JP2006183479A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP2006183479A
JP2006183479A JP2004375198A JP2004375198A JP2006183479A JP 2006183479 A JP2006183479 A JP 2006183479A JP 2004375198 A JP2004375198 A JP 2004375198A JP 2004375198 A JP2004375198 A JP 2004375198A JP 2006183479 A JP2006183479 A JP 2006183479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
link
internal combustion
combustion engine
pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004375198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4581675B2 (ja
Inventor
Shunichi Aoyama
俊一 青山
Katsuya Mogi
克也 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004375198A priority Critical patent/JP4581675B2/ja
Publication of JP2006183479A publication Critical patent/JP2006183479A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4581675B2 publication Critical patent/JP4581675B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】 ピストンピンの十分な潤滑性能が確保される内燃機関を提供する。
【解決手段】 シリンダ内を往復動するピストンが複数のリンクを介してクランクシャフトに連結されている内燃機関において、上記複数のリンクにより構成されるピストン−クランク機構は、ピストンピンに連結されるリンクのピストン往復軸線に対する揺動速度が、圧縮上死点前の圧縮行程において極大値をとるよう構成されている。これによって、ピストンピンに連結されるリンクの揺動速度は、圧縮上死点前で極大値をとってから圧縮行程が終了するまで単調減少することになり、膨張行程前半におけるリンクの揺動速度の大きさが低減される。そのため、膨張行程前半におけるリンクの揺動速度の大きさを低減することができるので、ピストンピンの十分な潤滑性能が確保することができる。
【選択図】 図11

Description

本発明は、ピストンが複数のリンクを介してクランクシャフトに連結されている内燃機関に関する。
特許文献1は、本出願人が先に提案したものであり、複リンク式ピストン−クランク機構を用いた内燃機関の可変圧縮比機構を開示している。これは、一端がピストンにピストンピンを介して連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端が第1連結ピンを介して連結されるとともに、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、によって、ピストンとクランクピンとが連係されているとともに、上記ロアリンクの運動を拘束するように、ロアリンクに第2連結ピンを介してコントロールリンクの一端が連結された構成となっており、コントロールリンクの他端が、例えばシリンダブロック下部に支持されている。そして、このコントロールリンクの他端の揺動中心をカム機構により変位させることで、ピストン上死点位置ひいては機関の圧縮比を変化させることができる。
特開2001−227367号公報
ところで、ピストンピンの潤滑には、ガス圧力、慣性力といった荷重そのものの他に、ピストンピンの摺動速度が極めて重要となる。一般にピストンピンのような流体油膜が出来にくい部位の場合、荷重P、摺動(揺動)速度Vの積であるPV値によって潤滑条件の厳しさが見積もられる。すなわち、ピストンピンに加わる荷重が高いほど、及び荷重下でのピストンピンの摺動速度が大きいほど潤滑面では厳しい条件となる。換言すれば、ピストンピンに加わる荷重が高いほど、及び荷重下でのピストンピンに連結されたアッパリンクのピストン往復軸線に対する揺動速度が大きいほど潤滑面では厳しい条件となる。
本発明は、荷重Pの大きな膨張行程前半におけるピストンピンの揺動速度を低減できるようにリンクジオメトリの最適化を行うことで、ピストンピンの十分な潤滑性能が確保される内燃機関を提供することを主たる目的としている。
本発明は、シリンダ内を往復動するピストンが複数のリンクを介してクランクシャフトに連結されている内燃機関において、上記複数のリンクにより構成されるピストン−クランク機構は、ピストンピンに連結されるリンクのピストン往復軸線に対する揺動速度が、圧縮上死点前の圧縮行程において極大値をとるよう構成されていることを特徴としている。これによって、ピストンピンに連結されるリンクの揺動速度は、圧縮上死点前で極大値をとってから圧縮行程が終了するまで単調減少することになり、膨張行程前半におけるリンクの揺動速度の大きさが低減される。
本発明によれば、膨張行程前半におけるリンクの揺動速度の大きさを低減することができるので、ピストンピンの十分な潤滑性能が確保することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明に係る内燃機関、例えば4サイクル筒内直接噴射式ガソリン機関に用いられる複リンク式ピストン−クランク機構を用いた可変圧縮比機構の構成を示す構成説明図である。この機構は、ロアリンク4とアッパリンク5とコントロールリンク10とを主体とした複リンク式ピストン−クランク機構から構成されている。
クランクシャフト1は、複数のジャーナル部2とクランクピン3とを備えており、シリンダブロック18の主軸受に、ジャーナル部2が回転自在に支持されている。クランクピン3は、ジャーナル部2から所定量偏心しており、ここにロアリンク4が回転自在に連結されている。カウンタウェイト15は、ジャーナル部2とクランクピン3とを接続するクランクウェブ16からクランクピン3とは反対側へ延びている。このカウンタウェイト15は、クランクピン3を挟んで両側に互いに対向するように設けられており、その外周部は、ジャーナル部2を中心とした円弧形に形成されている。
ロアリンク4は、左右の2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央の連結孔にクランクピン3が嵌合している。
アッパリンク5は、下端側が第1連結ピン6によりロアリンク4の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン7によりピストン8に回動可能に連結されている。ピストン8は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック18のシリンダ19内を往復動する。
ロアリンク4の運動を拘束するコントロールリンク10は、上端側が第2連結ピン11によりロアリンク4の他端に回動可能に連結され、下端側がコントロールシャフトとしての制御軸12を介して機関本体の一部となるシリンダブロック18の下部に回動可能に連結されている。詳しくは、制御軸12は、回転可能に機関本体に支持されているとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部12aを有し、この偏心カム部12aにコントロールリンク10下端部が回転可能に嵌合している。
この制御軸12は、図示せぬエンジンコントロールユニットからの制御信号に基づいて作動する図示せぬ圧縮比制御アクチュエータによって回動位置が制御される。
上記のような複リンク式ピストン−クランク機構を用いた可変圧縮比機構においては、制御軸12が、圧縮比制御アクチュエータによって回動されると、偏心カム部12aの中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク10の下端の揺動支持位置が変化する。そして、コントロールリンク10の揺動支持位置が変化すると、ピストン8の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン8の位置が高くなったり低くなったりする。これにより、機関圧縮比を変えることが可能となる。
図2は、上記の複リンク式ピストン−クランク機構の基本的な動作説明図であって、クランクシャフト1が1回転(360°CA)する間の各部の動作を、90°CA毎に示している。図の(b)がピストン上死点位置に相当し、この図(b)から明らかなように、コントロールリンク10の下端の位置が変化すれば、ピストン8が上下に変位して、圧縮比が変化することになる。
また、上記の複リンク式可変圧縮比機構においては、リンクディメンジョンを適切に選定することにより、単振動に近いピストンストローク特性が得られる。特に、一般的な単リンク式ピストン−クランク機構のピストンストローク特性に比べて、より単振動に近い特性とすることが可能である。そして、ピストン加速度が平準化され、ピストン上死点付近での最大慣性力が大幅に低減する。なお、上記の単振動に近いピストンストローク特性によれば、上死点付近でのピストン8の速度が、単リンク式ピストン−クランク機構のものに比べて、20%近く遅くなる。
次に、上述したピストン8およびアッパリンク5の構造について図3〜図6を用いて詳述する。
ピストン8は、アルミニウム合金を用いて一体に鋳造されたものであって、比較的厚肉な円盤状をなすピストン頭部21の外周面に、複数本、例えば3本のピストンリング溝22が形成されているとともに、ピストン8のスラスト−反スラスト方向となる周方向の一部に、上記外周面からシリンダ19の円筒面に沿って延びるように、スカート部23が形成されている。このスカート部23は、図6に示すように、ピストンピン7と直交する方向から見た投影形状が略矩形状をなし、そのピストンピン軸方向に沿った幅は、ピストンピン7の全長と略等しいか、あるいはピストンピン7の全長よりも短いものとなっている。つまり、スカート部23は、周方向の非常に小さな範囲に設けられている。
また、ピストン8の中心部つまり円盤状をなすピストン頭部21の裏面中心部に、一対のピンボス部24が形成されており、このピンボス部24に、ピストンピン7の端部が回転自在に嵌合するピン孔25が貫通形成されている。このピン孔25の内周には、軸方向に沿った一対の油溝26が形成されている。
一方、アッパリンク5は、鋼製のものであり、図7に示すように、ピストン8側の一端にピストンピン7が圧入されている。そして、アッパリンク5における上方のピストンピン7の軸長と、下方の第1連結ピン6の軸長とは、互いに等しい。また、ピストンピン7が受ける荷重と第1連結ピン6が受ける荷重とは基本的に等しいので、ピストンピン7と第1連結ピン6とは、互いに等しい径とすることができる。
また、図7に示すように、一対のピンボス部24及びピストンピン7からなるピストン連結構造のピストンピン軸方向の寸法は、ピストン8ないしはシリンダ19の直径に比べて、かなり小さなものとなっている。
そして、ピストン8が下死点近傍にあるときに、クランクシャフト1のカウンタウェイト15の最外径部が、図示するように、ピストンピン7を軸方向へ延長した延長線と交差するようになっている。換言すれば、ピストン8が下死点近傍にあるときに、ピストンピン7を保持したピンボス部24の側方を、カウンタウェイト15の最外径部が通過する。尚、図2の(d)は、単に動作を説明するためのものであるので、ピストンピン7とカウンタウェイト15とが上下に離れて描かれているが、上記のように構成することで、図2(d)の構成よりも、さらにピストン8をクランクシャフト1中心に近付けた構成とすることができる。
また、スカート部23も小型化されていることから、上記のようにカウンタウェイト15がピンボス部24の側方を通過する際に、スカート部23と干渉することはない。このようにスカート部23を小型化すると、その剛性を大きく確保することは困難であるが、本発明が前提とする複リンク式ピストン−クランク機構においては、ピストン8を傾けようと作用するサイドスラスト荷重は、一般の単リンク式ピストン−クランク機構の場合よりも小さくなるので、スカート部23は最小の大きさで済む。具体的には、ピストン8に最大燃焼圧が作用するのは、膨張行程の前半であり、図2の(c)の付近でピストン頭部21が最大荷重を受けることになるが、このとき、図示するように、アッパリンク5は、垂直に近い姿勢であり、シリンダ19の軸線に対する傾きが非常に小さい。特に、単リンク式ピストン−クランク機構の場合のコネクティングロッドの姿勢に比べて、シリンダ19の軸線に対する傾きを、より小さくすることが可能である。従って、サイドスラスト荷重が低減し、スカート部23の小型化が可能となる。
さらに、上記の複リンク式ピストン−クランク機構の利点として、単振動に近いピストン−ストローク特性とすることで、ピストン加速度が平準化され、ピストン上死点付近での最大慣性力が大幅に低減する。従って、上記のように、ピストンピン7を保持するピンボス部24の小型化が可能となる。
このような複リンク式ピストン−クランク機構を有する4サイクル内燃機関において、本発明では、ピストンピン7の十分な潤滑性能を確保すべく、複リンク式ピストン−クランク機構のリンクジオメトリの最適化を行う。
複リンク式ピストン−クランク機構の仕様としては、図1及び図8に示すように、クランクシャフト1に対してシリンダがオフセットしていない仕様のもの(以下、タイプA複リンクと記す)と、図9に示すように、クランクシャフト1に対してシリンダがオフセットした仕様のもの(以下、タイプB複リンクと記す)とがある。ここで、図9に模式的に示す複リンク式ピストン−クランク機構は、クランクシャフトに対してシリンダがオフセットしている点以外は、図1及び図8に示す複リンク式ピストン−クランク機構と同一構成となっているものである。また、図8及び図9において、軌跡L1はピストン往復軸線と一致するピストンピン7の動き表すものであり、軌跡L2は第1連結ピン6の動きを示すものであり、軌跡L3はクランクピン3の動きを示すものである。
図10は、上述したタイプA複リンクのアッパリンク5の揺動角特性(特性線A1)と、上述したタイプB複リンクのアッパリンク5の揺動角特性(特性線B1)と、従来の一般的な単リンク式ピストン−クランク機構におけるリンクの揺動角特性(特性線C1)とを比較したものである。ここで、単リンク式ピストン−クランク機構におけるリンクとはコネクテイングロッドである。
図10に示すように、複リンク式ピストン−クランク機構、すなわちタイプA複リンク及びタイプB複リンクは、単リンク式ピストン−クランク機構とは異なり、膨張行程の半ばでアッパリンク揺動角が最小値となるように設定されている。これは前述のようにピストン8の側圧を減らす上で有効であるのは既に述べた通りである。
そして、本発明においては、複リンク式ピストン−クランク機構におけるアッパリンク5のピストン往復軸線に対する揺動速度(揺動角速度)の特性についても最適化を量っている。ここで、アッパリンク5のピストン往復軸線に対する揺動速度は、ピストンピンの摺動速度と実質的には等価なものである。
図11は、タイプA複リンクのアッパリンク5の揺動速度特性(特性線A2)と、タイプB複リンクのアッパリンク5の揺動速度特性(特性線B2)と、従来の一般的な単リンク式ピストン−クランク機構におけるリンク(コネクテイングロッド)の揺動速度特性(特性線C2)とを比較したものである。
タイプA複リンク及びタイプB複リンクの場合、単リンク式ピストンクランク機構に比べて、全体的に揺動速度の絶対値が小さくなっている。また、タイプA複リンク及びタイプB複リンクの場合、単リンク式ピストンクランク機構に比べて膨張行程前半で揺動速度(の絶対値)が小さくなっている。膨張行程前半でタイプA複リンク及びタイプB複リンクの揺動速度が相対的に小さくなっている要因は、揺動速度の極大値(最大値)が、単リンク式ピストン−クランク機構のように圧縮上死点ではなく、圧縮行程側、すなわち圧縮上死点よりも前側にシフトしているからである。このようにすることで、タイプA複リンク及びタイプB複リンクのアッパリンク5の揺動速度は、圧縮上死点前で極大値をとってから圧縮行程が終了するまで単調減少することになる。
また、この結果として、タイプA複リンク及びタイプB複リンクでは、アッパリンク5の揺動速度がゼロとなる瞬間が相対的に膨張行程前半にシフトすることになる。揺動速度がゼロに近ければ、ピストンピン7に加わる荷重が大きくても、ピストンピン7の摺動面の温度が上昇しにくいなど潤滑条件は大幅に緩和することができる。
タイプB複リンクにおけるピストンピン7のPV値を具体的に計算した結果を図12及び図13に示す。尚、図12は中負荷運転時、図13は高負荷運転時にそれぞれ対応するものである。また、図12及び図13において、特性線MはタイプB複リンクにおけるピストンピン7のPV値であり、特性線Nは単リンク式ピストン−クランク機構におけるピストンピンのPV値である。
図12及び図13からも明らかなように、タイプB複リンクのPV値は、単リンク式ピストン−クランク機構のPV値に対して、全域に亙って低減されており、特にピークとなる膨張行程で大幅に低減されている。
このようにアッパリンク5の揺動速度を膨張行程前半で大きく低減させる方法について、上述したタイプA複リンクとタイプB複リンクを比較しながら詳述する。
図14は、タイプA複リンクの膨張行程における挙動を模式的に示した説明図であって、図14の(a)がピストン上死点位置(圧縮上死点位置)に相当し、図14の(c)がピストン上死点位置(圧縮上死点)からクランク角換算で90°下降した位置に相当し、図14の(b)が図14の(a)と(c)の中間の位置に相当する。
図15は、タイプB複リンクの膨張行程における挙動を模式的に示した説明図であって、図15の(a)がピストン上死点位置(圧縮上死点位置)に相当し、図15の(c)がピストン上死点位置(圧縮上死点)からクランク角換算で90°下降した位置に相当し、図15の(b)が図15の(a)と(c)の中間の位置に相当する。
図14及び図15中のΔXは、ピストン8が上死点からクランク角換算で90°下降したときの第1連結ピン6の水平方向の座標変化であり、これと前述の揺動角の変化が概略対応する。このΔXを減らす上で有効なのは、第1連結ピン6の軌跡である楕円(軌跡L2)を傾斜させることであり、タイプAの複リンク式ピストン−クランク機構がそのように構成されている。
また、アッパリンク5は、その両端部を二股状となるよう形成し、これら二股状の各端部で、ピストンピン7の両端部及び第1連結ピン6の両端部をそれぞれ支持するように構成すれば最も合理的であり、カウンタウェイト15の通過余裕も同じように設計できる。ピストンピン7と第1連結ピン6では最大荷重である燃焼ガス圧力による荷重レベルが基本的に同じであるため、同一の仕様で問題はない。慣性荷重に関しては、第1連結ピン6の方がアッパリンク5の慣性力の分増大するが、ロアリンク4は鋼製、ピストン8がアルミニウム製の場合、この方が都合がよい。
上記実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について列記する。
(1) シリンダ内を往復動するピストンが複数のリンクを介してクランクシャフトに連結されている内燃機関において、上記複数のリンクにより構成されるピストン−クランク機構は、ピストンピンに連結されるリンクのピストン往復軸線に対する揺動速度が、圧縮上死点前の圧縮行程において極大値をとるよう構成されている。これによって、ピストンピンに連結されるリンクの揺動速度は、圧縮上死点前で極大値をとってから圧縮行程が終了するまで単調減少することになり、膨張行程前半におけるリンクの揺動速度の大きさが低減される。そのため、膨張行程前半におけるリンクの揺動速度の大きさを低減することができるので、ピストンピンの十分な潤滑性能が確保することができる。
(2) シリンダ内を往復動するピストンが複数のリンクを介してクランクシャフトに連結されている内燃機関において、上記複数のリンクにより構成されるピストン−クランク機構は、膨張行程前半におけるピストンピンに連結されるリンクのピストン往復軸線に対する揺動速度の平均値が、圧縮行程後半におけるピストンピンに連結されるリンクのピストン往復軸線に対する揺動速度の平均値よりも小さくなるよう構成されている。
(3) シリンダ内を往復動するピストンが複数のリンクを介してクランクシャフトに連結されている内燃機関において、上記複数のリンクにより構成されるピストン−クランク機構は、膨張行程の前半に、ピストンピンに連結されるリンクのピストン往復軸線に対する揺動速度がゼロとなる瞬間が存在するよう構成されている。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の内燃機関において、ピストンは、周方向の中のスラスト−反スラスト側となる部分に、それぞれスカート部を備えており、このスカート部のピストンピン軸方向に沿った幅が、ピストンピンの全長と略等しい。
(5) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の内燃機関において、ピストンは、周方向の中のスラスト−反スラスト側となる部分に、それぞれスカート部を備えており、このスカート部のピストンピン軸方向に沿った幅が、ピストンピンの全長よりも短い。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載の内燃機関において、クランクシャフトのカウンタウェイトの最外径部が、下死点近傍において、ピストンピンの軸方向への延長線と交差する。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載の内燃機関において、ピストン−クランク機構は、一端がピストンピンを介してピストンに連結されるアッパリンクと、このアッパリンクの他端が第1連結ピンを介して連結されると共に、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクに第2連結ピンを介して一端が連結されると共に、他端が内燃機関本体に対して揺動可能に支持されるコントロールリンクと、を備えた複リンク式ピストン−クランク機構である。
(8) 上記(7)に記載の内燃機関において、クランクシャフトの回転に対するピストンのピストンストローク特性が、単リンクのピストン−クランク機構における特性よりも単振動に近い特性となるように、複リンク式ピストン−クランク機構のリンク構成が設定されている。
(9) 上記(7)または(8)に記載の内燃機関において、複リンク式ピストン−クランク機構は、コントロールリンクの他端の内燃機関本体に対する揺動支持位置を変位させる支持位置可変手段をさらに備えるものであって、揺動支持位置の変位により機関圧縮比を可変制御する。
(10) 上記(7)〜(9)のいずれかに記載の内燃機関において、複リンク式ピストン−クランク機構は、膨張行程において、アッパリンクのシリンダ往復軸線に対する傾きが小となるよう構成されている。
本発明に係る内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構の全体を示す構成説明図。 複リンク式ピストン−クランク機構の基本的な動作を示す動作説明図。 クランクシャフトと直交する面に沿ったピストンの断面図。 クランクシャフト軸方向に沿ったピストンの断面図。 ピストンの一部を切り欠いて示す斜視図。 ピストンの側面図。 下死点におけるピストンとカウンタウェイトとの位置関係を示す説明図。 タイプA複リンクを模式的に示す説明図。 タイプB複リンクを模式的に示す説明図。 本発明に係る内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構のアッパリンクの揺動角特性を示す説明図。 本発明に係る内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構のアッパリンクの揺動速度特性を示す説明図。 タイプB複リンクにおけるピストンピンのPV値特性を示す説明図。 タイプB複リンクにおけるピストンピンのPV値特性を示す説明図。 タイプA複リンクにおける膨張行程の挙動を模式的に示した説明図。 タイプB複リンクにおける膨張行程の挙動を模式的に示した説明図。
符号の説明
4…ロアリンク
5…アッパリンク
7…ピストンピン
8…ピストン
10…コントロールリンク
15…カウンタウェイト
23…スカート部
24…ピンボス部

Claims (10)

  1. シリンダ内を往復動するピストンが複数のリンクを介してクランクシャフトに連結されている内燃機関において、
    上記複数のリンクにより構成されるピストン−クランク機構は、ピストンピンに連結されるリンクのピストン往復軸線に対する揺動速度が、圧縮上死点前の圧縮行程において極大値をとるよう構成されていることを特徴とする内燃機関。
  2. シリンダ内を往復動するピストンが複数のリンクを介してクランクシャフトに連結されている内燃機関において、
    上記複数のリンクにより構成されるピストン−クランク機構は、膨張行程前半におけるピストンピンに連結されるリンクのピストン往復軸線に対する揺動速度の平均値が、圧縮行程後半におけるピストンピンに連結されるリンクのピストン往復軸線に対する揺動速度の平均値よりも小さくなるよう構成されていることを特徴とする内燃機関。
  3. シリンダ内を往復動するピストンが複数のリンクを介してクランクシャフトに連結されている内燃機関において、
    上記複数のリンクにより構成されるピストン−クランク機構は、膨張行程の前半に、ピストンピンに連結されるリンクのピストン往復軸線に対する揺動速度がゼロとなる瞬間が存在するよう構成されていることを特徴とする内燃機関。
  4. ピストンは、周方向の中のスラスト−反スラスト側となる部分に、それぞれスカート部を備えており、このスカート部のピストンピン軸方向に沿った幅が、ピストンピンの全長と略等しいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関。
  5. ピストンは、周方向の中のスラスト−反スラスト側となる部分に、それぞれスカート部を備えており、このスカート部のピストンピン軸方向に沿った幅が、ピストンピンの全長よりも短いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関。
  6. クランクシャフトのカウンタウェイトの最外径部が、下死点近傍において、ピストンピンの軸方向への延長線と交差することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関。
  7. ピストン−クランク機構は、一端がピストンピンを介してピストンに連結されるアッパリンクと、このアッパリンクの他端が第1連結ピンを介して連結されると共に、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、このロアリンクに第2連結ピンを介して一端が連結されると共に、他端が内燃機関本体に対して揺動可能に支持されるコントロールリンクと、を備えた複リンク式ピストン−クランク機構であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関。
  8. クランクシャフトの回転に対するピストンのピストンストローク特性が、単リンクのピストン−クランク機構における特性よりも単振動に近い特性となるように、複リンク式ピストン−クランク機構のリンク構成が設定されていることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関。
  9. 複リンク式ピストン−クランク機構は、コントロールリンクの他端の内燃機関本体に対する揺動支持位置を変位させる支持位置可変手段をさらに備えるものであって、揺動支持位置の変位により機関圧縮比を可変制御することを特徴とする請求項7または8に記載の内燃機関。
  10. 複リンク式ピストン−クランク機構は、膨張行程において、アッパリンクのシリンダ往復軸線に対する傾きが小となるよう構成されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の内燃機関。
JP2004375198A 2004-12-27 2004-12-27 内燃機関 Active JP4581675B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004375198A JP4581675B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 内燃機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004375198A JP4581675B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 内燃機関

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006183479A true JP2006183479A (ja) 2006-07-13
JP4581675B2 JP4581675B2 (ja) 2010-11-17

Family

ID=36736780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004375198A Active JP4581675B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4581675B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009036143A (ja) * 2007-08-03 2009-02-19 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関
JP2009047009A (ja) * 2007-08-14 2009-03-05 Nissan Motor Co Ltd 過給機付きエンジン及び過給機付きエンジンの過給機入力トルク制御装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002054468A (ja) * 2000-08-08 2002-02-20 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の可変圧縮比機構
JP2002054498A (ja) * 2000-08-11 2002-02-20 Honda Motor Co Ltd Dohc型エンジン
JP2004190589A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Nissan Motor Co Ltd レシプロ式可変圧縮比機関

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002054468A (ja) * 2000-08-08 2002-02-20 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の可変圧縮比機構
JP2002054498A (ja) * 2000-08-11 2002-02-20 Honda Motor Co Ltd Dohc型エンジン
JP2004190589A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Nissan Motor Co Ltd レシプロ式可変圧縮比機関

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009036143A (ja) * 2007-08-03 2009-02-19 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関
JP2009047009A (ja) * 2007-08-14 2009-03-05 Nissan Motor Co Ltd 過給機付きエンジン及び過給機付きエンジンの過給機入力トルク制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4581675B2 (ja) 2010-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1674692B1 (en) Internal combustion engine
JP4387770B2 (ja) 内燃機関
JP4984574B2 (ja) ピストンクランク機構のクランクシャフト
EP1950390A1 (en) Engine with variable stroke characteristics
JP5949148B2 (ja) 複リンク式内燃機関
JP2009257315A (ja) 内燃機関
JP2009030458A (ja) 火花点火式内燃機関
JP4581675B2 (ja) 内燃機関
JP4816588B2 (ja) 内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構
JP4816587B2 (ja) 内燃機関の複リンク式ピストン−クランク機構
JP2007239509A (ja) レシプロ式エンジン
JP2006183595A (ja) 内燃機関
JP4333247B2 (ja) 内燃機関の可変圧縮比機構
JP5126100B2 (ja) 複リンク機構
JP4822183B2 (ja) ストローク特性可変エンジン
JP2009036143A (ja) 内燃機関
JP2008069679A (ja) ストローク特性可変エンジン
JP6380655B2 (ja) 内燃機関
JP2005180302A (ja) 内燃機関のピストン駆動装置
JP2016196844A (ja) 内燃機関
JP2005003093A (ja) 複リンク式コンロッド機構を有する内燃機関
JP2012247044A (ja) 内燃機関のクランクシャフトのバランスウエイト配置構造
JP2002115570A (ja) 可変圧縮比機構を備えた内燃機関
JP2018115647A (ja) ピストン上、下死点及び圧縮比リミッタ付二分割コンロッドl形ヨーク式行程容積連続可変装置
JP2010185294A (ja) V型多気筒エンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4581675

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3