図1に示される如く、パチスロ機300は、本体302と、本体302の正面に設けられた開閉カバーとしての操作兼装飾部303とを備えて構成されている。
操作兼装飾部303は、上から装飾部304、操作部306、払出部310とに分類することができる。
装飾部304は、内部でバックライト部(図示省略)が点灯することで、印刷された絵や文字が透過照明される表示パネル部312が取り付けられている。また、装飾部304の一部として、前記装飾部304の上部には、立体的な装飾ランプ304Aも左右方向に設けられている。また、装飾ランプ304近傍には、演出用の音声等を再生するためのスピーカ305R、305Lが設けられている。
装飾部304の表示パネル部312は、演出用の動画像を表示するための液晶表示装置313と、回胴表示図柄を表示するための表示窓314とを備えている。表示窓314は、前記表示パネル部312と一体成型される透明領域で構成されている。
この表示窓314の内部には、3個の回胴リール350A、350B、350Cを主要部として構成された図柄変動部316が配設されている。
また、表示窓314の下部には、このパチスロ機300の遊技媒体であるメダルの払出枚数を表示する7セグメント表示部315A、ジャックゲーム残回数や遊技状態の設定(6段階)表示等を行なう表示部315B、クレジット枚数を表示する7セグメント表示部315Cが設けられている。
操作部306は、その上部が手前に突き出ており、この突き出し部分の上面(テーブル306A)の右端部にはメダル投入部320が設けられ、また、上面左端部からは順にクレジットの払い戻しをする際に押下操作される精算ボタン103、1枚ベット(投入)ボタン352A、マックスベット(最大投入)ボタン352Bが設けられている。また、突き出し部分の前面左端部からは、順に始動レバー354、停止ボタン356A、356B、356C等が設けられている。
払出部310は、メダル排出口326と、このメダル排出口326から排出されるメダルを受取る受け皿328とを備えている。
3個のリール350A、350B、350Cは、回転することで図柄が順次前記表示窓314から見えるようになり、回転を停止した場合に表示窓314から見える図柄のうち、中行に並んだ図柄の中心を結ぶライン、上行に並んだ図柄の中心を結ぶライン、下行に並んだ図柄の中心を結ぶラインと、2本の対角線上に並んだ図柄の中心をそれぞれ結ぶ2本のラインと、の5本の有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが遊技の結果を示す。
なお、5本のラインのうち、どのラインが有効ラインとされるかはメダルの投資数によって決まり、1枚のメダルがベットされた場合は中行に並んだ図柄の中心を結ぶラインが有効ラインとされ、3枚のメダルがベットされた場合は全てのラインが有効ラインとされる。
前記停止ボタン356A、356B、356Cは、図柄変動部316下部に設けられており、各リール350A、350B、350Cに対応している。すなわち、対応するそれぞれのリール350A、350B、350Cの回転を遊技者による停止ボタン356A、356B、356Cの操作で停止させることができる。
また、この停止ボタン356A、356B、356Cの左側に設けられた始動レバー354を操作(傾倒)することで、各リール350A、350B、350Cが回転を開始するようになっている。なお、この回転は、通常は3個のリール350A、350B、350Cが同時に回転を開始するようになっている。
さらに、この始動レバー354による操作タイミングは、後述する内部抽選のタイミングとなっており、当該始動レバー354の操作によって、当たり(役当選)/外れが決定するようになっている。
図2には、上記パチスロ機300の動作を制御するための制御ブロック図が概略的に示されている。
パチスロ機300の制御系は、主制御部100を中心に構成されており、この主制御部100には、メダル投入部320から投入されたメダルを識別し、メダルの投入数や種類(不正又は純正)等を出力するメダルセレクタ102が接続されると共に、始動レバー354、上述したリール350A、350B、350Cのそれぞれに対応する停止ボタン356A、356B、356C、MAXベットボタン352B、1枚ベットボタン352A並びに遊技を中止する際に遊技機内部に貯留(クレジット)したメダルを戻すための精算ボタン103が、それぞれ操作状態を検出する不図示のセンサ等を介して接続されている。
また、主制御部100は、CPUを含んで構成される主制御回路110を備えており、主制御回路110には、主として遊技の進行状況等を一時的に記憶するRAM128と、各種プログラム等が記憶されたROM130と、が接続されると共に、主制御回路110の動作の基準となるクロックパルスを生成するクロックパルス発生回路124が分周器126を介して接続されている。
また、主制御回路110には、乱数発生器120及び乱数サンプリング回路122が接続されている。主制御回路110は、分周器126を介して入力されたクロックパルスに同期して乱数発生器120を制御して順次乱数を発生させ、乱数サンプリング回路122では、当該乱数発生器120により発生された乱数を取得してサンプリングする。
パチスロ機300では、始動レバー354による操作タイミングで大役、小役等の当落を決定する内部抽選が主制御部100により行われるようになっており、主制御回路110では、始動レバー354が操作されると上記乱数サンプリング回路122に対して、乱数の取得、サンプリング及び出力を指示し、これにより乱数サンプリング回路122から入力された乱数に応じて抽選結果を導出する。
なお、内部抽選が当たり(役当選)の場合は、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作により当たり図柄が揃うと、遊技者は各図柄に応じた数のメダルを獲得できるほか、揃った図柄に応じて遊技者に有利な遊技状態となる。
ここで、役には小役と大役とがある。このうち、大役には、ビッグボーナス(以下、適宜「BB」という)及びレギュラーボーナス(以下、適宜「RB」という)があり、それぞれに対応する遊技においては遊技者に対する有利さの度合いが異なる。RBに対応する遊技(以下、適宜「RBゲーム」という)は複数回の小役ゲームにより構成されており、BBに対応する遊技(以下、適宜「BBゲーム」という)は、その遊技中に、獲得したメダル数が上限値を超えない範囲で複数回のRBゲームを実行可能となっている。このため、当然、小役ゲームよりもRBゲームの方が、RBゲームよりもBBゲームの方が、遊技者にとってより有利な遊技状態となる。
また、主制御部100には、モータ駆動回路132が接続されており、当該モータ駆動回路132には、左(L)、中(C)、右(R)用の各リールモータ106A、106B、106Cを介してそれぞれ左、中、右の各リール350A、350B、350Cが接続されている。
さらに、主制御部100には、3個のリール350A、350B、350Cの回転位置を検出するためのリール位置検出回路134が接続されており、主制御部100では、各リール350A、350B、350Cの位置を常時把握することができるようになっている。
また、パチスロ機300では、上記始動レバー354による操作タイミングで図柄変動部316による図柄変動を開始するようになっており、主制御部100は、始動レバー354が操作されると、モータ駆動回路132を介したリールモータ106A、106B、106Cの駆動をそれぞれ開始し、3個のリール350A、350B、350Cをそれぞれ回転させると共に、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる操作に基づいて、3個のリール350A、350B、350Cの回転を停止させる。
また、主制御部100には、パチスロ機300内部に設けられたホッパー138を作動させるためのホッパー駆動回路136が接続されている。ホッパー138にはメダルが貯留されており、主制御部100では、リール位置検出回路134からの出力により特定された停止図柄に応じて、ホッパー駆動回路136を介したホッパー138からのメダルの払い出しが実行される。
さらに、ホッパー138近傍には、ホッパー138から払出されるメダルを検出するメダル検出センサ140が配設されており、払出完了信号回路142を介して主制御部100に接続されている。払出完了信号回路142では、メダル検出センサ140からの検出信号に基づいて払出が完了したか否かが判定され、払出が完了したと判定された時点で払出完了信号が生成されて主制御部100に入力される。
主制御部100では、払出完了信号回路142から払出完了信号が入力されるとホッパー駆動回路136を介してホッパー138によるメダルの払出しを終了する。
さらに、主制御部100には、表示ランプ駆動回路144が接続されており、当該表示ランプ駆動回路144を介して前述した7セグメント表示部315A、表示部315B、7セグメント表示部315C及び有効化ライン等の表示ランプ146の点灯及び消灯を制御する。
一方、主制御部100には、副制御部150が接続されており、主制御部100は副制御部150に対して、随時制御状態を示すコマンド信号を入力する。なお、本実施の形態では、主制御部100と副制御部150との間の通信としては、主制御部100から副制御部150に対する一方的な通信だけが実行され、副制御部150から主制御部100に対する通信は一切行うことができない構成となっている。
副制御部150には、液晶制御回路152が接続されており、液晶制御回路152では、演出のために設けられた液晶表示装置(LCD)313の表示状態を制御する。
また、副制御部150には、ランプ駆動回路156が接続されており、当該ランプ駆動回路156を介して装飾ランプ304Aに内蔵されているランプ112や、リール350A、350B、350Cの内部に設けられ、表示窓314に表示されるリール350A、350B、350C周面の図柄に対向する位置に向けて発光するバックライト158等の発光を制御する。
さらに、副制御部150には、スピーカ駆動回路154が接続され、スピーカ305L、305Rからの音声(効果音)出力を制御する。
副制御部150では、主制御部100のパチスロ機300の制御状態に応じて、LCD313、スピーカ305L、305R及びバックライト158や装飾ランプ304Aに内蔵されたランプ112等による報知演出を実行する。
図3は、本実施の形態に係る主制御部100における通常遊技制御のための制御系を機能的に示したブロック図である。
主制御部100は、抽選部180を含んで構成されており、当該抽選部180には、始動レバー354が操作されたことを示す操作信号が入力されるようになっている。抽選部180は、所定数のメダルの投入(ベット)がなされた後の始動レバー354の操作をトリガとして、内部抽選を実行するようになっている。
抽選部180では、始動レバー354の操作に同期して乱数値を取得し、当該乱数値をテーブル設定部182を経由して当選役・図柄決定部184へ送出する。
テーブル設定部182には、抽選部180により取得され得る乱数値が割り当てられる複数の当選エリアに対応する役・図柄を示す情報が記憶された内部抽選テーブルが格納されている。
ここで、本実施の形態では、内部抽選による当選役・図柄の決定には、遊技状態に応じて選択された内部抽選テーブルが用いられるようになっている。
図4には、本実施の形態に係る内部抽選テーブルがテーブル設定部182に格納された状態が一例として示されている。
同図に示されるように、当選エリア「0」は何れの役にも当選しない外れが対応付けされており、当選エリア「1」〜「4」には、小役が1種類ずつ対応付けされ、当選エリア「5」及び「6」には、2種類の大役がそれぞれ対応付けされている。
また、各当選エリアには、上述したように抽選部180により取得され得る乱数値が割り当てられるようになっており、各当選エリアに割り当てるべき乱数値の数(当選確率)が予め設定されている。
なお、同図に示されるように、本実施の形態では、テーブル設定部182には、2つの内部抽選テーブルが格納されており、通常遊技の内部抽選テーブルととRB中の内部抽選テーブルとでは、互いに異なる当選確率が設定されている。
テーブル設定部182では、遊技状態に応じて使用する内部抽選テーブルを選択して設定し、上記抽選部180により取得された乱数値を示す情報と共に設定した内部抽選テーブルを示す情報を当選役・図柄決定部184に入力し、当選役・図柄決定部184は、当該内部抽選テーブルに基づいて当選役(小役(リプレイを含む)、大役(RB、BB))及び当選図柄を決定し、決定した当選役及び当選図柄を遊技状態制御部186に入力する。
遊技状態制御部186には、パチスロ機300の遊技状態に応じた各種プログラムを示すデータが記憶された遊技プログラムメモリ188が接続されている。遊技状態制御部186は、主として遊技実行制御部186Aにより遊技プログラムメモリ188から遊技状態に応じた遊技プログラムデータを適宜読み出して実行することにより、遊技状態を制御するようになっている。
なお、遊技プログラムメモリ188には、通常遊技プログラムを示すデータ及び大役遊技プログラムを示すデータがそれぞれ記憶されており、例えば、通常遊技状態の場合は、遊技プログラムメモリ188から通常遊技プログラムデータが読み出され、大役遊技状態の場合は大役遊技プログラムデータが読み出され、それぞれのプログラムデータに基づいて処理が実行される。
また、遊技状態制御部186には、フラグ管理制御部190を介してフラグメモリ192が接続されており、上述した内部抽選の当選結果に応じた役の内部当選状態をフラグの状態によって管理している。
各フラグは、内部抽選により当選することにより成立し、一般に、小役のフラグの状態は1回の遊技で消滅(フラグ不成立)するが、大役のフラグの状態はその後各リール350A、350B、350Cが停止して表示窓314に大役図柄が所定の配列で表示されることにより大役に入賞するまで維持される。
一方、主制御部100は、リール駆動制御部194を含んで構成されており、始動レバー354の始動操作に基づき、前回の遊技の開始後、4.1秒を経過した後、モータ駆動部132を介してリールモータ106A、106B、106Cを駆動させてリール350A、350B、350Cの回転を開始する。
また、リール駆動制御部194は、停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる停止制御を行う。
ここで、リール駆動制御部194では、上記停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる際、内部抽選の結果に応じて、所定コマ数の滑り制御を実行するようになっている。
すなわち、内部抽選が外れのとき、当りの場合のみ停止する図柄が有効ライン上に停止するタイミングで停止ボタン356A、356B、356Cが操作された場合、意図的にこの図柄での停止を回避するため、停止位置をずらし(蹴飛ばし)、外れ図柄配列で停止するように制御する。
また、内部抽選が当りのとき、遊技者が当り図柄が停止しないタイミングで停止ボタン356A、356B、356Cを操作した場合でも、所定図柄数内であれば、意図的にこの当たり図柄が有効ライン上に揃って停止するように停止位置をずらす(引き込み)制御を行う。
上記蹴飛ばし、引き込みのすべり制御を加味して停止制御を行うことで、内部抽選の結果と遊技の結果との統一性を持たせることができると共に、若干停止操作タイミングがずれても当り図柄を揃えられるようにすることで、遊技者の取りこぼしを可能な範囲で防いでいる。
リール駆動制御部194には、停止ボタン356A、356B、356Cが操作された時点での各リール350A、350B、350Cの回転位置に応じたすべりコマ数が予め記憶された複数の停止制御テーブルを備えており、各停止制御テーブルにはそれぞれ異なるすべりコマ数が記憶されている。
また、リール駆動制御部194には、上述したフラグメモリ192が接続されており、上記停止制御を実行する際に、フラグメモリ192に記憶されたフラグの状態をパラメータとして停止制御テーブルを選択するようにしている。
また、リール350A、350B、350Cには、それぞれ位置検出センサ198A、198B、198Cが取り付けられており、リール位置検出回路134を介してリール駆動制御部194に接続されている。リール駆動制御部194では、リール350A、350B、350Cのそれぞれの回転位置を認識し、上記停止制御テーブルを参照して滑り制御を加味した状態でリール350A、350B、350Cを停止させると共に、停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列を遊技状態制御部186へ送出する。
遊技状態制御部186では、停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列により、何らかの役に入賞したか否かが確認され、入賞であれば所定の配当が行われると共に、入賞した役がリプレイであればリプレイ制御が実行され、大役であれば遊技実行制御部186Aにより大役遊技プログラムが遊技プログラムメモリ188から読み出されて実行される。
なお、大役遊技プログラムには、レギュラーボーナスゲームプログラム及びビッグボーナスゲームプログラムがそれぞれ別個に記憶されており、当選した大役に基づいて選択的に読み出されるようになっている。
レギュラーボーナスプログラムでは、権利行使として小役の抽選確率が通常遊技中の抽選確率よりも高い状態で最高12回の遊技(最大遊技回数)を実行可能である。この12回の遊技の間で何らかの小役に最高8回入賞(最大入賞回数)すると、レギュラーボーナスゲームは終了する。
一方、ビッグボーナスプログラムでは、権利行使としてレギュラーボーナスゲームが複数回実行可能であり、ビッグボーナスゲームにおける獲得枚数が予め設定された上限枚数に到達すれば、レギュラーボーナスゲームの実行中であってもビッグボーナスゲームは終了する。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
図5には、本実施の形態に係る主制御部100により実行される遊技状態制御における処理の流れが示されている。以下、同図を参照しつつ、本実施の形態に係る遊技状態制御処理について説明する。
まず、ステップ200では、ベット完了待ちを行い、次のステップ202では、始動操作待ちを行う。
すなわち、メダルがクレジットされている状態(或いは、メダル投入部320からメダルを投入した状態)で、1枚ベットボタン352A、またはマックスベットボタン352Bの操作によりメダルのベットが完了するか、或いは、メダル投入部320からメダルを投入することによりベットが完了すると、始動レバー354の操作が可能となる。
次のステップ204では、抽選部180により取得した乱数値と内部抽選テーブル(図4参照)とを用いて当選役・図柄を決定する内部抽選を行い、その後にステップ206に移行して大役に当選したか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ208に移行する。ステップ208では、遊技状態をボーナス内部中に切替え、その後にステップ210に移行する。
一方、ステップ206で否定判定となった場合はこの時点では遊技状態を切替えることなくステップ210に移行する。
なお、上記内部抽選は、役の種類が共通であり、各役の当選確率のみが異なる内部抽選テーブルが遊技状態に応じて選択的に用いられて実行される。
ステップ210では、各リール350A、350B、350Cの回転を同時に開始し、その後にステップ212に移行する。
すなわち、始動レバー354が操作されると、この操作と同時に役の内部抽選がなされると共に、リール駆動制御部194の制御により、リール350A、350B、350Cが回転を開始する。
上記内部抽選の結果は、当選役・図柄決定部1848から遊技状態制御部186に伝えられる。遊技状態制御部186は、フラグ管理制御部190を介してフラグメモリ192のフラグの状態を内部抽選の結果に応じて更新記憶させる。
その後、遊技者が、停止ボタン356A、356B、356Cを操作すると、この停止操作によってリール350A、350B、350Cの回転を停止させるようになっている。
そこで、ステップ212では、遊技者による停止ボタン356A、356B、356Cを介した停止操作待ちを行い、次のステップ214では停止操作がなされた停止ボタン356に応じたリール350の回転を停止させ、その後にステップ216に移行して、全てのリール350A、350B、350Cの回転が停止したか否かを判定する。当該判定が否定判定となった場合は再びステップ212に戻り、ステップ216が肯定判定となるまでステップ212乃至ステップ216の処理を繰り返し実行する。
この回転の停止制御は、フラグメモリ192に記憶されているフラグに従って、滑り制御を加味して該当する図柄を所定位置に引き込むように、或いは所定位置から蹴飛ばすようにリール350A、350B、350Cの停止制御が実行される。すなわち、リール駆動制御部194は、フラグメモリ192に記憶されたフラグの状態及び遊技状態制御部186による遊技状態に応じた停止制御テーブルを選択し、停止制御テーブルに基づいてすべり制御を加味するようにしており、前記フラグが成立している場合には、的確な目押しタイミングによって当たり図柄を停止させることができる。また、多少の停止操作タイミングのずれは滑り制御によって矯正される。逆に、フラグが成立していない場合には、目押しを行っても、リール350A、350B、350Cの回転に滑りを生じさせ、当り図柄では停止しないようにする。
次のステップ218では、停止図柄に基づいて入賞したか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は再びステップ200に戻る。
一方、何らかの役に入賞した場合はステップ218で肯定判定となってステップ220に移行して、大役に入賞したか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合はステップ224に移行して入賞に応じたメダルを払い出し、その後再びステップ200に戻る。
また、大役に入賞した場合はステップ220で肯定判定となってステップ226に移行して、入賞した大役がBBであるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ228に移行して遊技状態をBB作動中に切替え、その後にステップ230に移行してBBゲーム処理を実行し、次のステップ236に移行する。
一方、ステップ226で否定判定となった場合はステップ232に移行して、遊技状態をRB作動中に切替え、その後にステップ234に移行し、RBゲーム処理を実行した後にステップ236に移行する。
ステップ236では、遊技状態を通常遊技に切替え、その後再びステップ200に戻る。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、複数のリール350A、350B、350Cの図柄をそれぞれ複数個ずつ同時に表示可能な表示窓314を有し、始動レバー354を介した始動指示に応じて内部抽選を行うと共に表示窓314における各350A、350B、350Cの回転による図柄の変動表示を開始し、停止ボタン356A、356B、356Cを介した停止指示に基づいて各リール350A、350B、350Cの変動表示を停止させ、表示窓314に内部抽選により当選した役に対応する停止態様で停止表示された場合に当該当選した役を入賞させるに際し、役の種類が共通であり各役の当選確率のみが異なる複数の内部抽選テーブルを記憶するROM130を備え、前記停止指示に基づき予め設定されたすべりコマ数の範囲内で、内部抽選により当選した役に応じた図柄を引込む一方、内部抽選により当選していない役に応じた図柄を蹴飛ばすように各リール350A、350B、350C毎に停止位置を調整して変動表示を停止させ、入賞した役の種類に応じてメダルの配当又は遊技状態の切替えを行い、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを切替えて内部抽選を行うので、メモリ容量及び停止制御負荷の増大を防止できる。
すなわち、遊技状態に応じて異なる内部抽選テーブルが用いられるが、各内部抽選テーブルは役の種類が共通であるため、停止制御において引込む図柄及び蹴飛ばす図柄に関しては遊技状態に拘わらず同じであり、遊技状態に応じて役の種類が異なる内部抽選テーブルを用いる場合と比較して、停止制御負荷の増大を防止できるだけでなく、停止制御に関するパラメータやテーブル等の記憶容量の増大も防止することができる。
また、遊技状態に応じて役の種類が異なる内部抽選テーブルを用いる場合と比較して、役に応じた図柄の組み合わせを増やす必要がないので、不当入賞や重複入賞の危険性が減り、停止制御が容易になるだけでなく、設計上、リール350A、350B、350Cの図柄配列が容易になる。
さらに、本実施の形態では、役に小役及び小役への入賞機会が増大する大役を含んでおり、大役に入賞した場合に遊技状態を大役作動中に切替えると共に、入賞により得られる配当が高い小役であり、かつ各図柄列に多く配列された小役への当選確率が最も高い内部抽選テーブルに切替えるので、メモリ容量及び停止制御負荷の増大を防止しつつ、取りこぼし及び獲得枚数の減少を防ぐことができる。
なお、本実施の形態におけるパチスロ機の構成(図1乃至図4参照)及び処理の流れ(図5参照)は一例であり、適宜変更可能であることは言うまでもない。