JP2006184694A - 画像表示装置用の視野角規制シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実質上、表裏両面に対して垂直にかつ互いに平行になるように設けられた複数の高光吸収性層を有する透明ポリ塩化ビニル系シートの両面に、透明接着剤層を介して、表面に防眩層を有するポリエチレンテレフタレート系フィルムを、その防眩層が外側に位置するように貼合してなる画像表示装置用の視野角規制シートである。
【選択図】図1
Description
このような問題を解決するために、これまで種々のディスプレイに対して、様々な反射防止処置や防眩処置がとられている。
前記防眩処置としては、例えば、画像表示装置の表示画面に防眩フィルムを貼着する方法、あるいは液晶表示装置における偏光板に使用されるハードコートフィルムや各種ディスプレイ保護用ハードコートフィルムなどに対し、その表面を粗面化する防眩処置がとられている。
画像表示装置の表示画面に貼着される防眩フィルムとしては、例えば基材フィルム上にウェットプロセスにより無機微粒子及び電離放射線による硬化樹脂を含む防眩層が積層されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような防眩フィルムが適用される表示装置においては、防眩層内の無機微粒子が透過光を散乱させるので、背後の表示装置に由来して輝点がランダムに発生することが防止でき、表示される画像や映像の視認性の低下を防止することができる。前記防眩層は所望の微細凹凸の逆型形状の型を使用して、透明樹脂層にエンボス加工を施すことによっても形成することができる。
これらの2つの方法の中で、後者のハードコート剤にフィラーを混入する方法が主流であり、そして、フィラーとしては、主にシリカ粒子が用いられている。シリカ粒子が使用される理由としては、得られたハードコートフィルムの白色度が低いこと及びコート剤に混入させた際に分離性が良好であることなどが挙げられる。
例えば、パーソナルコンピューターの画面や、市役所の端末、銀行のATMなどの表示装置、あるいは形態電話の窓などの画像表示装置においては、第三者の側面からの覗き込みによる情報の洩れを嫌う場合が多い。したがって防眩機能を有すると共に、側面からの視認性を抑制し得る視野角規制シートが要望されている。
すなわち、本発明は、
(1)実質上、表裏面に対して垂直にかつ互いに平行になるように所定間隔で設けられた複数の高光吸収性層を有する透明ポリ塩化ビニル系シートの表裏両面に、透明接着剤層を介して、表面に防眩層を有する透明ポリエチレンテレフタレート系フィルムを、その防眩層が外側に位置するように貼合したことを特徴とする、画像表示装置用の視野角規制シート、
(2)高光吸収性層の厚さが1〜30μmであり、かつ隣接する高光吸収性層間の距離が50〜200μmである上記(1)に記載の画像表示装置用の視野角規制シート、
(3)複数の高光吸収性層を有する透明ポリ塩化ビニル系シートの厚さが、100〜500μmである上記(1)又は(2)に記載の画像表示装置用の視野角規制シート、
(5)防眩層がウェットプロセスを採用する場合、電離放射線硬化型重合性化合物の硬化してなる樹脂層を設ける上記(4)に記載の画像表示装置用の視野角規制シート、
(6)接着剤層が、電離放射線硬化型接着剤を用いて形成されたものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像表示装置用の視野角規制シート、
(7)複数の高光吸収性層を有する透明ポリ塩化ビニル系シートが、複数の透明ポリ塩化ビニル系シートを、高光吸収性層となる着色接着剤層を介して圧着一体化してなるシート状部材を、該着色接着剤層に対して実質上直角に厚さ方向に裁断することにより得られたものである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像表示装置用の視野角規制シート、及び
(8)少なくとも視認側防眩層上に、防汚層が形成されてなる上記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像表示装置用の視野角規制シート、
を提供するものである。
図1は、本発明の視野角規制シートの一例の構成を示す断面図である。視野角規制シート10は、透明ポリ塩化ビニル系シート1の表裏両面に、接着剤層3a及び3bを介して、それぞれ表面に防眩層5aを有する透明ポリエチレンテレフタレート系フィルム4a及び表面に防眩層5bを有する透明ポリエチレンテレフタレート系フィルム4bが、各防眩層5a、5bが外側に位置するように貼合され、一体化された構造を有している。そして、前記ポリ塩化ビニル系シート1は、実質上、表裏両面に対して垂直に、かつ互いに平行になるように設けられた複数の高光吸収性層2を有しており、各高光吸収性層間は、光線透過性に優れるポリ塩化ビニルからなる透明部である。また、視野角規制シート10における各高光吸収性層2、及び透明ポリ塩化ビニル系シート(透明部)1は、図3の斜視図のごとく、各々1方向(視野角規制シート10AについてXA方向)に向かって長く伸びた(延在した)直方体形状をなし、かかる直方体形状の高光吸収層2及び透明ポリ塩化ビニル系シート1(透明部)が該延在方向に直交する方向に、交互に平行配列しつつ、接着一体化されてなる。
なお、図3では2枚の視野角規制シート10Aと10Bとを重ねた利用形態を図示している。
図2は、本発明の視野角規制シートにおいて、透視可能な角度θLimitを求めるための説明図である。図2は、高光吸収性層2及び透明ポリ塩化ビニル系シート(透明部)1の直方体の延在方向に直交する面(YAZA面、あるいはYBZB面、あるいは視野角規制を生じる面)で視野角規制シートを切断した断面を図示している。
すなわち、高光吸収性層を有する透明ポリ塩化ビニル系シート1の厚さをD(μm)、高光吸収性層2間の距離をL(μm)とした場合、(YAZA面内、あるいはYBZB面内における)透視可能な角度θLimitは、下記式(I)で表すことができる。
θLimit=2tan-1(L/D) ・・・(I)
したがって、所望の透視可能な角度を得るには、前記のLとDとを適宣選定すればよい。なお、本発明における高光吸収性層は、下記のようにして測定した可視光線の全波長領域での全光線透過率が、通常50%以下、好ましくは10%以下の層を指す。
高光吸収性層の全光線透過率の測定方法は、JIS K7105に準拠して全光線透過率を測定する。なお、高吸収性層の色層は通常は無彩色とするが、所望により適当な有彩色(紺色、褐色、深緑色等)としてもよい。
本発明の視野角規制シートにおいて、複数の高光吸収性層を有する透明ポリ塩化ビニル系シートは、例えば、複数の透明ポリ塩化ビニル系シートを、高光吸収性層となる着色接着剤層を介して圧着一体化してなるシート状部材を、該着色接着剤層に対して実質上直角に厚さ方向に裁断することにより、作製することができる。
上記可塑剤としては、例えばジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体;ジイソオクチルイソフタレート等のイソフタル酸誘導体;ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体;その他リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、エポキシ化大豆油等が包含され、中でもジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジオクチルアジペート、エポキシ化大豆油が適している。また、必要に応じ、当該ポリ塩化ビニル系シート中には、紫外線吸収剤、熱安定剤、赤外線吸収剤等の各種添加剤を添加してもよい。
シートの製造方法については特に制限はなく、従来ポリ塩化ビニル系シートの製造に採用されている公知の方法、例えばカレンダー法、キャスティング法、押出成形法などを用いることができる。当該ポリ塩化ビニル系フィルムの厚さは、通常50〜200μm、好ましくは70〜150μmである。
前記着色接着剤層を構成する着色接着剤としては、反応硬化型接着剤や感熱接着剤、例えばウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、塩化ビニル−酢酸ビニル系接着剤、ゴム系接着剤などに着色剤を配合したものを用いることができる。
ここで、着色剤としては、例えばカーボンブラック、四三酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、さらには弁柄、ベンジジンイエロー、コバルトブルーなどの無機顔料や有機顔料、染料を挙げることができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、所定の光吸収能を有する層が得られるように適宜選択される。
前記シート状部材は、下記のようにして作製することができる。
透明ポリ塩化ビニル系シートの表面に、前記着色接着剤を、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、塗布、乾燥したのち、その上にポリ塩化ビニル系シートを貼着する。さらに、このポリ塩化ビニル系フィルムの表面に、上記と同様にして着色接着剤を塗布、乾燥したのち、その上にポリ塩化ビニル系シートを貼着する。この操作を所定の厚さになるまで繰り返したのち、適当な温度で圧着し、一体化することにより、シート状部材が得られる。
次いで、このシート状部材を、該着色接着剤層に対して実質上直角に厚さ方向に、かつ得られるシートの厚さが、通常100〜500μm、好ましくは150〜350μmになるように裁断(スライス)することにより、複数の高光吸収性層を有するポリ塩化ビニル系シートを作製することができる。
本発明においては、複数の高光吸収性層を有するシートの基材に、透明ポリ塩化ビニル系シートを用いていることから、上記の加工処理が容易であり、常温で裁断が可能で、得られるシートにしわなどが生じにくいという利点がある。また、高光吸収性層の形成に着色接着剤を用いないで、着色剤を含有するポリ塩化ビニルと熱融着性を有する着色樹脂フィルムを用い、着色樹脂フィルムと透明ポリ塩化ビニルシートとを交互に重ね、熱プレスする方法でもシート状部材を作製することが可能であり、これを上記と同様に裁断(スライス)することにより、目的の複数の高光吸収性層を有するポリ塩化ビニル系シートを得ることができる。なお、該着色樹脂フィルムを構成する樹脂としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
表面に防眩層を有する透明ポリエチレンテレフタレート系フィルムの作製に用いられるポリエチレンテレフタレート系フィルムについては特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート、エチレングリコールーテレフタル酸―イソフタル酸共重合体、エチレングリコールーシロキサンジメタノールーテレフタル酸共重合体等の樹脂のフィルムを使用することができる。例えば、市販のポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することができるが、特に表面に易接着処理を施したフィルムが好適である。易接着処理としては、酸化法、凹凸化法、プライマー処理法などが用いられる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法の中で、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、通常は、ポリエチレンテレフタレート系フィルムは、二軸延伸したものが用いられる。さらに、ポリエチレンテレフタレート系フィルム中には、必要に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等の添加剤を添加してもよい。
このポリエチレンテレフタレート系フィルム(以下、「PET系基材フィルム」と称することがある。)の表面に設けられる防眩層は、層表面の微小凹凸、あるいは層内部に分散する異屈折率微粒子によって光を拡散(散乱)させることにより、画像表示装置における表示画面のギラツキやチラツキ感を防止する機能を有する。
この防眩層の形成方法としては、ドライプロセス及びウェットプロセスのいずれも用いることができる。ドライプロセスとしては、エンボス版を用いた熱プレスにより表面に微小凹凸を形成させる方法、サンドブラスト法により、表面に微小凹凸を形成させる方法などがある。
防眩層の耐擦傷性の面から、電離放射線硬化型重合性化合物と、シリカ粒子と、所望により光重合開始剤などを含む塗工液を塗布して塗膜を形成させ、電離放射線を照射して、該塗膜を硬化させることにより、防眩層を形成するのが好ましい。
重合性モノマーとしては、多価アルコール、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセリンなどと、アクリル酸又はメタクリル酸との多官能エステルを挙げることができる。
光重合開始剤としては、従来公知の化合物の中から、任意のものを適宜選択して用いることができるが、電離放射線として、電子線を用いる場合には光重合開始剤は添加しなくてもよい。
該ハードコート層の形成は、例えば前記の電離放射線硬化型重合性化合物と所望により光重合開始剤などを含む塗工液を塗布して塗膜を形成させ、電離放射線を照射して、該塗膜を硬化させることにより行うことができる。
このハードコート層の厚さは、通常0.5〜30μm、好ましくは、3〜20μmである。
本発明において、防眩層やハードコート層の形成で用いる電離放射線として、紫外線を用いる場合、該紫外線は、高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られる。一方、電子線を用いる場合、該電子線は、電子線加速器などによって得られる。
該防汚層は、前記塗料を従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、防眩層上にコーティングし、塗膜を形成させ、乾燥処理することにより、形成することができる。
この防汚層の厚さは、通常1〜10μm、好ましくは3〜8μmの範囲である。該防汚層を設けることにより、得られる視野角規制シートは、表面の滑り性がよくなるとともに、汚れにくくなる。
前記接着剤層を構成する接着剤については特に制限はなく、電離放射線硬化型接着剤、感圧接着剤、感熱接着剤(ホットメルト型)などを用いることができるが、作業性などの点から、電離放射線硬化型接着剤及び感圧接着剤が好ましく、さらに、接着保持性の点から電離放射線硬化型接着剤が好ましい。
前記電離放射線硬化型接着剤としては、例えば(1)側鎖に電離放射線架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、及び所望により光重合開始剤を含む接着剤、(2)(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、光重合性オリゴマー及び/又は光重合性モノマーと、所望により光重合開始剤を含む接着剤などが挙げられる。
一方、感圧接着剤としては、光学用途のもの、例えばアクリル系、ウレタン系、シリコーン系感圧接着剤を好ましく用いることができるが、これらの中で、耐候性などに優れる点から、アクリル系感圧接着剤が特に好ましい。
前記アクリル系感圧接着剤は、通常(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、架橋剤成分を含む組成物である。
接着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜50μm程度である。
この場合、透視可能な角度θLimitは、通常10〜90度程度、好ましくは20〜50度である。また、防眩性の光学的性質としては、ヘイズ値が3〜40%であることが好ましい。ヘイズ値が3%以上であると十分な防眩性が得られ、40%以下であると十分な光線透過率が得られる。以上の観点から、さらにヘイズ値は5〜30%の範囲であることが好ましい。
また、60°グロス値は90以下が好ましい。より好ましい60°グロス値は40〜80である。このグロス値が90以下であると、反射による表面光沢が抑制され、十分な防眩性が得られる。また、全光線透過率が75%以上であることが好ましい。75%以上であると十分な透明性が得られる。以上の点から、全光線透過率は80%以上であることが好ましい。
さらに、透過鮮明度(合計値)は、良好な表示画質(視認性)が得られる点から、100以上が好ましく、より好ましくは150以上、さらに好ましくは200〜300である。
なお、本発明の視野角規制シートは、表示画面側にも防眩層が設けられているので、表示画面からの入射光は、該防眩層によって鏡面反射が抑制されるという利点がある。また、図3のごとく、2枚の視野角規制シートを重ねて使用する場合において、両視野角規制シート間の対向面内での画像光や外光の多重反射を防止できる利点がある。さらに、視野角規制シートの視認側表面に傷などがついた場合、裏返して使用することができるという利点もある。
本発明の視野角規制シートは、1枚単層で用いる他、図3のごとく2枚をその視野角規制方向が直交するようにして重ねた状態で用いることもできる。1枚単層(例えば図3で10Aのみ1枚使用)で用いた場合は、前記のとおり、高吸収性層2の直方体の延在方向と直交する面(YAZA面)内において、視野角規制効果を奏する。よって、この場合には、視野角を規制したい方向(通常は、表示画面の観察者の左右方向)が視野角規制効果を奏する面(YAZA面)となるようにして、視野角規制シートを画像表示装置の前面に設置する。
2枚のシートを図3のごとく、その視野角規制効果を奏する面、YAZA面及びYBZB面が直交するようにして、重ねて使用し、これらを画像表示装置の前面に設置して使用した場合には、互いに直交する2つの面内(YAZA面内及びYBZB面内)において、視野角規制効果を奏する。すなわち、YAZA面を左右方向、YBZB面を上下方向とすれば、画像表示装置の上下左右いずれの方向においても側面からの覗き込みを防止できる。
なお、光学的諸特性は、下記の方法に従って求めた。
(1)全光線透過率、ヘイズ値及び60°グロス値
村上色彩研究所製、品番「HM−150」を使用して測定した。
(2)高光吸収性層(着色接着剤層)の全光線透過率
明細書本文に記載の方法に従って測定した。
(1)複数の高光吸収性層を有するポリ塩化ビニルシートの作製
厚さ100μmの透明ポリ塩化ビニルフィルム(可塑剤としてジオクチルフタレート23質量部を添加したもの)の片面に、塩化ビニル−酢酸ビニル系接着剤にカーボンブラックを添加してなる着色接着剤(固形分中のカーボンブラック含有量:10質量%)を、乾燥厚さが10μmになるようにマイヤーバーにて塗布し、乾燥させた。
次いで、この塗布層上に、前記と同じ透明ポリ塩化ビニルフィルムを貼着したのち、その表面に前記と同様にして着色接着剤を塗布、乾燥し、さらにその上に前記と同じポリ塩化ビニルフィルムを貼着した。この操作を繰り返し、ポリ塩化ビニルフィルムを1000層積層したのち、温度140℃、荷重0.3kg/cm2、5分間の条件で圧着して、シート状部材を得た。
なお、着色接着剤層の全光線透過率は5%であった。
次に、このシート状部材を、着色接着剤層に対して実質上直角に厚さ方向に、かつ得られるシートの厚さが250μmになるように裁断(スライス)することにより、複数の高光吸収性層(着色接着剤層)を有するポリ塩化ビニルシートを作製した。
上記(1)で得られた複数の高光吸収性層を有する厚さ250μmのポリ塩化ビニルシートの両面に、透明な紫外線硬化型アクリル系接着剤を用いて形成された厚さ30μmの未硬化接着剤層を介して、厚さ50μmの防眩ポリエチレンテレフタレートフィルム[60°グロス値:50、全光線透過率:80%、ヘイズ値:10%]をそれぞれ貼着した。次いで、前記未硬化接着剤層それぞれに、高圧水銀ランプで紫外線を照射して該接着剤層を硬化させることにより、図1に示す構成を有する視野角規制シートを作製した。
この視野角規制シートにおいては、複数の高光吸収性層を有するポリ塩化ビニルシートの厚さ(D)は250μm、高光吸収性層の厚さは10μm、隣接する高光吸収性層間の距離は100μmであり、透過可能な角度(θLimit)は44度であった。
(3)評価
上記(2)で得られた視野角規制シートは、該シートに直交する方向に入射する光に対して全光線透過率80%、ヘイズ値10%、60°グロス値50であった。
また、パーソナルコンピューターの表示画面に装着し、側面から該表示画面を見たところ、表示画面の法線に対する視認角度が高光吸収性層の延在方向と直交する方向に対して22度以上の場合、該表示画面は実質上見えなかった。
また、正面(表示画面の法線方向)から表示画面を見たところ、ギラギラやチラツキが少なく、良好な防眩性を有すると共に、視認性も良好であった。
2:高光吸収性層
3a、3b:透明接着剤層
4a、4b:透明ポリエチレンテレフタレート系フィルム
5a、5b:防眩層
10、10A、10B:視野角規制シート
Claims (8)
- 実質上、表裏面に対して垂直にかつ互いに平行になるように所定間隔で設けられた複数の高光吸収性層を有する透明ポリ塩化ビニル系シートの表裏両面に、透明接着剤層を介して、表面に防眩層を有する透明ポリエチレンテレフタレート系フィルムを、その防眩層が外側に位置するように貼合したことを特徴とする、画像表示装置用の視野角規制シート。
- 高光吸収性層の厚さが1〜30μmであり、かつ隣接する高光吸収性層間の距離が50〜200μmである請求項1に記載の画像表示装置用の視野角規制シート。
- 複数の高光吸収性層を有する透明ポリ塩化ビニル系シートの厚さが、100〜500μmである請求項1又は2に記載の画像表示装置用の視野角規制シート。
- 防眩層が表面にドライプロセス又はウェットプロセスにより形成された微小凹凸を有する層である請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置用の視野角規制シート。
- 防眩層がウェットプロセスを採用する場合、電離放射線硬化型重合性化合物の硬化してなる樹脂層を設ける請求項4に記載の画像表示装置用の視野角規制シート。
- 接着剤層が、電離放射線硬化型接着剤を用いて形成されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置用の視野角規制シート。
- 複数の高光吸収性層を有する透明ポリ塩化ビニル系シートが、複数の透明ポリ塩化ビニル系シートを、高光吸収性層となる着色接着剤層を介して圧着一体化してなるシート状部材を、該着色接着剤層に対して実質上直角に厚さ方向に裁断することにより得られたものである請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示装置用の視野角規制シート。
- 少なくとも視認側防眩層上に、防汚層が形成されてなる請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示装置用の視野角規制シート。
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