以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一または相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
先ず、図1を参照して本発明に係る光ディスクの製造方法により製造された光ディスクの構成を説明する。図1は、後述する本発明の実施の形態である光ディスクの製造方法により製造された光ディスク1の断面図の一例である。光ディスク1は、2枚のディスク基板2、3を有している。ディスク基板2、3は、典型的にはポリカーボネート樹脂製の円盤であるが、材質はポリカーボネート樹脂には限られず、レーザ光線を透過する他の材質も好適に用いられる。ディスク基板2、3は円形の薄板で、その中心に円形の孔6が形成されている。外形は円形とするのが一般的であるが、円形でなくてもよい。ディスク基板2、3の寸法の一例としては、直径120mm、中心孔の径15mm、厚さ0.6mmであるが、寸法は用途により様々である。それぞれのディスク基板2、3のいずれか一方または双方の内面(対向する面)上には螺旋形の溝または、信号を形成する微小な凹状の溝が形成されている。
2枚のディスク基板2、3は、接着層4、5により貼り合わされている。接着層4、5の材質としては、紫外線硬化樹脂が好適に用いられるが、他の材質であってもよい。図1では、接着層4、5の厚さを拡大して図示しているが、接着層4、5の厚さは、例えば、厚さ0.6mmのディスク基板2、3に対して、15〜100μmであり、ディスク基板2、3の厚さに比し小さい。接着層4、5は、ディスク基板2上の中心孔6の周囲の樹脂4と、その他の樹脂5とにより構成されているが、その説明は後述の製造工程の説明において、詳しく述べるので、ここでは省略する。
2枚のディスク基板2、3に形成された微小な溝にレーザ光線を照射することにより、信号が読み取られる。
次に、図2の工程図を参照して、本発明の実施の形態である、光ディスク1の製造工程について説明する。図2は、光ディスク1の製造工程を表す工程図である。2枚のディスク基板2、3の内の第1のディスク基板2を、貼り合わされる面を上にして、回転可能なディスク載置台(不図示)と同心にして、ディスク載置台上に載置する。第1のディスク基板2を、ゆっくりと回転させ、第1のディスク基板2の孔6の外側に隣接する領域に、ノズル11から、第1の樹脂8を円環状(ドーナッツ形)に供給する(St1)。なお、円環状とは、必ずしも連続しておらず、不連続に供給された場合をも含む。第1の樹脂8としては、紫外線硬化樹脂を用いるのが、紫外線を照射することにより硬化させることができるので好適であるが、他の樹脂であってもよい。第1のディスク基板2を回転せずに、ノズル11を円を描くように移動させてもよい。なお、孔6の外側に隣接する領域とは、第1の樹脂8が供給された第1のディスク基板2を高速回転させたときに、第1の樹脂8が回転につれて外側に広がり、第1のディスク基板2の表面を覆うように広がり易い領域であり、また、後述するように、樹脂が供給された第1の基板2上に第2の基板3を重ね合わせたときに、樹脂が孔6内に垂れることがない領域である。この領域は、ディスク基板の寸法や樹脂の材質(主に粘性や密度)により変わるが、中心から第1のディスク基板2の半径の0.75倍以内、好ましくは0.6倍以内、さらに好ましくは0.5倍以内であって、孔6から2.5mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは7.5mm以上離れた範囲の領域である。例えば、外径120mm、孔径15mmのディスク基板(光ディスク)の場合に、中心から10〜45mm(直径20〜90mm)の領域であり、好ましくは12.5〜36mm(直径25〜72mm)の領域であり、さらに好ましくは15〜30mm(直径30〜60mm)の領域である。
次に、第1のディスク基板2を高速の第1の回転速度R1で回転させる。第1のディスク基板2を高速の第1の回転速度R1で回転させることにより、第1のディスク基板2上の円環状の第1の樹脂8は、外側に広がり、薄く延ばされ、また、一部は外周から飛散する。その結果、第1の樹脂8は、第1のディスク基板2の上面をほぼ一様な厚さで覆うこととなる(St2)。ただし、孔6の近傍には第1の樹脂8が行き渡らなくてもよい。厚さは、供給した第1の樹脂8の量、第1の樹脂8の材質(主に粘性や密度)、第1の回転速度R1、回転時間等により変わるので、所定の厚さに制御することができる。すなわち、余剰な第1の樹脂8は、外周から飛散されることになる。このように形成される第1の樹脂8の膜は、薄く形成されるので、厚さはほぼ一様となり、また、気泡は含まれにくい。第1の樹脂8の膜の所定の厚さは、例えば、外径120mm、孔径15mm、接着層の厚さ15〜100μmの光ディスクの場合に、5〜30μmとする。なお、第1の樹脂8の供給量を少なくし、供給した位置で高く、外側になるほどに薄い楔形に第1の樹脂8の膜を形成してもよく、この場合には第1の樹脂8は第1のディスク2の上面をほぼ覆うことはない。
なお、図3(a)に示すように、ノズル11とディスク載置台146との間に電圧を印加しながら第1の樹脂8を供給すると、気泡の混入をより防ぐことができ、好ましい。なお、印加する電圧は、交流でも直流でもよいが、放電の発生を抑えるためにできるだけ低電圧とすることが好ましい。
図2に戻り、光ディスク1の製造工程の説明を続ける。第1の樹脂8の膜が所定の厚さになったならば、回転速度を下げ、極端には回転を止めて、第1のディスク基板2上の第1の樹脂8の膜に紫外線ランプ16から紫外線を照射する。第1のディスク基板2を別の場所に移動させて、紫外線を照射してもよい。紫外線ランプ16の周囲にはカバー17が備えられており、紫外線は孔6の周囲の第1の樹脂8にだけ照射される。したがって、孔6の周囲の第1の樹脂4だけが硬化する(St3)。なお、第1の樹脂8だけを硬化するときには、完全に硬化せず、ゲル状態のような半硬化した状態でもよい。第1の樹脂8を硬化する範囲は、例えばカバーの形状を変えることにより、変更することができる。本実施の形態では、第1の樹脂8として紫外線硬化樹脂を用いるので、紫外線が照射される範囲として、任意の領域を硬化することが容易である。第1の樹脂8として紫外線硬化樹脂ではなく、例えば熱硬化型樹脂を用いる場合には孔6の周囲を局所的に加熱することにより、孔6の周囲だけを硬化させることができる。ここで、孔6の周囲とは、後述するように、第2の樹脂が供給されたディスク基板2、3を高速で回転させ接着層を形成するときに、接着層が薄くなり易い範囲のことである。この範囲は、ディスク基板の寸法や樹脂の材質(主に粘性や密度)により変わるが、中心から第1のディスク基板2の半径の0.6倍以内、好ましくは0.5倍以内、さらに好ましくは0.4倍以内であって、孔6の縁からでもよいが、好ましくは孔6から2.5mm以上、さらに好ましくは7.5mm以上離れた範囲である。例えば、外径120mm、孔径15mmのディスク基板(光ディスク)の場合に、中心から7.5〜36mm(直径15〜72mm)の範囲であり、好ましくは10〜30mm(直径20〜60mm)の範囲であり、さらに好ましくは15〜25mm(直径30〜50mm)の範囲である。
次に、第1のディスク基板2をゆっくりと回転させ、第1の樹脂8に重ねて、ディスク基板2の孔6の外側に隣接する領域に、ノズル12から、第2の樹脂9を円環状に供給する(St4)。第1のディスク基板2を回転させずに、ノズル12を円を描くように移動して第2の樹脂9を円環状に供給してもよい。第2の樹脂9の材質は、典型的には、第1の樹脂と同種とするが、異なる材質の樹脂であってもよい。第2の樹脂9としても、紫外線硬化樹脂とするのが好適であるが、他の樹脂であってもよい。第2の樹脂9を供給するノズル12は、第1のノズル11と同じノズルを用いてもよいが、別々のノズルとしてもよい。第2の樹脂9を供給する領域は、第1の樹脂8を供給する領域と同じであってもよいが、第1の樹脂8に比べ大量に供給される場合には、第2の樹脂9は、孔6からより離して供給する方が、第2の樹脂9が孔6に垂れることを防げるので好ましい。
第2の樹脂9は、典型的には、第1の樹脂8よりも大量に供給され、接着層としても厚く形成され、さらに、第2の樹脂9を供給後にその上から第2のディスク基板3を重ねることが多く、そのために第2の樹脂9内に気泡が混入していると、外部へ排出しにくい。そこで、図3(b)に示すように、ノズル12とディスク載置台146との間に電圧を印加しながら第2の樹脂9を供給すると、気泡の混入をより防ぐことができ、好ましい。印加する電圧は、交流でも直流でもよいが、放電の発生を抑えるためにできるだけ低電圧とすることが好ましい。なお、図3(b)では、供給され展延された第1の樹脂8中の硬化した第1の樹脂4を区別せずに図示している。
再び図2に戻り、光ディスク1の製造工程の説明を続ける。第2の樹脂9が円環状に供給された第1のディスク基板2に、第2のディスク基板3を同心に重ねる(St5)。第2のディスク基板3は第1のディスク基板2と同材質であるのが一般的である。第2のディスク基板3は、第1のディスク基板2と同形であり、同心に重ねることにより、あたかも1枚のディスクのようになる。ここで、図3(c)に示すように、第2のディスク基板3とディスク載置台146との間に電圧を印加しながら第2のディスク基板3を重ねると、気泡の混入をより防ぐことができ、好ましい。印加する電圧は、交流でも直流でもよいが、放電の発生を抑えるためにできるだけ低電圧とすることが好ましい。なお、図3(c)では、供給され展延された第1の樹脂8中の硬化した第1の樹脂4を区別せずに図示している。
再び図2に戻り、光ディスク1の製造工程の説明を続ける。第2のディスク基板3を重ねた後に、第1のディスク基板2を、第1の樹脂8、第2の樹脂9および第2のディスク基板3と共に、再度、高速の第2の回転速度R2で回転する(St6)。高速で回転させられることにより、孔6の外側に隣接する領域に円環状に供給された第2の樹脂9は、外側に広がり、薄く延ばされ、また、一部は外周から飛散する。ただし、孔6の近傍には第1の樹脂8が行き渡らなくてもよい。外側に広がるときに、硬化していない第1の樹脂8は第2の樹脂9と混じる。第1の樹脂8と第2の樹脂9とが同材質の場合には、両者は一体化される。第2の回転速度R2は、第1の回転速度R1と同じでもよいが、第1の樹脂8を薄く展延するときの第1の回転速度R1より遅くし、樹脂層の厚さを調整し易くしてもよい。例えば、第1の回転速度R1および第2の回転速度R2は、第1の樹脂8および第2の樹脂9の材質等によっても変わるが、例えば3000から10000rpmとする。
また、第2の回転速度R2を高速にすると、大きな遠心力の作用により、第2の樹脂9に含有される気泡をなくすことができる。そこで、第2の回転速度R2は高速であることが要求される。しかし、前述のように、第2の樹脂9を供給するときに電圧を印加することにより気泡の混入を防げるので、展延するための条件だけで第2の回転速度R2を決めることができ、好適である。
ここで、第2の樹脂9は、第1の樹脂8に比べ大量に供給され、例えば10〜70μmの厚さに形成される。第1の樹脂8のように薄く展延する場合には顕著ではないが、回転により厚く展延すると、一般的に、内周側が薄く外周側が厚く形成されやすい。しかし、孔6の周囲には硬化した第1の樹脂4があるので、内周側では、その分厚く形成される。その結果、内周側の厚さも外周側の厚さと同じになり、接着層4、5の厚さがほぼ一様となる。別の言い方をすると、内周側で薄くなる厚さに相当する厚さの層を、第1の樹脂4を硬化して形成するのがよい。また、内周側で薄くなる範囲に相当する範囲の、第1の樹脂4を硬化して形成するのがよい。すなわち、第2の樹脂9を供給し所定の厚さの接着層を形成するために回転により展延するとして、内周側で薄くなる厚さに相当する厚さに第1の樹脂8を展延し、薄くなる範囲の第1の樹脂4を硬化させることになる。
図4に具体的な例を示す。図4は、従来の方法と本実施例による方法により、回転により樹脂層(接着層)をおおよそ20〜25μmの厚さに展延したときの、ディスク基板の中心からの位置と厚さの分布を示すグラフである。横軸に中心からの位置(mm)を、縦軸に厚さ(μm)を取っているが、本実施例の第1の樹脂の厚さは、右側の縦軸で、接着層全体の厚さは左側の縦軸でスケールを示している。従来の方法である、第1のディスク基板上に全樹脂を1回で供給し、高速回転により樹脂層の厚さをおおよそ20〜25μmの厚さに展延した場合は、中心から約28mmの位置以内で膜厚が薄くなっている。一方、7μm程度に展延し、中心から約25mmの領域に紫外線を照射し硬化させた第1の樹脂に、第2の樹脂を供給して展延した本実施例では、内周側(いわゆる孔の周囲)での膜厚が増加し、ほぼ一様な厚さとなっている。なお、紫外線を照射した領域と照射しない領域との境界周辺では、第1の樹脂がゲル状となり、膜厚の増加への寄与が徐々に少なくなっていくので、膜厚も滑らかに変わっていくのではないかと推測される。
接着層の厚さは、供給した第1の樹脂8および第2の樹脂9の量および材質(主に粘性や密度)、第2の回転速度R2、回転時間等により変わるので、接着層を所定の厚さに制御することができる。すなわち、余剰な第2の樹脂9(第1の樹脂8も含まれる)は、外周から飛散されることになる。接着層の所定の厚さは、例えば、外径120mm、孔径15mmの光ディスクの場合に厚さ15〜100μmとし、そのときに膜厚の差異(最大値と最小値との差異)を、3〜5μm以内とすることが可能となる。
図2に戻って、光ディスク1の製造工程の説明を続ける。接着層の厚さが所定の厚さになると、回転速度を低下させ、極端には回転を止め、樹脂層全体に第2のディスク基板3の上方から紫外線を照射し、接着層全体を硬化させる(St7)。樹脂層を硬化させることにより、2枚のディスク基板2、3は貼り合わされ、1枚の光ディスク1となる。
光ディスク1では、樹脂層の厚さがほぼ一様となるので、記録の読み取りにおける、エラーを防ぐことができる。したがって、記録密度を高めての使用にも適した光ディスクとなる。また、第2の樹脂9を展延する第2の回転速度R2および回転時間を調整することにより、所定の厚さとすることができる。なお、孔6の近傍には、樹脂層が形成されない場合もあるが、かかる領域は、記録に使用されない領域であり、樹脂層が形成されないことの弊害は生じない。
続いて、図5を参照して、本発明の実施の形態である光ディスク製造装置31について説明する。なお、図1および図2も適宜参照するものとする。図5は、光ディスク製造装置31の構成を説明する構成図である。光ディスク製造装置31は、第1のディスク基板2を回転するディスク回転装置145と、第1の樹脂8および第2の樹脂9とを供給する樹脂供給装置143と、紫外線を照射する樹脂硬化装置としての紫外線照射装置150と、第1のディスク基板2をディスク回転装置145に載置し、また、製造された光ディスク1を搬出する第1のローディングアーム147と、ディスク回転装置145上の第1のディスク基板2に第2の基板3を重ねる第2のローディングアーム163と、これらの機器の動作を制御する制御装置100とを備える。
ディスク回転装置145は、第1のディスク基板2を載置し、回転するディスク載置台146(図3参照)を有し、制御装置100の回転速度制御部102から伝達される信号に従い、ディスク載置台146を回転させる。すなわち、ディスク回転装置145は、ディスク載置台146に載置される第1のディスク基板2およびその上に供給される第1の樹脂8および第2の樹脂9、ならびに第2のディスク基板3を回転する。ディスク載置台146の中心には、第1のディスク基板2の中心孔6と嵌合し、ディスク回転装置145における第1のディスク基板2の位置を安定させる突起(不図示)が設けられている。ディスク回転装置145は、樹脂を展延するためにディスク載置台146を高速で回転させる高速回転駆動装置と、樹脂を供給するときにディスク載置台146を低速で回転させるための低速回転駆動装置とを備えると、高速回転も低速回転もスムースに行えるので、好適である。
樹脂供給装置143は、樹脂を貯留する容器と、樹脂を加圧して流出させるポンプ(不図示)と、ノズルを有する。容器を高所に設置し、ポンプを有さずに、重力流れにより樹脂を流出してもよい。ノズルには、所定量の樹脂を供給するために流量を測定する流量計(不図示)および樹脂の流出を停止する開閉バルブあるいは樹脂の流量を調整するコントロールバルブなどが備えられてもよい。ディスク基板2の孔6の外側に隣接する領域でディスク基板2に樹脂を供給できるよう、ノズルは、孔6の外側に隣接する領域にその先端を向けて配置される。樹脂供給装置143は、制御装置100の樹脂供給制御部103から伝達される信号により、作動を制御される。なお、第1の樹脂8を供給する位置と第2の樹脂9を供給する位置とを変えるために、ノズル先端の位置は樹脂供給制御部103から伝達される信号に従い可動であることが好適である。
なお、ノズル先端が円を描くように移動するように構成すると、ディスク基板2を回転せずに樹脂をディスク基板上に円環状に供給することができるので、前述のディスク回転装置145の低速回転駆動装置が不要となる。また、ディスク回転装置145では、一つの樹脂供給装置143で第1の樹脂8と第2の樹脂9とを供給するように構成されているが、第1の樹脂8を供給する装置と第2の樹脂9を供給する装置との二つの樹脂供給装置を備えてもよい。一つの樹脂供給装置143で第1の樹脂8と第2の樹脂9とを供給するように構成すると、光ディスク製造装置31の構成が単純となり、設置面積が小さく、また、装置が軽量となる。第1の樹脂8を供給する装置と第2の樹脂9を供給する装置との二つの樹脂供給装置を備えると、制御が単純になり、装置の作動が安定する。
紫外線照射装置150は、紫外線ランプとカバーとを備える。紫外線ランプは、紫外線放射の割合が高いランプであり、例えばキセノンランプ、水銀ランプなどである。カバーは、紫外線ランプからの紫外線を遮蔽し、ディスク基板2上の所定の位置だけを照射するように紫外線の照射方向を制限する。光ディスク製造装置31では、一つの紫外線放射装置150で、第1の樹脂の孔6の周囲だけを照射し、また、ディスク基板2全体を照射することができる構成となっている。一つの紫外線放射装置150で孔6の周囲だけを、および、ディスク基板2全体を照射することができるので、光ディスク製造装置31の構成が単純となり、設置面積が小さく、また、装置が軽量となる。あるいは、孔6の周囲だけ照射する紫外線放射装置と、ディスク基板2全体を照射する紫外線放射装置との二つの紫外線放射装置を備えてもよい。二つの紫外線放射装置を備えると、制御が単純になり、装置の作動が安定する。紫外線放射装置150は、制御装置100の紫外線照射制御部104より伝達される信号により、作動が制御される。
図6に、一つの紫外線放射装置150で孔6の周囲だけを、および、ディスク基板2全体を照射する紫外線照射装置150の構成例を示す。(a)に示す構成例では、紫外線照射装置150をディスク基板2に近づけ、紫外線照射装置150からの照射範囲を狭めることにより、孔6の周囲だけを照射し、紫外線照射装置150をディスク基板2から離し、紫外線照射装置150からの照射範囲を広げることにより、ディスク基板2全体を照射するようにする。すなわち、紫外線照射装置150を上下移動することにより、紫外線の照射範囲を変える。(b)に示す構成例では、紫外線照射装置150の紫外線が放出されるカバー下面の開口部に、絞り151を備える。絞り151で開口部を狭めることにより、孔6の周囲だけを照射し、絞り151を開口部から退避することにより、ディスク基板2全体を照射するようにする。すなわち、絞り151を調整することにより、紫外線の照射範囲を変える。
なお、光ディスク製造装置31は、第1の樹脂8および第2の樹脂9を硬化させるために、紫外線照射装置150を備えるが、第1の樹脂8および第2の樹脂9が紫外線硬化樹脂ではなく、例えば熱硬化樹脂であれば、樹脂硬化装置として、例えば超音波加熱装置あるいは電気ヒータなどの加熱装置を備える。
図5に戻り、光ディスク製造装置31の構成の説明を続ける。第1のローディングアーム147は、例えば第1のディスク基板2を成形する成形機(不図示)から、光ディスク製造装置31に供給される第1のディスク基板2をディスク回転装置145のディスク載置台146に載置する。第1のローディングアーム147は、第1のディスク基板2の孔6をディスク載置台146に設けられた中心の突起に嵌合するように、第1のディスク基板2をディスク載置台146に載置する。また、第1のローディングアーム147は、ディスク載置台146上で貼り合わされた光ディスク1をディスク載置台146から取り出し、光ディスク製造装置31から搬出し、下流側の検査装置等に供給する。第1のローディングアーム147は、第1のディスク基板2あるいは光ディスク1の外周をつかむ爪、あるいは、孔6に挿入し広がることにより第1のディスク基板2あるいは光ディスク1を持ち上げる爪、あるいは、真空にて第1のディスク基板2あるいは光ディスク1を吸着し持ち上げるための吸引口を有する保持部と、保持部を所定の位置に移動するアームと、保持部およびアームを支える支柱とを備え、制御装置100の第1のディスク基板ロード制御部101および光ディスクアンロード制御部106より伝達される信号により、作動が制御される。
第2のローディングアーム163は、基本的構造は上記の第1のローディングアーム147と同じであるので、重複する説明は省略する。第2のローディングアーム163は、制御装置100の第2のディスク基板ロード制御部105より伝達される信号により、作動が制御される。なお、第2のディスク基板3は、例えば成形機(不図示)から成形されて、搬送機から第2のローディングアーム163に順次供給される。
制御装置100は、典型的にはコンピュータであり、前述の第1のディスク基板ロード制御部101、回転速度制御部102、樹脂供給制御部103、紫外線照射制御部104、第2のディスク基板ロード制御部105、光ディスクアンロード制御部106などは、コンピュータに記憶されたプログラムでもよい。制御部100は、各種データを記憶する記憶部110と、時間を測定する計時部120と、上記のプログラムを稼働させるCPUとを備える。制御装置100はさらに、ディスク回転装置145の回転速度、第1のローディングアーム147の位置を始めとして、光ディスク製造装置31の状態を測定し、その測定値を取り込むデータ入力部と光ディスク製造装置31の各部を作動させるための信号を伝達するデータ出力部とを有する。制御装置100では、入力された測定値と、計時部120で測定された時間と、記憶部110に記憶された各種の値とを用いて、プログラムにより所定の処理を行い、各部を作動させるための信号を出力する。なお、制御装置100は、光ディスク製造装置31内の装置に限られず、例えば、第1のディスク基板2および第2のディスク基板3を成形する成形機(不図示)や、製造した光ディスク1の検査装置(不図示)あるいは搬送装置(不図示)などを併せて制御する構成としてもよい。
続いて、光ディスク製造装置31による光ディスク1の製造について説明する。成形機(不図示)で成形された第1のディスク基板2は、光ディスク製造装置31の所定の位置に搬送される。第1ディスク基板ロード制御部101から第1のローディングアーム147に信号が送られ、第1のローディングアーム147は、第1のディスク基板2を、ディスク回転装置145のディスク載置台146の所定の位置に載せる。ここで、第1のディスク基板2の中央の孔6がディスク載置台146の突起部と嵌合されることにより、第1のディスク基板2は所定の位置に配置される。
次に、回転速度制御部102からディスク回転装置145に信号が送られ、ディスク回転装置145は非常にゆっくりした回転速度でディスク載置台146を回転する。すると、樹脂供給制御部103から樹脂供給装置143に信号が送られ、樹脂供給装置143から第1の樹脂8が第1のディスク基板2の片面の孔6の外側に隣接する領域に円環状に供給される。ここで、非常にゆっくりした回転速度とは、第1のディスク基板2上に樹脂供給装置143から円環状に第1の樹脂8を供給するのに適する回転速度であり、例えば30〜120rpmである。前述のように、ディスク回転装置145のディスク載置台146を回転せずに、樹脂供給装置143が樹脂供給制御部103からの信号により、円を描くように移動しつつ第1の樹脂8を第1のディスク基板2の片面に円環状に供給してもよい。第1の樹脂8が供給されると、回転速度制御部102からディスク回転装置145に信号が送られ、ディスク回転装置145は高速の第1の回転速度R1でディスク載置台146を回転する。ディスク載置台146の回転につれ、第1のディスク基板2が高速で回転し、第1の樹脂8は外側に広がり第1のディスク基板2の片面をほぼ覆う。計時部120で所定の時間を計測すると、回転速度制御部102からディスク回転装置145に信号が送られ、ディスク回転装置145はディスク載置台146の回転を第1の回転速度R1から低速に減速する。ここで、所定の時間とは、第1の回転速度R1での回転により第1の樹脂8が所定の厚さに展延される時間である。
次に、紫外線照射制御部104から紫外線照射装置150に信号が送られ、紫外線照射装置150から第1のディスク基板2上の第1の樹脂8の孔6の周囲に紫外線を照射し、孔6の周囲の第1の樹脂8を硬化させる。このときには、図6で示したように、紫外線照射装置150は、第1のディスク基板2に近接するか(図6(a)参照)、絞り151で開口部を絞る(図6(b)参照)。
次に、回転速度制御部102からディスク回転装置145に信号が送られ、ディスク回転装置145は非常にゆっくりした回転速度でディスク載置台146を回転する。すると、樹脂供給制御部103から樹脂供給装置143に信号が送られ、樹脂供給装置143から第2の樹脂9が第1の樹脂8が展延された第1のディスク基板2の片面の孔6の外側に隣接する領域に円環状に供給される。ここで、非常にゆっくりした回転速度とは、第1のディスク基板2上に樹脂供給装置143から円環状に第2の樹脂9を供給するのに適する回転速度であり、例えば30〜120rpmである。前述のように、ディスク回転装置145のディスク載置台146を回転せずに、樹脂供給装置143が樹脂供給制御部103からの信号により、円を描くように移動しつつ第2の樹脂9を第1のディスク基板2の片面に円環状に供給してもよい。
第2の樹脂9が供給されると、回転速度制御部102からディスク回転装置145に信号が送られ、ディスク回転装置145は回転を一旦止める。そして、第2のディスク基板ロード制御部105から第2のローディングアーム163に信号が送られ、第2のローディングアーム163は、第2の樹脂9の上から第1のディスク基板2上に第2のディスク基板3を重ねる。すると、回転速度制御部102からディスク回転装置145に信号が送られ、ディスク回転装置145は高速の第2の回転速度R2でディスク載置台146を回転する。ディスク載置台146の回転につれ、第1のディスク基板2およびその上に重ねられた第1の樹脂8、第2の樹脂9、第2のディスク基板3が高速で回転し、第2の樹脂9は硬化していない第1の樹脂8と共に外側に広がり第1のディスク基板2と第2のディスク基板3の間をほぼ埋める。計時部120で所定の時間を計測すると、回転速度制御部102からディスク回転装置145に信号が送られ、ディスク回転装置145はディスク載置台146の回転を第2の回転速度R2から低速に減速する。ここで、所定の時間とは、第2の回転速度R2での回転により第1の樹脂8と第2の樹脂9(合わせて接着層)が所定の厚さに展延される時間である。ここで、中心の孔6の周囲の第1の樹脂4が硬化されているので、接着層の厚さが一様となり易い。
第1のディスク基板2上で第1の樹脂8が薄く展延されるので、第1の樹脂8を供給した後は特に高速で回転して展延するが、第2の樹脂9を供給した後は、樹脂層5(硬化していない第1の樹脂8と第2の樹脂9)の厚さが厚くなるので、第1の樹脂8だけのときに比べて、展延しやすくなる。そこで、第1の回転速度R1に比べ、第2の回転速度R2は遅くしても、作業時間の大幅な増加は生じない。したがって、第2の回転速度R2を遅めにして、樹脂層5の厚さを制御し易くすることは好適である。
また、第1の回転速度R1あるいは第2の回転速度R2で回転する所定の時間はいずれの時間とも、例えば3秒、あるいは5秒または8秒など2〜15秒の範囲程度とすることが多いが、作業時間に直接影響するため、短時間であることが効率を向上する上で好ましい。ただし、作業時間を重視するあまりに、例えば回転速度を上げすぎると、層厚の制御が難しくなるなど、問題を生ずることもある。所定の時間は、第1の樹脂8あるいは第2の樹脂9の材質や温度に影響を受けるので、例えば、材質ごとに各温度における所定の時間を記憶部110に記憶しておき、適切な所定の時間を記憶部110から引用するとよい。
次に、紫外線照射制御部104から紫外線照射装置150に信号が送られ、紫外線照射装置150から第1のディスク基板2と第2のディスク基板3との間の樹脂層5(硬化していない第1の樹脂8と第2の樹脂9。以下、本段落では同じ。)全面に紫外線を照射し、樹脂層5を硬化させる。このときには、図6で示したように、紫外線照射装置150は、第1のディスク基板2から離隔するか(図6(a)参照)、絞り151を開放する(図6(b)参照)。樹脂層5が硬化することにより、第1のディスク基板2と第2のディスク基板3とが貼り合わされ、光ディスク1となる。
次に、光ディスクアンロード制御部106より、第1のローディングアーム147に信号が送られ、第1のローディングアーム147は、光ディスク1をディスク回転装置145から取り外し、所定の位置へと移動する。所定の位置へと移動された光ディスク1は、光ディスク製造装置31から搬出され、検査等の後段の処理をされた後に、製品として出荷される。
続いて、図1、図2および図7を参照して、図5に示す光ディスク製造装置31とは別の、本発明の実施の形態である光ディスク製造装置32について説明する。なお、図5に示す光ディスク製造装置31と重複する説明は省略し、特に異なることだけを説明する。図7は、光ディスク1を製造するための処理を、光ディスク製造装置32内のそれぞれの場所で行う光ディスク製造装置32の構成を説明する構成図である。図7では、第1のディスク基板2が左側から供給され、順次右側に移動しながら処理が施され、最終的に光ディスク1となって、右側から搬出される。なお、第2のディスク基板3は上側から供給されている。
光ディスク製造装置32は、供給された第1のディスク基板2を供給された位置から第1の樹脂供給装置43のノズルの下部を通って、第1の移動手段47の側に、回転移動させる第1のターンテーブル41と、第1の樹脂8が供給された第1のディスク基板2を高速回転させる第1の回転装置45と、孔6の周囲の第1の樹脂8に紫外線を照射する第1の樹脂硬化装置としての第1の紫外線照射装置50と、孔6の周囲の第1の樹脂4が硬化した第1のディスク基板2に第2の樹脂9を供給する第2の樹脂供給装置57と、第2の樹脂9が供給された第1のディスク基板2と第2のディスク基板3とを重ね合わせるための台71と、第2のディスク基板3を台71上に載置された第1のディスク基板2と重ね合わせるための第2のディスク基板ローディングアーム63と、第2のディスク基板3が重ね合わせられた第1のディスク基板2を高速回転し第2の樹脂を展延する第2の回転装置81と、第2の回転装置81から移送された第1のディスク基板2および第2のディスク基板3とを第2の紫外線照射装置87を経て搬出する側に移動する第2のターンテーブル85と、展延された第2の樹脂9に紫外線を照射し硬化させる第2の樹脂硬化装置としての第2の紫外線照射装置87とを備える。第2の樹脂供給装置57は、第2の樹脂を供給するために第1のディスク基板2を載置する台55を有する。
光ディスク製造装置32は、さらに第1のターンテーブル41から第1のディスク基板2を第1の回転装置45に移送し、また、第1の回転装置45から第1の紫外線照射装置50に移送する第1の移動手段47と、第1の紫外線照射装置50から台55に第1のディスク基板2を移送し、そこで第2の樹脂9が供給された第1のディスク基板2を、台71に移送する第2の移動手段53と、重ね合わせた第1のディスク基板2と第2のディスク基板3とを第2の回転装置81に移送し、かつ、第2の回転装置81で高速回転した第1のディスク基板2と第2のディスク基板3とを第2のターンテーブル85に移送する第3の移動手段83とを備える。なお、光ディスク製造装置32も、光ディスク製造装置31(図5参照)と同様に、制御装置100(図5参照)によりその作動を制御される。
第1のディスク基板2は、第1のターンテーブル41に載置され、第1のターンテーブル41の回転により移動し、第1の樹脂供給装置43のノズルの下部に送られる。光ディスク製造装置32では、第1の樹脂供給装置43のノズルが円を描くように移動し、第1のディスク基板2の孔6の外側に隣接する領域に円環状に第1の樹脂8を供給するが、ターンテーブル41の代わりに回転可能なディスク載置台を設けて、第1の樹脂供給装置43のノズルが動かずに、ディスク載置台を低速で回転させて、第1のディスク基板2に第1の樹脂8を円環状に供給してもよい。
第1の移動手段47、第2の移動手段53および第3の移動手段83は、それぞれ光ディスク製造装置31の第1のローディングアーム147(図5参照)と同様の構造をしているが、例えば、第2の移動手段53は、ターンテーブルとしてもよい。
図8の紫外線照射装置の構成図に孔6の周囲を照射するだけの紫外線照射装置を例示する。すなわち、図7に示す第1の紫外線照射装置50は孔6の周囲を照射するだけの紫外線照射装置であるので、例えば、スポット状の紫外線を照射する紫外線照射装置(図8(a)参照)や、光ファイバーによってスポット状の紫外線を照射するようにしてもよい。あるいは、第1のディスク基板2の下部に配置された発光ダイオードにより紫外線を照射する紫外線照射装置153でもよい(図8(b)参照)。この場合、光源はディスク載置台に内蔵しておくとよい。なお、これまでは、紫外線は第1のディスク基板2上の第1の樹脂8に上側から照射するとしてきたが、図8(b)に示すように、下側から第1のディスク基板2を透して照射してもよい。すなわち、図8(c)に示すように、紫外線ランプ152を第1のディスク基板2の下側に配置することも可能である。図8(a)と(c)において、スポット紫外線照射装置152を第1のディスク基板2の中心を軸に回転させてもよいし、第1のディスク基板2を回転させてもよい。
次に、図9を参照して、第2のディスク基板ローディングアーム63を用いて、台71上の第1のディスク基板2に第2のディスク基板3を重ね合わせる一方法について説明する。図9は、第2のディスク基板ローディングアーム63の保持部65で第2のディスク基板3を保持し、台71上の第1のディスク基板2と重ね合わせようとしている状態を表す部分断面図である。なお、図9に示す第2のディスク基板ローディングアーム63は、第2のディスク基板3を台71上に移送し、台71上で重ね合わされた第1のディスク基板2と第2のディスク基板3とを台71から第2の回転装置81(図7参照)に移送することも可能な構成となっており、第3の移動手段83(図7参照)ではなく、第2のディスク基板ローディングアーム63で第1のディスク基板2と第2のディスク基板3とを台71から第2の回転装置81(図7参照)に移送してもよい。第2のディスク基板ローディングアーム63は、アーム64に垂下した保持部65を備え、保持部65は、第2のディスク基板3を吸着保持するための吸着口68が形成された吸着ヘッド67と、第1のディスク基板2を機械的に保持するためのツメ69と、ツメ69を開閉するためのエアシリンダ66とを有する。また、台71は、第1のディスク基板2を支えるディスク受台75と、第1のディスク基板2を位置決めするため孔6(図1参照)に嵌合する分割可能な突起73を有する。突起73が開くことにより、ツメ69が入り込むための切欠74が形成される。
図9に示す状態は、第2の樹脂9が供給された第1のディスク基板2をディスク受台75で支持し、さらにディスク受台75に設けられた吸引口より吸着吸引して台71は第1のディスク基板2を保持している。突起73は分割して開き、第1のディスク基板2の孔6(図1参照)をしっかりと抑えている。すなわち、切欠74が形成されている。また、保持部65は、吸着ヘッド67により第2のディスク基板3を保持している。また、ツメ69はすぼまった状態となっている。図9に示す状態から、ディスク受け台75が上昇し、第2の樹脂9が第2のディスク基板3に接触した後に停止する。そのとき、ツメ69は第1のディスク基板2の孔6に嵌入し、切欠74に入り込んでいる。ツメ69が開くことにより、孔6側から第1のディスク基板2を保持する。ディスク受台75での吸引を止め、第1のディスク基板の吸着保持を止めると、ディスク受台75は下降する。次に、アーム64が旋回することにより、重ね合わされた第1のディスク基板2と第2のディスク基板3とを移送する。
なお、光ディスク製造装置32のように、台71上で重ね合わされた第1のディスク基板2と第2のディスク基板3とを台71から第2の回転装置81(図7参照)に移送するのは、第3の移動手段83(図7参照)で行い、第2のディスク基板ローディングアーム63での移送は、第2のディスク基板3を台71上に移送するまでとするような構成の場合には、ツメ69を省いて、第1のディスク基板2上の第2の樹脂9を、第2のディスク基板3に接触させて重ね合わせた後、吸着ヘッド67の吸引を止め、第1のディスク基板2と第2のディスク基板3とをディスク受台75に載置した状態で、ディスク受台75を下降するようにする。ツメ69を省く場合は、突起73は分割しない、固定のものでよい。また、図3(c)に示すように、第1のディスク基板2と第2のディスク基板3との間に交流または直流の電圧を印加しながら重ね合わせると、気泡の混入を防ぐことができ、好ましい。
光ディスク製造装置32では、各処理が並行して行われることにより、単位時間で製造する光ディスクの数量が増加する。また、各処理をそれぞれ専用の装置で処理するので、各装置の構造は簡単になり、制御も簡単になる。よって、装置全体としての信頼性が向上する。また、第1の樹脂8と第2の樹脂9とが異なる材質であっても、対応し易い。
図10に示すように、時間の掛かる処理を行う、第1の回転装置45A、45Bと、第2の樹脂供給装置57A、57Bと、第2の回転装置81A、81Bとをそれぞれ2台備えることにより、単位時間当たりの光ディスク製造量を大幅に向上させることが可能である。すなわち、時間の掛かる処理を2台で並行して行うことにより、他の装置は1台のままでも、作業効率はおおよそ2倍に向上する。なお図10に示す光ディスク製造装置33では、各装置の配置上の都合で、第1の移動手段47(図7参照)に代えて、第1のターンテーブル41から第1のディスク基板2を第1の回転装置45A、45Bに移送する第1Aの移動手段48と、第1の回転装置45A、45Bから第1の紫外線照射装置50に移送する第1Bの移動手段49とを有するが、第1の移動手段47(図7参照)を備えてもよい。なお、他の構成は、光ディスク製造装置32(図7参照)と同様であるので、重複する説明は省略する。
ここで、図11と図12とに示すフローチャートを参照して、一系例で処理する光ディスクの製造方法と、一部の処理を並行処理する光ディスクの製造方法について、説明する。図11は、一系列での光ディスクの製造方法を、図12は、一部が並行処理される光ディスクの製造方法を説明するフローチャートであり、図11と対応する処理には、100を加えた符号をつけ、並行処理される場合には、「A」「B」を符号数字の後ろに追加している。すなわち、図11での一回目の高速回転の符号はSt103であり、図12での一回目の高速回転の符号はSt203A、St203Bである。
図11のフローチャートに示すように、先ず中心に孔の開いた第1のディスク基板が成形される(St101)。次に第1のディスク基板に一回目の樹脂が供給される。樹脂は孔の外側に隣接する領域に、円環状に供給される(St102)。次に、第1のディスク基板を高速回転で一回目の回転をすることにより、円環状に供給された樹脂を所定の厚さに展延する(St103)。樹脂を所定の厚さに展延したならば、孔の周囲に紫外線を照射し、孔の周囲の樹脂を硬化させる(St104)。前述のように、紫外線硬化樹脂以外の樹脂を使用し、紫外線を照射する以外の方法で樹脂を硬化してもよい。次に、展延し一部硬化した樹脂の上から、孔の外側に隣接する領域に樹脂を円環状に供給する(St105)。
ここまでの作業とは別に、ここまでの作業と並行して、第2のディスク基板を成形する(St111)。第2のディスク基板はSt101で成形した第1のディスク基板と同形であるが、記録が異なる。
St105で樹脂が供給された第1のディスク基板に、樹脂が供給された面に、St111で形成された第2のディスク基板が重ね合わされる(St106)。次に、2枚のディスク基板を高速で回転することにより、間に挟まれた樹脂を所定の厚さに展延する(St107)。所定の厚さになったならば、樹脂の全体に紫外線を照射し、硬化させ、2枚のディスク基板を貼り合せる(St108)。これが、一系列で処理する光ディスクの製造方法である。
図12のフローチャートに示す光ディスクの製造方法では、上記のSt103の一回目の高速回転、St105の二回目の樹脂供給およびSt107の二回目の高速回転を並列処理としている。すなわち、処理時間のかかる第1のディスク基板を高速で回転し樹脂を展延する工程St203A/Bと、展延し硬化した樹脂の上に樹脂を円環状に供給する工程St205A、Bと、第1のディスク基板と第2のディスク基板とを高速で回転し樹脂を展延する工程St207A/Bとを並列処理としている。時間のかかる工程を並列処理することにより、総ての工程を並列としなくても、同様の効果が得られ、処理能力は大幅に上昇する。特に処理時間のかかる工程については、2系列でなく、3系列、4系列として、さらに処理能力を向上することができる。どの処理工程を並列とするかは、処理に要する時間により異なり、図12に示す例に限られず、他の処理工程を並列とし、あるいは、ディスク基板を高速で回転し樹脂を展延する工程St203A/B、St207A/Bまたは展延し硬化した樹脂の上に樹脂を円環状に供給する工程St205A/Bを一系列とし、他の工程を並列にしてもよい。
これまでは、1枚のディスク基板にのみ樹脂を供給して、他のディスク基板を上から重ね合わせて、2枚のディスク基板を貼り合せる光ディスクについて説明したが、それぞれのディスク基板に樹脂を供給した上で、2枚のディスク基板を貼り合わせて光ディスクを製造してもよい。
図13に、2枚のディスク基板に樹脂を供給して貼り合わせる、光ディスクの製造の工程図の一例を示す。すなわち、第1のディスク基板2に第1の樹脂8を供給し(St11)、回転により展延し(St12),孔6の周囲の第1の樹脂8を硬化させ(St13)、第2の樹脂9を孔6の外側に隣接する領域に供給する(St14)までの工程は、図2に示す工程と同じである。一方、第2のディスク基板3にも第1Bの樹脂28を孔6の外側に隣接する領域に円環状に供給し(St21)、高速回転により所定の厚さに展延し(St22)、孔6の周囲の第1Bの樹脂24を硬化させる(St23)。そこで、第2のディスク基板3を上下反転し、第1のディスク基板2に重ねる(St15)。すなわち、第2の樹脂9に第1Bの樹脂28が重なる。次に、2枚のディスク基板2、3を高速回転させ所定の厚さになるまで、樹脂25(第2の樹脂9に硬化していない第1の樹脂8と第1Bの樹脂28とが含まれる。図15(a)参照)を展延し(St16)、樹脂25全体を硬化させること(St17)により、2枚のディスク基板2、3が貼り合わせれた光ディスク21が製造される。
図14を参照して、また図13を適宜参照して、光ディスク21を製造するための光ディスク製造装置34について説明する。図14は、2枚のディスク基板に樹脂を供給した上で貼り合せて光ディスク21を製造する製造装置の一例である光ディスク製造装置34の構成を説明する構成図である。図5、図7、図11に示す光ディスク製造装置31〜33と異なる点についてのみ説明し、重複する説明は省略する。なお、符号に添え字として「A」、「B」が付いているものも、図5、図7あるいは図11での説明で、添え字なしの符号で説明した装置と基本的に同じである。
光ディスク製造装置34は、光ディスク製造装置31〜33と異なり、第2の基板3を回転移動するターンテーブル41Bと、第2のディスク基板3に第1Bの樹脂28を供給する第1Bの樹脂供給装置43Bと、第2のディスク基板3を高速回転し第1Bの樹脂28を展延する第3の回転装置45Bと、第1Bの樹脂28が展延された第2のディスク基板3の孔6の周囲の第1Bの樹脂24を硬化させる第3の紫外線照射装置50Bと、孔6の周囲の第1Bの樹脂24が硬化した第2のディスク基板3を上下反転させるディスク基板反転装置54とを備える。また、上述の各装置間でディスク基板3を移送する移動手段48B、49B、53Bをも備えている。
第2のディスク基板3は、ターンテーブル41Bに供給され、そこで、片面上に第1Bの樹脂供給装置43Bから、孔6の外側に隣接する領域に円環状に第1Bの樹脂28を供給される。第1Bの樹脂28は、典型的には第1の樹脂8と同じものが使用されるが、必ずしも同じである必要はない。第1Bの樹脂28が供給された第2の基板3は、第1Aの移動手段48Bにより第3の回転装置45Bのディスク載置台上に載置される。そこで、高速回転されることにより、第1Bの樹脂28は第2の基板3の表面上に広がる。第1Bの樹脂28が展延され、所定の厚さになると、第3の回転装置45Bは回転を止める。第3の回転装置45Bでの回転速度等は、基本的に第1の回転装置45Aと同じである。ただし、それぞれの回転速度あるいは所定の時間は同じである必要はない。
第1Bの樹脂28が展延されると、第1Bの移動手段49Bおよびターンテーブル51Bにより、第3の紫外線供給装置50Bに送られ、そこで孔6の周囲の第1Bの樹脂24に紫外線が照射される。紫外線が照射された第1Bの樹脂24は、硬化する。なお、完全に硬化せず、ゲル状態のような半硬化した状態でもよい。孔6の周囲の第1Bの樹脂24が硬化すると、第2のディスク基板3は、ターンテーブル51Bおよび第2の移動手段53Bにより、ディスク基板反転装置54に移送される。ディスク基板反転装置54では、水平に伸びた支柱に支持されている支持台上に第2のディスク基板3が載置され、支柱を鉛直上方からさらに水平方向へと180度旋回させ、支持台上の第2のディスク基板3の上下を反転する。
上下が反転された第2のディスク基板3は、ターンテーブル52上の、第2の樹脂9が供給された第1のディスク基板2に重ね合わされる。第1のディスク基板2は、その上に第1の樹脂8が形成され、さらに第2の樹脂9が供給されており、一方、第2のディスク基板3は、その下面に第1Bの樹脂28が形成されているので、第1のディスク基板2上に第2のディスク基板3を重ねることにより、両ディスク基板2、3の樹脂層が互いに重なることになる。2枚のディスク基板2、3が重ね合わされたならば、第2の回転装置81A、Bで高速回転し、所定の厚さになるまで展延し、第2の紫外線照射装置87で樹脂全体25(第2の樹脂9に硬化していない第1の樹脂8と第1Bの樹脂28とが含まれる。)を硬化し、2枚のディスク基板2、3が貼り合わされ、光ディスク21が製造される。
図15(a)に光ディスク21の断面図の一例を示す。光ディスク21では、孔6の周囲に硬化した第1の樹脂4と第1Bの樹脂24が形成され、その後に第2の樹脂9を供給し、樹脂25(第2の樹脂9に硬化していない第1の樹脂8と第1Bの樹脂28とが含まれる。)を高速回転により展延する。樹脂25は、高速回転により内周で薄くなり外周で厚くなろうとするが、予め硬化した第1の樹脂4と第1Bの樹脂24が孔6の周囲、すなわち内周側に存在するので、結果として、一様な厚さの樹脂層(接着層)となる。特に、2枚のディスク基板2、3に硬化した第1の樹脂4および第1Bの樹脂24を形成するので、予め硬化する樹脂層を厚く形成できる。また、第1の樹脂8および第1Bの樹脂28を薄く展延しても、合わせて厚い硬化した樹脂層が得られるので、第1の樹脂8および第1Bの樹脂28の展延による厚さの制御が容易で、正確とし易い。また、第2の樹脂9は、第1のディスク基板2と第2のディスク基板3との接続の目的として使うことができるので、展延された後の膜厚に関わらず高速回転をすることで、気泡が存在しない光ディスク基板21を得ることができる。
これまでの説明では、第1のディスク基板2と第2のディスク基板3とに挟まれた第2の樹脂9を高速回転により展延し、一様な厚さの樹脂層を形成する光ディスクの製造方法および装置について説明してきたが、光ディスクは、1枚のディスク基板により構成されていてもよい。
図15(b)に1枚のディスク基板2で構成された光ディスク22の断面図の一例を示す。光ディスク22では、第1のディスク基板2上に第1の樹脂8を孔6に隣接する領域に円環状に供給し、高速回転により展延し、孔6の周囲の第1の樹脂4を硬化させ、次に第2の樹脂9を孔6に隣接する領域に円環状に供給し、その状態で高速回転させる。すると、第1の樹脂8と第2の樹脂9とで、第1のディスク基板2上に一様な厚さの樹脂5が形成される。すなわち、第1のディスク基板2の上面に信号層または記録層を形成しておけば、第1の樹脂8と第2の樹脂9とが、信号層または記録層の保護膜となり、1枚のディスク基板2で構成された光ディスク22となる。保護膜の厚さが一様であるので、記録の読み取りエラーが防止される。
これまでは、第1の樹脂の一部を硬化させ、第2の樹脂を供給した後は、樹脂全体を硬化させるものとして説明してきたが、さらに接着層あるいは樹脂層の厚さを一様とするために、次のように行ってもよい。
例えば、図15(c)に示すように、第1の樹脂4の内周部を部分的に硬化させた後、第2の樹脂9も第1の樹脂4と異なる範囲で内周部を部分的に硬化させた上で、第3の樹脂26を供給し、高速回転により展延して樹脂層27を形成してもよい。また、さらに、第3の樹脂、第4の樹脂、・・・というように内周部の部分的な硬化部を多層に形成してもよい。別の言い方をすると、図2で説明した光ディスクの製造工程において、第1の樹脂を円環状に供給するSt1と、第1の樹脂を展延するSt2と、第1の樹脂を硬化するSt3とを複数回繰り返してもよい。この場合、供給する第1の樹脂の量や、供給する位置は、同じでもよいし、異なっていてもよい。このように樹脂の供給、展延、硬化を繰り返すことで、厚さの分布の微調整が可能となり、より一様な厚さの接着層あるいは樹脂層が得られる。
図16は、第1のディスク基板2の孔6の周囲の第1の樹脂8に紫外線を照射して第1の樹脂8を硬化する他の樹脂硬化装置35の実施例である。膜厚測定手段91にて、第1の樹脂8の膜厚を測定し、膜厚データ解析手段131にて第1の樹脂8の膜厚のデータを収集し、解析を行う。膜厚測定手段91は、例えばレーザ光線を用いた非接触型の膜厚測定装置であり、回転による展延中または展延後における孔6の周囲の硬化する前の第1の樹脂8の膜厚を測定する。測定した膜厚は、膜厚データ解析手段131に送られる。
膜厚データ解析手段131にて収集された膜厚のデータを基にして、照射位置調整手段132は、スポット紫外線照射装置152の位置を微調整する。例えば、展延中の孔6の周囲のある位置における第1の樹脂8の膜厚を膜厚測定手段91で測定し、膜厚が所定の値になったときに、その位置の第1の樹脂8を硬化させることにより、各位置における膜厚を所定の厚さに調整することが可能となる。したがって、装置35内の温度や湿度の変化、樹脂の粘度の変化、成形条件の変化などにより、中心孔6の付近での第1の樹脂8の膜厚の分布が変化しても、照射位置を微調整することによって、第1のディスク基板2の孔6の周囲の第1の樹脂8の硬化位置を調整することができ、最終的に全体の膜厚を均一に制御することができる。
あるいは、膜厚データ解析手段131からの膜厚のデータを基にして、照射光制御手段133は、照射光の照射強度や照射時間を調整することによって、第1のディスク基板2の孔6の周囲の第1の樹脂8の半硬化から完全な硬化に至る硬化状態を調整することができ、最終的に全体の膜厚を均一に制御することができる。すなわち、高速回転により所定の厚さにまで展延された場合には、照射光制御手段133により、照射光の照射強度を強くしたり照射時間を長くし、第1の樹脂8を充分に硬化させ、所定の厚さより厚い場合には、照射光の照射強度を弱くしたり照射時間を短くし、第1の樹脂8の硬化の度合いを弱めゲル状にして、その後の2回目の高速回転で少し展延されるようにすることもできる。
あるいは、膜厚データ解析手段131からの膜厚のデータを基にして、回転駆動制御手段134は、ディスク回転装置145(図2参照)の回転駆動装置92の回転速度を調節し、回転駆動装置92に結合しているディスク載置台146に載置されている第1のディスク基板2の回転速度を調整することによって、第1のディスク基板2の孔6の周囲の第1の樹脂8の膜厚を適切にして、最終的に全体の膜厚を均一に制御することができる。すなわち、第1の樹脂8をさらに薄く展延したいときには回転駆動制御手段134により回転駆動装置92の、すなわち第1のディスク基板2の回転速度を上げ、それ以上薄く展延する必要がないときには回転駆動制御手段134により回転駆動装置92の、すなわち第1のディスク基板2の回転速度を下げる。
以上のように、照射位置調整手段132もしくは照射光制御手段133により第1の樹脂8の硬化を調節し、あるいは回転駆動制御手段134により回転駆動装置92を制御することによって、膜厚の微調整が可能となり、より均一な膜厚の接着層あるいは樹脂層が得られる。照射位置調整手段132照射光制御手段133あるいは回転駆動制御手段134のいずれか1つを備えていれば第1の樹脂8、すなわち硬化した第1の樹脂4(図1参照)の膜厚の微調整が可能となるが、これらを組み合わせることにより更なる微調整が可能となる。なお、膜厚データ解析手段131では、膜厚測定手段91から順次出力される第1の樹脂8の膜厚データ毎に照射位置調整手段132、照射光制御手段133あるいは回転駆動制御手段134に制御信号を出力してもよいが、例えば、数十枚、あるいは数百枚単位で累積した第1の樹脂8の膜厚データの平均値を求めて、照射位置調整手段132、照射光制御手段133あるいは回転駆動制御手段134に制御信号を出力するようにした方が、突発的な膜厚の変動の影響を受けずに、より均一な膜厚制御が可能である。また、このような装置および手段は、本発明に係るいずれの光ディスク製造装置においても、有効に用いることができる。
また、図17は、第1のディスク基板2の孔6の周囲の第1の樹脂8に紫外線を照射して第1の樹脂8を硬化する他の樹脂硬化装置36の実施例である。樹脂硬化装置35と異なり、樹脂硬化装置36とは別に、例えば製造された光ディスクの検査装置としての膜厚測定手段191を備える。膜厚測定手段191で測定した膜厚は、膜厚データ解析手段131に送られる。膜厚データ解析手段131では、送られた膜厚データを収集して、解析を行う。膜厚データ解析手段131にて収集された膜厚データを基にして、樹脂硬化装置35と同様に、照射位置調整手段132もしくは照射光制御手段133により第1の樹脂8の硬化を調節し、あるいは回転駆動制御手段134により回転駆動装置92を制御する。そのために、膜厚の微調整が可能となり、より均一な膜厚の接着層あるいは樹脂層が得られる。照射位置調整手段132、照射光制御手段133あるいは回転駆動制御手段134のいずれか1つを備えていれば第1の樹脂8、すなわち硬化した第1の樹脂4(図1参照)の膜厚の微調整が可能となるが、これらを組み合わせることにより更なる微調整が可能となる。なお、膜厚データ解析手段131では、膜厚測定手段191から順次出力される膜厚データ毎に照射位置調整手段132、照射光制御手段133あるいは回転駆動制御手段134に制御信号を出力してもよいが、膜厚データを収集し、例えば、数十枚、あるいは数百枚単位で累積した膜厚データの平均値を求めて、照射位置調整手段132、照射光制御手段133あるいは回転駆動制御手段134に制御信号を出力するようにした方が、突発的な膜厚の変動の影響を受けずに、より均一な膜厚制御が可能である。また、このような装置および手段は、本発明に係るいずれの光ディスク製造装置においても、有効に用いることができる。