JP2006194371A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シフトレバーをRレンジにシフトしたときにインヒビタスイッチの故障によってロックアップ状態となって車両の運転性が低下する事態を防止する。
【解決手段】 ロックアップ制御装置80は、セレクトレバーの位置検出を行うインヒビタスイッチ72及び車速センサ71からの信号を入力する信号入力部81と、これに入力されたインヒビタスイッチ72からのレンジ信号が異常であるか否かを判定するレンジ信号異常判定部82と、この異常判定部によりレンジ信号が異常であると判定されると、予め設定されたロックアップ判定車速値をこれより大きな所定値に再設定し、この再設定されたロックアップ判定車速値を基準にして、車速センサ71からの車速値がこの再設定された判定車速値を超えるとロックアップクラッチを締結させ、車速値が判定車速値より小さいときにロックアップクラッチを解放させるロックアップ制御部83とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 ロックアップ制御装置80は、セレクトレバーの位置検出を行うインヒビタスイッチ72及び車速センサ71からの信号を入力する信号入力部81と、これに入力されたインヒビタスイッチ72からのレンジ信号が異常であるか否かを判定するレンジ信号異常判定部82と、この異常判定部によりレンジ信号が異常であると判定されると、予め設定されたロックアップ判定車速値をこれより大きな所定値に再設定し、この再設定されたロックアップ判定車速値を基準にして、車速センサ71からの車速値がこの再設定された判定車速値を超えるとロックアップクラッチを締結させ、車速値が判定車速値より小さいときにロックアップクラッチを解放させるロックアップ制御部83とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、自動変速機の制御装置に関し、特にエンジンに連結された入力軸と駆動輪に連結される出力軸とを機械的に直結し及び解放するロックアップクラッチを備えた自動変速機の制御装置に関する。
このような自動変速機のロックアップクラッチは、車速センサやセレクトレバーの位置検出を行うインヒビタスイッチ等からの信号に応じて、作動が制御される。そして、ロックアップクラッチは、一般的に、インヒビタスイッチからの信号の入力が無かったり、複数のレンジ信号が入力されたりすると、シフトレバーをDレンジに位置させたときの作動内容と同一内容で制御されている。
これは、シフトレバーのレンジ位置が不明な場合には、一般的に多用するDレンジの制御を優先させることで、必要最低限の走行性を確保するためであり(特許文献1及び2参照)、またシフトレバーを操作したときに、各レンジ間で信号の出力が無くなるタイプのインヒビタスイッチを使用した場合に、シフトレバーを切り換える作業中に、レンジ信号の入力が無くなってロックアップが解除されるのを防ぐためでもある。
特許文献1に記載の自動変速機の制御装置は、インヒビタスイッチからの信号が無い等(文献では、フェイル)の場合には、変速歯車機構の動力伝達回路を切り換えるクラッチやブレーキからなる摩擦係合要素に対して作動油の給排制御を行う複数のシフトバルブの作動内容を、作動油がドレン側に流れない作動パターンに切り換えるように構成されている。このため、作動油消費量を減らすことができ、Rレンジにおいてリバースクラッチの締結力の低下を防止して後進の走行性を確保することができ、ローリバースブレーキの締結力の低下を防止することができる。
一方、特許文献2に記載の自動変速機の制御装置は、高速時にインヒビタスイッチが故障すると、直前のシフトレバーのレンジ位置に対応した変速段にすることで、エンジンの過回転状態を回避することができ、低速時にインヒビタスイッチが故障すると、3速段を選択することで、前進走行を継続することができるとともに、停止した後の発進や後退を可能にしている。
このような従来の自動変速機の制御装置において、ロックアップクラッチを作動させるか否かの判定基準となるロックアップ判定車速を低く設定した場合に、インヒビタスイッチが故障してシフトレバーをRレンジにシフトしたにも拘らずにレンジ信号が入力されないときには、ロックアップクラッチが締結した状態で後進走行することになる。その結果、アクセル操作の僅かな変化でも走行速度が変動して運転性が低下するという問題が生じる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、シフトレバーをRレンジにシフトしたときにインヒビタスイッチが故障してロックアップクラッチが締結された状態となって車両の運転性を低下させることのない自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の自動変速機の制御装置は、ロックアップ制御弁からの作動油の給排制御によってエンジンに連結された入力軸(例えば、実施形態におけるクランク軸11)と駆動輪に連結される出力軸(例えば、実施形態における変速機出力軸15)とを機械的に直結し及び解放するロックアップクラッチを内蔵した自動変速機(例えば、実施形態におけるトルクコンバータ13)の制御装置(例えば、実施形態におけるロックアップ制御装置80)であって、セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ及び車速センサからの信号を入力する信号入力手段(例えば、実施形態における信号入力部81)と、該信号入力手段に入力されたインヒビタスイッチのレンジ信号が異常であるか否かを判定するレンジ信号異常判定手段(例えば、実施形態におけるレンジ信号異常判定82)と、ロックアップ制御弁の作動を制御して、車速センサによって検出された車速値が予め設定されたロックアップ判定車速値を超えるとロックアップクラッチを締結させ、車速値がロックアップ判定車速値より小さいときにロックアップクラッチを解放させるとともに、レンジ信号異常判定手段(例えば、実施形態におけるレンジ信号異常判定部82)によりレンジ信号が異常であると判定されると、ロックアップ判定車速値をこれより大きな所定値に再設定し、この再設定されたロックアップ判定車速値を基準にしてロックアップクラッチの作動を制御するロックアップ制御手段(例えば、実施形態におけるロックアップ制御部83)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、レンジ信号が異常であると判定されると、ロックアップ判定車速値をこれより大きな所定値に再設定し、この再設定されたロックアップ判定車速値を基準にしてロックアップクラッチの作動を制御することによって、シフトレバーがRレンジにシフトされたときに、インヒビタスイッチが故障状態にあると、ロックアップ判定車速値が大きな所定値に再設定される。このため、ロックアップ判定においてロックアップクラッチを解放する側の判定が行われて、エンジンに連結された入力軸と駆動輪に連結される出力軸とを非連結状態にすることができる。このため、後進走行において、アクセル操作が変化して入力軸の回転速度が変化しても、自動変速機によって速度変動が吸収される。その結果、後進走行時における運転性の低下を防止することができる。
また本発明は、レンジ信号異常判定手段が、レンジ信号が無入力状態にあるときにレンジ信号の異常判定を行うことを特徴とする。
この発明によれば、レンジ信号異常判定手段はレンジ信号が無入力状態にあるときにレンジ信号の異常判定を行うことによって、レンジ信号の異常判定を容易且つ確実に行うことができる。
また本発明は、レンジ信号異常判定手段が、レンジ信号が複数入力状態であるときにレンジ信号の異常判定を行うことを特徴とする。
この発明によれば、レンジ信号異常判定手段はレンジ信号が複数入力状態であるときにレンジ信号の異常判定を行うことによって、レンジ信号の異常判定を容易且つ確実に行うことができる。
さらに本発明は、レンジ信号異常判定手段が、レンジ信号がRレンジを含まない複数入力状態であるときに、正常判定を行うことを特徴とする。
この発明によれば、レンジ信号異常判定手段はレンジ信号がRレンジを含まない複数入力状態であるときに正常判定をすることによって、シフトレバーのレバー位置がRレンジ以外であれば、レンジ信号が複数入力状態であっても正常判定される。つまり、レンジ信号が複数入力状態であってもRレンジに対応したレンジ信号が無ければ、車両はDレンジやLレンジ等の前進走行状態にある可能性が高いと考えられるので、予め設定されたロックアップ判定車速値を使用することで、運転性の向上を図ることができる。
また本発明は、再設定されるロックアップ判定車速値を、後進走行で実現し得ない車速値に設定することを特徴とする。
この発明によれば、再設定されるロックアップ判定車速値が後進走行で実現し得ない車速値に設定されることによって、後進走行時におけるロックアップ判定において、常にロックアップクラッチを解放作動させる判定がなされる。このため、後進走行時における運転性の低下を確実に防止することができる。
また本発明は、ロックアップ制御手段は、レンジ信号異常判定手段によりレンジ信号が異常であると判定されたときに用いるロックアップ判定車速値を、ロックアップクラッチを締結する側の車速値を再設定されるロックアップ判定車速値とし、ロックアップクラッチを解放する側の車速値を再設定前のロックアップ判定車速値にすることを特徴とする。
この発明によれば、ロックアップクラッチを締結する側のロックアップ車速値を再設定されるロックアップ判定車速値とし、ロックアップクラッチを解放する側のロックアップ車速値を再設定前のロックアップ判定車速値にすることによって、例えば、シフトレバーのシフト位置をDレンジからLレンジにシフトさせたときに、一旦ロックアップしていれば、シフトレバーをシフトしたときに一瞬レンジ信号が無入力状態になっても、ロックアップは解除されない。このため、車両の前進走行時における運転性の低下を防止することができる。
本発明に係わる自動変速機の制御装置によれば、レンジ信号が異常であると判定されると、ロックアップ判定車速値をこれより大きな所定値に再設定し、この再設定されたロックアップ判定車速値を基準にしてロックアップクラッチの作動を制御することにより、シフトレバーをRレンジにシフトしたときにインヒビタスイッチが故障していても、車両の運転性を低下させない自動変速機の制御装置を提供することができる。
以下、本発明に係わる自動変速機の制御装置(ロックアップ制御装置)の好ましい実施の形態を図1から図3に基づいて説明する。本実施の形態は、自動変速機を備えた4輪駆動車を例にして説明する。先ず、自動変速機の制御装置を説明する前に、4輪駆動車の駆動系の概略について説明する。4輪駆動車の駆動系は、図1に示すように、エンジン10、自動変速機A及び4輪駆動部Bを備えて構成される。
自動変速機Aは、エンジン10のクランク軸11がトルクコンバータケース1内部でインペラカバー13aを介してトルクコンバータ13のポンプインペラ13bに連結し、トルクコンバータ13のタービン13cから入力軸14を介してトランスミッションケース3内部の自動変速部30に連結する。またインペラカバー13aとタービン13cの間には、ロックアップクラッチ12がトルクコンバータ13をバイパスして動力伝達するように介設される。そして自動変速部30の後方に変速機出力軸15が、入力軸14と同軸上に配設されている。
4輪駆動部Bは、トランスミッションケース3内部で入力軸14及び出力軸15に対しフロントドライブ軸16が並設され、このフロントドライブ軸16の後端が一対のリダクションギヤ17,18を介して変速機出力軸15に連結する。フロントドライブ軸16の前端はディファレンシャルケース2内部のフロントディファレンシャル装置19を介して前輪に連結され、変速動力を常に前輪に伝達するように構成されている。
一方、変速機出力軸15と一体的なリダクションギヤ17は、更にトランスファケース4内部の油圧式多板クラッチのトランスファクラッチ23を介して、エクステンションケース6のリヤドライブ軸20に連結され、このリヤドライブ軸20からプロペラ軸21、リヤディファレンシャル装置22等を介して後輪に動力が伝達される。ここでトランスファクラッチ23のクラッチトルクは、低μ路での発進、旋回、ブレーキ等の走行状態、路面条件により制御され、このクラッチトルクに応じて後輪にも動力伝達して4輪駆動制御するようになっている。
自動変速部30は、2組のフロントプラネタリギヤ31、リヤプラネタリギヤ32により前進4段と後進1段を得る構成である。即ち、入力軸14がリヤプラネタリギヤ32のサンギヤ32aに、フロントプラネタリギヤ31のリングギヤ31bおよびリヤプラネタリギヤ32のキャリア32cが変速機出力軸15に連結する。そしてフロントプラネタリギヤ31のキャリア31cと一体的な連結要素33と、リングギヤ32bとの間に、第1のワンウエイクラッチ34、フォワードクラッチ35が直列的に設けられ、連結要素33と固定部材であるケース側との間に、第2のワンウエイクラッチ36、ローリバースブレーキ37が並列的に設けられる。連結要素33とリングギヤ32bとの間には、オーバランニングクラッチ38がバイパスして設けてある。
また、サンギヤ31aと一体的な連結要素39には、バンドブレーキ40が設けられ、入力軸14と一体的な連結要素41およびキャリア31cと一体的な連結要素42との間には、ハイクラッチ43が設けられる。更に連結要素39と41との間には、リバースクラッチ44が設けられている。
このような自動変速部30の構成により、Dレンジまたは3レンジと2レンジの1速ではフォワードクラッチ35が係合し、加速の場合は両ワンウエイクラッチ34,36の作用で連結要素33と共にリングギヤ32bをロックすることで、入力軸14からサンギヤ32a,キャリア32cを介して変速機出力軸15に動力が伝達される。このとき、惰行時は第1のワンウエイクラッチ34がフリーになり、オーバランニングクラッチ38を係合して第1のワンウエイクラッチ34のフリー回転を規制しても、第2のワンウエイクラッチ36がフリーになってエンジンブレーキは作用しない。1レンジの1速では、ローリバースクラッチ37の係合でオーバランニングクラッチ38を介してリングギヤ32bを常にロックするため、エンジンブレーキが作用する。
Dレンジまたは3レンジと2レンジの2速では、フォワードクラッチ35とバンドブレーキ40とが係合し、このバンドブレーキ40によりサンギヤ31aをロックする。そこでキャリア31cとリングギヤ32bとが、連結要素33、フォワードクラッチ35、第1のワンウエイクラッチ34を介して回転し、1速時よりもリングギヤ32bが回転する分だけ増速した動力が出力する。このとき減速時には、オーバランニングクラッチ38の係合により連結要素33とリングギヤ32bとを連結状態に保つことで、エンジン側に逆駆動力が伝達してエンジンブレーキが作用する。
Dレンジまたは3レンジの3速では、フォワードクラッチ35とハイクラッチ43とが係合し、このハイクラッチ43により入力軸14が連結要素41,42、キャリア31c、連結要素33、フォワードクラッチ35、第1のワンウエイクラッチ34を介してリングギヤ32bに連結する。このため、リヤプラネタリギヤ32は一体化して、入力軸14と変速機出力軸15とは直結する。このとき、減速時にオーバランニングクラッチ38の結合で第1のワンウエイクラッチ34の空転を規制することで、2速と同様にエンジンブレーキが作用する。
Dレンジの4速では、上述に加えてバンドブレーキ40の係合でサンギヤ31aをロックする。このため、フロントプラネタリギヤ31でハイクラッチ43によりキャリア31cに入力した動力でリングギヤ31bを増速することになり、これが変速機出力軸15に伝達する。この場合は、第1、第2のワンウエイクラッチ34,36を介しないため常にエンジンブレーキが作用する。
Rレンジでは、リバースクラッチ44の結合でサンギヤ31aに入力軸14の動力が入力する。また、ローリバースクラッチ37の係合で連結要素33と共にキャリア31cをロックするため、フロントプラネタリギヤ31でリングギヤ31bに逆転してギヤ比の大きい動力が出力し、この逆転動力が変速機出力軸15に伝達して後進速になる。こうして、自動変速部30において前進4段後進1段の変速段が得られる。
自動変速部30の前方にはオイルポンプ45が設置され、トルクコンバータ13のポンプインペラ13bと一体的なドライブ軸46で常に駆動される。トランスミッションケース3の下部のオイルパン5にはコントロールバルブボデー47が収容され、ロックアップクラッチ12、トルクコンバータ13、自動変速部30、トランスファクラッチ23を油圧制御するようになっている。
次に、自動変速機Aに内に設けられたロックアップクラッチ12について説明する。ロックアップクラッチ12は、図2に示すように、前述したクランク軸11と一体的に結合するインペラカバー13aの内側外周部にタービン13cに一体的に且つ摺動可能に取り付けられたピストン12aを対向配置する。またピストン12aの移動方向の一方側にはリリース室12bが形成され、他方側にはアプライ室12cが形成され、リリース室12b及びアプライ室12cは、リリース油路50及びアプライ油路51を介してロックアップ制御弁60に繋がっている。
ロックアップ制御弁60は、弁本体61にバルブ62が設けられ、バルブ62の一方にプラグ63がスリーブ64に装着して配置され、バルブ62のプラグ63と反対側の油圧室65は、デューティ圧Pdを供給する油路53を介してデューティソレノイド弁66に連通するとともに、パイロット圧Ppを供給する油路52に連通している。デューティソレノイド弁66は、ロックアップ制御装置80からの制御信号によりパイロット圧Ppをドレンして所定のデューティ圧Pdにする。例えば、デューティ比5%の場合では、最も高いデューティ圧Pdが生じて、バルブ62は、図示の左側のように上方移動し、作動油圧Paの油路54をリリース油路50に連通し、アプライ油路51をクーラへの油路55に連通する。その結果、ロックアップクラッチ12は解放状態になる。一方、デューティ比95%の場合では、最も低いデューティ圧Pdが生じて、バルブ62は、図示の右側のように下方移動し、油路54をアプライ油路51に連通し、リリース油路50を油路56を介してプラグ63に連通すると共にドレン油路57に連通する。その結果、ロックアップクラッチ12は締結状態になる。
次に、ロックアップ制御弁60の作動を制御するロックアップ制御装置80について説明する。ロックアップ制御装置80は、車両の運転状態を検出する車速センサ71及びインヒビタスイッチ72等の検出信号を入力する信号入力部81と、信号入力部81に入力されたインヒビタスイッチ72のレンジ信号が異常であるか否かを判定するレンジ信号異常判定部82と、信号入力部81及びレンジ信号異常判定部82からの信号に応じてデューティソレノイド弁66の作動を制御してロックアップ制御弁60の作動を制御するロックアップ制御部83とを有してなる。
ロックアップ制御部83は、車速センサ71によって検出された車速値が予め設定されたロックアップ判定車速値を超えるとロックアップクラッチ12を締結させ、車速値がロックアップ判定車速値より小さいときにロックアップクラッチ12を解放させるとともに、レンジ信号異常判定部82によりレンジ信号が異常であると判定されると、ロックアップ判定車速値をこれより大きな所定値に再設定し、この再設定されたロックアップ判定車速値を基準にしてロックアップクラッチ12の作動を制御する。
次に、ロックアップ制御装置80の作動について説明する。先ず、図1に示すように、エンジン10の動力はトルクコンバータ13、入力軸14を介して自動変速部30に入力する。そこでDレンジにシフトすると、2組のプラネタリギヤ31,32の作動、クラッチ44,43,35,38とブレーキ40,37の選択的係合により、前進速の第1速ないし第4速に自動変速され、Rレンジにシフトする場合は後進速になる。そしてこの変速動力が、変速機出力軸15からリダクションギヤ17,18、フロントドライブ軸16以降の前輪に伝達する。また走行状態によりトランスファクラッチ23にクラッチトルクを生じると、そのクラッチトルクに応じて後輪側にも動力伝達して、4輪駆動で走行する。
これと同時に、図2及び図3に示すように、ロックアップ制御装置80の信号入力部81には、インヒジタスイッチ72及び車速センサ71からのレンジ信号、車速信号が入力され、これらの信号は所定の電気信号に変換される。そして、変換されたレンジ信号や車速信号は、ロックアップ制御部83に入力されるとともに、レンジ信号異常判定部82に入力される。レンジ信号異常判定部82では、レンジ信号が無入力状態にあるか否かを判断し(ステップ100)、無入力状態でなければ、複数のレンジ信号が同時に入力されているか否かを判断する(ステップ101)。ここで、レンジ信号異常判定部82は、レンジ信号がRレンジを含まない複数入力状態であるときには正常判定をしてステップ102に移行する。そして、レンジ信号異常判定部82によってレンジ信号が同時に入力されていないと判断されると、ロックアップ制御部83は、レンジ信号がDレンジ又はLレンジに対応したレンジ信号であるか否かを判断する(ステップ102)。
そして、レンジ信号が、Dレンジ又はLレンジに対応したレンジ信号である場合には、ロックアップ制御部83は、所定の車速を超えるとロックアップクラッチ12を締結させるために予め設定された車速値をロックアップ判定車速値として設定する(ステップ103)。一方、ステップ100においてレンジ信号が無入力状態にあると判断された場合や、ステップ101において複数のレンジ信号が同時に入力されていると判断された場合には、ロックアップ制御部83は、予め設定されたロックアップ判定車速値をこれより大きな所定値に再設定する(ステップ104)。このときの再設定されるロックアップ判定車速値は、後進走行で実現し得ない車速値に設定される。
そして、ロックアップ制御部83は、車速センサ71によって検出された車速値とロックアップ判定車速値とを比較し(ステップ105)、車速値がロックアップ判定車速値を超えているときには、デューティ圧Pdが低くなるようにデューティソレノイド弁66の作動を制御して、ロックアップクラッチ12を締結させる(ステップ106)。
一方、ロックアップ制御部83は、車速値がロックアップ判定車速値より小さいと判断すると、デューティ圧Pdが高くなるようにデューティソレノイド弁66の作動を制御して、ロックアップクラッチ12を解放させる(ステップ107)。
このようにロックアップ制御装置80を構成することで、シフトレバーがRレンジにシフトされたときに、インヒビタスイッチ72が故障状態にある場合には、ロックアップ判定車速値は後進走行で実現し得ない車速値に再設定される(ステップ104)。このため、車両の後進走行時では、ロックアップ判定においてロックアップクラッチ12を解放させる側の判定が行われるので、前述したエンジン10に連結されたクランク軸11と駆動輪(前輪及び後輪)に連結される出力軸15とを非連結状態にすることができる。その結果、後進走行において、アクセル操作が変化してクランク軸11の回転速度が変化しても、トルクコンバータ13によって速度変動が吸収され、後進走行時における運転性の低下を防止することができる。
また、レンジ信号異常判定部82はレンジ信号がRレンジを含まない複数入力状態であるときに正常判定をすることによって、レンジ信号が複数入力状態であってもRレンジに対応したレンジ信号が無ければ、車両はDレンジやLレンジ等の前進走行状態にある可能性が高いと考えられるので、ロックアップクラッチ12を締結させることで、前進走行時における運転性の向上を図ることができる。
なお、前述した実施例では、ロックアップ判定車速値を基準にして、これを超えるとロックアップし、小さいときにはロックアップを解放するようにしたが、ロックアップクラッチ12を締結する側のロックアップ車速値を前述した再設定されるロックアップ判定車速値とし、ロックアップクラッチ12を解放する側のロックアップ車速値を再設定前のロックアップ判定車速値にしてもよい。このようにすると、例えば、シフトレバーのシフト位置をDレンジからLレンジにシフトさせたときに、一旦ロックアップしていれば、シフトレバーをシフトしたときに一瞬レンジ信号が無入力状態になっても、ロックアップは解除されないので、車両の前進走行時における運転性の低下を防止することができる。
また本実施例に記載のロックアップ制御装置80は、ロックアップクラッチ12を備えた全ての自動変速機に同様に適応可能することができる。また、ロックアップ制御弁60は、デューティソレノイド弁66を介さずに直接にバルブを作動制御されるようにしても良い。また信号入力部81に入力される入力信号は、エンジン状態を示す信号として、スロットル開度、イグニッションパルス等であっても良い。
10 エンジン
11 クランク軸(入力軸)
12 ロックアップクラッチ
13 トルクコンバータ(自動変速機)
15 変速機出力軸(出力軸)
60 ロックアップ制御弁
71 車速センサ
72 インヒビタスイッチ
80 ロックアップ制御装置(制御装置)
81 信号入力部
82 レンジ信号異常判定部
83 ロックアップ制御部
A 自動変速機
11 クランク軸(入力軸)
12 ロックアップクラッチ
13 トルクコンバータ(自動変速機)
15 変速機出力軸(出力軸)
60 ロックアップ制御弁
71 車速センサ
72 インヒビタスイッチ
80 ロックアップ制御装置(制御装置)
81 信号入力部
82 レンジ信号異常判定部
83 ロックアップ制御部
A 自動変速機
Claims (6)
- ロックアップ制御弁からの作動油の給排制御によってエンジンに連結された入力軸と駆動輪に連結される出力軸とを機械的に直結し及び解放するロックアップクラッチを内蔵した自動変速機の制御装置であって、
セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ及び車速センサからの信号を入力する信号入力手段と、
該信号入力手段に入力された前記インヒビタスイッチのレンジ信号が異常であるか否かを判定するレンジ信号異常判定手段と、
前記ロックアップ制御弁の作動を制御して、前記車速センサによって検出された車速値が予め設定されたロックアップ判定車速値を超えると前記ロックアップクラッチを締結させ、前記車速値が前記ロックアップ判定車速値より小さいときに前記ロックアップクラッチを解放させるとともに、前記レンジ信号異常判定手段により前記レンジ信号が異常であると判定されると、前記ロックアップ判定車速値をこれより大きな所定値に再設定し、この再設定されたロックアップ判定車速値を基準にして前記ロックアップクラッチの作動を制御するロックアップ制御手段と
を備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 前記レンジ信号異常判定手段は、前記レンジ信号が無入力状態にあるときに前記レンジ信号の異常判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記レンジ信号異常判定手段は、前記レンジ信号が複数入力状態であるときに前記レンジ信号の異常判定を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記レンジ信号異常判定手段は、前記レンジ信号がRレンジを含まない複数入力状態であるときに、正常判定を行うことを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記再設定されるロックアップ判定車速値を、後進走行で実現し得ない車速値に設定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
- 前記ロックアップ制御手段は、前記レンジ信号異常判定手段によりレンジ信号が異常であると判定されたときに用いるロックアップ判定車速値を、前記ロックアップクラッチを締結する側の車速値を再設定されるロックアップ判定車速値とし、前記ロックアップクラッチを解放する側の車速値を再設定前のロックアップ判定車速値にすることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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Effective date: 20071205 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20100212 |