JP2006192068A - 2本針ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】縫製途中における針落ち点の位置合わせを容易に行うことができる2本針ミシンを実現する。
【解決手段】2本針ミシン100において、ミシンペダル8が前踏み位置に揺動操作されたことに基づき、ミシンモータ1を駆動させてミシン主軸2を回転させ、ミシン針3L、3Rを上下動させるように縫製動作を行う。
そして、ミシンペダル8が踏み返し位置に揺動操作されたことに基づき、ミシン主軸2の回転角度位置が所定の針上位置となるようにミシンモータ1の駆動を停止させることで、ミシン針を被縫製物の上方の針上位置に停止させ、また、ミシンペダル8が中立位置に揺動操作されたことに基づき、ミシン主軸2の回転角度位置が直前針上位置となるようにミシンモータ1の駆動を停止させることで、ミシン針を所定の針上位置よりも被縫製物に近接する直前針上位置に停止させる構成にした。
【選択図】図4

Description

本発明は、2本針ミシンに関する。
従来、ミシンにおける針落ち点の位置合わせを行うために、スイッチ等の操作によりミシン針を下降させて、ミシン針が被縫製物に突き刺さる寸前の設定位置に停止させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、ミシン針の先端部と被縫製物とを近付けた状態で、被縫製物の位置を調整することによって、より正確にミシン針を針落ち点に位置合わせすることができるようになる。
特に、1本の針棒に2本のミシン針が装着された2本針ミシンの場合、縫製途中に被縫製物の向き(被縫製物に形成する縫い目の方向、布送り方向)を変える際には、ミシン針が被縫製物の上方の針上位置に退避するように、ミシン針が被縫製物から抜かれた状態でなければ、その向きを変えることができない。そのため、縫い目形状の見栄えを良くするためには、被縫製物の向きを変えた後の最初の針落ち位置において、例えば、外側のミシン針の針落ち点が、縫製物の向きを変える前の最後の針落ち位置の針落ち点と同一となるように位置合わせする必要がある。
このような針落ち点の位置合わせを行う場合に、上記のようにミシン針が被縫製物に突き刺さる寸前の設定位置に停止される技術を活用することができ、ミシン針を針落ち点に正確に位置合わせすることができる。
また、ミシンが停止することに伴いミシン針が停止する位置の調整を、ミシンに設けられた針位置検出器の検出板に対する機械的な位置合わせにより行うのでなく、操作スイッチ等により針位置を設定することによって、所望する停止位置にミシン針を停止させる技術が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)。
特公平6−77638号公報 特公平1−33199号公報 特許第2866014号公報
しかしながら、上記特許文献1の場合、作業者が針落ち点の位置合わせを行う際に、ミシン針を下降させるためのスイッチを押下する操作をその都度行わなければならず、煩わしいという問題があった。
また、上記特許文献2,3の場合、ミシン針が停止する位置を、ミシン針が被縫製物に突き刺さる寸前の位置に設定することにより、ミシンが停止する際に、自動的に針落ち点の位置合わせを行いやすい位置にミシン針を停止させることができるので、上記特許文献1のような煩わしい操作を不要とすることができる。
しかし、ミシンが停止した際に、ミシン針が被縫製物に突き刺さる寸前の位置に停止していると、被縫製物をミシン針の下から取り出したり、ミシン針の下へ配置したりする場合に、被縫製物をミシン針に引っ掛かけて傷つけてしまうことがあるという問題が生じる。そのため、ミシン針の針先を被縫製物の極近くに停止させることはできなかった。
本発明の目的は、縫製途中における針落ち点の位置合わせを容易に行うことができる2本針ミシンを提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、ミシン主軸を回転させて、そのミシン主軸に連結される針棒に支持される2本のミシン針を被縫製物に対して上下動させるミシンモータと、ミシンモータにより回転されるミシン主軸の回転角度位置を検出する主軸位置検出手段と、常には中立位置に位置し、操作により前踏み位置と踏み返し位置とに揺動操作されるミシンペダルと、ミシンペダルの中立位置から前踏み位置への揺動操作によりミシン主軸を回転させ、ミシンペダルの前踏み位置への揺動操作後における中立位置への揺動操作及び踏み返し位置への揺動操作により、主軸位置検出手段によって検出される回転角度位置に基づいて2本のミシン針の先端を被縫製物の上方に停止させるようにミシンモータを制御するモータ駆動制御手段と、を備える2本針ミシンにおいて、モータ駆動制御手段は、ミシンペダルの前踏み位置への揺動操作後に、ミシンペダルが中立位置に揺動操作された場合に2本のミシン針の先端を被縫製物直前の直前針上位置に停止させ、ミシンペダルが踏み返し位置に揺動操作された場合に2本のミシン針の先端を直前針上位置よりも上方の所定の針上位置に停止させるようにミシンモータを制御することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、2本針ミシンは、ミシンペダルが揺動操作されることに基づき、ミシンモータを駆動しミシン主軸を回転させて、針棒とともにミシン針を上下動させることによって、被縫製物に縫製を施す。特に、ミシンペダルが前踏み位置に揺動操作されたことに基づき、ミシンモータを駆動させることでミシン主軸を回転させて、縫製動作を行う。
そして、ミシンペダルが踏み返し位置に揺動操作されたことに基づき、主軸位置検出手段が検出するミシン主軸の回転角度位置が所定の針上位置に対応するようにミシンモータの駆動を停止させ、ミシン針が被縫製物の上方に退避するようにそのミシン針を直前針上位置よりも上方の針上位置に停止させる。
また、ミシンペダルが中立位置に揺動操作されたことに基づき、主軸位置検出手段が検出するミシン主軸の回転角度位置が直前針上位置に対応するようにミシンモータの駆動を停止させ、ミシン針が所定の針上位置よりも被縫製物に近接するようにそのミシン針を直前針上位置に停止させる。
請求項2記載の発明は、ミシン主軸を回転させて、そのミシン主軸に連結される針棒に支持される2本のミシン針を被縫製物に対して上下動させるミシンモータと、ミシンモータにより回転されるミシン主軸の回転角度位置を検出する主軸位置検出手段と、常には中立位置に位置し、操作により前踏み位置と踏み返し位置とに揺動操作されるミシンペダルと、複数の針数を有する縫い工程が複数組み合わされてなる縫製パターンを複数記憶する縫製パターン記憶手段と、縫製パターン記憶手段に記憶されている複数の縫製パターンから所望する縫製パターンを選択する縫製パターン選択手段と、縫製パターン選択手段により選択された縫製パターンの縫い工程毎に、ミシンペダルの中立位置から前踏み位置への揺動操作によりミシン主軸を回転させ、その縫い工程の縫製終了時に主軸位置検出手段によって検出される回転角度位置に基づいて2本のミシン針の先端を被縫製物の上方に自動停止させるようにミシンモータを制御するモータ駆動制御手段と、を備える2本針ミシンにおいて、ミシンペダルの前踏み位置への揺動操作によるミシン主軸の回転により縫製されている縫い工程が、最終の縫い工程であるか否かを判断する最終工程判断手段を備え、モータ駆動制御手段は、縫い工程毎にミシン針の先端を被縫製物の上方に自動停止させる際に、最終工程判断手段によってその縫い工程が最終の縫い工程でないと判断された場合は、2本のミシン針の先端を被縫製物直前の直前針上位置に停止させ、最終工程判断手段によってその縫い工程が最終の縫い工程であると判断された場合は、2本のミシン針の先端を直前針上位置よりも上方の所定の針上位置に停止させるようにミシンモータを制御することを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、2本針ミシンは、ミシンペダルが揺動操作されることに基づき、ミシンモータを駆動しミシン主軸を回転させて、針棒とともにミシン針を上下動させることによって、被縫製物に縫製を施す。特に、縫製パターン記憶手段に記憶されている、複数の針数を有する縫い工程が複数組み合わされてなる複数の縫製パターンのうち、縫製パターン選択手段により選択された縫製パターンにおける縫い工程毎に、ミシンモータを一時停止させるように、縫製動作を行う。
そして、選択された縫製パターンにおける最終の縫い工程の後に、主軸位置検出手段が検出するミシン主軸の回転角度位置が所定の針上位置に対応するようにミシンモータの駆動を停止させ、ミシン針が被縫製物の上方に退避するようにそのミシン針を直前針上位置よりも上方の針上位置に停止させる。
また、選択された縫製パターンにおける最終以外の縫い工程の後に、主軸位置検出手段が検出するミシン主軸の回転角度位置が直前針上位置に対応するようにミシンモータの駆動を停止させ、ミシン針が所定の針上位置よりも被縫製物に近接するようにそのミシン針を直前針上位置に停止させる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の2本針ミシンにおいて、直前針上位置を設定する設定手段を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、2本針ミシンにおいて、設定手段により、直前針上位置を設定することができ、ミシン針が直前針上位置に停止する回転角度位置を設定することができる。
請求項4記載の発明は、請求項2に記載の2本針ミシンにおいて、直前針上位置を各縫製パターン毎に個別に設定する直前針上位置個別設定手段を備え、縫製パターン記憶手段は、直前針上位置個別設定手段により設定された直前針上位置を縫製パターン毎に個別に記憶することを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、2本針ミシンにおいて、直前針上位置個別設定手段により、直前針上位置を各縫製パターン毎に個別に設定することができ、ミシン針が直前針上位置に停止する回転角度位置を設定することができる。そして、設定された直前針上位置や、直前針上位置に対応する回転角度位置を、縫製パターン記憶手段に縫製パターン毎に個別に記憶することができる。
請求項1記載の発明によれば、2本針ミシンにおいて、ミシンペダルを前踏み位置に揺動操作することにより、ミシンモータを駆動させて、ミシン主軸を回転駆動させることによって、ミシン針を上下動させ、縫い目を形成する縫製動作を行うことができる。
そして、2本針ミシンのミシンペダルを踏み返し位置に揺動操作することに基づき、ミシン針を被縫製物の上方の所定の針上位置に停止させることができる。
よって、所望する縫い目を形成し終えるなど、一連の縫製動作を終えた際に、ミシンペダルを後踏み操作して踏み返し位置となるように揺動操作し、ミシン針を直前針上位置よりも上方の針上位置に停止させることによって、被縫製物をミシン針の下から取り出したり、ミシン針の下に被縫製物を配置したりする場合に、被縫製物をミシン針に引っ掛かけるなど接触させて、傷つけてしまうようなトラブルを低減することができる。
また、2本針ミシンのミシンペダルを中立位置に揺動操作することに基づき、ミシン針の先端部が被縫製物の直前に近接する直前針上位置に停止させることができる。
よって、作業者が、縫製途中にミシンの縫製動作を一時停止させて、被縫製物の向きを回転させるようにして縫製方向の変更を行う際に、ミシン針を直前針上位置に停止させることによって、ミシン針の先端部を被縫製物の針落ち位置にスムーズに位置合わせしやすくなる。
従って、縫製途中に被縫製物の向きを変えた後でも、一時停止前の針落ち点にミシン針を容易に位置合わせすることができる。そして、被縫製物の向きを変える前後において、所定の針落ち点にミシン針が針落ちするように縫い目を形成することにより、縫い目形状の見栄えをよくすることができる。
請求項2記載の発明によれば、2本針ミシンにおいて、ミシンペダルを前踏み位置に揺動操作することにより、ミシンモータを駆動させて、ミシン主軸を回転駆動させることによって、ミシン針を上下動させ、選択された縫製パターンに基づく縫い目を形成する縫製動作を行うことができる。
そして、縫製パターンにおける全ての縫い工程に応じた縫製を終えるように、最終の縫い工程の縫製を終えたことに基づき、ミシン針を被縫製物の上方の所定の針上位置に停止させることができる。
よって、所望する縫製パターンの縫い目を形成し終えるなど、一連の縫製動作を終えたことに伴い、自動的にミシン針が直前針上位置よりも上方の所定の針上位置に停止することによって、被縫製物をミシン針の下から取り出したり、ミシン針の下に被縫製物を配置したりする場合に、被縫製物をミシン針に引っ掛かけるなど接触させて、傷つけてしまうようなトラブルを低減することができる。
また、縫製パターンにおける最終の縫い工程以外の各縫い工程の縫製を終えるように、各縫い工程における所定の針数分の縫製を終えたことに基づき、ミシン針の先端部が被縫製物の直前に近接する直前針上位置に停止させることができる。
よって、前の縫い工程を終え、次の縫い工程に移行する際に、自動的にミシン針が直前針上位置に停止することによって、作業者が、縫製途中である縫い工程間において、被縫製物の向きを回転させるようにして縫製方向の変更を行う際に、ミシン針が直前針上位置に位置するので、ミシン針の先端部を被縫製物の針落ち位置にスムーズに位置合わせしやすくなる。
従って、縫製途中に被縫製物の向きを変えた後、次の縫い工程を進める際に、前の縫い工程における最後の針落ち点にミシン針を容易に位置合わせすることができる。そして、被縫製物の向きを変える前後において、所定の針落ち点にミシン針が針落ちするように縫い目を形成することにより、縫い目形状の見栄えをよくすることができる。
請求項3記載の発明によれば、2本針ミシンにおいて、設定手段により、直前針上位置を設定することができ、ミシン針が直前針上位置に停止する回転角度位置を設定することができる。
つまり、直前針上位置に対応する回転角度位置を調整することにより、ミシン針が直前針上位置に停止する際の被縫製物からの高さ、被縫製物とミシン針の先端部との距離を調節することができる。そして、被縫製物の厚みや、作業者の縫製作業のしやすさなどに応じて、ミシン針が停止する直前針上位置を調節することができる。
請求項4記載の発明によれば、2本針ミシンにおいて、直前針上位置個別設定手段により、直前針上位置を各縫製パターン毎に個別に設定することができ、ミシン針が直前針上位置に停止する回転角度位置を設定することができる。そして、設定された直前針上位置や、直前針上位置に対応する回転角度位置を、縫製パターン記憶手段に縫製パターン毎に個別に記憶することができる。
つまり、直前針上位置に対応する回転角度位置を調整することにより、ミシン針が直前針上位置に停止する際の被縫製物からの高さ、被縫製物とミシン針の先端部との距離を調節することができる。そして、被縫製物の厚みや、作業者の縫製作業のしやすさなどに応じて、ミシン針が停止する直前針上位置を調節することができる。
特に、直前針上位置を、各縫製パターン毎に個別に設定し記憶することができるので、各縫製パターンにより縫製される被縫製物の厚さが異なる場合に、縫製パターンを選択するだけで直前針上位置を自動的に変更でき、縫製パターンを選択する都度直前針上位置を設定するという煩わしさを解消でき、縫製能率を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図1から図7に基づいて説明する。
本実施形態におけるミシン100は、1本の針棒に支持されている2本のミシン針により、2条の縫い目を形成する2本針ミシンである。
そして、ミシン100は、例えば、図7(a)に示すように、生地CにタグTなどを縫い付ける縫製等に使用される。この場合、そのタグTの四辺に対し、それぞれ縫製ステップS1、S2、S3、S4に対応する縫製を施すことにより、タグTを生地Cに縫い付けるようになっており、各縫製ステップ間であるタグTの角部にミシン針(3L、3R)が位置する状態において縫製動作を一時停止し、作業者が生地CやタグTの向きを変えた後にミシンを始動するようにして、全ての縫製ステップを実行するようになっている。
(実施形態1)
ミシン100は、図1に示すように、ミシンモータ1と、ミシンモータ1により回転駆動されるミシン主軸2と、ミシン主軸2の回転駆動により上下動する針棒3と、針棒3に交換可能に備えられる2本のミシン針3L、3Rと、ミシン100に対する操作入力を行うための操作パネル5と、手動操作することにより針棒3を上下動させるプーリ6等を有している。
また、ミシン100は、図2に示すように、ミシン主軸2を回転駆動させるミシンモータ1と、ミシンモータ1に備えられてミシンモータの回転数を検出するエンコーダ1aと、ミシンモータ1の駆動により上下動するミシン針3L、3Rの位置を検出する針位置検出器7と、ミシン100を操作するためのミシンペダル8と、上糸や下糸などのミシン糸を切断する糸切り装置9と、ミシン100に対する操作入力を行うための操作パネル5と、上記各部の動作を制御する制御部10等を備えている。
そして、ミシン100のミシンフレーム100a内に、動力伝達機構であるミシンモータ1やミシン主軸2及び図示しない下軸等が配置されている。ミシン主軸2はミシンアーム部の内部に配され、下軸(図示省略)はミシンベッド部の内部に配されている。
ミシン主軸2は、ミシンモータ1に接続され、このミシンモータ1により回動力が付与される。また、下軸(図示省略)は、図示しない縦軸を介してミシン主軸2と連結しており、ミシン主軸2が回動すると、そのミシン主軸2の動力が縦軸(図示省略)を介して下軸側へ伝達され、下軸が回動するようになっている。
ミシン主軸2の前端には、針棒駆動機構4を介し、ミシン主軸2の回動により上下動する針棒3が接続されており、その針棒3の下端にはミシン針3L、3Rが設けられている。また、下軸(図示省略)の前端には、釜(図示省略)が設けられている。
そして、ミシン主軸2とともに下軸が回動すると、ミシン針3L、3Rと釜(図示省略)との協働により、糸供給源から供給されてミシン針3L、3Rに挿通される上糸と、図示しない釜を介し供給される下糸とにより、被縫製物に縫い目が形成されるようになっている。
なお、ミシンモータ1、ミシン主軸2、針棒3、ミシン針3L,3R、下軸(図示省略)、釜(図示省略)等の接続構成は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
ミシンモータ1は、ミシンペダル8の操作に基づいて、後述する制御部10(CPU10a)から駆動回路を介して送られる駆動制御信号に基づき、ミシン主軸2を回転させる。
このミシン主軸2は、針棒駆動機構4を介して針棒3と連結されている。そして、ミシンモータ1によりミシン主軸2が回転されると針棒3がミシンの載置面100bに対して上下に往復運動し、その針棒3の運動に伴い針棒3の先端に備えられたミシン針3L、3Rが往復移動して、載置面100bに載置される被縫製物を縫い合わせるように運針駆動する。
プーリ6は、手動の操作により回すことができ、このプーリ6を手回しすることにより、ミシン主軸2を回転させるとともに、針棒3を上下動させることができ、針棒3に備えられるミシン針3L、3Rの位置、高さを調整することができる。
エンコーダ1aは、一周360°回転するミシン主軸2の回転角度を検知するようになっており、例えば、ミシン主軸2が1°回転するごとに、パルス信号を制御部10(CPU10a)に出力する。
針位置検出器7は、一周360°回転するミシン主軸2の所定の回転角度を検知するようになっており、例えば、ミシン主軸2が0°の位置にあることを検知することに伴い、ミシン針3L、3R(針棒3)が上死点に位置することを検出し、また、ミシン主軸2が180°回転した位置にあることを検知することに伴い、ミシン針3L、3R(針棒3)が下死点に位置することを検出するようになっている。そして、針位置検出器7は、ミシン主軸2の所定の回転角度位置を検知したことに伴い検出したミシン針3L、3Rの位置を制御部10(CPU10a)に出力する
なお、このエンコーダ1aと針位置検出器7とが協働することにより、ミシンモータ1により回転されるミシン主軸2の回転角度位置を検出する主軸位置検出手段として機能するようになっている。
例えば、図3に示すように、後述する制御部10は、針位置検出器7が、ミシン針3L、3R(針棒3)が下死点に位置するタイミングであるミシン主軸2が180°回転した位置にあることを検知したことに伴い針下位置検知信号を制御部10に出力した後、エンコーダ1aが制御部10に出力したパルス信号の数に基づき、制御部10がミシン主軸2の回転角度位置を認識するようになっている。
つまり、ミシン100において、ミシン針3L、3Rが停止する所定の位置である、後述する退避位置や近接位置に対応するミシン主軸2の回転角度位置を検出し、その位置でミシン主軸2の回転を停止させるように、ミシンモータ1の駆動が停止するようになっている。
ミシンペダル8は、作業者がミシン100を操作するための操作スイッチである。このミシンペダル8は、ミシンペダル8が操作された動きを電気信号に変換する入力回路を介し、作業者のペダルの踏み込み操作や、その踏み込み量に応じて、起動、駆動速度、停止等の指令を駆動入力信号として後述する制御部10(CPU10a)に出力し、ミシン100を駆動させる。
特に、ミシンペダル8は、所定の軸を軸線とするように揺動可能に備えられるとともに、そのミシンペダル8には、図示しないばね部材などが備えられており、ミシンペダル8に踏み込みなどの力が作用しない際には、そのばね部材の弾性力などによって、ミシンペダル8は基準位置である中立位置に復帰可能となっている。
そして、ミシンペダル8は、前側に踏み込まれ、前踏み位置に揺動操作されたことに基づき、ミシンモータ1を駆動させてミシン主軸2を回転させることで、針棒3(ミシン針3L、3R)を上下動させる駆動信号を制御部10に出力する。
一方、ミシンペダル8は、後側に踏み込まれ、踏み返し位置に揺動操作されたことに基づき、ミシン針3L、3Rが載置面100b(被縫製物)の上方における所定の針上位置である退避位置に停止するように、ミシン主軸2の回転を停止させる縫製終了停止信号を制御部10に出力するようになっている。
また、ミシンペダル8が、基準位置である中立位置に揺動操作されたことに基づき、ミシン針3L、3Rが退避位置より被縫製物に近接する直前針上位置である近接位置に停止し、2本のミシン針3L、3Rの先端部が被縫製物の直前に位置するように、ミシン主軸2の回転を停止させる縫製途中停止信号を制御部10に出力するようになっている。
糸切り装置9は、ミシン100において一連の縫製動作が終了したことに伴い、上糸や下糸を図示しないメスにより切断する装置であり、特に、所定の縫製を終了してミシン針3L、3Rが退避位置に停止する際や、各縫製パターンにおける最終縫製ステップ(最終縫い工程)の縫製終了後に動作し、上糸や下糸を切断するようになっている。
操作パネル5は、図2に示すように、LCDなどの表示装置とその表示装置の表面に設けられたタッチパネルとにより構成される液晶パネル5aと、所定の操作入力を行うための操作スイッチ5bと、操作パネル5を統括制御するCPU50aと、操作パネル5に関する各種データ等を記憶するROM50bと、操作パネル5に関するワークエリアとして使用され各種処理データを一時的に記憶するRAM50c等を備えており、設定手段の一部として機能する。
液晶パネル5aの表示装置は、CPU50aを介して出力される種々の縫製情報(例えば、ミシン針3L、3Rが退避位置に停止する際の載置面100b(被縫製物)からの高さや、その退避位置に対応するミシン主軸2の角度や回転角度位置、また、ミシン針3L、3Rが近接位置に停止する際の載置面100b(被縫製物)からの高さや、その近接位置に対応するミシン主軸2の角度や回転角度位置等)や、各種スイッチ(設定スイッチ、入力スイッチ)等を表示する。
液晶パネル5aのタッチパネルは、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号としてCPU50aに出力する。
操作スイッチ5bは、操作パネル5を操作するための各種スイッチからなり、液晶パネル5aにおける表示画面の切り替えを行うスイッチや、ミシン100の制御部10と各種データの送受を行う際のスイッチ等を有している。
CPU50aは、操作パネル5を統括制御するとともに、操作パネル5において設定された縫製に関する各種データ(例えば、ミシン針3L、3Rが退避位置や近接位置に停止する際の載置面100b(被縫製物)からの高さや、それら位置に対応するミシン主軸2の角度や回転角度位置)をミシン100の制御部10に出力する。
ROM50bは、操作パネル5に関する各種データ、特に、ミシン針3L、3Rが停止する際の高さやその高さに応じたミシン主軸2の角度や回転角度位置を設定するためのプログラムや、縫製に関するデータを記憶する。
RAM50cは、例えば、新たな縫製データを設定する際に、その縫製に関する各種データを一時的に記憶する。
そして、設定手段としての操作パネル5において、入力されて設定された縫製に関するデータ(ミシン針3L、3Rが停止する際の高さやその高さに応じたミシン主軸2の角度や回転角度位置に関するデータ)が、CPU50aを介してミシン100の制御部10に出力され、後述するEEPROM10dに記憶されるようになっている。
例えば、ミシン針3L、3Rが退避位置に停止する際のミシン主軸2の回転角度が「50°」と設定され、ミシン針3L、3Rが近接位置に停止する際のミシン主軸2の回転角度が「80°」と設定されて、EEPROM10dに記憶されていることによって、ミシン針3L、3Rが被縫製物の上方に退避する退避位置に停止し、また、ミシン針3L、3Rの先端部が退避位置よりも被縫製物に近接する近接位置に停止することができるようになっている。
なお、近接位置は、被縫製物の布厚に応じて、その被縫製物にミシン針3L、3Rが突き刺さる寸前に、ミシン針3L、3Rが位置するように回転角度に設定することが好ましい。
制御部10は、CPU10aと、ROM10bと、RAM10cと、EEPROM10dと、を備えている。
CPU10aは、ミシンペダル8から入力される駆動入力信号や、操作パネル5から入力される各種信号やデータに応じて、ROM10bに格納されている2本針ミシン用の各種制御プログラムと、ROM10bやEEPROM10dに記憶されている縫製に関するデータに従って各部の動作を集中制御し、その処理結果をRAM10c内のワークエリアに格納する。そして、RAM10cに格納した処理結果をEEPROM10dに記憶させる。
ROM10bには、ミシン100の制御プログラムや制御データ、各種縫製に関するデータが書き込まれ、記憶されている。
RAM10cには、種々のワークメモリやカウンタなどが設けられており、縫製動作中のワークエリアとして使用される。
EEPROM10dは、操作パネル5において設定されて、CPU50aなどを介して入力された、ミシン針3L、3Rが退避位置に停止する際のミシン主軸2の回転角度位置(例えば、回転角度50°)や、ミシン針3L、3Rが近接位置に停止する際のミシン主軸2の回転角度位置(例えば、回転角度80°)を記憶する。
そして、制御部10は、エンコーダ1aが出力するパルス信号に基づき、ミシンモータ1の回転数を検出するとともに、検出したミシンモータ1の回転数から針棒3が上下動(上下一往復)した回数である針数を検出する。
また、制御部10は、針位置検出器7が、ミシン針3L、3R(針棒3)が下死点や上死点に位置するタイミングであるミシン主軸2の回転角度位置(例えば、回転角度180°(下死点)、0°(上死点))を検知したことに伴う検知信号の入力後、エンコーダ1aが出力するパルス信号を所定数検知することに基づき、退避位置や近接位置に対応するミシン主軸2の回転角度位置(例えば、回転角度50°(退避位置)、80°(近接位置))を認識する制御を行う。
また、制御部10は、ミシンペダル8が前踏み位置に揺動操作されたことに基づき、ミシンモータ1を駆動させることでミシン主軸2を回転させ、また、ミシンペダル8が前踏み位置に揺動操作された後において、ミシンペダル8が踏み返し位置に揺動操作されたことと、ミシンペダル8が中立位置に揺動操作されたことに基づき、ミシンモータ1の駆動を停止させることでミシン主軸2の回転を停止させる、モータ駆動制御手段として機能する。
特に、モータ駆動制御手段としての制御部10は、ミシンペダル8が踏み返し位置に揺動操作されたことによって出力される縫製終了停止信号に基づき、ミシン針3L、3Rが載置面100b上に載置される被縫製物の上方に退避する退避位置に停止するように、主軸位置検出手段であるエンコーダ1aと針位置検出器7とにより検出されるミシン主軸2の回転角度位置がその退避位置に対応する縫製終了位置(例えば、回転角度50°)となるようにミシンモータ1の駆動を停止させる。
また、モータ駆動制御手段としての制御部10は、ミシンペダル8が中立位置に揺動操作されたことによって出力される縫製途中停止信号に基づき、ミシン針3L、3Rが退避位置よりも被縫製物に近接する近接位置に停止するように、主軸位置検出手段であるエンコーダ1aと針位置検出器7とにより検出されるミシン主軸2の回転角度位置が近接位置に対応する縫製途中位置(例えば、回転角度80°)となるようにミシンモータ1の駆動を停止させる。
なお、ミシン針3L、3Rが停止する退避位置とは、ミシン針3L、3Rの先端部が載置面100b上から離れた位置であり、載置面100b上で被縫製物を取り扱う際に、被縫製物をミシン針3L、3Rの先端部に引っ掛けるなど接触させ難い位置である。
また、ミシン針3L、3Rが停止する近接位置とは、ミシン針3L、3Rの先端部が退避位置よりも載置面100bに近付く位置であり、ミシン針3L、3Rの先端部を被縫製物の直前に近接させることで、ミシン針3L、3Rを被縫製物における所定の針落ち点(針落ち位置)に位置合わせしやすい位置である。
また、制御部10は、ミシン針3L、3Rが停止する際の載置面100bからの高さを調整するように、その高さに対応する回転角度位置を設定する設定手段として機能し、特に、ミシン針3L、3Rが近接位置に停止する際の縫製途中位置に対応する回転角度位置を設定する設定手段の一部として機能する。
次に、ミシン100における縫製動作について、図4に示すフローチャートに基づき説明する。
まず、ミシン100の主電源がONにされたことに基づき、ミシン100の制御部10は、EEPROM10dに記憶されている、ミシン針3L、3Rが停止する退避位置に対応するミシン主軸2の回転角度位置である縫製終了位置の回転角度(例えば、回転角度50°)や、ミシン針3L、3Rが停止する近接位置(直前針上位置)に対応するミシン主軸2の回転角度位置である縫製途中位置の回転角度(例えば、回転角度80°)を読み込み、RAM10cに一時的に格納する(ステップS101)。
次いで、制御部10は、ミシンペダル8が前踏み(前踏み位置への揺動操作)されたか否かを判断する(ステップS102)。
制御部10が、ミシンペダル8が前踏みされたと判断すると(ステップS102;Yes)、ミシンモータ1に駆動制御信号を出力してミシンモータ1を駆動させて、ミシン主軸2を回転駆動させる(ステップS103)。そして、ミシン主軸2は、ミシンペダル8の踏み込み量に応じた回転速度で回転し、その回転速度に応じた縫い速度でミシン針3L、3R(針棒3)が上下動し、縫い目を形成する縫製動作を行う。
次いで、制御部10は、ミシンペダル8が後踏み(踏み返し位置への揺動操作)されたか否かを、ミシンペダル8から縫製終了停止信号が出力されたか否かにより判断する(ステップS104)。
制御部10が、ミシンペダル8が後踏みされたと判断すると(ステップS104;Yes)、ステップS111へ進み、ミシン100の縫製動作の終了処理を行う。
一方、制御部10が、ミシンペダル8が後踏みされていないと判断すると(ステップS104;No)、制御部10は、ミシンペダル8が、揺動操作されて中立位置に位置するか否かを、ミシンペダル8から縫製途中停止信号が出力されたか否かにより判断する(ステップS105)。
制御部10が、ミシンペダル8が中立位置にないと判断すると(ステップS105;No)、ステップS103へ戻る。
一方、制御部10が、ミシンペダル8が中立位置にあると判断すると(ステップS105;Yes)、制御部10は、ミシンモータ1の駆動を停止させるためのミシンモータ減速信号を出力する(ステップS106)。そして、制御部10は、ミシンモータ1が即時停止できる所定の低速度回転に低下したか否かを判断する(ステップS107)。
制御部10が、ミシンモータ1が即時停止できる所定の低速度回転に低下したと判断すると(ステップS107;Yes)、制御部10は、ミシン主軸2の回転角度位置が縫製途中位置(近接位置)に対応する回転角度(例えば、回転角度80°)に達したか否かを判断する(ステップS108)。
制御部10が、ミシン主軸2の回転角度位置が縫製途中位置(近接位置)の回転角度(例えば、回転角度80°)に達したと判断すると(ステップS108;Yes)、制御部10は、ミシン針3L、3Rが近接位置に停止するように、ミシンモータ1の駆動を停止する(ステップS109)。
そして、作業者は、ミシン100の縫製動作が一時停止している間に被縫製物の向きを回転させるようにして、縫製方向の変更を行う。この際、ミシン針3L、3Rが近接位置に停止しているので、ミシン針の先端部が被縫製物の直前に位置し、ミシン針の針先(先端部)を被縫製物の針落ち位置に位置合わせしやすくなっている。そのため、被縫製物の向きを変えた後でも、一時停止前の針落ち点にミシン針を容易に位置合わせすることができる。
具体的には、例えば、図7(b)に示すように、図中、上側から下側へ向かう縫製を行い、針落ち点Pにミシン針3Rが位置する際に、ミシン100の縫製動作を一時停止させ、ミシン針3L、3Rが近接位置に停止するようにする。そして、次に図中、右側から左側へ向かう縫製を行うために作業者が被縫製物の向きを回転させるようにして変えた後、ミシン針3Rが針落ち位置Pに針落ちするように位置合わせ行う。この際、ミシン針3L、3Rの針先(先端部)は被縫製物に近接しているので位置合わせしやすい。
このように、被縫製物の向きを変える前後において、針落ち点Pにミシン針3Rが針落ちするように縫い目を形成することにより、縫い目形状の見栄えをよくすることができる。
次いで、制御部10は、ミシンペダル8が前踏み位置へ揺動操作されたか否かを判断し(ステップS110)、制御部10が、ミシンペダル8が前踏みされたと判断すると(ステップS110;Yes)、ステップS103に戻る。
ステップS111において、制御部10は、ミシンモータ1の駆動を停止させるためのミシンモータ減速信号を出力する(ステップS111)。そして、制御部10は、ミシンモータ1が即時停止できる所定の低速度回転に低下したか否かを判断する(ステップS112)。
制御部10が、ミシンモータ1が即時停止できる所定の低速度回転に低下したと判断すると(ステップS112;Yes)、制御部10は、ミシン主軸2の回転角度位置が縫製終了位置(退避位置)に対応する回転角度(例えば、回転角度50°)に達したか否かを判断する(ステップS113)。
制御部10が、ミシン主軸2の回転角度位置が縫製終了位置(退避位置)の回転角度(例えば、回転角度50°)に達したと判断すると(ステップS113;Yes)、制御部10は、ミシン針3L、3Rが近接位置(直前針上位置)よりも上方の所定の針上位置である退避位置に停止するように、ミシンモータ1の駆動を停止する(ステップS114)。
この際、ミシン針3L、3Rの先端部が被縫製物から離れた位置となるように、ミシン針3L、3Rは退避位置に停止しているので、被縫製物をミシン針の先端部に引っ掛けて傷つけることなく、載置面100bから取り出すことができる。
そして、制御部10は、糸切り装置9に糸切り動作させ(ステップS115)、ミシン100の縫製動作を終了する。
このように、本発明に係るミシン100において、ミシンペダル8を前踏み位置に揺動操作することにより、ミシンモータ1を駆動させて、ミシン主軸2を回転駆動させることにより、ミシン針3L、3R(針棒3)を上下動させ、縫い目を形成する縫製動作を行うことができる。
そして、ミシン100のミシンペダル8を踏み返し位置に揺動操作することによって出力される縫製終了停止信号に基づき、ミシン針3L、3Rを載置面100b上に載置される被縫製物の上方の退避位置に停止させることができる。
よって、所望する縫い目を形成し終えるなど、一連の縫製動作を終えた際に、ミシンペダル8を後踏みして踏み返し位置に揺動操作し、ミシン針3L、3Rを退避位置に停止させることによって、載置面100b上の被縫製物をミシン針の下から取り出したり、ミシン針の下の載置面100b上に被縫製物を配置したりする場合に、被縫製物をミシン針3L、3Rに引っ掛かけるなど接触させて、傷つけてしまうようなトラブルを低減することができる。
また、ミシン100のミシンペダル8を中立位置に揺動操作し、ミシンペダル8を中立位置に位置させることによって出力される縫製途中停止信号に基づき、ミシン針3L、3Rが被縫製物に近接する近接位置に停止させることができる。
よって、作業者が、縫製途中にミシン100の縫製動作を一時停止させて、被縫製物の向きを回転させるようにして縫製方向の変更を行う際に、ミシン針3L、3Rを近接位置に停止させることによって、ミシン針3L、3Rの先端部を被縫製物の針落ち位置にスムーズに位置合わせしやすくなる。
従って、被縫製物の向きを変えた後でも、一時停止前の針落ち点にミシン針を容易に位置合わせすることができる。そして、被縫製物の向きを変える前後において、所定の針落ち点にミシン針が針落ちするように縫い目を形成することにより、縫い目形状の見栄えをよくすることができる。
(実施形態2)
次に、本発明に係るミシン100の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態2におけるミシン100は、針数によって規定される縫製ステップが複数組み合わされてなる縫製パターンが複数記憶され、選択された縫製パターンの縫製処理を実行するミシンであって、各縫製ステップの縫製を実行する毎に縫製動作を停止し、ミシンの始動操作に基づいて次の縫製ステップを実行するようになっている。
操作パネル5は、縫製パターン選択手段や、直前針上位置個別設定手段の一部として機能する。
操作パネル5の液晶パネル5aの表示装置は、CPU50aから出力される種々の縫製情報(例えば、選択されている縫製パターンの番号、縫製パターンにおける縫製ステップ(縫い工程)番号、縫い目形状の種類、各縫製ステップ(縫い工程)における針数、各縫製ステップ(縫い工程)毎のミシン針の停止高さ等)や各種スイッチ(設定スイッチ、入力スイッチ)等を表示する。また、液晶パネル5aのタッチパネルは、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号としてCPU50aに出力する。
操作パネル5の操作スイッチ5bは、操作パネル5を操作するための各種スイッチからなり、液晶パネル5aにおける縫製パターンの設定画面や、縫製パターンに関する縫製情報の表示画面等の切り替えを行うスイッチや、ミシン100の制御部10と各種データの送受を行う際のスイッチ等を有している。
CPU50aは、操作パネル5を統括制御するとともに、操作パネル5において設定された縫製パターンに関する各種データをミシン100の制御部10に出力する。
ROM50bは、操作パネル5に関する各種データ、特に、縫製パターンを設定するためのプログラムや、縫製パターンに関するデータを記憶する。
RAM50cは、例えば、新たな縫製パターンを設定する際に、その縫製パターンに関する各種データを一時的に記憶する。
そして、操作パネル5において、縫製パターンの番号、各縫製パターンにおける縫製ステップ(縫い工程)数、縫い目形状の種類、各縫製ステップ(縫い工程)における針数、各縫製ステップ(縫い工程)終了時のミシン針の停止高さ等が入力され、設定された縫製パターンに関するデータが、CPU50aを介してミシン100の制御部10に出力され、後述するEEPROM10dに記憶されるようになっている。
ここで、図5に示す、操作パネル5の一例に基づき、縫製パターンについて説明する。
操作パネル5の液晶パネル5aには、縫製パターンを特定する縫製パターン番号51(図中、縫製パターンNo.7)、その各縫製パターンにおける縫製ステップ(縫い工程)番号52(図中、縫製ステップ「1」)、縫い目形状の種類(例えば、普通縫い、千鳥縫い、スカラップ等)を特定する縫い目形状の番号53(図中、No.3(普通縫い))、その縫製ステップ(縫い工程)における針数54(図中、針数「500」)、その縫製ステップ(縫い工程)終了時のミシン針の停止高さを指定するミシン主軸2の回転角度55(図中、「80°」)等が表示されている。
そして、例えば、縫製パターン「No.7」は、縫製ステップS1からS4の4つのステップ(4工程)からなる普通縫いに関する縫製パターンを示すものであり、縫製ステップS1からS3の縫製終了時には、ミシン主軸2の回転角度が「80°」となる位置であり、ミシン針3L、3Rの先端部が被縫製物に近接する近接位置にミシン針が停止し、縫製ステップS4の縫製終了時には、ミシン主軸2の回転角度が「50°」となる位置であり、ミシン針3L、3Rが被縫製物の上方に退避する退避位置に停止するようになっている。
制御部10のCPU10aは、ミシンペダル8から入力される駆動入力信号や、操作パネル5から入力される各種信号やデータに応じて、ROM10bに格納されている2本針ミシン用の各種制御プログラムと、ROM10bやEEPROM10dに記憶されている縫製パターンのデータに従って各部の動作を集中制御し、その処理結果をRAM10c内のワークエリアに格納する。そして、RAM10cに格納した処理結果をEEPROM10dに記憶させる。
制御部10のROM10bには、ミシン100の制御プログラムや制御データ、各種縫製に関するデータが書き込まれ、記憶されている。特に、ROM10bは縫製パターン記憶手段として、予め設定されている、複数の針数を有する縫製ステップ(縫い工程)が複数組み合わされてなる縫製パターンを複数記憶する。
RAM10cには、種々のワークメモリやカウンタなどが設けられており、縫製動作中のワークエリアとして使用される。また、縫製パターンに関するデータの選択処理等における各種データもRAM10cに一時的に記憶される。
EEPROM10dは、縫製パターン記憶手段として、操作パネル5において設定されて、CPU50aなどを介して入力された、複数の針数を有する縫製ステップ(縫い工程)が複数組み合わされてなる縫製パターンを複数記憶する。また、EEPROM10dは、直前針上位置個別設定手段により設定された直前針上位置である近接位置に関する回転角度位置などのデータを縫製パターン毎に個別に記憶する。
そして、制御部10は、操作パネル5を介して縫製パターンを特定する縫製パターン番号が入力されたことに基づき、ROM10bやEEPROM10dに記憶されている縫製パターンを特定して選択し、その縫製パターンに基づく縫製を実行するための縫製パターン選択手段の一部として機能する。
また、制御部10は、縫製パターン選択手段としての制御部10に選択された縫製パターンに基づく縫製を実行する際に、現在実行している縫製パターンの縫製ステップ(縫製工程)が最終の縫製ステップ(縫製工程)であるか否かを判断する最終工程判断手段として機能する。
そして、最終工程判断手段としての制御部10によって、現在縫製を実行している縫製パターンにおける縫製ステップ(縫製工程)が、最終の縫製ステップ(縫製工程)であると判断された場合は、モータ駆動制御手段としての制御部10によって2本のミシン針3L、3Rは近接位置(直前針上位置)よりも上方の所定の針上位置である退避位置に停止されるようになっている。
また、最終工程判断手段としての制御部10によって、現在縫製を実行している縫製パターンにおける縫製ステップ(縫製工程)が、最終の縫製ステップ(縫製工程)でないと判断された場合は、モータ駆動制御手段としての制御部10によって2本のミシン針3L、3Rの先端部が被縫製物直前に位置するように、近接位置に停止されるようになっている。
また、制御部10は、ミシンペダル8が前踏み位置に揺動操作されたことに基づき、縫製パターン選択手段により選択された縫製パターンの縫製ステップ(縫い工程)に応じてミシンモータ1を駆動させることでミシン主軸2を回転させ、また、その縫製パターンにおける縫製ステップ(縫い工程)毎に、その縫製ステップ(縫い工程)が終了する際にミシンモータ1の駆動を停止させることでミシン主軸2の回転を自動的に停止させる、モータ駆動制御手段として機能する。
特に、モータ駆動制御手段としての制御部10は、複数の針数を有する縫製ステップ(縫い工程)が複数組み合わされてなる縫製パターンに基づく縫製を実行する際に、ミシンペダル8が前踏み位置に揺動操作されたことに伴い、各縫製ステップにおいて設定された針数分の縫製を行う。
そして、最終工程判断手段としての制御部10の判断に基づき、モータ駆動制御手段としての制御部10は、その縫製パターンにおける最終の縫製ステップ(縫い工程)の後に、ミシン針3L、3Rが載置面100b上に載置される被縫製物の上方に退避する退避位置に停止するように、主軸位置検出手段であるエンコーダ1aと針位置検出器7とにより検出されるミシン主軸2の回転角度位置がその退避位置に対応する縫製終了位置(例えば、回転角度50°)となるようにミシンモータ1の駆動を停止させる。
また、最終工程判断手段としての制御部10の判断に基づき、モータ駆動制御手段としての制御部10は、その縫製パターンにおける最終以外の縫製ステップ(縫い工程)の後に、ミシン針3L、3Rが退避位置よりも被縫製物に近接する近接位置に停止するように、主軸位置検出手段であるエンコーダ1aと針位置検出器7とにより検出されるミシン主軸2の回転角度位置が近接位置に対応する縫製途中位置(例えば、回転角度80°)となるようにミシンモータ1の駆動を停止させる。
つまり、実施形態2における、モータ駆動制御手段としての制御部10は、複数の針数を有する縫製ステップ(縫い工程)が複数組み合わされてなる縫製パターンに基づく縫製を実行する際に、各縫製ステップにおいて設定された針数分の縫製を行った後に、ミシンモータ1が停止することにより、ミシン針3L、3Rが所定の位置に停止するようになっている。そして、その縫製パターンにおける最終の縫製ステップ(縫い工程)の後には、ミシン針3L、3Rは退避位置に停止し、その縫製パターンにおける最終以外の縫製ステップ(縫い工程)の後には、ミシン針3L、3Rは退避位置よりも被縫製物に近接する近接位置に停止するようになっている。
なお、実施形態1のモータ駆動制御手段としての制御部10のように、ミシンペダル8を踏み返し位置へ揺動操作することや、中立位置へ揺動操作することにより、ミシン針3L、3Rを所定の位置に停止させることを併用してもよい。それによって、糸切れなど、縫製途中の何らかの不具合やトラブルの発生時に、縫製動作を一時停止させることができる。
また、制御部10は、ミシン針3L、3Rが停止する際の載置面100bからの高さを調整するように、その高さに対応する回転角度位置を設定する直前針上位置個別設定手段として機能し、特に、ミシン針3L、3Rが近接位置に停止する際の縫製途中位置に対応する回転角度位置などのデータを縫製パターン毎に個別に設定する設定手段の一部として機能する。
次に、実施形態2におけるミシン100の縫製動作について、図6に示すフローチャートに基づき説明する。
まず、ミシン100の主電源がONにされたことに基づき、ミシン100の制御部10は、縫製ステップ(縫い工程)をカウントするための縫製ステップ数Sを「S=1」と初期設定し、また、各縫製ステップ(縫い工程)における針数をカウントするための工程針数Nを「N=0」と初期設定する(ステップS201)。
次いで、制御部10は、縫製パターン選択手段により選択された縫製パターンとして、EEPROM10dに記憶されている、その縫製パターンにおける総工程数(全縫製ステップ数)Tや、ミシン針3L、3Rが停止する退避位置に対応するミシン主軸2の回転角度位置である縫製終了位置の回転角度(例えば、回転角度50°)や、ミシン針3L、3Rが停止する近接位置(直前針上位置)に対応するミシン主軸2の回転角度位置である縫製途中位置の回転角度(例えば、回転角度80°)を読み込み、RAM10cに一時的に格納する(ステップS202)。
次いで、制御部10は、縫製パターン選択手段により選択された縫製パターンにおける、S番目の縫製ステップとして設定されている針数Mを、EEPROM10dから読み込み、RAM10cに一時的に格納する(ステップS203)。
次いで、制御部10は、ミシンペダル8が前踏み(前踏み位置への揺動操作)されたか否かを判断する(ステップS204)。
制御部10が、ミシンペダル8が前踏みされたと判断すると(ステップS204;Yes)、ミシンモータ1に駆動制御信号を出力してミシンモータ1を駆動させて、ミシン主軸2を回転駆動させる(ステップS205)。そして、ミシン主軸2は、ミシンペダル8の踏み込み量に応じた回転速度で回転し、その回転速度に応じた縫い速度でミシン針3L、3R(針棒3)が上下動し、縫い目を形成する縫製動作を行う。
次いで、制御部10は、ミシンペダル8が後踏み(踏み返し位置への揺動操作)されたか否かを判断する(ステップS206)。
制御部10が、ミシンペダル8が後踏みされたと判断すると(ステップS206;Yes)、ステップS216へ進み、ミシン100の縫製動作の終了処理を行う。
一方、制御部10が、ミシンペダル8が後踏みされていないと判断すると(ステップS206;No)、制御部10は、1針分、縫い目が形成されて針数が増えたものと、工程針数Nを「N=N+1」とカウントアップする(ステップS207)。
次いで、制御部10は、S番目の縫製ステップにおける工程針数Nが、S番目の縫製ステップとして設定されている針数Mと一致したか否かを判断する(ステップS208)。
制御部10が、S番目の縫製ステップにおける工程針数Nが、設定されている針数Mと一致しないと判断すると(ステップS208;No)、ステップS205に戻る。
一方、制御部10が、S番目の縫製ステップにおける工程針数Nが、設定されている針数Mと一致すると判断すると(ステップS208;Yes)、S番目の縫製ステップにおける針数分の縫製を終え、S番目の縫製ステップにおける縫製処理が終了したものと制御部10は判断し、ステップS209へ進む。
ステップS209において、制御部10は、縫製処理が終了したS番目の縫製ステップが、最終の縫製ステップであるT番目の縫製ステップであるか否かを判断する(ステップS209)。
制御部10が、S番目の縫製ステップは、最終ステップであるT番目の縫製ステップであると判断すると(ステップS209;Yes)、ステップS216へ進む。
一方、制御部10が、S番目の縫製ステップは、最終ステップであるT番目の縫製ステップでないと判断すると(ステップS209;No)、制御部10は、ミシンモータ1の駆動を停止させるためのミシンモータ減速信号を出力する(ステップS210)。そして、制御部10は、ミシンモータ1が即時停止できる所定の低速度回転に低下したか否かを判断する(ステップS211)。
制御部10が、ミシンモータ1が即時停止できる所定の低速度回転に低下したと判断すると(ステップS211;Yes)、制御部10は、ミシン主軸2の回転角度位置が縫製途中位置(近接位置)に対応する回転角度(例えば、回転角度80°)に達したか否かを判断する(ステップS212)。
制御部10が、ミシン主軸2の回転角度位置が縫製途中位置(近接位置)の回転角度(例えば、回転角度80°)に達したと判断すると(ステップS212;Yes)、制御部10は、ミシン針3L、3Rが近接位置に停止するように、ミシンモータ1の駆動を停止する(ステップS213)。
そして、作業者は、ミシン100の縫製動作が一時停止している間に被縫製物の向きを回転させるようにして、縫製方向の変更を行う。この際、ミシン針3L、3Rが近接位置に停止しているので、ミシン針の先端部は被縫製物の直前に位置し、ミシン針の針先(先端部)を被縫製物の針落ち位置に位置合わせしやすくなっている。そのため、被縫製物の向きを変えた後でも、一時停止前の針落ち点にミシン針を容易に位置合わせすることができる。
具体的には、例えば、図7(b)に示すように、図中、上側から下側へ向かう縫製ステップ(例えば、S1、S2,S3)に対応する縫製を行い、針落ち点Pにミシン針3Rが位置するタイミングで所定の針数分の縫製を終え、ミシン100の縫製動作を一時停止させるとともにミシン針3L、3Rが近接位置に停止するようにする。そして、次に図中、右側から左側へ向かう次の縫製ステップの縫製を行うために作業者が被縫製物の向きを回転させるようにして変えた後、ミシン針3Rが針落ち位置Pに針落ちするように位置合わせ行う。この際、ミシン針3L、3Rの針先(先端部)は被縫製物に近接しているので位置合わせしやすい。
このように、縫製ステップが切り替わることで被縫製物の向きを変える前後において、針落ち点Pにミシン針3Rが針落ちするように縫い目を形成することにより、縫い目形状の見栄えをよくすることができる。
そして、制御部10は、ひとつの縫製ステップが終了したことに伴い、次の縫製ステップに移行するため、縫製ステップ数Sを「S=S+1」とカウントアップし、また、次の縫製ステップにおける針数をカウントするための工程針数Nを「N=0」とリセットする(ステップS214)。
次いで、制御部10は、ミシンペダル8が前踏みの揺動操作がされたか否かを判断し(ステップS215)、制御部10が、ミシンペダル8が前踏みされたと判断すると(ステップS215;Yes)、ステップS203に戻る。
ステップS216において、制御部10は、ミシンモータ1の駆動を停止させるためのミシンモータ減速信号を出力する(ステップS216)。そして、制御部10は、ミシンモータ1が即時停止できる所定の低速度回転に低下したか否かを判断する(ステップS217)。
制御部10が、ミシンモータ1が即時停止できる所定の低速度回転に低下したと判断すると(ステップS217;Yes)、制御部10は、ミシン主軸2の回転角度位置が縫製終了位置(退避位置)に対応する回転角度(例えば、回転角度50°)に達したか否かを判断する(ステップS218)。
制御部10が、ミシン主軸2の回転角度位置が縫製終了位置(退避位置)の回転角度(例えば、回転角度50°)に達したと判断すると(ステップS217;Yes)、制御部10は、ミシン針3L、3Rが退避位置に停止するように、ミシンモータ1の駆動を停止する(ステップS219)。
この際、ミシン針3L、3Rの先端部が被縫製物から離れた位置となるように、停止しているので、被縫製物をミシン針の先端部に引っ掛けて傷つけることなく、載置面100bから取り出すことができる。
そして、制御部10は、糸切り装置9に糸切り動作させ(ステップS220)、ミシン100の縫製動作を終了する。
このように、本発明に係るミシン100において、ミシンペダル8を前踏み位置に揺動操作することにより、ミシンモータ1を駆動させて、ミシン主軸2を回転駆動させることにより、ミシン針3L、3R(針棒3)を上下動させ、縫製パターンに基づく縫い目を形成する縫製動作を行うことができる。
そして、縫製パターンにおける全ての縫製ステップに応じた縫製を終えるように、最終の縫製ステップの縫製を終えた後に出力される縫製終了停止信号に基づき、ミシン針3L、3Rを載置面100b上に載置される被縫製物の上方の退避位置に停止させることができる。
よって、所望する縫製パターンの縫い目を形成し終えるなど、一連の縫製動作を終えたことに伴い、自動的にミシン針3L、3Rが退避位置に停止することによって、載置面100b上の被縫製物をミシン針の下から取り出したり、ミシン針の下の載置面100b上に被縫製物を配置したりする場合に、被縫製物をミシン針3L、3Rに引っ掛かけるなど接触させて、傷つけてしまうようなトラブルを低減することができる。
また、縫製パターンにおける各縫製ステップの縫製を終えるように、各縫製ステップにおける所定の針数分の縫製を終えた後に出力される縫製途中停止信号に基づき、ミシン針3L、3Rを被縫製物に近接する近接位置に停止させることができる。
よって、前の縫製ステップを終え、次の縫製ステップに移行する際に、自動的にミシン針3L、3Rが近接位置に停止することによって、作業者が、縫製途中である縫製ステップ間において、被縫製物の向きを回転させるようにして縫製方向の変更を行う際に、ミシン針3L、3Rが近接位置に位置するので、ミシン針3L、3Rの先端部を被縫製物の針落ち位置にスムーズに位置合わせしやすくなる。
従って、被縫製物の向きを変えた後に次の縫製ステップを進める際に、前の縫製ステップにおける最後の針落ち点にミシン針を容易に位置合わせすることができる。そして、被縫製物の向きを変える前後において、所定の針落ち点にミシン針が針落ちするように縫い目を形成することにより、縫い目形状の見栄えをよくすることができる。
なお、以上の実施の形態においては、退避位置に対応するミシン主軸2の回転角度位置を回転角度50°、近接位置に対応するミシン主軸2の回転角度位置を80°としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、退避位置や近接位置に対応するミシン主軸2の回転角度位置(回転角度)は、任意の回転角度であってよく、被縫製物の布厚や、作業者の作業効率に応じて調整可能である。
また、縫製パターンにおける、最終の縫製ステップ(縫い工程)において、ミシン針3L、3Rを退避位置に停止させ、それ以外の縫製ステップ(縫い工程)において、ミシン針3L、3Rを近接位置に停止させることに限らず、各縫製ステップ毎にミシン針3L、3Rの高さ位置を設定するようにして、例えば、その縫製ステップにおける縫製箇所の布厚に応じた停止位置を定め、退避位置や近接位置を設定するようにしてもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明に係る2本針ミシンを示す外観概略図である。 本発明に係る2本針ミシンの要部構成を示すブロック図である。 エンコーダと針位置検出器が出力する信号の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態1におけるミシンの縫製動作を示すフローチャートである。 操作パネルにおける液晶パネルの表示例を示す説明図である。 本発明の実施形態2におけるミシンの縫製動作を示すフローチャートである。 2本針ミシンの縫製に関する説明図であり、一連の縫い目形成時の外観斜視図(a)と、その縫い目の角部の拡大図(b)である。
符号の説明
1 ミシンモータ
1a エンコーダ(主軸位置検出手段)
2 ミシン主軸
3 針棒
3L、3R ミシン針
5 操作パネル(縫製パターン選択手段、設定手段、直前針上位置個別設定手段)
5a 液晶パネル
5b 操作スイッチ
7 針位置検出器(主軸位置検出手段)
8 ミシンペダル
10 制御部(モータ駆動制御手段、設定手段、直前針上位置個別設定手段、縫製パターン選択手段、最終工程判断手段)
10a CPU
10b ROM(縫製パターン記憶手段)
10c RAM
10d EEPROM(縫製パターン記憶手段)
100 ミシン(2本針ミシン)
C 生地(被縫製物)
T タグ(被縫製物)
P 針落ち点

Claims (4)

  1. ミシン主軸を回転させて、そのミシン主軸に連結される針棒に支持される2本のミシン針を被縫製物に対して上下動させるミシンモータと、
    前記ミシンモータにより回転される前記ミシン主軸の回転角度位置を検出する主軸位置検出手段と、
    常には中立位置に位置し、操作により前踏み位置と踏み返し位置とに揺動操作されるミシンペダルと、
    前記ミシンペダルの前記中立位置から前記前踏み位置への揺動操作により前記ミシン主軸を回転させ、前記ミシンペダルの前記前踏み位置への揺動操作後における前記中立位置への揺動操作及び前記踏み返し位置への揺動操作により、前記主軸位置検出手段によって検出される回転角度位置に基づいて前記2本のミシン針の先端を前記被縫製物の上方に停止させるように前記ミシンモータを制御するモータ駆動制御手段と、を備える2本針ミシンにおいて、
    前記モータ駆動制御手段は、前記ミシンペダルの前記前踏み位置への揺動操作後に、前記ミシンペダルが前記中立位置に揺動操作された場合に前記2本のミシン針の先端を前記被縫製物直前の直前針上位置に停止させ、前記ミシンペダルが前記踏み返し位置に揺動操作された場合に前記2本のミシン針の先端を前記直前針上位置よりも上方の所定の針上位置に停止させるように前記ミシンモータを制御することを特徴とする2本針ミシン。
  2. ミシン主軸を回転させて、そのミシン主軸に連結される針棒に支持される2本のミシン針を被縫製物に対して上下動させるミシンモータと、
    前記ミシンモータにより回転される前記ミシン主軸の回転角度位置を検出する主軸位置検出手段と、
    常には中立位置に位置し、操作により前踏み位置と踏み返し位置とに揺動操作されるミシンペダルと、
    複数の針数を有する縫い工程が複数組み合わされてなる縫製パターンを複数記憶する縫製パターン記憶手段と、
    前記縫製パターン記憶手段に記憶されている複数の縫製パターンから所望する縫製パターンを選択する縫製パターン選択手段と、
    前記縫製パターン選択手段により選択された縫製パターンの縫い工程毎に、前記ミシンペダルの前記中立位置から前記前踏み位置への揺動操作により前記ミシン主軸を回転させ、当該縫い工程の縫製終了時に前記主軸位置検出手段によって検出される回転角度位置に基づいて前記2本のミシン針の先端を前記被縫製物の上方に自動停止させるように前記ミシンモータを制御するモータ駆動制御手段と、を備える2本針ミシンにおいて、
    前記ミシンペダルの前記前踏み位置への揺動操作による前記ミシン主軸の回転により縫製されている縫い工程が、最終の縫い工程であるか否かを判断する最終工程判断手段を備え、
    前記モータ駆動制御手段は、前記縫い工程毎に前記ミシン針の先端を前記被縫製物の上方に自動停止させる際に、前記最終工程判断手段によってその縫い工程が最終の縫い工程でないと判断された場合は、前記2本のミシン針の先端を前記被縫製物直前の直前針上位置に停止させ、前記最終工程判断手段によってその縫い工程が最終の縫い工程であると判断された場合は、前記2本のミシン針の先端を前記直前針上位置よりも上方の所定の針上位置に停止させるように前記ミシンモータを制御することを特徴とする2本針ミシン。
  3. 前記直前針上位置を設定する設定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の2本針ミシン。
  4. 前記直前針上位置を各縫製パターン毎に個別に設定する直前針上位置個別設定手段を備え、
    前記縫製パターン記憶手段は、前記直前針上位置個別設定手段により設定された前記直前針上位置を前記縫製パターン毎に個別に記憶することを特徴とする請求項2に記載の2本針ミシン。
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