JP2006191226A - 携帯無線機のアンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 室内外の多種多様な環境で発生するフェージングの環境下において端末が手で握られた状態においても十分な受信電力を確保する。
【解決手段】 ループアンテナとイヤホンケーブルアンテナとを組み合わせ、2つのアンテナの受信出力をダイバーシチ処理する。ループアンテナには可変整合回路を接続する。イヤホンケーブルアンテナの長さは略0.75λに定め、ループアンテナの長さは1λ以下にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば携帯電話端末やテレビ放送受信用の携帯端末のような小型の無線機に搭載されるアンテナ装置に関する。
携帯電話端末やテレビ放送受信用の携帯端末の場合には、室内外の多種多様な環境で使用されることになるため、受信電力の変動、すなわちフェージングの発生は避けられない。従って、良好な通信品質を確保するためには、フェージングが発生する環境下においても常に十分な大きさの受信電力を無線部に入力できるような対策が必要とされる。
また、携帯型の無線端末はその特性上、端末を人間の手で握った状態で使用することになるので、端末を人間の手で握った状態でも良好な通信品質を確保する必要がある。更に、端末本体の体積に大きな制約があり、そのような制約の下で対策を行う必要がある。
このような対策に関する従来技術としては、例えば特許文献1、特許文献2及び特許文献3の技術が知られている。
特許文献1においては、携帯無線端末の筐体にループアンテナを内蔵することを提案している。また、ループアンテナの各サイズや給電方法を工夫することにより、筐体に流れる電流を抑制し、筐体を手で握った場合や、携帯無線端末の近傍に人体が配置された場合でも、アンテナの指向性や反射損失などの性能劣化が少ないループアンテナを実現することを開示している。
特許文献2においては、音を聞くために用いるイヤホンのケース(イヤピース)内部にチップアンテナを設置し、このチップアンテナと端末の筐体側に設置した主アンテナとを用いてダイバーシチ受信を行うことを提案している。これにより、主アンテナとチップアンテナとの距離が十分に大きくなるため、主アンテナとチップアンテナとの相関が下がり効果的にダイバーシチ利得が得られる。なお、イヤホンのケーブルをアンテナとして利用する技術も知られている。
特許文献3においては、携帯無線端末の筐体外に設置したホイップアンテナと筐体内部に設置したループアンテナとを用いてダイバーシチを行う際に、ループアンテナの設置位置を筐体の中央部に限定することを提案している。これにより、アンテナ間の干渉が減少し、偏波特性の異なるアンテナの組み合わせにより一種の偏波ダイバーシチの効果を得ている。
特開2002−43826号公報 特開2001−251232号公報 特開2000−174553号公報
本発明は、室内外の多種多様な環境で発生するフェージングの環境下において、しかも端末が手で握られた状態においても十分な受信電力を確保することが可能な携帯無線機のアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明の携帯無線機のアンテナ装置は、無線機本体の筐体に内蔵される少なくとも1つのループ状の導電体で構成される第1のアンテナと、前記無線機本体と接続されるイヤホンケーブルに組み込まれた少なくとも1つの線状の導電体で構成される第2のアンテナと、前記第1のアンテナで受信された信号と前記第2のアンテナで受信された信号とを入力しダイバーシチ処理を実施した結果を前記無線機の受信入力に出力するダイバーシチ処理部とを備える。
上述の構成では、互いに種類が異なる第1のアンテナと第2のアンテナとを用いてダイバーシチ動作を行うので、フェージングの環境下においても十分な受信電力を確保することが可能である。特に、第1のアンテナはループアンテナであり磁界励振型の磁流アンテナとして動作し、第2のアンテナは電界励振型の線状アンテナであるため、第1のアンテナと第2のアンテナとは互いに指向性及び偏波特性が異なり、両者の受信信号の相関が小さくなるためダイバーシチ動作により効果的な受信特性が得られる。また、第2のアンテナはイヤホンケーブルに組み込まれるので長さの制約が少なく、通信周波数に適した長さのアンテナを構成することができる。
また、携帯無線機の場合には無線機本体の筐体が通信周波数の波長に比べて小さいため、第1のアンテナと第2のアンテナとの距離を大きくすることができず、アンテナ間の相関が大きくなる傾向にある。しかし、第1のアンテナ及び第2のアンテナとしてループアンテナとイヤホンケーブルアンテナとの組み合わせを用いる場合には、利用者が携帯無線機を握った状態で手が一種のアイソレータとして働き、アンテナ間の相関が小さくなるため、ダイバーシチ利得が向上する。
上述の構成において、可変インピーダンス素子を含む可変整合回路を前記第1のアンテナに接続することができる。
第1のアンテナはループアンテナであるため共振周波数の帯域が狭く、受信可能な周波数帯域が狭い範囲に限定される。しかし、可変インピーダンス素子を含む可変整合回路を接続することにより、アンテナで受信可能な信号の周波数帯域を調整することができる。
また、上述の構成において、前記第2のアンテナを含むイヤホンケーブルを柔軟性を有する材料で構成し、前記無線機本体に前記イヤホンケーブルを脱着するための脱着機構を設けることができる。
イヤホンケーブルを柔軟性を有する材料で構成することにより、第2のアンテナの形状を利用者が必要に応じて変更することができる。これにより、様々な偏波特性を有するアンテナが実現する。また、脱着機構によりイヤホンケーブルを脱着できるので、良好な通信環境で携帯無線機を使用する場合にはイヤホンケーブルを取り外して第1のアンテナだけで通信を行うこともでき、フェージングにより受信電力が低下する環境ではイヤホンケーブルを装着すれば2つのアンテナを用いて通信品質を改善することができる。
更に上述の構成において、前記第2のアンテナを構成する導電体の長さを、通信に用いる電波の周波数帯の波長に対して略0.75倍に定めることができる。
第2のアンテナを構成する導電体の長さをこのように定めることにより、無線機本体の筐体にもアンテナで受信した信号の一部の高周波電流が流れる。そのため、アンテナの動作長が長くなり受信可能な周波数帯域が広帯域になる。但し、筐体に流れる高周波電流の影響によりアンテナの偏波特性や指向性に悪影響が表れる可能性が高く、第1のアンテナと第2のアンテナとの相関も大きくなる。しかし、通常の使用状態のように無線機本体を人間の手で握ると、筐体に流れる高周波電流が抑圧されることが確認されている。すなわち、通常の使用状態では好ましいアンテナの偏波特性や指向性を確保することができ、第1のアンテナと第2のアンテナとの相関が小さくなってダイバーシチ利得が向上する。
更に、前記第1のアンテナを構成するループ状の導電体の長さを、通信に用いる電波の周波数帯の波長に対して1倍以下に定めることができる。
第1のアンテナを構成するループ状の導電体の長さをこのように定めることにより、無線機本体の筐体にもアンテナで受信した信号の一部の高周波電流が流れる。そのため、アンテナの動作長が長くなり受信可能な周波数帯域が広帯域になる。但し、筐体に流れる高周波電流の影響によりアンテナの偏波特性や指向性に悪影響が表れる可能性が高く、第1のアンテナと第2のアンテナとの相関も大きくなる。しかし、通常の使用状態のように無線機本体を人間の手で握ると、筐体に流れる高周波電流が抑圧されることが確認されている。すなわち、通常の使用状態では好ましいアンテナの偏波特性や指向性を確保することができ、第1のアンテナと第2のアンテナとの相関が小さくなってダイバーシチ利得が向上する。
上述のアンテナ装置を含む携帯無線機も本発明に含まれる。
本発明によれば、室内外における多種多様な環境により発生するフェージング環境下においても、十分に大きな受信電力を確保することが可能になる。また、可変整合回路をループアンテナに接続することにより、広帯域の周波数帯での使用に対応できる。イヤホンケーブルアンテナについては、ケーブル及び導体を柔軟に形成することにより、必要に応じて使用者が形状を調整できる。これにより様々な偏波に対応できる。
また、ループアンテナは磁界励振型の磁流アンテナであり、イヤホンケーブルアンテナは電界励振型の線状アンテナであるため、これらのアンテナの指向性及び偏波特性が互いに異なり、これらによって受信される信号間の相関が小さくなるので、ダイバーシチ動作によって有利な結果が得られる。なお、ループアンテナだけでも信号を受信できるので、イヤホンケーブルアンテナを取り外した状態で使用することも可能である。
また、携帯無線機は小型に構成する必要があり、通信に用いる周波数の波長に比べて筐体のサイズが小さくなるので、複数のアンテナ間の距離を大きくすることはできない。距離が小さい場合は、アンテナ間の相関が大きくなり、十分なダイバーシチ利得が得られない傾向がある。しかし、ループアンテナとイヤホンケーブルアンテナとを組み合わせた場合には、携帯無線機を手で握った使用状態において、手がアンテナ間のアイソレータとして働き、アンテナ間の相関が小さくなり、結果的にダイバーシチ利得が改善される。
本発明の携帯無線機のアンテナ装置の1つの実施の形態について、図1〜図16を参照して説明する。
本形態の携帯無線端末は、図1に示すように導電体で構成された筐体1上に、ループアンテナ3を搭載している。また、筐体1に装着された接続部7にイヤホンケーブルアンテナ6が接続されている。
ループアンテナ3は、帯状の導電体を折り曲げて矩形に近いループ状に形成してある。 なお、線状の導電体で構成することもできる。ループアンテナ3の給電部分の近傍には可変整合回路4が接続してある。この可変整合回路4は、インピーダンスの整合を行うと共に、ループアンテナ3の受信周波数を調整するために設けてある。
可変整合回路4としては、例えばバラクタダイオードのようにリアクタンスが可変で制御可能な半導体を用いればよい。可変整合回路4には制御部5が接続してある。制御部5は、可変整合回路4に印加する電圧を調整し、可変整合回路4の容量を調整して比較的広い周波数範囲でループアンテナ3のインピーダンスが整合するように制御する。
一般的にループアンテナは利用可能な周波数の帯域が狭いが、ループアンテナ3に可変整合回路4を接続してインピーダンスを調整することにより広い周波数帯域での利用に対応することができる。
また、本形態では、通信に使用する無線周波数の波長に対して1波長以下の長さになるように、ループアンテナ3の長さ(周回長)を決定してある。これにより、筐体1にもある程度の高周波電流が流れることになり、その結果、ループアンテナ3の使用可能な周波数帯域が更に広くなる。なお、図2に示すようにループアンテナ3,可変整合回路4,制御部5でループアンテナ部2を構成している。
イヤホンケーブルアンテナ6は、携帯無線端末が出力する音声電気信号を音響に変換するイヤホンに接続された電気ケーブルに内蔵されている長尺の導電体を線状のアンテナとして構成したものである。なお、この例では携帯無線端末とイヤホンとを接続している導電体をそのままアンテナ素子として利用しているが、アンテナとして利用する特別な導電体をイヤホンケーブル内に組み込んでアンテナとして利用することもできる。
イヤホンケーブルアンテナ6のケーブルの先端にイヤホンが設けてあり、ケーブルの基部には所定の接続プラグが設けてある。筐体1の端面に設けた接続部7は、イヤホンジャックであり、イヤホンケーブルアンテナ6の接続プラグを装着したり取り外したりすることができる。
イヤホンケーブルアンテナ6の電気ケーブルは、柔軟性に富んだ材料で構成してある。 このため、一般的なイヤホンケーブルと同様に電気ケーブルの形状を自由に変えることができる。この電気ケーブルの形状変更に伴って、その内部の導電体、すなわちアンテナの形状も変化する。従って、受信電波の強度が最大になるように使用者が必要に応じてイヤホンケーブルアンテナ6の形状を変えることもできる。
本形態では、イヤホンケーブルアンテナ6の長さについては、アンテナが通信に使用する無線周波数の波長に対して、略0.75波長で動作するように定めてある。イヤホンケーブルアンテナ6の長さを略0.75波長にすることによって、高周波電流の一部が筐体1を流れることになり、イヤホンケーブルアンテナ6の動作長が長くなり、利用可能な周波数帯域が広帯域になる。
図1の携帯無線端末にはループアンテナ3も備わっており、ループアンテナ3単独で通信を行うことも可能なので、イヤホンケーブルアンテナ6を接続部7から取り外した状態であってもこの携帯無線端末を使用することができる。
図2に示すように、ループアンテナ部2及びイヤホンケーブルアンテナ6は、ダイバーシチ処理部8に接続されている。ダイバーシチ処理部8は、例えば最大比合成のような公知のダイバーシチアルゴリズムを実装した信号処理回路を備えており、ループアンテナ部2から入力される受信信号とイヤホンケーブルアンテナ6から入力される受信信号とを処理して、それらを合成した結果を出力する。
ダイバーシチ処理部8が合成した信号が無線部9に入力される。無線部9は所定の受信信号処理を行って受信した信号を再生する。
ループアンテナ3とイヤホンケーブルアンテナ6とはアンテナの種類が異なり、指向性や偏波特性が互いに異なっている。従って、ループアンテナ3が受信した信号とイヤホンケーブルアンテナ6が受信した信号とをダイバーシチ合成することにより、ダイバーシチ利得を得ることができ、フェージング環境下のように電波の受信強度が大きく変動する場合であっても、十分な受信品質を確保することができ、フェージング抑圧の効果が得られる。
ところで、携帯無線端末はその性質上、筐体サイズに大きな制約があるため、使用周波数の波長に対して十分な大きさを確保することは難しい。そのため、例えば図1に示すループアンテナ3とイヤホンケーブルアンテナ6との設置位置が互いに接近するのは避けられない。その結果、複数のアンテナ3の受信信号間の相関が大きくなり、十分なダイバーシチ効果が得られない可能性が高くなる。
しかし、図1に示すようにループアンテナ3とイヤホンケーブルアンテナ6とを組み合わせた場合には、実際の使用状態において十分なダイバーシチ利得を得ることができる。 すなわち、後述するように携帯無線端末の筐体1を人間が手で握ると、手が一種のアイソレータとしての役割を果たし、ダイバーシチ利得が向上する。
具体的な動作をシミュレーションで検証するために、ここでは図3及び図4に示す各モデルを用いる。ここでは、動作周波数が600MHz(λ=500mm)の場合を想定して検討を行った。
図3に示すモデルでは、イヤホンケーブルアンテナ単体を携帯無線端末の筐体の長さ方向に向けて筐体の端部に設置した状態を想定している。また、図4に示すモデルでは、ループアンテナ単体を携帯無線端末の筐体上部に設置した状態を想定している。どちらのモデルにおいても、筐体のサイズは波長λに対する相対寸法として、長さが0.37λ、幅が0.1λ、厚さが0.002λに定めた。座標の各方向については、筐体の長さ方向をzで表し、幅方向をyで表し、厚さ方向をxで表した。
また、図3のモデルにおいてイヤホンケーブルアンテナの長さは0.75λに定め、筐体上部の端に給電点を配置した。図4のモデルについては、ループアンテナを筐体上部の中央部に配置し、ループアンテナの高さは0.024λ、幅は0.8λ、奥行きは0.04λに定めた。また、このループアンテナについては下部のループ切り込み部分から給電する場合を想定した。
図3に示したモデルに関する携帯無線端末上の電流分布が図5に示されている。このモデルに関しては、イヤホンケーブルアンテナの長さが0.75λであるため、図5に示すようにイヤホンケーブルアンテナに約0.75λの電流が分布し、端末の筐体に約0.25λの電流が分布するように電流が流れる。
図3に示したモデルに関するアンテナのxy平面での指向性が図7に示されている。このモデルの場合には、z方向に伸びたイヤホンケーブルが主要なアンテナエレメントとして動作するため、Eθ成分が主偏波となる。但し、y方向、すなわちイヤホンケーブルを配置した軸と直交する方向の成分についても、筐体が枝状であるため必ず発生する筐体状に分布するy方向の電流により発生が確認される。
一方、図4に示したモデルに関する携帯無線端末上の電流分布が図6に示されている。 図6を参照すると、このモデルではループアンテナ上のy方向成分を中心とした電流分布になっているが、ループアンテナの周回長が1λ以下であるため、z方向の筐体側面に沿った方向の電流分布も僅かに発生する。
図4に示したモデルに関するアンテナのxy平面での指向性が図8に示されている。このモデルの場合には、筐体上部に設置されたループアンテナが主要なアンテナとして動作するため、Eφ方向成分が主偏波となる。但し、ループアンテナの周回長が1λ以下であるため、筐体のz方向に電流が分布し、これによりEθ方向の成分についても発生が確認できる。
図1,図2に示す実際の携帯無線端末では、ループアンテナ3とイヤホンケーブルアンテナ6とを搭載しているので、図3のモデルと図4のモデルとを組み合わせたような特性になる。但し、この携帯無線端末を手で握った状態では以下に示すように少し違う特性になる。
図9に示すモデルにおいては、図3に示したモデルの筐体を手で握った状態を想定している。筐体を手で握ることにより、筐体に流れる電流が抑圧される。図3,図9のモデルについて、手で筐体を握った場合と握っていない場合とのそれぞれに関するxy平面のアンテナ指向特性が図11に示されている。
すなわち、筐体を手で握ることにより、筐体に流れるy方向の電流が抑圧されることになり、z方向に伸びたイヤホンケーブルの0.75λの電流分布がより支配的になるので、結果的にEθ成分が増加し、Eφ成分が抑圧されたことが図11で確認できる。この現象は、手が一種の電波吸収体やアイソレータのような働きをして,電流が抑圧される、すなわち、人体の誘電率の損失(誘電率の虚部)のため電流がそこで消費されるために生ずると考えられる。一般的には、周波数が高くなるほど表皮効果のため電流がより表面に集中し、この効果(電流消費)がより得られると考えられる。
図10に示すモデルにおいては、図4に示したモデルの筐体を手で握った状態を想定している。筐体を手で握ることにより、筐体側面のz方向に流れる電流が抑圧される。図4,図10のモデルについて、手で筐体を握った場合と握っていない場合とのそれぞれに関するxy平面のアンテナ指向特性が図12に示されている。
すなわち、筐体のz方向に流れる電流が抑圧されたことにより、Eφ偏波を持つループアンテナの電流分布がより支配的になり、結果的にEφ成分が増加し、Eθ成分が抑圧されることが図12から確認できる。
従って、図1,図2に示す実際の携帯無線端末のように、ループアンテナ3とイヤホンケーブルアンテナ6とを同じ携帯無線端末に搭載する場合には、使用時に携帯無線端末の筐体を手で握ると、筐体上を流れる電流成分による放射が抑制され、すなわち各アンテナの主偏波以外の成分が抑制されて、結果的に主偏波成分が増加する。このため、ループアンテナ3とイヤホンケーブルアンテナ6との設置位置の距離が小さい場合であっても、アンテナ間の相関が小さくなり高いダイバーシチ利得が得られる。
図13に示す特性は、図3のモデルのイヤホンケーブルアンテナと図4のモデルのループアンテナとを同じ携帯無線端末に搭載し、その筐体を手で握った場合と手で握らなかった場合とのそれぞれについて、アンテナ間の結合容量S12の変化を表している。図13を参照すると、全ての周波数帯域において、筐体を手で握るとアンテナ間の結合容量S12が減少することが分かる。
図16に示すように、図3のモデルのイヤホンケーブルアンテナと図4のモデルのループアンテナとを組み合わせて携帯無線端末に搭載した場合に、ある環境で電波を受信し、最大比合成のダイバーシチアルゴリズムを用い、2つのアンテナの信号を合成して受信する場合を想定した累積確率分布が図14,図15に示されている。図14では筐体が自由空間に配置された場合を想定しており、図15では筐体を手で握った状態を想定している。
図14,図15を参照すると、アンテナ単体の場合と比べて、ダイバーシチ受信を行う場合には累積確率分布が全体的に右側にシフトしており、より高い受信レベルが得られることが分かる。
また、累積確率1%において、自由空間の場合のダイバーシチ利得は4.5dBである。一方、筐体を手で握った場合のダイバーシチ利得は7.0dBであるので、筐体を手で握ることにより、ダイバーシチ利得が2.5dB改善することが分かる。これは、各アンテナの筐体電流による放射が減少したことで、アンテナ素子からの放射である主偏波成分が増加し、アンテナ間の相関が小さくなったことが原因であると考えられる。
従って、図1,図2に示すようにループアンテナ3とイヤホンケーブルアンテナ6とを1つの携帯無線端末上に搭載し、2つのアンテナで受信された信号を所定のダイバーシチアルゴリズムを用いて処理することにより、受信品質が改善される。
尚、距離があるほど,電流も電波もロスが生じるため、第1のアンテナと第2のアンテナ間の距離が遠いほどより多くのアイソレーションが得られると考えられる。また、距離を開けるほどアンテナ間の領域が手で握られる可能性、及び握る面積が増えるため、二つのアンテナ間の所定距離を確保しつつ、本発明のアンテナ装置を筐体に取り付けるよう、携帯無線機を設計することが考えられる。一例として、図5と図6に示す各電流分布が互いに重ならないよう、筐体サイズを考慮に入れつつ、シュミレーションによりアンテナの取り付け位置を選択することが考えられる。
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
本発明の携帯無線機のアンテナ装置は、ループアンテナとイヤホンケーブルアンテナとを組み合わせると共に、2つのアンテナで受信された信号をダイバーシチ処理することにより、2つのアンテナの設置位置が接近している場合であっても、携帯無線機の実際の使用状態のようにその筐体が手で握られている場合には、十分なダイバーシチ利得が得られるので、高いフェージング抑圧効果が得られる。従って、携帯無線機のアンテナとして利用することにより、フェージング環境下においても十分な受信品質を確保できる。
実施の形態の装置の主要構成要素のレイアウトの例を示す斜視図。 実施の形態の装置の主要部の構成を示すブロック図。 イヤホンケーブルアンテナを搭載した無線機のモデルの例を示す斜視図。 ループアンテナを搭載した無線機のモデルの例を示す斜視図。 図3のモデルにおける電流分布を示す斜視図。 図4のモデルにおける電流分布を示す斜視図。 図3のモデルにおけるアンテナの指向性を示す平面図。 図4のモデルにおけるアンテナの指向性を示す平面図。 イヤホンケーブルアンテナを搭載した無線機を手で握った状態に相当するモデルの例を示す斜視図。 ループアンテナを搭載した無線機を手で握った状態に相当するモデルの例を示す斜視図。 図9のモデルにおけるアンテナの指向性を示す平面図。 図10のモデルにおけるアンテナの指向性を示す平面図。 イヤホンケーブルアンテナとループアンテナを搭載した無線機のアンテナ間の結合容量の周波数特性を示すグラフ。 図16のモデルを自由空間に配置してダイバーシチ動作を行った場合の受信電力レベルの累積確率分布を示すグラフ。 図16のモデルを手で握った状態でダイバーシチ動作を行った場合の受信電力レベルの累積確率分布を示すグラフ。 イヤホンケーブルアンテナとループアンテナを搭載した無線機のモデルを示す斜視図。
符号の説明
1 筐体
2 ループアンテナ部
3 ループアンテナ
4 可変整合回路
5 制御部
6 イヤホンケーブルアンテナ
7 接続部
8 ダイバーシチ処理部
9 無線部
10 手

Claims (6)

  1. 無線機本体の筐体に内蔵される少なくとも1つのループ状の導電体で構成される第1のアンテナと、
    前記無線機本体と接続されるイヤホンケーブルに組み込まれた少なくとも1つの線状の導電体で構成される第2のアンテナと、
    前記第1のアンテナで受信された信号と前記第2のアンテナで受信された信号とを入力しダイバーシチ処理を実施した結果を前記無線機の受信入力に出力するダイバーシチ処理部と、を備える携帯無線機のアンテナ装置。
  2. 請求項1に記載の携帯無線機のアンテナ装置であって、
    前記第1のアンテナに接続された可変インピーダンス素子を含む可変整合回路を更に備える、携帯無線機のアンテナ装置。
  3. 請求項1又は2に記載の携帯無線機のアンテナ装置であって、
    前記第2のアンテナを含むイヤホンケーブルが、柔軟性を有する材料で構成され、
    前記無線機本体に設けられ、前記イヤホンケーブルを脱着するための脱着機構を更に備える、携帯無線機のアンテナ装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の携帯無線機のアンテナ装置であって、
    前記第2のアンテナを構成する導電体の長さが、通信に用いる電波の周波数帯の波長に対して略0.75倍に定められた、携帯無線機のアンテナ装置。
  5. 請求項4に記載の携帯無線機のアンテナ装置であって、
    前記第1のアンテナを構成するループ状の導電体の長さが、通信に用いる電波の周波数帯の波長に対して1倍以下に定められた、携帯無線機のアンテナ装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の携帯無線機のアンテナ装置を有する携帯無線機。
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