JP2006180765A - 振出式継竿 - Google Patents

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正憲 渡邊
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Abstract

【課題】口金後端部に肉盛り部を設けなくても、口金取れや玉口の破損を防止でき、また竿元に中節を中間まで収納した状態で使用しても竿管の破損を防止する構造を実現すること。
【解決手段】振出式継竿に用いられる竿管13の先端部外周面に竿管外周面よりも突出した口金29を装着し、該口金29の後部に周面よりも膨出した収納誘導部材30を設けた。収納誘導部材30は、口金後端から収納誘導部材30の長手方向中央までの長さをL1、収納誘導部材30の長手方向中央から竿管後端までの長さをL2、口金外径をφA、収納誘導部材外径をφC、竿管後端部外径をφDとした場合に、(φC−φA)/L1>(φD−φC)/L2、を満たす長さ方向の範囲に設置する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数の竿管が振出式に継ぎ合わされる振出式継竿に関する。
従来の振出式継竿は、玉口の強度を補強して破損を防止するため、玉口外周に口金を装着している。竿管の先端部外周を肉薄に削って段差部を形成し、当該段差部にリング形状の口金を嵌め込んで固定している。
竿管自体の強度を確保するため又は竿管の肉厚が薄いために竿管の素材を削るのには制限がある一方、口金についてはある程度の厚みを確保する必要がある。その結果、玉口に装着した口金は、その外周部が竿管外周面より外方へ突出した状態となる場合が多い。
ところが、振出式継竿の場合、口金が竿管周面より外方へ突出していると、外に出ている竿管を次節へ収納する際に、口金後端が次節の玉口に引っ掛かり、当該口金が外れたり、次節の玉口が破損したりする可能性がある。
従来は口金後端に連続して肉盛り部を設けることで、口金後端から竿管外周面にかけて滑らかな傾斜面を形成しているものもある。肉盛り部は、一般にエポキシ系樹脂又はウレタン系樹脂による塗料にて形成されている。肉盛り部を設けることにより、竿管収納時に、次節の玉口内径部が竿管外周面上を摺動して肉盛り部スライドし、竿管が次節の竿管内にスムーズに収納されるようになっていた。
また、振出式継竿は、必要に応じて竿全体の長さを変化させることができる。例えば、川幅に合わせてバット内に竿管を収納して竿の長さを調整する。また竿管中間までバット内に収納した状態で、バットの玉口と中節中間部とを同時に押さえ、且つ親指と人差し指で中節の中間部を持って長さを微調整することができる。渓流釣り竿に限らず、振出式の玉網の柄部でも同様な調整が行なわれる。
なお、元竿と元上竿との連結状態を、収納状態、延伸状態及び中間状態のいずれかから選択可能にした釣竿がある(例えば、特許文献1参照)。かかる釣竿は、元竿の先端部内周面に嵌合雌部を設け、元竿の尻栓部近傍に第1嵌合部材を設け、さらに元竿の中間部内周面に第2嵌合部材を設けている。一方、元上竿の後端部に元竿の第1嵌合部材及び第2嵌合部材にそれぞれ嵌着する竿元側嵌合雄部を設け、元上竿の中間部外周に嵌合雌部に嵌着する第1嵌合雄部を設け、第1嵌合雄部から先端側に所定距離隔てたところに嵌合雌部に嵌着する第2嵌合雄部を設けている。
収納状態において、元竿の第1嵌合部材と元上竿の竿元側嵌合雄部とが嵌着し、且つ元竿の嵌合雌部と元上竿の第2嵌合雄部とが嵌着して連結固定される。また中間状態において、元竿の第2嵌合部材と元上竿の竿元側嵌合雄部とが嵌着し、且つ元竿の嵌合雌部と元上竿の第1嵌合雄部とが嵌着して連結固定される。このように、収納状態及び中間状態の各状態において元竿と元上竿とは嵌着状態となり連結固定される。
特開2003−319738号
しかしながら、上述した従来の振出式継竿は、次のような問題があった。
竿管外周面の口金後端部に肉盛り部を設けているものは、収納操作を行う都度、肉盛り部に次節の玉口が当たるので、肉盛り部が擦れて白く変色し又はひび割れが発生し、さらには肉盛り部の割れや欠けが発生する可能性もあった。
また、上記したように、バット内に竿管を中間まで収納した状態でバットの玉口と竿管中間部とを同時に押さえて使用した場合、この状態で一定以上の力が掛かると前節が滑ることがあり、さらに固定力を上げようとして無理に力を加えると中節が破損することがある。また、バットの玉口に竿管中間部を当てたまま操作すると、外竿管の接触部に過大な負荷が掛かり竿管が破損する恐れがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、口金と竿管外周面との高さとを調整する肉盛り部を設けることなく、口金取れや玉口の破損を防止でき、またバット内に竿管を中間まで収納した状態で使用しても竿間の破損が防止される構造を実現すると共に長さの変化にも対応できる構造を実現する振出式継竿を提供することを目的とする。
本発明の振出式継竿は、複数の竿管が振出式に継ぎ合わされる振出式継竿であって、元竿を除く少なくとも一節の先端部外周面に竿管外周面よりも突出して装着された口金と、前記口金の後部に周面よりも膨出して設けられた収納誘導部材と、を具備することを特徴とする。
この構成よれば、次節先端部が口金に到達する前に収納誘導部材に誘導されて口金の突出部に当接しない位置にシフトするので、次節先端部が口金端部に当接して割れや欠けが発生するのを防止できる。また、握持部から竿先端までの長さを調整したい場合、収納誘導部材を次節玉口と同時に握持することでより安定して継竿の操作ができ、中節の破損も防止できる。
本発明の振出式継竿においては、前記収納誘導部材は、口金後端から前記収納誘導部材の長手方向中央までの長さをL1、前記収納誘導部材の長手方向中央から竿管後端までの長さをL2、口金外径をφA、収納誘導部材外径をφC、竿管後端部外径をφDとした場合に、
(φC−φA)/L1>(φD−φC)/L2
を満たす長さ方向の範囲に設置されていることが好ましい。
この構成によれば、竿管周面上をスライドする次節先端部の進行方向の角度が、次節先端内面が前節口金後端部に当接し難いものとなり、次節先端の破損を防止することができる。
本発明の振出式継竿においては、前記収納誘導部材は、熱硬化性樹脂を含浸したプリプレグで前記竿管と一体形成されていることが好ましい。この構成によれば、塗装などにより口金後端部に肉盛りなどを施す必要がなく工程数の削減になる。また、竿管に強固に密着するので、取れや削れが発生し難い。
本発明の振出式継竿においては、前記収納誘導部材の設置位置として、前記L1を30mmから100mmの範囲に設定したことが好ましい。この構成によれば、収納誘導部材と玉口との間に手を挟む恐れがない。また、握持する竿管本体及び次節先端部が位置する前節本体の強度の補強を同時に実現することができる。
本発明の振出式継竿においては、前記収納誘導部材の外表面に凹凸を形成したことが好ましい。また、本発明の振出式継竿においては、前記収納誘導部材の外表面に滑り防止部材を被覆したことが好ましい。これらの構成によれば、収納誘導部材を握持するときに、滑り難く竿管を安定して持つことができる。
本発明の振出式継竿においては、前記収納誘導部材の後方で竿管中央に周面よりも膨出した他の収納誘導部材が設けられていることが好ましい。
また、本発明の振出式継竿は、複数の竿管が振出式に継ぎ合わされる振出式継竿であって、元竿を除く少なくとも一節の先端部外周面に竿管外周面よりも突出して装着された口金と、前記口金の後部から竿管後端までの間にそれぞれ周面よりも膨出して設けられた複数の収納誘導部材と、を具備することを特徴とする。
このように、複数の収納誘導部材を設けることにより、次節のスライドが安定し、長さ調整も適用範囲を広げることができる。
本発明によれば、口金と竿管外周面との高さとを調整する肉盛り部を設けることなく、口金取れや玉口の破損を防止でき、またバット内に竿管を中間まで収納した状態で使用しても竿間の破損が防止される構造を実現すると共に長さの変化にも対応できる構造を実現する振出式継竿を提供できる。
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態として、柄部が振出式になっている玉網の例を説明するが、本発明は玉網の柄部に限定されるものではなく、振出式の渓流釣り竿等にも適用可能である。
図1は、本実施の形態に係る玉網の全体図を示している。玉網10は、複数本の竿管11〜16からなる柄部と、竿管16の先端に取り付けられた環状の枠部17及び枠部17に固定された袋状の網18からなる網部とで構成している。竿管11〜16は、それぞれ内径が先端先細りの筒状体をなしている。これらの竿管11〜16からなる柄部は、手元側の大径竿管から網側の小径竿管が順次振出式に継ぎ合わされると共に、順次手元側の大径竿管内に網側の小径竿管が収納可能となっている。最も手元側に位置する竿管11(以下、元竿という)の一端部に尻栓19を取り付けている。元竿11を除く各節(竿管12〜16)のうち少なくとも一節に口金を装着している。本例では各節(竿管12〜16)の玉口に対して口金を装着するものとするが、一部の節だけに口金を装着するように構成しても良い。
図2は、口金を装着した一節である竿管13を長手方向に切断した上半分の側断面図を示している。竿管13の本体層20は内側層を形成する第1の本体層21と外側層を形成する第2の本体層22との2層構造をなしている。第1の本体層21及び第2の本体層22は、互いの繊維方向を異ならせた内層23、25及び外層24、26で構成する。詳細については後述する。
竿管13の後端部外周を大径部とし嵌合雄部としても機能する後端補強部材27を設けている。竿管13の後端補強部材27は、次節となる竿管12の先端部内周と嵌合する部分であり、竿管12の先端部の内径よりも僅かに大径となるように設定している。
一方、竿管13の先端部であって第1の本体層21の内側に先端部補強部材28を設けている。竿管13の先端部は先端部補強部材28の厚さ分だけ外径が大きくなっているが、竿管12の先端部内径よりは小さく設定することにより竿管13を次節である竿管12に収納できるようにしている。
竿管13の先端部外周面に相当する第2の本体層22の一部を削って段差部を形成し、当該段差部に環状の口金29を装着している。口金29は第2の本体層22を削った段差部の深さよりも肉厚であるため、第2の本体層22の表面である竿管13の外周面よりも外側に突出する。
竿管13の外周面であって口金29の後方(手元側)の所要位置に、竿管周面よりも膨出した収納誘導部材30を設けている。収納誘導部材30は、略均一な厚さの胴部30aと当該胴部30aの左右の外縁部に形成したテーパ30b、30cとを有する断面台形状の膨出部で構成する。なお、収納誘導部材30の断面形状は台形に限定されるものではなく、かまぼこ形、二等辺三角形、左右いずれかの辺が他方の辺よりも長い三角形、その他の形状とすることもできる。
口金29まで含んだ竿管13先端の外径をφA、口金29直後の竿管13先端の外径をφB、収納誘導部材30の外径をφC、竿管13後端部の外径をφDとすると、φD>φC>φA>φBの関係となるように設定する。さらに、収納誘導部材30の竿管長手方向における設置位置は次式を満足することが望ましい。
(φC−φA)/L1>(φD−φC)/L2
但し、L1は口金29後端から収納誘導部材30中央までの距離、L2は竿管後端部から収納誘導部材30中央までの距離を示す。
竿管13の各外径及び収納誘導部材30の設置位置が上記関係式を満たすことにより、竿管13の口金29に対して次節(竿管12)玉口部内周が当接し難くなる。
上記L1は収納誘導部材30の設置位置を規定しているが、L1の数値範囲としては30mm〜100mmが望ましい。L1が30mmよりも短いと収納誘導部材30に親指を載置して操作する際に親指を前方の口金29との間に挟み込む恐れがあり、100mmよりも長いと次節先端がぶれる恐れがあり、口金29に当接する恐れもあるからである。
本実施の形態では、竿管13以外に竿管12、14、15、16についても竿管13と同様の構成を有し、それぞれ上記条件を満足する収納誘導部材を設置している。
図3に竿管13と竿管14との継ぎ合わせ部の断面を示している。竿管14は、竿管13と同様に本体層40を2層構造で構成し、竿管14の外周面であって後端部に嵌合雄部として機能する補強部材41を設けている。竿管14の補強部材41の外径を、竿管13の先端部補強部材28の内径よりも僅かに大きく設定している。振出し時は、竿管13の内部に収納していた竿管14を延伸方向に振り出すと、竿管14の補強部材(大径部)41が竿管13の先端部補強部材28の内周に嵌合し継ぎ合わされる。竿管14と竿管13との間に限らず、他の竿管同士の継ぎ合わせ部においても、小径竿管を振り出すことにより、大径竿管の先端部補強部材と小径竿管の後端部の補強部材(大径部)とが嵌合して継ぎ合わされる。また収納時は、竿管14を竿管13内に押し込んで竿管13の先端部補強部材28と竿管14の補強部材41との嵌合を解除し、竿管13内に竿管14を収納する。他の竿管同士の継ぎ合わせ部においても、小径竿管を大径竿管内に押し込んで大径竿管の先端部補強部材と小径竿管の補強部材との嵌合を解除し、大径竿管内に小径竿管を収納する。
ここで、竿管周面に設けた収納誘導部材の作用について具体的に説明する。図4は、竿管13に振り出した竿管14が継ぎ合わされ、竿管13が竿管12内に収納された状態を示している。なお、竿管12は竿管13と同様に構成されており、2層構造の本体層50、玉口部に設けた口金51、竿管周面の上記条件を満たす位置及び外径を有する収納誘導部材52、先端部内周面に形成した先端部補強部材53を備えている。
ここで、竿管13が竿管12に継ぎ合わされた状態から、竿管13を竿管12に収納する操作を行うものとする。竿管13の周面を掴むとともに竿元側を固定して竿管12側へ強く押し込むと、竿管13の後端補強部材27と竿管12の先端部補強部材53との嵌合が解除される。継ぎ合わせ部の嵌合解除後は、大径竿管である竿管12の中空部内に小径竿管である竿管13を滑り込ませる操作を行う。
このとき、竿管12の玉口となる次節玉口部が、前節となる竿管13の後端側から先端側に向けて竿管13周面上をスライドしていく。次節(竿管12)玉口部が前節(竿管13)の口金29にある程度まで接近したところで収納誘導部材30と接する。竿管12の先端部内周面は、収納誘導部材30の後端側テーパ30bを利用して収納誘導部材30に滑らかに乗り上げる。収納誘導部材30を通過した後は、次節竿管内部に前節の収納誘導部材30を収納した状態となる。竿管12を固定側とすれば、竿管13の収納誘導部材30が竿管12の内周面と接して竿管13を竿管12の軸中心側へシフトさせることになる。
ここで、上記関係式(φC−φA)/L1>(φD−φC)/L2を満足していれば、竿管13後端頂点(最外径部)から収納誘導部材30の頂点(最外径部)を結ぶ線分が竿管中心軸となす角度は、収納誘導部材30の頂点から口金29の頂点(最外径部)を結ぶ線分が竿管中心軸となす角度よりも小さくなる。このため、収納誘導部材30を通過した次節(竿管12)玉口内径部の進行路は、その先の口金29の頂点の僅かに上を通過することとなる。その結果、次節(竿管12)玉口内径部は竿管13の口金29の位置まで相対的に移動しても、両者の間には空間Sが存在することとなり当接しないものとなる。
このように、竿管13の口金29の外径φAよりも次節(竿管12)玉口内径を大きくし、且つ口金29の後方位置に設けた収納誘導部材30で竿管13自体を竿管12の軸中心側へシフトさせるようにしたので、竿管12の玉口が竿管13の口金29に当接し難くなり次節の玉口の破損を防止することができる。しかも、収納誘導部材30を口金29後端から30mm〜100mmの範囲内に設置することにより、収納誘導部材30より口金29側の竿管12の強度で十分にガタを抑えられ、竿管12の玉口が竿管13の口金29に当接しづらくなる効果もある。
また、次節(竿管12)玉口内径は、竿管13の口金29外径φA及び収納誘導部材30の外径φCよりも大きいので、竿管13は収納誘導部材30を介して竿管12に支えられているが、竿管12、13間は遊びが存在する遊嵌状となっている。このため、収納及び引き出す際に収納誘導部材30又は口金29が次節(竿管12)玉口部に引っ掛からないようになっており、例えば玉網の柄部を足場の高い所から下面に瞬時に引き延ばしたいときに手間取ることなく円滑に操作することができる。
次に、竿管12に竿管13を途中まで収納して竿長を調整した上で竿操作する場合について、図5を参照しながら説明する。
収納誘導部材30の胴部30aの後半部分に竿管12の玉口内径部を半掛けにする。このような収納状態において親指を収納誘導部材30の露出領域に載置して人差し指と共に小径竿管(竿管13)と大径竿管(竿管12)とを同時に押さえ、他の三本の指で大径竿管(竿管12)玉口部を保持する。親指の載置位置となる収納誘導部材30の前半部分につかみ部として認識しやすい目印を付けるようにしても良い。
握持力を調整しつつ親指を前方に押し出し又は手前に引き込むことにより収納誘導部材30を介して竿管13に長手方向(延伸方向又は収納方向)の力を加え、竿長を微調整する。このとき、竿管12の玉口内径部は竿管13周面より膨出した収納誘導部材30の胴部30aに押し当てた状態となっているので、振出式継竿を安定して保持できる。また、収納誘導部材30を握持部として竿操作した場合、竿管12の玉口内径部は収納誘導部材30の胴部30aに接するだけで、相対的に強度の弱い竿管周面に接しないため、玉口に接している竿管周面が破損するといった不具合も防止できる。
図6(a)〜(c)は収納誘導部材30の周面に形成する溝の平面図である。図6(a)に示す収納誘導部材30は竿管の長手方向に対して90°方向の溝31を形成した例である。このような90°方向の溝31を形成した(外表面に凹凸を形成した)収納誘導部材30によれば、親指を収納誘導部材30に載置した場合、長手方向に対しては親指との摩擦力が大きなものとなるので、滑り難く、長さの微調整が容易になると共に伸縮方向の力に対して十分に対抗することができる。
図6(b)に示す収納誘導部材30は竿管の長手方向に対して0°方向の溝32を形成した例である。このような0°方向の溝32を形成した収納誘導部材30によれば、親指を収納誘導部材30に載置した場合、周方向に対しては親指との摩擦力が大きなものとなるので、小径竿管(竿管13)に加わる周方向の回転力に対して十分に対抗することができる。例えば、網18に魚が入っている場合は小径竿管(竿管13)に周方向の回転力が加わるが、小径竿管が回転するのを親指の押圧力で防ぐことが可能になる。
図6(c)に示す収納誘導部材30は竿管の長手方向に対して90°方向の溝31及び0°方向の溝32を交差させた例である。このような溝を形成した収納誘導部材30によれば、長手方向の力及び周方向の回転力のそれぞれに対して対抗することができる。
なお、収納誘導部材30と指との摩擦力を高める目的で、溝31,32ではなく、滑り止め効果のある滑り防止部材を被覆を設けても良いし、滑り防止部材としての滑り止め防止塗料を塗布しても良い。
以上の説明では竿管の外周面に収納誘導部材を1つだけ設けていたが、複数の収納誘導部材を設けても良い。
図7は、複数の収納誘導部材を設けた竿管の断面図である。同図に示す竿管60は、前述した竿管13と同様に、先細り形状の筒状をした本体61を2層構造とし、玉口部に口金62を装着している。竿管60の玉口近傍となる先端部内周に先端部補強部材63を設けている。竿管60の外周面には口金62の後方に第1収納誘導部材64を設け、さらに第1収納誘導部材64から所定距離後方に第2収納誘導部材65を設けている。本例では、第1収納誘導部材64及び第2収納誘導部材65は竿管13と同じ断面台形状にしている。第1収納誘導部材64は、上記収納誘導部材30と同じ作用効果を奏するために上記条件を満たし、且つ口金後端からの距離L1は30mm〜100mmの範囲内が望ましい。一方、第2収納誘導部材65は、竿管60の略中央部であることが望ましく、収納誘導部材30の条件であった口金後端からの距離L1は30mm〜100mmの範囲内に限定されない。
例えば磯玉のように、足場から水面までの距離が長い用途に使用する玉網の場合、節長が長くなる傾向にある。長い竿管の場合、口金後端から30mm〜100mmの範囲に設けた第1収納誘導部材64の位置だけでは長さ調節が不十分であり、第1収納誘導部材64よりも手元側の中間部まで繰り出して長さ調整することも要求される。
そこで、節長の略中心部に第2収納誘導部材65を設けた。次節玉口部が第2収納誘導部材65に半掛かりする節長の略中心部まで竿管60を繰り出し、当該竿管60の中間部と次節とを同時に握持し、第2収納誘導部材65に親指を載せて操作する。
このように、竿管60の中間部と次節とを同時に握って押さえる場所に第2収納誘導部材65が位置することにより、収納誘導部材30と同様に握持部を構成することができると共に、次節玉口部が第2収納誘導部材65に接することになり竿管の破損を防ぐことができる。また、第1収納誘導部材64及び第2収納誘導部材65といった複数の収納誘導部材を設けたことにより、次節がより安定してスライドすることになり操作性を改善できる。また、第2収納誘導部材65を節長の略中央部に設けたので、より微妙な長さ調整を等間隔で最小の個数によって実現できる。
次に、上記した収納誘導部材を設けた竿管の製造方法について説明する。図8は図2に示す竿管13の製造手順を示す図である。竿管13は、引き揃えた強化繊維に合成樹脂を含浸させてなる繊維強化樹脂プリプレグで構成されていて、本例では2層の本体プリプレグ(本体層)20で構成されている。本体層20は、一対の端部を有する、相対的に内側の層である第1の本体層21と、一対の端部を有する、相対的に外側の層である第2の本体層22と、第2の本体層22上に配置された後端補強部材27と、第1の本体層21の内側に配置された先端部補強部材28と、繊維強化プリプレグで構成されていて第2の本体層22上に配置された収納誘導部材30と、で主に構成されている。
第1の本体層21は、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ(軸長方向繊維層)24に、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ(周方向繊維層)23を内側から裏打ちして構成されており、第2の本体層22は、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ(軸長方向繊維層)25に、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ(周方向繊維層)26を外側から裏打ちして構成されている。したがって、竿管13の本体層は、図1に示すように、内周側から順に周方向繊維層(内層)23、軸長方向繊維層(中間層)24,25、及び周方向繊維層(外層)26により構成される。
周方向繊維層として用いられるプリプレグ23,26の強化繊維は、24トン/mm2〜46トン/mm2の繊維方向弾性率を有し、20重量%〜35重量%の樹脂含浸量を有することが好ましく、軸長方向繊維層として用いられるプリプレグ24,25の強化繊維は、24トン/mm2〜65トン/mm2の繊維方向弾性率を有し、15重量%〜35重量%の樹脂含浸量を有することが好ましい。
後端補強部材27及び先端部補強部材28は、竿管13の後端部及び先端部を補強するために配置するものであり、繊維方向は周方向又は竿管の軸方向に対して傾斜した方向(特に45°が好ましい)の補強プリプレグで構成されている。後端補強部材27は強度補強の他にも管径を調整して嵌合雄部を構成する目的がある。先端部補強部材28は、玉口のつぶれ、欠け、割れを防止する。
収納誘導部材30は、熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグで構成されている。収納誘導部材30は、竿管13の所望位置を膨出させるために配置するものであり、繊維方向は周方向又は傾斜方向(45°が好ましい)にすると良い。これにより、つぶれや、せん断に強い収納誘導部材30を実現できる。
竿管13を作製する場合、芯金71上に先端補強部材28用のプリプレグを巻回し、第1の本体層21用のプリプレグを周方向繊維層23が芯金71に接触するように巻回し、第1の本体層21上に第2の本体層22用のプリプレグを巻回し、さらに第2の本体層22の後端領域上に後端補強部材27用のプリプレグを巻回し、第2の本体層22の先端よりの前記所望領域に収納誘導部材30用のプリプレグを巻回して加熱する。その後、芯金71を取り外す。
このように、熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを巻回して本体層20と一体に収納誘導部材30を形成するので、本体層20を形成する工程と一緒の前工程で収納誘導部材30を設けることができ、塗装等により肉盛り部を後工程で形成する場合に比べて工数を削減できる。また、竿管に強固に密着して取れや削れが発生し難いといった効果もある。
なお、上記したようにプリプレグを巻回して収納誘導部材30を設けることにより上記効果を得られるが、プリプレグを巻回する以外の方法により収納誘導部材を設けることもできる。例えば、樹脂(エポキシ等)を後で塗布して設けた肉盛り部を収納誘導部材として使用しても良いし、別部材を接着などにより取り付けても良い。
以上のようにして、収納誘導部材30を設けた竿管13を作製することができる。なお、収納誘導部材を設けた他の竿管についても同様の手順で作製することができる。
図9(a)〜(c)に収納誘導部材の形状の一例を示している。図9(a)に示すように台形状30の他に、図9(b)に示す三角形状33、中央に頂点が来る二等辺三角形、又は図9(c)に示す円弧状34のような略かまぼこ形でも良い。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態で説明した数値や材質については特に制限はなく、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
本発明の振出式継竿は、口金後端部に肉盛り部を設けなくても、口金取れや玉口の破損を防止でき、また竿元に中節を中間まで収納した状態で使用しても竿管の破損を防止する構造を実現でき、振出式の釣り竿や玉網の柄部に適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る玉網の全体図である。 図1に示す柄部を構成する竿管の上半分の側断面図である。 竿管が継ぎ合わされた状態を示す断面図である。 前節を次節内に収納し、前々節を前節に継ぎ合わせた状態を示す断面図である。 前節を収納誘導部材中央まで収納して握持部を構成した状態を示す断面図である。 (a)は外表面に90°方向の溝を形成した収納誘導部材の平面図であり、(b)は外表面に0°方向の溝を形成した収納誘導部材の平面図であり、(c)は外表面に90°方向及び0°方向の溝を形成した収納誘導部材の平面図である。 複数の収納誘導部材を設けた竿管の上半分の側断面図である。 収納誘導部材を設けた竿管の製造手順を示す図である。 (a)は収納誘導部材を構成する台形状の平面図であり、(b)は収納誘導部材を構成する三角形状の平面図であり、(c)は収納誘導部材を構成する円弧状の平面図である。
符号の説明
10 玉網
11〜16,60 竿管
20,40,50 本体層
27,41,52,66 後端部補強部材
28,53,63 先端部補強部材
29,51 口金
30 収納誘導部材
31,32 溝
64 第1収納誘導部材
65 第2収納誘導部材

Claims (8)

  1. 複数の竿管が振出式に継ぎ合わされる振出式継竿であって、元竿を除く少なくとも一節の先端部外周面に竿管外周面よりも突出して装着された口金と、前記口金の後部に周面よりも膨出して設けられた収納誘導部材と、を具備することを特徴とする振出式継竿。
  2. 前記収納誘導部材は、口金後端から前記収納誘導部材の長手方向中央までの長さをL1、前記収納誘導部材の長手方向中央から竿管後端までの長さをL2、口金外径をφA、収納誘導部材外径をφC、竿管後端部外径をφDとした場合に、
    (φC−φA)/L1>(φD−φC)/L2
    を満たす長さ方向の範囲に設置されていることを特徴とする請求項1記載の振出式継竿。
  3. 前記収納誘導部材は、熱硬化性樹脂を含浸したプリプレグで前記竿管と一体形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の振出式継竿。
  4. 前記収納誘導部材の設置位置として、前記L1を30mmから100mmの範囲に設定したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の振出式継竿。
  5. 前記収納誘導部材の外表面に凹凸を形成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の振出式継竿。
  6. 前記収納誘導部材の外表面に滑り防止部材を被覆したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の振出式継竿。
  7. 前記収納誘導部材の後方で竿管中央に周面よりも膨出した他の収納誘導部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の振出式継竿。
  8. 複数の竿管が振出式に継ぎ合わされる振出式継竿であって、元竿を除く少なくとも一節の先端部外周面に竿管外周面よりも突出して装着された口金と、前記口金の後部から竿管後端までの間にそれぞれ周面よりも膨出して設けられた複数の収納誘導部材と、を具備することを特徴とする振出式継竿。
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