JP2006188694A - 組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)カチオン性水溶性高分子及び(B)多糖類の存在下に、カチオン性ラジカル重合性単量体とアニオン性ラジカル重合性単量体を重合させて得られた両性水溶性高分子を含む組成物。(A)成分としては、カチオン性単量体単位とノニオン性単量体単位を有する共重合体であって、カチオン当量値が0.05〜4.00meq/gを有する共重合体が好ましい。(B)成分としては、Ca/An<1.2を満たすものが好ましく、0.5%塩粘度が10〜100mPa.sを有するものが好ましい。本発明の組成物は、両性高分子凝集剤として好ましく使用でき、汚泥脱水剤としてより好ましく使用できる。
【選択図】なし
Description
しかしながら、近年、汚泥発生量の増加及び汚泥性状の悪化により、従来のカチオン性高分子凝集剤では、汚泥の処理量に限界があることや、脱水ケーキ含水率、SS回収率等の点で処理状態は必ずしも満足できるものではなく、これらの点を改善することが要求されているため、種々の両性高分子凝集剤やこれらを使用した脱水方法が検討される様になった。
例えば、無機汚泥を含まない無機凝集剤を添加したpHが5〜8の有機質汚泥に、特定イオン当量のカチオンリッチ両性高分子凝集剤を添加する汚泥の脱水方法(特許文献3)、pHが5〜8の有機質汚泥に、アクリレート系カチオン性高分子凝集剤と両性高分子凝集剤を併用する汚泥の脱水方法(特許文献4)、汚泥に無機凝集剤を添加し、pHを5未満に設定し、特定組成のアニオンリッチ両性高分子凝集剤を添加する脱水方法(特許文献5)および排水に無機凝集剤、アニオン性高分子及びカチオンリッチ両性高分子凝集剤を順次添加する有機性排水の処理方法(特許文献6)等が知られている。
この高分子凝集剤は、前記課題を解決する優れた性能を有するものであるが、さらなる汚泥脱水性能及び歩留り向上性能が要求される用途においては、不十分となる場合があった。特に、適用する汚泥によっては、造粒性が不十分であった。より、具体的には、前記と同様の点で不十分であった。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表し、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表し、アクリルアミド又はメタクリルアミドを(メタ)アクリルアミドと表す。
本発明は、(A)カチオン性水溶性高分子〔以下(A)成分という〕及び(B)多糖類の存在下に、カチオン性ラジカル重合性単量体とアニオン性ラジカル重合性単量体を重合させて得られた両性水溶性高分子〔以下(B)成分という〕を含む組成物に関する。
以下、それぞれの成分について説明する。
本発明で使用する(A)成分のカチオン性水溶性高分子は、カチオン性を有する高分子であれば種々のものが使用でき、カチオン性ラジカル重合性単量体(以下単にカチオン性単量体という)を重合させて得られたものが好ましい。
これらの中でも、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級塩が好ましく、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのハロゲン化アルキル付加物がより好ましい。
これらの中でも、(メタ)アクリルアミドが好ましい。
本発明におけるカチオン当量値とは、コロイド滴定法により測定した値をいう。
本発明における(A)成分は、当該好ましいカチオン当量となる様にカチオン性単量体を使用すれば良いが、0.5〜55.0モル%使用したものが好ましい。
油中水型(逆相)エマルション重合で得られた(A)成分を実際に使用する場合には、HLBの比較的高い親水性界面活性剤を添加し、水で希釈、転相させて水中油型エマルションとして使用する。
(A)成分としては、粉末状品のものが好ましく使用される。
尚、本発明において0.5%塩粘度とは、4%塩化ナトリウム水溶液に重合体を0.5%溶解した試料を25℃で、B型粘度計にて、ローターNo.1又は2を用いて、60rpmで測定した値をいう。
本発明で使用する(B)成分の両性水溶性高分子は、多糖類の存在下に、カチオン性単量体とアニオン性ラジカル重合性単量体(以下単にアニオン性単量体という)を重合させて得られたものである。
以下、それぞれの成分及び製造方法について説明する。
本発明における多糖類としては、種々のものが使用できる。
例えば、天然物系多糖類としては、澱粉が挙げられ、具体的には、馬鈴薯澱粉、モチ馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、モチトウモロコシ澱粉、高アミローストウモロコシ澱粉、小麦粉澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、グルマンナン及びガラクタン等、並びに小麦粉、トウモロコシ粉、切干甘藷及び切干タピオカ等の原料澱粉等が挙げられる。
澱粉以外の多糖類としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等のセルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、デキストラン、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、キチン並びにキトサン等が挙げられる。
澱粉としては、化学的又は酵素的に修飾して得られる加工澱粉を使用することができる。加工方法としては、例えば、酸化、エステル化、エーテル化及び酸処理化等が挙げられる。
カチオン化としては、原料澱粉をカチオン化剤で処理する方法が挙げられる。カチオン化剤の具体例としては、ジエチルアミノエチルクロライド等の3級アミン、並びに3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド及びグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。
カチオン化された多糖類のカチオン置換度は、窒素原子換算で0.01〜0.06質量/質量%であることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.06質量/質量%である。
クッキングは、前記カチオン化後に行うことも、カチオン化と同時に行うこともできる。
使用する澱粉糊液の粘度は、固形分濃度が10〜40質量%で、25℃においてB型粘度計で測定した値が、100〜10000mPa・sであることが好ましい。
尚、使用する多糖類の糊液が老化し、固化したり、水への分散性が乏しくなった場合には、使用前にクッキングの処理がなされたものを使用することが好ましい。この場合のクッキングの方法としては、前記と同様の方法が挙げられる。
カチオン性単量体としては、前記と同様の単量体が使用できる。
これらの中でも、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級塩が好ましく、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのハロゲン化アルキル付加物がより好ましい。
アニオン性単量体としては、ラジカル重合性を有するものであれば種々の化合物が使用でき、具体的には、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸及びその塩が挙げられる。塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
本発明における(B)成分は、前記カチオン性単量体及びアニオン性単量体を必須とするものであるが、必要に応じてノニオン性単量体を併用することができる。
ノニオン性単量体としては、前記と同様のものが挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリルアミドが好ましい。
本発明の(B)成分は、多糖類の存在下、カチオン性単量体及びアニオン性単量体を重合させて得られたものである。
この場合の製造方法としては、重合開始剤及び多糖類の存在下、カチオン性単量体及びアニオン性単量体を、常法に従い重合させる方法等が挙げられる。
以下、使用するそれぞれの成分及び重合方法等について、説明する。
本発明の(B)成分における、多糖類と単量体の割合としては、多糖類及び全単量体の合計量に対して、単量体が50質量%以上が好ましく、50〜99質量%がより好ましい。
単量体の割合が50質量%に満たない場合は、得られる高分子が水に不溶性となったり、得られる高分子を凝集剤として使用する場合において、高分量の高分子が得られない場合がある。
重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤、レドックス系重合開始剤及び光重合開始剤等が挙げられる。
以下、それぞれの重合開始剤について説明する。
アゾ系重合開始剤としては、種々の化合物が使用でき、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(10時間半減期温度69℃、以下括弧内の温度は同様の意味を示す)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(65℃)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトチル)(67℃)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](86℃)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩(56℃)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩(44℃)等を挙げることができる。
アゾ系重合開始剤は、単独で使用しても又は2種以上を併用しても良い。
レドックス系重合開始剤は、酸化剤と還元剤を併用したものである。
酸化剤としては、多糖類の水素引抜き効果があり、多糖類に単量体を好ましくグラフトできる点で、過酸化物が好ましい。過酸化物としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド等の有機過酸化物、過酸化水素、並びに臭素酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、重合開始時の低温状態においても水素引き抜き効果に優れる点で、過硫酸塩が好ましい。
還元剤としては、亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸水素塩、アスコルビン酸及びその塩、ロンガリット、亜ニチオン酸及びその塩、トリエタノールアミン、並びに硫酸第一銅が挙げられる。
過酸化物と還元剤の好ましい組合わせとしては、過硫酸塩と亜硫酸塩、過硫酸塩と亜硫酸水素塩等が挙げられる。
還元剤の割合としては、多糖類及び単量体の合計量に対して10〜1000ppmが好ましく、より好ましくは20〜500ppmである。
光重合開始剤としては、多糖類の水素引抜き効果があり、多糖類に単量体を好ましくグラフトできる点で、ケタール型光重合開始剤及びアセトフェノン型光重合開始剤等が好ましい。この場合、光開裂して発生してベンゾイルラジカルが発生し、これが水素引抜き剤として機能する。
ケタール型光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1-オン及びベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
アセトフェノン型光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、4‐(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び2−ヒドロキシ−2メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕のオリゴマー等が挙げられる。
これら以外にも、ベンゾイン型光重合開始剤、チオキサントン型光重合開始剤及び特開2002−097236で記載された様なポリアルキレンオキサイド基を有する光重合開始剤も使用することができる。
重合形式としては、水溶液重合、逆相懸濁重合及び逆相エマルション重合等が挙げられ、取り扱いが容易である点で、水溶液重合及び逆相エマルション重合が好ましい。
逆相エマルション重合を採用する場合においては、多糖類及び単量体を含む水溶液と、HLBが3〜6である疎水性界面活性剤を含む有機分散媒とを攪拌混合し乳化させた後、重合開始剤の存在下10〜100℃で重合させ、油中水型(逆相)重合体エマルションを得る方法が挙げられる。有機分散媒としては、ミネラルスピリット等の高沸点炭化水素系溶剤等が挙げられる。
水性媒体中又は有機分散媒中の多糖類及び単量体の割合は、目的に応じて適宜設定すれば良く、20〜70質量%が好ましい。
具体的な重合方法としては、多糖類及び単量体を含む水溶液に、又は多糖類及び単量体を含む逆相乳化液に重合開始剤を添加すれば良い。
重合方法としては、光重合とレドックス重合を併用することも可能である。
光照射の強度は、単量体の種類、光重合開始剤及び/又は光増感剤の種類や濃度、目的とする(B)成分の分子量、重合時間などを考慮して決定されるが、一般に0.5〜1,000W/m2が好ましく、5〜400W/m2がより好ましい。
光源としては、例えば、蛍光ケミカルランプ、蛍光青色ランプ、メタルハライドランプ及び高圧水銀ランプ等を使用することができる。
(B)成分の製造方法としては、多糖類、アゾ系重合開始剤及び水素引抜き剤の存在下、カチオン性単量体及びアニオン性単量体を重合する方法が、多糖類に高分子量の重合体をグラフトすることができるうえ、残存モノマー量が少なく、得られる(B)成分を凝集剤として使用した場合、各種凝集性能に優れたものとなる理由で好ましい。
水素引抜き剤としては、レドックス系水素引抜き剤(以下RD引抜き剤という)及び光重合開始剤系水素引抜き剤(以下PT引抜き剤という)等が挙げられる。RD引抜き剤及びPT引抜き剤は、多糖類から水素引き抜きする他、単量体の重合開始剤としても機能する。
RD引抜き剤としては、酸化剤等が好ましく、具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。この場合、還元剤と併用することが好ましい。
PT引抜き剤としては、ケタール型光重合開始剤及びアセトフェノン型光重合開始剤等が好ましく、具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。
水溶液重合により得られた(B)成分は、通常ゲル状で、前記と同様の方法で、切断・細断、乾燥、粉砕して粉末状の高分子とされ、粒度調整され、あるいは添加剤等が加えられて使用される。
油中水型(逆相)エマルション重合で得られた(B)成分を実際に使用する場合には、前記と同様の方法で、水で希釈、転相させて水中油型エマルションとして使用する。
(B)成分としては、粉末状品のものが好ましく使用される。
この様な(B)成分は、前記単量体割合を満たす様にカチオン性単量体とアニオン性単量体を共重合して得ることができる。
本発明の組成物は、前記(A)成分及び(B)成分を併用してなるものである。
本発明の組成物は、(A)成分及び(B)成分を混合することにより製造することができる。又、後記する汚泥の脱水や抄紙工程においては、それぞれの成分を別々に添加することもできる。
(A)成分及び(B)成分としては、それぞれ1種を使用することも、2種以上を併用することもでき、(A)成分及び(B)成分の1種づつを使用することが簡便であり好ましい。
組成物における(A)成分及び(B)成分の割合としては、目的に応じて適宜設定すれば良いが、(A)成分が40〜90質量%及び(B)成分が10〜60質量%の範囲が好ましい。
本発明で得られる組成物は、種々の用途に応用することが可能であり、特に高分子凝集剤として有用である。高分子凝集剤としては、さらに汚泥脱水剤等に好ましく使用できる。
本発明の高分子凝集剤は、特に汚泥脱水剤として有用なものである。以下、汚泥脱水剤について説明する。
又、汚泥脱水剤として粉末のものを使用する場合には、使用に際して、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム及びスルファミン酸等を添加することが好ましい。又、脱水処理に悪影響がでないかぎり公知の添加剤と混合して使用しても良い。
本発明の汚泥脱水剤は、特に繊維分が少ない汚泥や余剰比率の高い汚泥に好ましく適用できるものである。具体的には、余剰比率が10SS%以上の汚泥に好ましく適用でき、より好ましくは20〜50SS%の汚泥に適用できる。
まず、汚泥に汚泥脱水剤を添加し、汚泥フロックを形成させる。フロックの形成方法は、公知の方法に従えば良い。
pHの調整方法としては、無機凝集剤又は有機カチオン性化合物を添加した後、当該pH値を満たす場合は、特にpH調整の必要はないが、本発明で限定する範囲を満たさない場合は、酸又はアルカリを添加して調整する。
酸としては、塩酸、硫酸、酢酸及びスルファミン酸等を挙げることができる。又、アルカリとしては、苛性ソーダ、苛性カリ、消石灰及びアンモニア等が挙げられる。
具体的には、汚泥に、無機凝集剤を添加し、さらに汚泥脱水剤を添加した後、又は汚泥脱水剤と共に、該汚泥の濾過部を有する造粒濃縮槽に導入し、該濾過部からろ液を取り出すと共に造粒し、この造粒物を脱水機で脱水処理する方法等が挙げられる。
(A)成分としては、カチオン性単量体単位とノニオン性単量体単位を有する共重合体であって、カチオン当量値が0.05〜4.00meq/gを有する共重合体が好ましい。
(B)成分としては、Ca/An<1.2を満たすものが好ましく、0.5%塩粘度が10〜100mPa.sを有するものが好ましい。
当該組成物としては、両性高分子凝集剤として好ましく使用できる。
高分子凝集剤の好ましい用途としては、汚泥脱水剤が挙げられる。
汚泥脱水剤として使用する場合は、汚泥に対して、汚泥脱水剤を添加した後、脱水する汚泥の脱水方法に好ましく使用できる。
尚、以下において、「%」とは、質量%を意味し、「部」とは質量部を意味する。
ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩(以下、「DAC」という。)水溶液、アクリル酸(以下、「AA」という。)水溶液及びアクリルアミド(以下、「AM」という。)水溶液を、各単量体がモル比でDAC/AA/AM=42/5/53(重量比でDAC/AA/AM=66.3/3.0/30.7)で固形分56%となる様に、ステンレス製反応容器に合計760g仕込んだ。
両性化澱粉スラリー〔王子コンスターチ(株)製エースKT−245。固形分:22%以下、「KT−245」という。〕を、イオン交換水を使用して、固形分5%まで希釈し、さらに80℃で30分加熱しクッキングし、固形分6%の両性化澱粉スラリーとした。当該両性化澱粉スラリーを、単量体及び澱粉の固形分換算合計量に対して3%分に相当する213gを仕込み、イオン交換水を20g加えて、全単量体及び澱粉の固形分濃度43%、総重量1.0kgに調整して、攪拌分散させた。
続いて、窒素ガスを60分間溶液に吹き込みながら溶液温度を10℃に調節後、全単量体及び澱粉の固形分重量を基準として、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩(以下、V−50という。)を1000ppm、塩化第二銅を0.3ppm、過硫酸アンモニウムを30ppm、亜硫酸水素ナトリウムを30ppmとなるように加えて、反応容器の上方から、100Wブラックライトを用いて6.0mW/cm2の照射強度で60分間照射して重合を行い、含水ゲル状の水溶性両性高分子を得た。
得られた両性高分子を容器から取り出し、乾燥・粉砕して粉末状の両性高分子を得た。この両性高分子をSCR−1という。
得られた高分子について、0.5%塩粘度(以下単に塩粘度という)を測定した。それらの結果を、表1に示す。
使用する成分及び割合を、上記表1の通り変更する以外は製造例1と同様の方法で高分子を製造した。尚、製造例3〜同5については、澱粉を使用せず、単量体のみを使用した。
得られた高分子について、塩粘度を測定した。それらの結果を、表1に示す。
下記表2に示す(A)成分及び(B)成分を、下記表2に示す割合で混合して組成物を製造した。これらを汚泥脱水剤として使用した。
その後、ヌッチェに、80メッシュの濾布を敷き、その上に円筒を立て、前記汚泥フロック分散液を円筒内に流し込み、重力濾過した。10秒後の濾液容量を測定し、これを濾過速度とした。得られた濾液の外観を目視で観察し、下記の3段階で評価した。濾過後、円筒を取り外し、得られたケーキについて、下記の3段階で評価した。
評価結果を表3に示す。実施例1及び同2の汚泥脱水剤は、評価を行ったすべての凝集性に優れるものであった。
優:攪拌すると直ちに粒径の大きなフロックを形成し、攪拌によってフロックが破壊され難かった。
良:攪拌すると直ちに粒径の大きなフロックを形成するが、攪拌によってフロックが破壊され易かった。
不良:攪拌を続けても粒径の比較的小さなフロックしか形成せず、例え形成しても攪拌により破壊されやすかった。
優:完全に透明。良好:僅かに浮遊物あり。不良:多くの浮遊物あり。
優:完全にケーキが自力で立った。良好:僅かにケーキが流れた。不良:ケーキが流れてしまった。
汚泥脱水剤としてCO−1、CO−2及びC−1を用いる以外は、実施例と同様の脱水試験を行った。それらの結果を表3に示す。
Claims (7)
- (A)カチオン性水溶性高分子及び(B)多糖類の存在下に、カチオン性ラジカル重合性単量体とアニオン性ラジカル重合性単量体を重合させて得られた両性水溶性高分子を含む組成物。
- 前記(A)成分が、カチオン性ラジカル重合性単量体単位とノニオン性ラジカル重合性単量体単位を有する共重合体であって、カチオン当量値が0.05〜4.00meq/gを有する共重合体である請求項1記載の組成物。
- 前記(B)成分が、カチオン性ラジカル重合性単量体のアニオン性ラジカル重合性単量体に対するモル基準の割合(以下Ca/Anという)がCa/An<1.2を満たすものである請求項1又は請求項2記載の組成物。
- 前記(B)成分が、0.5%塩粘度が10〜100mPa.sを有するものである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の組成物を含有してなる高分子凝集剤。
- 請求項5記載の高分子凝集剤からなる汚泥脱水剤。
- 汚泥に対して、請求項6に記載の汚泥脱水剤を添加した後、脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。
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