JP2006193375A - ガラスセルの製造方法及び金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】 離型時における金型とガラス有底管の融着、割れ及びクラックを防止することができるガラスセルの製造方法を提供する。
【解決手段】 ガラス有底管10の内部に金型20を挿入し、該ガラス有底管10を加熱成形するガラスセル11の製造方法であって、加熱成形したガラス有底管10を徐冷する工程を含み、金型20の線膨張率をガラス有底管10の線膨張率より大きくすることによって、前記徐冷工程中にガラス有底管10と金型20とを互いに離反させるようにしてある。好ましくは、金型20とガラス有底管10との線膨張率差を8×10-6/℃〜15×10-6/℃とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動化学分析等に使用されるガラスセルの成形に適した製造方法及び金型に関し、特に、ガラス有底管の内部に金型を挿入し、該ガラス有底管を加熱成形した後に徐冷を行うガラスセルの製造方法及び金型に関する。
従来のガラスセルの製造方法としては、特公平3−69852号(特許文献1参照)に記載されたものが知られている。該ガラスセルの製造方法では、ガラス有底管の内部に略方形の金型を挿入し、ガラス有底管全体を加熱しながら、ガラス有底管と金型との隙間を減圧することにより、ガラス有底管を金型の外周面形状に成形していた。その後、成形したガラス有底管を冷却し、金型を除去した後、ガラス有底管の光が透過する相対向する側面外周を研磨加工することにより、ガラスセルを製造するようになっていた。
また、上述した従来のガラスセルの製造方法では、ガラスの軟化点よりも高く、ガラス有底管の線膨張率よりも大きい金属によって前記金型を形成している。これにより、冷却時に前記ガラス有底管と金型との間に隙間が生じて離型が可能となる。
特公平3−69852号公報
ところが、上述した従来のガラスセルの製造方法では、ガラス有底管と金型とに熱膨張率差をもたせて離型を行っているが、単に、金型の熱膨張率をガラス有底管の熱膨張率より大きくしても、熱膨張率差が小さすぎる場合は、ガラス有底管が金型に融着してしまい、逆に、熱膨張率差が大きすぎる場合は、ガラス有底管の割れやクラックが生じてしまうという問題がある。
また、上述した従来のガラスセルの製造方法では、ガラス有底管と金型との熱膨張率差のみを考慮しているにすぎず、成形後のガラス有底管の冷却速度、冷却温度については何ら考慮されてない。仮に成形後のガラス有底管を自然冷却して離型させたならば、冷却速度が遅すぎて、成形後のガラス有底管と金型とが融着してしまい、結局、離型時に割れやクラックを生じてしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、離型時における金型とガラス有底管の融着、割れ及びクラックを防止することができるガラスセルの製造方法及び金型の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のガラスセルの製造方法は、ガラス有底管の内部に金型を挿入し、該ガラス有底管を加熱成形するガラスセルの製造方法であって、加熱成形した前記ガラス有底管を徐冷する工程を含み、前記金型の線膨張率を前記ガラス有底管の線膨張率より大きくすることによって、前記徐冷工程中にガラス有底管と金型とを互いに離反させるようにしてあり、好ましくは、前記金型とガラス有底管との線膨張率差を8×10-6/℃〜15×10-6/℃とする。
好ましくは、前記徐冷工程中に、前記ガラス有底管の少なくとも加熱成形した部分を200℃〜300℃に保持するようにし、又は、前記ガラス有底管の徐冷速度を、1〜3.5℃/秒以下とする。
好ましくは、前記金型の外周面のうち、前記ガラス有底管に形状を転写する成形面と、これ以外の非成形面との境界となる稜線部をC面取りするとともに、該C面取りにより生じた二次稜線部をさらにC面取り又はR面取りする。
好ましくは、前記金型の外周面と前記ガラス有底管の内周面との間に離型膜又は離型剤を介在させて、前記ガラス有底管の加熱成形を行うようにする。より好ましくは、あらかじめ前記金型の外周面の転写部以外の部分に離型剤を塗布し、該離型剤を前記ガラス有底管の成形時の加熱によって該ガラス有底管内に拡散させ、前記金型の外周面の転写部に付着させるようにする。また、前記徐冷中にガラス有底管と金型とを互いに離反させた後、これらガラス有底管と金型とを強制冷却して、前記ガラス有底管を取り外し可能な温度に冷却するようにしてもよい。
上記目的を達成するために、本発明の金型は、ガラス有底管の内部に挿入した状態で該ガラス有底管とともに加熱され、その外周面形状を前記ガラス有底管に転写して成形を行うガラスセル成形用の金型であって、前記金型の線膨張率を前記ガラス有底管の線膨張率より大きくするとともに、該線膨張率差を8×10-6/℃〜15×10-6/℃とした構成としてある。
好ましくは、SKD61又はSKH51の高速度工具鋼を材料とし、又は、SUS310又はSUS316のステンレス鋼を材料とした構成とする。より好ましくは、前記ガラス有底管を成形する外周面形状を構成する稜線部をC面取りするとともに、該C面取りにより生じた角部をさらにC面取り又はR面取りした構成とする。
好ましくは、前記外周面の少なくとも転写部を離型剤又は離型膜によって覆った構成とし、より好ましくは、前記外周面の少なくとも転写部を耐熱膜により覆うとともに、該耐熱膜をさらに前記離型剤又は離型膜により覆った構成とし、また、前記外周面の転写部以外の部分に、前記ガラス有底管の加熱成形温度で拡散する離型剤を塗布した構成とする。
本発明のガラスセルの製造方法及び金型によれば、成形後のガラス有底管を徐冷工程において所定の温度及び速度で徐冷することによって、離型時における金型とガラス有底管の融着、割れ及びクラックを防止することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係るガラスセルの製造方法及び金型の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。まず、本実施形態に係るガラスセルの製造方法に用いられる金型について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るガラスセルの製造方法に用いられるガラス有底管、成形されたガラスセル及び該ガラスセルを製造するための金型を示す斜視図である。図2A及びBは金型の先端部付近を示す部分拡大断面図である。
図1において、10はガラスセルの製造方法に用いられるガラス有底管であり、円筒状の本体の一端に底部10a、他端に開口部10bを有している。本実施形態では、ガラス有底管10の材料にパイレックス(登録商標)ガラスを用いている。一方、11はガラス有底管10の底部10a側を本製造方法により成形したガラスセルである。このようなガラスセル11は、ガラス有底管10の内部に略四角柱状の金型20を挿入し、該金型20の転写部位(成形面)20aにおける外周面形状を転写することにより成形している。
本実施形態では、金型20の線膨張率をガラス有底管10の線膨張率より大きくするとともに、該線膨張率差を8×10-6/℃〜15×10-6/℃としてある。このような条件を具備する金型20の材料として、例えば、SKD61又はSKH51の高速度工具鋼、又はSUS310又はSUS316のステンレス鋼がある。
該金型20の転写部位20aは、図示しない耐熱膜によって覆ってあり、金型20の母材表面の劣化防止を図っている。このような耐熱膜として、例えば、CrAlN又はTiAlNからなる和興産業株式会社製の商品名DNF(ダイヤモンドニアフィルム)を利用することができる。一方、該金型20の非転写部位20bには、離型剤30が塗布してある。離型剤30として、例えば、カーボンを主成分とする離型剤、その他のフッ素系又はシリコン系等の離型剤を利用することができる。
また、ガラス有底管10の内部から外部に連通する吸気孔21が形成してある。該吸気孔21は図示しない真空ポンプに接続してあり、ガラス有底管10の内部を減圧することが可能となっている。
さらに、金型20は、転写部位20aの外周面22を鏡面仕上げしてあり、形状転写に何ら寄与しない先端面23が粗面となっている。そして、本実施形態では、図2A及びBに示すように、金型20の外周面22と先端面23の境界である角部稜線を2段階に面取りした構成としてある。
例えば、図2Aにおいて、金型20の外周面22と先端面23の角部稜線全体をC面取りして第1C面取り部24を形成するとともに、該第1C面取り部24により生じた2つの角部をそれぞれC面取りして第2C面取り部25A,25Bを形成してある。また、図2Bに示すように、該第1C面取り部24により生じた2つの角部をそれぞれR面取りして第2R面取り部26A,26Bを形成してもよい。
金型20における鏡面仕上げした外周面22と、粗面である先端面23とが角部で連続する場合、又はR面取りのみで連続する場合は、離型時においてガラス有底管10の融着が生じてしまう。これに対し、外周面22と先端面23の角部稜線を全体的にC面取りした場合は、離型時にガラス有底管10との融着は生じないが、該C面取りにより形成された角部稜線において応力が生じ、ガラス有底管10の割れやクラックが生じてしまう。そこで、金型20の外周面22と先端面23の境界である角部稜線を、全体的にC面取りした角部稜線をさらにC又はR面取りして、角部稜線での応力を分散させている。
次に、本実施形態に係るガラスセルの製造方法を実施するための成形装置について、図3〜図5を参照しつつ説明する。図3は本実施形態に係るガラスセルの製造方法を実施するための成形装置を示す概略図である。図4は上記成形装置の加熱炉周辺の拡大図である。図5は上記成形装置のガラス有底管の保持部周辺を示す拡大図である。
図3及び図4において、成形装置40は、基台41にガイドレール42を立設し、該ガイドレール42に加熱炉43及び急冷部45を固定するとともに、前記ガラス有底管10の保持部46を昇降自在に取り付けた構成となっている。また、前記加熱炉43には、該加熱炉43と連続する徐冷部44が取り付けてある。
加熱炉43は、その内部に中空状の収容部43aを有しており、該収容部43aを加熱するための図示しないヒータが内蔵してある。該加熱炉43は、ガラス有底管10をTg点(ガラス転移点)温度まで加熱して軟化させる。徐冷部44は、断熱材44aの内側にヒータ44bを内蔵した構成となっており、加熱炉43の収容部43aに連通する収容部44cを有している。該徐冷部44は、加熱炉43において成形されたガラス有底管10を、該加熱炉43よりも低い温度で加熱して徐冷する。
保持部46は、図5に示すように、エアシリンダ等の駆動手段(図示せず)によりガイドレール42に沿って摺動可能なスライド板461に、円柱状の載置台462を貫通保持するとともに、該載置台462に載置したガラス有底管10の開口部10b(図1参照)を気密保持する密閉金具463及びパッキン464を備えた構成としてある。また、載置台462には、該載置台462に載置した金型20の通気孔21と連通する通気路462aが穿設してあり、該通気路462aには真空ポンプ47が連結してある。
急冷部45は、図4に示すように、その本体に多数の噴出口が設けてあり、図示しない冷却媒体供給部から供給された窒素ガス等の冷却媒体を、成形後のガラス有底管10に噴出して強制的な冷却を行う。
次に、上記ガラス有底管、金型及び成形装置を用いた本実施形態に係るガラスセルの製造方法について、図1〜図6を参照しつつ説明する。図6は本実施形態に係るガラスセルの製造方法における温度プロファイルを示す折線グラフである。
まず、図1に示すガラス有底管10の内部に金型20を挿入し、これを図5に示す保持部46の載置台462にセットする。次いで、ガラス有底管10に密閉金具463を貫挿し、パッキン464を押圧した状態で固定する。これにより、ガラス有底管10の開口部10a側が気密状体で密閉される。
次いで、真空ポンプ47を駆動させて、金型20の吸気孔21からガラス有底管10の内部の空気を吸引し、該ガラス有底管10の内部を1000Pa以下の真空度に減圧する。その後、図示しない駆動手段を駆動させて、保持部46をガイドレール42に沿って上昇させ、ガラス有底管10及び金型20を加熱炉43の収容部43a内に挿入し、該ガラス有底管10を成形温度に加熱する。本実施形態では、加熱炉43の温度を約830〜850℃に設定した(図6の「成形」参照)。
これにより、加熱軟化されたガラス有底管10が金型20側へと吸引され、該金型20の外周面形状が転写される。また、成形時の加熱により、図1に示す金型20の非転写部位20bに塗布した離型剤30がガラス有底管10内に拡散し、該金型20の転写部位20aに付着する。この結果、金型20の転写部位20aを覆う前記耐熱膜に、成形後のガラス有底管10が融着することが防止される。
このような加熱炉43による成形工程を経た後、保持台46を下降させて、成形後のガラス有底管10の成形部(図1中の符号11a参照、なお、同図中の符号11bは非成形部)を徐冷部44に位置させる。本実施形態では、徐冷部44の加熱温度を約200〜300℃に設定してあり(図6の「徐冷」参照)、該ガラス有底管10の成形部を約1〜3.5℃/秒の速度で徐冷している。金型20の線膨張率を、線膨張率差を8×10-6/℃〜15×10-6/℃の範囲内で、ガラス有底管10の線膨張率より大きくしているので、該徐冷工程中において、ガラス有底管10と金型20とが互いに離反する。
その後、さらに保持台46を下降させ、徐冷したガラス有底管10の成形部を急冷部45により常温まで冷却する(図6の「急冷」参照)。これにより、図1に示すような先細りのガラスセル11が成形される。
このような本実施形態に係るガラスセルの製造方法及び金型によれば、製造方法において成形後のガラス有底管10の徐冷工程を追加するとともに、金型20の線膨張率をガラス有底管10の線膨張率より大きくすることによって、前記徐冷工程中にガラス有底管10と金型20とを互いに離反させることができる。これにより、金型20の取り外しに最適なガラス有底管10とのクリアランスが得られ、ガラス有底管10の割れやクラックを防止することができる。
上述したように、熱膨張率差が小さすぎる場合は、ガラス有底管10が金型20に融着してしまい、逆に、熱膨張率差が大きすぎる場合は、ガラス有底管10の割れやクラックが生じてしまうが、本実施形態のように、金型20とガラス有底管10との線膨張率差を8×10-6/℃〜15×10-6/℃とした場合は、離型時における金型20とガラス有底管10の融着、割れ及びクラックを防止することができる。
ガラス有底管10の少なくとも加熱成形した部分を200℃〜300℃に保持して徐冷することにより、離型時におけるガラス有底管10の割れやクラックを防止することができるとともに、徐冷時間を短縮することができる。これにより、製造のタクトタイムを短縮することができる。これに加え、ガラス有底管10の徐冷速度を3.5℃/秒以下としたことにより、離型時におけるガラス有底管10の割れやクラックをより確実に防止することができる。
金型20の外周面22と先端面23の境界である角部稜線を、第1C面取り部24、及び第2C面取り部25A,25B又は第2R面取り部26A,26Bによって2段階に面取りしたことにより、前記角部稜線に生じる応力を分散させることができ、離型時におけるガラス有底管10の割れやクラックをより確実に防止することができる。
あらかじめ金型20の非転写部位20bに離型剤30を塗布し、該離型剤30をガラス有底管10の成形時の加熱によって該ガラス有底管10内に拡散させ、金型20の外周面の転写部位20aに付着させているので、離型剤30を転写部位20aに直接塗布した場合と比較して、該転写部位20aの面精度が保証されるとともに、ガラス有底管10の融着を防止することができる。
徐冷中にガラス有底管10と金型20とを互いに離反させた後、これらガラス有底管10と金型20とを強制冷却して、ガラス有底管10を取り外し可能な温度まで迅速に冷却しているので、ガラスセル11の成形サイクルタイムを短縮することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るガラスセルの製造方法の実施形態について、図7を参照しつつ説明する。図7は本発明の第2実施形態に係るガラスセルの製造方法を実施するための成形装置を示す概略図である。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同様の箇所については同一符号を付して詳細な説明は省略する。
同図において、本実施形態に係るガラスセルの製造方法に用いられる成形装置50は、主として、ガラス有底管10に挿入した金型20の吸気孔21に、真空ポンプ53と冷却媒体供給部54とを切換可能に接続し、ガラス有底管10の成形工程及び徐冷工程を経た後に、冷却媒体供給部54からガラス有底管10内に冷却媒体を供給して、徐冷後のガラス有底管10を内側から急冷する構成としてある。
具体的に、成形装置50は、上述した第1実施形態と同様、スライド板461の載置台462を貫通する吸気路462aが設けてあり、該吸気路462aの一端は、載置台462に載置した金型20の吸気孔21に連通する。一方、吸気路462aの他端には、電磁弁等の切換部52を介して真空ポンプ53及び冷却媒体供給部54が接続してある。なお、ガイドレール42には、徐冷後のガラス有底管10を外側から急冷するファン51が設けてある。
上記構成からなる成形装置50を用いた本ガラスセルの製造方法について説明する。まず、加熱炉43によるガラス有底管10の成形工程では、真空ポンプ53により金型20の吸気孔21からガラス有底管10内の空気を吸引して真空度に減圧する。これにより、上述した第1実施形態と同様に、加熱軟化されたガラス有底管10が金型20側へと吸引され、該金型20の外周面形状が転写される。
次いで、真空ポンプ53による吸引を停止させるとともに、スライド板461を下降させ、徐冷部44による成形後のガラス有底管10の徐冷工程を行う。上述した第1実施形態と同様に、金型20の線膨張率をガラス有底管10の線膨張率より大きくしてあるので、該徐冷工程中にガラス有底管10と金型20とを互いに離反させることができる。
その後、さらにスライド板461を下降させ、切換部52を切り換えて金型の吸気孔21と冷却媒体供給部54とを接続させる。そして、該冷却媒体供給部54からガラス有底管10内に冷却媒体を供給し、徐冷後のガラス有底管10を内側から急冷する。これと同時に、ファン51を動作させて、徐冷後のガラス有底管10を内側から急冷する。
これら冷却媒体供給部54及びファン51によりガラス有底管10が常温まで冷却されたところで、該ガラス有底管10から金型20を取り出すと、図1に示すような先細りのガラスセル11が完成する。
このような本実施形態のガラスセルの製造方法によれば、冷却媒体供給部54からガラス有底管10内に冷却媒体を供給して、該ガラス有底管10の内側から急冷することにより、徐冷後のガラス有底管10をより迅速に冷却することができ、ガラスセル11の成形サイクルタイムを短縮することができる。
金型とガラス有底管との線膨張率差を2×10-6/℃〜20×10-6/℃の範囲で変更して加熱成形し、成形後のガラス有底管を徐冷工程において冷却速度3.5℃/secで徐冷した。このときの金型の取り外しの可否、及び離型時におけるガラス有底管の割れやクラックの発生の有無を下記表1に示す。
Figure 2006193375
金型とガラス有底管との線膨張率差が2×10-6/℃〜7×10-6/℃のように小さすぎる場合は、成形後のガラス有底管が金型に融着してしまい、該金型をガラス有底管から取り外すことができなかった。
逆に、金型とガラス有底管との線膨張率差が16×10-6/℃〜20×10-6/℃のように大きすぎる場合は、成形後のガラス有底管が金型に融着することはないが、離型時においてガラス有底管に割れやクラックが発生してしまった。
これらに対して、金型とガラス有底管との線膨張率差が8×10-6/℃〜15×10-6/℃のときは、金型を問題なく取り外すことができ、離型時においてガラス有底管に割れやクラックが発生することもなかった。したがって、金型とガラス有底管との線膨張率差は8×10-6/℃〜15×10-6/℃が最適といえる。
金型とガラス有底管との線膨張率差を2×10-6/℃〜20×10-6/℃の範囲で変更して加熱成形し、成形後のガラス有底管を徐冷工程において、2種類の冷却速度10℃/sec、3.5℃/secで徐冷した。このような条件で生産したガラスセルの母数50個中の、割れやクラックの生じなかった数量を下記表2に示す。
Figure 2006193375
金型とガラス有底管との線膨張率差が2×10-6/℃〜7×10-6/℃のように小さすぎる場合は、冷却速度10℃/sec、3.5℃/secのいずれで徐冷しても、成形後のガラス有底管に割れやクラックは生じなかったが、成形後のガラス有底管が金型に融着してしまい、該金型をガラス有底管から取り外すことができなかった。
逆に、金型とガラス有底管との線膨張率差が16×10-6/℃〜20×10-6/℃のように大きすぎる場合は、冷却速度10℃/secのときに、50個中の半分以上のガラスセルに割れやクラックが生じてしまった。
これらに対して、金型とガラス有底管との線膨張率差が8×10-6/℃〜15×10-6/℃のときは、金型を問題なく取り外すことができ、特に、冷却速度3.5℃/secのときに、50個中のガラスセルに割れやクラックがほとんど生じなかった。したがって、金型とガラス有底管との線膨張率差が8×10-6/℃〜15×10-6/℃のときは、冷却速度3.5℃/secが最適である。
熱膨張係数が3.3×10-6/℃(RT〜600℃の場合)のパイレックス(登録商標)ガラスからなるガラス有底管に対して、熱膨張係数に差を有する各種組成の金型を用いて加熱成形を行い、金型の取り外しの可否、及び離型時におけるガラス有底管の割れやクラックの発生の有無を下記表3に示す。
Figure 2006193375
特殊超硬合金J05及びセラミックスアルミナジルコニアからなる金型は、ガラス有底管との熱膨張係数差が小さすぎて、成形後のガラス有底管が金型に融着してしまい、該金型をガラス有底管から取り外すことができなかった。逆に、銅合金YBSC2からなる金型は、ガラス有底管との熱膨張係数差が大きすぎて、離型時においてガラス有底管に割れやクラックが発生してしまった。
これらに対して、高速度工具鋼SKD61、高速度工具鋼SKH51、ステンレス鋼SUS310及びステンレス鋼316からなる金型は、問題なく取り外すことができ、離型時においてガラス有底管に割れやクラックが発生することもなかった。
熱膨張係数が3.3×10-6/℃(RT〜600℃の場合)のパイレックス(登録商標)ガラスからなるガラス有底管に対して、熱膨張係数に差を有する各種組成の金型を用いて加熱成形を行い、成形後のガラス有底管を徐冷工程において、2種類の冷却速度10℃/sec、3.5℃/secで徐冷した。このような条件で生産したガラスセルの母数50個中の、割れやクラックの生じなかった数量を下記表4に示す。
Figure 2006193375
特殊超硬合金J05及びセラミックスアルミナジルコニアからなる金型は、ガラス有底管との熱膨張係数差が小さすぎて、冷却速度10℃/sec、3.5℃/secのいずれで徐冷しても、成形後のガラス有底管に割れやクラックは生じなかったが、成形後のガラス有底管が金型に融着してしまい、該金型をガラス有底管から取り外すことができなかった。
逆に、銅合金YBSC2からなる金型は、ガラス有底管との熱膨張係数差が大きすぎて、冷却速度10℃/secのときに、50個中の半分以上のガラスセルに割れやクラックが生じてしまった。
これらに対して、高速度工具鋼SKD61、高速度工具鋼SKH51、ステンレス鋼SUS310及びステンレス鋼316からなる金型は、問題なく取り外すことができ、特に、冷却速度3.5℃/secのときに、50個中のガラスセルに割れやクラックがほとんど生じなかった。
本発明の第1実施形態に係るガラスセルの製造方法に用いられるガラス有底管、成形されたガラスセル及び該ガラスセルを製造するための金型の斜視図である。 C面取りした後にさらにC面取りした上記金型の先端部付近を示す部分拡大断面図である。 C面取りした後にさらにR面取りした上記金型の先端部付近を示す部分拡大断面図である。 本実施形態に係るガラスセルの製造方法を実施するための成形装置を示す概略図である。 上記成形装置の加熱炉周辺の拡大図である。 上記成形装置のガラス有底管の保持部周辺を示す拡大図である。 本実施形態に係るガラスセルの製造方法における温度プロファイルを示す折線グラフである。 本発明の第2実施形態に係るガラスセルの製造方法を実施するための成形装置を示す概略図である。
符号の説明
10 ガラス有底管
10a 底部
10b 開口部
11 ガラスセル
11a 成形部
11b 非成形部
20 金型
20a 転写部位
20b 非転写部位
21 吸気孔
22 外周面
23 先端面
24 第1C面取り部
25A,25B 第2C面取り部
26A,26B 第2R面取り部
30 離型剤
40 成形装置
41 基台
42 ガイドレール
43 加熱炉
43a 収容部
44 徐冷部
44a 断熱材
44b ヒーター
44c 収容部
45 急冷部
46 保持部
461 スライド板
462 載置台
462a 吸気路
463 密閉金具
464 パッキン
47 真空ポンプ
50 成形装置
51 ファン
52 切換部
53 真空ポンプ
54 冷却媒体供給部


Claims (15)

  1. ガラス有底管の内部に金型を挿入し、該ガラス有底管を加熱成形するガラスセルの製造方法であって、加熱成形した前記ガラス有底管を徐冷する工程を含み、前記金型の線膨張率を前記ガラス有底管の線膨張率より大きくすることによって、前記徐冷工程中にガラス有底管と金型とを互いに離反させることを特徴とするガラスセルの製造方法。
  2. 前記金型とガラス有底管との線膨張率差を8×10-6/℃〜15×10-6/℃としたことを特徴とする請求項1記載のガラスセルの製造方法。
  3. 前記徐冷工程中に、前記ガラス有底管の少なくとも加熱成形した部分を200℃〜300℃に保持することを特徴とする請求項1又は2いずれか記載のガラスセルの製造方法。
  4. 前記ガラス有底管の徐冷速度を、3.5℃/秒以下としたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のガラスセルの製造方法。
  5. 前記金型の外周面のうち、前記ガラス有底管に形状を転写する成形面と、これ以外の非成形面との境界となる稜線部をC面取りするとともに、該C面取りにより生じた二次稜線部をさらにC面取り又はR面取りしたことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のガラスセルの製造方法。
  6. 前記金型の外周面と前記ガラス有底管の内周面との間に離型膜又は離型剤を介在させて、前記ガラス有底管の加熱成形を行うことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のガラスセルの製造方法。
  7. あらかじめ前記金型の外周面の転写部以外の部分に離型剤を塗布し、該離型剤を前記ガラス有底管の成形時の加熱によって該ガラス有底管内に拡散させ、前記金型の外周面の転写部に付着させることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のガラスセルの製造方法。
  8. 前記徐冷中にガラス有底管と金型とを互いに離反させた後、これらガラス有底管と金型とを強制冷却して、前記ガラス有底管を取り外し可能な温度に冷却することを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のガラスセルの製造方法。
  9. ガラス有底管の内部に挿入した状態で該ガラス有底管とともに加熱され、その外周面形状を前記ガラス有底管に転写して成形を行うガラスセル成形用の金型であって、前記金型の線膨張率を前記ガラス有底管の線膨張率より大きくするとともに、該線膨張率差を8×10-6/℃〜15×10-6/℃としたことを特徴とする金型。
  10. SKD61又はSKH51の高速度工具鋼を材料としたことを特徴とする請求項9記載の金型。
  11. SUS310又はSUS316のステンレス鋼を材料としたことを特徴とする請求項9記載の金型。
  12. 前記ガラス有底管を成形する外周面形状を構成する稜線部をC面取りするとともに、該C面取りにより生じた角部をさらにC面取り又はR面取りしたことを特徴とする請求項9〜11いずれか記載の金型。
  13. 前記外周面の少なくとも転写部を離型剤又は離型膜によって覆ったことを特徴とする請求項9〜12いずれか記載の金型。
  14. 前記外周面の少なくとも転写部を耐熱膜により覆うとともに、該耐熱膜をさらに前記離型剤又は離型膜により覆ったことを特徴とする請求項13記載の金型。
  15. 前記外周面の転写部以外の部分に、前記ガラス有底管の加熱成形温度で拡散する離型剤を塗布したことを特徴とする請求項13又は14記載の金型。


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