JP2006197777A - 前後輪駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 出力制御性に優れ、かつ装置コストの低減が可能な前後輪駆動装置を提供する。
【解決手段】 回転位置センサ62は、駆動輪(前輪)を駆動するフロントモータ60のロータの回転角度θ1を検出する。回転位置センサ72は、従動輪(後輪)を駆動するリアモータ70のロータの回転角度θ2を検出する。回転位置センサ62は、相対的に高い検出精度を有し、回転位置センサ72は、相対的に低い検出精度を有する。制御装置30は、回転位置センサ62からの回転角度θ1に基づいて、フロントモータ60に対して弱め界磁制御を行なうように、インバータ14を制御する。制御装置30は、回転位置センサ72からの回転角度θ2に基づいて、リアモータ70に対して最大トルク制御を行なうように、インバータ24を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】 回転位置センサ62は、駆動輪(前輪)を駆動するフロントモータ60のロータの回転角度θ1を検出する。回転位置センサ72は、従動輪(後輪)を駆動するリアモータ70のロータの回転角度θ2を検出する。回転位置センサ62は、相対的に高い検出精度を有し、回転位置センサ72は、相対的に低い検出精度を有する。制御装置30は、回転位置センサ62からの回転角度θ1に基づいて、フロントモータ60に対して弱め界磁制御を行なうように、インバータ14を制御する。制御装置30は、回転位置センサ72からの回転角度θ2に基づいて、リアモータ70に対して最大トルク制御を行なうように、インバータ24を制御する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、前後輪駆動装置に関し、特に、4輪駆動車に搭載される前後輪駆動装置に関するものである。
最近、環境に配慮した自動車として、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が注目されている。そして、ハイブリッド自動車は、一部実用化されている。
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
このようなハイブリッド自動車または電気自動車は、モータ駆動装置を搭載する(たとえば特許文献1および2参照)。たとえば特許文献1は、加速性を重視した走行と高速性を重視した走行とを実行可能な電気自動車の駆動モータ制御装置を開示する。
これによれば、駆動モータ制御装置は、電磁コイル(ステータの磁極に相当)の磁極位置に対する永久磁石(ロータの磁極に相当)の磁極位置を検出するロータ位置検出手段と、電磁コイルを励磁する励磁手段と、駆動モータの制御モードを第1の制御モードと第2の制御モードとの間で選択を行なうためのモード選択手段と、電磁コイルを励磁するタイミングを変え、電磁コイルが発生する磁束と永久磁石が発生する磁束との鎖交率を、第1のモードが選択されたときに、第2のモードが選択されたときより大きくする励磁タイミング調整手段とを備える。
本構成において、ロータ位置検出手段として、電気自動車の4輪の各々に配設されたブラシレスDCモータのロータシャフトには、レゾルバの回転子が結合され、ブラシレスDCモータのロータの磁極の絶対位置を検出できるようになっている。
なお、ロータの磁極の絶対位置を検出する手段としては、レゾルバ以外に、たとえば光学式のロータリーエンコーダや磁気式エンコーダ(ホール素子や強磁性薄膜を用いたものなど)が適用される。
特開平5−184016号公報
特開平5−284612号公報
上記のように、従来のモータ駆動装置においては、車両の4輪の各々に配設されたモータのロータの回転位置検出手段として、レゾルバ、光学式のロータリーエンコーダおよび磁気式エンコーダなどが適用される。
しかしながら、その適用の詳細については、前輪駆動用のモータと後輪駆動用のモータとに対して、同じ種類の回転位置センサが設置されるのが一般的である。すなわち、前輪駆動用モータと後輪駆動用モータとでは、求められる出力特性が異なるにもかかわらず、出力特性を制御するのに用いられる回転位置検出手段は同じとされる。このように、従来のモータ駆動装置においては、回転位置検出手段は、対応するモータに求められる出力特性を十分に考慮したものではなかった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、出力制御性に優れ、かつ装置コストの低減が可能な前後輪駆動装置を提供することである。
この発明によれば、前後輪のいずれか一方の車輪を駆動輪とし、前後輪の他方の車輪を従動輪とする前後輪駆動装置であって、駆動輪を駆動する第1のモータと、従動輪を駆動する第2のモータと、第1のモータを駆動する第1の駆動回路と、第2のモータを駆動する第2の駆動回路と、第1のモータの回転子の回転位置を検出する第1の回転位置センサと、第2のモータの回転子の回転位置を検出する第2の回転位置センサと、第1および第2の回転位置センサにより検出された回転位置に基づいて、第1および第2の駆動回路をそれぞれ制御する制御装置とを備える。第1の回転位置センサは、相対的に高い検出精度を有し、第2の回転位置センサは、相対的に低い検出精度を有する。
好ましくは、第1のモータは、低速回転領域から高速回転領域までを出力範囲とし、第2のモータは、低速回転領域を出力範囲とする。
好ましくは、制御装置は、第1のモータの高速回転領域において、第1のモータに対して弱め界磁制御を行なうように、第1の駆動回路を制御する。
好ましくは、制御装置は、第2のモータの低速回転領域において、第2のモータに対して最大トルク制御を行なうように、第2の駆動回路を制御する。
好ましくは、第1のモータは、内燃機関からの回転力によって発電し、または内燃機関を始動する。
この発明によれば、前後輪駆動装置において、前輪および後輪をそれぞれ駆動するモータに設置される回転位置センサとしては、求められる検出精度に見合った回転位置センサが適用される。すなわち、高度の出力制御が求められる駆動輪用のモータには、相対的に高い検出精度を有する回転位置センサが設置され、高度の出力制御が求められない従動輪用のモータには、相対的に低い検出精度を有する回転位置センサが設置される。これによれば、高精度の出力制御を維持するとともに、装置コストの低減を図ることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
図1は、この発明の実施の形態による前後輪駆動装置の概略ブロック図である。
図1を参照して、前後輪駆動装置100は、バッテリBと、電圧センサ10,13,23と、昇圧コンバータ12,22と、コンデンサC1,C2と、インバータ14,24と、電流センサ18,28と、回転位置センサ62,72と、制御装置30と、フロントモータ60と、リアモータ70とを備える。
フロントモータ60は、ハイブリッド自動車の駆動輪(前輪)を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。また、フロントモータ60は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえばエンジンを始動し得るようなモータである。
リアモータ70は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の後輪を駆動する駆動モータ、および後輪の回転力によって発電機として機能する。
なお、フロントモータ60およびリアモータ70は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通に接続されて構成される。
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、IGBTQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1は、その一方端がバッテリBの電源ラインに接続され、他方端がIGBTQ1とIGBTQ2との中間点、すなわち、IGBTQ1のエミッタとIGBTQ2のコレクタとの間に接続される。
IGBTQ1,Q2は、インバータ14の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。IGBTQ1は、コレクタが電源ラインに接続され、エミッタがIGBTQ2のコレクタに接続される。IGBTQ2のエミッタは、アースラインに接続される。
また、IGBTQ1,Q2のエミッタ−コレクタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流が流れるように、それぞれ、ダイオードD1,D2が接続されている。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含む。U相アーム15、V相アーム16およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
U相アーム15は、直列に接続されたIGBTQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列に接続されたIGBTQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列に接続されたIGBTQ7,Q8から成る。また、各IGBTQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
インバータ14の各相アームの中間点は、フロントモータ60の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、フロントモータ60は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通に接続されて構成される。U相コイルの他端がIGBTQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がIGBTQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がIGBTQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
昇圧コンバータ22は、リアクトルL2と、IGBTQ9,Q10と、ダイオードD9,D10とを含む。リアクトルL2は、その一方端がバッテリBの電源ラインに接続され、他方端がIGBTQ9とIGBTQ10との中間点、すなわち、IGBTQ9のエミッタとIGBTQ10のコレクタとの間に接続される。
IGBTQ9,Q10は、インバータ24の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。IGBTQ9は、コレクタが電源ラインに接続され、エミッタがIGBTQ10のコレクタに接続される。IGBTQ10のエミッタは、アースラインに接続される。
また、IGBTQ9,Q10のエミッタ−コレクタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流が流れるように、それぞれ、ダイオードD9,D10が接続されている。
インバータ24は、U相アーム25と、V相アーム26と、W相アーム27とを含む。U相アーム25、V相アーム26およびW相アーム27は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
U相アーム25は、直列に接続されたIGBTQ11,Q12から成り、V相アーム26は、直列に接続されたIGBTQ13,Q14から成り、W相アーム27は、直列に接続されたIGBTQ15,Q16から成る。また、各IGBTQ11〜Q16のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD11〜D16がそれぞれ接続されている。
インバータ24の各相アームの中間点は、リアモータ70の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、リアモータ70は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通に接続されて構成される。U相コイルの他端がIGBTQ11,Q12の中間点に、V相コイルの他端がIGBTQ13,Q14の中間点に、W相コイルの他端がIGBTQ15,Q16の中間点にそれぞれ接続されている。
バッテリBは、ニッケル水素またはリチウムイオンなどの二次電池から成る。電圧センサ10は、バッテリBのバッテリ電圧Vbを検出し、その検出したバッテリ電圧Vbを制御装置30へ出力する。
昇圧コンバータ12および昇圧コンバータ22は、バッテリBに並列に接続される。そして、昇圧コンバータ12は、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを制御装置30からの信号PWMU1によって昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC1を介してインバータ14に供給する。
また、昇圧コンバータ12は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、フロントモータ60によって発電され、かつインバータ14によって変換された直流電圧をコンデンサC1を介して受け、その受けた直流電圧を制御装置30からの信号PWMD1に応じて降圧してバッテリBを充電する。
コンデンサC1は、昇圧コンバータ12から出力された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサ13は、コンデンサC1の両端の電圧Vm1を検出し、その検出した電圧Vm1を制御装置30へ出力する。
インバータ14は、コンデンサC1から供給された直流電圧を制御装置30からの信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりフロントモータ60を駆動する。また、インバータ14は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、フロントモータ60が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMC1に基づいて直流電圧に変換し、変換した直流電圧をコンデンサC1を介して昇圧コンバータ12に供給する。
電流センサ18は、フロントモータ60に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1を制御装置30へ出力する。
回転位置センサ62は、フロントモータ60の回転軸に取り付けられており、フロントモータ60の回転子の回転角度θ1を検出して制御装置30へ出力する。
昇圧コンバータ22は、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを制御装置30からの信号PWMU2によって昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC2を介してインバータ24に供給する。
また、昇圧コンバータ22は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、リアモータ70によって発電され、かつインバータ24によって変換された直流電圧をコンデンサC2を介して受け、その受けた直流電圧を制御装置30からの信号PWMD2に応じて降圧してバッテリBを充電する。
コンデンサC2は、昇圧コンバータ22から出力された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ24へ供給する。電圧センサ23は、コンデンサC2の両端の電圧Vm2を検出し、その検出した電圧Vm2を制御装置30へ出力する。
インバータ24は、コンデンサC2から供給された直流電圧を制御装置30からの信号PWMI2に応じて交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりリアモータ70を駆動する。また、インバータ24は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、リアモータ70が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMC2に基づいて直流電圧に変換し、変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ22に供給する。
電流センサ28は、リアモータ70に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御装置30へ出力する。
回転位置センサ72は、リアモータ70の回転軸に取り付けられており、リアモータ70の回転子の回転角度θ2を検出し、その検出した回転角度e2を制御装置30へ出力する。
制御装置30は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)からトルク指令値TR1,TR2を受ける。また、制御装置30は、電圧センサ10からバッテリ電圧Vbを受け、電圧センサ13から電圧Vm1を受け、電圧センサ23から電圧Vm2を受け、電流センサ18からモータ電流MCRT1を受け、電流センサ28からモータ電流MCRT2を受け、回転位置センサ62から回転角度θ1を受け、回転位置センサ72から回転角度θ2を受ける。
そして、制御装置30は、バッテリ電圧Vb、トルク指令値TR1、モータ電流MCRT1、回転角度θ1および電圧Vm1に基づいて、フロントモータ60がトルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するときに昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMU1を生成し、その生成した信号PWMU1を昇圧コンバータ12のIGBTQ1,Q2へ出力する。
また、制御装置30は、バッテリ電圧Vb、トルク指令値TR2、モータ電流MCRT2、回転角度θ2および電圧Vm2に基づいて、リアモータ70がトルク指令値TR2によって指定されたトルクを出力するときに昇圧コンバータ22を駆動するための信号PWMU2を生成し、その生成した信号PWMU2を昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10へ出力する。
信号PWMU1は、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを電圧Vm1に変換する場合に昇圧コンバータ12を駆動するための信号である。そして、制御装置30は、昇圧コンバータ12がバッテリ電圧Vbを電圧Vm1に変換する場合に、電圧Vm1をフィードバック制御し、電圧Vm1が指令された電圧指令Vdc_com1になるように昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMU1を生成する。
また、信号PWMU2は、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを電圧Vm2に変換する場合に昇圧コンバータ22を駆動するための信号である。そして、制御装置30は、昇圧コンバータ22がバッテリ電圧Vbを電圧Vm2に変換する場合に、電圧Vm2をフィードバック制御し、電圧Vm2が指令された電圧指令Vdc_com2になるように昇圧コンバータ22を駆動するための信号PWMU2を生成する。
さらに、制御装置30は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、信号PWMD1,PWMD2を生成し、その生成した信号PWMD1,PWMD2をそれぞれ昇圧コンバータ12,22へ出力する。
さらに、制御装置30は、外部ECUからのトルク指令値TR1と、電圧センサ13からの電圧Vm1と、電流センサ18からのモータ電流MCRT1と、回転位置センサ62からの回転角度θ1とに基づいて、インバータ14を駆動するための信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14のIGBTQ3〜Q8へ出力する。
さらに、制御装置30は、外部ECUからのトルク指令値TR2と、電圧センサ23からの電圧Vm2と、電流センサ28からのモータ電流MCRT2と、回転位置センサ72からの回転角度θ2とに基づいて、インバータ24を駆動するための信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ24のIGBTQ11〜Q16へ出力する。
さらに、制御装置30は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、外部ECUからの信号RGEに応じて信号PWMC1,PWMC2を生成し、その生成した信号PWMC1,PWMC2をインバータ14,24へ出力する。
図2は、図1に示す制御装置30の機能ブロック図である。
図2を参照して、制御装置30は、モータトルク制御手段301と、電圧変換制御手段302とを含む。
モータトルク制御手段301は、外部ECUからトルク指令値TR1,TR2を受け、電圧センサ10からバッテリ電圧Vbを受け、電圧センサ13から電圧Vm1を受け、電圧センサ23から電圧Vm2を受け、電流センサ18からモータ電流MCRT1を受け、電流センサ28からモータ電流MCRT2を受け、回転位置センサ62から回転角度θ1を受け、回転位置センサ72から回転角度θ2を受ける。
そして、モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR1、回転角度θ1、バッテリ電圧Vbおよび電圧Vm1(昇圧コンバータ12の出力電圧およびインバータ14の入力電圧に相当する。以下、同じ)に基づいて信号PWMU1を生成し、その生成した信号PWMU1を昇圧コンバータ12のIGBTQ1,Q2へ出力する。
また、モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR2、回転角度θ2、バッテリ電圧Vbおよび電圧Vm2(昇圧コンバータ22の出力電圧およびインバータ24の入力電圧に相当する。以下、同じ)に基づいて信号PWMU2を生成し、その生成した信号PWMU2を昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10へ出力する。
さらに、モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR1、回転角度θ1およびモータ電流MCRT1に基づいて信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14のIGBTQ3〜Q8へ出力する。
また、モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR2、回転角度θ2およびモータ電流MCRT2に基づいて信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ24のIGBTQ11〜Q16へ出力する。
電圧変換制御手段302は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、外部ECUからの信号RGEに応じて信号PWMD1,PWMD2を生成し、その生成した信号PWMD1,PWMD2をそれぞれ昇圧コンバータ12,22へ出力する。
図3は、図2に示すモータトルク制御手段301の機能ブロック図である。
図3を参照して、モータトルク制御手段301は、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42と、インバータ入力電圧指令演算部50と、コンバータ用デューティー比演算部52と、コンバータ用PWM信号変換部54と、モータ回転数検出部56とを含む。
モータ回転数検出部56は、回転位置センサ62から回転角度θ1を受け、その受けた回転角度θ1に基づいてモータ回転数MRN1を検出する、そして、モータ回転数検出部56は、その検出したモータ回転数MRN1をモータ制御用相電圧演算部40およびインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。
また、モータ回転数検出部56は、回転位置センサ72から回転角度θ2を受け、その受けた回転角度θ2に基づいてモータ回転数MRN2を検出する、そして、モータ回転数検出部56は、その検出したモータ回転数MRN2をモータ制御用相電圧演算部40およびインバータ入力電圧指令演算部50へ出力する。
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm1、すなわちインバータ14の入力電圧を電圧センサ13から受け、フロントモータ60の各相に流れるモータ電流MCRT1を電流センサ18から受け、フロントモータ60の回転角度θ1を回転位置センサ62から受け、モータ回転数MRN1をモータ回転数検出部56から受け、トルク指令値TR1を外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、これらの入力される信号に基づいて、フロントモータ60の3相コイルの各々に印加する電圧Vu1,Vv1,Vw1を計算し、その計算した結果RET1をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。
また、モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ22の出力電圧Vm2、すなわちインバータ24の入力電圧を電圧センサ23から受け、リアモータ70の各相に流れるモータ電流MCRT2を電流センサ28から受け、リアモータ70の回転角度θ2を回転位置センサ72から受け、モータ回転数MRN2をモータ回転数検出部56から受け、トルク指令値TR2を外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、これらの入力される信号に基づいて、リアモータ70の3相コイルの各々に印加する電圧Vu2,Vv2,Vw2を計算し、その計算した結果RET2をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。なお、モータ制御用相電圧演算部40における各モータ60,70の各相コイルに印加する電圧の計算方法については、後述する。
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果RET1に基づいて、実際にインバータ14の各IGBTQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14の各IGBTQ3〜Q8へ出力する。
これにより、各IGBTQ3〜Q8は、スイッチング制御され、フロントモータ60が指定されたトルクを出力するようにフロントモータ60の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR1に応じたモータトルクが出力される。
また、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果RET2に基づいて、実際にインバータ24の各IGBTQ11〜Q16をオン/オフする信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ24の各IGBTQ11〜Q16へ出力する。
これにより、各IGBTQ11〜Q16は、スイッチング制御され、リアモータ70が指定されたトルクを出力するようにリアモータ70の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR2に応じたモータトルクが出力される。
一方、インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に基づいてインバータ入力電圧Vm1の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdc_com1を演算し、その演算した電圧指令Vdc_com1をコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。
また、インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2に基づいてインバータ入力電圧Vm2の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdc_com2を演算し、その演算した電圧指令Vdc_com2をコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。
コンバータ用デューティー比演算部52は、電圧センサ10からのバッテリ電圧Vbに基づいて、電圧センサ13からの出力電圧Vm1をインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_com1に設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
また、コンバータ用デューティー比演算部52は、電圧センサ10からのバッテリ電圧Vbに基づいて、電圧センサ23からの出力電圧Vm2をインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_com2に設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューティー比に基づいて昇圧コンバータ12のIGBTQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMU1を生成する。
また、コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューティー比に基づいて昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10をオン/オフするための信号PWMU2を生成する。そして、コンバータ用PWM信号変換部54は、生成した信号PWMU1を昇圧コンバータ12のIGBTQ1,Q2へ出力し、生成した信号PWMU2を昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10へ出力する。
なお、昇圧コンバータ12(または昇圧コンバータ22)の下側のIGBTQ2(またはIGBTQ10)のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1(またはリアクトルL2)における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のIGBTQ1(またはIGBTQ9)のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、IGBTQ1,Q2(またはIGBTQ9,Q10)のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧をバッテリBの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
再び図1を参照して、前後輪駆動装置100の全体動作について説明する。一連の動作が開始されると、電圧センサ10は、バッテリ電圧Vbを検出して制御装置30へ出力し、電圧センサ13は、電圧Vm1を検出して制御装置30へ出力し、電圧センサ23は、電圧Vm2を検出して制御装置30へ出力する。また、電流センサ18は、モータ電流MCRT1を検出して制御装置30へ出力し、電流センサ28は、モータ電流MCRT2を検出して制御装置30へ出力する。また、回転位置センサ62は、回転角度θ1を検出して制御装置30へ出力する。そして、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TR1,TR2を受ける。
そうすると、制御装置30は、バッテリ電圧Vb、電圧Vm1、回転角度θ1およびトルク指令値TR1に基づいて、上述した方法により信号PWMU1を生成して昇圧コンバータ12へ出力し、トルク指令値TR1、モータ電流MCRT1、回転角度θ1および電圧Vm1に基づいて、上述した方法により信号PWMI1を生成してインバータ14へ出力する。
昇圧コンバータ12は、制御装置30からの信号PWMU1に応じて、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを昇圧して電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14に供給する。インバータ14は、コンデンサC1を介して供給された入力電圧Vm1を信号PWMI1によって交流電圧に変換してフロントモータ60を駆動する。
また、制御装置30は、バッテリ電圧Vb、電圧Vm2、回転角度θ2およびトルク指令値TR2に基づいて、上述した方法により信号PWMU2を生成して昇圧コンバータ22へ出力し、トルク指令値TR2、モータ電流MCRT2、回転角度θ2および電圧Vm2に基づいて、上述した方法により信号PWMI2を生成してインバータ24へ出力する。
昇圧コンバータ22は、制御装置30からの信号PWMU2に応じて、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを昇圧して電圧Vm2をコンデンサC2を介してインバータ24に供給する。インバータ24は、コンデンサC2を介して供給された入力電圧Vm2を信号PWMI2によって交流電圧に変換してリアモータ70を駆動する。
前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、制御装置30は、外部ECUから信号RGEを受け、その受けた信号RGEに応じて信号PWMC1,PWMD1を生成してそれぞれインバータ14および昇圧コンバータ12へ出力し、信号PWMC2,PWMD2を生成してそれぞれインバータ24および昇圧コンバータ22へ出力する。
インバータ14は、フロントモータ60が発電した交流電圧を信号PWMC1によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC1を介して昇圧コンバータ12へ供給する。昇圧コンバータ12は、インバータ14から供給された直流電圧を信号PWMD1によって降圧してバッテリBを充電する。
また、インバータ24は、リアモータ70が発電した交流電圧を信号PWMC2によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ22へ供給する。昇圧コンバータ22は、インバータ24から供給された直流電圧を信号PWMD2によって降圧してバッテリBを充電する。
図4は、前後輪駆動装置100をハイブリッド自動車に搭載した場合の前後輪駆動装置100の各構成要素の配置を示す平面図である。
図4を参照して、バッテリBおよび制御装置30は、前輪1と後輪2との間に配置される。昇圧コンバータ12およびインバータ14は、フロントモータ60の近くに配置される。昇圧コンバータ22およびインバータ24は、リアモータ70の近くに配置される。
バッテリBは、ケーブル90によって昇圧コンバータ12および22に接続される。インバータ14は、ケーブル91によってフロントモータ60に接続される。インバータ24は、ケーブル92によってリアモータ70に接続される。そして、制御装置30は、上述したように、昇圧コンバータ12,22およびインバータ14,24を制御する。
なお、ケーブル90は、(+,−)を有する高圧直流電源線である。また、ケーブル91,92は、U相、V相およびW相を有するモータ駆動線である。
図4に示すように、前後輪駆動装置100の各構成要素が配置される場合、昇圧コンバータ12およびインバータ14は、1つのPCU(Power Control Unit)に収納され、昇圧コンバータ22およびインバータ24は、もう1つのPCUに収納される。
前後輪駆動装置100を適用したハイブリッド自動車の起動時、発進時、軽負荷走行モード、中速低負荷走行モード、加速・急加速モード、低μ路走行モードおよび減速・制動モードにおける前後輪駆動装置100の動作について説明する。
最初に、ハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置100の動作について説明する。
まず、ハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TR1を受ける。そして、制御装置30は、電圧センサ10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサ13からの出力電圧Vm1と、回転位置センサ62からの回転角度θ1と、外部ECUからのトルク指令値TR1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU11を生成し、その生成した信号PWMU11を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサ13からの出力電圧Vm1と、電流センサ18からのモータ電流MCRT1と、回転位置センサ62からの回転角度θ1と、外部ECUからのトルク指令値TR11とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI11を生成し、その生成した信号PWMI11をインバータ14へ出力する。
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU11によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14へ供給する。インバータ14は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ60を駆動する。そして、エンジンのクランクシャフトはフロントモータ60によって回転され、エンジンが始動する。これにより、ハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
次に、ハイブリッド自動車の発進時における前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TR1およびTR2を受ける。そして、制御装置30は、電圧センサ10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサ13からの出力電圧Vm1と、回転位置センサ62からの回転角度θ1と、外部ECUからのトルク指令値TR1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU1を生成し、その生成した信号PWMU1を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサ13からの出力電圧Vm1と、電流センサ18からのモータ電流MCRT1と、回転位置センサ62からの回転角度θ1と、外部ECUからのトルク指令値TR1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14へ出力する。
さらに、制御装置30は、電圧センサ10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサ23からの出力電圧Vm2と、回転位置センサ72からの回転角度θ2と、外部ECUからのトルク指令値TR2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU2を生成し、その生成した信号PWMU2を昇圧コンバータ22へ出力する。さらに、制御装置30は、電圧センサ10からのバッテリ電圧Vbと、電流センサ28からのモータ電流MCRT2と、回転位置センサ72の回転角度θ2と、外部ECUからのトルク指令値TR21とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ24へ出力する。
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU1によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14へ供給する。インバータ14は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ60を駆動する。
また、昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10は、信号PWMU2によってオン/オフされ、昇圧コンバータ22は、IGBTQ10がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm2をコンデンサC2を介してインバータ24へ供給する。インバータ24は、昇圧コンバータ22からの直流電圧を信号PWMI2に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを出力するようにリアモータ70を駆動する。
そして、ハイブリッド自動車の前輪1はフロントモータ60によって回転され、後輪2はリアモータ70によって回転され、ハイブリッド自動車は発進する。これにより、ハイブリッド自動車の発進時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。このように、前後輪駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車は、4輪駆動により発進する。
次に、ハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、トルク指令値TR13を外部ECUから受ける。
制御装置30は、電圧センサ10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサ13からの出力電圧Vm1と、回転位置センサ62からの回転角度θ1と、外部ECUからのトルク指令値TR1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU1を生成し、その生成した信号PWMU1を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサ13からの出力電圧Vm1と、電流センサ18からのモータ電流MCRT1と、回転位置センサ62からの回転角度θ1と、外部ECUからのトルク指令値TR1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14へ出力する。
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU1によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14へ供給する。インバータ14は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ60を駆動する。そして、ハイブリッド自動車の前輪1はフロントモータ60によって駆動され、ハイブリッド自動車は、フロントモータ60によって軽負荷走行を行なう。これにより、ハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作が終了する。
次に、ハイブリッド自動車が中速低負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。この場合の前後輪駆動装置100の動作は、上述したハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置100の動作と同じである。
次に、ハイブリッド自動車が加速・急加速モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、トルク指令値TR1およびTR2を外部ECUから受ける。
制御装置30は、電圧センサ10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサ13からの出力電圧Vm1と、回転位置センサ62からの回転角度θ1と、外部ECUからのトルク指令値TR1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU1を生成し、その生成した信号PWMU1を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサ13からの出力電圧Vm1と、電流センサ18からのモータ電流MCRT1と、回転位置センサ62からの回転角度θ1と、外部ECUからのトルク指令値TR1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14へ出力する。
さらに、制御装置30は、電圧センサ10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサ23からの出力電圧Vm2と、回転位置センサ72からの回転角度θ2と、外部ECUからのトルク指令値TR2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU2を生成し、その生成した信号PWMU2を昇圧コンバータ22へ出力する。さらに、制御装置30は、電圧センサ23からの出力電圧Vm2と、電流センサ28からのモータ電流MCRT2と、回転位置センサ72からの回転角度θ2と、外部ECUからのトルク指令値TR2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ24へ出力する。
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU1によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14へ供給する。インバータ14は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ60を駆動する。
また、昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10は、信号PWMU2によってオン/オフされ、昇圧コンバータ22は、IGBTQ10がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm2をコンデンサC2を介してインバータ24へ供給する。インバータ24は、昇圧コンバータ22からの直流電圧を信号PWMI2に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを出力するようにリアモータ70を駆動する。
そして、ハイブリッド自動車の前輪1はフロントモータ60によって回転され、後輪2はリアモータ70によって回転され、ハイブリッド自動車は加速または急加速する。これにより、ハイブリッド自動車の加速・急加速時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
次に、ハイブリッド自動車が低μ路走行モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、信号RGEおよびトルク指令値TR2を外部ECUから受ける。
制御装置30は、外部ECUからの信号RGEに応じて信号PWMC1および信号PWMD1を生成してそれぞれインバータ14および昇圧コンバータ12へ出力する。
また、制御装置30は、電圧センサ10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサ23からの出力電圧Vm2と、回転位置センサ72からの回転角度θ2と、外部ECUからのトルク指令値TR2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU2を生成し、その生成した信号PWMU2を昇圧コンバータ22へ出力する。さらに、制御装置30は、電圧センサ23からの出力電圧Vm2と、電流センサ28からのモータ電流MCRT2と、回転位置センサ72からの回転角度θ2と、外部ECUからのトルク指令値TR2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ24へ出力する。
そうすると、インバータ14は、信号PWMC1に応じて、フロントモータ60を回生モードで駆動し、フロントモータ60が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。昇圧コンバータ12は、インバータ14からの直流電圧を信号PWMD1によって降圧してバッテリB側に供給する。
一方、昇圧コンバータ22は、フロントモータ60によって回生された直流電圧を受ける。そして、IGBTQ9,Q10は、信号PWMU2によってオン/オフされ、昇圧コンバータ22は、昇圧コンバータ12から受けた直流電圧を昇圧して出力電圧Vm2をコンデンサC2を介してインバータ24に供給する。
インバータ24は、コンデンサC2を介して供給された直流電圧を信号PWMI2によって交流電圧に変換してリアモータ70を駆動する。そして、リアモータ70は、ハイブリッド自動車の後輪2を駆動する。これにより、ハイブリッド自動車は、フロントモータ60が発電した電力によって後輪2を駆動し、安定して低μ路走行を行なう。そして、ハイブリッド自動車の低μ路走行時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
最後に、ハイブリッド自動車が減速・制動モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、外部ECUから信号RGEを受ける。そして、制御装置30は、信号RGEに応じて、信号PWMC1,PWMD1および/または信号PWMC2,PWMD2を生成する。制御装置30は、生成した信号PWMC1,PWMD1をそれぞれインバータ14および昇圧コンバータ12へ出力し、生成した信号PWMC2,PWMD2をそれぞれインバータ24および昇圧コンバータ22へ出力する。
そうすると、インバータ14は、信号PWMC1に応じて、フロントモータ60を回生モードで駆動し、フロントモータ60が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。昇圧コンバータ12は、インバータ14からの直流電圧を信号PWMD1に応じて降圧してバッテリBを充電する。
また、インバータ24は、信号PWMC2に応じて、リアモータ70を回生モードで駆動し、リアモータ70が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ22へ供給する。昇圧コンバータ22は、インバータ24からの直流電圧を信号PWMD2に応じて降圧してバッテリBを充電する。
このように、ハイブリッド自動車が減速・制動モードにあるとき、フロントモータ60およびリアモータ70の少なくとも一方が回生ブレーキとして使用される。そして、ハイブリッド自動車の減速・制動時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
このように、この発明による前後輪駆動装置100をハイブリッド自動車に適用した場合、フロントモータ60およびリアモータ70は、モータトルク制御手段301および電圧変換制御手段302によって、車両の各走行状態に必要なトルクを発生するように駆動される。
詳細には、図3のモータトルク制御手段301において示したように、モータ制御用相電圧演算部40は、フロントモータ60から出力されるトルクがトルク指令値TR1となるように、フロントモータ60の各相コイルに印加する電圧Vu1,Vv1,Vw1を演算する。また、モータ制御用相電圧演算部40は、リアモータ70から出力されるトルクがトルク指令値TR2となるように、リアモータ70の各相コイルに印加する電圧Vu2,Vv2,Vw2を演算する。
ここで、この発明において、モータ制御用相電圧演算部40は、以下に述べるベクトル制御方法を用いて、各モータ60,70の各相コイルに印加する電圧を演算する。
図5は、図3に示すモータ相電圧演算部40の機能ブロック図である。
図5を参照して、モータ制御用相電圧演算部40は、電流指令生成部401と、電流変換部402と、減算器403と、PI制御部404と、加算器405と、変換部406と、回転速度演算部408と、速度起電力予測演算部410とを含む。
電流指令生成部401は、外部ECUからトルク指令値TR1を受け、モータ回転数検出部56(図示せず)からモータ回転数MRN1を受け、電圧センサ13から電圧Vm1を受ける。そして、電流指令生成部401は、トルク指令値TR1、モータ回転数MRN1および電圧Vm1に基づいて、トルク指令値TR1に指定されたトルクを出力するための電流指令値Id1*,Iq1*を生成し、その生成した電流指令値Id1*,Iq1*を減算器403へ出力する。
また、電流指令生成部401は、外部ECUからトルク指令値TR2を受け、モータ回転数検出部56からモータ回転数MRN2を受け、電圧センサ23から電圧Vm2を受ける。そして、電流指令生成部401は、トルク指令値TR2、モータ回転数MRN2および電圧Vm2に基づいて、トルク指令値TR2に指定されたトルクを出力するための電流指令値Id2*,Iq2*を生成し、その生成した電流指令値Id2*,Iq2*を減算器403へ出力する。
電流変換部402は、電流センサ18が検出したモータ電流MCRT1を、回転位置センサ62から出力された回転角度θ1を用いて三相二相変換する。つまり、電流変換部402は、フロントモータ60の各相を流れる3相のモータ電流MCRT1を、回転角度θ1を用いてd軸およびq軸に流れる電流値Id1,Iq1に変換して減算器403へ出力する。
また、電流変換部402は、電流センサ28が検出したモータ電流MCRT2を、回転位置センサ72から出力された回転角度θ2を用いて三相二相変換する。つまり、電流変換部402は、リアモータ70の各相を流れる3相のモータ電流MCRT2を、回転角度θ2を用いてd軸およびq軸に流れる電流値Id2,Iq2に変換して減算器403へ出力する。
減算器403は、電流指令値Id1*,Iq1*から、電流変換部402からの電流値Id1,Iq1を減算して偏差ΔId1,ΔIq1を演算する。そして、PI制御部404は、偏差ΔId1,ΔIq1に対してPIゲインを用いてモータ電流調整用の操作量を演算する。
また、減算器403は、電流指令値Id2*,Iq2*から、電流変換部402からの電流値Id2,Iq2を減算して偏差ΔId2,ΔIq2を演算する。そして、PI制御部404は、偏差ΔId2,ΔIq2に対してPIゲインを用いてモータ電流調整用の操作量を演算する。
回転速度演算部408は、回転位置センサ62から受けた回転角度θ1に基づいてフロントモータ60の回転速度を演算し、その演算した回転速度を速度起電力予測演算部410へ出力する。速度起電力予測演算部410は、回転速度演算部408からのフロントモータ60の回転速度に基づいて、速度起電力の予測値を演算する。
また、回転速度演算部408は、回転位置センサ72から受けた回転角度θ2に基づいてリアモータ70の回転速度を演算し、その演算した回転速度を速度起電力予測演算部410へ出力する。速度起電力予測演算部410は、回転速度演算部408からのリアモータ70の回転速度に基づいて、速度起電力の予測値を演算する。
加算器405は、PI制御部404からのモータ電流調整用の操作量と、速度起電力予測演算部410からの速度起電力の予測値とを加算して、d軸およびq軸に印加する電圧の操作量Vd1,Vq1を演算する。
また、加算器405は、PI制御部404からのモータ電流調整用の操作量と、速度起電力予測演算部410からの速度起電力の予測値とを加算して、d軸およびq軸に印加する電圧の操作量Vd2,Vq2を演算する。
変換部406は、d軸およびq軸に印加する電圧の操作量Vd1,Vq1を、回転角度θ1を用いてフロントモータ60の3相コイルに印加する電圧の操作量Vu1,Vv2,Vw3に変換する。そして、変換部406は、その変換した電圧の操作量Vu1,Vv1,Vw3を計算結果RET1として、インバータ用PWM信号生成部42へ出力する。
また、変換部406は、d軸およびq軸に印加する電圧の操作量Vd2,Vq2を、回転角度θ2を用いてリアモータ70の3相コイルに印加する電圧の操作量Vu2,Vv2,Vw2に変換する。そして、変換部406は、その変換した電圧の操作量Vu2,Vv2,Vw2を計算結果RET2として、インバータ用PWM信号生成部42へ出力する。
インバータ用PWM信号変換部42は、電圧操作量Vu1,Vv1,Vw1と、電圧センサ13からの電圧Vm1とに基づいて信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14へ出力する。
また、インバータ用PWM信号変換部42は、電圧操作量Vu2,Vv2,Vw2と、電圧センサ23からの電圧Vm2とに基づいて信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ24へ出力する。
以上のように、ベクトル制御方法においては、直交座標(d,q座標)上での電圧、電流を制御することによって、各モータから出力されるトルクを制御する。d−q変換を用いて永久磁石モータ(フロントモータ60およびリアモータ70)を制御する場合、直交座標上でのトルク式および電圧方程式は、次式のようになる。
T=Pmφaiq+Pn(Ld−Lq)idiq・・・(1)
Vd=rid−ωLqiq ・・・(2)
Vq=ωφa+ωLdid+riq ・・・(3)
ただし、T:トルク、Vd,Vq:電機子電圧のd−q軸成分、ω:回転角速度、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束、Ld,Lq:d−q軸のインダクタンス、r:電機子抵抗、Id:電機子電流のd軸成分、Iq:電機子電流のq軸成分、Pn:極対数
図6は、式(2),(3)により示される定常時の永久磁石モータのベクトル図である。
Vd=rid−ωLqiq ・・・(2)
Vq=ωφa+ωLdid+riq ・・・(3)
ただし、T:トルク、Vd,Vq:電機子電圧のd−q軸成分、ω:回転角速度、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束、Ld,Lq:d−q軸のインダクタンス、r:電機子抵抗、Id:電機子電流のd軸成分、Iq:電機子電流のq軸成分、Pn:極対数
図6は、式(2),(3)により示される定常時の永久磁石モータのベクトル図である。
図6を参照して、高速運転時などモータ端子間電圧Va(=(Vd2+Vq2)1/2)を抑えたいときには、磁束φaを弱める制御が有効であるが、永久磁石モータでは、永久磁石で界磁を作ることから界磁を調整することができない。
そこで、永久磁石モータでは、d軸電流idを永久磁石の磁束φaを打ち消すように流して弱め界磁制御を実現する。実際にステータのコイルに鎖交する磁束φ0を制御している。そのため、idは、弱め界磁電流と呼ばれる。
さらに、電機子電流のd軸成分idおよびq軸成分を、電機子電流の振幅iaと、電流位相βとで表わすと、それぞれ式(4),(5)となる。
id=−ia・sinβ ・・・(4)
iq=ia・cosβ ・・・(5)
この式(4),(5)を式(1)〜(3)に代入して、電流位相βに対するトルクTとモータ端子電圧Vaとを表わすと、図7および図8に示す関係となる。ここで、インバータ14,24から出力できる電圧および電流は有限であるため、その制限の中で効果的に出力を得ることが望まれる。そこで、永久磁石モータでは、図7および図8の関係を利用して出力領域を拡大する制御を行なっている。
iq=ia・cosβ ・・・(5)
この式(4),(5)を式(1)〜(3)に代入して、電流位相βに対するトルクTとモータ端子電圧Vaとを表わすと、図7および図8に示す関係となる。ここで、インバータ14,24から出力できる電圧および電流は有限であるため、その制限の中で効果的に出力を得ることが望まれる。そこで、永久磁石モータでは、図7および図8の関係を利用して出力領域を拡大する制御を行なっている。
詳細には、図7を参照して、トルクTは、電流位相βが略45度(deg)付近で最大となることが分かる。したがって、低トルク領域では、電流位相βを0度から進めて永久磁石モータを運転する。このような制御は、最大トルク制御とも称される。
次に、回転角速度ωが増加すると、ロータの回転によって発生する逆起電力の上昇によって、モータ端子間電圧Vaが上昇し、電源電圧の制限を越えると、永久磁石モータは出力不可能となる。そこで、最大トルク制御で電圧制限に達した後は、電流位相βを大きくしていくことで、電機子電流のd軸成分id、すなわち弱め界磁電流を増加させる。この弱め界磁電流により永久磁石の磁束φaを打消し、コイルへの磁束鎖交数を減少させることで、モータ端子間電圧Vaが電源電圧による制限を越えないように制御する。このような制御は、弱め界磁制御とも称される。
ここで、前後輪駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車において、駆動輪(前輪1)を駆動するためのトルクを発生するフロントモータ60には、高速回転まで出力可能であって、かつ、中高速回転では等出力で運転できる出力特性が要求される。これには、高速回転時において、フロントモータ60の電機子電流iaの電流位相βを制御する弱め界磁制御を行なうことが必須となる。
図9は、フロントモータ60の出力範囲を示す図である。
図9を参照して、電機子電流iaの電流位相βをトルクが最大となるβ=45°付近に制御する最大トルク制御を行なうことによって、領域RGN1に示す出力特性が得られる。これにより、フロントモータ60は、ハイブリッド自動車のエンジン始動時や発進時において必要な大きなトルクを得ることができる。
さらに、図7の矢印で示すように、電流位相βを最大トルク発生位相から大きくしていく弱め界磁制御を行なうことによって、フロントモータ60の出力特性は、領域RGN2に示すように、高速回転領域にまで出力範囲が拡大される。これにより、ハイブリッド自動車は、軽負荷走行モードおよび中速低負荷走行モードにおいては、一定の出力で走行を行なうことができる。
フロントモータ60において、かかる出力領域の制御を行なうためには、常に適切な電流位相βに電機子電流iaを流す必要が生じる。そのため、フロントモータ60のロータの回転位置検出する回転位置センサ62としては、高い検出精度を備えることが重要とされる。高い検出精度を有する回転位置センサとしては、たとえばレゾルバが適用される。
図10は、フロントモータ60における回転位置センサ62の配置例を示す図である。
図10を参照して、フロントモータ60は、ロータ602と、永久磁石604と、ステータ606と、コイル608と、シャフト610と、軸受612,614と、回転位置センサ62とを備える。
ロータ602は、シャフト610に固定され、シャフト610が軸受612,614に指示されることによって回転自在な回転子である。
ステータ606は、U相、V相およびW相の3相コイルからなる固定電機子であって、電機子電流iaが流れることによって、ロータ602に作用する回転磁界が発生する。
シャフト610は、軸受612,614によって支持された回転軸である。軸受612,614は、シャフト610を回転自在に固定する。
回転位置センサ62は、たとえばレゾルバからなる。レゾルバは、周知のように、楕円形のロータと、3つのコイルが内蔵されたステータとからなる。励磁用のコイルに交流電流を流すことにより、電気的に90度ずれて配置された出力コイルには、レゾルバのロータ位置に応じた出力がそれぞれ発生し、この出力の差からロータ602の絶対位置(回転角度θ1)を検出することができる。
なお、フロントモータ60に設置される回転位置センサ62としては、弱め界磁制御を正確に行なうのに十分な検出精度を有していれば良く、必ずしもレゾルバに限定されないことは明らかである。
一方、前後輪駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車において、後輪2を駆動するリアモータ70は、先述のように、ハイブリッド自動車の発進時や低μ路走行モードなどにおいて駆動される。一方、軽負荷走行モードや中速低負荷走行モードなどにおいては、専らフロントモータ60が駆動され、リアモータ70は駆動されない。これによれば、リアモータ70は、低速回転領域において大きなトルクを出力することが求められ、高速回転領域にまで一定のトルクを出力することは必要とされていないことが分かる。
図11は、リアモータ70の出力範囲を示す図である。
図11を参照して、リアモータ70の出力特性は、電流位相βを略45度となるように制御する最大トルク制御を行なうことで、領域RGN3で示される低速回転領域での高出力が実現される。
一方、高速回転領域では、上述のように、専らフロントモータ60が駆動されることから、リアモータ70においては、フロントモータ60のような等出力特性は要求されない。すなわち、リアモータ70は、領域RGN3に示す低速回転領域を出力範囲とすれば十分とされる。
リアモータ70において、このような出力範囲を実現するためには、電流位相βを45度付近に制御する最大トルク制御を行なう必要がある。ここで、図7から明らかなように、電流位相βが45度となる付近では、トルクTは、波形が緩やかであって、電流位相βの依存性が小さいことが分かる。そのため、リアモータ60においては、比較的精度の低い位相制御で所望の出力特性を得ることができる。したがって、リアモータ70に設置される回転位置センサ72としても、その検出精度は、回転位置センサ62と同等レベルの高精度である必要はなく、相対的に低いもので十分であるといえる。
これによれば、回転位置センサ72は、回転位置センサ62に対して、構成が簡易で、かつ廉価なもので構成することができる。このような回転位置センサ72としては、たとえばホール素子や磁気抵抗素子などの磁気センサが適用可能である。
図12は、リアモータ70における回転位置センサ72の配置例を示す図である。
図12を参照して、リアモータ70は、ロータ702と、永久磁石704と、ステータ706と、コイル708と、シャフト710と、軸受712,714と、回転位置センサ72とを備える。なお、リアモータ70は、図10に示すフロントモータ60と基本的な構成が同じであることから、その詳細な説明は繰り返さない。
回転位置センサ72は、たとえばホール素子からなり、ロータ702の回転軸方向端面付近に設置される。回転位置センサ72は、磁束を検出可能な磁気検出素子であって、U相、V相およびW相に対応した3つのセンサを含む。ホール素子は、周知のように、ロータ702が回転することによってロータ702の周囲に発生する磁界の変化を感知することによって、ロータ702の回転角度θ2を検出する。
以上のように、この発明の実施の形態によれば、前後輪駆動装置において、前輪および後輪をそれぞれ駆動するモータに設置される回転位置センサとしては、求められる検出精度に見合った回転位置センサが適用される。すなわち、高度のトルク制御が求められる前輪駆動用のモータには相対的に高い検出精度を有する回転位置センサが設置され、高度のトルク制御が求められない後輪駆動用のモータには相対的に低い検出精度を有する回転位置センサが設置される。これによれば、高精度の出力制御を維持するとともに、装置コストの低減を図ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、4輪駆動車に搭載される前後輪駆動装置に利用することができる。
1 前輪、2 後輪、10,13,23 電圧センサ、12,22 昇圧コンバータ、13 電圧センサ、14,24 インバータ、15,25 U相アーム、16,26 V相アーム、17,27 W相アーム、18,28 電流センサ、30 制御装置、40 モータ制御用相電圧演算部、42 インバータ用PWM信号変換部、50 インバータ入力電圧指令演算部、52 コンバータ用デューティー比演算部、54 コンバータ用PWM信号変換部、56 モータ回転数検出部、60 フロントモータ、62 回転位置センサ、70 リアモータ、72 回転位置センサ、90,91,92 ケーブル、100 前後輪駆動装置、301 モータトルク制御手段、302 電圧変換制御手段、401 電流指令生成部、402 電流変換部、403 減算器、404 PI制御部、405 加算器、406 変換部、408 回転速度演算部、410 速度起電力予測演算部、602,702 ロータ、604,704 永久磁石、606,706 ステータ、608,708 コイル、610,710 シャフト、612,614,712,714 軸受、B バッテリ、C1,C2 コンデンサ、D1〜D16 ダイオード、Q1〜Q16 IGBT、L1,L2 リアクトル。
Claims (5)
- 前後輪のいずれか一方の車輪を駆動輪とし、前記前後輪の他方の車輪を従動輪とする前後輪駆動装置であって、
前記駆動輪を駆動する第1のモータと、
前記従動輪を駆動する第2のモータと、
前記第1のモータを駆動する第1の駆動回路と、
前記第2のモータを駆動する第2の駆動回路と、
前記第1のモータの回転子の回転位置を検出する第1の回転位置センサと、
前記第2のモータの回転子の回転位置を検出する第2の回転位置センサと、
前記第1および第2の回転位置センサにより検出された前記回転位置に基づいて、前記第1および第2の駆動回路をそれぞれ制御する制御装置とを備え、
前記第1の回転位置センサは、相対的に高い検出精度を有し、前記第2の回転位置センサは、相対的に低い検出精度を有する、前後輪駆動装置。 - 前記第1のモータは、低速回転領域から高速回転領域までを出力範囲とし、前記第2のモータは、前記低速回転領域を出力範囲とする、請求項1に記載の前後輪駆動装置。
- 前記制御装置は、前記第1のモータの前記高速回転領域において、前記第1のモータに対して弱め界磁制御を行なうように、前記第1の駆動回路を制御する、請求項2に記載の前後輪駆動装置。
- 前記制御回路は、前記第2のモータの低速回転領域において、前記第2のモータに対して最大トルク制御を行なうように、前記第2の駆動回路を制御する、請求項3に記載の前後輪駆動装置。
- 前記第1のモータは、内燃機関からの回転力によって発電し、または前記内燃機関を始動する、請求項4に記載の前後輪駆動装置。
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---|---|---|---|---|
WO2008038695A1 (fr) * | 2006-09-29 | 2008-04-03 | Thk Co., Ltd. | Procédé de commande de moteurs linéaires à courant alternatif, dispositif d'excitation de moteurs linéaires à courant alternatif, et système de moteurs linéaires à courant alternatif |
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-
2005
- 2005-01-17 JP JP2005009293A patent/JP2006197777A/ja active Pending
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