JP2006182425A - キャップ - Google Patents

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Takayuki Goto
孝之 後藤
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Abstract

【課題】収納物による内圧上昇があってもそれに対応するガス抜きが行えるとともに、装着した容器の横転,傾倒等に対しても内容物が漏出する等の不都合がなく、しかも構造は簡単で、組み付け操作も容易であり安価に製造できるキャップを提案する。
【解決手段】容器体Aの口頸部3の上端開口を気密に閉塞して嵌合したキャップ本体B1の頂壁11裏面にシール用の筒部12を設け、また、その内方の頂壁11に透孔13を穿設し、また、前記シール用の筒部12に上端部を圧接する弾性弁筒20を備えた弁部材B2をキャップ本体に嵌着固定し、容器体の内圧上昇により弾性弁筒20が弾性変形して透孔13よりガスが排出する如く構成した。
【選択図】図1

Description

本発明はキャップに関し、詳しくは内圧を上昇させる収納物を収納する容器体に好適なキャップに関する。
経時変化や温度等の環境変化によるガス等の発生や体積膨張等により、容器内圧が上昇するような内容物を収納する場合がある。例えば、2剤を混合して使用する毛染め液の場合、2剤混合後にガスを発生する場合があり、容器内で混合した混合液を使い切らずに保存したり、或いはパレット等で混合すべきところを誤って容器内で混合してしまった場合等に容器内の内圧が上昇することとなる。この様な収納物を収納した場合従来の容器では変形や破損の虞れが有った。そこで、収納物が自然に、或いは周囲の温度条件等によりガスを発生し易いものである場合でも良好に対応できる包装容器の蓋体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記蓋体は、包装容器に対して開閉自在な蓋体であって、蓋体の底面部に受け皿を介して空間部の板可動空間を設け、蓋体及び受け皿の面の所望箇所に内外貫通の通し穴を有する板可動空間とし、該板可動空間に前記通し穴を封鎖できる機能の可動板を介在してなる構成を有する。
登録実用新案第3056171号公報
上記蓋体は通し穴の存在で内圧が上昇しても外部に逃がすことができ、また、容器の変形や破損等を防止でき、更に、容器の横転,傾倒時に上記可動板の存在により内容物が通し穴を通って外部への漏出の防止を行えることを企図しているが、可動板は上下動させる都合上板可動空間の内径より小さい外径を当然備えており、その結果、容器の横転,傾倒具合によっては可動板が不都合に傾いて蓋体の通り穴から収納物が漏出してしまう虞れが有った。また、これの解消の為に安定した可動板の上下動を行おうすれば板可動空間の内径と可動板の外径を僅かな差に精度高く形成しなければならない等の製造上の面倒が生じる。
本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、収納物による内圧上昇があってもそれに対応するガス抜き、減圧が行えるとともに、容器の横転,傾倒等に対しても内容物が漏出する等の不都合がなく、しかも、構造は簡単で、組み付け操作も容易であり、安価に製造できるキャップを提案するものである。
第1の手段として、容器体Aの口頸部3の上端開口を気密に閉塞して嵌合させるとともに、頂壁11裏面にシール用の筒部12を垂設し、且つ、該筒部の内側の頂壁11に透孔13を穿設したキャップ本体B1と、前記シール用の筒部12内周に上端部を圧接し且つ下部外周を前記シール用の筒部12と隙間dをあけた弾性弁筒20を底板21周縁部から起立した皿状をなすとともに、前記底板21上面と前記キャップ本体頂壁11裏面との間に、係合筒14と該係合筒内に押し込み嵌入する係合突部22とからなる係合手段を介して嵌着させた弁部材B2とを備え、装着した前記容器体Aの内圧上昇により前記弾性弁筒20が弾性変形して、前記容器体A内のガスが前記透孔13を介して排出される如く構成した。
第2の手段として、前記第1の手段に於いて、前記シール用の筒部12の内周下部を大径の導入面f1に形成するとともに、上部内周をテーパ面f2を介して小径のシール面f3として形成し、該シール面f3に前記弾性弁筒20の上端部を圧接した。
本発明のキャップは、上記した透孔13,シール用の筒部12,弾性弁筒20を設けているため、通常は透孔13は閉塞されており、容器が横転したりする不都合があっても収納物が外部に漏出する虞れはない。また、収納物からガスが発生した場合にはガス圧により弾性弁筒20が弾性変形してシール用の筒部12との間が開口するため、透孔13からガスが外部へ排出されて容器の変形,破損等を引き起こすことはない。また、一定圧のガスが排出されると弾性弁筒20はその弾性復元力により再びシール用の筒部12に圧接して容器体A内と透孔13とを遮断するため外気が容器体内に浸入する虞れもなく、収納物を気密に保存することができる。また、外気温等に起因する収納物の体積膨張による内圧上昇についても同様の作用を示す。さらに、弁部材B2は係合筒14と該係合筒内に押し込み嵌入する係合突部22とからなる係合手段を介して嵌着させているため、その組み付け操作が極めて容易に行える利点もある。更に、弾性弁筒20の下部をシール用筒部12と隙間dをあけているため、内圧上昇による弾性弁筒20の弾性変形がスムースに行える利点もある。
また、前記シール用の筒部12の内周下部を大径の導入面f1に形成するとともに、上部をテーパ面f2を介して小径のシール面f3として形成し、該シール面f3に前記弾性弁筒20の上端部を圧接した場合には、キャップ本体B1への弁部材B2の組み付け時に、弾性弁筒20の係合が容易に行えて、嵌合した弾性弁筒20が変形して気密性に問題が生じる等の不都合をより確実に防止することができる利点を兼ね備えている。
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明キャップを使用した容器の一例を示し、該容器は、容器体Aと、キャップBとを備えている。
本発明のキャップBを使用できる容器体Aは通常のボトルタイプのほかにチューブ状の容器体であっても、袋状の容器体であってもあらゆるタイプの容器体に適用できる。図示例はボトルタイプの容器体を使用した例を示し、容器体Aはブロー成形等により形成され、筒状の胴部2より縮径した口頸部3を起立して構成している。
キャップBは、キャップ本体B1と、弁部材B2とで構成しており、それぞれ合成樹脂等により形成される。キャップ本体B1は容器体Aの口頸部3の上端開口を気密に閉塞して嵌合させている。図示例では口頸部3外周に螺着させた周壁10の上端より頂壁11を延設し、頂壁11の裏面を口頸部3上面に圧接して気密性を現出している。気密性を付与するための手段として、その他種々の方法を採用でき、例えば、頂壁11と容器体口頸部3との間にパッキンを介在させても良いし、或いは頂壁11裏面より垂設したシール筒を容器体口頸部3内周に密に嵌合させても良く、或いはこれらを併用しても良い。
また、頂壁11裏面にシール用の筒部12を垂設しており、その内側の頂壁11に透孔13を穿設している。シール用の筒部12は容器体Aの口頸部3内に垂下する位置であればその垂設位置は問わない。また、その形状も後述弁部材の形状に併せて選択することができるが、好ましくは円筒状が気密性の維持、装着のし易さ等を考慮して好ましい。その他、楕円筒状、多角形筒状等が採用できる。さらに、シール用の筒部12は図2に明瞭に示す如く、弁部材B2の嵌着を容易ならしめ、且つ弾性弁筒20の変形防止を図るために、下部内周を大径の導入面f1に、上部内周をテーパ面f2を介して小径のシール面f3に形成している。
透孔13は装着した容器体Aの内圧が高くなった際にガスを外部へ排出するガス抜き孔であり、前記シール用の筒部12内の頂壁11に穿設している。透孔13の穿設位置は後述する係合手段とシール用の筒部12との間に設け、その数、大きさは必要に応じて適宜選択する。図示例では二箇所に円形の透孔13を穿設している。
弁部材B2は、シール用の筒部12内周に上端部を圧接し且つ下部外周をシール用の筒部12と隙間dをあけた弾性弁筒20を底板21の周縁部から起立した皿状をなすとともに、底板21上面とキャップ本体頂壁11裏面との間に、係合筒14と該係合筒内に押し込み嵌入する係合突部22とからなる係合手段を介して嵌着させている。図示例では、キャップ本体頂壁11の裏面から垂設し、内周下端部に係止突条15を突周設した係合筒14に、弁部材B2の底板21上面に突設し、周囲に係合突条23を突周設した係合突部22を、前記係止突条15に係合突条23を乗り越え係合させて嵌着固定している。尚、この係合手段として、容器体頂壁11裏面より前記の如き係合突部を垂設し、弁部材B2の底板21上面から前記の如き係合筒を突設する形態であっても良い。
弾性弁筒20はその上端部外周を前記シール用の筒部12内周に圧接して、装着した容器体A内と透孔13との連通を遮断している。図示例では、上端部をややテーパ状に拡開した円筒状をなし、その上端部外周をシール用の筒部12の上記した小径のシール面f3に圧接している。従って、上端部の拡開部外面を含む弾性弁筒20の外面、シール用の筒部12の小径のシール面f3の一部、テーパ面f2部分、大径の導入面f1部分で、シール用の筒部12と弾性弁筒20との間に隙間dを形成している。尚、隙間dを形成する手段として、大径の導入面f1の無いシール用の筒部12を採用し、上記テーパ状に拡開する手段等により弾性弁筒20の下部を上端部より小径に形成することによっても隙間を形成することが可能であるが、弁部材B2の良好な組み付けを考慮すると前記の方がより好ましい形態となる。
上記の如く構成したキャップBは、キャップ本体B1に対して、弁部材B2を、その係合突部22をキャップ本体B1の係合筒14内に押し込んで強制的に係合するとともに、弾性弁筒20をシール用の筒部12内に、その先端部をシール面f3に圧接する如く嵌合させて組み付ける。また、使用する際には通常のキャップの如く容器体口頸部3外周に周壁10を螺着させて装着すれば良い。また、容器体AにキャップBを装着後、通常は図2(a) に示す如く弾性弁筒20はシール用の筒部12に圧接して容器体A内と透孔13とは非連通であるが、径時変化や温度等の環境変化に伴って容器体の内圧が上昇した場合には弾性弁筒20が弾性変形して弾性弁筒20の先端部の全体或いは一部が図2(b) に示す如く内方へ移行し、シール用の筒部12との間に通路ができて容器体A内が減圧される。容器体Aの内圧が減少すれば弾性弁筒20はその弾性復元力により図2(a) の状態に戻る。
本発明キャップの縦断面図である。(実施例1) 本発明キャップの作用を説明する説明図である。(実施例1)
符号の説明
3…口頸部,11…頂壁,12…シール用の筒部,13…透孔,20…弾性弁筒,21…底板, 22…係合突部,d…隙間,f1…導入面, f2 …テーパ面, f3 …シール面,
A…容器体,B…キャップ,B1…キャップ本体, B2 …弁部材

Claims (2)

  1. 容器体Aの口頸部3の上端開口を気密に閉塞して嵌合させるとともに、頂壁11裏面にシール用の筒部12を垂設し、且つ、該筒部の内側の頂壁11に透孔13を穿設したキャップ本体B1と、前記シール用の筒部12内周に上端部を圧接し且つ下部外周を前記シール用の筒部12と隙間dをあけた弾性弁筒20を底板21周縁部から起立した皿状をなすとともに、前記底板21上面と前記キャップ本体頂壁11裏面との間に、係合筒14と該係合筒内に押し込み嵌入する係合突部22とからなる係合手段を介して嵌着させた弁部材B2とを備え、装着した前記容器体Aの内圧上昇により前記弾性弁筒20が弾性変形して、前記容器体A内のガスが前記透孔13を介して排出される如く構成したことを特徴とするキャップ。
  2. 前記シール用の筒部12の内周下部を大径の導入面f1に形成するとともに、上部内周をテーパ面f2を介して小径のシール面f3として形成し、該シール面f3に前記弾性弁筒20の上端部を圧接してなる請求項1記載のキャップ。
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