JP2006193099A - 手押し車の制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
フレームの縦桟のブレーキレバー部分が嵩張ることなく、且つ、適度な操作量で制動やロックを行なうことができる手押し車における制動装置を提供できるようにする。
【解決手段】
フレーム若しくは手押し用ハンドルの少なくとも一部をパイプ又は中実の棒状部材で形成し、パイプ又は中実の棒状部材にスリットを形成するとともに、当該スリットに連繋索条を操作する操作部の端部を挿入し、挿入された操作部の端部を揺動可能に枢着した構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は手押し車の制動装置に関するものである。
近年高齢者が杖の代わりや買い物等を運ぶ手段として手押し車を利用している。
こうした手押し車は一般に「シルバーカー」と呼ばれており、杖と異なり、自己の体重の一部を預けた状態で押すことにより楽に移動することが出来るとともに、多くの場合、座って休憩のできるように座部や背もたれ等が設けられて形成されている。
こうした手押し車では押すだけで移動が簡単である一方、下り坂を下るときや傾斜面に停止して休憩するのに備えて車輪を固定可能な制動装置が設けられている。
上記手押し車に設けられる制動装置としては、特許文献1及び特許文献2に示すように、車輪近傍のフレームに、揺動して車輪に接・離する制動片を枢支し、レリーズワイヤを介して制動片を揺動操作するブレーキレバー(操作桿)を、水平ハンドルの近傍の支柱部分に配設するようにしたものがある。
上記公報に記載された制動装置のブレーキレバーは、手押しハンドル近傍のフレームの縦桟部分の中心位置にブレーキレバー枢支部分を位置させた枢支用ブラケットとその下方にレリーズワイヤのアウターワイヤ受けを取り付け、この枢支用ブラケットに揺動操作可能に取り付けられたブレーキレバーを操作することにより、車輪を制動もしくはロックさせるようにしたものである。
特開2001−247043号公報 特開2002−211409号公報
上記公報に記載された従来のものでは、フレームの縦桟のブレーキレバー部分が枢支用ブラケットのために大きくなり嵩張ってしまうという問題があった。
そこで、縦桟にブレーキレバーの枢支部形成部材を取り付け、このブレーキレバー枢支部分を縦桟部分の中心位置から偏らせた位置にブレーキレバー枢支部分を形成することも考えられるが、こうした場合、枢支部とレリーズワイヤとの距離が短くなり、レリーズワイヤの引き代を所定長さ確保しようとすると、ブレーキレバー揺動量を大きくしなくてはならず、高齢者を対象とするシルバーカーの制動装置には不向きなものとなる等の問題もある。
本発明は、上記問題点に鑑みて提案されたもので、フレームの縦桟のブレーキレバー部分が嵩張ることなく、且つ、適度な操作量で制動やロックを行なうことができる手押し車における制動装置を提供できるようにすることを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明にかかる手押し車の制動装置は、フレームの下方に左右一対の車輪を少なくとも一対備え、車輪の少なくとも1つに制動手段を設け、フレームの上部には手押し用ハンドルを設けるとともに、当該フレーム若しくは手押し用ハンドルに連繋索条を介して制動手段を操作する操作桿を設けてなる手押し車の制動装置において、フレーム若しくは手押し用ハンドルの少なくとも一部をパイプ又は中実の棒状部材で形成し、パイプ又は中実の棒状部材にスリットを形成するとともに、当該スリットに連繋索条を操作する操作部の端部を挿入し、挿入された操作部の端部を揺動可能に枢着したことを最も主要な特徴とするものである。
また、本発明の手押し車の制動装置では、フレームが左右または/及び前後に折り畳み可能に構成したことや、連繋索条を操作する操作部の端部が操作桿に揺動可能に枢支された別部材の操作部材で構成されたこと、更に連繋索条を操作する操作部の端部が枢着されたパイプ又は中実の棒状部材の外周部にカバーを設け、当該カバーと操作桿との間に、操作桿を車輪固定位置に保持する保持部を設けたことも特徴とするものである。
本発明の手押し車の制動装置では、少なくとも一部をパイプ又は中実の棒状部材で形成されたフレーム若しくは手押し用ハンドルにスリットを形成し、このスリットに連繋索条を操作する操作部の端部を挿入するとともに、挿入された操作部の端部を揺動可能に枢着するようにしてあるので、フレームの縦桟部分の中心位置にブレーキレバー枢支部分を位置させ、この枢支用ブラケットに取り付けられたブレーキレバーを操作することにより、車輪を制動もしくはロックさせるようにした従来のもののように、フレームの縦桟のブレーキレバー部分が枢支用ブラケットのために大きくなり嵩張ってしまうことがなく、コンパクトにすることができる利点がある。
また、スリットに連繋索条を操作する操作部の端部を挿入するとともに、挿入された操作部の端部を揺動可能に枢着することにより、当該枢支部からレリーズワイヤとの距離を長くすることができル。
これにより、縦桟にブレーキレバーの枢支部形成部材を取り付け、このブレーキレバー枢支部分を縦桟部分の中心位置から偏らせた位置にブレーキレバー枢支部分を形成するようにしたものに比べて、操作部の操作量を少なくすることができ、高齢者を対象とするシルバーカーの制動装置に好適な制動装置にすることができるという利点もある。
以下、本発明にかかる手押し車の制動装置を図面に基づいて説明する。
図1は手押し車の制動装置の斜視図であって、図中符号1は手押し車を全体的に示す。
この手押し車1は、後側フレーム2の上部を前側フレーム3に枢支させ、両フレーム2・3の中間高さ位置を中折れリンク4で連結して折り畳み可能にするとともに、前フレーム3の上端部に中空パイプで形成された支持ポスト5を取り付けて構成されたフレーム6と、このフレーム6の支持ポスト5の上端に略水平に取り付けた手押し用ハンドル7を備えてなる。
前側フレーム3の前面には背もたれ8と折り畳み可能な座部9とが設けられており、前後の各フレーム2・3の下端部には車輪10・11が取り付けてあり、前側フレーム3の下端に取り付けられる車輪10は自在車輪となっている。
また、後側フレーム2の下端部に取り付けられる左右の車輪11には後述する操作部12でアウターワイヤ14とインナワイヤ15とからなる連繋索条16を介して車輪11の回転を制動若しくは固定する制動手段17が設けられている。
上記制動手段17は、金属製帯板18を後側フレーム2の前側に配設し、その両端部寄り部分を後方に折り曲げ、折り曲げられた部分19の中間位置に、後側フレーム2に枢支される揺動枢支部20を形成するとともに、端部が車輪11の上部近傍に位置するように外側に折り曲げて形成された制動片21で構成されている。
連繋索条16を介して制動手段7を操作する操作部12は図2に示すように、図上左方(使用者では右手側)の支持ポスト5と手押し用ハンドル7との連結部分にその前後から嵌着されて接着剤とビスで固定される一対のカバー22・23と、当該カバー22・23のボス部分24に支持される操作桿25と、操作桿25の下部に中間部分が揺動可能に枢支された操作部材26とを備えてなる。
上記一対のカバー22・23のうち、後方のカバ22には連繋索条16のアウターワイヤ14の端部を受ける受け止め部27が形成されている。
また、操作部材26の一端部(図上左端部)にはインナワイヤ15の駒28を掛止する掛止部29が設けられるとともに、他端部は支持ポスト5に形成された枢支部30に枢支されている。
この操作部材26の他端を枢支する枢支部30の構造は、図3乃至図5に示すようになっている。
即ち、手押し用ハンドル7を支持する支持ポスト5のカバー22・23側の側面に操作部材26の端部を挿入する細長いスリット31を開設し、このスリット31から操作部材26の端部を挿通し、操作部材26の端部に穿設された回動枢支孔32と、支持ポスト5に貫通状に穿設されたピン挿通孔33に亘って装着された枢支ピン34により、操作部材26が揺動可能に枢支される構造になっている。
このように、操作部材26の回動枢支孔32を支持ポスト5内で枢支させるようにすると、操作部材26を長く、特に回動枢支孔32から操作桿25を連結した部分までの長さを長く形成することができ、操作桿25を軽い力で操作することができるのである。
また、操作桿25を枢支するカバー22・23のボス部分24が挿通される操作桿25の部分は、ハート型の透孔35に形成されており、この透孔35は制動片21を車輪11から離して車輪11を自由に回転させる走行位置36と、制動片21を車輪11に当接させて車輪11を制動させる制動位置37と、制動片21で車輪11を固定するロック位置38との三点で形成されている。
上記のように構成された手押し車1の制動装置の作用を次に説明する。
先ず、手押し車1を押して歩く場合、操作桿25をフリーの状態にして、図3に示すようにカバー22・23のボス部分24を透孔35の走行位置36にする。
すると、制動片21が車輪11から離れて車輪11が自由に回転する状態になるので、手押し車1は軽い力で移動させることができる。
次に、坂道を下る場合、図4に示すように操作桿25を握って上方に引き上げる。
すると、操作部材26が枢支部30部分を回動中心としてインナワイヤ15を連結した側が上方に上がり、制動片21が揺動枢支部20を揺動中心として揺動し、後側の車輪11に当接するので、車輪11に制動がかかり、下り坂も安全な速度で下ることができる。
そして、下り坂や傾斜面で休憩する場合、図5に示すように操作桿25を下方に操作してカバー22・23のボス部分24を、ハート型の透孔35の分岐用突起部分40を乗り越えさせてロック位置38にして手を離すと、操作桿25は下方に下がった状態で保持される。
すると、操作部材26が枢支部を回動中心としてインナワイヤ15を連結した側が上方に上がり、制動片21が揺動枢支部20を揺動中心として揺動し、後側の車輪11に強く当接し、車輪11がロックされるので、手押し車1はその場で固定された状態となる。
したがって、手押し車1の前面に設けられた座部9に据わって安全に休憩することができるのである。
尚、上記実施の形態では操作部12を操作桿25と操作部材26との二部材で形成するようにしてあるが、ロック位置38を形成しない場合には上記操作部材26に連結する操作桿25の部分を支持ポスト5のスリット31に挿入して枢支部30に支持させるようにすることもできる。
また、支持ポスト5を中空のパイプで形成するようにしてあるが、こうしたものに限られず、中実のものでもよいことは言うまでもないことである。
は手押し車の全体斜視図である。 は操作部の分解斜視図である。 は操作部の操作桿が走行位置にある状態の1部を切り欠いた操作部の正面図で ある。 は操作部の操作桿が制動位置にある状態の1部を切り欠いた操作部の正面図で ある。 は操作部の操作桿がロック位置にある状態の1部を切り欠いた操作部の正面図 である。
符号の説明
1・・・手押し車
6・・・フレーム
7・・・ハンドル
10・11・・・車輪
12・・・操作部
16・・・連繋索条
17・・・制動手段
25・・・操作部
26・・・操作部材

Claims (4)

  1. フレームの下方に左右一対の車輪を少なくとも一対備え、車輪の少なくとも1つに制動手段を設け、フレームの上部には手押し用ハンドルを設けるとともに、当該フレーム若しくは手押し用ハンドルに連繋索条を介して制動手段を操作する操作桿を設けてなる手押し車の制動装置において、フレーム若しくは手押し用ハンドルの少なくとも一部をパイプ又は中実の棒状部材で形成し、パイプ又は中実の棒状部材にスリットを形成するとともに、当該スリットに連繋索条を操作する操作部の端部を挿入し、挿入された操作部の端部を揺動可能に枢着したことを特徴とする手押し車の制動装置。
  2. フレームが左右または/及び前後に折り畳み可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の手押し車の制動装置。
  3. 連繋索条を操作する操作部の端部が操作桿に揺動可能に枢支された別部材の操作部材で構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の手押し車の制動装置。
  4. 連繋索条を操作する操作部の端部が枢着されたパイプ又は中実の棒状部材の外周部にカバーを設け、当該カバーと操作桿との間に、操作桿を車輪固定位置に保持する保持部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の手押し車の制動装置。

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