JP2006194186A - 大流量運転制御方法および大流量運転制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、吐出圧力一定制御、あるいは、推定末端圧力一定制御によって制御されている可変電圧・可変周波数電源で駆動されている給水システムの大流量運転制御方法および大流量運転制御システムに関するものである。
【解決手段】 本発明の大流量運転制御方法は、実験によって得られたポンプの流量−揚程特性を二次近似式化したときのポンプ回転数の係数、およびポンプの流量−効率特性を二次近似式の二次係数、一次係数、定数、ポンプの限界流量qmax 等を設定することにより、ポンプの定格流量より要求流量が大きい場合であっても、揚程を下げて、ポンプの定格流量より大きい流量を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の大流量運転制御方法は、実験によって得られたポンプの流量−揚程特性を二次近似式化したときのポンプ回転数の係数、およびポンプの流量−効率特性を二次近似式の二次係数、一次係数、定数、ポンプの限界流量qmax 等を設定することにより、ポンプの定格流量より要求流量が大きい場合であっても、揚程を下げて、ポンプの定格流量より大きい流量を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、推定末端圧力一定制御、あるいは、吐出圧力一定制御によって制御されている可変電圧・可変周波数電源で駆動されている給水システムの大流量運転制御方法、および大流量運転制御システムに関するものである。
図7は従来例を説明するための給水制御システムを示すブロック構成図である。図7において、給水制御システムは、水道管111から図示されていない各部に給水するためのポンプ、配管、弁等から構成された給水部11と、給水するためのポンプ等を駆動する駆動制御部21と、前記駆動制御部21を制御する制御部31とから構成されている。
水道管111は、給水管112、2本の給水分岐管113および給水分岐管114、バイパス管115にそれぞれ接続され、さらに、下流の前記給水分岐管113および給水分岐管114に設置されたポンプ1およびポンプ2を介して、前記2本の給水分岐管113および給水分岐管114とバイパス管115が一緒になって給水本管116に接続されている。前記水道管111を通る水は、給水分岐管113および給水分岐管114と給水本管116との間に設置されているポンプ1およびポンプ2によって前記各部に汲み上げられる。
ポンプ吸込側圧力検出器12は、水道管111に配設され、前記ポンプ1およびポンプ2への押込揚程hsuを検出して、後述する給水制御用シーケンス回路316へ出力するものである。ポンプ吸込側逆流防止器7は、水道管111と給水管112との間に配設され、給水管112側から水道管111側へ水が逆流するのを防止するものである。ポンプ1は、給水分岐管113に配設され、ポンプ2は、給水分岐管114に配設されている。
ポンプ吐出側逆止弁3およびポンプ吐出側逆止弁5は、ポンプ1およびポンプ2よりも下流の給水分岐管113および給水分岐管114に配設され、自身よりも下流からポンプ1およびポンプ2へ水が逆流するのを防止するものである。ポンプ吐出側止水弁4およびポンプ吐出側止水弁6は、ポンプ1およびポンプ2よりも下流の給水分岐管113および給水分岐管114に配設され、自身よりも下流からポンプ1およびポンプ2へ水が逆流するのを止水するものである。
保圧用圧力タンク9は、ポンプ吐出側止水弁4およびポンプ吐出側止水弁6よりも下流の給水本管116に配設され、給水量が殆どゼロとなる深夜などの時間帯にポンプ1およびポンプ2が始動して停止する頻度、すなわち、始動頻度を少なくさせるため、所定量の加圧水を貯留するものである。
バイパス用逆止弁8は、前記給水管112と前記バイパス管115との間に配設され、押込揚程hsuがポンプ1およびポンプ2の運転が不要なくらい高圧であれば、ポンプ1およびポンプ2よりも上流の給水管112側からポンプ1およびポンプ2よりも下流の給水本管116側へ水を流すためのものである。また、バイパス用逆止弁8は、押込揚程hsuがポンプ1およびポンプ2の運転を必要とする圧力であれば、ポンプ吐出側止水弁4およびポンプ吐出側止水弁6よりも下流の給水本管116側からポンプ1およびポンプ2よりも上流の給水管112側へ水が逆流するのを防止するためのものである。
流量検出用フロースイッチ10は、保圧用圧力タンク9よりも下流の給水本管116に配設され、前記給水本管116の流量(ポンプ吐出側流量)Flを検出して給水制御用シーケンス回路316へ出力するものである。ポンプ吐出側圧力検出器101は、流量検出用フロースイッチ10よりも下流の給水本管116に配設され、ポンプ吐出側圧力(給水圧力、吐出圧力)hiを検出して後述する制御部31へ出力するものである。
制御部31は、ポンプ1およびポンプ2からの吐出圧力を一定に制御するものであり、設定変更可能な目標圧力hsを出力する目標圧力設定器311と、前記目標圧力設定器311が出力する目標圧力hsからポンプ吐出側圧力検出器101が出力するポンプ吐出側圧力hiを減算して出力する演算器312と、前記演算器312の出力に基づくディジタル信号の周波数fを出力するPIDコントローラ313と、前記PIDコントローラ313から出力するディジタル信号の周波数fをアナログ信号のインバータ運転周波数指令f1sに変換して後述するインバータ211へ出力するD/A(ディジタル・アナログ)変換器314と、前記PIDコントローラ313が出力するディジタル信号の周波数fをアナログ信号のインバータ運転周波数指令f2sに変換して後述するインバータ212へ出力するD/A変換器315と、後述する給水制御用シーケンス回路316とから構成される。
前記給水制御用シーケンス回路316は、前記ポンプ吸込側圧力検出器12によって検出された前記ポンプ1およびポンプ2への押込揚程hsu、および前記流量検出用フロースイッチ10により検出された前記給水本管116の流量(ポンプ吐出側流量)Flを得る。前記給水制御用シーケンス回路316は、前記押込揚程hsuおよびポンプ吐出側流量F1を基にしてインバータ211および/またはインバータ212(インバータ211およびインバータ212の少なくとも一方)へインバータ運転指令1s、2sを出力する。
前記給水制御用シーケンス回路316は、少流量検出から保圧、ポンプ1およびポンプ2を停止させるシーケンス制御機能の他、ポンプ1および/またはポンプ2(ポンプ1、2の少なくとも一方)の始動、ポンプ1およびポンプ2の自動交互運転シーケンス制御機能を内蔵するとともに、ポンプ吸込側圧力検出器12からの押込揚程hsuが規定値以上であるときのみポンプ1およびポンプ2を運転できるようにインターロックする機能を内蔵している。
駆動部制御21は、インバータ211およびインバータ212と、前記インバータ211の信号により駆動するモータ213と、前記インバータ212の信号によって駆動されるモータ214とから構成される。前記給水制御用シーケンス回路316は、インバータ運転周波数指令f1Sおよびインバータ運転指令1sに基づいてモータ213を介してポンプ1を制御し、また、インバータ運転周波数指令f2Sおよびインバータ運転指令2sに基づいてモータ214を介してポンプ2を制御するものである。
前記給水制御システムは、たとえば、本出願人が提案した特願2003−355844号に記載されている。
特願2003−355844号
前記給水制御システムは、たとえば、計画時において、想定していたポンプの流量が実際に必要とされる流量よりも小さいという問題が稼働直前になって判明する場合がしばしばある。前記給水制御システムは、ポンプ等の給水設備を発注後、建物の設計変更により、実流量も変更するような場合がしばしばある。前記のような場合、前記ポンプは、新たに要求されている流量を満たす大きさに変更する必要がある。
前記ポンプの変更は、ポンプが大型になればなる程、費用の無駄になる。また、前記のような場合を避けるために、計画当初からかなり余裕を持った流量のポンプを選定することがしばしば行われていた。すなわち、従来の給水制御システムは、前記のような場合を予め想定しているため、実際に必要な流量より大きい場合にも適応できるように、過大な容量のポンプを備えていた。
以上のような課題を解決するために、本発明は、給水制御システムにおいて、ポンプの容量に余裕のある運転を行うとともに、流量が不足しても、ポンプを変更することなく、ポンプの流量不足問題を解消できる大流量運転制御方法および大流量運転制御システムを提供することを目的とする。
本発明は、実験によるポンプの流量−揚程特性を基に二次近似式化して演算する際のポンプ特性定数、および実験によるポンプの流量−効率特性を表す二次近似式の定数を与えることにより、流量が不足しても、ポンプを変更することなく、ポンプの流量不足問題を解消できる大流量運転制御方法および大流量運転制御システムを提供することを目的とする。
(第1発明)
第1発明の大流量運転制御方法は、ポンプが可変電圧・可変周波数電源で制御される電動機によって駆動され、前記ポンプの圧力を推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御によって制御するものであり、実験によって得られたポンプの流量−揚程特性を二次近似式化したときのポンプ回転数の係数、およびポンプの流量−効率特性を二次近似式の二次係数、一次係数、定数に基づいてポンプの定格流量より大きな流量でポンプを運転することを特徴とする。
第1発明の大流量運転制御方法は、ポンプが可変電圧・可変周波数電源で制御される電動機によって駆動され、前記ポンプの圧力を推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御によって制御するものであり、実験によって得られたポンプの流量−揚程特性を二次近似式化したときのポンプ回転数の係数、およびポンプの流量−効率特性を二次近似式の二次係数、一次係数、定数に基づいてポンプの定格流量より大きな流量でポンプを運転することを特徴とする。
(第2発明)
第2発明の大流量運転制御方法は、ポンプが可変電圧・可変周波数電源で制御される電動機によって駆動され、前記ポンプの圧力を推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御によって制御するものであり、実際に要求される流量、必要なポンプの吐出揚程、利用できる押込揚程、前記ポンプの流量−揚程特性を表す少なくとも2組のポンプ特性定数a、b、前記ポンプの流量−効率特性を表す少なくとも3組の定数C1、C2、C3、前記ポンプの許容軸動力、およびポンプのキャビテーション限界流量を基にして、大流量運転を行うための定格定数を演算し、前記演算された定格定数を基にして関数を発生させ、前記関数により、ポンプの定格流量より大きい流量を第2の定格流量と設定し、前記第2の定格流量を基にして、推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御を行うことを特徴とする。
第2発明の大流量運転制御方法は、ポンプが可変電圧・可変周波数電源で制御される電動機によって駆動され、前記ポンプの圧力を推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御によって制御するものであり、実際に要求される流量、必要なポンプの吐出揚程、利用できる押込揚程、前記ポンプの流量−揚程特性を表す少なくとも2組のポンプ特性定数a、b、前記ポンプの流量−効率特性を表す少なくとも3組の定数C1、C2、C3、前記ポンプの許容軸動力、およびポンプのキャビテーション限界流量を基にして、大流量運転を行うための定格定数を演算し、前記演算された定格定数を基にして関数を発生させ、前記関数により、ポンプの定格流量より大きい流量を第2の定格流量と設定し、前記第2の定格流量を基にして、推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御を行うことを特徴とする。
(第3発明)
第3発明の大流量運転制御システムは、給水部と、前記給水部におけるポンプを駆動する駆動制御部と、前記駆動制御部を制御する制御部と、大流量運転に切り替えられた際に大流量運転制御を行なう大流量運転制御ブロックとから少なくとも構成されており、前記大流量運転制御ブロックは、実験によって得られたポンプの流量−揚程特性とポンプの流量−効率特性をあらわす二次近似式の定数a、b、C1、C2、C3、実際に必要とする要求流量qre、定格揚程hN 、必要なポンプの吐出揚程hd1、前記ポンプのキャビテーション限界流量qmax 、および前記ポンプの許容軸動力lav、押込揚程hSUを基にして大流量運転のための定格定数を演算する定格定数演算器と、前記定格定数演算器によって演算されたポンプの定格流量より大きい第2の定格流量q2N、第2の定格揚程h2N、推定流量q*、および最小圧力設定値h0 を基にして目標圧力を発生させる関数発生器と、を少なくとも備えていることを特徴とする。
第3発明の大流量運転制御システムは、給水部と、前記給水部におけるポンプを駆動する駆動制御部と、前記駆動制御部を制御する制御部と、大流量運転に切り替えられた際に大流量運転制御を行なう大流量運転制御ブロックとから少なくとも構成されており、前記大流量運転制御ブロックは、実験によって得られたポンプの流量−揚程特性とポンプの流量−効率特性をあらわす二次近似式の定数a、b、C1、C2、C3、実際に必要とする要求流量qre、定格揚程hN 、必要なポンプの吐出揚程hd1、前記ポンプのキャビテーション限界流量qmax 、および前記ポンプの許容軸動力lav、押込揚程hSUを基にして大流量運転のための定格定数を演算する定格定数演算器と、前記定格定数演算器によって演算されたポンプの定格流量より大きい第2の定格流量q2N、第2の定格揚程h2N、推定流量q*、および最小圧力設定値h0 を基にして目標圧力を発生させる関数発生器と、を少なくとも備えていることを特徴とする。
(第4発明)
第4発明の大流量運転制御システムは、第3発明の定格定数演算器における演算結果を目視できる表示装置を備えていることを特徴とする。
第4発明の大流量運転制御システムは、第3発明の定格定数演算器における演算結果を目視できる表示装置を備えていることを特徴とする。
(第5発明)
第5発明の大流量運転制御システムは、第3発明または第4発明の大流量運転制御ブロックに、定格定数演算器によって演算された結果を一時記憶するRAMと、前記定格定数演算器の演算を行うプログラムおよび演算結果をチェックするプログラムが記憶されているROMとを備えていることを特徴とする。
第5発明の大流量運転制御システムは、第3発明または第4発明の大流量運転制御ブロックに、定格定数演算器によって演算された結果を一時記憶するRAMと、前記定格定数演算器の演算を行うプログラムおよび演算結果をチェックするプログラムが記憶されているROMとを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、実際に要求される流量が選定されたポンプの定格流量より大きく、前記定格揚程に余裕がある場合に、ポンプを許容軸動力以下、キャビテーション限界流量以下でポンプの流量を安全に運転することができるように制御することによって、設備稼働直前に判明した流量不足問題に対してポンプを変更することなく解決できる。
本発明によれば、ポンプ計画時の流量決定において、従来のように、必要以上の容量を持ったポンプを設置する必要がなくなるので、より小型のポンプを選定することができる。
本発明によれば、実験によって得られたポンプ効率の二次近似式における定数およびポンプ定数を基にしてポンプの流量を上昇させて、定格より大きな流量でポンプを安全に運転することができるようになった。
(第1発明)
第1発明の大流量運転制御方法は、ポンプが可変電圧・可変周波数電源で制御される電動機によって駆動され、前記ポンプの圧力を推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御によって制御するものである。第1発明の大流量運転制御方法は、実験によって得られたポンプの流量−揚程特性を二次近似式化したときのポンプ回転数の係数、およびポンプの流量−効率特性を二次近似式の二次係数、一次係数、定数に基づいて、ポンプの定格流量より大きな第2の定格流量でポンプを運転することができる。
第1発明の大流量運転制御方法は、ポンプが可変電圧・可変周波数電源で制御される電動機によって駆動され、前記ポンプの圧力を推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御によって制御するものである。第1発明の大流量運転制御方法は、実験によって得られたポンプの流量−揚程特性を二次近似式化したときのポンプ回転数の係数、およびポンプの流量−効率特性を二次近似式の二次係数、一次係数、定数に基づいて、ポンプの定格流量より大きな第2の定格流量でポンプを運転することができる。
たとえば、第2の定格流量、および第2の定格揚程は、前記各定格定数によって演算される。前記演算された第2の定格流量、および第2の定格揚程は、圧力設定値および推定流量とともに、関数を発生させて、大流量制御を行うための目標圧力を出力し、定格流量より大流量でポンプを運転する。すなわち、第1発明の大流量運転制御方法は、余裕のある定格揚程に着目し、定格流量より大きい必要な流量を得ることができるため、必要以上のポンプ容量を予め備えておく必要がない。
(第2発明)
第2発明の大流量運転制御方法は、第1発明と同様に、ポンプが可変電圧・可変周波数電源で制御される電動機によって駆動され、前記ポンプの圧力を推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御によって制御するものである。大流量運転を行なうための定格定数は、実際に要求される流量qre、必要なポンプの吐出揚程hd1、前記ポンプの流量−揚程特性を表す少なくとも2組のポンプ特性定数a、b、前記ポンプの流量−効率特性を表す少なくとも3組のポンプ特性定数C1、C2、C3、ポンプのキャビテーション限界流量qmax 、前記ポンプの許容軸動力lav、および利用できる押込揚程hSUを基にして演算される。
第2発明の大流量運転制御方法は、第1発明と同様に、ポンプが可変電圧・可変周波数電源で制御される電動機によって駆動され、前記ポンプの圧力を推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御によって制御するものである。大流量運転を行なうための定格定数は、実際に要求される流量qre、必要なポンプの吐出揚程hd1、前記ポンプの流量−揚程特性を表す少なくとも2組のポンプ特性定数a、b、前記ポンプの流量−効率特性を表す少なくとも3組のポンプ特性定数C1、C2、C3、ポンプのキャビテーション限界流量qmax 、前記ポンプの許容軸動力lav、および利用できる押込揚程hSUを基にして演算される。
前記演算された定格定数である第2の定格流量q2N、および第2の定格揚程h2Nは、推定流量q*および最小圧力設定値h0 とともに目標圧力となる関数hS20 として発生される。前記関数hS20 は、定格揚程より低い揚程で、かつ、定格流量より大きい流量で、推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御を行なうことができる。
(第3発明)
第3発明の大流量運転制御システムは、給水ポンプ、逆止弁、配管等を備えた給水部と、前記給水部におけるポンプを駆動する駆動制御部と、前記駆動制御部を制御する給水制御用シーケンス回路等を含む制御部と、大流量運転に切り替えられた際に大流量運転制御を行なう大流量運転制御ブロックとから少なくとも構成されている。また、前記大流量運転制御ブロックは、定格定数演算器と、関数発生器を少なくとも備えている。
第3発明の大流量運転制御システムは、給水ポンプ、逆止弁、配管等を備えた給水部と、前記給水部におけるポンプを駆動する駆動制御部と、前記駆動制御部を制御する給水制御用シーケンス回路等を含む制御部と、大流量運転に切り替えられた際に大流量運転制御を行なう大流量運転制御ブロックとから少なくとも構成されている。また、前記大流量運転制御ブロックは、定格定数演算器と、関数発生器を少なくとも備えている。
前記定格定数演算器は、実験によって得られたポンプの流量−揚程特性とポンプの流量−効率特性をあらわす二次近似式の定数a、b、C1、C2、C3、実際に必要とする要求流量qre、定格揚程hN 、必要なポンプの吐出揚程hd1、前記ポンプのキャビテーション限界流量qmax 、前記ポンプの許容軸動力lav、および押込揚程hSUを基にして大流量運転のための定格定数を演算する。前記関数発生器は、前記定格定数演算器によって演算された第2の定格流量q2N、および第2の定格揚程h2Nと、現在使用されていると推定される推定流量q*、および最小圧力設定値h0 とを基にして目標圧力hs20 を発生させる。前記目標圧力hs20 は、要求流量で大流量運転を安全に行なうことができる。
(第4発明)
第4発明の大流量運転制御システムは、第3発明の定格定数演算器における演算結果を目視できる表示装置を備えている。前記定格定数演算器に入力される値は、当該ポンプを使用した際の実測値であるため、現場に設置された場合に、適合しない場合もある。そこで、前記定格定数演算器によって演算された値は、前記表示装置に表示させて、実行させてもよいか否かを確認してから関数を発生させている。したがって、前記大流量運転制御システムは、表示装置により確認後、実行に移すため安全である。
第4発明の大流量運転制御システムは、第3発明の定格定数演算器における演算結果を目視できる表示装置を備えている。前記定格定数演算器に入力される値は、当該ポンプを使用した際の実測値であるため、現場に設置された場合に、適合しない場合もある。そこで、前記定格定数演算器によって演算された値は、前記表示装置に表示させて、実行させてもよいか否かを確認してから関数を発生させている。したがって、前記大流量運転制御システムは、表示装置により確認後、実行に移すため安全である。
(第5発明)
第5発明の大流量運転制御システムは、第3発明の大流量運転制御ブロックに定格定数演算器によって演算された結果を一時記憶するRAMと、前記定格定数演算器の演算を行なうプログラムおよび演算結果のチェックや比較を行なうプログラムが記憶されているROMとが備えられている。前記定格定数演算器は、前記RAMに演算結果を一時記憶するとともに、演算結果を表示装置に表示することができる。また、前記定格定数演算器は、前記ROMに記憶されているプログラムにしたがって演算を行なう。
第5発明の大流量運転制御システムは、第3発明の大流量運転制御ブロックに定格定数演算器によって演算された結果を一時記憶するRAMと、前記定格定数演算器の演算を行なうプログラムおよび演算結果のチェックや比較を行なうプログラムが記憶されているROMとが備えられている。前記定格定数演算器は、前記RAMに演算結果を一時記憶するとともに、演算結果を表示装置に表示することができる。また、前記定格定数演算器は、前記ROMに記憶されているプログラムにしたがって演算を行なう。
本発明は、最初に、実際の要求流量、利用可能な押込揚程、必要なポンプの吐出揚程からポンプが発生すべき揚程とポンプの動作点を設定することにより、ポンプの揚程−流量特性における動作点を通るポンプ速度(周波数)を計算する。次に、予め入力されている該当ポンプの無次元化効率−流量特性の二次近似式に、前記計算結果の(流量/周波数)の値を代入することにより、ポンプの効率を求める。前記求められたポンプ効率から、要求流量、ポンプ発生揚程より軸動力が計算される。
前記軸動力は、予め入力されている該当ポンプの許容最大軸動力と比較される。もし、大容量運転を実現する前記軸動力が許容最大軸動力より小さい場合には、要求流量とポンプ揚程を第2の定格流量、第2の定格揚程として決定する。逆に、演算された大容量運転の軸動力が許容最大軸動力に等しいか、または、より大きい場合には、要求流量を引き下げて、前記の計算を繰り返し、大容量運転の軸動力が許容最大軸動力以下になるようにすることにより、第2の定格流量、第2の定格揚程を決定する。
かくして、定格流量以上の流量においても、過負荷に陥ることなく、安全なポンプの大容量運転が保証される。前記演算された、大容量運転の揚程、流量、周波数は表示装置に表示され、目視によって確認される。もし、前記目視によって問題が発見されなければ、大容量運転設定スイッチをONにすることにより、それぞれのデータがセットされ、従来方式よりも大きい流量のもとで、推定末端圧力一定制御、または吐出圧力一定制御でポンプを運転することができる。
図1は本発明の実施例で、可変電圧・可変周波数電源で駆動される2台のポンプの単独交互運転方式で推定末端圧力一定制御を行う給水制御システムを説明するためのブロック構成図である。図1に示された本発明の給水制御システムは、給水部11と、駆動制御部21と、制御部31と、大流量運転制御ブロック41とから構成されている。図1において、図7に示された従来例と同じ部分は、説明を省略する。図1に示された制御部31において、目標圧力設定器311は、推定末端圧力一定制御回路を構成するために、流量の増加につれてその設定値が大きくなり、定格流量で定格揚程になるように自動的に調整される。
演算器312は、ポンプの吐出圧力hiをポンプ吐出側圧力検出器101で検出し、目標圧力設定器311で設定された圧力設定値hs1 と比較する。前記演算器312による比較偏差は、PIDコントローラ313に与えられる。前記PIDコントローラ313は、出力がA/D変換器314およびA/D変換器315を通して、アナログ値がディジタル値に変換され、インバータ211およびインバータ212の周波数指令f1S、f2Sとなって出力する。また、前記PIDコントローラ313は、前記ポンプ吐出側圧力検出器101で検出されたポンプの吐出圧力hiと、目標圧力設定器311で設定された圧力設定値hs1 とから現在の推定流量q*を得ることができる。
ポンプ1およびポンプ2は、前記インバータ211およびインバータ212により、それぞれ可変電圧・可変周波数電源で制御されるモータ213および電動機214によって駆動される。給水制御用シーケンス回路316は、給水量の少ない深夜、多い日中等、小水量から大水量を検出して、保圧、ポンプ停止等のシーケンス制御回路を自動的に、また、ポンプ1およびポンプ2を交互に制御する。
前記制御部31において、切替スイッチ317は、スイッチの切り替えにより、通常の制御運転と大流量制御運転とが切り替えられる。前記切替スイッチ317は、通常制御運転の場合、C−1側が閉になるように接続されている。また、前記切替スイッチ317は、大流量制御運転の場合、C−2側が閉になるように切り替えられる。さらに、前記切替スイッチ317がC−2側に接続されている場合、前記目標圧力設定器311は、大流量運転制御ブロック41から出力する圧力設定値hS2が演算器312に与えられる。
図2は本発明の実施例で、大流量運転制御を行う場合のブロック構成図である。前記大流量運転制御ブロック41は、圧力設定器411と、D/A変換器412と、推定末端圧力一定制御部413と、大流量にするための各種定数を演算する定格定数演算器414と、セットスイッチ415と、演算のためのプログラム等が記憶されているROM416と、前記プログラムにしたがって演算する際のデータ、および演算結果を一時記憶するRAM417と、前記演算結果に基づく定数を比較する比較器418と、各部を制御する制御器419とから構成されている。前記RAM417に記憶された演算結果は、表示装置420により目視することができる。
前記推定末端圧力一定制御部413は、推定末端圧力一定制御の圧力設定値hS2を演算し、関数を生成する関数発生器であり、以下、単に関数発生器413と記載する。前記関数発生器413は、大流量運転の第2の定格揚程h2N、および大流量運転の第2の定格流量q2Nを定格定数演算器414から受け取る。
前記関数発生器413は、流量がゼロの場合における第2の最小圧力設定値h0 と、制御部31によって演算された推定流量q*を受け取り、D/A変換器412を介して、推定末端圧力一定制御の目標圧力をhS20 として出力する。前記定格定数演算器414は、大流量運転に必要な第2の定格揚程h2N、および第2の定格流量q2Nを生成する。
前記定格定数演算器414により生成された、第2の定格揚程h2N、および第2の定格流量q2Nは、前記定格定数演算器414への入力である実際に必要な流量qre、ポンプの流量−揚程特性二次近似式の係数a、b、ポンプの無次元化効率特性(流量定数−効率特性)の二次近似式の係数C1、C2、C3と、許容軸動力lav、ポンプ装置に許容される最大運転周波数fmax に基づいて演算される。前記定数a、b、C1、C2、C3は、実際のポンプを運転することによって得られる実験値からなる。したがって、前記各定数は、前記ポンプが現場に設置された際に稼働させて修正することもできる。
次に、大流量運転制御のための、第2の定格揚程h2N、および第2の定格流量q2Nをいかに演算するかを説明する。図3は本発明の実施例で、大流量運転制御を行うためのフローチャートである。図4は図1に示すブロック構成図におけるポンプ押込側揚程をゼロの場合である押込揚程が存在する場合のポンプの流量−揚程特性を示す図である。
図1から図4において、今、実際に利用できる押込揚程hSU(p.u.)であるとする。前記押込揚程hSU=0でポンプの推定末端圧力一定制御のもとで運転している場合のポンプ動作点は、定格流量qINの時のA点、流量がゼロの時のB1 になる。すなわち、ポンプは、推定末端圧力一定制御の目標揚程曲線1のA−B1 によって運転される。ここで、実際に利用できる押込揚程がhSUである場合には、従来方式では、推定末端圧力一定制御の目標曲線は、自動的に下方に前記押込揚程hSUだけずれて、A1 −B2 となる。すなわち、ポンプの動作点は、定格流量qINの時にA1 点、流量ゼロの時にB2 点になる。
A1 点の時のポンプ速度はn3 、インバータ周波数はf3 である。ここで、利用できる押込揚程hSUが存在する場合には、ポンプのキャビテーション限界流量が押込揚程がない場合、あるいは少ない場合よりも大流量側に移動する特性に着目する。すなわち、大きな押込揚程によって、大きくなったキャビテーション限界流量を予め測定しておき、この限界流量以下の流量を第2の定格流量として設定し、従来方式よりも大きな定格流量のもとで、推定末端圧力一定制御を行うことができる。
今、要求流量が定格流量qInより大きい要求流量qre(p.u.)で、必要なポンプの吐出揚程hd が、定格流量qInの吐出揚程hd1と同じであるとする。この場合、ポンプの流量−揚程特性は、図4に示すように、n3 (f3 )の特性になる。よって、必要なポンプの吐出揚程がhd1で、要求流量qreとなるポンプの発生揚程、hre(p.u.)は、
hre=hd1−hSU ・・・・(1)
となる。
hre=hd1−hSU ・・・・(1)
となる。
図3に示すように、要求流量qre(p.u.)と、必要なポンプの吐出揚程hd1が入力されると、まず、最初に、要求揚程と要求流量のチェックを行う。すなわち、要求揚程hreが定格揚程hN (p.u.)以下であること、要求流量がキャビテーション限界流量qmax (p.u.)以下であることをチェックする。(1) 式で求めたポンプの発生揚程hreは、図2に示すRAM417の1RES(レジスター記憶領域)に記憶される。(1) 式で求めたポンプの発生揚程hreが求まったので、ポンプ速度f2 が(2) 式で計算できる。
f2 =((hre+bqre 2 )/a)1/2 ・・・・(2)
ここで、a、b:ポンプ定数
ただし、ポンプの揚程hp (p.u.)をhp ≒af2 −bq2 で 近似した場合
q :流量(p.u.)=流量/定格流量=Q/QN
hp :ポンプ揚程(p.u.)=揚程/定格揚程=H/HN
f :周波数(p.u.)=周波数/定格周波数=F/FN
f2 =((hre+bqre 2 )/a)1/2 ・・・・(2)
ここで、a、b:ポンプ定数
ただし、ポンプの揚程hp (p.u.)をhp ≒af2 −bq2 で 近似した場合
q :流量(p.u.)=流量/定格流量=Q/QN
hp :ポンプ揚程(p.u.)=揚程/定格揚程=H/HN
f :周波数(p.u.)=周波数/定格周波数=F/FN
計算結果のポンプ速度f2 は、図2に示すRAM417の2RES(レジスター記憶領域)に記憶される。他方、ポンプ効率は、流量係数Φ=Q/A2u2 (Q:流量、A2 :羽根車出口断面積、u2:羽根車の円周速度)をX軸に取ってプロットすると、ポンプ速度に関係なく、一つの二次曲線上に集まることが知られている。本発明では、前記流量係数Φの近似値として(流量q(p.u.)/モータ周波数f(p.u.))=q/fを取り、ポンプ効率を(3) 式で推定する。
ηp=−C1(q/f)2 +C2(q/f)+C3 ・・・・(3)
前記C1、C2、C3:ポンプ効率二次近似式の定数
したがって、(qre/f2 )を(3) 式に代入することにより、要求流量qreで運転している場合のポンプ効率ηpreが計算できる。この結果、式(3) は、図2に示すRAM417の3RESに記憶される。したがって、運転点Eでの軸動力lre(p.u.)は、
lre=hre×qre/ηpre ・・・・(4)
となる。
前記C1、C2、C3:ポンプ効率二次近似式の定数
したがって、(qre/f2 )を(3) 式に代入することにより、要求流量qreで運転している場合のポンプ効率ηpreが計算できる。この結果、式(3) は、図2に示すRAM417の3RESに記憶される。したがって、運転点Eでの軸動力lre(p.u.)は、
lre=hre×qre/ηpre ・・・・(4)
となる。
前記軸動力lreは、図2に示すRAM417の4RESに記憶され、予め入力されているポンプの許容軸動力lavと比較される。すなわち、lre≦lavの条件が満足されていれば、要求流量qreを第2の定格流量q2Nとし、要求揚程hreを第2の定格揚程h2Nとして決定する。同時に、ポンプ速度f2 を第2の定格周波数f2Nとして決定する。この結果、図3に示すように、図2に示すRAM417の5RES、6RES、7RESにそれぞれ記憶される。
もし、lre≦lavの条件が満足されなければ、図3に示すように、要求流量qreを若干小さくして計算を繰り返す。lre≦lavの条件が満足される要求流量qreを見出す。かくして、任意の要求流量qre、必要なポンプの吐出揚程hd1、利用できる押込揚程husを入力することにより、前記RAM417の5RES、6RES、7RESに、大流量運転制御のためのパラメータが生成される。
前記制御器419は、前記RAM417に記憶された各パラメータを、安全のために、表示装置420に表示し、目視によって確認できるようにしている。確認して、OKであれば、データセットスイッチ415をONにする。この結果、前記データは、関数発生器413に転送された後、一時記憶される。
次に、前記関数発生器413の作用について説明する。前記関数発生器413は、第2の定格揚程h2N、第2の定格流量q2N、および推定流量q*、第2の最小圧力設定値h02を基にして、ポンプの推定末端圧力一定制御を遂行するため の目標圧力hS20 を生成するもので、次の(5) 式の演算を実行する。
hS20 =h0 +kq (h2N−h0 )(q*/q2N)2 ・・・・(5)
ここに、hS20 : 推定末端圧力一定制御の揚程指令(p.u.):D/A変換器412の出力
h0 : 最小揚程設定(p.u.)
kq : 流量定数、通常は1.0に設定する。
吐出圧力一定制御の場合には、h0 を吐出圧力に設定し、kq =0に設定する。
q* : 推定流量(p.u.):制御部31の中で推定演算された値が関数発生器413に入力される。たとえば、以下に示すポンプの流量−揚程特性の二次近似式から演算推定される。
hP ≒a1 f2 +b1 f・q+c1 q2
hP : ポンプ揚程(p.u.)
f : モータ周波数(p.u.)
q : 流量(p.u.)
a1 、b1 、c1 : 定数
ここに、hS20 : 推定末端圧力一定制御の揚程指令(p.u.):D/A変換器412の出力
h0 : 最小揚程設定(p.u.)
kq : 流量定数、通常は1.0に設定する。
吐出圧力一定制御の場合には、h0 を吐出圧力に設定し、kq =0に設定する。
q* : 推定流量(p.u.):制御部31の中で推定演算された値が関数発生器413に入力される。たとえば、以下に示すポンプの流量−揚程特性の二次近似式から演算推定される。
hP ≒a1 f2 +b1 f・q+c1 q2
hP : ポンプ揚程(p.u.)
f : モータ周波数(p.u.)
q : 流量(p.u.)
a1 、b1 、c1 : 定数
以上の動作を図4のポンプの揚程h−流量q特性で説明する。従来方式では、推定末端圧力一定制御は、ポンプの定格速度が与える揚程h−流量q特性、n1 (f1 )を最大揚程特性として、流量低下に対応して、目標揚程曲線A−B1 になるようにポンプ速度が制御される。通常の場合、A点は、定格揚程、定格流量点である。本発明は、実際に利用できる大きな押込揚程hSUが存在する場合、キャビテーション限界流量が、押込揚程がゼロか、または、小さい場合より大流量側に移動する特性を応用し、ポンプを定格流量以上にて運転することができる。
従来方式において、利用できる大きな押込揚程hSUが存在する場合、目標揚程曲線は、押込み揚程に比例し、図に示すように、目標揚程曲線A1 −B2 になる。定格流量q1Nでのポンプ動作点は、A1 点になり、ポンプ速度n3 (f3 )となる。すなわち、最大流量は、定格流量である。ここで、本発明は、定格流量qINより大きい、たとえば、図示のように要求流量qreを第2の定格流量q2Nとする推定末端圧力一定制御を行うものである。この場合、推定末端圧力一定制御の目標揚程曲線は、E−B2 のようになる。すなわち、従来方式よりも、大きい流量を第2の定格流量q2Nとして推定末端圧力一定制御を行うことができる。
この制御が可能な理由は、ポンプの運転点Eで、キャビテーションが発生しないこと、軸動力がそのポンプの許容軸動力以下になっていることを確かめなければならない。前記ポンプの許容軸動力は、以上のべたように、実際に必要なポンプ発生揚程と要求流量、その動作点におけるポンプ効率推定値から演算した軸動力と許容軸動力を比較することにより解決している。定格流量qINより小さい流量点に来るように設計されているので、定格流量以上では、効率の低下によって流量増加に対して軸動力が異常に上昇する。
図5は本実施例におけるポンプ特性において、キャビテーションを説明するための図である。図5において、定格流量qInとキャビテーション限界流量qmax との間で、軸動力の増加が著しいことが判る。特に、ポンプ速度を低下せしめた場合、この上昇する軸動力特性が低流量側に移動している。図5において、n=0.95(p.u.)の場合の軸動力特性と、n=1.0(p.u.)の場合の軸動力特性とは、定格流量qav(p.u.)にて交叉している。前記交叉時における軸動力は、l2 (p.u.)である。すなわち、許容軸動力lav(p.u.)以上であれば、本発明の方式では、定格流量qav(p.u.)を、第2の定格流量q2Nとして採用できる。
このように、要求流量がキャビテーション限界流量以下であっても、速度低下によって低流量側に移動する軸動力特性によって許容される最大流量が制限される特性に留意しなければならない。本発明では、以上に述べたように、要求流量qre、要求揚程hreが満足するポンプ運転点におけるポンプ効率を推定し、軸動力を求めることによって、この問題を解決している。キャビテーション限界は、通常行われる必要NPSHと利用NPSHから求めるのが困難である。よって、本発明では、実際の該当ポンプシステムにて実験的に求める方法を取っている。
図6はある機種におけるキャビテーション限界を押込圧力0.2MPaと0.25MPaの場合について、ポンプの運転速度(周波数)を変化させ場合を測定した図である。図6において、ポンプの周波数の上昇によって、キャビテーション発生流量も若干大きくなるという常識とは異なった特性となっている。すなわち、キャビテーション限界については、機種毎に実験し確認する必要がある。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本実施例に記載されているブロックは、周知または公知の回路を使用することができる。また、本実施例に記載されているモータ、ポンプ、弁等は、周知または公知の装置を使用することができる。本発明の実施例は、推定末端圧力一定制御で説明したが、吐出圧力一定制御であっても、同様に制御できることはいうまでもないことである。
1、2・・・ポンプ
3、5・・・ポンプ吐出側逆止弁
4、6・・・ポンプ吐出側止水弁
7・・・ポンプ吸込側逆流防止器
8・・・バイパス用逆止弁
9・・・保圧用圧力タンク
10・・・流量検出用フロースイッチ
101・・・ポンプ吐出側圧力検出器
11・・・給水部
111・・・水道管
112・・・給水管
113、114・・・給水分岐管
115・・・バイパス管
116・・・給水本管
12・・・ポンプ吸込側圧力検出器
21・・・駆動制御部
211、212・・・インバータ
213、214・・・モータ
31・・・制御部
311・・・目標圧力設定器
312・・・演算器
313・・・PIDコントローラ
314、315・・・D/A変換器
316・・・給水制御用シーケンス回路
317・・・切替スイッチ
41・・・大流量運転制御ブロック
411・・・圧力設定器
412・・・D/A変換器
413・・・推定末端圧力一定制御部(関数発生器)
414・・・定格定数演算器
415・・・セットスイッチ
416・・・ROM
417・・・RAM
418・・・比較器
419・・・制御器
420・・・表示装置
3、5・・・ポンプ吐出側逆止弁
4、6・・・ポンプ吐出側止水弁
7・・・ポンプ吸込側逆流防止器
8・・・バイパス用逆止弁
9・・・保圧用圧力タンク
10・・・流量検出用フロースイッチ
101・・・ポンプ吐出側圧力検出器
11・・・給水部
111・・・水道管
112・・・給水管
113、114・・・給水分岐管
115・・・バイパス管
116・・・給水本管
12・・・ポンプ吸込側圧力検出器
21・・・駆動制御部
211、212・・・インバータ
213、214・・・モータ
31・・・制御部
311・・・目標圧力設定器
312・・・演算器
313・・・PIDコントローラ
314、315・・・D/A変換器
316・・・給水制御用シーケンス回路
317・・・切替スイッチ
41・・・大流量運転制御ブロック
411・・・圧力設定器
412・・・D/A変換器
413・・・推定末端圧力一定制御部(関数発生器)
414・・・定格定数演算器
415・・・セットスイッチ
416・・・ROM
417・・・RAM
418・・・比較器
419・・・制御器
420・・・表示装置
Claims (5)
- ポンプが可変電圧・可変周波数電源で制御される電動機によって駆動され、
前記ポンプの圧力を推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御によって制御する大流量運転制御方法において、
実験によって得られたポンプの流量−揚程特性を二次近似式化したときのポンプ回転数の係数、およびポンプの流量−効率特性を二次近似式の二次係数、一次係数、定数に基づいてポンプの定格流量より大きな流量でポンプを運転することを特徴とする大流量運転制御方法。 - ポンプが可変電圧・可変周波数電源で制御される電動機によって駆動され、
前記ポンプの圧力を推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御によって制御する大流量運転制御方法において、
実際に要求される流量、必要なポンプの吐出揚程、利用できる押込揚程、前記ポンプの流量−揚程特性を表す少なくとも2組のポンプ特性定数a、b、前記ポンプの流量−効率特性を表す少なくとも3組の定数C1、C2、C3、前記ポンプの許容軸動力、およびポンプのキャビテーション限界流量を基にして、大流量運転を行うための定格定数を演算し、
前記演算された定格定数を基にして関数を発生させ、
前記関数により、ポンプの定格流量より大きい流量を第2の定格流量と設定し、
前記第2の定格流量を基にして、推定末端圧力一定制御または吐出圧力一定制御を行うことを特徴とする大流量運転制御方法。 - 給水部と、前記給水部におけるポンプを駆動する駆動制御部と、前記駆動制御部を制御する制御部と、大流量運転に切り替えられた際に大流量運転制御を行なう大流量運転制御ブロックとから少なくとも構成されている大流量運転制御システムにおいて、
前記大流量運転制御ブロックは、
実験によって得られたポンプの流量−揚程特性とポンプの流量−効率特性をあらわす二次近似式の定数a、b、C1、C2、C3、実際に必要とする要求流量qre、定格揚程hN 、必要なポンプの吐出揚程hd1、前記ポンプのキャビテーション限界流量qmax 、および前記ポンプの許容軸動力lav、押込み圧力hSUを基にして大流量運転のための定格定数を演算する定格定数演算器と、
前記定格定数演算器によって演算されたポンプの定格流量より大きい第2の定格流量q2N、第2の定格揚程h2N、推定流量q*、および最小圧力設定値h0 を基にして目標圧力を発生させる関数発生器と、
を少なくとも備えていることを特徴とする大流量運転制御システム。 - 前記定格定数演算器における演算結果を目視できる表示装置を備えていることを特徴とする請求項3に記載された大流量運転制御システム。
- 前記大流量運転制御ブロックは、前記定格定数演算器によって演算された結果を一時記憶するRAMと、前記定格定数演算器の演算を行うプログラムおよび演算結果をチェックするプログラムが記憶されているROMとを備えていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載された大流量運転制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005007926A JP2006194186A (ja) | 2005-01-14 | 2005-01-14 | 大流量運転制御方法および大流量運転制御システム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008101556A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Hitachi Appliances Inc | ポンプ |
CN101994704A (zh) * | 2010-10-26 | 2011-03-30 | 浙江佳力科技股份有限公司 | 化工流程智能泵及其控制方法 |
JP2014145493A (ja) * | 2013-01-28 | 2014-08-14 | Shin Nippon Air Technol Co Ltd | 2ポンプ方式熱源設備におけるポンプ運転台数決定制御方法 |
-
2005
- 2005-01-14 JP JP2005007926A patent/JP2006194186A/ja not_active Withdrawn
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