JP2006184671A - 液晶装置、その製造方法および電子機器 - Google Patents

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JP2006184671A JP2004379199A JP2004379199A JP2006184671A JP 2006184671 A JP2006184671 A JP 2006184671A JP 2004379199 A JP2004379199 A JP 2004379199A JP 2004379199 A JP2004379199 A JP 2004379199A JP 2006184671 A JP2006184671 A JP 2006184671A
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Abstract

【課題】 基板上に形成された膜体の膜厚に起因した表示ムラを抑制しながらシール材の
剥離を防止する。
【解決手段】 液晶装置Dは、枠状のシール材30を介して貼り合わされた第1基板10
および第2基板20を有する。第1基板10のうち第2基板20と対向する表面上にはオ
ーバーコート層13が形成される。このオーバーコート層13の周縁131はシール材3
0の内周縁302よりも外側に位置する。シール材30は、オーバーコート層13の表面
上に位置する第1の部分31と、第1基板10のうちオーバーコート層13が形成されて
いない露出領域Aeにて当該第1基板10の表面に接触する第2の部分32とを有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液晶装置、その製造方法、および液晶装置を利用した電子機器に関する。
各種の電子機器の表示デバイスとして液晶装置が広く普及している。この液晶装置は、
互いに対向する一対の基板が枠状のシール材を介して貼り合わされ、両基板とシール材と
によって挟まれた空間に液晶が封止された構成となっている。これらの基板の表面上には
各種の膜体が形成される。例えば、カラー画像を表示する液晶装置においては、各色に着
色された着色層(カラーフィルタ)と、画素間を遮光する遮光層と、着色層と遮光層との
膜厚の相違による段差を平坦化するためにこれらの各層を覆うオーバーコート層とが基板
の表面上に形成される。オーバーコート層は基板の全面を覆うように形成される。したが
って、両基板を接着するためのシール材はオーバーコート層の表面上に形成される。
特開2003−5196号公報(図7)
しかしながら、基板上に形成された膜体の表面にシール材が配置された構成においては
、液晶装置に外力が作用したときにシール材が基板上から剥がれ易いという問題がある。
すなわち、例えばオーバーコート層の表面にシール材を形成した場合、オーバーコート層
とシール材や基板との密着性(接着の強度)が低いために、シール材がオーバーコート層
から剥離したりオーバーコート層がその表面のシール材とともに基板から剥離したりする
場合がある。
このような問題を解消するための構成として、基板のうち画素が配列される領域(いわ
ゆる表示領域)のみに選択的にオーバーコート層を形成し、その外側の領域(すなわちオ
ーバーコート層が形成されていない領域)にシール材を形成して基板の表面と直接に(す
なわちオーバーコート層を介在させることなく)接触させる構成も考えられる。ガラスな
どからなる基板とシール材との密着性は比較的に高いから、この構成によれば、オーバー
コート層の表面にシール材が形成された構成と比較して、シール材の剥離を抑制すること
はいちおう可能である。しかしながら、この構成においては、オーバーコート層が形成さ
れた領域とその外側の領域(シール材の内側の領域)とでオーバーコート層の膜厚の分だ
け液晶層の厚さが相違することになるから、双方の領域において表示の状態が相違し、こ
の結果として表示ムラが発生するという問題が生じ得る。本発明は、このような事情に鑑
みてなされたものであり、基板上に形成された膜体の膜厚に起因した表示ムラを抑制しな
がらシール材の剥離を防止することを目的としている。
この目的を達成するために、本発明に係る液晶装置の第1の特徴は、相互に対向する第
1基板および第2基板と、第1基板と第2基板とを接合する枠状のシール材と、第1基板
および第2基板とシール材とに囲まれた空間に封止された液晶と、シール材の内周縁(図
4の内周縁302)よりも外側に周縁(図4の周縁131)が位置するように形成されて
第1基板のうち第2基板と対向する表面を覆う被覆層と、被覆層から離間した位置にて当
該被覆層を包囲する形状に形成された保護層とを具備し、シール材は、被覆層の表面上に
位置する第1の部分と、第1基板のうち被覆層の周縁と保護層の内周縁とに挟まれた領域
にて当該第1基板の表面に接触する第2の部分とを有することにある。この液晶装置は、
典型的には各種の電子機器の表示装置として採用される。
この構成において、第1基板と第2基板とを接合させるシール材は、第1基板のうち被
覆層の周縁と保護層の内周縁とに挟まれた領域(例えば図4の露出領域Ae)にて当該第
1基板の表面に接触する第2の部分を有する。したがって、第1基板とシール材との密着
性がシール材と被覆層との密着性よりも高い構成においては、シール材の全部が被覆層の
表面上に形成された構成と比較して、第1基板や第2基板に対する外力の作用によってシ
ール材が第1基板から剥離するといった事態は防止される。また、被覆層はシール材の内
周縁よりも外側に周縁が位置するように形成されるから、シール材の内周縁によって囲ま
れた領域の全域にわたって液晶の厚さを略等しくすることができる。したがって、シール
材の内周縁よりも内側の位置までしか被覆層が形成されていない構成(すなわちシール材
の全部が第1基板の表面に接触する構成)と比較して、シール材の内周縁の近傍における
表示ムラを抑制することができる。さらに、本発明においては、被覆層を包囲するように
保護層が形成されているから、シール材のうち内周縁の近傍の部分と外周縁の近傍の部分
とで当該シール材の厚さが均一化される。したがって、シール材の厚さの不均一性に起因
した表示ムラが有効に抑制される。加えて、第1基板および第2基板のうち一方の基板が
外力の作用によって他方の基板側に変形したとしても、当該一方の基板を保護層に接触さ
せることによって破損を防止することができる。なお、この態様の具体例は第1実施形態
および第2実施形態として後述される。
なお、本発明における被覆層とは、第1基板のうち第2基板と対向する表面を覆う膜体
である。このような被覆層の典型例としてはオーバーコート層(平坦化層)が挙げられる
。このオーバーコート層は、第1基板上に形成された要素による段差を平坦化するための
膜体である。例えば、着色層や遮光層が第1基板の表面上に形成された構成においては、
着色層と遮光層との膜厚の相違による段差を平坦化するために被覆層たるオーバーコート
層が第1基板を覆うように形成される。もっとも、本発明における被覆層はオーバーコー
ト層に限定されない。例えば、液晶の初期的な配向方向を規定する配向膜が第1基板の表
面に形成された構成においては、この配向膜が被覆層に該当し得る。また、本発明におけ
るシール材は、第1基板または第2基板の縁辺に沿った形状であれば足り、完全に閉じた
枠型である必要は必ずしもない。したがって、液晶を封入するために部分的に開口したシ
ール材も当然に本発明のシール材の概念に含まれる。また、第1基板および第2基板は、
その何れが観察側に位置していても背面側に位置していてもよい。
本発明の望ましい態様において、被覆層は、その周縁がシール材の内周縁と外周縁(図
4の外周縁301)との間に位置する形状に形成され、シール材の第1の部分は、当該シ
ール材の内周縁を含む部分であり、第2の部分は、第1の部分よりも外側の部分である。
この態様によれば、第1基板との密着性を向上させるという効果とシール材の内周縁の近
傍における表示ムラを抑制するという効果とをシール材の全周にわたって得ることができ
る。
本発明の他の態様において、シール材は、保護層の表面上に位置する第3の部分を有す
る。この態様によれば、第1基板と第2基板との間隔を略一定に維持することができる。
この態様の具体例は第2実施形態として後述される。また、平面形状が略矩形状であるシ
ール材を備えた液晶装置においては、第1基板や第2基板の外力が作用するとシール材の
角部に対して応力が集中して破損し易い。そこで、この構成においては、シール材の角部
を他の部分と比較して幅広とすることが望ましい(図10参照)。この態様によれば、応
力が集中する角部の機械的な強度を向上させることができるからシール材の破損は有効に
抑制される。
本発明の望ましい態様に係る液晶装置は、被覆層の表面上に形成された第1配線と、第
2基板のうち第1基板と対向する表面上に形成された第2配線とを具備し、第1の部分の
内部には、被覆層の表面と第2基板との間隔に相当する直径の導通材が分散され、第2の
部分の内部には、第1基板と第2基板との間隔に相当する直径のスペーサが分散され、第
1配線と第2配線とは、導通材を介して相互に導通する。この態様によれば、第1の部分
に分散された導通材によって第1配線と第2配線との電気的な導通が図られるとともに第
1基板と第2基板との間隙が略一定に維持され、さらに、第2の部分に分散された導通材
によって第1基板と第2基板との間隙が略一定に維持される。この構成において、第1の
部分と第2の部分とは一体に形成されてもよいし各々が別個の工程にて形成されてもよい
。なお、この態様の具体例は図11に基づいて後述される。
本発明に係る液晶装置の第2の特徴は、相互に対向する第1基板および第2基板と、第
1基板と第2基板とを接合する枠状のシール材と、第1基板および第2基板とシール材と
に囲まれた空間に封止された液晶と、シール材の内周縁よりも外側に周縁が位置するよう
に形成されて第1基板のうち第2基板と対向する表面を覆う被覆層と、被覆層の表面上に
形成された複数の第1配線と、第2基板のうち第1基板と対向する表面上に形成された複
数の第2配線とを具備し、シール材の内部には、第1配線と第2配線との間隙に介在して
両配線を相互に導通させる導通材が分散され、被覆層のうち相互に隣接する各第1配線の
間隙の部分には当該被覆層を厚さ方向に貫通する開口部が形成され、シール材は、被覆層
の表面上に位置する第1の部分と、被覆層の開口部に入り込んで第1基板の表面に接触す
る第2の部分とを有することにある。
この構成においては、第2の部分が被覆層の開口部に入り込んで第1基板の表面に接触
するから、第1の特徴に係る液晶装置と同様に、シール材と第1基板との密着性が充分に
確保される。これに加えて、被覆層のうち各第1配線の間隙に開口部が形成されるから、
各第1配線同士が導通材を介して短絡する事態を確実に防止することができるという利点
がある。なお、本発明の第2の特徴に係る液晶装置において、シール材のうち開口部に重
なり合う部分を他の部分よりも幅広とすれば、シール材のうち開口部に重なり合う部分の
幅を確保してその強度を充分に維持することができる(図14参照)。
本発明は、枠状のシール材を介して貼り合わされた第1基板と第2基板との間隙に液晶
が封止された液晶装置を製造する方法としても特定される。本発明に係る製造方法の第1
の特徴は、第1基板の表面上に膜体を形成する成膜工程と、膜体を選択的に除去すること
によって被覆層と当該被覆層を包囲する保護層とを形成する除去工程と、シール材の第1
の部分が被覆層の表面上に位置し、除去工程にて除去された部分を介して当該シール材の
第2の部分が第1基板の表面に接触するようにシール材を形成するシール形成工程と、第
1基板と第2基板とをシール材を介して貼り合わせる接合工程とを有することにある。
この方法によって製造された液晶装置のシール材は、被覆層の表面上に位置する第1の
部分と第1基板の表面に接触する第2の部分とを有する。したがって、本発明に係る液晶
装置について上述したように、基板上に形成された膜体の膜厚に起因した表示ムラを抑制
しながらシール材の剥離を防止することができる。また、除去工程において保護層が形成
されることにより、シール材の不均一性に起因した表示ムラを抑制することができる。さ
らに、被覆層と保護層とが共通の工程にて形成されるから、各層が別個の工程にて形成さ
れる場合と比較して製造工程の簡略化や製造コストの低減が実現される。
この製造方法の具体的な態様において、除去工程は、シール形成工程にて形成されるシ
ール材の内周縁と外周縁との間に被覆層の周縁が位置するように膜体を除去する工程であ
る。この態様によれば、第1基板との密着性を向上させるという効果とシール材の内周縁
の近傍における表示ムラを抑制するという効果とをシール材の全周にわたって得ることが
できる。また、シール形成工程において、シール材の第3の部分が保護層の表面上に位置
するようにシール材を形成すれば、第1基板と第2基板との間隔をより有効に維持するこ
とができる。
本発明の望ましい態様において、シール形成工程は、第1基板と第2基板とが貼り合わ
されたときに第1基板上の配線と第2基板上の配線とを導通させる導通材が分散された第
1の部分を形成する工程と、第1基板と第2基板との間隙に介在するスペーサが分散され
た第2の部分を形成する工程とを含む。この態様によれば、第1の部分に分散された導通
材によって第1配線と第2配線との電気的な導通が図られるとともに第1基板と第2基板
との間隙が略一定に維持され、さらに、第2の部分に分散された導通材によって第1基板
と第2基板との間隙が略一定に維持される。さらに、第1の部分と第2の部分とが別個の
工程にて形成されるから、第2の部分に内在すべきスペーサが被覆層の表面上に位置する
といった不具合は防止される。なお、本態様において第1の部分を形成する工程と第2の
部分を形成する工程とが実施される順番は不問である。同様に、第1配線を形成する工程
と第2配線を形成する工程との順序も任意である。
また、本発明に係る製造方法の第2の特徴は、第1基板の表面上に膜体を形成する成膜
工程と、膜体を選択的に除去することによって被覆層を形成する除去工程と、被覆層の表
面上に複数の第1配線を形成する工程と、導通材が分散されたシール材を形成するシール
形成工程と、第1基板と第2基板とをシール材を介して貼り合わせる接合工程とを有し、
除去工程は、膜体のうち各第1配線の間隙に位置する部分を除去して当該膜体を貫通する
開口部を形成する工程であり、シール形成工程は、シール材の第1の部分が被覆層の表面
上に位置し、除去工程にて除去された部分を介して当該シール材の第2の部分が第1基板
の表面に接触するようにシール材を形成する工程であり、接合工程は、第1基板と第2基
板とを貼り合わせることにより、第1配線と第2配線とを導通材を介して相互に導通させ
る工程であることにある。
この方法によれば、第1の特徴に係る製造方法と同様の作用および効果が得られる。加
えて、各第1配線の間隙に開口部が形成されるから、各第1配線同士が導通材を介して短
絡する事態が防止される。なお、第1配線を形成する工程と第2配線を形成する工程とが
実施される順番は任意である。
ところで、第2の特徴に係る製造方法においては、シール材が被覆層の開口部に入り込
むため、シール形成工程において全周にわたって略同一幅のシール材を形成するとすれば
、シール材のうち開口部と重なり合う部分の幅が他の部分と比較して狭くなる可能性があ
る。そこで、より望ましい態様のシール形成工程は、シール材のうち開口部に重なり合う
部分が他の部分よりも幅広となるように当該シール材を形成する工程とされる(図14参
照)。この態様によれば、シール形成工程にて形成されたシール材が開口部に入り込んで
もシール材の幅が狭小化することは抑制される。
<A:第1実施形態>
<A−1:液晶装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶装置の構成を示す分解斜視図であり、図2は
、この液晶装置を図1におけるZ方向の正側から負側にみたときの平面図である。これら
の図に示されるように、液晶装置Dは、相互に対向する第1基板10と第2基板20とを
有する。第1基板10および第2基板20は、ガラスやプラスチックなど光透過性を有す
る材料からなる板状の部材である。第2基板20は観察側(すなわち液晶装置Dによる表
示画像を視認する観察者が位置する側)に配置され、第1基板10は背面側に配置される
。第1基板10と第2基板20とは、略長方形の枠状に成形されたシール材30(図2に
おいては便宜的にハッチングが施されている)を介して貼り合わされる。なお、実際には
液晶装置Dの背面側(すなわちZ方向の負側)にバックライトユニットが配置されるが、
その図示は省略されている。
図3は、図2のIII−III線からみた断面のうちシール材30によって囲まれた領域の構
成を示す断面図である。なお、図1と図3とでは上下が逆転していることに留意されたい
(後掲する図4においても同様である)。図3に示されるように、第1基板10および第
2基板20とシール材30とによって囲まれた空間には液晶35が封止される。第1基板
10と第2基板20との間隔(いわゆるセルギャップ)は、両基板の間隙に分散されたス
ペーサ37によって所定の寸法に維持される。なお、実際には第1基板10や第2基板2
0の各々のうち液晶35とは反対側の表面上に偏光板や位相差板が貼着されるが、その図
示は省略されている。
図1および図2に示されるように、第2基板20は第1基板10よりも外形の寸法が大
きい。第2基板20のうち第1基板10の周縁から張り出した領域(以下「張出領域20
a」という)には走査線駆動回路411および412とデータ線駆動回路43とがICチ
ップの形態にてCOG(Chip On Glass)技術により実装される。なお、ここでは走査線
駆動回路411および412とデータ線駆動回路43との各々が別個のICチップとして
実装された構成を例示するが、これらの回路がひとつのICチップとして第2基板20に
実装された構成も採用される。また、これらの回路は第2基板20に接合された配線基板
(例えばフレキシブル配線基板)に実装されていてもよい。
図1ないし図3に示されるように、第1基板10のうち液晶35と対向する表面上には
複数の走査線15が形成される。各走査線15は、X方向に延在する帯状の電極であり、
例えばITO(Indium Tin Oxide)など光透過性を有する導電性材料によって形成される
。これらの走査線15のうち図2の上方から数えて奇数行目の走査線15は走査線駆動回
路411に接続され、偶数行目の走査線15は走査線駆動回路412に接続される。なお
、各走査線15と走査線駆動回路411または412とを接続するための構成については
後述する。
一方、第2基板20のうち液晶35と対向する表面上には複数の画素電極22が表示領
域Ad内にマトリクス状に配列される。各画素電極22は、ITOなどの光透過性を有す
る導電性材料からなる略矩形状の電極である。図2に示されるように、X方向に配列する
1行分の画素電極22は液晶35を挟んで1本の走査線15に対向する。ひとつの画素電
極22と、1本の走査線15のうち当該画素電極22に対向する部分と、これらの間隙に
挟まれた液晶35とによってひとつの画素が構成される。したがって、これらの画素は表
示領域Ad内にマトリクス状に配列する。
第2基板20のうち液晶35と対向する表面上には複数のデータ線21が形成される。
各データ線21は、Y方向に並ぶ各列の画素電極22の間隙にてY方向に延在する配線で
ある。図1および図2に示されるように、各データ線21は、シール材30によって囲ま
れた領域から張出領域20aに到達するようにY方向に延在してその端部がデータ線駆動
回路43の出力端子に接続される。また、各データ線21とこれに隣接する1列分の画素
電極22とは図示しないTFD(Thin Film Diode)素子を介して相互に接続される。こ
のTFD素子は、両端間の電圧に応じて抵抗が非線形に変化する素子である。具体的には
、TFD素子は、データ線21から分岐した部分である第1金属層と、この第1金属層の
陽極酸化によって形成された絶縁層と、この絶縁層の表面に形成されて画素電極22に接
続された第1金属層とが第2基板20側からこの順番に積層された構造を有する。データ
線21や画素電極22が形成された第2基板20の表面は、所定の方向にラビング処理が
施された配向膜24によって覆われる。
図3に示されるように、第1基板10のうち液晶35と対向する表面上には、反射層1
1、着色層121、遮光層122およびオーバーコート層13が形成される。上述した各
走査線15はオーバーコート層13の表面上に形成される。これらの走査線15が形成さ
れたオーバーコート層13の表面は配向膜24と同様の配向膜16によって覆われる。
図3に示される反射層11は、アルミニウムや銀など光反射性を有する材料からなる膜
体である。観察側(第2基板20側)から液晶装置Dに入射した外光はこの反射層11の
表面にて反射して観察側に出射し、これにより反射型表示が実現される。この反射層11
には画素ごとに透光部11aが形成される。各透光部11aは、反射層11に到達した光
が透過するように開口した部分である。背面側から液晶装置Dに入射したバックライトユ
ニットからの照射光はこの透光部11aを通過して観察側に出射し、これにより透過型表
示が実現される。なお、反射層11に透光部11aが形成されない反射型の液晶装置Dや
反射層11を備えない透過型の液晶装置Dにも本実施形態は採用される。
遮光層122(いわゆるブラックマトリクス)は、各画素の間隙に形成された略格子状
の膜体であり、クロムなどの金属や黒色の樹脂材料など遮光性を有する材料によって形成
される。一方、着色層121は、各画素に対応して形成された膜体であり、染料や顔料に
よって赤色、緑色および青色のうちの何れかに着色されている。オーバーコート層13は
、着色層121および遮光層122の高さの相違による段差を平坦化するとともに、着色
層121から顔料や染料が染み出して液晶35を劣化させるのを防ぐための膜体であり、
例えばエポキシ系やアクリル系などの樹脂材料によって表示領域Adの全域を覆うように
形成される。
次に、図4は、図2のIII−III線からみた断面のうちシール材30の近傍に位置する部
分(図2におけるIII−III線の左端近傍の部分)の構成を示す断面図である。また、図5
は、第1基板10のうちひとつの角部におけるシール材30とオーバーコート層13との
関係を示す平面図である。図4および図5に示されるように、オーバーコート層13は、
その周縁131がシール材30の内周縁302よりも外側(外周縁301側)に位置する
ように形成される。さらに、本実施形態におけるオーバーコート層13の周縁131は、
シール材30の外周縁301よりも内側(内周縁302側)に位置する。したがって、第
1基板10のうち表示領域Adの周囲にはオーバーコート層13が形成されていない領域
(以下「露出領域」という)Aeが存在する。この露出領域Aeにおいては第1基板10の
表面がオーバーコート層13から露出している。
シール材30は、第1基板10と垂直な方向からみて部分的にオーバーコート層13と
重なり合うように形成される。すなわち、図4および図5に示されるように、シール材3
0は、オーバーコート層13の表面上に位置して当該オーバーコート層13の表面に接触
する第1の部分31と、露出領域Aeに位置して第1基板10の表面に接触する第2の部
分32とを有する。第1の部分31と第2の部分32とはスクリーン印刷などの印刷技術
によって一体に形成される。このうち第1の部分31は、シール材30の内周縁302か
らその幅方向における途中の位置までの部分であり、第2の部分32は、この途中の位置
から外周縁301までの部分である。
さらに、第1基板10の表面上には、オーバーコート層13から離間した位置にて当該
オーバーコート層13を包囲する保護層18が形成される。図4および図5に示されるよ
うに、本実施形態における保護層18は、第1基板10のうちシール材30の外周縁30
1よりも外側の位置から当該第1基板10の周縁までの領域にわたって形成された膜体で
ある。上述した露出領域Aeは、第1基板10のうち保護層18の内周縁181とオーバ
ーコート層13の周縁131までの領域に相当する。この保護層18は、オーバーコート
層13と同一の材料によって共通の工程にて形成される。したがって、保護層18とオー
バーコート層13との膜厚は略等しい。この保護層18は、第1基板10と第2基板20
とを接合する工程においてこれらの基板の破損を防ぐ役割を担っている(詳細は後述する
)。
次に、各走査線15を走査線駆動回路411または412に導通させるための構成につ
いて説明する。図2および図4に示されるように、図2における上方から数えて奇数行目
の走査線15は、X方向の負側の端部151がオーバーコート層13の周縁131表面上
にての近傍に至るように引き出されてシール材30の第1の部分31と重なり合う。同様
に、図2における上方から数えて偶数行目の走査線15は、X方向の正側に引き出されて
端部151がオーバーコート層13の表面上にてシール材30の第1の部分31と重なり
合う。図6は、奇数行目の走査線15のうちシール材30と重なり合う端部151の近傍
の構成を示す平面図である。なお、以下では特に奇数行目の走査線15を走査線駆動回路
411に導通させるための構成について説明するが、偶数行目の走査線15を走査線駆動
回路412に導通させるための構成も左右の位置関係が逆転する点を除いて同様である。
図2に示されるように、第2基板20の表面のうちシール材30に沿ってY方向に延在
する領域には、各々が奇数行目の走査線15の何れかに対応する複数(すなわち走査線1
5の総本数の半数)の配線26が形成される。これらの配線26は、走査線駆動回路41
1と奇数行目の走査線15とを(あるいは走査線駆動回路412と偶数行目の走査線15
とを)電気的に接続するための配線である。各配線26は、端部261からシール材30
によって囲まれた領域内にてY方向に延在し、張出領域20aに至った端部が走査線駆動
回路411の出力端子に接続される。図4および図6に示されるように、各配線26の端
部261は、その配線26に対応する走査線15の端部151にシール材30を介して対
向する。
一方、シール材30には多数の導通材305が分散されている。これらの導通材305
は導電性を有する微細な粒子であり、例えばプラスチックなど弾性を有する粒子の表面に
導電性を有する金属のメッキを施したものである。図4に示されるように、各走査線15
とこれに対応する配線26とはこれらの導通材305に接触して互いに導通する。このよ
うに、第1基板10上に形成された奇数行目の走査線15は、シール材30に分散された
導通材305と第2基板20上に形成された配線26とを介して走査線駆動回路411に
接続される。同様に、偶数行目の走査線15は、導通材305と配線26とを介して走査
線駆動回路412に接続される。また、シール材30に分散された各導通材305の直径
は、第2基板20の表面と第1基板10上のオーバーコート層13の表面との間隔に略等
しい寸法(さらに、端部151同士や端部261同士の間隔よりも充分に小さい寸法)と
なっている。したがって、シール材30の第1の部分31に位置する各導通材305は、
第1基板10と第2基板20との間隔を所期値に維持するスペーサとしての役割も担って
いる。
以上に説明したように、本実施形態におけるシール材30は、第1基板10の露出領域
Aeに接触する第2の部分32を有する。ここで、第1基板10とシール材30との密着
性はオーバーコート層13とシール材30との密着性よりも高い。したがって、本実施形
態によれば、シール材30の全部がオーバーコート層13の表面上に形成された従来の構
成と比較して、第1基板10や第2基板20に対する外力の作用によってシール材30が
第1基板10から剥離するといった事態は有効に抑制される。さらに、シール材30の第
1の部分31は、第2基板20の表面とオーバーコート層13の表面との間隙に介在する
。したがって、シール材30の内周縁302に囲まれた領域の全部において液晶35の厚
さを略等しくすることができるから、シール材30の内周縁302よりも内側の位置まで
しかオーバーコート層13が形成されていない構成(すなわちシール材30の全部が第2
基板20の表面に接触する構成)と比較して、シール材30の内周縁302の近傍におけ
る表示ムラを抑制することができる。
<A−2:液晶装置Dの製造方法>
次に、図7を参照して、液晶装置Dを製造する方法について説明する。
まず、反射層11と遮光層122と着色層121とが公知の方法によって形成された第
1基板10の全面を覆うように膜体51が形成される(工程1)。この膜体51は、アク
リル系やエポキシ系などの樹脂材料によって2.6μm(マイクロメートル)程度の膜厚
に形成される。この膜体51の形成には、例えば各種の印刷技術やスピンコート法などの
塗布技術が利用される。
次に、膜体51のうち露出領域Aeに相当する部分が選択的に除去されてオーバーコー
ト層13と保護層18とが形成される(工程2)。この膜体51の除去には、フォトリソ
グラフィ技術やエッチング技術が利用される。工程2にて膜体51が除去された露出領域
Aeにおいては第1基板10の表面が露出することになる。次に、オーバーコート層13
の表面上に複数の走査線15とこれを覆う配向膜16とが形成される(工程3)。
続いて、オーバーコート層13の表面と第1基板10の露出領域Aeとにわたってシー
ル材30が形成される(工程4)。この形成には、例えばスクリーン印刷などの印刷技術
が利用される。図7に示されるように、シール材30には導通材305が分散されている
一方、第2基板20の表面上にはデータ線21や画素電極22が公知の方法によって形
成される。そして、以上の工程によって得られた第1基板10と第2基板20とがシール
材30を介して貼り合わされる(工程5)。すなわち、第2基板20のうちデータ線21
や画素電極22が形成された表面が第1基板10のうちオーバーコート層13や走査線1
5が形成された表面と対向するように第1基板10と第2基板20とを重ね合わせ、この
状態にて第2基板20を第1基板10側に(あるいは第1基板10を第2基板20側に)
押圧することによって双方の基板を接着する。この押圧に伴なって、第2基板20のうち
シール材30の外側に位置する領域は第1基板10側に撓むが、この撓んだ部分は保護層
18に接触することによってそれ以上の変形が抑制される。したがって、工程5における
押圧に伴なって第2基板20が破損する事態は抑制される。このように、保護層18は、
第2基板20に作用する外力を吸収するクッションとしての役割を担っている。また、工
程5において第1基板10と第2基板20とを貼り合わせると、走査線15の端部151
と配線26の端部261とがシール材30の導通材305を介して相互に導通することに
なる。
以上の工程の後に、第1基板10および第2基板20とシール材30とによって囲まれ
た空間に液晶35が封止され、さらに第2基板20の張出領域20aに走査線駆動回路4
11および412とデータ線駆動回路43とが実装されることによって液晶装置Dが完成
する。
以上のように、本実施形態においては、オーバーコート層13と保護層18とが単一の
膜体51から共通の工程にて一括的に形成されるから、これらの各層を別個の工程にて形
成する場合と比較して製造工程の簡素化や製造コストの低減が実現される。
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態においては、シール材3
0の内周縁302を含む第1の部分31がオーバーコート層13の表面上に位置し、第2
の部分32が第1基板10の表面に接触する構成を例示した。本実施形態におけるシール
材30は、この構成に加えて、保護層18の表面上に位置する部分を有する。なお、本実
施形態のうち第1実施形態と同様の部分については共通の符号を付してその説明を適宜に
省略する。
図8は、本実施形態に係る液晶装置Dのうち走査線15と配線26とがシール材30を
介して対向する部分の構成を示す断面図(すなわち図4に対応する断面図)である。また
、図9は、シール材30とオーバーコート層13と保護層18との関係に特に注目して第
2基板20の角部を拡大して示す平面図(すなわち図5に対応する平面図)である。図8
および図9に示されるように、本実施形態におけるシール材30は、その外周縁301か
ら幅方向における途中の位置までの第3の部分33が保護層18の表面上に位置して当該
保護層18の表面に接触する。すなわち、シール材30は、オーバーコート層13の表面
上に位置する第1の部分31と、露出領域Aeにおいて第1基板10の表面に接触する第
2の部分32と、保護層18の表面上に位置する第3の部分33とが、当該シール材30
の内周縁302から外周縁301に向かってこの順番に配置された構成となっている。た
だし、これらの部分は各々が独立した別個の部分ではなく、図7に示した工程4にて一体
に形成された部材である。
本実施形態においても、シール材30の第1の部分31がオーバーコート層13の表面
上に位置するとともに第2の部分32が第1基板10の表面に接触するから、第1実施形
態と同様の作用および効果が奏される。さらに、本実施形態においては、保護層18と第
2基板20との間隙にシール材30の第3の部分33が介在するから、図6の工程5にお
いて第2基板20を第1基板10に押圧するときに第2基板20の変形(撓み)が抑制さ
れる。したがって、工程5における第1基板10や第2基板20の破損を有効に防止する
ことができるという利点がある。
なお、第1実施形態や第2実施形態においてはシール材30の幅がその全周にわたって
略同一の寸法とされた構成を例示したが、この構成に代えて、図10の構成も採用される
。同図は、液晶装置Dの他の態様における第1基板10の角部を拡大して示す平面図(す
なわち図5や図9に対応する平面図)である。同図に示されるように、この態様における
シール材30は、第1基板10の角部に相当する部分が他の部分と比較して幅広となって
いる。さらに、オーバーコート層13は、このシール材30の形状に対応するように角部
が除去(面取り)された形状とされる。第1基板10や第2基板20に外力が作用すると
シール材30の角部には特に応力が集中して破損し易い。本態様によれば、このように応
力が集中する部分が幅広とされているからシール材30の破損を抑制することができる。
さらに、オーバーコート層13の角部が除去されているから、シール材30が第1基板1
0の表面と直接に接触する領域を充分に確保することができ、これによりシール材30と
第1基板10との接合の強度を高い水準に維持することができる。なお、ここでは第1実
施形態の構成を基礎として説明したが、第2実施形態においても同様の態様が採用される
また、第1実施形態においては第1の部分31と第2の部分32とが共通の工程(図6
の工程4)にて一括的に形成される場合を例示したが、これらの各部分は図11に示され
るように別個の工程にて形成されてもよい。図11は、シール材30の第1の部分31と
第2の部分32とを別個の工程にて形成したときの液晶装置Dの断面図(図4に対応する
平面図)である。このように第1の部分31と第2の部分32とを別個の工程にて形成し
た場合には、第1の部分31と第2の部分32との各々に直径が相違する粒子を分散する
ことができる。すなわち、図11に示されるように、シール材30の第1の部分31には
、第1実施形態と同様にオーバーコート層13の表面と第2基板20の表面との間隔に相
当する直径の導通材305が分散される。この導通材305が走査線15と配線26とを
導通させる役割を担っている点は第1実施形態と同様である。一方、シール材30の第2
の部分32には、第1基板10の表面と第2基板20の表面との間隔に相当する直径のス
ペーサ307が分散される。このスペーサ307は第1基板10と第2基板20との間隔
を略一定の寸法に維持するための粒子である。このスペーサ307は導電性を有する必要
はない。本態様によれば、導通材305のみが分散された第1および第2実施形態の液晶
装置Dと比較して、第2の部分32のスペーサ307によって第1基板10と第2基板2
0との間隙の寸法をさらに確実に維持することができる。
<C:第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る液晶装置Dについて説明する。第1および第2実施
形態においては、オーバーコート層13の周縁131よりも外側の領域を露出領域Aeと
してシール材30を第1基板10の表面に接触させる構成を例示したが、第1基板10の
うちシール材30が接触する部分(すなわちオーバーコート層13から露出する部分)は
その周縁に限られない。本実施形態においては、オーバーコート層13のうち各走査線1
5の端部151の間隙に相当する部分が選択的に除去されてこの部分にて第1基板10の
表面が露出する構成となっている。
図12は、本発明の第3実施形態に係る液晶装置Dのうち走査線15と配線26とがシ
ール材30を介して対向する部分を拡大して示す平面図(図6に対応する平面図)である
。また、図13は、図12におけるXIII−XIII線からみた断面図である。これらの図に示
されるように、本実施形態におけるオーバーコート層13は第1基板10の全域を覆うよ
うに(すなわち第1基板10の周縁まで至るように)形成される。このオーバーコート層
13は、各走査線15の端部151の間隙に開口部133を有する。各開口部133は、
オーバーコート層13が除去された部分である。したがって、第1基板10の表面は開口
部133を介してオーバーコート層13から露出する。一方、シール材30は、このオー
バーコート層13を覆うように形成される。したがって、シール材30のうち開口部13
3と重なり合う第2の部分32は、この開口部133に入り込んで第1基板10の表面に
接触する。シール材30のうち第2の部分32以外の第1の部分31は第1実施形態と同
様にオーバーコート層13の表面上に位置する。第1の部分31に位置する導通材305
によって走査線15と配線26とが導通させられる構成は第1実施形態と同様である。
以上に説明したように、本実施形態においても、シール材30の第1の部分31がオー
バーコート層13の表面上に位置するとともに第2の部分32が第1基板10の表面に接
触するから、第1実施形態と同様の作用および効果が奏される。ところで、走査線15と
配線26とを確実に導通させるためには、シール材30に分散される導通材305の密度
を高めて走査線15と配線26との間隙により多くの導通材305を介在させることが望
ましい。しかしながら、導通材305の密度を高めすぎると各々が近接し合い、互いに隣
接する走査線15同士あるいは配線26同士がショートする事態が生じ易くなるという問
題がある。本実施形態においては、各走査線15の間隙にオーバーコート層13の開口部
133が形成されているから、走査線15と配線26との間隙に介在しない導通材305
は当該開口部133に入り込んで互いに離間しながら散在する。したがって、本実施形態
によれば、導通材305の密度を高めて走査線15と配線26とを確実に導通させながら
、互いに隣接する走査線15同士または配線26同士のショートを抑制することができる
という利点がある。なお、図12および図13においてはオーバーコート層13に穴状に
(すなわち全周がオーバーコート層13に包囲されるように)形成された開口部133を
例示したが、この開口部133は、各走査線15に沿って延在して端部がオーバーコート
層13の周縁に至るスリット状の形状であってもよい。
本実施形態に係る液晶装置Dは図7に示した方法によって製造されるが、特に工程4に
おいては以下の手順によってシール材30を形成する方法が採用される。図14は、工程
4にて形成されるシール材30の形状を示す平面図である。同図においては便宜的にシー
ル材30にハッチングが施されている。図14に示されるように、本実施形態の工程4に
おいては、オーバーコート層13の開口部133に対応する部分が他の部分(例えば走査
線15と配線26との間隙に介在する部分)と比較して幅広となるようにシール材30が
形成される。すなわち、図14に示されるシール材30の突起部351は、開口部133
のうちシール材30の外周縁301よりも外側に突出した端部と重なり合うように突出し
た形状に形成され、同図の突起部352は、開口部133のうちシール材30の内周縁3
02よりも内側に突出した端部と重なり合うように突出した形状に形成される。本実施形
態においては、図13に示されるように、第1基板10上に形成されたシール材30が開
口部133の内側に入り込むから、仮に工程4にて形成されるシール材30の幅を全周に
わたって略同一とすれば、第1基板10と第2基板20とを貼り合わせた後のシール材3
0のうち開口部133と重なり合う部分は当該開口部133に入り込んだ分だけ幅が狭く
なる。これに対し、本実施形態においては、シール材30のうち開口部133と重なり合
う部分が幅広とされているから、その一部が開口部133に入り込んだとしてもシール材
30の幅が部分的に狭くなるといった事態は抑制される。したがって、本実施形態によれ
ば、オーバーコート層13に開口部133を形成した構成においてもシール材30の強度
を充分に維持することができるという利点がある。
<D:変形例>
各実施形態には種々の変形が加えられる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通り
である。なお、以下に示す各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)各実施形態においては、シール材30に沿ってY方向に延在する配線26の端部2
61と走査線15のX方向における端部151とがシール材30の導通材305を介して
導通する構成を例示したが、走査線15と配線26とを導通させる位置はこれに限られな
い。例えば、第1基板10のうち張出領域20aに隣接する周縁の近傍において走査線1
5と配線26とを導通させる構成も採用される。図15は、本変形例に係る液晶装置Dの
構成を示す分解斜視図であり、図16は、この液晶装置Dの構成を示す平面図(図2に対
応する平面図)である。これらの図に示されるように、本実施形態においては、走査線1
5の端部151に連結された配線155が第1基板10の表面上に形成される。この配線
155は、シール材30によって囲まれた領域内においてY方向に延在して第1基板10
の周縁に至る。一方、第2基板20の表面上には、走査線駆動回路411および412の
出力端子に接続された端部からY方向に延在してシール材30と重なり合う配線26が形
成される。第1基板10の配線155と第2基板20の配線26とは、図16に示される
領域Aにおいて、シール材30に分散された導通材305を介して相互に導通する。この
構成においても、第1ないし第3実施形態と同様の構成が採用される。例えば、図15お
よび図16に示した構成に第3実施形態を採用した場合には、オーバーコート層13のう
ち各配線155の間隙に開口部133が形成される。本変形例のように張出領域20aの
近傍にて走査線15と配線26とを導通させる構成においては各配線26および各配線1
55のピッチが第1ないし第3実施形態における各配線26のピッチよりも大幅に狭いた
め、シール材30に分散される導通材305の密度を高めたときに各配線155同士また
は各配線26同士のショートの可能性は高くなる。しかしながら、本変形例においては、
第3実施形態と同様に各配線155の間隙にオーバーコート層13の開口部133が形成
されているから、このように導通材305の密度を高めた場合であってもショートを防止
することができるという利点がある。すなわち、第3実施形態による効果は、導通材30
5を介して導通される各配線155や各配線26のピッチが小さい構成において特に顕著
となる。
(2)各実施形態においては、第1基板10を覆うオーバーコート層13の表面上に走査
線15が形成され、第2基板20の表面上にデータ線21および画素電極22や配線26
が形成された構成を例示したが、これとは逆に、第1基板10を覆うオーバーコート層1
3の表面上にデータ線21および画素電極22や配線26が形成され、第2基板20の表
面上に走査線15が形成された構成も採用される。
(3)各実施形態においてはシール材30の第1の部分31がオーバーコート層13と重
なり合う構成を例示したが、これ以外の膜体に重なり合う構成としてもよい。例えば、シ
ール材30が形成される領域まで至るように配向膜16が形成された構成においては、こ
の配向膜16と部分的に重なり合うようにシール材30を形成してもよい。この構成にお
いては、シール材30の内周縁302よりも外側に周縁が位置するように配向膜16が形
成される一方、シール材30の第1の部分31が配向膜15と重なり合い、第2の部分3
2が第1基板10のうち配向膜16から露出した部分にて第1基板10の表面に接触する
ことになる。このように、本発明における「被覆層」とは基板の表面上に(特に表示領域
Adを覆うように)形成された膜状の部材であれば足り、その機能や役割の如何は不問で
ある。
(4)各実施形態においては、二端子型のスイッチング素子たるTFD素子を備えた液晶
装置Dを例示したが、三端子型のスイッチング素子たるTFT(Thin Film Transistor)
素子を備えた液晶装置や、スイッチング素子を持たないパッシブマトリクス方式の液晶装
置にも各実施形態と同様に本発明が適用される。また、各実施形態においては、データ線
21にTFD素子が接続された構成を例示したが、この構成に代えて、走査線15にTF
D素子が接続された構成も採用される。
<E:電子機器>
次に、本発明に係る液晶装置を表示手段として備える電子機器について説明する。図1
7は、各実施形態に係る液晶装置Dを有する携帯電話機の構成を示す斜視図である。この
図に示されるように、携帯電話機1200は、利用者により操作される複数の操作ボタン
1202、他の端末装置から受信した音声を出力する受話口1204、および他の端末装
置に送信される音声を入力する送話口1206のほかに、各種の画像を表示する液晶装置
Dを有する。
なお、本発明に係る液晶装置が利用され得る電子機器としては、図17に示される携帯
電話機のほかにも、ノート型のパーソナルコンピュータや、液晶テレビ、ビューファイン
ダ型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダ、デジタルカメラ、カーナビゲーション装
置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、
POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
本発明の第1実施形態に係る液晶装置の構成を示す分解斜視図である。 第1実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図である。 図2のIII−III線からみた断面のうち表示領域内の要素の構成を示す断面図である。 図2のIII−III線からみた断面のうちシール材の近傍の要素の構成を示す断面図である。 シール材とオーバーコート層と保護層との位置関係を示す平面図である。 走査線とシール材と配線との位置関係を拡大して示す平面図である。 第1実施形態に係る液晶装置の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の第2実施形態に係る液晶装置のうちシール材の近傍の構成を示す断面図である。 シール材とオーバーコート層と保護層との位置関係を示す平面図である。 他の態様に係るシール材とオーバーコート層と保護層との関係を示す平面図である。 他の態様に係る液晶装置のうちシール材の近傍の要素の構成を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る液晶装置のうちシール材の近傍を示す平面図である。 図12におけるXIII−XIII線からみた断面図である。 第3実施形態におけるシール材を形成する工程について説明するための平面図である。 第1変形例に係る液晶装置の構成を示す分解斜視図である。 第1変形例に係る液晶装置の構成を示す平面図である。 本発明に係る電子機器の一例である携帯電話機の構成を示す斜視図である。
符号の説明
D……液晶装置、Ad……表示領域、10……第1基板、121……着色層、122……
遮光層、13……オーバーコート層(被覆層)、131……周縁、133……開口部、1
5……走査線、155……配線、16……配向膜、18……保護層、20……第2基板、
20a……張出領域、21……データ線、22……画素電極、24……配向膜、26……
配線、261……端部、30……シール材、35……液晶、37……スペーサ、31……
第1の部分、32……第2の部分、33……第3の部分、301……外周縁、302……
内周縁、305……導通材、307……スペーサ。

Claims (11)

  1. 相互に対向する第1基板および第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板とを接合する枠状のシール材と、
    前記第1基板および前記第2基板と前記シール材とに囲まれた空間に封止された液晶と

    前記シール材の内周縁よりも外側に周縁が位置するように形成されて前記第1基板のう
    ち前記第2基板と対向する表面を覆う被覆層と、
    前記被覆層から離間した位置にて当該被覆層を包囲する形状に形成された保護層と
    を具備し、
    前記シール材は、前記被覆層の表面上に位置する第1の部分と、前記第1基板のうち前
    記被覆層の周縁と前記保護層の内周縁とに挟まれた領域にて当該第1基板の表面に接触す
    る第2の部分とを有する
    液晶装置。
  2. 前記シール材は、前記保護層の表面上に位置する第3の部分を有する
    請求項1に記載の液晶装置。
  3. 相互に対向する第1基板および第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板とを接合する枠状のシール材と、
    前記第1基板および前記第2基板と前記シール材とに囲まれた空間に封止された液晶と

    前記シール材の内周縁よりも外側に周縁が位置するように形成されて前記第1基板のう
    ち前記第2基板と対向する表面を覆う被覆層と、
    前記被覆層の表面上に形成された複数の第1配線と、
    前記第2基板のうち前記第1基板と対向する表面上に形成された複数の第2配線と
    を具備し、
    前記シール材の内部には、前記第1配線と前記第2配線との間隙に介在して両配線を相
    互に導通させる導通材が分散され、
    前記被覆層のうち相互に隣接する各第1配線の間隙の部分には当該被覆層を厚さ方向に
    貫通する開口部が形成され、
    前記シール材は、前記被覆層の表面上に位置する第1の部分と、前記被覆層の開口部に
    入り込んで前記第1基板の表面に接触する第2の部分とを有する
    液晶装置。
  4. 前記シール材のうち前記開口部に重なり合う部分は他の部分よりも幅広である
    請求項3に記載の液晶装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載の液晶装置を具備する電子機器。
  6. 枠状のシール材を介して貼り合わされた第1基板と第2基板との間隙に液晶が封止され
    た液晶装置を製造する方法であって、
    前記第1基板の表面上に膜体を形成する成膜工程と、
    前記膜体を選択的に除去することによって被覆層と当該被覆層を包囲する保護層とを形
    成する除去工程と、
    前記シール材の第1の部分が前記被覆層の表面上に位置し、前記除去工程にて除去され
    た部分を介して当該シール材の第2の部分が前記第1基板の表面に接触するように前記シ
    ール材を形成するシール形成工程と、
    前記第1基板と前記第2基板とを前記シール材を介して貼り合わせる接合工程と
    を有する液晶装置の製造方法。
  7. 前記除去工程は、前記膜体のうち、前記シール形成工程にて形成される前記シール材の
    内周縁と外周縁とに挟まれる領域を除去することにより、前記被覆層とこれを包囲する保
    護層とを形成する工程である
    請求項6に記載の液晶装置の製造方法。
  8. 前記シール形成工程は、前記シール材の第3の部分が前記保護層の表面上に位置するよ
    うに前記シール材を形成する工程である
    請求項6に記載の液晶装置の製造方法。
  9. 前記シール形成工程は、前記第1基板と前記第2基板とが貼り合わされたときに前記第
    1基板上の配線と前記第2基板上の配線とを導通させる導通材が分散された前記第1の部
    分を形成する工程と、前記第1基板と前記第2基板との間隙に介在するスペーサが分散さ
    れた前記第2の部分を形成する工程とを含む
    請求項6に記載の液晶装置の製造方法。
  10. 枠状のシール材を介して貼り合わされた第1基板と第2基板との間隙に液晶が封止され
    た液晶装置を製造する方法であって、
    前記第1基板の表面上に膜体を形成する成膜工程と、
    前記膜体を選択的に除去することによって被覆層を形成する除去工程と、
    前記被覆層の表面上に複数の第1配線を形成する工程と、
    導通材が分散された前記シール材を形成するシール形成工程と、
    前記第1基板と前記第2基板とを前記シール材を介して貼り合わせる接合工程と
    を有し、
    前記除去工程は、前記膜体のうち各第1配線の間隙に位置する部分を除去して当該膜体
    を貫通する開口部を形成する工程であり、
    前記シール形成工程は、前記シール材の第1の部分が前記被覆層の表面上に位置し、前
    記除去工程にて除去された部分を介して当該シール材の第2の部分が前記第1基板の表面
    に接触するように前記シール材を形成する工程であり、
    前記接合工程は、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせることにより、前記第1
    配線と前記第2配線とを前記導通材を介して相互に導通させる工程である
    液晶装置の製造方法。
  11. 前記シール形成工程は、前記シール材のうち前記開口部に重なり合う部分が他の部分よ
    りも幅広となるように当該シール材を形成する工程である
    請求項10に記載の液晶装置の製造方法。
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