JP2006187759A - 缶本体の内面塗装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 キャップ付ボトル缶に良好な開栓性を具備させることが可能になる。
【解決手段】 缶軸方向中央部に雄ねじ部32が形成されるとともに、缶軸方向上端部が径方向外方へ折り返されて形成されたカール部33を備える口金部34にキャップが被着されるボトル缶30を形成するための、有底筒状とされた缶本体10の内面に塗料を塗布する缶本体10の内面塗装方法であって、缶本体10のカール部33の形成予定部における内面に、缶本体10の雄ねじ部32の形成予定部における内面よりも薄く塗料を塗布する。
【選択図】 図1
【解決手段】 缶軸方向中央部に雄ねじ部32が形成されるとともに、缶軸方向上端部が径方向外方へ折り返されて形成されたカール部33を備える口金部34にキャップが被着されるボトル缶30を形成するための、有底筒状とされた缶本体10の内面に塗料を塗布する缶本体10の内面塗装方法であって、缶本体10のカール部33の形成予定部における内面に、缶本体10の雄ねじ部32の形成予定部における内面よりも薄く塗料を塗布する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、缶本体の内面に塗料を塗布する缶本体の内面塗装方法に関するものである。
周知のように、飲料等が充填されて販売される容器として、大径の胴部と、該胴部の缶軸方向上端に連設されるとともに、上方へ向かうに従い漸次縮径された肩部と、該肩部の上端に連設されるとともに、上方へ延在した小径の口金部とを備えるボトル缶が多く採用されている。この種のボトル缶は一般に、前記口金部の缶軸方向中央部に雄ねじ部が形成されるとともに、缶軸方向上端部(開口端部)に径方向外方へ折り返されたカール部が形成され、キャップの内面に備えられたライナーが前記カール部に密接することにより、該ボトル缶の内部が密封された状態で、前記雄ねじ部にキャップが螺着される構成とされている。そして、このようなボトル缶の内面には、例えば下記特許文献1に示されるように、充填される内容物に対して耐腐食性を具備させるための塗膜が形成されている。
以上のように構成されたボトル缶は、金属板にDI加工を施して有底筒状の缶本体を形成した後に、該缶本体の内面に塗料を塗布し、これを乾燥、硬化させて前記塗膜を形成し、その後、該缶本体にネックイン加工、ねじ成形加工、およびカール部形成加工等の各種成形加工が施されることにより形成される。
特開2003−191926号公報
ところで、以上のように形成されたボトル缶においては、前記カール部が、缶本体の上端部を径方向外方へ折り返すことにより形成されるため、缶本体の開口端部(カール部の形成予定部)における内面に形成された前記塗膜(以下、「カール部の塗膜」という)は、当該ボトル缶の上端部における外周面および上端面を構成することとなる。したがって、このボトル缶にキャップが螺着されると、前記ライナーは前記カール部の塗膜と密接することとなる。このため、前記ライナーと前記カール部の塗膜とが密接している状態から、キャップ若しくはボトル缶に対して他方を缶軸回りに回転させた際、つまりキャップ付ボトル缶を開栓する際、ライナーが前記カール部の塗膜表面を滑らず、該塗膜がライナーのボトル缶に対する回転移動に追従するように変形するおそれがあり、この場合、キャップを開栓するのに要する開栓トルクが上昇することとなる。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、キャップ付ボトル缶に良好な開栓性を具備させることが可能になる缶本体の内面塗装方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の缶本体の内面塗装方法は、缶軸方向中央部に雄ねじ部が形成されるとともに、缶軸方向上端部が径方向外方へ折り返されて形成されたカール部を備える口金部にキャップが被着されるボトル缶を形成するための、有底筒状とされた缶本体の内面に塗料を塗布する缶本体の内面塗装方法であって、前記缶本体の前記カール部の形成予定部における内面に、該缶本体の前記雄ねじ部の形成予定部における内面よりも薄く塗料を塗布することを特徴とする。
本発明に係る缶本体の内面塗装方法によれば、缶本体のカール部の形成予定部における内面に、該缶本体の雄ねじ部の形成予定部における内面よりも薄く塗料を塗布するので、この缶本体に基づいて形成されたボトル缶の上端部における外周面および上端面、すなわちキャップのライナーと密接する塗膜(以下、「カール部の塗膜」という)の厚さを最小限とすることが可能になる。したがって、前記カール部の塗膜の、缶軸回りに回転移動するような変形に対する剛性を高めることが可能になる。これにより、前記ライナーと前記カール部の塗膜とが密接している状態から、キャップ若しくはボトル缶に対して他方を缶軸回りに回転させた際、つまりキャップ付ボトル缶を開栓する際に、前記カール部の塗膜が、ライナーのボトル缶に対する回転移動に追従するように変形することを防ぐことが可能になる。以上により、キャップ付ボトル缶を開栓する際に、ライナーを前記カール部の塗膜表面を滑らせることが可能になり、キャップ付ボトル缶に良好な開栓性を具備させることができる。
ここで、前記缶本体の内面のうち、前記カール部の形成予定部を除く少なくとも前記雄ねじ部の形成予定部に塗料を塗布する第1塗布工程と、前記缶本体の内面に、その全域に亙って同等の厚さで塗料を塗布する第2塗布工程とを有することが望ましい。
この場合、缶本体の前記カール部の形成予定部における内面に、該缶本体の前記雄ねじ部の形成予定部における内面よりも薄く塗料を塗布することが可能になるとともに、このような塗料の塗布を、既存の設備を流用できて高効率に行うことが可能になる。
この場合、缶本体の前記カール部の形成予定部における内面に、該缶本体の前記雄ねじ部の形成予定部における内面よりも薄く塗料を塗布することが可能になるとともに、このような塗料の塗布を、既存の設備を流用できて高効率に行うことが可能になる。
また、前記第1塗布工程で前記雄ねじ部の形成予定部に塗布する塗料は、前記第2塗布工程で塗布する塗料よりも耐加工性が高いことが望ましい。
この場合、缶本体の内面に形成される塗膜のうち、少なくとも雄ねじ部の形成予定部に形成される塗膜は耐加工性に優れることになるので、この缶本体にねじ成形加工を施したときに、形成された雄ねじ部の内面の塗膜がひび割れたりすること等を抑えることが可能になる。したがって、内容物を充填した際に、該塗膜内にこの内容物が侵入し、ボトル缶に内容物が接触して該ボトル缶が腐食することを防ぐことができる。
さらに、このような構成においても、第1塗布工程では、カール部の形成予定部を除いた部分に塗料を塗布し、第2塗布工程で、缶本体内面の全域に亙って同等の厚さで塗料を塗布するので、前記カール部の塗膜の厚さは、雄ねじ部の内面に形成された塗膜の厚さより薄くなり、キャップ付ボトル缶の開栓性を阻害することを防ぐことができる。
この場合、缶本体の内面に形成される塗膜のうち、少なくとも雄ねじ部の形成予定部に形成される塗膜は耐加工性に優れることになるので、この缶本体にねじ成形加工を施したときに、形成された雄ねじ部の内面の塗膜がひび割れたりすること等を抑えることが可能になる。したがって、内容物を充填した際に、該塗膜内にこの内容物が侵入し、ボトル缶に内容物が接触して該ボトル缶が腐食することを防ぐことができる。
さらに、このような構成においても、第1塗布工程では、カール部の形成予定部を除いた部分に塗料を塗布し、第2塗布工程で、缶本体内面の全域に亙って同等の厚さで塗料を塗布するので、前記カール部の塗膜の厚さは、雄ねじ部の内面に形成された塗膜の厚さより薄くなり、キャップ付ボトル缶の開栓性を阻害することを防ぐことができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の一実施形態として示した缶本体の内面塗装方法の工程図を示すものである。
まず、内面塗装を行う缶本体10について説明する。
図1に示す缶本体10は、缶軸方向中央部に雄ねじ部32が形成されるとともに、缶軸方向上端部が径方向外方へ折り返されて形成されたカール部33を備える口金部34に、図示されないキャップが被着されるボトル缶30を形成するためのものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属板に絞り加工、およびしごき加工が施されて有底筒状に形成されている。
まず、内面塗装を行う缶本体10について説明する。
図1に示す缶本体10は、缶軸方向中央部に雄ねじ部32が形成されるとともに、缶軸方向上端部が径方向外方へ折り返されて形成されたカール部33を備える口金部34に、図示されないキャップが被着されるボトル缶30を形成するためのものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属板に絞り加工、およびしごき加工が施されて有底筒状に形成されている。
この缶本体10は、その内面に後述する塗膜が形成された後に、その缶軸方向上部13に、ネックイン加工、ねじ成形加工、およびカール部形成加工等の各種成形加工が施されることによって、図1の二点鎖線に示されるようなボトル缶30に形成される。具体的には、大径の胴部14と、該胴部14の缶軸方向上端に連設されるとともに、上方へ向かうに従い漸次径さ縮れた肩部31と、該肩部31の上端に連設されるとともに、上方へ延在した小径の口金部34とを備えるボトル缶30に形成される。以上の構成において、図示されないキャップの内面に備えられたライナーがカール部33に密接することにより、該ボトル缶30の内部が密封された状態で、雄ねじ部32にキャップが螺着されるようになっている。
ここで、缶本体10の缶軸方向上部(以下、「缶本体上部」という)13とは、形成するボトル缶30における肩部31の形成予定部の缶軸方向下端から缶本体10の開口端(缶軸方向上端)までの部分をいい、該缶本体上部13は、肩部31の形成予定部と、雄ねじ部32の形成予定部と、カール部33の形成予定部とからなる概略構成とされている。
ここで、缶本体10の缶軸方向上部(以下、「缶本体上部」という)13とは、形成するボトル缶30における肩部31の形成予定部の缶軸方向下端から缶本体10の開口端(缶軸方向上端)までの部分をいい、該缶本体上部13は、肩部31の形成予定部と、雄ねじ部32の形成予定部と、カール部33の形成予定部とからなる概略構成とされている。
次に、缶本体10の内面に塗料を塗布する内面塗装装置の概略構成について説明する。
この装置は、缶本体10をその開口部が開放された状態で保持する図示されない保持テーブルと、該保持テーブルに保持された缶本体10の前記開口部からその内面に向けて塗料を噴霧する塗料噴霧手段21とを備えている。前記保持テーブルは、回転軸線回りに回転可能に支持されており、保持された缶本体10が缶軸回りに回転移動できるようになっている。
この装置は、缶本体10をその開口部が開放された状態で保持する図示されない保持テーブルと、該保持テーブルに保持された缶本体10の前記開口部からその内面に向けて塗料を噴霧する塗料噴霧手段21とを備えている。前記保持テーブルは、回転軸線回りに回転可能に支持されており、保持された缶本体10が缶軸回りに回転移動できるようになっている。
塗料噴霧手段21は、第1〜第3塗料噴霧手段22〜24を備え、第1塗料噴霧手段22は、缶本体10の底部11から下部12にかけた領域の内面に塗料を噴霧し、第2塗料噴霧手段23は、缶本体10の内面の全領域に亙って、すなわち底部11からカール部33の形成予定部にかけた領域の内面に塗料を噴霧し、第3塗料噴霧手段24は、前記缶本体上部13のうち、カール部33の形成予定部を除く少なくとも雄ねじ部32の形成予定部における内面に塗料を噴霧するようになっている。また、第1、第3塗料噴霧手段22、24による塗料の噴霧は同一のステーション上でなされ、第2塗料噴霧手段23による塗料の噴霧は他のステーション上でなされるようになっている。すなわち、当該内面塗装装置において、第1、第3塗料噴霧手段22、24は同一位置に配設され、第2塗料噴霧手段23は、これらの噴霧手段22、24とは異なる位置に配設されている。
ここで、第1、第2塗料噴霧手段22、23は、同一の種類または性状を有する塗料を噴霧するようになっており、また第3塗料噴霧手段24はこれとは異なる種類または性状を有する塗料を噴霧するようになっている。具体的には、第3塗料噴霧手段24により噴霧される塗料(以下、「第2塗料」という)は、第1、第2塗料噴霧手段22、23により噴霧される塗料(以下、「第1塗料」という)よりも耐加工性が高くされている。すなわち、該第2塗料は、缶本体10の内面に塗布された後に、乾燥、硬化された塗膜の状態において、缶本体10の変形挙動に追従することができ、この変形によってひび割れが発生することを防止できるといった性質を特に有している。なお、前記第1、第2塗料はともに、内容物に対する耐腐食性に優れる性質を有している。また、これらの第1、第2塗料はともに、水を主成分とする親水性溶媒中に溶解または分散させて均質とされている。
本実施形態の前記第2塗料としては、
(1)アクリル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を重量比(A)/(B)=12/88〜35/65の範囲で共重合して形成されるエポキシアクリル共重合体(イ)[ただし、前記アクリル樹脂(A)は、メタクリル酸30〜60重量%、スチレン35〜70重量%、および任意に含有し得る共重合性モノマー0〜20重量%から構成され;前記エポキシ樹脂(B)は、フェノキシ樹脂が5〜45重量%含有されている];および前記エポキシアクリル共重合体(イ)100重量部に対して1〜7重量部のフェノール樹脂(ロ)からなる樹脂組成物、または、
(2)ポリ塩化ビニルを30〜60重量%、フェノール樹脂を3〜10重量%、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂の共重合体を30重量%以上含有する樹脂組成物、または、
(3)アクリル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とが質量比(A)/(B)=12/88〜35/65の範囲で結合したエポキシアクリル共重合体および水性溶媒を含有する樹脂組成物であって、アクリル樹脂(A)が、メタクリル酸単位(a)を20〜60質量%、スチレン単位(b)を35〜70質量%、重合物のガラス転移温度(Tg)が−40℃以下である低Tg重合体形成単量体単位(c)を1〜10質量%含み、エポキシ樹脂(B)が、フェノキシ樹脂(ii)を5〜45質量%含む樹脂組成物等が採用される。
(1)アクリル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を重量比(A)/(B)=12/88〜35/65の範囲で共重合して形成されるエポキシアクリル共重合体(イ)[ただし、前記アクリル樹脂(A)は、メタクリル酸30〜60重量%、スチレン35〜70重量%、および任意に含有し得る共重合性モノマー0〜20重量%から構成され;前記エポキシ樹脂(B)は、フェノキシ樹脂が5〜45重量%含有されている];および前記エポキシアクリル共重合体(イ)100重量部に対して1〜7重量部のフェノール樹脂(ロ)からなる樹脂組成物、または、
(2)ポリ塩化ビニルを30〜60重量%、フェノール樹脂を3〜10重量%、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂の共重合体を30重量%以上含有する樹脂組成物、または、
(3)アクリル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とが質量比(A)/(B)=12/88〜35/65の範囲で結合したエポキシアクリル共重合体および水性溶媒を含有する樹脂組成物であって、アクリル樹脂(A)が、メタクリル酸単位(a)を20〜60質量%、スチレン単位(b)を35〜70質量%、重合物のガラス転移温度(Tg)が−40℃以下である低Tg重合体形成単量体単位(c)を1〜10質量%含み、エポキシ樹脂(B)が、フェノキシ樹脂(ii)を5〜45質量%含む樹脂組成物等が採用される。
一方、前記第1塗料としては、前記第2塗料と性状または種類が異なるエポキシアクリル系樹脂、エポキシユリア系樹脂、またはエポキシフェノール系樹脂が採用され、例えば、ポリ塩化ビニルペースト30〜60重量%、塩化ビニル/酢酸ビニル/プロピオン酸若しくはマレイン酸共重合体30〜70重量%、エポキシ樹脂1〜12重量%およびフェノール樹脂1〜10重量%の組成を有する樹脂組成物等が採用される。
前記組成を有する前記第2塗料は、前記第1塗料と比べて耐加工性が優れる反面、塗れ性または塗装性が悪いという性状を有し、かつ第2塗料の方が第1塗料よりもコストが高い。
前記組成を有する前記第2塗料は、前記第1塗料と比べて耐加工性が優れる反面、塗れ性または塗装性が悪いという性状を有し、かつ第2塗料の方が第1塗料よりもコストが高い。
以上のように構成された内面塗装装置により缶本体10の内面に塗料を塗布する方法について説明する。
まず、缶本体10をその開口部が開放された状態で前記保持テーブルに保持し、その後、このテーブルを、前記缶本体10の開口部が第1、第3塗料噴霧手段22、24のノズル孔と対向する位置に移動させる。そして、前記保持テーブルを、缶本体10が缶軸回りに回転するように駆動した状態で、図1(a)に示すように、第1塗料噴霧手段22により、缶本体10の底部11から下部12にかけた領域の内面に前記第1塗料を、その乾燥後の重量が約60mgになる量だけ噴霧するとともに、第3塗料噴霧手段24により、前記缶本体上部13のうち、カール部33の形成予定部を除く少なくとも雄ねじ部32の形成予定部における内面に前記第2塗料を、その乾燥後の重量が約30mgになる量だけ噴霧する(第1塗布工程)。
まず、缶本体10をその開口部が開放された状態で前記保持テーブルに保持し、その後、このテーブルを、前記缶本体10の開口部が第1、第3塗料噴霧手段22、24のノズル孔と対向する位置に移動させる。そして、前記保持テーブルを、缶本体10が缶軸回りに回転するように駆動した状態で、図1(a)に示すように、第1塗料噴霧手段22により、缶本体10の底部11から下部12にかけた領域の内面に前記第1塗料を、その乾燥後の重量が約60mgになる量だけ噴霧するとともに、第3塗料噴霧手段24により、前記缶本体上部13のうち、カール部33の形成予定部を除く少なくとも雄ねじ部32の形成予定部における内面に前記第2塗料を、その乾燥後の重量が約30mgになる量だけ噴霧する(第1塗布工程)。
次に、これらの第1、第2塗料が未だ硬化していない状態で、前記保持テーブルを、缶本体10の開口部が第2塗料噴霧手段23のノズル孔と対向する位置に移動させる。そして、前記第1塗布工程と同様に前記保持テーブルを駆動した状態で、図1(b)に示すように、第2塗料塗布手段23により、缶本体10の内面の全領域に亙って、すなわち底部11からカール部33の形成予定部にかけた領域の内面に均等に前記第1塗料を、その乾燥後の重量が約160mgになる量だけ噴霧する(第2塗布工程)。
なお、前述した前記第1、第2塗料の各塗布量は、内容量410ml用のボトル缶30を形成するための缶本体10(内径66mm、高さ160mm)で適用できるものであり、これらの第1、第2塗料の乾燥後の総量は約250mgとなる。
なお、前述した前記第1、第2塗料の各塗布量は、内容量410ml用のボトル缶30を形成するための缶本体10(内径66mm、高さ160mm)で適用できるものであり、これらの第1、第2塗料の乾燥後の総量は約250mgとなる。
そして、前記第1、第2塗料を乾燥、硬化させて、これらを塗膜とした後に、缶本体10の缶軸方向上部13に、ネックイン加工、ねじ成形加工、およびカール部形成加工等を順次を施して前記ボトル缶30を形成する。
ここで、前記ネックイン加工等を施す前の缶本体10における前記塗膜の膜厚分布を測定した。結果を図2に示す。この図から明らかなように、缶本体10の開口端部としての、カール部33の形成予定部における膜厚は約5.5μmとされ、雄ねじ部32の形成予定部における膜厚は約8.0μmとされ、また肩部31の形成予定部における膜厚は約5.0μm〜約7.0μmとされ、胴部14における膜厚は約4.0μm〜約5.0μmとされていることが確認された。すなわち、カール部33の形成予定部における内面に、雄ねじ部32の形成予定部における内面よりも薄く塗料を塗布したことによって、その膜厚を、カール部33の形成予定部の方が、雄ねじ部32の形成予定部よりも薄く形成できることが確認された。また、カール部33の形成予定部に形成された塗膜の厚さは、胴部14に形成された塗膜の厚さ以上とされることが確認された。なお、カール部33の形成予定部における膜厚は約4.0μm〜6.5μmの範囲内にあればよく、また、雄ねじ部32の形成予定部における膜厚は約7.5μm〜10.0μmの範囲内にあればよい。
ここで、前記ネックイン加工等を施す前の缶本体10における前記塗膜の膜厚分布を測定した。結果を図2に示す。この図から明らかなように、缶本体10の開口端部としての、カール部33の形成予定部における膜厚は約5.5μmとされ、雄ねじ部32の形成予定部における膜厚は約8.0μmとされ、また肩部31の形成予定部における膜厚は約5.0μm〜約7.0μmとされ、胴部14における膜厚は約4.0μm〜約5.0μmとされていることが確認された。すなわち、カール部33の形成予定部における内面に、雄ねじ部32の形成予定部における内面よりも薄く塗料を塗布したことによって、その膜厚を、カール部33の形成予定部の方が、雄ねじ部32の形成予定部よりも薄く形成できることが確認された。また、カール部33の形成予定部に形成された塗膜の厚さは、胴部14に形成された塗膜の厚さ以上とされることが確認された。なお、カール部33の形成予定部における膜厚は約4.0μm〜6.5μmの範囲内にあればよく、また、雄ねじ部32の形成予定部における膜厚は約7.5μm〜10.0μmの範囲内にあればよい。
以上説明したように本実施形態による缶本体の内面塗装方法によれば、カール部33の形成予定部における内面に、雄ねじ部32の形成予定部における内面よりも薄く塗料を塗布するので、この缶本体10に基づいて形成されたボトル缶30の上端部における外周面および上端面、すなわちキャップのライナーと密接する塗膜(以下、「カール部の塗膜」という)の厚さを最小限とすることが可能になる。したがって、前記カール部の塗膜の、缶軸回りに回転移動するような変形に対する剛性を高めることが可能になる。これにより、前記ライナーと前記カール部の塗膜とが密接している状態から、キャップ若しくはボトル缶30に対して他方を缶軸回りに回転させた際、つまりキャップ付ボトル缶を開栓する際に、前記カール部の塗膜が、ライナーのボトル缶30に対する回転移動に追従するように変形することを防ぐことが可能になる。以上により、キャップ付ボトル缶を開栓する際に、ライナーを前記カール部の塗膜表面を滑らせることが可能になり、キャップ付ボトル缶に良好な開栓性を具備させることができる。
また、缶本体10の内面のうち、カール部33の形成予定部を除く少なくとも雄ねじ部32の形成予定部に塗料を塗布する第1塗布工程と、缶本体10の内面に、その全域に亙って同等の厚さで塗料を塗布する第2塗布工程とを有するので、カール部33の形成予定部における内面に、雄ねじ部32の形成予定部における内面よりも薄く塗料を塗布することが可能になるとともに、このような塗料の塗布を、既存の設備を流用できて高効率に行うことが可能になる。
さらに、前記第1塗布工程で雄ねじ部32の形成予定部に塗布する前記第2塗料は、前記第2塗布工程で塗布する前記第1塗料よりも耐加工性が高いので、缶本体10の内面に形成される塗膜のうち、少なくとも雄ねじ部32の形成予定部に形成される塗膜は耐加工性に優れることになり、この缶本体10にねじ成形加工を施して雄ねじ部32を形成した際に、その内面の塗膜がひび割れたりすること等を抑えることが可能になる。したがって、内容物を充填した際に、該塗膜内にこの内容物が侵入し、ボトル缶30に内容物が接触して該ボトル缶30が腐食することを防ぐことができる。
さらに、このような構成においても、第1塗布工程では、カール部33の形成予定部を除いた部分に塗料を塗布し、第2塗布工程で、缶本体10の内面の全域に亙って同等の厚さで塗料を塗布するので、前記カール部の塗膜の厚さは、雄ねじ部32の内面に形成された前記塗膜の厚さより薄くなり、キャップ付ボトル缶の開栓性を阻害することを防ぐことができる。
また、本実施形態では、比較的高価な前記第2塗料を雄ねじ部32の形成予定部に限定して塗布しているので、ボトル缶30の製造コストの増大を抑えることができる。
また、本実施形態では、比較的高価な前記第2塗料を雄ねじ部32の形成予定部に限定して塗布しているので、ボトル缶30の製造コストの増大を抑えることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、前記実施形態では、前記第1塗布工程で使用する第1塗料噴霧手段22と第3塗料噴霧手段24とを各別に設けた構成を示したが、例えば同一の本体にノズル孔が2つ設けられた構成を採用してもよい。また、前記実施形態では、缶本体10の内面に形成する塗膜のうち、雄ねじ部32の形成予定部に形成する塗膜の厚さを最大としたが、これに限らず、少なくともカール部33の形成予定部に形成する塗膜の厚さが、雄ねじ部32の形成予定部に形成する塗膜の厚さより小さければよい。さらに、前記実施形態では、前記第1塗布工程で、雄ねじ部32の形成予定部に塗布する塗料を前記第2塗料としたが、これを前記第1塗料としてもよい。つまり、缶本体10の内面に塗布する塗料を全て同一の塗料としてもよい。
キャップ付ボトル缶に良好な開栓性を具備させることが可能になる。
10 缶本体
30 ボトル缶
32 雄ねじ部
33 カール部
34 口金部
30 ボトル缶
32 雄ねじ部
33 カール部
34 口金部
Claims (3)
- 缶軸方向中央部に雄ねじ部が形成されるとともに、缶軸方向上端部が径方向外方へ折り返されて形成されたカール部を備える口金部にキャップが被着されるボトル缶を形成するための、有底筒状とされた缶本体の内面に塗料を塗布する缶本体の内面塗装方法であって、
前記缶本体の前記カール部の形成予定部における内面に、該缶本体の前記雄ねじ部の形成予定部における内面よりも薄く塗料を塗布することを特徴とする缶本体の内面塗装方法。 - 請求項1記載の缶本体の内面塗装方法において、
前記缶本体の内面のうち、前記カール部の形成予定部を除く少なくとも前記雄ねじ部の形成予定部に塗料を塗布する第1塗布工程と、前記缶本体の内面に、その全域に亙って同等の厚さで塗料を塗布する第2塗布工程とを有することを特徴とする缶本体の内面塗装方法。 - 請求項2記載の缶本体の内面塗装方法において、
前記第1塗布工程で前記雄ねじ部の形成予定部に塗布する塗料は、前記第2塗布工程で塗布する塗料よりも耐加工性が高いことを特徴とする缶本体の内面塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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2005
- 2005-09-22 JP JP2005275617A patent/JP2006187759A/ja not_active Withdrawn
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