JP2006188213A - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御装置,動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御装置,動力出力装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遊星歯車機構の潤滑をより適正に行なう。
【解決手段】遊星歯車機構にエンジンとモータMG1と駆動軸とを接続し、駆動軸に変速機を介してモータMG2を接続した自動車において、変速機のブレーキB1,B2を作動する油圧回路100の異常によりブレーキB1,B2の作動に用いられた後のオイルを潤滑剤としてオイル用流路116を介して遊星歯車機構30に供給することができないときには、エンジンを継続して運転する。これにより、ブレーキB1,B2を作動するのに十分な圧送性能を有する機械式ポンプ102からのオイルとブレーキB1,B2を作動するのに必要最低限の圧送性能を有する電動ポンプ104からのオイルとのうちブレーキB1,B2の作動に用いられなかったオイルをオイル用流路116を介して遊星歯車機構30に供給することができ、遊星歯車機構30の潤滑を行なうことができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御装置,動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、遊星歯車機構の3つの回転要素にエンジンのクランクシャフト,第1モータの回転軸,駆動軸がそれぞれ接続されると共に駆動軸に変速機を介して第2モータが接続されたハイブリッド自動車に搭載されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、車速に応じて変速機の変速段をハイギヤの状態とローギヤの状態とを選択的に切り替えることにより、第2モータからの動力を車速に応じたものに変換して駆動軸に出力している。
特開2002−225578号公報
こうした動力出力装置において、変速機の変速におけるアクチュエータを作動する油圧回路のオイルを遊星歯車機構を潤滑する潤滑剤として用いることが考えられている。この場合、油圧を発生させるポンプとして、エンジンを間欠運転する必要から、エンジンの回転を用いて駆動する機械式ポンプと電動ポンプとを併用することも考えられる。このとき、電動ポンプについては必要最小限の性能のものを用いることにより車両の効率と設置のスペースを確保するのが通常である。ところで、こうした装置において、変速機の変速におけるアクチュエータに異常が生じ、アクチュエータで多量のオイルを用いるときには、遊星歯車機構に十分な量の潤滑剤としてのオイルを供給することができない場合が生じる。特に、潤滑剤としてのオイルはアクチュエータの作動に必要な圧力は必要がないため、アクチュエータからの戻りのオイルを用いるときには、この問題はクローズアップされる。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御装置,動力出力装置の制御方法は、装置の機械的連結部の潤滑をより適正に行なうことを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御装置,動力出力装置の制御方法は、装置の機械的連結部への潤滑剤の供給が十分でないときでも装置を駆動することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とを連結する機械的連結部を有し、前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な動力伝達手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記内燃機関からの動力を用いて第1の圧送性能をもって潤滑剤として機能可能な作動流体を圧送する機械式圧送手段と、
電力を用いて前記第1の圧送性能より低い第2の圧送性能をもって前記作動流体を圧送する電気式圧送手段と、
前記圧送された作動流体を用いたアクチュエータにより作動する作動機器と、
前記圧送された作動流体のうち前記作動機器の作動に用いられなかった余剰の作動流体と前記作動機器の作動に用いられた後の作動流体とを前記動力伝達手段の機械的連結部に潤滑剤として供給する潤滑剤供給手段と、
前記駆動軸に出力すべき要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記作動機器のアクチュエータを含む作動系の所定の異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段により所定の異常が検出されないときには前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御し、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには前記内燃機関の運転の継続を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、内燃機関からの動力を用いて第1の圧送性能をもって潤滑剤として機能可能な作動流体を圧送する機械式圧送手段と電力を用いて第1の圧送性能より低い第2の圧送性能をもって作動流体を圧送する電気式圧送手段とから圧送された作動流体を用いたアクチュエータにより作動する作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されないときには内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と動力伝達手段と電動機とを制御し、作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されたときには内燃機関の運転の継続を伴って要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と動力伝達手段と電動機とを制御する。したがって、作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されたときには、内燃機関の運転を継続することによって機械式圧送手段から圧送された作動流体と電気式圧送手段から圧送された作動流体とのうち作動機器の作動に用いられなかった余剰の作動流体を用いて動力伝達手段の機械的連結部の潤滑を行なうことができる。ここで、「作動系」には、作動機器のアクチュエータの他に、アクチュエータの状態を検出する状態検出手段なども含まれる。なお、状態検出手段としては、例えば、作動流体の温度を検出する温度検出手段などがある。
こうした本発明の動力出力装置において、前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段を備え、前記動力伝達手段は、前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で、電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段である、ものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力する発電機とを備える手段であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置において、前記作動機器は前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段であり、前記制御手段は、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する手段であるものとすることもできる。また、前記異常検出手段は、前記作動機器の作動に用いられた後の作動流体を前記潤滑剤供給手段を介して前記動力伝達手段の機械的連結部に供給することができない異常を前記所定の異常として検出する手段であるものとすることもできる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記異常検出手段は、前記作動機器のアクチュエータの異常を前記所定の異常として検出する手段であるものとすることもできる。また、前記圧送された作動流体の温度を検出する温度検出手段を備え、前記異常検出手段は、前記温度検出手段の異常を前記所定の異常として検出する手段であるものとすることもできる。後者の場合、前記制御手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されないときであって前記温度検出手段により検出された作動流体の温度が所定温度未満のときには前記内燃機関が間欠運転されるよう制御し、前記異常検出手段により所定の異常が検出されないときであって前記温度検出手段により検出された作動流体の温度が前記所定温度以上のときには該作動流体の温度が高いほど大きくなる傾向に設定される下限回転数以上の回転数で前記内燃機関が継続して運転されるよう制御し、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには前記下限回転数の最大値以上の回転数で前記内燃機関が継続して運転されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、所定の異常が検出されたときには、下限回転数の最大値以上の回転数で内燃機関を継続して運転することにより、機械的連結部に作動流体を充分に供給することができる。もとより、所定の異常が検出されないときには、作動流体の温度が比較的低いときには内燃機関を間欠運転することにより機械的連結部に作動流体を充分に供給することができ、作動流体の温度が比較的高いときには作動流体の温度に応じた回転数で内燃機関を継続して運転することにより機械的連結部に作動流体を充分に供給することができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには、前記動力伝達手段の機械的連結部の潤滑に必要な作動流体の量が少なくなるよう前記内燃機関を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、機械的連結部の潤滑に必要な作動流体の量が少ないときでも駆動軸に動力を出力することができる。この場合、前記駆動軸の回転数である駆動軸回転数を検出する駆動軸回転数検出手段を備え、前記制御手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには前記内燃機関が前記検出された駆動軸回転数と略等しい回転数で運転されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の出力軸と駆動軸とが略一体となって回転するから、機械的連結部の潤滑の必要性が低くなる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記制御手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには前記駆動軸が所定回転数以下で回転するよう制御する手段であるものとすることもできる。また、前記要求駆動力設定手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されないときには運転者の操作に基づいて得られる駆動力を前記要求駆動力として設定し、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには運転者の操作に基づいて得られる駆動力に対して所定の制限をした駆動力を前記要求駆動力として設定する手段であるものとすることもできる。これらのように、駆動を制限することにより機械的連結部の潤滑の必要性を低くすることができる。
本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とを連結する機械的連結部を有し前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な動力伝達手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記内燃機関からの動力を用いて第1の圧送性能をもって潤滑剤として機能可能な作動流体を圧送する機械式圧送手段と、電力を用いて前記第1の圧送性能より低い第2の圧送性能をもって前記作動流体を圧送する電気式圧送手段と、前記圧送された作動流体を用いたアクチュエータにより作動する作動機器と、前記圧送された作動流体のうち前記作動機器の作動に用いられなかった余剰の作動流体と前記作動機器の作動に用いられた後の作動流体とを前記動力伝達手段の機械的連結部に潤滑剤として供給する潤滑剤供給手段と、前記駆動軸に出力すべき要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、前記作動機器のアクチュエータを含む作動系の所定の異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段により所定の異常が検出されないときには前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御し、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには前記内燃機関の運転の継続を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されたときには内燃機関の運転を継続することによって機械式圧送手段から圧送された作動流体と電気式圧送手段から圧送された作動流体とのうち作動機器の作動に用いられなかった余剰の作動流体を用いて動力伝達手段の機械的連結部の潤滑を行なうことができる効果などと同様な効果を奏することができる。
こうした本発明の自動車において、車速を検出する車速検出手段を備え、前記制御手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには前記検出された車速が所定車速以下となるよう制御する手段であるものとすることもできる。このように、車速を制限することにより機械的連結部の潤滑の必要性を低くすることができる。
本発明の動力出力装置の制御装置は、
内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とを連結する機械的連結部を有し該内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な動力伝達手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記内燃機関からの動力を用いて第1の圧送性能をもって潤滑剤として機能可能な作動流体を圧送する機械式圧送手段と、電力を用いて前記第1の圧送性能より低い第2の圧送性能をもって前記作動流体を圧送する電気式圧送手段と、前記圧送された作動流体を用いたアクチュエータにより作動する作動機器と、前記圧送された作動流体のうち前記作動機器の作動に用いられなかった余剰の作動流体と前記作動機器の作動に用いられた後の作動流体とを前記動力伝達手段の機械的連結部に潤滑剤として供給する潤滑剤供給手段と、を備える動力出力装置の制御装置であって、
前記駆動軸に出力すべき要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記作動機器のアクチュエータを含む作動系の所定の異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段により所定の異常が検出されないときには前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御し、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには前記内燃機関の運転の継続を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御装置では、内燃機関からの動力を用いて第1の圧送性能をもって潤滑剤として機能可能な作動流体を圧送する機械式圧送手段と電力を用いて第1の圧送性能より低い第2の圧送性能をもって作動流体を圧送する電気式圧送手段とから圧送された作動流体を用いたアクチュエータにより作動する作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されないときには内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と動力伝達手段と電動機とを制御し、作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されたときには内燃機関の運転の継続を伴って要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と動力伝達手段と電動機とを制御する。したがって、作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されたときには、内燃機関の運転を継続することによって機械式圧送手段から圧送された作動流体と電気式圧送手段から圧送された作動流体とのうち作動機器の作動に用いられなかった余剰の作動流体を用いて動力伝達手段の機械的連結部の潤滑を行なうことができる。ここで、「作動系」には、作動機器のアクチュエータの他に、アクチュエータの状態を検出する状態検出手段なども含まれる。なお、状態検出手段としては、例えば、作動流体の温度を検出する温度検出手段などがある。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とを連結する機械的連結部を有し該内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な動力伝達手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記内燃機関からの動力を用いて第1の圧送性能をもって潤滑剤として機能可能な作動流体を圧送する機械式圧送手段と、電力を用いて前記第1の圧送性能より低い第2の圧送性能をもって前記作動流体を圧送する電気式圧送手段と、前記圧送された作動流体を用いたアクチュエータにより作動する作動機器と、前記圧送された作動流体のうち前記作動機器の作動に用いられなかった余剰の作動流体と前記作動機器の作動に用いられた後の作動流体とを前記動力伝達手段の機械的連結部に潤滑剤として供給する潤滑剤供給手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されないときには前記内燃機関の間欠運転を伴って前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御し、
前記作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されたときには前記内燃機関の運転が継続されると共に前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法によれば、内燃機関からの動力を用いて第1の圧送性能をもって潤滑剤として機能可能な作動流体を圧送する機械式圧送手段と電力を用いて第1の圧送性能より低い第2の圧送性能をもって作動流体を圧送する電気式圧送手段とから圧送された作動流体を用いたアクチュエータにより作動する作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されないときには内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と動力伝達手段と電動機とを制御し、作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されたときには内燃機関の運転の継続を伴って要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と動力伝達手段と電動機とを制御する。したがって、作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されたときには、内燃機関の運転を継続することによって機械式圧送手段から圧送された作動流体と電気式圧送手段から圧送された作動流体とのうち作動機器の作動に用いられなかった余剰の作動流体を用いて動力伝達手段の機械的連結部の潤滑を行なうことができる。ここで、「作動系」には、作動機器のアクチュエータの他に、アクチュエータの状態を検出する状態検出手段なども含まれる。なお、状態検出手段としては、例えば、作動流体の温度を検出する温度検出手段などがある。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。第1実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して変速機60がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、共に発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2から生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1とモータMG2とにより電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、共にモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達できるよう構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図2に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転が自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
ブレーキB1,B2は、本発明の作動系として図3に例示する油圧回路100からの油圧によりオンオフされるようになっている。油圧回路100は、図示するように、エンジン22の回転により駆動されブレーキB1,B2を作動させるのに十分な圧送性能をもってオイルをオイル用流路116に圧送する機械式ポンプ102と、内蔵される図示しない電動モータにより駆動されブレーキB1,B2を作動させるのに必要最低限の圧送性能をもってオイルをオイル用流路116に圧送する電動ポンプ104と、機械式ポンプ102や電動ポンプ104からオイル用流路116に圧送されたオイルのライン油圧PLを調整する3ウェイソレノイド106およびプレッシャーコントロールバルブ108と、ライン油圧PLを用いてブレーキB1,B2の係合力を調整するリニアソレノイド110,111やコントロールバルブ112,113,アキュムレータ114,115とから構成されている。油圧回路100では、ライン油圧PLは、3ウェイソレノイド106を駆動してプレッシャーコントロールバルブ108の開閉を制御することにより調整することができ、ブレーキB1,B2の係合力は、リニアソレノイド110,111に印加する電流を制御することによりライン油圧PLをブレーキB1,B2に伝達させるコントロールバルブ112,113の開閉を制御することにより調節することができる。また、油圧回路100では、機械式ポンプ102または電動ポンプ104から圧送されたオイルのうちブレーキB1,B2の作動に用いられなかった余剰のオイルとブレーキB1,B2の作動に用いられた後のプレッシャーコントロールバルブ108からの戻りのオイルとを潤滑剤としてオイル用流路116を介して動力分配統合機構30に供給する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量に対応したアクセル開度Accを検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,作動系として油圧回路100のオイルの温度を検出する温度センサ118からの油温toilなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、電動ポンプ104を駆動する電動モータへの駆動信号や3ウェイソレノイド106への駆動信号,リニアソレノイド110,111への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された第1実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成されたハイブリッド自動車20の動作について説明する。図4は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*,バッテリ50の出力制限Wout,異常判定フラグFなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、充放電要求パワーPb*は、バッテリ50の残容量(SOC)などに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。バッテリ50の出力制限Woutは、バッテリ50の電池温度Tbと残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。異常判定フラグFは、図示しない異常判定ルーチンにより、油圧回路100が異常であるか否かが判定され、異常であるときには値1が、正常であるときには値0が設定されてRAM76の所定のアドレスに書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。ここで、油圧回路100の異常判定は、ブレーキB1,B2の作動に用いられた後のプレッシャーコントロールバルブ108からの戻りのオイルを潤滑剤として動力分配統合機構30に供給することができるか否かをプレッシャーコントロールバルブ108の状態と3ウェイソレノイド106の状態とに基づいて判定することにより行なうものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*と車両に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和により設定するものとした。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、モータMG2の回転数Nm2を変速機60の現在のギヤ比Grで除することにより求めたり、車速Vに換算係数kを乗じることにより求めることができる。
続いて、異常判定フラグFの値を調べる(ステップ120)。異常判定フラグFが値0のときには、油圧回路100は正常であると判断し、要求パワーPe*を閾値Prefと比較する(ステップS130)。ここで、閾値Prefは、エンジン22の運転を停止するか否かを判定するために用いられるものであり、エンジン22から効率よく出力できるパワーの下限値やその近傍の値として設定される。要求パワーPe*が閾値Prefより大きいときには、要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS140)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定することにより行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図6に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定すると、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS150)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数Nrを示す。モータMG1の目標回転数Nm1*は、この共線図における回転数の関係を用いることにより容易に導くことができる。したがって、モータMG1が目標回転数Nm1*で回転するようトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することによりエンジン22を目標回転数Ne*で回転させることができる。式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。なお、図7におけるR軸上の上向きの2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに直接伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が変速機60を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ−Nr/ρ …(1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*−Nm1)+k2∫(Nm1*−Nm1)dt …(2)
モータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の出力制限Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上限としてのトルク制限Tm2maxを次式(3)により計算すると共に(ステップS160)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(4)により計算し(ステップS170)、計算した仮モータトルクTm2tmpをトルク制限Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS180)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の出力制限Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(4)は、前述した図7の共線図から容易に導き出すことができる。
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(3)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(4)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS190)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が運転されているときにはその状態(運転状態)で、また、エンジン22が運転停止されているときにはエンジン22を始動して、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
一方、ステップS130で要求パワーPe*が閾値Pref以下のときには、エンジン22の運転を停止すべきであると判断し、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに共に値0を設定すると共に(ステップS200)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS210)、モータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS160〜S180)、設定した目標回転数Ne*や目標トルクTe*,トルク指令Tm1*,Tm2*をエンジンECU24およびモータECU40に送信して(ステップS190)、駆動制御ルーチンを終了する。値0の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が運転されているときにはエンジン22の運転を停止し、エンジン22が運転停止されているときにはその状態(運転停止状態)を保持する。このように油圧回路100が正常のときには、要求パワーPe*に基づいてエンジン22を間欠運転することによりエネルギ効率の向上を図ることができる。このときには、機械式ポンプ102または電動ポンプ104からのオイルのうちブレーキB1,B2の作動に用いられなかった余剰のオイルとブレーキB1,B2の作動に用いられた後のプレッシャーコントロールバルブ108からの戻りのオイルとを潤滑材としてオイル用流路116を介して動力分配統合機構30に供給することにより、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑を行なうことができる。
ステップS120で異常判定フラグFが値1のときには、油圧回路100が異常でありブレーキB1,B2の作動に用いられた後のオイルを潤滑剤として動力分配統合機構30に供給することができないと判断し、車速Vに基づいて要求トルク制限Trmaxを設定し(ステップS220)、ステップS110で設定した要求トルクTr*と要求トルク制限Trmaxとを比較して小さい方を要求トルクTr*として再設定すると共に再設定した要求トルクTr*に基づいてステップS110と同様に要求パワーPe*を再設定する(ステップS230)。ここで、要求トルク制限Trmaxは、実施例では、車速Vと要求トルク制限Trmaxとの関係を予め定めて要求トルク制限設定用マップとしてROM74に記憶しておき、車速Vが与えられるとマップから対応する要求トルク制限Trmaxを導出して設定するものとした。このマップの一例を図8に示す。要求トルク制限Trmaxは、図示するように、車速Vが高いほど小さくなる傾向に設定される。これは、モータMG2の過回転の抑制と動力分配統合機構30の潤滑の必要性の低下とを図るためである。いま、油圧回路100の異常により変速機60のギヤの状態がLoギヤの状態で固定されたときを考える。このとき、要求トルクTr*を制限しないと、車速Vが大きくなることによってモータMG2が過回転となってしまう場合がある。一方、車速VがモータMG2を連続して駆動できる回転数の上限値としての上限回転数やそれより小さい回転数に相当する所定車速Vref以下となるよう要求トルクTr*を制限すれば、モータMG2の過回転を抑制することができる。したがって、このように要求トルクTr*が制限されるよう要求トルク制限Trmaxを設定するのである。また、このように要求トルクTr*を制限することによって動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑の必要性は低くすることができ、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑に必要なオイルの量が少ないときでも駆動軸としてのリングギヤ軸32aに動力を出力することができる。
要求トルクTr*および要求パワーPe*を再設定すると、駆動軸としてのリングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)を閾値Nrefと比較する(ステップS240)。ここで、閾値Nrefは、エンジン22をリングギヤ軸32aの回転数Nrで運転してもよいか否かを判定するために用いられるものであり、エンジン22のアイドル回転数Nidlなどに設定される。リングギヤ軸32aの回転数Nrが閾値Nrefより大きいときには、リングギヤ軸32aの回転数Nrをエンジン22の目標回転数Ne*に設定すると共に再設定した要求パワーPe*を目標回転数Ne*で除することによりエンジン22の目標トルクTe*を設定する(ステップS250)。油圧回路100が異常のときにリングギヤ軸32aの回転数Nrが閾値Nrefより大きいときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図9に示す。なお、図9には、参考のために油圧回路100が正常のときの共線図も点線で併せて示している。図中実線に示すように、油圧回路100が異常のときにリングギヤ軸32aの回転数Nrが閾値Nrefより大きいときには、モータMG1に接続された動力分配統合機構30のサンギヤ31とエンジン22に接続された動力分配統合機構30のキャリア34と駆動軸としてのリングギヤ軸32aに接続された動力分配統合機構30のリングギヤ32とを略一体となって回転させるから、動力分配統合機構30のサンギヤ31とキャリア34とリングギヤ32との回転数を略一致させないもの(図中、点線参照)に比して動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑の必要性を低くすることができる。この結果、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑に必要なオイルの量が少ないときでも駆動軸としてのリングギヤ軸32aに動力を出力することができる。一方、リングギヤ軸32aの回転数Nr*が閾値Nref以下のときには、エンジン22をリングギヤ軸32aの回転数Nrで運転できないと判断し、エンジン22がアイドル回転数Nidlで運転されるようエンジン22の目標回転数Ne*にアイドル回転数Nidlを設定する共に再設定した要求パワーPe*を目標回転数Ne*で除することによりエンジン22の目標トルクTe*を設定する(ステップS260)。
こうしてステップS250またはステップS260でエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定すると、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し(ステップS150〜S180)、設定した目標回転数Ne*や目標トルクTe*,トルク指令Tm1*,Tm2*をエンジンECU24およびモータECU40に送信し(ステップS190)、駆動制御ルーチンを終了する。このように油圧回路100が異常のときには、リングギヤ軸32aの回転数Nrまたはアイドル回転数Nidlでエンジン22を継続して運転するから、機械式ポンプ102からのオイルと電動ポンプ104からのオイルとのうちブレーキB1,B2の作動に用いられなかった余剰のオイルを潤滑剤としてオイル用流路116を介して動力分配統合機構30に供給することにより、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑を行なうことができる。
以上説明した第1実施例のハイブリッド自動車20によれば、油圧回路100の異常によりブレーキB1,B2の作動に用いられた後のオイルを潤滑剤として動力分配統合機構30に供給することができないときには、要求パワーPe*に拘わらずエンジン22を継続して運転するから、エンジン22の回転により駆動されブレーキB1,B2を作動するのに十分な圧送性能をもってオイルを圧送する機械式ポンプ102からのオイルと電動モータにより駆動されブレーキB1,B2を作動するのに必要最低限の圧送性能をもってオイルを圧送する電動ポンプ104からのオイルとのうちブレーキB1,B2の作動に用いられなかった余剰のオイルを潤滑剤として動力分配統合機構30に供給することにより、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑を行なうことができる。しかも、油圧回路100が異常であるときには、車速Vが大きくなるほど小さくなる傾向に設定された要求トルク制限Trmaxにより要求トルクTr*を制限するから、モータMG2の過回転を抑制することができると共に動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑の必要性を低くすることができる。また、油圧回路100が異常のときにエンジン22のアイドル回転数Nidlなどが設定される閾値Nrefより駆動軸としてのリングギヤ32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)が大きいときには、リングギヤ軸32aの回転数Nrと略一致する回転数でエンジン22を運転するから、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑の必要性を低くすることができる。これらのように、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑の必要性を低くすることができる結果、潤滑に必要なオイルの量が少ないときでも駆動軸としてのリングギヤ軸32aに動力を出力することができる。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、異常判定フラグFが値1のときには、要求トルク制限設定用マップを用いて要求トルク制限Trmaxを設定するものとしたが、モータMG2の過回転の抑制や動力分配統合機構30の潤滑の必要性の低下を図ることができれば、要求トルク制限設定用マップを用いることなく要求トルク制限Trmaxを設定するものとしてもよい。この場合、例えば、要求トルク制限Trmaxに所定値を設定するものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、異常判定フラグFが値1のときには、車速Vが大きくなるほど小さくなる傾向に設定された要求トルク制限Trmaxにより要求トルクTr*を制限するものとしたが、要求トルク制限Trmaxにより要求トルクTr*を制限しないものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、異常判定フラグFが値1のときに駆動軸としてのリングギヤ軸32aの回転数Nrが閾値Nrefより大きいときには、エンジン22の目標回転数Ne*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを設定すると共に要求パワーPe*を目標回転数Ne*で除することによりエンジン22の目標トルクTe*を設定するものとしたが、エンジン22が効率よく運転されるよう目標回転数Ne*が閾値Nrefよりも大きくなる範囲で目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定するものとしてもよいし、エンジン22が効率よく運転される目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに比して動力分配統合機構30の潤滑に必要なオイルの量が少なくなるよう目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定するものとしてもよい。
次に、本発明の第2実施例としてのハイブリッド自動車20Bについて説明する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bは、図1〜図3に例示して説明した第1実施例のハイブリッド自動車20と同一のハード構成をしている。したがって、重複した記載を避けるために、第2実施例のハイブリッド自動車20Bのハード構成については、第1実施例のハイブリッド自動車20のハード構成と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。こうした第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、図4の駆動制御ルーチンに代えて図10の駆動制御ルーチンを実行する。図10の駆動制御ルーチンのうち図4の駆動制御ルーチンと同一の処理については同一のステップ番号を付した。以下、第2実施例における駆動制御の説明では、図4の駆動制御と異なる点を中心に説明する。
この駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセル開度Accや車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,充放電要求パワーPb*,バッテリ出力制限Wout,油温センサ118からの油温toil,油圧回路異常判定フラグF1,温度センサ異常判定フラグF2など制御に必要なデータを入力する(ステップS100b)。ここで、油圧回路異常判定フラグF1は、図4の駆動制御ルーチンの異常判定フラグFに相当し、油圧回路100が正常であるときに値0が設定され、異常であるときに値1が設定されてRAM76の所定アドレスに書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。なお、油圧回路100の異常判定は、前述したように、ブレーキB1,B2の作動に用いられた後のプレッシャーコントロールバルブ108からの戻りのオイルを潤滑剤として動力分配統合機構30に供給することができるか否かをプレッシャーコントロールバルブ108の状態と3ウェイソレノイド106の状態とに基づいて判定することにより行なうものとした。また、温度センサ異常判定フラグF2は、温度センサ118が正常であるときに値0が設定され、温度センサ118が異常であるときに値1が設定されてRAM76の所定アドレスに書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。温度センサ118の異常判定は、第2実施例では、温度センサ118からの信号が所定時間に亘って途絶えていないか否かなどを判定することにより行なうものとした。
こうしてデータを入力すると、要求トルクTr*および要求パワーPe*を設定し(ステップS110)、油圧回路異常判定フラグF1の値を調べると共に(ステップS300)、温度センサ異常判定フラグF2の値を調べる(ステップS310)。油圧回路異常判定フラグF1と温度センサ異常判定フラグF2とが共に値0のときには、油圧回路100および温度センサ118は共に正常であると判断し、油温toilを閾値trefと比較する(ステップS320)。ここで、閾値trefは、機械式ポンプ102を停止した状態で電動ポンプ104からのオイルのうちブレーキB1,B2の作動に用いられなかった余剰のオイルとブレーキB1,B2の作動に用いられた後のプレッシャーコントロールバルブ108からの戻りのオイルとを潤滑材として動力分配統合機構30に供給することができるか否かを判定するために用いられる閾値であり、電動ポンプ104の性能などにより定められる。いま、油温toilが比較的高いときを考える。このときには、オイルの粘性が低下することによって油圧回路100の隙間から漏れるオイルの量が多くなるため、プレッシャーコントロールバルブ108からの戻りのオイルが少なくなり、機械ポンプ102を停止した状態ではオイルを潤滑剤として動力分配統合機構30に充分に供給することができない場合が生じ得る。ステップS320の判定は、こうした場合が生じ得るか否かを判定するものである。油温toilが閾値tref未満のときには、こうした場合は生じないと判断し、ステップS130以降の処理を実行する。この場合、要求パワーPe*に応じてエンジン22を間欠運転することになる。このときには、機械式ポンプ102または電動ポンプ104からのオイルのうちブレーキB1,B2の作動に用いられなかった余剰のオイルとブレーキB1,B2の作動に用いられた後のプレッシャーコントロールバルブ108からの戻りのオイルとを潤滑材としてオイル用流路116を介して動力分配統合機構30に供給することにより、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑を行なうことができる。
一方、油温toilが閾値tref以上のときには、油温toilに基づいてエンジン22の下限回転数Nminを設定する(ステップS330)。エンジン22の下限回転数Nminは、オイルを潤滑剤として動力分配統合機構30に充分に供給することができる回転数の下限値またはそれよりも若干大きい回転数として設定され、第2実施例では、油温toilと下限回転数Nminとの関係を予め定めて下限回転数設定用マップとしてROM74に記憶しておき、油温toilが与えられると記憶したマップから対応する下限回転数Nminを導出して設定するものとした。下限回転数設定用マップの一例を図11に示す。下限回転数Nminは、図示するように、油温toilが閾値tref以上の領域で油温toilが高いほど大きくなる傾向に設定するものとした。これは、油温toilが高いほどオイルの粘性が小さくなることによってブレーキB1,B2の作動に用いられた後のプレッシャーコントロールバルブ108からの戻りのオイルが少なくなり、オイルを潤滑材として動力分配統合機構30に供給しにくくなるためである。なお、図中、「tmax」は油圧回路100に想定される油温toilの最大値であり、「N1」は油温toilが温度tmaxのときの下限回転数Nminである。
次に、要求パワーPe*を閾値Prefと比較し(ステップS340)、要求パワーPe*が閾値Prefより大きいときには、要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*が下限回転数Nmin以上となる範囲でエンジン22を効率よく運転可能な運転ポイントとしての目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定し(ステップS350)、ステップS150以降の処理を実行する。一方、要求パワーPe*が閾値Pref未満のときには、下限回転数Nminをエンジン22の目標回転数Ne*に設定すると共に要求パワーPe*を目標回転数Ne*で減じることにより目標トルクTe*を計算し(ステップS360)、ステップS150以降の処理を実行する。このように、油温toilが閾値tref以上のときには、油温toilに応じた下限回転数Nmin以上の回転数でエンジン22を継続して運転するのである。これにより、機械式ポンプ102および電動ポンプ104からのオイルのうちブレーキB1,B2の作動に用いられなかった余剰のオイルとブレーキB1,B2の作動に用いられた後のプレッシャーコントロールバルブ108からの戻りのオイルとを潤滑材としてオイル用流路116を介して動力分配統合機構30に供給することにより、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑を行なうことができる。
ステップ300,S310で油圧回路異常判定フラグF1が値1のときや温度センサ異常判定フラグF2が値1のときには、油圧回路100と温度センサ118とのうち少なくとも一方に異常が生じていると判断し、図4の駆動制御ルーチンと同様に、車速Vに基づく要求トルク制限Trmaxで要求トルクTr*を制限して要求トルクTr*を再設定すると共に再設定した要求トルクTr*に基づいて要求パワーPe*を再設定する(ステップS220,S230)。そして、リングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)を前述した所定回転数N1(油温toilが所定温度tmaxのときの下限回転数Nmin)と比較し(ステップS370)、リングギヤ軸32aの回転数Nrが所定回転数N1より大きいときには、リングギヤ軸32aの回転数Nrをエンジン22の目標回転数Ne*に設定すると共に要求パワーPe*を目標回転数Ne*で除することにより目標トルクTe*を設定し(ステップS250)、ステップS150以降の処理を実行する。一方、リングギヤ軸32aの回転数Nrが所定回転数N1以下のときには、所定回転数N1をエンジン22の目標回転数Ne*に設定すると共に要求パワーPe*を目標回転数Ne*で除することにより目標トルクTe*を設定し(ステップS380)、ステップS150以降の処理を実行する。いま、温度センサ118に異常が生じているときを考える。油温toilが比較的高いときには、前述したように、オイルを潤滑材として動力分配統合機構30に供給するために、エンジン22の下限回転数Nminを油温toilに応じて変更する必要があるが、温度センサ118に異常が生じているときには下限回転数Nminを設定することができない。したがって、このときには、所定回転数N1以上の回転数でエンジン22を継続して運転するものとした。これにより、機械式ポンプ102からのオイルと電動ポンプ104からのオイルとのうち少なくともブレーキB1,B2の作動に用いられなかった余剰のオイルを潤滑剤としてオイル用流路116を介して動力分配統合機構30に供給することにより、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑を充分に行なうことができる。
以上説明した第2実施例のハイブリッド自動車20Bによれば、油圧回路100または温度センサ118が異常であるときには、油温toilが所定温度tmaxのときの下限回転数Nminとしての所定回転数N1以上の回転数でエンジン22を継続して運転するから、機械式ポンプ102からのオイルと電動ポンプ104からのオイルとのうち少なくともブレーキB1,B2の作動に用いられなかった余剰のオイルを潤滑剤としてオイル用流路116を介して動力分配統合機構30に供給することにより、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑を行なうことができる。もとより、油圧回路100と温度センサ118とが共に正常であるときには、油温toilが閾値tref未満のときにはエンジン22を間欠運転し、油温toilが閾値tref異常のときには油温toilに応じた下限回転数Nmin以上の回転数でエンジン22を継続して運転することにより、動力分配統合機構30のギヤの噛合部の潤滑を充分に行なうことができる。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、油圧回路異常判定フラグF1が値1のときや温度センサ異常判定フラグF2が値1のときには、所定回転数N1(油温toilが所定温度tmaxのときの下限回転数Nmin)以上の回転数でエンジン22を継続して運転するものとしたが、油圧回路異常判定フラグF1が値1であるときに温度センサ異常判定フラグF2が値0のときには、油温toilが高いほど高くなる傾向に設定される下限回転数Nmin以上の回転数でエンジン22を継続して運転するものとしてもよい。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、油圧回路異常判定フラグF1が値1のときや温度センサ異常判定フラグF2が値1のときには、リングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)を所定回転数N1と比較して所定回転数N1またはリングギヤ軸32aの回転数Nrを目標回転数Ne*に設定するものとしたが、エンジン22が効率よく運転されるよう要求パワーPe*に基づいて仮目標回転数Netmpおよび仮目標トルクTetmpを設定すると共に設定した仮目標回転数Netmpを所定回転数N1と比較して所定回転数N1または仮目標回転数Netmpを目標回転数Ne*に設定するものとしてもよい。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、油圧回路異常判定フラグF1と温度センサ異常判定フラグF2とに基づいて油圧回路100と温度センサ118とを含む作動系に異常が生じているか否かを判定するものとしたが、油圧回路異常判定フラグF1と温度センサ異常判定フラグF2とのうちのいずれか一方だけに基づいて作動系に異常が生じているか否かを判定するものとしてもよい。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、温度センサ異常判定フラグF2が値1のときには、油温toilが所定温度tmaxのときの下限回転数Nminとしての所定回転数N1以上の回転数でエンジン22を継続して運転するものとしたが、エンジン22を継続して運転するものであれば、所定回転数N1より若干低い回転数でエンジン22を継続して運転するものであってもよい。この場合でも、エンジン22を間欠運転するものに比してオイルを潤滑剤として動力分配統合機構30に供給することができる。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、油圧回路異常判定フラグF1が値0であると共に温度センサ異常判定フラグF2が値0のときに油温toilが閾値tref以上のときに要求パワーPe*が閾値Pref未満のときには、下限回転数Nminをエンジン22の目標回転数Ne*に設定するものとしたが、下限回転数Nmin以上の回転数をエンジン22の目標回転数Ne*に設定するものであればよい。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、油温toilが閾値tref以上のときや、油圧回路異常判定フラグF1が値1のとき,温度センサ異常判定フラグF2が値1のときには、所定回転数N1を含む下限回転数Nmin以上の回転数でエンジン22を継続して運転することにより、機械式ポンプ102とおよび電動ポンプ104を共に駆動するものとしたが、機械式ポンプ102からのオイルだけで潤滑剤として動力分配統合機構30に充分に供給可能な下限回転数Nminを設定すれば、電動ポンプ104を停止するものとしてもよい。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、油圧回路異常判定フラグF1が値1のときや温度センサ異常判定フラグF2が値1のときには、車速Vに基づく要求トルク制限Trmaxにより要求トルクTr*を制限するものとしたが、要求トルク制限Trmaxにより要求トルクTr*を制限しないものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20や第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、Hi,Loの2段の変速段をもって変速可能な変速機60を用いるものとしたが、変速機60の変速段は2段に限られるものではなく、3段以上の変速段としてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20や第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図12における駆動輪39c,39dが接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例では、エンジン22からの動力と変速機60を介してモータMG2から出力される動力とにより走行するハイブリッド自動車20,20Bについて説明したが、エンジンからの動力とモータからの動力とを変速機により変速して車軸側に出力して走行するハイブリッド自動車に適用するものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例では、エンジン22と動力分配統合機構30とモータMG1,MG2と変速機60とを備える動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20,20Bについて説明したが、こうした動力出力装置を自動車以外の車両や船舶,航空機などに搭載するものとしてもよいし、動力出力装置の形態や動力出力装置の制御方法の形態として用いるものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の一例を示す説明図である。 油圧回路100の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例および目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクとの関係を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 要求トルク制限設定用マップの一例を示す説明図である。 油圧回路100が異常のときにリングギヤ軸32aの回転数Nrが閾値Nrefより大きいときの動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクとの関係を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 第2実施例の駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 下限回転数設定用マップの一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,20B,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b,39c,39d 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、48 回転軸、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60,330 変速機、60a ダブルピニオンの遊星歯車機構、60b シングルピニオンの遊星歯車機構、61,65 サンギヤ、62,66 リングギヤ、63a 第1ピニオンギヤ、63b 第2ピニオンギヤ、64,68 キャリア、67 ピニオンギヤ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、78 EEPROM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、100 油圧回路、102 機械式ポンプ、104 電動ポンプ、106 3ウェイソレノイド、108 プレッシャーコントロールバルブ、110,111 リニアソレノイド、112,113 コントロールバルブ、114,115 アキュムレータ、116 オイル用流路,118 温度センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ、B1,B2 ブレーキ。

Claims (16)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とを連結する機械的連結部を有し、前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な動力伝達手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記内燃機関からの動力を用いて第1の圧送性能をもって潤滑剤として機能可能な作動流体を圧送する機械式圧送手段と、
    電力を用いて前記第1の圧送性能より低い第2の圧送性能をもって前記作動流体を圧送する電気式圧送手段と、
    前記圧送された作動流体を用いたアクチュエータにより作動する作動機器と、
    前記圧送された作動流体のうち前記作動機器の作動に用いられなかった余剰の作動流体と前記作動機器の作動に用いられた後の作動流体とを前記動力伝達手段の機械的連結部に潤滑剤として供給する潤滑剤供給手段と、
    前記駆動軸に出力すべき要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記作動機器のアクチュエータを含む作動系の所定の異常を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段により所定の異常が検出されないときには前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御し、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには前記内燃機関の運転の継続を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段を備え、
    前記動力伝達手段は、前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で、電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段である、
    動力出力装置。
  3. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力する発電機とを備える手段である請求項2記載の動力出力装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記作動機器は、前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段であり、
    前記制御手段は、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する手段である
    動力出力装置。
  5. 前記異常検出手段は、前記作動機器の作動に用いられた後の作動流体を前記潤滑剤供給手段を介して前記動力伝達手段の機械的連結部に供給することができない異常を前記所定の異常として検出する手段である請求項1ないし4いずれか記載の動力出力装置。
  6. 前記異常検出手段は、前記作動機器のアクチュエータの異常を前記所定の異常として検出する手段である請求項1ないし5いずれか記載の動力出力装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記圧送された作動流体の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記異常検出手段は、前記温度検出手段の異常を前記所定の異常として検出する手段である
    動力出力装置。
  8. 前記制御手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されないときであって前記温度検出手段により検出された作動流体の温度が所定温度未満のときには前記内燃機関が間欠運転されるよう制御し、前記異常検出手段により所定の異常が検出されないときであって前記温度検出手段により検出された作動流体の温度が前記所定温度以上のときには該作動流体の温度が高いほど大きくなる傾向に設定される下限回転数以上の回転数で前記内燃機関が継続して運転されるよう制御し、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには前記下限回転数の最大値以上の回転数で前記内燃機関が継続して運転されるよう制御する手段である請求項7記載の動力出力装置。
  9. 前記制御手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには、前記動力伝達手段の機械的連結部の潤滑に必要な作動流体の量が少なくなるよう前記内燃機関を制御する手段である請求項1ないし8いずれか記載の動力出力装置。
  10. 請求項9記載の動力出力装置であって、
    前記駆動軸の回転数である駆動軸回転数を検出する駆動軸回転数検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには、前記内燃機関が前記検出された駆動軸回転数と略等しい回転数で運転されるよう制御する手段である
    動力出力装置。
  11. 前記制御手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには、前記駆動軸が所定回転数以下で回転するよう制御する手段である請求項1ないし10いずれか記載の動力出力装置。
  12. 前記要求駆動力設定手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されないときには運転者の操作に基づいて得られる駆動力を前記要求駆動力として設定し、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには運転者の操作に基づいて得られる駆動力に対して所定の制限をした駆動力を前記要求駆動力として設定する手段である請求項1ないし11いずれか記載の動力出力装置。
  13. 請求項1ないし12いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる自動車。
  14. 請求項13記載の自動車であって、
    車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには、前記検出された車速が所定車速以下となるよう制御する手段である
    自動車。
  15. 内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とを連結する機械的連結部を有し該内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な動力伝達手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記内燃機関からの動力を用いて第1の圧送性能をもって潤滑剤として機能可能な作動流体を圧送する機械式圧送手段と、電力を用いて前記第1の圧送性能より低い第2の圧送性能をもって前記作動流体を圧送する電気式圧送手段と、前記圧送された作動流体を用いたアクチュエータにより作動する作動機器と、前記圧送された作動流体のうち前記作動機器の作動に用いられなかった余剰の作動流体と前記作動機器の作動に用いられた後の作動流体とを前記動力伝達手段の機械的連結部に潤滑剤として供給する潤滑剤供給手段と、を備える動力出力装置の制御装置であって、
    前記駆動軸に出力すべき要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記作動機器のアクチュエータを含む作動系の所定の異常を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段により所定の異常が検出されないときには前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御し、前記異常検出手段により所定の異常が検出されたときには前記内燃機関の運転の継続を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置の制御装置。
  16. 内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とを連結する機械的連結部を有し該内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な動力伝達手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記内燃機関からの動力を用いて第1の圧送性能をもって潤滑剤として機能可能な作動流体を圧送する機械式圧送手段と、電力を用いて前記第1の圧送性能より低い第2の圧送性能をもって前記作動流体を圧送する電気式圧送手段と、前記圧送された作動流体を用いたアクチュエータにより作動する作動機器と、前記圧送された作動流体のうち前記作動機器の作動に用いられなかった余剰の作動流体と前記作動機器の作動に用いられた後の作動流体とを前記動力伝達手段の機械的連結部に潤滑剤として供給する潤滑剤供給手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されないときには前記内燃機関の間欠運転を伴って前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御し、
    前記作動機器のアクチュエータを含む作動系に所定の異常が検出されたときには前記内燃機関の運転が継続されると共に前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記動力伝達手段と前記電動機とを制御する
    動力出力装置の制御方法。
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