾過材、及び第1の濾過材よりも下流側に位置する第2の濾過材を有し、第2の濾過材の繊維径は第1の濾過材の繊維径よりも相対的に細く構成されている場合には、濾過材が上流側と下流側の二層構造とすることができる。これにより、濾過運転時には、上流に位置する第1の濾過材により比較的体積の大きな懸濁物質を捕捉し、下流に位置する第2の濾過材により、比較的体積の小さな懸濁物質を捕捉することができるため、被処理水の処理効果をさらに高めることができる。
また、濾過材が複数の繊維を結束して構成されていることにより、濾過材の充填密度を容易に変更することができる。そのため、効率的に被処理水に含まれる懸濁物質を捕捉することができる。また、捕捉した懸濁物質を洗浄する際にも、洗浄流体により比較的簡単な作業により洗浄することができる。
前記の目的を達成するための、本発明の濾過装置による水処理方法は、濾過材を内包する外筒部内に被処理水を供給する工程と、前記外筒部内の軸方向に沿って移動可能であり、前記濾過材の上流側に位置する凹状の筒内可動部を、該筒内可動部の自重、及び被処理水の水圧より下流側に向けて押し下げて、前記濾過材を圧密化する工程と、前記筒内可動部により圧密化された前記濾過材の充填密度が一定となるように、前記外筒部内に設けられたストッパ部で前記筒内可動部の下流側への移動を規制する工程とを備える。
ここで、濾過材を内包する外筒部内の上流から下流に向けて被処理水を供給する工程を備えることにより、処理対象となる被処理水を外筒部内に供給し、内包された濾過材に通水させることで、被処理水に含まれる懸濁物質を捕捉することができる。
また、外筒部内の軸方向に沿って移動可能であり、濾過材の上流側に位置する凹状の筒内可動部を、筒内可動部の自重、及び被処理水の水圧より下流側に向けて押し下げて、濾過材を圧密化する工程を備えることにより、外部駆動力を使用することなく被処理水の水圧や筒内可動部の自重だけで、濾過材を十分に圧密化することができる。
また、筒内可動部により圧密化された濾過材の充填密度が一定となるように、外筒部内に設けられたストッパ部で筒内可動部の移動を規制する工程を備えることにより、濾過材が、被処理水に含まれる懸濁物資を捕捉するために最も適当となる充填密度となる位置で筒内可動部を固定することができるため、懸濁物質を高効率で捕捉することができる。
本発明に係る濾過装置、及び濾過装置による水処理方法は、低コストで、かつ長期間において濾過処理性能を維持することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る濾過装置の概略を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る濾過装置を構成する筒内可動部の概略を示す図であり、(a)は側面図、(b)は底面図である。 本発明の第1の実施形態に係る濾過装置を構成する第1の濾過材固定部の概略を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る濾過装置を構成するストッパ部の概略を示す図であり(a)は本発明の実施形態に係るストッパ部、(b)は変形例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る濾過装置の濾過運転時の状態を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る濾過装置の逆洗運転時の状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る濾過装置の概略を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る濾過装置の概略を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る濾過装置、及び濾過装置による水処理方法ついて図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。なお、各図において説明の便宜上、外筒部内に濾過材を設置した状態において、上方に向かう方向を上方、上方の反対方向を下方、上方および下方により表される軸方向を鉛直方向、鉛直方向と垂直な方向を水平方向とそれぞれ定義する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態に係る濾過装置1について、図1に基づいて説明する。濾過装置1は主に外筒部2、濾過材3、濾過材固定部4、筒内可動部5、及びストッパ部6から構成されている。
[外筒部]
外筒部2は、ステンレス鋼であり、外筒本体部21、外筒上端部22、及び外筒下端部23から構成されている。より具体的には、本実施形態にかかる外筒部2は、円筒状からなる外筒本体部21、この外筒本体部21の上方位置に取り付けられた外筒上端部22、この外筒本体部21の下方位置に取り付けられた外筒下端部23から構成されている。
外筒本体部21は上下方向に分割可能であり、その分割面には後記するストッパ部6が介挿される。そして、濾過材3が劣化した場合等、外筒部2内の装備品の交換作業や内部のメンテナンス作業等を行う際には、外筒本体部21を上下方向に分割することで、その作業性を高めることができるものとなっている。
ここで、必ずしも、外筒部2を構成する外筒本体部21、外筒上端部22、及び外筒下端部23の材質としてステンレス鋼である必要はない。例えば鉄、ポリ塩化ビニル、FRP、ポリエチレン、アクリル樹脂、或いはポリプロピレン等を用いて構成してもよい。
また、必ずしも、外筒部2は円筒状である必要はない。被処理水を通水し濾過するための装置を配置することができる所定の空間が内部に形成されたものであれば、いかなる形状のものであってもよい。
また、必ずしも、外筒部2は分割式のものである必要はない。但し、分割式であることにより、前記した通り、濾過装置1のメンテナンス作業の効率を高めることができる。
外筒部2の外筒上端部22には、被処理水を通水させるための上方出入口部221、及び外筒部2内に充填するエアを定期的に外部に放出するためのエア抜き部222が設けられている。上方出入口部221には、第1分岐配管223が接続されている。またエア抜き部222は、必要に応じて開閉可能に構成されている。
上方出入口部221に接続されている第1分岐配管223の一方側には、第1上方バルブ224を介して、被処理水が供給される被処理水供給部Aが接続されている。また、この第1分岐配管223の他方側には、第2上方バルブ225を介して、逆洗水を排出するための排水排出部Bが接続されている。
外筒部2の外筒下端部23には、下方出入口部231、及び後記する送風機Cから導入される空気を外筒部2内に導くための空気導入部232が設けられている。下方出入口部231には、第2分岐配管233が接続されている。
下方出入口部231に接続されている第2分岐配管233の一方側には、第1下方バルブ234を介して、処理水貯留部Dが接続されている。また、この第2分岐配管233の他方側には、第2下方バルブ235を介して、逆洗水供給部Eが接続されている。
外筒下端部23には、前記したように空気導入部232が設けられており、この空気導入部232は、外筒下端部23の内部に設けられた曝気配管部236に接続されている。また、この空気導入部232には、空気配管(図示しない)を介して、送風機Cが接続されている。即ち、本実施形態においては、空気導入部232を介して、送風機Cから曝気配管部236に対して、空気が供給されるべく構成されている。そして、この曝気配管部236には、空気を噴出すべく、複数の貫通孔が形成されている。
[濾過材]
濾過材3は、外筒部2内に鉛直方向に沿って設置された状態において、上方から下方に向けて流入される被処理水を通水させ、被処理水に含まれる懸濁物質を除去するための装置であり、所定の繊維系材料からなり、直毛長繊維材、紐状繊維材、或いはモール状繊維材等の各種繊維材から構成されている。
繊維材としては、合成樹脂からなる繊維材(合成樹脂繊維)や天然樹脂からなる繊維材(天然樹脂繊維)が用いられる。この濾過材3を構成する繊維材は、細い繊維を束ねて構成されている。即ち、細い繊維を束ねて得られる繊維材を、使用する繊維材の繊維径に応じて例えば100本〜500本程度に束ねることにより繊維束として、この繊維束をさらに束ねることで繊維材が構成されている。
ここで、必ずしも、濾過材3は繊維系材料から構成されている必要はない。例えばスポンジ、ゲル、フリンジ、木炭、珪藻土、有孔金属性物質等、被処理水に含まれる懸濁物質を捕捉することが可能な多孔性を有するものであれば、どのような物質であってもよい。
[濾過材固定部]
濾過材固定部4は、濾過材3を外筒部2内において固定するためのもので、濾過材3を外筒部2内に設置した状態において、濾過材3の下端を固定するための第1の濾過材固定部41、濾過材3の上端を固定するための第2の濾過材固定部42から構成されている。第1の濾過材固定部41は外筒下端部23の上方位置に設置され、第2の濾過材固定部42は後記する筒内可動部5内に設置されている。
ここで、必ずしも、第1の濾過材固定部41は、図1に示す位置に設置されている必要はなく、例えば外筒部本体部21の最下端や、その他必要に応じて適宜変更することができるものとする。
第1の濾過材固定部41と第2の濾過材固定部42は略同一の形状であるため、ここでは第1の濾過材固定部41を代表例として説明する。第1の濾過材固定部41は、図3に示すように、直線状のステンレス鋼材が縦横方向に一定間隔で配置された格子部43を形成している。濾過材3の下端部は、第1の濾過材固定部41のいずれかの箇所(直線部あるいは交点部)に紐状体からなる取付部材(図示しない)を介して固定されている。また、濾過材3の上端部は、第2の濾過材固定部42のいずれかの箇所に紐状体からなる取付部材(図示しない)を介して固定されている。
ここで、必ずしも、第1の濾過材固定部41、及び第2の濾過材固定部42は格子部43を構成する必要はない。濾過運転時において、濾過材3に対して被処理水を通水され、或いは逆洗運転時において空気等の洗浄流体が供給された場合でも濾過材3が強固に固定できる形状であれば、どのような構成であってもよい。
[筒内可動部]
筒内可動部5は、外筒部2の上流側から供給される被処理水による水圧、及び外筒部2の下流側から供給される洗浄流体による水圧を受けて外筒部2内を上下方向に移動可能に構成されている。図2は、筒内可動部5の概略図を示したものであって、図2(a)は筒内可動部5の概略側面図、図2(b)は筒内可動部5の概略底面図を示している。
図2に示すように、本実施形態にかかる筒内可動部5は、凹状に形成された可動本体部51と、この可動本体部51の内側に設けられた第2濾過材固定部42と、可動本体部51の外側に設けられたスペーサリング53と、この可動本体部51の上方位置に設けられた流体流通孔部54の開閉状態を制御する逆止弁55等とから構成されている。
可動本体部51の内側には所定の空間である可動凹部52が形成される。また、この可動本体部51には、その上方の略中央に流体流通孔部54が形成されており、この流体流通孔部54の周囲には一定間隔で4つ調整孔部56が形成されている。
ここで、必ずしも、可動本体部51は椀状である必要はない。可動本体部51の内側に所定の空間である可動凹部52が形成されていれば、その外形は特に限定されるものではない。即ち、濾過装置1の濾過運転時には供給される被処理水により下流方向に押圧する力が作用し、逆洗運転時には上流方向への浮力が発生することができれば、その外形はどのような形状であってもよい。
可動本体部51に形成されている流体流通孔部54の上方位置には、逆止弁55が設けられており、流体流通孔部54の開閉状態は、この逆止弁55によって制御される。即ち、可動本体部51に形成されている流体流通孔部54は、筒内可動部5の上方から被処理水が供給される場合には、「開」状態となって被処理水を下方に流通させるべく機能する。また、この流体流通孔部54は、筒内可動部5の下方から逆洗水や空気等が供給される場合には、「閉」状態とすることで可動本体部51が上流側に浮上する浮力発生のための装置として機能する。
可動本体部51に形成されている調整孔部56は、被処理水や洗浄流体を筒内可動部5の上下方向に流通させるべく機能する。本実施形態においては、4か所に調整孔部56が形成されており、これらの調整孔部56を流体が流通することによって、外筒部2内を上下動する筒内可動部5の姿勢バランスが保持される。
ここで、必ずしも、可動本体部51には調整孔部56が形成されていなくてもよい。但し、調整孔部56を形成することで、外筒部2内を上下動する筒内可動部5の姿勢バランスを一定に保つことができる。従って、濾過運転時には濾過材の充填密度を均一にすることで濾過効率を高め、伸長時には濾過材全体を均一に伸長することで洗浄効果を高めることができる。
また、必ずしも、調整孔部56は4か所に形成されている必要はない。調整孔部56の数は筒内可動部5の形状や大きさ等に応じて適宜変更することができる。また、これらの調整孔部56は、筒内可動部5の上下動状態を見ながら、適宜、開閉状態を調整してもよい。例えば、必要に応じて、1つあるいは1つ以上の調整孔部56を、ボルトやピン等を用いて閉塞してもよい。
可動本体部51には、図2に示すように、その外側にスペーサリング53が設けられている。このスペーサリング53の外径は、外筒部2の内径とよりもわずかに短く構成されており(本発明の実施形態においては、内壁面との間隔が0.5mm〜5.0mm程度)、可動本体部51と一体化されているか、或いは着脱自在に取り付けることもできる。なお、スペーサリング53は、摩擦係数が小さく、かつ耐摩耗性に優れた材料からなり、例えば、フッ素樹脂、高分子ポリエチレン樹脂、硬質ポリエチレン樹脂等を用いて構成されている。
ここで、必ずしも、スペーサリング53を設ける必要はない。但し、スペーサリング53を設けることにより、筒内可動部5の外筒部2の内壁面に対するすべり効果を高め、よりスムーズに上下動させることができる。また、スペーサリング53を設けることによって、外筒部2の内壁面と筒内可動部5との隙間を小さくし、筒内可動部5に対して被処理水による圧力を効果的に作用させる。
筒内可動部5を構成する可動本体部51の内側には、図2(b)に示すように、第2の濾過材固定部4が設けられている。なお、第2の濾過材固定部4の形状は、前記した通り第1の濾過材固定部4と略同一であるため、ここでの説明は省略する。
以上のように、濾過材3の上下両端は第1の濾過材固定部41、及び第2の濾過材固定部42により強固に固定されている。そして、濾過装置1の濾過運転時には、筒内可動部5が上方から供給される被処理水の水圧を受けて下方に移動する。逆に濾過装置1の逆洗運転時には、筒内可動部5が下方から供給される逆洗流体の水圧を受けて上方に移動する。このように、可動本体部51の上下動に伴い、濾過材3の圧密化と伸長を繰り返すことが可能となる。
[ストッパ部]
ストッパ部6は、前記した通り外筒部2の分割面に介挿されている。ストッパ部6は外筒部2の断面形状に沿った形状で、図4(a)に示す通り、フランジ面61とフランジ面61の略中央に円形の貫通孔62が形成された略円環状からなる。フランジ面61には、外筒部2との接続のためのボルト孔(符号を付さない)が円周方向に沿って所定の間隔で形成されている。貫通孔62の直径は、外筒部2の内径よりも短く構成されており、ストッパ部6を外筒部2の分割面に介挿した状態において、フランジ面61の一部が外筒部2の内壁面から内径側に所定の突出長さで突出する形態となる。
このフランジ面61の幅(貫通孔62の直径)は、少なくとも筒内可動部5の最外縁が当接するように、調整される。即ち、筒内可動部5の外筒部2内での移動を規制することができれば、フランジ面61の突出長さは特に限定されるものではない。但し、フランジ面61の幅は、例えば濾過装置1の逆洗運転時において下方から上方に向けて洗浄流体を供給する場合の流体の抵抗とならない範囲で適宜設定することが好ましい。
ここで、必ずしも、ストッパ部6の形状は図4(a)に示す形状である必要はない。筒内可動部5の下方への移動を規制することが可能であればよく、例えば図4(b)に示すように、フランジ面61の一部が内径側に向けて突出する形態のものであってもよい。
さらに、ストッパ部6として外筒部2の分割面に介挿される形態のものである必要はない。脱着式の突起部を外筒部2の内壁面の円周方向に沿って所定の間隔で複数設置するようにしてもよい。
以上の構成により、濾過運転時には、被処理水の水圧により押し下げられた筒内可動部5はストッパ部6により移動が制限されるため、所定の高さ位置で固定される。このとき、濾過運転時において圧密化された濾過材3の充填密度が一定に保たれる。従って、被処理水の供給速度によらずに、常に濾過材3を一定の圧力で圧密化することができるため、濾過効率を高めることができる。
なお、ストッパ部6を設置する高さ位置については、被処理水を供給した際の目標とする濾過材3の充填密度に応じて適宜設定することができる。例えば濾過運転時に比較的体積の大きな懸濁物質を捕捉することを目的とする場合には、圧密化された際の濾過材3の充填密度が増加しないように、ストッパ部6の高さ位置を上流側に設定することができる。一方、濾過運転時に比較的体積の小さな懸濁物質を捕捉することを目的とする場合には、濾過材3の充填密度が増加するように、ストッパ部6の高さ位置を下流側に設定することができる。
次に、本発明の実施形態に係る濾過装置1の運転方法について説明する。濾過装置1は、主に「濾過運転」と「逆洗運転」が交互に繰り返し行われる。なお、「逆洗運転」は、例えば空気のみを供給する「空気逆洗運転」、空気と逆洗水を同時に供給する「混合逆洗運転」の両方を含む概念である。
[濾過運転]
図5は濾過装置1の濾過運転時の状態を示す図である。濾過運転を開始する際には、第1上方バルブ224は「開」状態、第2上方バルブ225は「閉」状態、第1下方バルブ234は「開」状態、第2下方バルブ235は「閉」状態となるように、各バルブの開閉操作が行われる。
次いで、被処理水供給部Aから第1上方バルブ224、第1分岐配管223、及び上方出入口部221を介して、外筒部2内へと被処理水が供給される。外筒部2内に被処理水が供給され、その水圧を受けて筒内可動部5が下方に向けて移動すると、濾過材3は、供給された被処理水による水圧とともに、濾過材3の上端部に固定された筒内可動部5の重みによってさらに下方に押し下げられる。このとき筒内可動部5は、ストッパ部6により一定の高さ位置でその移動が制限され、位置が固定される。そのため、濾過運転の間は、圧密化された濾過材3の充填密度が均一に保持されることになる。
濾過材3が圧密化された状態で被処理水の供給が継続されると、上方出入口部221から供給される被処理水は、主に筒内可動部5の流体流通孔部54、及び調整孔部56、スペーサリング53と外筒本体部21との隙間を介して流通し、その後、濾過材3との接触が繰り返し行われることになる。即ち、被処理水は、圧密化されて一定の充填密度となった濾過材3との接触が繰り返し行われることによって、被処理水に含まれる懸濁物質が効率的に除去される。
被処理水が濾過材3との接触を繰り返して通水した後は懸濁物質が除去された処理水となる。この処理水は、下方出入口部231、第2分岐配管233、及び第1下方バルブ234を介して、処理水貯留部Dへ送られる。この処理水貯留部Dへ送られた処理水は、後記する逆洗工程やその他の用途に用いられる。
[逆洗運転]
濾過装置1は、濾過材3を洗浄して濾過処理能力を回復させるべく、所定のタイミングで濾過運転から逆洗運転へと移行する。なお、逆洗運転を行うタイミングとしては、濾過材3の前後差圧が所定の値以上に上昇したときや、被処理水と処理水の濁度を測定し被処理水に含まれる懸濁物質の除去率を演算して所定の除去率を下回ったとき、さらには濾過運転の開始から一定時間経過したときに開始される。
図6は、濾過装置1の逆洗工程時の状態を示す概略図である。本実施形態にかかる濾過装置1を用いた逆洗運転を実施する際には、濾過運転から洗浄運転への移行に際して、各バルブの開閉操作が行われ、次に空気の供給や逆洗水等の逆洗流体の供給が行われる。
まず、濾過運転から逆洗運転へ移行する際には、第1上方バルブ224は「閉」状態、第2上方バルブ225は「開」状態、第1下方バルブ234は「閉」状態、第2下方バルブ235は「閉」状態となるように、各バルブの開閉操作が行われる。
次いで、前記したような状態に各バルブの開閉操作を行った後、空気導入部232を介して、送風機Cから曝気配管部236に空気が供給される(空気逆洗運転)。曝気配管部236には多数の空気噴出孔(符号を付さない)が形成されているため、空気導入部232を介して送風機Cから空気が供給されると、曝気配管部236の空気噴出孔から外筒部2内の上方に向けて空気が噴出される。
曝気配管部236の空気噴出孔から外筒部2内に空気が噴出されると、外筒部2の上方に向かって空気の流れが形成され、上昇する空気が筒内可動部5の可動凹部52内に溜まる。このとき、筒内可動部5に形成された調整孔部56や、スペーサリング53と外筒本体部21との隙間からは空気が若干漏れることとなるが、流体流通孔部54から上方へ向かう空気の流れによって逆止弁55は閉塞状態となるため、流体流通孔部54からは空気が漏れず、可動凹部52には所定量の空気が滞留することとなる。
このように、筒内可動部5の可動凹部52内に所定量の空気が溜まることによって、筒内可動部5が浮力を有することとなる。さらに、筒内可動部5に形成された調整孔部56から若干の空気が上方に抜けることになるが、この上方に抜ける空気の流れによって筒内可動部5の上方に向かう動きが安定する。即ち、筒内可動部5が浮力によって上方移動する際、調整孔部56からの空気の流れによって、筒内可動部5の左右のぶれが小さくすることができる。
筒内可動部5が浮力により外筒部2の上方に向けて移動するため、筒内可動部5にその上端部が固定された濾過材3は、筒内可動部5の動きに伴って、図5に示した圧密化された状態から、図6に示した伸長した状態となる。このように、外筒部2の下方から供給する空気により、濾過運転時に圧密化された濾過材3が適度にほぐされ、濾過材3の洗浄効果を高めることができる。なお、この空気逆洗運転により発生する排水は、上方出入口部221、及び第2上方バルブ225を介して排水排出部Bへと排出される。
空気逆洗運転に続いて、空気と逆洗水の両方を供給する混合逆洗運転が行われる。この混合逆洗運転においては、第1上方バルブ224は「閉」状態、第2上方バルブ225は「開」状態、第1下方バルブ234は「閉」状態、第2下方バルブ235は「開」状態となるように、各バルブの開閉操作が行われる。つまり、第1上方バルブ224と第2上方バルブ225、及び第1下方バルブ234は、前記した空気逆洗運転と同じ状態を維持し、第2下方バルブ235を「閉」状態から「開」状態とする。
各バルブの開閉操作を行った後に空気導入部232を介して、送風機Cから曝気配管部236に空気が供給される。さらに、第2下方バルブ235、第2分岐配管233、及び下方出入口部231を介して、逆洗水供給部Eから外筒下端部23に逆洗水が供給される。
前記の通り、曝気配管部236の空気噴出孔から外筒部2内に空気が噴出されると、外筒部2の上方に向かって空気の流れが形成され、上昇する空気が筒内可動部5の可動凹部52内に溜まる。さらに、外筒下端部23から逆洗水が供給されると、この逆洗水が筒内可動部5の可動凹部52に衝突し、空気とともに筒内可動部5を上方へ移動させるためのエネルギとして作用する。
このとき、筒内可動部5に形成された調整孔部56からは、空気および逆洗水が若干漏れることとなるが、流体流通孔部54から上方へ向かう空気、及び逆洗水の流れによって逆止弁55は閉塞状態となるため、流体流通孔部54から空気、及び逆洗水は漏れず、可動凹部52には所定量の空気が滞留することとなる。
このように、筒内可動部50の可動凹部52内に所定量の空気が溜まることによって、筒内可動部5が浮力を有することとなる。また、逆洗水は、筒内可動部5の可動凹部52に衝突し、空気と共に筒内可動部5を上方へ移動させるためのエネルギとして作用する。
筒内可動部5が上方に移動することにより、筒内可動部5にその上端部が固定された濾過材3は、筒内可動部5の動きに伴って、図6に示すように、空気逆洗運転の状態からさらに伸長した状態となる。具体的には、この混合逆洗運転を行うことにより、筒内可動部5は外筒部2の所定の高さ位置まで上方移動し、濾過材3についても略完全に伸長した状態となる。
以上のように、混合逆洗運転を行うことによって、筒内可動部5を上方移動させて濾過材3をさらに伸長させることができる。また、濾過材3を伸長させた状態で、逆洗流体を下方から上方に向けて供給するため、濾過材3を効果的に洗浄することができる。なお、この混合逆洗運転によって排出される逆洗流体は、上方出入口部221、及び第2上方バルブ225を介して、排水排出部Bに排出される。
以上が本発明の実施形態に係る濾過装置1において行われる一連の濾過運転であるが、前記の空気逆洗運転、及び混合逆洗運転の後に、逆洗排水の残りが下流側に送られることを防止することを目的として、一定の期間だけ被処理水を供給するフラッシング運転や、外筒部内の残留水を捨水する捨水工程を行うようにしてもよい。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態にかかる濾過装置1について説明する。第2の実施形態に係る濾過装置1は、構成要素の1つである濾過材の構成以外については、基本的に第1の実施形態と同様である。従って、以下においては、第1の実施形態と異なる濾過材の構成について、主に説明する。
第2の実施形態に係る濾過材3aは、図7に示すように、異なる繊維径からなる第1の濾過材31と第2の濾過材32を上下方向に2段に配置した構成からなる。各濾過材31、32を構成する繊維径は、上段に対して下段がより細い繊維径のものが採用される(例えば上段の第1の濾過材31の繊維径が略33μm、下段の第2の濾過材32の繊維径が略18μm)。上段の第1の濾過材31と下段の第2の濾過材32の接合部分は紐状体からなる取付部材(図示しない)で結束されることで一体化されている。
このように、上段の第1の濾過材31に対して、下段の第2の濾過材32の繊維径を細くすることで、濾過材3を筒内可動部5で圧密化した際、上段の第1の濾過材31よりも下段の第2の濾過材32の繊維間の隙間が小さくなる。これにより、被処理水の中に含まれる懸濁物質のうち、比較的体積の大きい懸濁物質を上段の第1の濾過材31で捕捉し、上段の第1の濾過材31では捕捉できなかった比較的体積の小さい懸濁物質を、下段の第2の濾過材3で捕捉することができる。従って、より効率的に被処理水に含まれる懸濁物質を濾過することができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る濾過材3bは、第2の実施形態に対してさらに濾過材を1段追加し、合計3段の濾過材から構成されている。即ち、濾過材3bは、図8に示すように上段の第1の濾過材31、中段の第2の濾過材32、下段の第3の濾過材33から構成されている。このとき、上段の第1の濾過材31の繊維径が略33μm、中段の第2の濾過材32の繊維径が略18μm、下段の第3の濾過材33の繊維系が略12μmに設定される。
以上の構成により、前記した第1の実施形態や第2の実施形態に係る濾過材に対して、より確実に、被処理水中の懸濁物質の捕捉をすることができる。
なお、本発明の実施形態においては、濾過材として1段〜3段のものについて説明したが、4段以上の構成とすることも可能である。
以上、本発明に係る濾過装置、及び濾過装置による水処理方法は、低コストで、かつ長期間において濾過処理性能を維持することが可能なものとなっている。
1 濾過装置
2 外筒部
21 外筒本体部
22 外筒上端部
221 上方出入口部
222 エア抜き部
223 第1分岐配管
224 第1上方バルブ
225 第2上方バルブ
23 外筒下端部
231 下方出入口部
232 空気導入部
233 第2分岐配管
234 第1下方バルブ
235 第2下方バルブ
236 曝気配管部
3、3a、3b 濾過材
31 第1の濾過材
32 第2の濾過材
33 第3の濾過材
4 濾過材固定部
41 第1の濾過材固定部
42 第2の濾過材固定部
43 格子部
5 筒内可動部
51 可動本体部
52 可動凹部
53 スペーサリング
54 流体流通孔部
55 逆止弁
56 調整孔部
6 ストッパ部
61 フランジ面
62 貫通孔
A 被処理水供給部
B 排水排出部
C 送風機
D 被処理水貯留部
E 逆洗水供給部

Claims (4)

  1. 濾過運転時に上端側から下端側に向けて供給される被処理水を固液分離する濾過材を内包する外筒部と、
    前記濾過材の一端が接続され、前記外筒部の下端側に固定された第1の濾過材固定部と、
    前記第1の濾過材固定部に向けて開放端が形成された凹状であるとともに、前記濾過材よりも上流側に位置して前記外筒部の軸心方向に沿って移動可能であり、自重により前記濾過材を圧密化させるべく設けられた筒内可動部と、
    該筒内可動部の開放端面に設けられ、前記濾過材の他端が接続された第2の濾過材固定部と、
    前記外筒部の内壁から軸心方向に突出し、濾過運転時における前記濾過材が所定の充填密度で圧密化される位置で前記筒内可動部の下流側への移動を規制するストッパ部と、を備える
    濾過装置。
  2. 前記外筒部は軸方向と略直交する分割面が形成され、
    前記ストッパ部は、前記分割面で狭持されるフランジ面を有し、略中央には前記外筒部の内径よりも小さい貫通孔が形成された円環状であり、
    前記フランジ面が前記分割面により狭持された状態において、前記フランジ面の一部と前記筒内可動部の開放端縁が接触する
    請求項1に記載の濾過装置。
  3. 前記ストッパ部は、前記外筒部の内壁の内周方向に沿って設置された複数の突起部から構成され、
    該突起部と前記筒内可動部の開放端縁が接触する
    請求項1に記載の濾過装置。
  4. 前記濾過材は、複数の繊維を結束して構成され、
    濾過運転時における被処理水の供給方向の上流側に位置する第1の濾過材、及び該第1の濾過材よりも下流側に位置する第2の濾過材を有し、
    前記第2の濾過材の繊維径は前記第1の濾過材の繊維径よりも相対的に細く構成された
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の濾過装置。
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