JP2006185551A - 光記録媒体 - Google Patents

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博之 岩佐
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勝 真貝
Tatsuo Kenjo
竜雄 見上
Yuki Nakamura
有希 中村
Toru Yashiro
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Abstract

【課題】 有機色素を含む2層の記録層を有する光記録媒体において、光入射側からみて奥側の層全体の放熱性の悪化を抑えて反射層の変形を発生させない光記録媒体を提供する。
【解決手段】 第1および第2の2組の記録層構成体を樹脂中間層を介して積層し、レーザ光を照射し、前記2組の記録層構成体にそれぞれ記録あるいは再生を行う光記録媒体において、前記2組の記録層構成体は、色素層(記録層)および半透明層または反射層を積層する構成体であり、また前記第2記録層構成体の反射層とカバー基板との間には耐熱層を設ける。さらに、前記第2記録層構成体の色素層の上に保護層を設ける構成も好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光記録媒体に関し、特に有機色素層からなる記録層を2層有する大容量の光記録媒体に関する。
近年、情報通信の発展により、光ディスク媒体の大容量化の要求が高まり、これまで1層であった記録層を2層にするなど複数層にすることが提案されている。
例えば特許文献1には2層の記録層を有する追記型の光記録媒体として、第1記録層および第2記録層を有し、これら第1、第2記録層のうち少なくとも前記第1記録層は追記型であり、前記第1記録層側からの光照射により、前記第1または第2記録層に対して情報の読み書きを行う光記録媒体であって、前記第2記録層に対する記録または再生光波長に関し、前記第1記録層の記録によって生じる前記第1記録層の透過光の位相変化が、10度以下であるとする媒体が記載され、前記第1記録層への書き込みによって、奥に位置する前記第2記録層への情報の書き込みが阻害されない効果が得られるとされている。
また、特許文献2には片側から記録・再生可能な複数の色素記録層を有する大容量光記録媒体として、透明な第1基板上に、色素を含む第1記録層、半透明反射層、透明接着層、色素を含む第2記録層、反射層、第2基板をこの順に有するものが記載され、このような層構成にすることで、第1基板側から光ビームを入射すれば、第1記録層、第2記録層ともに記録・再生を良好に行うことができるとされている。
しかしながら、特許文献1の光記録媒体では、有機色素を記録層とした場合は位相差が大きく、レーザ入射に対して奥側に位置する第2記録層への情報の書き込みおよびその情報の読み出しが阻害されるという結果となっている。また、特許文献2の光記録媒体は、光入射側からみて奥側の層全体の放熱性が悪いため、奥側の反射層のダメージが大きく、変形して溝信号の劣化が大きく、高記録パワー側でトラッキングが外れるという問題がある。
特開2001−101709号公報 特開2003−331473号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、有機色素を含む2層の記録層を有する光記録媒体において、上記したような光入射側からみて奥側の層全体の放熱性の悪化を抑えて反射層の変形を発生させない光記録媒体を提供することを目的とする。
上記本発明の目的は次の手段により達成される。すなわち、本発明によれば、第一に、基板上に、第1および第2の記録層構成体が樹脂中間層を介して積層された光記録媒体にレーザ光を照射して前記2つの記録層構成体に記録あるいは再生を行う光記録媒体において、前記2つの記録層構成体は、色素層である記録層を有し、前記第1の記録層構成体は半透明反射層をさらに有し、前記第2の記録層構成体はさらに反射層と耐熱層を有し、前記反射層とカバー基板との間に前記耐熱層が設けられていることを特徴とする光記録媒体が提供される。
第二に、基板上に、第1および第2の記録層構成体が樹脂中間層を介して積層された光記録媒体にレーザ光を照射して前記2つの記録層構成体に記録あるいは再生を行う光記録媒体において、レーザ光が入射する側の第1の記録層構成体は、色素層および半透明層を積層する構成体であり、前記第2の記録層構成体は、保護層、色素層、反射層、耐熱層をこの順で積層した構成体であることを特徴とする光記録媒体が提供される。
第三に、基板上に、第1および第2の記録層構成体が樹脂中間層を介して積層された光記録媒体にレーザ光を照射して前記2つの記録層構成体に記録あるいは再生を行う光記録媒体において、レーザ光が入射する側の第1の記録層構成体は、色素層および半透明層を積層する構成体であり、前記第2の記録層構成体は、第1保護層、第2保護層、色素層、反射層、耐熱層をこの順で積層した構成体であることを特徴とする光記録媒体が提供される。
第四に、第一ないし第三のいずれかに記載の光記録媒体において、前記耐熱層の材料が、W、Ta、Mo、Ti、V、Siから選択される元素またはこれら元素の酸化物、炭化物、もしくは窒化物から選択される少なくとも1種類であることを特徴とする光記録媒体が提供される。
第五に、第三に記載の光記録媒体において、前記第2記録層構成体の第1保護層が、In23、ZnO、ZrO、Ti23、SnO、SnO、Al23の中から選択される少なくとも1種類を含み、前記第2保護層が少なくともSiO2を含むことを特徴とする光記録媒体が提供される。
第六に、第一ないし第五のいずれかに記載の光記録媒体において、前記第2記録層構成体の反射層の膜厚が130nm以上であることを特徴とする光記録媒体が提供される。
第七に、第一ないし第六のいずれかに記載の光記録媒体において、前記第1記録層構成体および前記第2記録層構成体の反射率が15〜30%の範囲であることを特徴とする光記録媒体が提供される。
請求項1の光記録媒体によれば、第1、第2の2組の記録層構成体が、色素層(記録層)および半透明層または反射層を積層する構成体であって、前記第2記録層構成体の反射層と基板との間に耐熱層が設けられたことから、該第2記録層構成体の反射層の変形が抑えられ、溝信号の乱れを起こさず、エラーの少ない光記録媒体を得ることができる。
請求項2の光記録媒体によれば、第1、第2の2組の記録層構成体において、最初にレーザ光が入射する第1の記録層構成体は、色素層、半透明層を積層する構成体であり、前記第1の記録層構成体を透過したレーザ光が入射する第2の記録層構成体は、保護層、色素層、反射層、耐熱層を積層する構成体としたことから、該第2記録層構成体の反射層の変形が抑えられ、溝信号の乱れを起こさず、エラーの少ない媒体を提供することができる。
請求項3の光記録媒体によれば、第1、第2の2組の記録層構成体において、最初にレーザ光が入射する第1の記録層構成体は、色素、半透明層を積層する構成体であり、前記第1の記録層構成体を透過したレーザ光が入射する第2の記録層構成体は、第1保護層、第2保護層、色素層、反射層、耐熱層を積層する構成体としたことから、第1保護層へも熱を逃がすことができ、そのため第2記録層構成体の放熱性が向上して反射層の変形を抑えることができ、溝信号の乱れ起こさず、エラーの少ない媒体を提供することができる。
請求項4の光記録媒体によれば、上記耐熱層の材料がW、Ta、Mo、Ti、V、Siのすくなくとも1種の元素またはこれら元素の酸化物、炭化物、もしくは窒化物から選択された少なくとも1種類であることから、耐熱性が優れ、第2記録層構成体の反射層の変形を抑制することができる。
請求項5の光記録媒体によれば、上記第1保護層が、In23、ZnO、ZrO、Ti23、SnO、Al23のうちの少なくとも1種類を含み、第2保護層が少なくともSiO2を含むことから、第2記録層構成体の放熱性を向上させ、反射層の変形を抑えることができる。
請求項6の光記録媒体によれば、第2記録層構成体のAgおよびAg合金の膜厚が130nm以上であることから、第2記録層構成体の放熱性を良好にすることができる。
請求項7の光記録媒体によれば、上記第1記録層構成体および第2記録層構成体の反射率が15%から30%であることから、DVD再生プレーヤーで再生が可能である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の光記録媒体は、基板上に少なくとも第1の記録層構成体と樹脂中間層と第2の記録層構成体とが順次設けられる。2組の記録層構成体は、色素層(記録層)および半透明層もしくは反射層としてAgおよびAg合金層が積層されるが、課題とする光入射側からみて奥側の層の放熱性の悪化による反射層の変形をなくすべく第2の記録層構成体の反射層とカバー基板との間に耐熱層を設けるものである。該耐熱層の材料としては、W、Ta、Mo、Ti、V、Siの中から選択される少なくとも1つの元素(これらを金属ということもある)あるいはこれら元素(金属)の酸化物、炭化物、あるいは窒化物から選択される少なくとも1種類を用いる。
そして、さらに、奥側記録構成体の放熱性を良好にするために、奥側の記録層である色素層と樹脂中間層との間に保護層、または第1、第2の2層の保護層を設ける。第1の保護層の材料に、In23、ZnO、ZrO、Ti2O3、SnO、SnO、Al23のうちの少なくとも1種類を用い、保護層または第2の保護層に少なくともSiO2を含むことで、放熱性を良好にして、反射層の変形を少なくし、溝信号の劣化を防ぐようにする。さらにまた奥側記録構成体の放熱性を良好にするために、反射層の膜厚を130nm以上とする。またDVD再生装置にて再生可能とするために、メディアとしての反射率を15%から30%とする。
図1は本発明の光記録媒体の構成を示すもので、図1に示すように、第1の記録層構成体100は基板1側から順に第1色素層2、半透明層3であり、樹脂中間層4を介して、第2の記録層構成体200を第2色素層6、反射層7、耐熱層8、カバー基板9とする記録媒体である。
図2は保護層のある場合であり、第2の記録層構成体200を保護層5、第2色素層6、反射層7、耐熱層8の順に積層する記録媒体である。また、図3は第2記録層構成体を第1保護層5a、第2色素層5bの2層の保護層、次に第2色素層6、反射層7、耐熱層8をこの順に積層する記録媒体である。
上記いずれの構成も第1の記録層構成体100では、半透明層3で反射率と透過率が調整でき、第2記録層構成体200に50%程度の光が入射可能となり、2層とも記録が可能となる。色素材料はシアニンあるいはフタロシアニンでも可能である。
すなわち、本発明の光記録媒体は、光照射による色素吸収で、穴あきおよび変形による反射率変化現象を利用した色素型記録媒体であって、前記記録層構成体が順次構成される。例えば、案内用の溝を形成した基板上1に第1色素層2を設け、さらにその上に半透明反射層3を積層構成する。この半透明反射層3を形成することにより、反射と透過率を調整する。反射としては、赤色LD(レーザーダイオード)で記録する場合は、DVD等の2層ROMと同等の反射率15%から30%として、反射率としては互換性を保ち、透過率は50%程度とし、2層へ光を透過させて、第2記録層構成体200でも記録が可能とするものである。
第1記録層構成体100と第2記録層構成体200の間は、UV樹脂等の透明樹脂にて溝を形成した樹脂中間層4を介して、さらに酸化物層を設け、第2色素層に光を透過させ、記録するための構成となっている。
保護層が無い場合は、樹脂中間層を形成する際、溝(グルーブおよびランド)を樹脂中間層の第2の記録層構成体側に形成し、UV硬化するので、直接色素(第2色素層)を形成しても、UV樹脂はUVで硬化しているので保護層がなくても色素と反応しないので、色素層を直接樹脂中間層上に形成することができる。
樹脂中間層4は、波長範囲400nmから790nmで、透過率が80%以上のUV樹脂あるいは、アクリル系等で代表される粘着シートでも良い。この層は透過率が高く、熱的に安定であれば良い。
上記のように記録層は2層構成され、各記録層がシアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ金属キレート色素等の色素を少なくとも含むことにより、小さいマークを形成しやすくして高密度記録への対応を図り、第1色素層、第2色素層の記録層構成体の光入射量が少ないので光つまり熱の界面を促進し、第1色素層の記録感度を良好にする。また、それぞれの記録層に金属層である半透明層や反射層が隣接して放熱性をよくし、小さい記録マークを記録可能として、高密度での記録を可能とするものである。
本発明の光記録媒体における基板あるいはカバー基板の材料としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリオレフィンなどの透明樹脂、あるいは透明ガラスを用いることができる。なかでも、ポリカーボネート樹脂はCDにおいて最も広く用いられているなど実績もあり、また安価でもあるため最も好ましい材料である。基板およびカバー基板には通常、記録再生光を案内するピッチ0.8μm以下の溝を設けるが、この溝は必ずしも幾何学的に矩形あるいは台形状の溝である必要はなく、例えばイオン注入などによって、屈折率の異なる導波路のようなものを形成して光学的に溝が形成されていてもよい。
次に、本発明の光記録媒体における色素材料は、シアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ金属キレート色素等の色素を少なくとも含む。
本発明の光記録媒体の第1色素層および第2色素層は、色素型の記録層であり、その厚さは一般的に30nm〜150nmの範囲が好ましい。第1色素層および第2色素層の厚みが50nmより薄いと十分なコントラストが得られ難く、モジュレーションが小さくなる傾向がある。一方、150nmを越すと小さい記録マークが書きにくくなる。
また、最短マーク長が0.5μm以下となるような高密度記録では、上記記録層は50nm以上、100nm以下が好ましい。100nm未満では反射率が低くなり過ぎ、また色素層の膜厚の不均一が現れやすいので好ましくない。一方、100nmより厚いと熱容量が大きくなり記録感度が悪くなる他、熱伝導率の不均一により、エッジが乱れジッタが高くなる傾向にある。
本発明の保護層について以下に説明する。
保護層は第2色素層と樹脂中間層との反応を防止し、光入射から見て奥側の層の反射率を調整するという機能を併せ持つ。また、保護層は、記録時の高温による樹脂中間層4の表面の変形を防止するのに有効である。
保護層の材料(保護層2層の場合は第2保護層)としては、屈折率、熱伝導率、化学的安定性、機械的強度あるいは密着性等に留意して決定される。上記各保護層を形成する材料としては熱伝導特性が低い方が望ましいが、その目安は1×10-3pJ/(μm・N・nsec)である。なお、このような低熱伝導率材料の薄膜状態の熱伝導率を直接測定するのは困難であり、直接測定に代るものとして熱シミュレーションと実際の記録感度の測定結果から目安を得ることができる。
好ましい結果をもたらす低熱伝導率の上記各保護層用材料としては、ZnS、ZnO、TaS2または希土類硫化物のうちの少なくとも一種を50mol%以上、90mol%以下の範囲で含み、透明性が高く、かつ融点または分解点が1000℃以上の耐熱性化合物とを含む複合誘電体が望ましい。より具体的にはLa、Ce、Nd、Y等の希土類の硫化物を60mol%以上、90mol%以下で含む複合誘電体が望ましい。あるいは、ZnS、ZnOもしくは希土類硫化物の組成の範囲を70〜90mol%とすることが望ましい。
これらと混合されるべき、融点または分解点が1000℃以上の耐熱化合物材料としては、Mg、Ca、Sr、Y、La、Ce、Ho、Er、Yb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Zn、Al、Si、Ge、Pb等の酸化物、窒化物、炭化物やCa、Mg、Li等のフッ化物を用いることができる。
なお、上記酸化物、硫化物、窒化物、炭化物、フッ化物は必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、屈折率等の制御のために組成を制御したり、混合して用いることも有効である。
本発明の保護層としては、上記留意点および本発明の第1色素層および第2色素層を構成する材料との整合性を考慮すると、ZnSとSiO2との混合系組成が最も好ましい。保護層として樹脂中間層側に透過率が高く、熱伝導率の高い層を設ける構成も記録感度に関して有利である、材料は第1保護層および第2保護層と同じ材料を用いる。
本発明においては、上記のように各保護層はZnSとSiO2とを混合したものとしているが、このように同じ材料にすると製造上のコスト低減の面からも有利である。
保護層の詳細な厚さは、記録レーザ光の波長が600〜700nmの範囲で屈折率が1.9〜2.4の範囲では、40nm〜160nmが好ましく、より好ましくは、100nmから140nmである。波長が350〜600nmで屈折率が1.9〜2.4の範囲では、30〜100nmが好ましく、より好ましくは40〜80nmである。保護膜が2層の場合も屈折率が同じであれば上記記載の膜厚の範囲が適切である。基本的には、屈折率(n)と膜厚(d)の積が同等であれば良い。つまり屈折率を小さくすると膜厚は元の屈折率の時の膜厚よりも厚くする必要がある。
このことは反射率を同等にすることと、光路長差である2*n*dが位相差であるので、あまり薄い膜厚範囲は位相差つまり、モジュレーションがとりにくい。
上記のような色素型記録層材料を用いると、最短マーク長0.3μm以下の高密度記録において低ジッタを実現できるが、本発明者らの検討によれば高密度記録を実現するために短波長のレーザーダイオード(例えば波長410nm以下)を用いる場合には、上記急冷構造の層構成についても一層の留意が必要になる。特に、マーク幅方向の温度分布を平坦化することが隣接するトラックに影響するので重要であり、層構成例のような構成である必要があることが分かった。上記傾向は、波長350〜420nm、NA=0.85前後の光学系を用いた、DVR対応の光学系においても同様である。
本発明者らは前記要求に適合するように2層記録構造の色素型記録媒体の適切な層構成を検討し、光透過性があるとともに放熱性もあり、かつ高記録感度になるように構成の設計を行った。
保護層を2層化する場合の第1保護層としてはIn23、ZnO、ZrO、Ti2O3、SnO、SnO、Al23のうち少なくとも1種類を含むことで透過率が高く、熱伝導率が高いので、図2の場合、光入射側からみて奥側の層である第2色素層で記録する際に反射層側に熱が逃げるのと、第1保護層へも熱伝導率と膜厚とに比例して熱が拡散することで反射層の変形がより少なくできるものである。もちろん熱的に安定であることから、記録層を保護する機能をも併せ持つ。
以下に、放熱機能を担う半透明層と反射層についてそれぞれ説明する。
本発明の、急冷のための熱伝導率の高い材料として、半透明層や反射層としてAgまたはAg合金層が用いられる。光を透過させなくてはならないために膜厚を薄くする必要があるため、AgまたはAg合金層を形成する場合については製膜時のデポレートを遅くして膜厚不均一性をなくして形成する。膜厚は、5nm以上、20nm以下が望ましい。5nm以下はデポレートを遅くしても不均一になる。
Ag合金としては、AgにCu、Ti、V、Ta、Nb、W、Co、Cr、Si、Ge、Sn、Sc、Hf、Pd、Rh、Au、Pt、Mg、Zr、MoあるいはMnを0.2原子%以上、5原子%以下含む合金も望ましい。経時安定性をより重視する場合には添加成分としてはTi、Mgが好ましい。
本発明者らはAgまたはAg合金層における添加元素の添加元素濃度に比例して体積抵抗率が増加することを確認している。一方、不純物の添加は一般的に結晶粒径を小さくし、粒界の電子散乱を増加させて熱伝導率を低下させると考えられる。添加不純物量を調節することは、結晶粒径を大きくすることで材料本来の高熱伝導率を得るために必要である。
なお、AgまたはAg合金層は通常スパッタ法や真空蒸着法で形成されるが、ターゲットや蒸着材料そのものの不純物量もさることながら、成膜時に混入する水分や酸素量も含めて全不純物量を2原子%以下とする必要がある。このためにプロセスチャンバの到達真空度は1×10-3Pa以下とすることが望ましい。また、10-4Paより悪い到達真空度で成膜する場合には、成膜レートを1nm/秒以上、好ましくは10nm/秒以上とすることによって不純物が取り込まれるのを防ぐことが望ましい。あるいは、意図的に添加元素を1原子%より多く含む場合には、成膜レートを10nm/秒以上とすることによって、付加的な不純物混入を極力防ぐことが望ましい。
本発明において良好な特性を示す高熱伝導率のAgまたはAg合金層を規定するために、それぞれの熱伝導率を直接測定することも可能であるが、その熱伝導の良否を電気抵抗を利用して見積もることができる。金属膜のように電子が熱もしくは電気伝導を主として司る材料においては熱伝導率と電気伝導率は良好な比例関係があるためである。薄膜の電気抵抗は、その膜厚や測定領域の面積で規格化された抵抗率値で表す。体積抵抗率と面積抵抗率は、通常の4探針法で測定でき、JIS N 7194によって規定されている。本法により、薄膜の熱伝導率そのものを実測するよりもはるかに簡便かつ再現性の良いデータが得られる。また半透明層として使用する場合、AgまたはAg合金の10nm程度であれば記録、再生波長である赤色、青紫色波長の両方で透過率が50%以上あるので光入射1層目に使用する事は有効である。
本発明においてAgまたはAg合金層の特性としては、体積抵抗率が20nΩ・m以上、150nΩ・m以下であり、より好ましくは20nΩ・m以上、100nΩ・m以下である。体積抵抗率20nΩ・m未満の材料は薄膜状態では実質的に得にくい。体積抵抗率150nΩ・mより体積抵抗率が大きい場合でも、例えば300nmを超える厚膜とすれば面積抵抗率を下げることはできる。本発明者らの検討によれば、このような高体積抵抗率材料で面積抵抗率のみ下げても十分な放熱効果は得られなかった。厚膜では単位面積当たりの熱容量が増大してしまうためと考えられる。また、このような厚膜では成膜に時間がかかり、材料費も増えるため製造コストの観点から好ましくないばかりでなく、さらに膜表面の微視的な平坦性も悪くなってしまう。このため、膜厚300nm以下で面積抵抗率0.2以上、0.9Ω/□以下が得られるような低体積抵抗率材料を用いるのが好ましく、0.5Ω/□が最も好ましい。AgまたはAg合金層8の場合は、透過率の関係から20nm以下が望ましい。
反射層の多層化については、高体積抵抗率材料と低体積抵抗率材料を組み合わせて所望の膜厚で所望の面積抵抗率を得るためにも有効である。合金化による体積抵抗率調節は、合金ターゲットの使用によりスパッタ工程を簡素化できるが、ターゲット製造コスト、ひいては媒体の原材料比を上昇させる要因にもなる。従って、純Alや純Agの薄膜と上記添加元素そのものの薄膜を多層化して所望の体積抵抗率を得ることも有効である。層数が3層程度までであれば初期の装置コストは増加するものの、個々の媒体コストはかえって抑制できる場合がある。放熱層を複数の金属膜からなる多層放熱層とし、全膜厚を130nm以上、300nm以下とし、多層放熱層の厚さの50%以上が体積抵抗率20nΩ・m以上、150nΩ・m以下の金属薄膜層(多層であってもよい)とするのが好ましい。
耐熱層としては、耐熱材料として融点または分解点が1000℃以上のW、Ta、Mo、Ti、V、Siの酸化物、窒化物、炭化物が使用可能である。これら酸化物、窒化物、炭化物は必ずしも化学量論的組成をとる必要はなく、混合して用いることも有効である。
本発明において、基板上にそれぞれ膜を形成してから樹脂中間層を形成する場合、反射層を厚く形成しても保護層を形成する場合は、反射層を形成する側の溝深さが、反射率を高く(15%から30%)保つために浅いため、熱が反射層を通じて溝までたどりついてしまう。そのため溝への熱ダメージが大きいが、上記のように耐熱、高熱伝導率の材料で形成することで、記録時および記録後の基板へのダメージが小さく、良好なトラッキングが可能となる。
膜厚としては3nm以上で効果が生じ、30nmで効果が飽和するので、3nmから30nmが良いが、5nmから20nmならさらに良好となる。
次に、基板およびカバー基板の厚さは評価系のピックアップのNAによって色収差を取るために、基板厚みを変化させる。通常NAが0.6ないし0.65程度では0.6mm、NA=0.85程度となると0.1mm程度の厚さが要求されるため、シート状であることが好ましい。材料としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。上記透明シートを用いて薄型基板を形成する方法としては、紫外線硬化性樹脂あるいは透明な両面粘着シートを介して、透明シートを貼りつける方法が挙げられる。また、紫外線(UV)硬化性樹脂を保護層上に塗布してこれを硬化させて薄型基板を形成してもよい。樹脂中間層も上記樹脂を用いるが、UV硬化樹脂がコストの面で優れているので使用される。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はなんら実施例に限定されるものではない。下記作製方法により表1〜表4に示した層構成と各層の厚さの光記録媒体を作製した。
光記録媒体の作製方法:
0.6mmのポリカーボネート基板上に第1記録層である色素をスピンコートで塗布し、その上に半透明反射層としてAg合金等をスパッタにて製膜する。
保護層なしの場合は、この上に樹脂中間層を形成し、その上に第2記録層である色素を第1記録層と同様にスピンコートにて形成し、次に反射層としてAg合金、耐熱層としてV23等を順にスパッタにて形成した後、0.6mmのポリカーボネートをUV樹脂等で接着してメディアとする。
保護層ありの場合は、第1記録層である色素をスピンコートで塗布し、その上に半透明反射層としてAg合金等をスパッタにて製膜した基板と、もう一方の0.6mmのポリカーボネート基板上に、耐熱層のV23、反射層のAg合金等をスパッタにて製膜したのち色素をスピンコートにて形成し、さらにその上に保護層をスパッタにて形成して、樹脂中間層にて接着する。
Figure 2006185551
Figure 2006185551
Figure 2006185551
Figure 2006185551
<評価結果>
上記実施例1〜12および比較例1〜2で作製した光記録媒体について、波長660nm、開口数NA0.65の光学系を用いて集束光ビームを照射し、線速:3.5m/s、0.267μm/bitの条件で、ジッタ(Jitter)、記録パワー(ジッタ最小を示すパワー)、DPD信号(位相差信号;DVD−ROM規格は0.5以上)を測定した結果を表5から表6に示す。
反射層の変形を単一周波数3T(最小マーク長:0.4μm)を上記記録パワーで、光入射側からみて奥側に記録して、通常の光入射側とは反対側から再生し、CN測定を行った結果を表7に示す
Figure 2006185551
Figure 2006185551
Figure 2006185551
上記評価試験の結果、実施例の光記録媒体はいずれも優れたジッタ特性を示し、反射率も15%以上であった。またDPD信号も0.5以上となりDVDプレーヤーで再生可能となった。耐熱層が無い比較例1、比較例2は反射率が15%未満であり、高パワー(22mW)でトラックはずれを起こした。またトラックはずれを起こした理由として、表7に示すように 比較例1と比較例2は反射層の変形が大きくCNが40dBもあった。
本発明の光記録媒体の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の光記録媒体の別の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の光記録媒体の別の構成を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1 基板
2 第1色素層
3 半透明層
4 樹脂中間層
5 保護層
5a 第1保護層
5b 第2保護層
6 第2色素層
7 反射層
8 耐熱層
9 カバー基板
100 第1の記録層構成体
200 第2の記録層構成体

Claims (7)

  1. 基板上に、第1および第2の記録層構成体が樹脂中間層を介して積層された光記録媒体にレーザ光を照射して前記2つの記録層構成体に記録あるいは再生を行う光記録媒体において、
    前記2つの記録層構成体は、色素層である記録層を有し、前記第1の記録層構成体は半透明反射層をさらに有し、前記第2の記録層構成体はさらに反射層と耐熱層を有し、前記反射層とカバー基板との間に前記耐熱層が設けられていることを特徴とする光記録媒体。
  2. 基板上に、第1および第2の記録層構成体が樹脂中間層を介して積層された光記録媒体にレーザ光を照射して前記2つの記録層構成体に記録あるいは再生を行う光記録媒体において、
    レーザ光が入射する側の第1の記録層構成体は、色素層および半透明層を積層する構成体であり、前記第2の記録層構成体は、保護層、色素層、反射層、耐熱層をこの順で積層した構成体であることを特徴とする光記録媒体。
  3. 基板上に、第1および第2の記録層構成体が樹脂中間層を介して積層された光記録媒体にレーザ光を照射して前記2つの記録層構成体に記録あるいは再生を行う光記録媒体において、
    レーザ光が入射する側の第1の記録層構成体は、色素層および半透明層を積層する構成体であり、前記第2の記録層構成体は、第1保護層、第2保護層、色素層、反射層、耐熱層をこの順で積層した構成体であることを特徴とする光記録媒体。
  4. 前記耐熱層の材料が、W、Ta、Mo、Ti、V、Siから選択される元素またはこれら元素の酸化物、炭化物、もしくは窒化物から選択される少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
  5. 前記第2記録層構成体の第1保護層が、In23、ZnO、ZrO、Ti23、SnO、SnO、Al23の中から選択される少なくとも1種類を含み、前記第2保護層が少なくともSiO2を含むことを特徴とする請求項3に記載の光記録媒体。
  6. 前記第2記録層構成体の反射層の膜厚が130nm以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光記録媒体。
  7. 前記第1記録層構成体および前記第2記録層構成体の反射率が15から30%の範囲であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光記録媒体。
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