JP2006182876A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フェノール樹脂と、塩化カルシウムとを含有することを特徴とし、好ましくは、前記フェノール樹脂の一部としてフェノールアラルキル樹脂及び/又は多環芳香族型フェノール樹脂を含有し、更に前記塩化カルシウムの含有量は、前記フェノール樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
(1)フェノール樹脂と、塩化カルシウムとを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
(2)更に、フェノール樹脂の一部としてフェノールアラルキル樹脂及び/又は多環芳香族型フェノール樹脂を含有する(1)に記載のフェノール樹脂成形材料。
(3)前記塩化カルシウムの含有量は、前記フェノール樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部である(1)又は(2)に記載のフェノール樹脂成形材料。
本発明の成形材料は、フェノール樹脂と、塩化カルシウムとを含有することを特徴とする。
ノボラック型フェノール樹脂を使用する場合、通常、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを使用する。ヘキサメチレンテトラミンを用いる場合、その含有量は、特に限定されないが、ノボラック型フェノール樹脂(後述するフェノールアラルキル樹脂及び/又は多環芳香族型フェノール樹脂を用いる場合はそれも含む)100重量部に対して、10〜30重量部を含有することが好ましく、更に15〜20重量部含有することが好ましい。ヘキサメチレンテトラミンの含有量が上記上限値を超えると、成形品の機械的強度が低下する場合があり、上記下限値未満では、成形収縮量を十分低減することができず、また、成形品の機械的強度が低下する場合がある。
フェノール樹脂の一部としてフェノールアラルキル樹脂及び/又は多環芳香族型フェノール樹脂を含有することで、長期耐熱性が向上する。その理由は、フェノールアラルキル樹脂及び多環芳香族型フェノール樹脂は、熱劣化因子であるフェノール性水酸基が少ないためと考えられる。
また、多環芳香族型フェノール樹脂としては例えば、ナフタレン、アントラセンなどの多環芳香族炭化水素で変性したフェノール樹脂などを用いることができる。
上記成分の含有量が上記下限値未満では、成形材料製造時の生産性や成形品の機械的強度が低下する場合があり、上記上限値を超えると、成形品の耐熱性、寸法安定性などの向上効果を低下させる場合がある。
本発明で用いられる塩化カルシウムの形態としては特に限定されないが、無水物を用いることが好ましい。塩化カルシウムは潮解性を有するため、空気中の水分を吸収して凝集しやすい傾向があるが、無水物を用いることで取り扱い性が向上し、成形材料中における分散性を良好なものとすることができる。また、同様の理由から、使用する直前まで吸湿を防止できる気密性の容器等で保管することが好ましい。
上記ガラス繊維と粉末状の無機充填材を併用するとそれぞれの特性をバランスよく向上させることができる。その理由は、ガラス繊維の配向により成形品に生じる異方性が粉末状無機充填材の影響で緩和されるためであると推測される。
これらの中でも、焼成クレー、未焼成クレー、炭酸カルシウム、ウォラストナイト、タルク、ロックウールから選ばれた1種以上を含むことが好ましく、特に焼成クレーを用いることが好ましい。これにより、上記効果をより向上させることができる。
ポリビニルブチラールの含有量が上記下限値未満では、機械的強度向上効果が小さい場合があり、上記上限値を超えると、熱時特性が低下することがある。
また、アクリロニトリルブタジエンゴムとポリビニルブチラールの割合は、特に限定されないが、重量比率で25:75〜80:20が好ましい。更に好ましくは50:50〜75:25である。両者の割合をこの範囲にすることにより、可撓性と靭性とのバランスの向上効果を最も高めることができる。
例えば、フェノール樹脂、塩化カルシウム、ガラス繊維、粉末状の無機充填材、エラストマのほか、さらに必要に応じて硬化助剤、顔料、離型剤を加えて混合した後、溶融混練し、冷却後粉砕して得ることができる。溶融混練は、混練ロール、コニーダ、二軸押出し機等の混練装置単独あるいは混練ロールと他の混合装置との組み合わせにより行うことができる。
1.原材料
(1)ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製・「A−1082」(数平均分子量850)
(2)フェノールアラルキル樹脂:住友ベークライト社製・「R―55024」
(3)ガラス繊維:日本板硝子社製・「RES03−BM38」(平均繊維径11μm、平均繊維長3mmのチョップドストランド)
(4)焼成クレー:イメリス社製・「ポールスター501」
(5)硬化助剤:秩父石灰工業社製・「消石灰」
(6)離型剤:日本油脂社製・「ステアリン酸」
(7)アクリロニトリルブタジエンゴム:JSR社製・「SBP−4300」
(8)ポリビニルブチラール:積水化学工業社製・「エスレックBX−5」
(9)顔料:三菱化学社製・「カーボンブラック#750B」
(10)塩化カルシウム無水物 乾燥剤用グレード
(実施例1)
ノボラック型フェノール樹脂17.5重量%、フェノールアラルキル樹脂7.5重量%、ヘキサメチレンテトラミン4重量%、エラストマとしてアクリロニトリルブタジエンゴム1.5重量%、ポリビニルブチラール1.5重量%、無機充填材としてガラス繊維32重量%、焼成クレー30.8重量%、硬化助剤として消石灰2重量%、離型剤としてステアリン酸2重量%、顔料としてカーボンブラック1重量%、塩化カルシウム0.2重量%を混合し、組成物を得た。
上記組成物を80〜90℃の混練ロールで約15分間溶融混練し、冷却後粉砕して成形材料を得た。
焼成クレーを30.5重量%に減量し、塩化カルシウムを0.5重量%に増量した以外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。
焼成クレーを30重量%に減量し、塩化カルシウムを1重量%に増量した以外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。
ノボラック型フェノール樹脂を22重量%に増量し、フェノールアラルキル樹脂を2重量%に減量し、塩化カルシウムを2重量%に増量した以外は、実施例1と同様にして成形材料を得た。
ノボラック型フェノール樹脂を25重量%に増量し、フェノールアラルキル樹脂を配合しない以外は実施例3と同様にして成形材料を得た。
フェノールアラルキル樹脂と塩化カルシウムを用いず、ノボラック型フェノール樹脂25重量%、ヘキサメチレンテトラミン4重量%、エラストマ成分としてアクリロニトリルブタジエンゴム1.5重量%、ポリビニルブチラール1.5重量%、無機充填材としてガラス繊維32重量%、焼成クレー31重量%、硬化助剤として消石灰2重量%、離型剤としてステアリン酸2重量%、顔料としてカーボンブラック1重量%を混合し、組成物を得た。
上記組成物を80〜90℃の混練ロールで約15分間溶融混練し、冷却後粉砕して成形材料を得た。
ノボラック型フェノール樹脂を17.5重量%に減量し、フェノールアラルキル樹脂を7.5重量%用いた以外は、比較例1と同様にして成形材料を得た。
(1)シャルピー衝撃強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率
トランスファー成形(金型温度175℃、硬化時間3分間)により試料を作製し、JIS K 6911に準拠して行った。
(2)長期耐熱性
試験片を250℃雰囲気中で500時間処理したときの重量保持率として表した。
上記試験片はφ50mm×3mm、トランスファー成形(金型温度175℃、硬化時間3分間)により作製し、180℃×8hのベーキング処理を行ったものを用いた。
上記評価結果を表1下段に示す。
Claims (3)
- フェノール樹脂と、塩化カルシウムとを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
- 更に、フェノール樹脂の一部としてフェノールアラルキル樹脂及び/又は多環芳香族型フェノール樹脂を含有する請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料。
- 前記塩化カルシウムの含有量は、前記フェノール樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部である請求項1又は2に記載のフェノール樹脂成形材料。
Priority Applications (1)
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JP2004376494A JP2006182876A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | フェノール樹脂成形材料 |
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JP2004376494A Pending JP2006182876A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | フェノール樹脂成形材料 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006182876A (ja) |
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2004
- 2004-12-27 JP JP2004376494A patent/JP2006182876A/ja active Pending
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