JP2006188047A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットヘッドに使用する圧電性セラミックスに金属素子又は樹脂材料からなる構成部材を接着するには、エポキシ系接着剤とイミダゾールからなる硬化剤を使用しても150℃以上の高温状態で20時間以上放置しなければインクにたいして満足する耐久性が得られない。
【解決手段】インクジェットヘッドの接着工程において不活性ガスを使用することにより、エポキシ樹脂とイミダゾール硬化剤を使用し、低温(10℃〜50℃)で硬化してかつ表面のべとつきのない接着を行うことができるインクジェットヘッドの製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明はインクジェットヘッドの製造方法に関する。詳しくは、接着剤を使用してインクジェットヘッドの構成部材の接着部を接着するインクジェットヘッドの製造方法に関する。
インクジェットプリンタ用のインクジェットヘッドは、インク貯蔵部から供給されてきたインクを記録媒体へ吐出するまでの構成部分であり、インクジェットプリンタ本体からその部分のみ取り外しが可能な部材の総称である。
インクジェットヘッドの構成部材としては、インクの液溜めとしてのマニホールド、マニホールド内に設けられインクの不純物を濾過するためのフィルタ、インクをマニホールドから吐出口まで分岐流出させるための複数のインクチャンバ、各インクチャンバからインク滴を吐出するための吐出口を形成するノズルプレート、インクジェットヘッドの駆動回路部材としてのFPC(フレキシブルプリントサーキット)、インクジェットヘッドを保護するための外形部材としてのカバー等から成る。
このようなインクジェットヘッドの製造は、各構成部材を接着剤を使用して互いに接着する接着工程を含む。この接着工程における接着剤としては、従来、シリコーン系、酢酸ビニル系、アクリル系、シアノアクリレート系、エステル系、ゴム系のものが使用されている。
しかしこれらの接着剤は、インク吐出時にインクを吸収して膨潤してしまうため、出射速度の低下、出射角度の曲がりや出射欠といった不具合が発生し、インクジェットヘッドの接着には不向きであることがわかった。
さらにエポキシ樹脂は、上記接着剤に比べると耐薬品性が高いことが知られているが、通常のエポキシ樹脂は硬化剤としてポリアミンを使用する。ポリアミンはエポキシ基の重合体中に取り込まれる。一方エポキシ基は開環してヒドロキシル基(OH基)を生成する。そのため極性を有する溶媒に膨潤しやすくなる。
そこでエポキシ系接着剤と1−置換イミダゾール化合物と2−エチル−4−メチルイミダゾール(ここでは単にイミダゾールという)からなる硬化剤を使った接着剤組成物を使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2597122号明細書
しかしながら、インクジェットヘッドに使用する圧電性セラミックスに金属素子又は樹脂材料からなる構成部材を接着するには、特許文献1の接着剤組成物を使用しても、150℃以上の高温状態で20時間以上放置しなければインクに対する十分な耐久性が得られない。すなわち、一般に硬化剤として使用するアミノ基は酸と反応して塩を形成する。アミンは空気中の炭酸ガスと反応して炭酸アミン塩を形成して、接着剤の表面が硬化しなくなるという現象がある。しかしイミダゾール類が炭酸ガスと反応して上記のように表面が硬化しなくなるということは知られていなかった。
しかし高温(150℃)状態で圧電性セラミックスと金属素子又は樹脂材料とを接着すると、それぞれの材料の熱膨張率の違いにより、接着後に常温に冷却されると上記の構成部材に応力が発生し、構成部材の破断が生じたり、接着部分の剥離が生じたり、インクジェットヘッドのインク出射性能の低下をきたす場合があった。
また、インクの流路の構成部材の破断が生じたり剥離が生じるとインクのリークが発生する。
さらに、圧電性セラミックスは圧電性を喪失してしまうキュリー点を有しており、キュリー点を超える温度以上で接着剤の硬化を行うことができない。
高温で接着することは上記のような問題が発生するので、低温(10℃〜50℃)で接着することが望ましいが、接着剤層の内部は硬化するが空気と触れる表面は硬化せずにべとつきが残り、インクと接触する部分では硬化していない接着剤がインクに溶け込んで、インクジェットヘッドのインク出射性能に影響を与える場合があった。
本発明は、インクに対する耐久性が高く、表面のべとつきがなく、良好なインク出射性能を有するインクジェットヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的は下記構成により達成することができる。
1.一方のインクジェットヘッド構成部材と他方のインクジェットヘッド構成部材とを接着するインクジェットヘッドの製造方法において、
一方のインクジェットヘッド構成部材の接着部の少なくとも一部に、エポキシ樹脂とイミダゾール硬化剤からなる接着剤組成物を使用して、一方のインクジェットヘッド構成部材を他方のインクジェットヘッド構成部材に接着する工程と、
不活性ガス雰囲気中にて接着剤組成物を硬化させる工程とを含むことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
2.前記不活性ガス雰囲気中に含有される炭酸ガス量が200ppm以下であることを特徴とする1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
3.前記不活性ガス雰囲気中に含有される水分量が相対湿度で20%以下であることを特徴とする1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
4.前記不活性ガス雰囲気中に含有される炭酸ガス量が200ppm以下であり、かつ水分量が相対湿度で20%以下であることを特徴とする1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
5.前記不活性ガス雰囲気の温度は10℃以上50℃以下であることを特徴とする1乃至4の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
6.前記インクジェットヘッド構成部材の少なくとも一方が、圧電性セラミックスであることを特徴とする1乃至5の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
7.不活性ガスは窒素ガスを含むことを特徴とする1乃至6の何れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
本発明によれば、インクジェットヘッドの接着工程において、不活性ガス雰囲気中でエポキシ系接着剤とイミダゾール硬化剤とからなる接着剤組成物を硬化するので、高温状態にすることなく接着剤組成物を硬化しても表面のべとつきが発生せず、インクに対する耐久性の高いインクジェットヘッドを製造することができる。
また、高温状態での接着剤硬化を行わないので、接着されるインクジェットヘッド構成部材相互の熱膨張率の差により、構成部材に応力が発生し、破断が生じたり、インクジェットヘッドのインク出射性能が低下しない。
以下図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るインクジェットヘッドについて、図1を用いて説明する。図1は本発明に係るインクジェットヘッドの構成を概念的に示す図である。
図中、1はインクの流路の三方の壁となる溝が切られた圧電性セラミックス基体、2は圧電性セラミックス基体1と接着されインク流路の一方の壁となる蓋部材、5は圧電性セラミックス基体1と蓋部材2とで形成されるインク流路である。以上がインクジェットヘッドのインクチャンバである。
また、10はインクジェットヘッドの全体を覆うカバー、20はマニホールド、25はフィルタ、30はマニホールド20に接着され図示しないインク貯蔵部からインクを供給するためのインクチューブ、40は図2で後述する電極膜3に通電するためのFPC(フレキシブルプリントサーキット)、45はFPC40に接着された駆動IC、50はインクチャンバの前面に接着されインク滴を吐出させる吐出口を有するノズルプレートであり、これらはいずれもインクジェットヘッド構成部材である。なお、図中の矢印はインクの流れを示し、Pは射出したインク滴である。
図示しないインク貯蔵部からインクがインクチューブ30を伝ってマニホールド20を満たしている。マニホールド20内には、金網等のフィルタ25が配設され、インク中の異物を取り除くようになっている。フィルタ25で濾過されたインクは、インク流路5に流入している。一方、図示しないインクジェットプリンタ本体の制御手段から画像信号がFPC40を伝って送られてくると、駆動IC45は、対応するインクチャンバをせん断変形させるための電圧を発生させ、後述する電極膜3に通電する。すると、せん断変形したインクチャンバは、ノズルプレート50の吐出口から、インク滴を射出することになる。
図1においてA〜Iの斜線で示す部分は、インクジェットヘッドの構成部材の接着部である。Aは圧電性セラミックス基体1と蓋部材2との接着部、Bはインクチャンバとノズルプレート50との接着部、CはFPC40と圧電性セラミックス基体1上に付設された電極膜3(後述)との接着部、DはFPC40と駆動IC45との接着部、Eはマニホールド20と圧電性セラミックス基体1との接着部、Fはマニホールド20と蓋部材2との接着部、Gはマニホールド20内においてフィルタ25との接着部、Hはマニホールド20とインクチューブ30との接着部、IはFPC40が圧電性セラミックス基体1から剥離しないように補強接着するための接着部である。
接着部AおよびBは、可能な限り薄く、不必要な部分にはみ出さない事が必要である。最も接着精度が要求される部分である。
接着部CはFPC40が剥がれないように、伸び縮みの小さい接着剤を用いることが好ましい。
接着部Dは駆動ICとの接点周囲であるので、ストレスに強い接着剤を用いることが好ましい。
接着部Hは、フィルタの目を詰まらせない様に接着剤の量を少量とすることが好ましい。
上記全ての接着部において、圧電性セラミックス基体1の圧電性が消失しない低温・短時間で接着工程が行われること、硬化途中に接着部以外に流れ出さないことが必要である。
蓋部材2は、例えばガラス、セラミックス、金属或いは樹脂材料製の平板で構成されており、図示しない溝が形成された圧電性セラミックス基体1の溝部を覆うように接合することでインク流路を形成する。
図1で示した圧電性セラミックス基体1について、図2を用いて説明する。図2(a)は、図1のインクジェットヘッドを図1中の矢印Y方向から見た断面図であり、図2(b)は、インク流路を溝状に形成した圧電性セラミックス基体1の斜視図である。なお、図1と同じ構成要素には同符号を付し、説明を省略する。図2中、3は電極膜、4は保護膜を示す。
圧電性セラミックス基体1を構成する圧電性セラミックスとしては、従来公知の任意のものを採用できるが、PZT、PLZT等のセラミックスで、主にPbOx、ZrOx、TiOxの混合微結晶体に、ソフト化剤又はハード化剤として知られる微量の金属酸化物、例えばNb、Zn、Mg、Sn、Ni、La、Cr等の酸化物を含むものが好ましい。
PZTは、チタン酸ジルコン酸鉛であり、充填密度が大きく、圧電性定数が大きく、加工性が良いので好ましい。PZTは、焼成後、温度を下げると、急に結晶構造が変化して、原子がズレ、片側がプラス、反対側がマイナスという双極子の形の、細かい結晶の集まりになる。こうした自発分極は方向がランダムで、極性を互いに打ち消しあっているので、更に分極処理が必要となる。
分極処理は、PZTの薄板を電極で挟み、シリコン油中に漬けて、10〜35kV/cm程度の高電界を掛けて、分極する。分極したPZTに分極方向に直角に電圧を掛けると、側壁が圧電滑り効果により、斜め方向に、くの字形に、せん断変形してインク室の容積が膨張する。この分極処理による圧電性は、PZTにおいては、200℃をキュリー点として、これ以上の温度を与えると消失してしまう。
圧電性セラミックス基体1の密度〔g/cm2〕は、8.2であり、蓋部材2の密度〔g/cm2〕は、3以下としているが、蓋部材2の密度〔g/cm2〕は、より小さく例えば半分以下が好ましく、インクジェットヘッド全体が軽くなり、コンパクトなインクジェットヘッドができる。
圧電性セラミックス基体1のヤング率又は弾性係数〔GPa〕は、65であり、蓋部材2のヤング率〔GPa〕は、190〜390としているが、200以上が好ましく、圧電性セラミックス基体1の隔壁の変位を強固に支えることができ、かつ自身の変形が少ないために、効率的な駆動ができ、低電圧化が可能である。
圧電性セラミックス基体1の熱膨張係数〔ppm/deg〕は、2であり、蓋部材2の熱膨張係数〔ppm/deg〕は、0.6〜7としているが、両者の差が5以下、より好ましくは3以下であり、駆動時の発熱や、環境温度の変化に伴い、基板間の膨張によるそりやストレスでの破壊を防止できる。
圧電性セラミックス基体1の熱伝導率〔W/cm・deg〕は、0.01であり、蓋部材2の熱伝導率〔W/cm・deg〕は、0.03〜0.3としているが、蓋部材2の熱伝導率〔W/cm・deg〕は、大きいほど好ましく、圧電性セラミックス基体1の駆動時に発生する熱を蓋部材2を通して外部へ逃がすことができる。
圧電性セラミックス基体1の誘電率は、3,000であり、蓋部材2の誘電率は、4.0〜50としているが、蓋部材2の誘電率は、小さいほど好ましく、好ましくは10以下であり、圧電性セラミックス基体1を駆動するための電極パターンを蓋部材2上に設置することにより、圧電性セラミックス基体1自身の容量に加えて付加的な容量を発生させるので、インク室の容量を増大させ、発熱量を増大させ、駆動効率を低下させる。従って、蓋部材2の誘電率が小さい程付加容量を小さくできる。
圧電性セラミックス基体1の硬度〔Hv〕は、500であり、蓋部材2の誘電率は、1,000以上としているが、蓋部材2の誘電率は、より大きく、好ましくは1倍以上、より好ましくは1.5倍以上であり、製造工程での欠け等で歩溜り劣化を防止できる。
圧電性セラミックス基体1の曲げ強さ〔MPa〕は、100であり、蓋部材2の曲げ強さ〔MPa〕は、300〜900としているが、好ましくは2倍以上であり、蓋部材2のそりや曲げに強い程、長尺のインクジェットヘッドを安定して作製できる。
圧電性セラミックス基体1の体積抵抗率〔Ω・cm〕は、1であり、蓋部材2の体積抵抗率〔Ω・cm〕は、7〜10としているが、より大きいことが好ましく、電子デバイスとしてのリーク電流を減らすために大きい程良い。
また、蓋部材2と圧電性セラミックス基体1との間の接着面の表面粗さRaは、圧電性セラミックスの駆動、感度の観点から1.0μm以下が好ましく、より好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.1μmが好ましい。
また、蓋部材2と圧電性セラミックス基体1との間の接着面は、プラズマ処理またはUV処理される。プラズマ処理は、真空チャンバー中に蓋部材2や圧電性セラミックス基体1を置き、Ar、N2、O2の1つまたは混合ガスを注入し、外部からの電磁界で、プラズマ状態にする処理であり、表面のエッチング性を高めるために、CF4等のフッ素系炭化水素ガスを用いても良い。また、UV処理は紫外線発光ランプを直接蓋部材2や圧電性セラミックス基体1に照射する処理であり、オゾンでのクリーニング効果を出すために、O2雰囲気下でも良い。このように接着面をプラズマ処理及びUV処理をすることにより、有機物汚染を洗浄除去でき、接着面全体への接着剤のぬれ性を向上させ、微小な泡残り等の接着不良を排除でき、それにより、圧電性セラミックス基体1の駆動不良をなくし、安定なインクジェットヘッドを製造できる。
圧電性セラミックス基体1は、例えば、厚さ1mmの基体1の一面に微少な溝部(L:30mm、H:360μm、B:70μm)が加工されている。この基体1の加工面に蓋部材2を接合(接着)することにより、インク流路となるインクチャンバ(L:30mm、H:360μm、B:70μm)が溝部に構成される。インクチャンバの一端はフィルタユニットを含むマニホールドを介してインク貯蔵部に連結され、他端はインク吐出口(ノズルプレート)と連結される。
本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法の一実施形態として、図1及び図2に示した蓋部材2の圧電性セラミックス基体1への接着を例にして説明する。
本実施の形態においては、図2に示した電極膜3の形成後、保護膜4の形成工程前に蓋部材2を圧電性セラミックス基体1に接着する。該接着工程では、接着剤を塗布する前に、圧電性セラミックス基体1の溝部が設けられた加工面及び前記溝部を覆う蓋部材2の接合面はその状態に応じて洗浄、研磨等の前処理が行われ、接着面がそれぞれ形成される。
圧電性セラミックス基体1の接着面と蓋部材2の接着面とが接着剤で接着されて、圧電性セラミックス基体1と蓋部材2は一体に組み立てられる。
本発明においては、エポキシ系接着剤としてエポキシ樹脂とイミダゾール硬化剤からなる接着剤組成物が用いられる。
本発明に用いられるエポキシ樹脂としては、1分子に2個以上のエポキシ基を有する硬化可能なエポキシ樹脂であれば特に制限されるものではなく、このようなものとしては例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、多官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、含複素環エポキシ樹脂、水添型ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、芳香族、脂肪族もしくは脂環式のカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂は、単独または2種以上混合して用いることができる。本発明においては、上記エポキシ樹脂の中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂およびビスフェノールAD型エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂を用いることがその特性上好ましい。
本発明に用いられるイミダゾール硬化剤としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4、5−ジヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシルメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−s−トリアジン、および2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられ、これらイミダゾール系化合物は単独または2種以上混合して用いることができる。
接着剤組成物には、上記のエポキシ系接着剤及びイミダゾール硬化剤の他に、本発明の目的に反しない範囲において粘度を調整するための溶剤、カップリング剤、消泡剤、顔料、染料、無機充填剤その他の成分を配合することができる。
溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
カップリング剤としては、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランやγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
また、本発明の接着剤組成物では、無機粒子を配合してもよい。無機粒子としては、例えば金、銀、銅、アルミニウムあるいはニッケル等からなる金属粉末または高分子粒子に金やニッケル等をコートした粒子等を用いることができる。
接着剤組成物では、エポキシ樹脂100質量部に対して、イミダゾール硬化剤を1〜30質量部とすることが好ましく、より好ましくは6〜20質量部である。
本発明に係るエポキシ樹脂として好ましく用いられるものは、ジャパンエポキシレジン社製エピコート828、同社製エピコート152等が挙げられる。
本発明に係る接着剤組成物をインクジェットヘッドの構成部材に塗布する方法としては、周知の方法を用いることができるが、膜厚を精度良くコントロールするには、ディスペンサ法、スクリーン法あるいはロール転写法が好ましい。
圧電性セラミックス基体1の接着面と蓋部材2の接着面とが接着剤組成物で接着されて一体に組み立てられた後、接着剤組成物は不活性ガス雰囲気中にて硬化する。接着剤組成物の硬化は、上述のエポキシ系接着剤とイミダゾール硬化剤とが架橋することによって硬化するものである。なお、本発明の不活性ガス雰囲気は人間が作業している空間の空気より、酸素、水分または炭酸ガスが除去または減少された雰囲気である。
中でも好ましい不活性ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスおよび窒素ガスが挙げられる。
不活性ガス雰囲気は、接着剤組成物のインクに対する耐久性、圧着性セラミックス基体1及び蓋部材2の熱膨張等に鑑みて、炭酸ガス量が200ppm以下であり、水分量が相対湿度で20%以下であることが好ましく、温度は10℃以上50℃以下に維持されていることが好ましい。
本発明に係る不活性ガス雰囲気は、例えば図3に示した硬化槽80内で維持することができる。硬化槽80は、扉85を閉じることによって密閉状態になるようになっており、窒素ガス82が硬化槽80内にホース86によって接続配管され、硬化槽80内の活性ガス及び水分を排出する排出口83と、硬化槽80内の温度および炭酸ガス量と水分量を検知するセンサ(不図示)からその量を表示する表示部81が設けられている。
接着されて一体に組み立てられた圧電性セラミックス1と蓋部材2からなるワーク部89は、台板84上に置かれ、その台板84は硬化槽80内に挿入できるようになっている。
ワーク部89を硬化槽80に挿入し、扉85を閉め密閉にした状態で、窒素ガスを硬化槽80内に導入し、所定時間放置することで接着剤組成物が硬化する。
なお、窒素ガスにより硬化槽80にある炭酸ガスと水分が排出口83から排出されるようになっており、その炭酸ガス量と水分量は表示部81によってモニターできる。モニターには槽内の炭酸ガス量と水分量を一定の値に維持できる設定つまみ87、88が設けられている。硬化槽80内には吸水を促進するためシリカゲルを主成分とした乾燥剤を1立方メートル当たり1kgの割合で設置されている。また炭酸ガスを取り除く促進剤として水酸化カリウムを1立方メートル当たり500gの割合で設置している。
圧電性セラミックス基体1と蓋部材2の組立後、一体化された圧電性セラミックス基体1と蓋部材2間にインク流路5となるインクチャンバが構成される。
接着工程終了後一体化された圧電性セラミックス基体1と蓋部材2に対し、CVD法等にて樹脂層である保護膜4が形成され、インク流路が完成する。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
図1に示したインクジェットヘッドにおいて、図2に示した圧電性セラミックス基体1と蓋部材2とからなるワーク部を、概略を下記した本発明の製造方法で作製した。
(インクジェットヘッド構成部材)
圧電性セラミックス基体1:一面に溝部(L:30mm、H:360μm、B:70μm)を形成した厚さ1mm縦40mm横20mmの分極処理済みPZT基体
蓋部材2:厚さ1mm縦40mm横5mmの非分極のPZT製平板を接着した。
(接着剤組成物)
エポキシ系接着剤(ジャパンエポキシレジン社製エピコート828)100質量部
イミダゾール硬化剤(和光純薬社製2−エチル−4−メチルイミダゾール)10質量部
25℃雰囲気中で上記接着剤組成物を圧電性セラミックス基体1と蓋部材2の接着面にそれぞれ10μmの厚さで塗布し、2分間放置した後、接着面どうしを接合した。
引き続きノズルプレート、マニホールド、インクチューブ、FPCおよびカバーを上記接着剤組成物で接着した。
(実験)
図3に示した硬化槽80を使用し、表1に示す条件で表面粘着性、インク出射性、リーク性を評価した。表において○印は良、×印は不良、△印はその中間を示す。
Figure 2006188047
なお各調整方法は下記のとおりである。
炭酸ガス濃度調整方法:KOHを硬化槽内に放置し、炭酸ガスをKOHに反応させ て除去する。
酸素濃度調整方法:エージレスZP(三菱ガス化学製)を硬化槽内に放置し、酸素 を吸収する。
相対湿度調整方法:硬化槽が冷凍機を備えることにより調湿可能にする。
測定:炭酸ガス濃度計、酸素濃度計および湿度計を使用。
不活性ガス導入により炭酸ガス濃度、酸素濃度および湿度を調整する場合は不活性ガスの導入量を調整する。
接着強度測定:ヘッドの流路内にコニカミノルタ社製インクジェットプリンタ
ナッセンジャV用インクを満たして60℃で30日間放置後、イン ク流路内を減圧して、減圧が保持されていることを測定し、空気の リークが発生しているかどうかで判定した。
インク出射性:コニカミノルタ社製インクジェットプリンタナッセンジャVを使用 し、溶剤インクとして
プトキシエチルアセテート 90質量%
2−ピロリジノン 10質量%
を有するインク混合物を用い、出射サンプル画像を目視にて判定した。
(評価)
表より実施例6、7、8は表面粘着性、インク出射性、リーク性において問題は発生しなかった。
以上から、本実施の形態に係るインクジェットヘッドの製造方法は、不活性ガス雰囲気中で炭酸ガス量は200ppm以下、相対湿度20%以下、酸素濃度10%以下の条件のもとで、作業温度が10℃〜50℃で行うことができるので、従来からの問題点であった圧電性セラミックスと金属素子又は樹脂材料からなる構成部材との熱膨張差による収縮量の違いから構成部材に応力が発生し、破断が生じたり、圧電性セラミックス出射性能の低下をきたすことが無く、インクに溶出した接着剤成分によりノズルを詰まらせることがないきわめて有効なインクジェットヘッド製造方法であることが確認できた。
本発明の実施の形態におけるインクジェットヘッドの断面模式図である。 図2(a)は、図1のインクジェットヘッドを図1中の矢印Y方向から見た断面図であり、図2(b)は、インク流路を溝状に形成した圧電性セラミックス基体の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る硬化槽の概略斜視図である。
符号の説明
1 圧電セラミックス基体
2 蓋部材
5 インク流路
10 カバー
20 マニホールド
25 フィルタ
30 インクチューブ
40 FPC
50 ノズルプレート
80 槽
81 表示部
82 窒素ガス

Claims (7)

  1. 一方のインクジェットヘッド構成部材と他方のインクジェットヘッド構成部材とを接着するインクジェットヘッドの製造方法において、
    一方のインクジェットヘッド構成部材の接着部の少なくとも一部に、エポキシ樹脂とイミダゾール硬化剤からなる接着剤組成物を使用して、一方のインクジェットヘッド構成部材を他方のインクジェットヘッド構成部材に接着する工程と、
    不活性ガス雰囲気中にて接着剤組成物を硬化させる工程とを含むことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記不活性ガス雰囲気中に含有される炭酸ガス量が200ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記不活性ガス雰囲気中に含有される水分量が相対湿度で20%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記不活性ガス雰囲気中に含有される炭酸ガス量が200ppm以下であり、かつ水分量が相対湿度で20%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記不活性ガス雰囲気の温度は10℃以上50℃以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 前記インクジェットヘッド構成部材の少なくとも一方が、圧電性セラミックスであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 不活性ガスは窒素ガスを含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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