JP2006190718A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光波長を短波長化させて、緑色乃至青色の発光が可能な有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】 一対の電極間に、平面4配位金属錯体とホスト材料とを含有する発光層を有する有機電界発光素子であって、前記ホスト材料が母核と前記平面4配位金属錯体の金属と配位可能な配位基とを含み、該配位基が含窒素へテロ環基、シアノ基、及びイソシアノ基から選ばれる少なくとも一つを有することを特徴とする有機電界発光素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光する有機電界発光素子に関し、特に金属錯体による発光波長の短波長化技術を取り入れた有機電界発光素子に関する。
有機電界発光素子は、少なくとも発光層を含む有機化合物層と、これを挟む一対の電極から構成されている。両電極間に電界が印加されると、陰極から電子が注入され、陽極から正孔が注入される。この電子と正孔が発光層において再結合し、発光する。
有機電界発光素子における重要な課題の一つに発光波長の最適化がある。有機電界発光素子では、その使用目的に応じて最適な発光波長が選択される。発光波長は主として発光材料に依存する。
しかしながら、最適な発光波長、高い発光効率、及び高い駆動耐久性を併せ持つ発光材料を見出すことは容易ではない。
発光効率、駆動耐久性に優れる有機電界発光素子の発光材料として、平面4配位金属錯体が用いられている。平面4配位金属錯体を用いた有機電界発光素子として、リン光発光性の白金ポルフィリン錯体を用いた赤色発光素子(例えば、特許文献1参照。)や、鎖状のビピリジン系やフェナンスロリン系4座配位子を有する白金錯体を用いた赤色発光素子の例が報告されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
フルカラー表示のためには、緑色(510nm以上607nm以下)から青色(400nm以上510nm以下)に発光する発光材料の開発が求められている。
しかしながら、既存の発光材料において、前記発光波長を有し、かつ発光効率及び駆動耐久性がともに優れるレベルに至っていない。有機電界発光素子の発光波長を短波長化する解決手段が望まれている。
米国特許第6,303,238B1号明細書 米国特許第6,653,654B1号明細書 国際公開第03/093283A1号パンフレット
有機電界発光素子において、発光材料はホスト材料と同一層内に共存している態様が多く採られる。
有機電界発光素子の発光色を目的の色相とする場合、発光材料の発光色を、発光材料自身の構造を最適化させる方法がある。しかしながら、高い発光効率及び高い駆動耐久性を両立させることは困難であった。
一方、発光材料と共存するホスト材料によって、発光波長を変化させることが可能であれば、発光波長が理想値からずれている発光材料も使用可能になり、その有用性は極めて大なるものがある。
本発明の目的は、発光波長を短波長化させて、緑色乃至青色の発光が可能な有機電界発光素子を提供することにある。
前記実情に鑑み本発明者らは鋭意検討したところ、該素子の発光層に、発光材料(平面4配位金属錯体、特に好ましくは平面4配位白金錯体)と、発光材料と相互作用可能な特定の基を有するホスト材料と、を共存させることが有機電界発光素子の発光波長を短波長化させるには、極めて有効であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
<1> 一対の電極間に少なくとも一層の発光層を有する有機電界発光素子であって、前記発光層が平面4配位金属錯体とホスト材料とを含有し、前記ホスト材料が母核と前記平面4配位金属錯体の金属と配位可能な配位基とを含み、前記配位基が含窒素へテロ環基、シアノ基、及びイソシアノ基から選ばれる少なくとも一つを有することを特徴とする有機電界発光素子。
<2> 平面4配位金属錯体が白金錯体であることを特徴とする上記<1に記載の有機電界発光素子。
<3>平面4配位金属錯体が金属−炭素結合を有する白金錯体であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の有機電界発光素子。
<4>前記ホスト材料の配位基が金属に配位するための非共有電子対が分子の外側に向いていることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
<5>前記ホスト材料が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006190718
[式中R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。]
<6> 前記ホスト材料の最低励起三重項エネルギー(T1エネルギー)が260kJ/mol(62kcal/mol)以上であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれか一項に記載の記載の有機電界発光素子。
<7> 有機電界発光素子の最大発光波長が500nm以下であることを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
本発明によれば、発光波長を短波長化させて、緑色乃至青色の発光が可能な有機電界発光素子を提供することができる。
以下、本発明の有機電界発光素子(以下、「有機EL素子」ともいう。)について詳細に説明する。
本発明の有機電界発光素子は、一対の電極間に少なくとも一層の発光層を有する有機電界発光素子であって、前記発光層が平面4配位金属錯体とホスト材料とを含有し、前記ホスト材料が母核と前記平面4配位金属錯体の金属と配位可能な配位基とを含み、前記配位基が含窒素へテロ環基、シアノ基、及びイソシアノ基から選ばれる少なくとも一つを有することを特徴とする。
本発明では、上記構成とすることにより、発光材料の構造を変えることなく、高い発光効率と高い駆動耐久性を維持しながら、緑色乃至青色の発光色を得ることが可能な有機電界発光素子とすることができる。
以下、前記発光層に含有される前記平面4配位金属錯体、ホスト材料について詳細に説明する。
<平面四配位金属錯体>
本発明における平面4配位金属錯体は、隣り合う少なくとも2つの配位原子と金属原子とによって定義される4つの平面の中から任意の2平面を選んだ時に、この2平面のなす角がすべて0°以上30°以下であるような錯体である。
前記「4つの平面」について以下に例示して説明する。
配位原子とは、Ptに「直接」結合している原子を指し、下記化合物の場合、Nα、Nβ、Cα、Cβの4原子が配位原子となる。
ここで、前記「隣り合う少なくとも2つの配位原子と金属原子とによって定義される4つの平面」とは、[Nα、Cα、Pt]、[Nα、Nβ、Pt]、[Nβ、Cβ、Pt]、[Cα、Cβ、Pt]で定義される(形成される)4つの平面をいう。
Figure 2006190718
本発明における前記平面4配位錯体の中心金属原子としてはPt、Cu、Zn、Mg等が挙げられるが、Pt、Cuが好ましく、Ptが特に好ましい。
配位子としては単座配位子、多座配位子のいずれでも良いが多座配位子が好ましい。多座配位子の中では4座配位子が特に好ましい。本発明においてもっとも好ましい平面4配位錯体は4座配位子と白金から成る錯体である。好ましい配位子の例としては、メチレンビス(フェニルピリジン)系配位子、メチレンビス(ベンジルピリジン)系配位子、ビス(ヒドロキシフェニルピリジン)系配位子等が挙げられる。これらのうち、メチレンビス(フェニルピリジン)系配位子、メチレンビス(ベンジルピリジン)系配位子は金属−炭素結合(白金−炭素結合)を形成することにより発光波長が短波長となるので特に好ましい。フタロシアニンおよびポルフィリン誘導体は発光が赤〜赤外領域となるため、本発明には適しない。
本発明の上記構成に起因する作用は必ずしも明確ではないが、平面4配位金属錯体は金属原子に対して垂直方向(いわゆるアキシャル位)の空間が空いているため、ホスト材料中の配位基が錯体の金属原子と直接相互作用できる事が重要であると考えている。すなわち、ホスト材料中の配位基が錯体の金属原子に配位することによって金属のd軌道の分裂エネルギーが増大し、発光が短波長化するものと推測される。4配位金属錯体であっても正四面体型構造の錯体はアキシャル位からの相互作用が困難となるため、本発明に用いることはできない。6配位金属錯体は、通常、正八面体構造をとるのでアキシャル位からの相互作用は困難であり、本発明に用いることはできない。平面4配位金属錯体といっても4つの配位子が厳密に平面状に位置するとは限らず、ねじれた構造をとる事もある。本発明においてはアキシャル位からの相互作用が重要であるので、少なくとも1方のアキシャル位が空いているような構造の錯体であれば、配位子構造が平面からずれていても好ましく用いる事ができる。
以下に本発明に好ましく用いる事のできる白金錯体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2006190718
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本発明における発光材料のT1エネルギーは特に限定されるものではないが、エネルギー移動をスムーズに引き起こし発光効率を高める観点から、後述のホスト材料のT1エネルギーより低いことが好ましい。
該発光材料のT1エネルギーの測定は、後述のホスト材料の測定方法と同様の方法により測定することができる。
<ホスト材料>
本発明におけるホスト材料は、その母核と前記平面4配位金属錯体の金属と配位可能な配位基とを含む化合物である(以下、適宜「本発明のホスト材料」と称する。)。
該配位基は、含窒素へテロ環基、シアノ基、及びイソシアノ基から選ばれる少なくとも一つの基であることを特徴とする。更に、該配位基が前記平面4配位金属錯体の金属に配位するための非共有電子対が分子の外側に向いていることが好ましい。非共有電子対が分子の外側に向いているとは、安定構造における分子の中心と配位原子(含窒素へテロ環基、シアノ基の場合は窒素、イソシアノ基の場合は炭素)とを結んだ直線と非共有電子対とのなす角が60°以下である事を意味する。
配位基の中ではシアノ基が好ましく、シアノ基が更に芳香環に置換したシアノフェニル基が特に好ましい。これは、シアノフェニル基が剛直性を有するためシアノ基を分子の外側に配向させるのに好適だからである。同様の理由でシアノフェニル基は4位で母核に連結している事が好ましい。金属原子に対する配位基の配位力は立体障害によって阻害されるため、シアノフェニル基の2、6位は水素である事が好ましい。
前記母核としては、特に制限はないが、有機電界発光素子に好ましく用いることのできる正孔輸送材料、ホスト材料、電子輸送材料の中から適宜選択される。このような母核の例としては、ベンジジン、1,3,5−トリアジン、ベンズイミダゾール、イミダゾピリジン、カルバゾール、フェナントロリン、ピロール、ヘキサアリールベンゼン、シロール、トリベンゾアゼピンが挙げられ、中でも、電荷輸送性(ホスト材料として必要とされる物性)の観点から、ベンジジン、1,3,5−トリアジン、イミダゾピリジン、カルバゾール、ヘキサアリールベンゼンが好ましく、ベンジジン、カルバゾール、ヘキサアリールベンゼンがより好ましく、ヘキサアリールベンゼンが特に好ましい。
本発明において発光層中には、ホスト材料の配位基が配位した発光材料とそうでない発光材料とが混在するものと推定されるが、前者の比率が高い事が好ましい。この意味においてホスト材料が1分子中に複数個の配位基を含有することが好ましく、ホスト材料が1分子中に複数個のシアノフェニル基を含有することが特に好ましい。
本発明において特に好ましいホスト材料は下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2006190718
式中R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。
該置換基としては特に限定されないが、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、などが挙げられる。)、ジアリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜16であり、例えば、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ナフチルフェニルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、芳香族ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジル、ピラジル、ピリミジル、キノリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾピリジル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル、トリベンゾアゼピニル、フェナントロリンなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
これらのうち、アリール基、ジアリールアミノ基、アリールオキシ基、芳香族ヘテロ環基が好ましい。これらの置換基は更に置換されてもよい。この場合の置換基は前記のものと同様である。好ましい置換基も同様である。
1、R2、及びR3は、互いに結合して環を形成しても良い。以下に、ホスト材料及び一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2006190718
Figure 2006190718
Figure 2006190718
一般にホスト材料の最低励起三重項エネルギー(T1エネルギー)は発光材料のT1エネルギーよりも高い事が好ましい。平面4配位金属錯体が青色リン光発光性の錯体である場合、そのT1エネルギーは260kJ/mol(62kcal/mol)以上であるから、ホスト材料もこの値よりも大きなT1エネルギーを有する事が好ましく、263〜305kJ/mol(63〜73kcal/mol)が更に好ましく、267〜285kJ/mol(64〜68kcal/mol)が特に好ましい。
該ホスト材料のT1エネルギーの測定方法は、以下のようにして測定することができる。
該ホスト材料の単層膜(単独層)の発光スペクトルを分光光度計(例えば、日立製作所製F4500型)を用い、ある温度条件(例えば、77K)にて測定する。得られた発光スペクトルの単波長端のエネルギーからT1エネルギーを求める。本発明においてはこの測定により得られた数値を採用する。
[有機電界発光素子]
以下、本発明の有機電界発光素子における構成について説明する。
本発明の発光素子は陰極と陽極を有し、両電極の間に少なくとも一層の発光層を有する有機電界発光素子であり、更に発光層の両側には有機化合物層が隣接して構成されていてもよい。本発明の発光素子は、基板上に前記陰極と陽極を有した形態であることが好ましい。発光層に隣接している有機化合物層と電極の間には、更に有機化合物層を有していてもよい。発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明であることが好ましい。通常の場合、陽極が透明である。以下、本発明において有機化合物層は、特に断らない限り発光層を含むものとする。
本発明における有機化合物層の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。更に、正孔輸送層と発光層との間に電子ブロック層を、発光層と電子輸送層との間に正孔ブロック層を有していてもよい。このとき電子ブロック層は一種の正孔輸送層と見なされ,正孔ブロック層は一種の電子輸送層と見なされる。尚、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
次に、本発明の発光素子を構成する要素について、詳細に説明する。
<基板>
本発明で用いることができる基板としては、発光層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。その具体例としては、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
例えば、基板としてガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、基板の形状としては、板状であることが好ましい。基板の構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
基板は、無色透明であっても、有色透明であってもよいが、発光層から発せられる光を散乱又は減衰等させることがない点で、無色透明であることが好ましい。
基板には、その表面又は裏面に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることができる。
透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
<陽極>
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられ、仕事関数が4.0eV以上の材料が好ましい。陽極材料の具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましい。
陽極は、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陽極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って、前記基板上に形成することができる。例えば、陽極の材料として、ITOを選択する場合には、陽極の形成は、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。
本発明の有機電界発光素子において、陽極の形成位置としては特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができる。が、前記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、陽極は、基板における一方の表面の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
なお、陽極を形成する際のパターニングとしては、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陽極の厚みとしては、陽極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常、10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
陽極の抵抗値としては、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。陽極が透明である場合は、無色透明であっても、有色透明であってもよい。透明陽極側から発光を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
なお、透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載される事項を本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスティック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
<陰極>
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられ、仕事関数が4.5eV以下のものが好ましい。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの公報に記載の材料は、本発明においても適用することができる。
陰極の形成方法については、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、前記した陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
陰極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
本発明において、陰極形成位置は特に制限はなく、有機化合物層上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
<有機化合物層>
本発明における発光層を含む有機化合物層について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、発光層を含む複数の有機化合物層を有しており、発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
−有機化合物層の形成−
本発明の有機電界発光素子において、有機化合物層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に形成することができる。
−発光層−
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明における発光層は、前記ホスト材料と、発光材料として前記平面4配位金属錯体と、を含む。
該発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。発光層が複数の場合であっても、発光層を構成する各層は、それぞれホスト材料と発光材料を含有する。
前記発光材料は、発光層中に、0.1〜20質量%含有されることが好ましく、0.5〜10質量%含有されることがより好ましい。本発明における発光層中には前記平面4配位金属錯体の他、本発明の効果を損なわない範囲で更にその他の発光材料を含有してもよい。
発光層に含有されるホスト材料は1種単独でも2種以上の混合でも良いが、少なくとも1種は該ホスト材料の母核と前記平面4配位金属錯体の金属と配位可能な配位基とを含み、該配位基が前述の含窒素ヘテロ環基、シアノ基、またはイソシアノ基を含有する化合物(本発明のホスト材料)である。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
−正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層−
正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。これらの層はすべて広義の正孔輸送層と考える事ができる。正孔注入層とは陽極から正孔輸送層へ正孔注入をし易くするという機能を有する層であり、電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。
正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層であることが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々50nm以下であることが好ましい。正孔輸送層が、発光層に隣接する層である場合には、50nm以下の厚さであることがより好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、5〜50nmであることが好ましく、10〜40mであることが更に好ましい。正孔注入層の厚さとしては、0.5〜50nmであることが好ましく、1〜40nmであることが更に好ましい。電子ブロック層の厚さは、1〜30nmであることが好ましく、5〜20nmであることが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層−
電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。これらの層はすべて広義の電子輸送層と考える事ができる。電子注入層とは陰極から電子輸送層へ電子注入をし易くするという機能を有する層であり、正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。
電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々50nm以下であることが好ましい。電子輸送層の厚さとしては、5〜50nmであることが好ましく、10〜50nmであることが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1〜50nmであることが好ましく、0.5〜20nmであることが更に好ましい。正孔ブロック層の厚さは、1〜30nmであることが好ましく、5〜20nmであることが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
<保護層>
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxOy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
<封止>
さらに、本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の最大発光波長は、500nm以下であることが好ましく、更に、400nm〜500nmであることが好ましく、400nm〜480nmが特に好ましい。
本発明における該最大発光波長(発光強度が最大となるときの波長)の測定値は、特に限定されないが、本発明の有機電界発光素子に、7.5Vの直流定電圧を印加し、例えば、発光スペクトル測定システム(Multispec1500型、(株)島津製作所製)を用いて測定した発光スペクトル(測定温度は室温が好ましく、10℃以上30℃以下がより好ましく、25℃がさらに好ましい。)から得た値を採用する。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
以下に、本発明について、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[比較例1]
<有機電界発光素子(TC−11)の作製>
0.5mm厚み、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(ITO膜)上に真空蒸着法にて、以下の有機化合物層を順次蒸着した。
比較例、実施例における蒸着速度は、特に断りのない場合は0.2nm/秒である。蒸着速度は水晶振動子を用いて測定した。以下に記載の膜厚も水晶振動子を用いて測定したものである。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
(第2正孔輸送層)
NPD:膜厚20nm
(第3正孔輸送層)
HTM−1:膜厚10nm
(第4正孔輸送層)
HTM−2:膜厚10nm
(発光層)
CBP=95質量%、白金錯体−1=5質量%の混合層:膜厚10nm
(電子輸送層)
ETM−1:膜厚50nm
上記の有機化合物層の上に、最後に金属アルミニウムを100nm蒸着し陰極とした。
このものを、大気に触れさせること無く、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、有機電界発光素子を得た。
[比較例2]
<有機電界発光素子(TC−12)の作製>
比較例1の発光層における白金錯体−1の代わりに白金錯体−2を用いた以外は、比較例1と同様の方法で行って、有機電界発光素子を作製した。
[比較例3]
<有機電界発光素子(TC−13)の作製>
比較例1の発光層におけるホスト材料(CBP)の代わりにヘキサフェニルベンゼンを用いる以外は、比較例1と同様の方法で行って、有機電界発光素子を作製した。
[比較例4]
<有機電界発光素子(TC−14)の作製>
比較例1の発光層における白金錯体−1の代わりに白金錯体−2を用いる以外は、比較例1と同様の方法で行って、有機電界発光素子を作製した。
以下に、上記NPD、HTM−1、HTM−2、CBP、白金錯体−1、白金錯体−2の化学構造式を示す。
Figure 2006190718
[実施例1、2]
<有機電界発光素子(TC−15、16)作製>
比較例1の発光層におけるホスト材料(CBP)の代わりに、例示化合物(Host−4)を用いる以外は、比較例1と同様の方法で行って、有機電界発光素子を作製した。
[素材物性の評価]
(1)T1エネルギー
上記で用いた有機化合物層の発光材料及びホスト材料について、それぞれの単層膜(単独層)のリン光スペクトルを、日立製作所製F4500型分光器を用い、温度条件77Kにて測定した。得られたリン光スペクトルの短波長端のエネルギーからT1エネルギーを求めた。
上記比較例、実施例に用いた化合物のT1エネルギーを下記表1に示した。
Figure 2006190718
[有機電界発光素子の評価]
上記で得られた有機電界発光素子(TC−11〜16)を以下の方法により評価した。
(1)発光スペクトルの評価
有機電界発光素子(TC−11〜16)に、7.5Vの電圧を印加しMultispec1500型発光スペクトル測定システム((株)島津製作所製)にセットし、発光スペクトルを測定した。最大発光波長を表2に示す。
Figure 2006190718
上記表2に示されるように、実施例の有機電界発光素子(TC−15,16)は、同一の発光材料を用いた比較例の有機電界発光素子(TC−11〜14)に比べて、最大発光波長が短波長化していることがわかる。

Claims (7)

  1. 一対の電極間に少なくとも一層の発光層を有する有機電界発光素子であって、前記発光層が平面4配位金属錯体とホスト材料とを含有し、前記ホスト材料が母核と前記平面4配位金属錯体の金属と配位可能な配位基とを含み、前記配位基が含窒素へテロ環基、シアノ基、及びイソシアノ基から選ばれる少なくとも一つを有することを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 平面4配位金属錯体が白金錯体であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 平面4配位金属錯体が金属−炭素結合を有する白金錯体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記ホスト材料の配位基が金属に配位するための非共有電子対が分子の外側に向いていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記ホスト材料が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006190718
    [式中R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。]
  6. 前記ホスト材料の最低励起三重項エネルギー(T1エネルギー)が260kJ/mol(62kcal/mol)以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の記載の有機電界発光素子。
  7. 有機電界発光素子の最大発光波長が500nm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
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